2026年9月3日木曜日

高市の弁明、反論はもうたくさんだ 止まらない「円安・物価高・概算要求ショック」の三重苦

 高市氏は怒涛の物価高が国民を襲うさなかに何一つ効果的な手を打つことが出来ていません。そもそもそうした観点がないので当然の成り行きです。
 また市場がなぜ「骨太ショック」を起こしているのかについても理解していないので、事態は改善されません。
 高市氏がいま必死になっているのは支持率低下からの回復で、そのためXにひたすら長文の弁明・反論の記事を投稿していますが、とても功を奏しているとは思えません。
 あとは言うまでもなく自民党内での「わが身の安泰」で、高市氏がいま必死になっているのは沖縄知事選勝利とその後に行う予定の党内人事構想です。その間 国民は「円安・物価高・概算要求ショック」の三重苦のただ中に置かれたままという訳です。
 日刊ゲンダイの掲題の記事を紹介します。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
高市の弁明、反論はもうたくさんだ 止まらない「円安・物価高・概算要求ショック」の三重苦
                        日刊ゲンダイ 2026/09/01
                     (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 読売新聞を使って、物価高対策を自慢していた高市首相だが、そう言ってるそばから、円安が進行、9月は怒涛の物価高。15兆円の日米介入はパーとなり、そこに襲い掛かる「青天井予算」への市場の警告。
 選挙や総裁選目当ての場当たりはもう限界。
  ◇  ◇  ◇
 霞が関の懸念が現実となりつつある。8月31日の国債市場で、長期金利の指標となる新発10年債の利回りが一時2.95%まで上昇(価格は下落)した。17日の2.93%を上回り、約30年ぶりの高水準。節目の3%が視野に入った。
 為替も29日未明(日本時間)にNY市場で再び1ドル=160円台を突破した。日米協調介入があった7月31日以来、初めてで、介入効果はたった1カ月でパー。8月31日は日経平均株価の下げ幅も一時1500円を超え、節目の6万5000円を割り込んだ。終値こそ小反落に収まったとはいえ、トリプル安の状況だ。
 前週末に米FRBのウォーシュ議長が利上げに含みを持たせる発言をし、米国債の長期金利が上昇。早期利上げへの警戒感から投資家心理が冷え込んだとの解説も盛んだが、最大の要因は高市政権の積極財政にある。
 2027年度の当初予算編成に向けた各省庁の概算要求は、8月31日が締め切り。総額143兆円超に膨らみ、過去最大を大幅に更新する見通しだ。市場に「放漫」と受け取られたことで、金利上昇や円安が一気に加速。経済官庁の関係者が恐れていた「概算要求ショック」が到来したのだ。
 しかも市場が政権に警鐘を鳴らすのは、一度や二度ではない。典型が「骨太ショック」だ。6月に公表した経済財政運営の指針「骨太の方針」の原案で財政健全化の文言を削除。日銀の利上げ方針への牽制と取れる余計な一言まで盛り込んだことで、インフレ懸念が広がり、金利は上昇し、円安も加速した。
 政府は「骨太」の最終案で修正を図ったが、後の祭り。市場の不信は拭えず、7月に長期金利は一時2.9%を付け、1ドル=164円目前まで円安が進んだ。
 その是正のため、日米両政府は歴史的な協調介入に踏み切り、日本側の実行額だけで過去最大の月次15兆円超もの円買い・ドル売り介入に追い込まれた。
 ホンの1カ月前の教訓を生かせない「概算要求ショック」は、高市首相の反省ゼロ、学習能力の低さ、極めて無責任な政治姿勢を端的に表し、「リーダー失格」を雄弁に物語っている。

「強く豊かな日本」投資枠で野放図に拍車
 政府・日銀は4月末から5月にも単独で為替介入を実施。今年の介入額は計27兆1342億円に上る。これまで最大だった24年の15兆3233億円の2倍近くに達し、既に年間最大を大幅に更新している。
 まともな為政者ならショックに懲りて、少しは財政を引き締めるものだが、高市は放漫財政の手を緩めない。
 予算編成では、経済成長を目指して要求上限を設けない「強く豊かな日本」投資枠を新設。野放図さに拍車をかける始末だ。
 成長戦略の旗振り役である経産省の概算要求額は7兆7859億円。26年度当初予算の約2・5倍に上り、新たな投資枠が6兆3116億円と大半を占める。文科省の投資枠は約2・2兆円、国交省は約1・6兆円、厚労省は約1兆円、総務省や農水省も数千億円規模を要求。ゆうに10兆円を超え、概算要求額がぶくぶく膨らむのも当然だ。
 現時点で額を示さない「事項要求」も多く、最終的にはどこまで膨らむのか知れたものではない。まさに史上空前の「青天井予算」だが、市場の警告を無視した高市政権の振る舞いはケンカを売ったも同然。市場も売られたケンカを買い、概算要求ショックで政権に襲い掛かったのである。
「財政不安やインフレに無頓着すぎる現政権の身勝手な財政運営には絶望的な気持ちになります」と経済評論家の斎藤満氏は嘆き、こう続けた。
「米国が異例の協調介入に応じたのは、高市政権の放漫財政にデメリットを感じたから。米国もインフレ不安から長期金利が上昇傾向にあり、日本の金利上昇と円安はさらなる上昇要因との懸念があったためです。その効果も1カ月で元の木阿弥。いよいよ、円安・金利上昇に歯止めが利かなくなってしまいます」

