2026年10月8日木曜日

梁農水相更迭で高市転落始動/国交省虚偽会見が大問題に発展/沖縄県の前途多難

 植草一秀氏の掲題の3つの記事を紹介します。

・梁農水相更迭で高市転落始動(10月 5日)
 臨時国会で簗和夫農水相の暴言問題は厳しく追及されていますが、梁氏は農水相の座にしがみつく姿勢を隠しません。これは背後で高市首相がゴーサインを出しているからです。
 しかし総選挙で自分を支持しなかった首長に報復するため、「社会資本整備総合交付金」を那須烏山市と那珂川町については大幅にカットするというのは余りにも筋が悪く、梁氏への追及は第二弾、第三弾が想定されるので、高市首相が奈落に転落する第一幕になるだろうと見ています。
 また財務省は消費税減税を徹底して忌み嫌い 大企業減税・富裕層減税=庶民大増税を追求し、天下りや社外取締役の利益を供与する大企業と富裕層には配慮します。この基本構造をすべての主権者が理解する必要があると述べました。

・国交省虚偽会見が大問題に発展(10月 6日)
 簗農水相は2市町への報復的交付金削減発言を認めましたが、国交省への予算削減指示は否定しました。国交省も予算の削減について、簗議員からの「要請はなかったと思われる」と否定しました。「なかったと思われる」はあいまいな表現で説得力がありません。
 植草氏は行政機構が口裏合わせに応じている可能性が浮上していると指摘し、恣意的な交付金削減問題は政治の根幹にかかわる中核問題なので、国会は最重要論点として徹底追及するべきであると述べます。
 記事の後半では、泉健太議員が「簗氏への追及は程ほどにすべきである」」と発言したことに対して、それは簗議員をかばおうとしている高市氏に「媚を売るもの」であると批判しました。

・沖縄県の前途多難(10月 7日)
 4日に米軍普天間基地所属の米海兵隊員が強盗殺人容疑で逮捕された件に関連し、植草氏は これまで沖縄で繰り返されてきた米軍関係者による重大犯罪の根本原因は明白で「米軍基地が沖縄にあるから」だと述べます。
 日本が受諾したポツダム宣言にも、日本が主権を回復したサンフランシスコ講和条約にも駐留軍の撤退が明記されているのに、敗戦から81年が経過した現在も米軍がまだ日本に駐留し続けている理由は明白で、日本政府が米軍の撤退を求めないからであるとし、それによって最大の被害を蒙ったのが沖縄県民である点を銘記する必要があると述べます。
 先の沖縄県知事選で当選した古謝新知事が10月4日、米海兵隊員による強盗殺人について記者会見を開いた際に、記者が、「グラス米大使とは電話で協議をしたのか。協議ではどういった言葉を伝えたのか。」と質問したのに対して、古謝氏は「電話ですね」と答えた上で、「ちょっと具体的な発言を一言一句覚えているわけではないのですが、遺憾の意は示したかなと思います」とニコニコしながら述べたことについて、「知事がニコニコ笑う事案でなく、ニコニコ笑う理由もない。被害者に対する哀悼の意も、事件に対する怒りも、米軍に対する憤りも吹き飛ぶ所作だった」と厳しく批判しました。
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梁農水相更迭で高市転落始動
             植草一秀の『知られざる真実』 2026年10月 5日
簗和夫農水相の暴言問題。梁氏は農水相の座にしがみつく姿勢を隠さない。
しかし、問題の筋が極めて悪い。「政治の私物化」をあからさまに宣言するもの。
政治は公の職責。主権者国民のもの。選挙に勝とうが負けようが基本は「国民のための政治」である。
「お前のカネ」でない。原資は国民の税金。1円たりとも無駄遣いは許されない。
それを、自分の選挙に応援した自治体の予算は増やすが、敵対候補を応援した首長の自治体の予算は減らす。これを容認することは政治を私物化していることの表明に他ならない。
高市首相に緊張感があるなら即刻更迭する。しかし、梁氏は辞任する姿勢を示さない。
これは背後で高市首相がゴーサインを出しているということ。主権者国民に対して挑発的なスタンスだ。
しかし、これで一件落着と思うなら大間違い。高市首相が奈落に転落する第一幕になるだろう。
梁農水相追及の第一弾が表面化しただけ。第二弾、第三弾が想定される。
問題を長引かせ、世論の反発が強まるなかで最終的に梁氏更迭に追い込まれる。
これが政権の体力を失わせるボディーブローになる。
消費税減税は方向として正しいが具体策が最悪。飲食料品の税率を2年限りで1%に引き下げる。2年後に税率を引き上げるときは大増税になる。国民の反発はすさまじいものになるだろう。
飲食料品の税率が1%になるが、外食の税率は10%。外食から内食への激しいシフトが生じる。外食事業者はテイクアウト販売を激増させるだろう。
システム変更に1年以上の時間がかかるとしてきた反対理由はどこに行ったのか。
いまどき、税率変更への対応に年単位の時間を要すると主張すること自体が時代錯誤。
こんなことを政府が述べる国が世界の経済発展から取り残されるのは自明のこと。
本来は、2週間もあれば対応可能だ。
国税収入は2020年度が60・8兆円。これが2025年度に84・2兆円に膨張した。
国税収入の年額が23・4兆円も激増した。23兆円規模の「恒久増税」が実行されたのだ。こんな緊縮財政運営を実行すれば経済は崩落する。
「超緊縮」を「中立」に戻すには、実行された増税と同規模の「恒久減税」を実行することが必要。20兆円規模の恒久減税が実施されて財政政策運営は「中立」になる。
高市内閣が提示する2年限りの飲食料品税率実質ゼロに要する費用は合計で10兆円。
20兆円の恒久増税を前にすれば「焼け石に水」でしかない。
それなのに、世間では増税批判論がかまびすしい。背景は財務省の情報統制。
財務省は消費税減税を徹底して忌み嫌う。財務省の基本戦略は大企業減税・富裕層減税=庶民大増税である。
財務省に天下りや社外取締役の利益を供与するのは大企業と富裕層。
だから、こちらに減税を行い、空いた穴を埋めるために庶民増税を推進している。
この基本構造をすべての主権者が理解する必要がある。

