国際ニュース解説の田中宇氏が掲題の記事を出しました。
911事件は不思議な事件で、特に鉄骨構造のツインタワーが旅客機のジェット燃料によってあのように崩壊するものかについては、誰しもが首を傾げました。それは兎も角として、米国はそれを機に他国家相手の戦争という通常の路線から、海外のテロ集団相手の戦争=対テロ戦争路線に国家戦略を切り替えたのでした。ツインタワーの崩壊で約3千人が犠牲になりましたが、「テロ」が如何に危険で多大な悲劇を招くのかを「911」事件は、先ず米国民と世界の人々の目の当たりに示したのでした。戦争なしには国が立ち行かない米国ならではの工夫と見ることが出来ます。
左翼リベラル派と相互に憎悪し合ってきたトランプ革命の若手活動家リチャード・カークが9月10日に射殺され、22歳のタイラー・ロビンソンが犯人として逮捕されました。
それ以来トランプ政権は、射殺事件はロビンソンがトランスジェンダーの誘発する左翼的な過激思想(TIVE)に洗脳されて起こしたもので、トランスジェンダーの団体をテロリストとみなして潰すべきだという考えを流布しています。
米国の過激な左翼団体としては、トランプやカークなど保守派やキリスト教会をファシスト・敵とみなして攻撃・殲滅しようとするアンティファ(⇒反ファシスト)を、トランプ政権は9月24日に暴力で米政府を潰そうとしているテロ組織に指定しました。しかし米国の左翼リベラルは別にテロリストではありません。
トランプ(やイスラエルの右翼政党)に扇動され過激化された左翼勢力から順番にテロリストに指定され、戦争省の軍事攻撃の対象にされて潰されていくと田中氏は見ています。考えてみれば恐ろしいことです。
トランプは返り咲き後、プロジェクト2025の保守的・極右的な各種の政策を、選択的に、しだいに具現化しています。
911記念日の前日という奇遇な日である9月10日に起きたリチャード・カークの射殺を機に、射殺犯がトランスジェンダーの恋人に誘導されて極左になったという話になり、トランスジェンダーが極左のテロリズムを誘発するという、ヘリテージ製のTIVEの概念が持ち出されて適用され、トランプ傘下の戦争省が国内派兵されて極左のテロ組織と戦う構図が急に出てきました。
カーク殺害の「910」は、トランプの新たなテロ戦争にとっての911となりました。911におけるイスラム教徒の役どころを910で担当するのがトランスジェンダーです。
田中氏は、今回の「910」は24年前の「911事件」と同様の、ひどい茶番劇であると見ています。射殺犯とされたタイラー・ロビンソンは、実のところ射殺犯でない感じが強まっているとして、日本の安倍晋三元首相殺害と同様、真犯人は、別のところから射撃した当局系のプロだった可能性があると見ています。
安倍氏の時と同様、銃弾が貫通したのかどうか謎のままになっていて、銃弾も見つかっていないし、カークの遺体解剖の結果も発表されていません。事件後にいろんな隠蔽工作が行われていて、ロビンソンの「トランスジェンダーな同棲相手」が「極左でない、もしくは存在しない可能性」も大きく、2人の間のチャットのログと称する文書は捏造の臭いがぷんぷんと見ています。
こうした疑惑についてはRT(今日のロシア)の記事に全部書いてあるということで、田中氏は次回にあらためて書く(かもしれない)と記しています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
911と似たトランプの左翼テロ戦争
田中宇の国際ニュース解説 2025年9月25日
左翼リベラル派と相互に憎悪し合ってきたトランプ革命の若手活動家リチャード・カークが9月10日に射殺された。それ以来トランプ政権は、射殺事件について、22歳のタイラー・ロビンソンがトランスジェンダー(⇒(心の性と体の性が一致しない人)が誘発する左翼的な過激思想(TIVE)に洗脳されて起こしたもので、TIVE(transgender ideology-inspired violence and extremism)を擁立するトランスジェンダーの団体をテロリストとみなして潰すべきだという考えを流布している。(If radical Islam was terror, why isn’t transgender extremism?)(トランプの左翼退治)
米国の過激な左翼団体としては、トランプやカークなど保守派やキリスト教会をファシスト・敵とみなして攻撃・殲滅しようとするアンティファ(⇒反ファシスト)が有名だ。トランプ政権は9月24日にアンティファを、暴力で米政府を潰そうとしているテロ組織に指定した。