レベルが低すぎて議論がかみ合わない
 ただでさえ、27年度の概算要求で財務省は国債の利払い計算に使う想定金利を、前年度の年3.0%から年3.8%に引き上げている。
「金利の急騰に備え、想定金利は市場の実勢から1%幅ほど高く設定しており、大幅アップは高市政権下での金利上昇を反映したもの。そのせいで、元本償還と利払いを合わせた国債費は過去最大の約36.6兆円に拡大。青天井予算への市場の警戒感から金利が急騰すれば、年末に予算案を閣議決定する際には想定金利をさらに引き上げざるを得ません。国債費がいっそう膨らみ、財政圧迫がさらなる金利上昇を招く悪循環を生むだけです」(斎藤満氏=前出)
 円安の是正も望み薄だ。9月の飲食料品値上げは今年最大の4923品目に及び、怒涛の値上げラッシュが庶民生活を直撃する。海の向こうでは米軍がイランの軍事施設を再攻撃。原油価格上昇によるインフレは待ったなしである。
 円安と物価高が進めば、高市の「悲願」であるはずの消費税減税の効果も弱まる。ほぼ独断で、来年4月から食料品の消費税率を1%に引き下げる方針を決めたのに、円安・物価高が物価の低下を相殺。食料品の販売価格が思うほど下がらない可能性は十分にある。
 そんな懸念に対し、高市は28日付の読売新聞に掲載された単独インタビューでこう語っていた。
「今日から消費税率が引き下げられたにもかかわらず、同じ飲食料品を昨日と同じ金額で販売している場合には、そのお店の風評にも関わる」「世間の注目度も高いので、一定程度価格が引き下げられる効果が期待できる」--いやいや、そんな低次元の話じゃないんですよ、早苗サン! これじゃあ全く議論がかみ合わないわけだ。

財源不足の言い訳ばかりが上手に
 読売はこの日、1面トップを含め高市インタビューに4ページも紙面を割いた。
 8月19日発売の週刊文春の記事によると、同月5日に高市は読売の老川祥一主筆を秘密裏に公邸に呼び出した。文春は〈臨時国会での消費減税法案の成立に向け、国内最大の発行部数を誇る読売を味方につけるべきだと考えた〉と書いた。
 これまで読売は改正皇室典範や消費税減税を巡り、高市を痛烈に批判。仰々しい紙面構成は、何らかの“手打ち”にも見えなくもないが、高市も読売の紙面で「最優先で取り組んできた」と例の調子で物価高対策を自慢。「食べる物に困ることがないようにするのは、国家の品格」と食料品の消費税減税に改めて意欲を示したが、肝心の財源は心もとないまま。外為特会の余剰金などの活用を示唆しながらも、具体策への言及を避けた。
 それでも「必要な財政需要には十分対応できる」と根拠なき自信を見せ、こう言ってのけた。
「27年度予算を考えると概算要求すら終わっていない段階で、特定の財源を申し上げるのはどなたが首相であっても、どこの政党が政権を持っていても困難で、責任のある態度だとは思っていない」
 嫌みたっぷりに論点ズラシ。財源不足の言い訳ばかりが上手になっていく印象だ。立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏(税法)が言う。
「財源は2年限定で10兆円。下げに下げた法人税を引き上げ、高所得者への累進課税を強化すれば捻出はたやすい。政権の無策は、献金元である大企業に遠慮し、物価高に苦しむ庶民を本気で救う気のない証拠。財源なき減税は、いずれ赤字国債に頼らざるを得ず増税の形で庶民にツケが回ってくる。高市首相が衆院選の公約に減税を掲げたのは、しょせん野党の争点潰し。選挙目当ての場当たり策への弁明、反論はもうたくさんです」
 止まらない円安と物価高、概算要求ショックの三重苦に、庶民生活はもう限界だ。