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国交省虚偽会見が大問題に発展
             植草一秀の「知られざる真実」 2026年10月 6日
やな大臣。いやな大臣。選挙で首長が支援しなかった首長の自治体への予算配分を減額したとの発言が大きな問題に発展している。
本ブログ、メルマガで取り上げてきた。
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梁農水相は辞任に追い込まれるだろう。内閣の弱体化を回避するには的確な大局観が必要。高市首相は世の中を甘く見ている。梁農水相の続投を指示している。
しかし、問題は政治の根幹にかかわる中核問題。梁氏の発言と実績とがピタリと符合している。「偶然の一致」と言い逃れることは困難な客観情勢だ。

梁氏は発言を認めたが予算削減の指示は否定している。しかし、予算配分の外形は梁氏の発言通りになっている。会見した国交省は指示に基づく予算削減について否定したが説得力がない。
国会で取り上げるべき最重要論点になった。国会が徹底追及するべきことは当然だ。

政治の機能のうち、最大のものが予算編成である。国民の血税をどのように使うか。
政治の役割の最大のものが予算編成である。
その予算編成において私的な利害を持ち込み、さらに、その行為を公言した。公言しただけでなく、実際の予算配分が公言した通りになっている。

ところが梁氏は官僚機構への働きかけを否定し、官僚機構も働きかけによる予算配分決定を否定した。だが、外形的に梁氏の予算削減の数値と結果としての予算配分削減が一致している。梁氏と国交省がともに虚偽を述べている疑いが濃厚になっている。

梁氏だけでなく行政機構が口裏合わせに応じている可能性が浮上している。
これは、国交省の責任問題に発展する可能性が極めて高い。高市首相は世の中がまったく見えていないようだ。ここから高市内閣の転落が始動する。

併せて世の中がまったく見えていない人物が浮かび上がる。元立民代表の泉健太氏。
中道改革連合に突き進んだが轟沈(ごうちん)。中道は空中分解した。
元立民議員は「民主改革の会」に移籍したが泉健太氏はこれに加わらなかった。
国民民主に合流して「隠れ与党勢力」に立場を変えるのだと見られる。そのために高市首相に媚を売らなければならない。

媚を売るのが大好きで唯一の得意技が媚を売ることの高市首相に倣って、泉健太は高市首相に媚を売っているように見える。
泉健太氏は梁氏の問題について次のようなSNS主張発信を行った。
「しかし、あえて言う。野党は、この追及に、質問時間を使わず、国民生活に関する質疑に徹しるべきではないか。その方が、実は与党にとってははるかに脅威だ」(原文ママ・以下同)「野党も、疑惑のイメージ付けを試みても通用はしないだろう。しつこい押し問答の繰り返しは野党の評価を落とす逆効果ですらある。」