アンティファは、若者を誘導して左翼思想を植え付けて過激化する危険な活動家集団だと米政府は言っている。トランプは、極左団体に資金援助してきたジョージ・ソロス系の組織もテロ指定していきそうだ。(Antifa Designated 'Domestic Terror Group' As White House Declares War On Radical Leftist Groups)
米国の左翼リベラルの中には、民主党を支持し、選挙で民主党を勝たせることで自分らの思想を具現化しようとする人が多い(左翼は社会主義の思想を信奉、リベラルはもっと中道)。そのような人々はテロリストでない。
だが、左翼リベラルとトランプ派は相互に憎み合ってきた。トランプと支持者たちは、左翼リベラル全体がテロ組織なんだと言いたげな言説を半ば意図的に流布する。マスコミの大半を含む左翼リベラルは、やっぱりトランプはファシストだと言って敵視を強める。(Trump To Designate More Leftist Groups As Terrorists)
この構図は対立をさらに扇動し、トランプ(や諜報界のリクード(⇒イスラエルの右翼政党)連合系)に扇動され過激化された左翼勢力から順番にテロリストに指定され、戦争省の軍事攻撃の対象にされて潰されていく。
トランプは全米の違法移民を捕まえて、中南米の母国に強制送還している。違法移民に寛容であるべきだ(民主党に投票してくれるから)と考える左翼リベラルはシカゴやダラスなど各地で、違法移民を捕まえる移民局の前で反対運動を展開し、過激化している。
そこにはアンティファもいるので、トランプは「テロ対策」として移民局前の反対運動を激しく潰すことができる。(Democratic Party's Revolutionary Arm Creates Chaos Outside Chicago ICE Facility)
911事件後のテロ戦争で、イスラム教徒全体がテロリストで、イスラム教がテロをもたらす危険思想であるかのような考え方が欧米などで流布された。
この誤解の意図的な流布は、イスラム世界の全体を激怒させ、過激なイスラム主義の信奉者を増やし、アルカイダやハマスやヒズボラやムスリム同胞団への支持を増やし、テロ戦争の構図を強化し長期化するための諜報界の策略だった。
実際は、テロ戦争が長引くほどイスラム世界は戦争で貧しくなって困窮したので、イスラム世界の人々は意外に決起しなかった(非米側の人々は現実的。欧米人の方が思想信条に洗脳されやすい)。
イスラム主義は下火になり、ハマスやヒズボラはイスラエルによって残虐に潰されている。イスラエルは、自分が扇動したイスラム主義を、自分で潰している。(911事件関係の記事)
「トランスジェンダーの思想が暴力や過激化を誘発する」というTIVEの考え方は、テロ戦争の基盤になった「イスラム教の中に、暴力や過激化を誘発する思想が含まれている」という考え方の発展形として作られている。
TIVEの考え方を作ったのは、共和党タカ派(リクード系=ネオコン)のシンクタンクであるヘリテージ財団だと言われている。
ヘリテージのお家芸は、冷戦型の対立を過激に扇動して多極化につなげる。かつてレーガンのためにソ連敵視から冷戦終結と欧州統合(欧州を強化して対米自立させるつもりが英国系に潰された)への流れを作った。
ブッシュ政権下では、過激なイスラム敵視策や稚拙なイラク占領案を作り、テロ戦争が失敗して米覇権が低下するように仕向けた。(FBI to Categorize Trans People As "Nihilistic Violent Extremist" Threat Group, Report Says)
ヘリテージは、大統領に返り咲くトランプのための戦略案として、トランプが草の根の右派(極右、キリスト教徒)を率いて左翼リベラルな米民主党や英国系の欧州エリートを潰す策「プロジェクト2025」を作った。その中で、トランスジェンダーやLGBTQが極左な暴力を誘発していると提起されている。
ヘリテージはテロ戦争の時に「イスラム教徒が全員テロリストではないが、イスラム教の中にテロを誘発する要素がある」と言って、イスラム世界での戦争(テロとの戦い)を正当化した。
同様にヘリテージは今回、トランスジェンダーが全員テロリストではないが、トランスジェンダーの思想の中にテロを誘発する要素があると言って、トランスジェンダー団体など極左組織を標的にする米国内での新たなテロ戦争(左翼テロとの戦い)を正当化している。(If radical Islam was terror, why isn’t transgender extremism?)
トランプは返り咲き後、プロジェクト2025の保守的・極右的な各種の政策を、選択的に、しだいに具現化している(金本位制はまだだけど、金相場は中共主導になって上がりっぱなしだ)。
911記念日の前日という奇遇な日である9月10日に起きたリチャード・カークの射殺を機に、射殺犯がトランスジェンダーの恋人に誘導されて極左になったという話になり、トランスジェンダーが極左のテロリズムを誘発するという、ヘリテージ製のTIVEの概念が持ち出されて適用され、トランプ傘下の戦争省が国内派兵されて極左のテロ組織と戦う構図が急に出てきた。
カーク殺害の「910」は、トランプの新たなテロ戦争にとっての911となった。911におけるイスラム教徒の役どころを910で担当するのがトランスジェンダーだ。(トランプの左翼退治)
今回の記事はここまでにするが、実はまだ、とても大事なことを書いていない。それは、今回の910が、24年前の911事件と同様の、ひどい茶番劇であることだ。
射殺犯とされたタイラー・ロビンソンは、実のところ射殺犯でない感じが強まっている。日本の安倍晋三元首相殺害と同様、真犯人は、別のところから射撃した当局系のプロだった可能性がある。
安倍の時と同様、銃弾が貫通したのかどうか謎のままになっている。銃弾が見つかってはまずいのだ。カークの遺体解剖の結果も発表されていない。射殺現場はすぐに片付けられてしまった。事件後にいろんな隠蔽工作が行われている。
ロビンソンの「トランスジェンダーな同棲相手」が極左でない、もしくは存在しない可能性も大きい。当局が発表した、2人の間のチャットのログと称する文書は捏造の臭いがぷんぷんだ。(about the lack of an exit wound with Charlie...)
910と911は、日付の奇遇さだけでなく、謀略として見た場合の(意図的な)超稚拙さでも類似性が際立っている。
911は、犯人が謎のままだ。米当局はオサマ・ビンラディンを起訴していない。オサマは犯人でない。米国の裁判所が有罪にした「犯人」は、法廷で「オレはアルカイダだ」と叫んだ(だから有罪な)ザカリアス・ムサウイだけだ。
910で始まったトランプの「左翼テロとの戦い」は、ヘリテージ財団が何年も前に発案した謀略だ。911と同様、準備期間はたっぷりあった。それなのに、このひどい超稚拙ぶりは、何なのか。
910も911も、911後のイラク侵攻も含めて、意図的にすごく稚拙に過激に展開されたとしか思えない。明白なことなのに、マスコミや権威筋は何も言わない(言うと権威を剥奪される)。(Read the text messages between Charlie Kirk accused and roommate)
なぜ910が超稚拙に展開されたのか。その理由はおそらく、真犯人がタイラー・ロビンソンでなく、トランスジェンダーの危険思想が誘発した事件でもないのに、トランプが勝手にそう言って左翼リベラルやトランスジェンダーをテロリスト扱いして、国内派兵して殺しに来ることを、左翼リベラルの人々に気づかせるためだろう。
この謀略に気づいた左翼リベラルたちは、トランプや戦争省に反撃する正当防衛性があると考える。穏健なリベラル派までが激怒して(911後のイスラム教徒みたいに激怒させられて)武器を持って立ち上がる。その瞬間、トランプは、自国のリベラル派をガザ市民みたいに虐殺していく法的根拠を持つ。
トランプ支持者の右派たちのほとんどは、真犯人がタイラー・ロビンソンでないとは思わない。そんなことは左翼リベラルが妄想して言っている陰謀論だと思い込んで疑わない。
真犯人がタイラー・ロビンソンでないことは、次回にあらためて書く(かもしれない)。とりあえずロシアのRTの記事に全部書いてあるので、英語が読めない人はサイトを自動和訳して読んでみてください。(Americans question more about the murder of Charlie Kirk
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。
2025年9月29日月曜日
29- 911と似たトランプの左翼テロ戦争(田中宇氏)
2025年9月27日土曜日
手足失う子急増4000人 ガザ 悪夢にうなされ叫び声
NGO「国際救済委員会」(IRC)は24日、イスラエルによるガザ地区への2年近い攻撃とガザ市への地上侵攻の影響で、砲弾の披弾により手足を切断せざるを得ない子どもが急増し、心身に深刻な傷を負う子どもが増加していると報告しました。