泉健太氏の見識の低さが露呈している。
高市首相は梁氏の問題を追及されるのは嫌だろう。その高市氏に単に媚を売っただけ。
野党のなかに潜むポンコツ議員をあぶり出して、今後の国政選挙で議員資格をはく奪することが重要になる。
               (中 略)
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4543号
「梁農水相とポンコツ議員の排除」 でご高読下さい。
               (後 略)


沖縄県の前途多難
             植草一秀の「知られざる真実」 2026年10月 7日
10月4日、沖縄県宜野湾市に位置する米軍普天間基地に所属する米海兵隊上等兵の男が強盗殺人容疑で逮捕された。これまで沖縄で繰り返されてきた米軍関係者による重大犯罪。原因は明白だ。米軍基地が沖縄にあるから。

日本が受諾したポツダム宣言にも、日本が主権を回復したサンフランシスコ講和条約にも駐留軍の撤退が明記されている。敗戦から一体何年の時間が経過したのか。敗戦から81年の時間が経過したのに、米軍がまだ日本に駐留し続けている。その理由も明白だ。日本政府が米軍の撤退を求めないからだ。

米軍が日本に居座る根拠は日米安保条約にある。その日米安保条約には条約を終了させる条文が明記されている。
サンフランシスコ講和条約
第10条(前略)この条約が十年間効力を存続した後は、いずれの締約国も、他方の締約国に対しこの条約を終了させる意思を通告することができ、その場合には、この条約は、そのような通告が行なわれた後一年で終了する。

米軍を日本から撤退させることは可能だ。しかし、日本政府は実行してこなかった。
その米軍が日本に居座るために重大犯罪が繰り返されてきた。その重大犯罪によって最大の被害を蒙ってきたのは沖縄県民である。
沖縄県民は第二次大戦においても日本において最大の被害を被った。日本政府は本土決戦までの時間を稼ぐために沖縄を捨て石にした。
日本で最大の被害を蒙ったのが沖縄県民である。この点を銘記する必要がある。

その沖縄で9月13日に知事選が実施された。この選挙で新たに沖縄県知事に選出されたのが古謝玄太氏。古謝氏は与党とゆ党の6党の推薦を受けた。
現職の玉城デニー氏は敗北した。
新たに知事に選出された古謝氏にとって最初の重大事案が今回の事件。

報道によると逮捕されたのは普天間基地所属のデビン・ジェイコブ・バラード容疑者。
逮捕容疑は10月3日に那覇市内のホテルで同市在住の女性を殺害した上で女性の財布やかばんを奪ったというもの。女性の首に紐のようなもので締められた跡があったという。

事件発生に対応して古謝玄太新知事が10月4日に記者会見を開いた。
古謝氏は会見冒頭で被害女性に対する哀悼の意を述べた上で、事件について次のように述べた。「県民に大きな衝撃を与え、新たな不安を招くものであり、断じて許せるものではなく、非常に強い憤りを感じています。県としてはこれまで事件が起こるたびに米軍に対して再発防止を求めているものの、事件が再び起きたことは、米軍の綱紀粛正、隊員教育等が全く機能していないと言わざるを得ません。」

その上で、米軍に対して厳重に抗議する方針を表明した。質疑応答で記者が、古謝氏がジョージ・グラス駐日米国大使と協議を行ったことについて、
「グラス大使とは電話で協議をしたのか。協議ではどういった言葉を伝えたのか。」
と質問した。これに対して古謝氏は「電話ですね」と答えた上で次の発言を示した。
「ちょっと具体的な発言を一言一句覚えているわけではないのですが、遺憾の意は示したかなと思います」

問題はこの発言の際に古謝氏がニコニコしていたこと。知事がニコニコ笑う事案でなく、ニコニコ笑う理由もない。被害者に対する哀悼の意も、事件に対する怒りも、米軍に対する憤りも吹き飛ぶ所作だった。
口では米国に抗議すると言うが実際には何も考えていないということなのだろう。
沖縄県民はこのような人物を新しい知事に選出したことについて自省する必要がある。
               (中 略)
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4545号
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               (後 略)