ガザ地区はすでに人口比で世界最多の小児切断者を抱え、約4000人がイスラエルの爆撃で手足を失っています。IRCが先月、北部ガザ市、中部デイルバラ、南部ハンユニスで行った調査では、3歳未満の乳幼児の3人に1人が調査前24時間に食事を取っていませんでした。
NGO「パレスチナ人権センター」は23日、イスラエルによる空・陸・海からの攻撃を受けてガザ市内の医療施設や住宅が相次いで破壊され、ランティシ小児病院や眼科医院は機能停止に追い込まれ、さらに避難先とされた中部・南部では避難民キャンプまでも爆撃されて、9月16~22日の空爆と砲撃で561人が死亡したことを告発する声明を発表しました。
声明は国際社会と国連安保理に対し、市民の保護、人道回廊の確保、医療・食料支援の搬入、そしてイスラエルに対するジェノサイド停止の義務付けを求めました。
NGO「グローバル・スムード・フロティラ」(GSF)の船団は、イスラエルによる封鎖を突破しガザへの支援物資を運ぶべくギリシャ沖まで到達しましたが、そこで12機のドローンから攻撃を受けました。GSFはイスラエルによる妨害だと批判しています。
船団には約45力国から医師、法律家、議員ら約500人の市民が乗船していました。イタリアのクロセット国防相とスペインのサンチェス首相は救援のために軍艦を差し向けると述べました。
しんぶん赤旗の3つの記事を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
手足失う子急増4000人 ガザ 悪夢にうなされ叫び声
しんぶん赤旗 2025年9月26日
【カイロ=米沢博史】科学者アインシュタインらが創設し、米国に本部を置く国際NGO「国際救済委員会」(IRC)は24日、イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への2年近い攻撃と、今月本格化したガザ市への地上侵攻の影響で、心身に深刻な傷を負う子どもが増加していると報告しました。
特にここ数週間、砲弾の披弾により手足を切断せざるを得ない子どもが急増していると告発しています。報告によると、ガザ地区はすでに人口比で世界最多の小児切断者を抱え、約4000人がイスラエルの爆撃で手足を失っています。
IRCのキアラン・ドネリ上級副代表は、「手足を失った子どもたちは家庭内ですら安心できず、悪夢にうなされ叫び声を上げている」と説明。また、「家族を失った子どもたちは深い心の傷を抱え、不安や悪夢、突発的な攻撃性、孤独への恐怖に苦しんでいる」と述べ、子どもの7割に睡眠障害、2割に自閉的症状が見られると報告しました。
さらに、「心の傷は飢餓によって悪化している」と警告。IRCが先月、北部ガザ市、中部デイルバラ、南部ハンユニスで行った調査では、3歳未満の乳幼児の3人に1人が調査前24時間に食事を取っていませんでした。飢餓は今月さらに深刻化しています。
避難先までも爆撃 イスラエル軍
しんぶん赤旗 2025年9月26日
【カイロ=米沢博史」パレスチナのNGO「パレスチナ人権センタ-」は23日、イスラエル占領軍がパレスチナ・ガザ地区北部のガザ市への攻撃を強化し、避難先とされた中部・南部では避難民キャンプまでも爆撃していると告発する声明を発表しました。
声明によると、占領軍は空・陸・海からの攻撃を続け、市内の医療施設や住宅を相次いで破壊。ガザ市のランティシ小児病院や眼科医院が機能停止に追い込まれました。9月16~22日の空爆と砲撃で561人が死亡、その85%がガザ市の住民です。
21日未明にはガザ市サブラ地区の住宅地が爆撃され、少なくとも23人が死亡、40人以上ががれきの下に残されています。同日、ガザ市中心部の避難民テントや医師の自宅が攻撃され、多数が犠牲となりました。22日には、中部ワディガザ(ガザ渓谷)の難民キャンプが爆撃され死傷者が出ました。南部でも日常的に空爆や砲撃が続いています。
声明は「病院などの民間施設や市民を狙う行為は国際人道法違反であり、ジェノサイド(集団殺害)の一環だ」と非難。国際社会と国連安保理に対し、市民の保護、人道回廊の確保、医療・食料支援の搬入、そしてイスラエルに対するジェノサイド停止の義務付けを求めました。
ガザ支援船団に無人機攻撃 イスラエルが妨害か
しんぶん赤旗 2025年9月26日
イスラエルによる封鎖を突破し、支援物資を運ぼうとスウェーデンの活動家グレタ・トゥンベリ氏らが船団でパレスチナのガザ地区に向かうなか、イスラエルによるとみられる妨害が23日、ギリシャ沖で発生しました。これを受け、スペインとイタリアが24日、救援のために軍艦を派遣すると明らかにしました。
国際NGO「グローバル・スムード・フロティラ」(GSF)による船団には、約45力国から医師、法律家、議員ら約500人の市民が乗船。8月末にスペインを出発し、チュニジアを経由し、ガザに近づく最終段階に入っていました。
ロイター通信によると、GSFの船団は、ギリシャの南、ガブドス島沖56kmの公海上で12機のドローン(無人機)から攻撃を受けたといいます。ドローンが船団の上空で爆発。乗員にけがはありませんでした。GSFは、イスラエルによる妨害だと批判しています。
イタリアのクロセット国防相は、声明を出し、加害者は「現時点で正体不明」としながら、船団への攻撃を強く非難。イタリア人の乗員を救援するために、クレタ島北部を航行していたフリゲート艦に対し、GSFのいる海域に向かうよう指示したことを明らかにしました。
スペインのサンチェス首相も、救援のための軍艦を派遣すると表明。国連総会が開かれている米ニューヨークで記者団に対し、「スペイン政府は、国際法と、市民が地中海を安全に航海できる権利が尊重されるよう主張する」と語リ、25日にも、必要な資源を積んだ軍艦が同国南東部のカルタヘナから出航すると述べました。
「ガザ恒久支配を意図」国連調査委 イスラエル巡る報告
国連の独立国際調査委員会は23日、イスラエルがパレスチナ・ガザ地区を恒久的に支配する明確な意図を示しているとする報告書を発表しました。ヨルダン川西岸でのイスラエルの政策と行為が、パレスチナ人の強制移動、ユダヤ人入植地の拡大、西岸全域の併合というイスラエルの意図を明確に示していると述べています。
報告書はそれらの国際的犯罪の責任を負う人物として、イスラエルのネタニヤフ首相、カッツ国防相、ベングビール国家治安相、スモトリッチ財務相の名前を挙げました。
欧州を中心とした24力国・組織が22日、ガザとヨルダン川西岸の間の医療用人道回廊を再び開設することを求める共同声明を発表しました。「医療を受けるためにガザからの避難を再開し、パレスチナ自治区で緊急に必要とされる処置を受けられるようにすることをイスラエルに強く求める」と呼びかけています。
声明に署名した24力国・組織には、オーストリア、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、ポーランドおよび欧州連合(EU)などが含まれ、米国は参加していません。
国連安全保障理事会は23日、イスラエルが侵略を続けるパレスチナ・ガザ地区の情勢を巡り会合を開きました。グテレス国連事務総長は、停戦と人質の解放、人道支援を繰り返し訴えてきたが、国連の決議が無視され続け、国際人道法が踏みにじられ、不処罰がまかり通っていると批判しました。一方で、2国家共存を巡る会合が開かれたことは「暗闇のなかでのかすかな望み」だと強調し、パレスチナ国家承認は「2国家解決への最も明確な道だ」として国家承認を宣言する国が増えたことを歓迎しました。
しんぶん赤旗の3つの記事を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ガザ恒久支配を意図」国連調査委イスラエル巡る報告
しんぶん赤旗 2025年9月25日
国連の独立国際調査委員会は23日、イスラエルがパレスチナ・ガザ地区を恒久的に支配する明確な意図を示しているとする報告書を発表しました。イスラエルがガザ地区の回廊や緩衝地帯の民間インフラを大規模に破壊し、7月までにガザ地区の75%を支配したと指摘。軍事回廊の創設や緩衝地帯の拡大によって「イスラエル軍が意図的にガザの地図を書き換えている」と述べました。
報告書はまた、ヨルダン川西岸でのイスラエルの政策と行為が、パレスチナ人の強制移動、ユダヤ人入植地の拡大、西岸全域の併合というイスラエルの意図を明確に示していると述べています。イスラエルが西岸のジェニン、トゥルカレム、ヌールシャムスの難民キャンプを攻撃し、「テロリストの住み家だ」として建物やインフラを破壊、パレスチナ住民を立ち退かせていると指摘。これらは正当化できず、集団懲罰に当たるものだと断じました。
報告書はそれらの国際的犯罪の責任を負う人物として、イスラエルのネタニヤフ首相、カッツ国防相、ベングビール国家治安相、スモトリッチ財務相の名前を挙げました。
調査委のピレイ委員長は、イスラエルの行為が「パレスチナ人の苦難を深刻化させ、食料の生産手段を含め生存に欠くことのできない資源まで奪っている」と批判しました。
調査委は16日、イスラエルがパレスチナ人を対象にジェノサイド(集団殺害)を行っていると認定しました。イスラエルは否定し、ガザ市での地上作戦を続けています。
「人道回廊を再び」 欧州諸国が開設求める
しんぶん赤旗 2025年9月25日
欧州を中心とした20以上の国と組織が22日、ガザとヨルダン川西岸の間の医療用人道回廊を再び開設することを求める共同声明を発表しました。「医療を受けるためにガザからの避難を再開し、パレスチナ自治区で緊急に必要とされる処置を受けられるようにすることをイスラエルに強く求める」と呼びかけています。
声明に署名した24力国・組織には、オーストリア、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、ポーランドおよび欧州連合(EU)などが含まれ、米国は参加していません。
23日時点でイスラエルからの反応はありません。これまでも、イスラエルはガザの人々が西岸や東エルサレムで医療処置を受けられるようにする呼びかけを拒否してきました。イスラエルのサール外相は今月行われたデンマークとの外相会合で、「安全保障上の懸念」を指摘していました。
イスラエルは、ガザの人々の一部がアラブ、ヨーロッパ諸国で処置を受けることを認めてきましたが、パレスチナ側は、これらは他のパレスチナ自治区内の病院への幅広いアクセスの代替措置にはならないと主張しています。
5月にイスラエルがガザを封鎖して以降、「ガザの人々には医薬品を含む必要な物資がわずかしか届いていない」と援助機関は語っています。(ロイター)
パレスチナ国家承認 安保理で歓迎する声
しんぶん赤旗 2025年9月25日
【ニューヨーク=柴田菜央】国連安全保障理事会は23日、イスラエルが侵略を続けるパレスチナ・ガザ地区の情勢を巡り会合を開きました。22日に国連本部で開かれた会合でパレスチナを国家承認する国が相次いだことを歓迎する声が上がりました。
グテレス国連事務総長は、停戦と人質の解放、人道支援を繰り返し訴えてきたが、国連の決議が無視され続け、国際人道法が踏みにじられ、不処罰がまかり通っていると批判しました。一方で、イスラエルとパレスチナの2国家共存を巡る会合が開かれたことは「暗闇のなかでのかすかな望み」だと強調。パレスチナ国家承認は「2国家解決への最も明確な道だ」と述べ、国家承認を宣言する国が増えたことを歓迎しました。
エジプトの代表は、この間のガザでの地上軍事作戦は「いかなる法的、道徳的根拠も欠いている」と非難。スロベニアの代表は、パレスチナを国家承認していない国々に対し「承認する大胆な措置を講じる」よう呼び掛けました。
日本政治の活路(植草一秀氏)
植草一秀氏が掲題の記事を出しました。
1995年8月に村山内閣が終了し自民党政権になってからの30年間、途中2009年9月に鳩山由紀夫首相による民主党内閣が誕生し、その後野田政権で2012年1月に終わりを告げて以降は、再び自民党政権に戻り実に27年余りも自民党政権が続いてきました。
しかしその実態は「米国が支配する日本」であり、植草氏は「戦争を創作し金儲けをする米国が支配する日本は不幸になるばかり」と指摘します。
日本と中国は友好関係を築けるし、現実に田中角栄政権の時代には「日中友好」が相互に強く指向されました。それが今日では 米国によって人為的に「日中間の緊張関係」が創作されそれを口実に日本の軍拡が推進されています。
米国が強く望む「台湾有事」はまさに日中間の戦争の創作であって、「戦争が勃発したときに犠牲になるのは日本。米国は遠く離れた地で金儲けで祝杯をあげるだけ」と述べ、「対米隷属か対米自立か。この問いに日本国民が解を示さなければならない」と指摘します。
一方 国内的には「官僚が支配する日本」というのが実態であり、霞ヶ関権力の両巨頭は財務省と法務省でカネを握るのが財務省、身体の自由を握るのが法務省と断じ、「政治家は霞が関官僚機構に支配され、霞が関官僚機構による政治支配を容認する」と指摘します。
そして「米国・官僚機構・大資本による日本政治支配の構造を打破するべきだ。現在の政権与党は米・官・業による日本政治支配の構造を温存しようとしている。日本国民はこの状況を支持するのか。国民の判断が問われている」と結んでいます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
日本政治の活路
植草一秀の「知られざる真実」 2025年9月27日
日本の政治情勢は過去10年で激変した。
鳩山内閣が誕生したのは16年前。日本の主権者が自らの意思で新しい政権を樹立した。
日本政治史上の金字塔。
これが彼らにとっての悪夢だった。
日本を支配してきた既得権勢力。米・官・業のトライアングル。米・官・業・政・電の悪徳ペンタゴン。彼らは金字塔の日本政治刷新を「悪夢の民主党政権」と命名した。
「米国が支配する日本」は日本国民にとって幸せなのか。
米国に支配されて日本は不幸になるばかり。米国は戦争を創作して金儲けをする国。
世界中で戦争を引き起こしている。その目的は金儲けである。
日本と中国は友好関係を築けるのに米国が人為的に日中間の緊張関係を創作してきた。
これを口実に日本の軍拡が推進されている。いまや南西諸島は要塞と化している。
戦争が勃発したときに犠牲になるのは日本。米国は遠く離れた地で金儲けで祝杯をあげるだけだ。
日本の政治家は米国の命令に服従していれば身の安泰を保証される。経済的にも処遇される。
だから、喜んで米国のエージェントになる。
こんな者が日本で大手を振って跋扈する。日本が良くなるわけがない。
鳩山総理は日本の対米自立を目指した。ところが、鳩山内閣の中に敵が潜んでいた。
前原誠司、岡田克也、北澤俊美、平野博文は横田政府の命令に従っていた。
対米隷属か対米自立か。この問いに日本国民が解を示さなければならない。
官僚が支配する日本。霞ヶ関権力の両巨頭は財務省と法務省。
カネを握るのが財務省。身体の自由を握るのが法務省。
政治家は霞が関官僚機構に支配され、霞が関官僚機構による政治支配を容認する。
官僚機構は政治勢力を上から支配する。政治家は官僚機構の指令に従って動く僕(しもべ)である。
この本末転倒を鳩山内閣は打破しようとした。ところが、鳩山内閣は破壊された。
鳩山内閣破壊後に霞が関官僚機構は再び権力を取り戻して日本政治を支配している。
この構造も打破されていない。
大企業が政治を支配するツールは政治献金。カネの力で政治を動かす。
企業献金を認めれば資本力が大きい大資本が政治を支配してしまうことは明白。
その大企業による政治支配が容認されている。政党交付金制度を導入する際に企業献金を廃止することが定められたが約束は反故にされ、企業献金が存続している。
また、2006年の政治資金規正法改正で「日本法人で5年以上上場している外資系企業」
を企業献金禁止の対象から外した。外国企業による政治献金が合法とされた。
米国・官僚機構・大資本による日本政治支配の構造を打破するべきだ。
現在の政権与党は米官業による日本政治支配の構造を温存しようとしている。
日本国民はこの状況を支持するのか。国民の判断が問われている。
UIチャンネル第600回記念放送 「混迷する日本政治と活路その活路https://x.gd/DafTc をぜひご高覧賜りたい。
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4200号
「立民はもはや有害無益」 でご高読下さい。
内外情勢激動の機会にメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」ご購読をお願いします。https://foomii.com/00050
『ザイム真理教』(森永卓郎著)の神髄を深堀り、最重要政策争点財務省・消費税問題を徹底解説する新著を上梓しました。
『財務省と日銀 日本を衰退させたカルトの正体』(ビジネス社)https://x.gd/LM7XK
ご高読、ならびにアマゾンレビュー、ぜひぜひ、お願いします。
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」https://foomii.com/00050
のご購読もよろしくお願いいたします。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、support@foomii.co.jpまでお願い申し上げます。
27- 参政党はなぜ伸びたのか -「男性の逆襲」と「隠れトランプ」
世に倦む日々氏が掲題の記事を出しました。
先の参院選では参政党と国民民主党が躍進しました。どちらも民主勢力とは相容れない政党であり、取り分け参政党は、現憲法を「明治憲法」と同様の中身に変えることを党是とし、当面は「スパイ防止法」の制定を実現することに注力することを明言しています。
それこそは戦後それなりに民主勢力による反戦思想が定着しつつあるという認識に真っ向から反するものなので、そんな政党が躍進するとは一体どう考えればいいのでしょうか。
世に倦む日々氏は、NHKが 9/8に発表した最新の世論調査の結果について、政党支持率を男女別と世代別に表示したデータの解析と、それの韓国の昨年の総選挙と今年の大統領選での同様(男女別と世代別)な調査との対比から一つの結論を得ています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
参政党はなぜ伸びたのか -「男性の逆襲」と「隠れトランプ」
世に倦む日日 2025年9月24日
参院選が終わって2か月以上経ち、テレビは自民党総裁選レースで埋め尽くされている。全く興味がわかず、詳細を見ていない。気分が悪く、チャンネルを切り替えてやり過ごしている。今回は、参政党がなぜ伸びたのかを考えたい。その問題について分析し論評した記事は何本も出ているが、腑に落ちる考察がない。なので、幾つかのデータに着目しながら、独自に仮説を立ててみることにした。まず最初に注目して確認したい点は、今回の参院選の投票率が例年になく高かった事実である。58.5%を達成した。この数字は過去12年間9回行われた国政選挙の中で最も高く、過去8回の選挙の投票率平均を5.5ポイントも押し上げている。ざっくり、前回比500万人の新しい有権者を掘り出して投票所に運んだと言え、それまで永久凍土の如く固く眠っていた層の発掘と覚醒に成功している。その意味は小さくない。
それでは、投票率が高くなった理由は何だろうか。数字を押し上げた主役として焦点を当てるべきは、やはり参政党だろう。参政党は、昨年衆院選の187万票から今回参院選の742万票へと4倍増させたが、その増加分は555万票で、投票数全体の増加分である463万票と近い値となる。無論、新規増加の有権者がすべて参政党に投票したわけではない。参政党に投票した有権者は、政治に関心があって反共右翼のイデオロギーに染まった者が多く、東京新聞の調査でも4分の1以上が自民党からの乗り換え組になっている。つまり、742万票のうちの200万票ほどは安倍晋三に強くコミットしていた極右だと想定される。いわゆる、現在マスコミが報道(プロパガンダ)しているところの、「保守離れした自民党を嫌った」層という表象だ。が、この東京新聞の調査は、参政党に投票した者の半分が支持政党なしで、自民乗り換え組ではないという事実も示している。
すなわち、これまで選挙に行かなかった層が参政党に投票していて、その数が300万票ほどに上るという仮定が成り立つ。次のデータを観察・検討しよう。NHKが 9/8に発表した世論調査の結果で、最新の政党支持率に男女別と世代別のクロスを入れた統計を出している。ベーシックで当然な数字だという感想を持ちつつ、やはり興味深い。参政党の支持者は、圧倒的に男性と若年層に偏っているのである。このうち、若年層の右傾化については、国民民主と合わせてマスコミでずっと蝶々されてきて、今も自民党総裁選レースで言われ続けている。若者の「保守層」を自民党に取り返せと、5人の候補者と自民党応援団のマスコミ(田崎・佐藤・久江・松原)が騒々しいアジテーションを放っている。が、性別の支持分布の特徴に目を向けた議論は少ない。驚くことに、現在では、自民党や維新が、女性の支持率が男性の支持率より高いという奇妙な現象が生じているのである。
公明の支持率で男性より女性が高くなるのは理解できる。だが、自民や維新でそれはないだろうと、誰もが意外に思うのではないか。これは、参政や国民や保守が、若年男性層を多く取り込み、新たな政治的現実を作り出している断面図だ。政党の支持層において、男性と女性の間の差異が大きく、特に参政党と保守党はその性格が際立っている。この男女比なり男女差の問題は、7月の選挙後の総括や解説で全く掘り下げて指摘されなかった。私はこの点にフォーカスすべきだと考える。政党や政治勢力の支持に男女の偏差が大きく影を落とし、国政全体に深い亀裂を生んでいる問題は、韓国の昨年の総選挙と今年の大統領選でクローズアップされ、日本でも報道されて広く周知されるところとなっていた。若い男性が右派を支持し、逆に若い女性が左派を支持し、男女間で明確に政治思想が分かれ、選挙をする度に分断と対立が深まっている。まるでアメリカの政治を模倣し追随するように。
一般的な説明では、韓国の若年男性は女性と較べて社会的に不公平だという〝逆差別”の意識を持ち、男性の役割や義務に対して不満を抱き、左派が推進するジェンダー政策に反発していると言われている。そうした主張の根拠として、例えば兵役義務の負担感があり、育児や家事の負担が従来よりも増えた重圧と不具合があるらしい。どうやら韓国の男性たちは、ジェンダーの政策と思想が社会を変革する中で、それを抑圧と感じ、不利益を蒙っていると嫌悪し、フェミニズムに否定的感情を覚える者が多くなっている。それが政治意識に反映し、左派リベラルを拒否する態度に繋がっている。アメリカの福音派の台頭と右傾化・反リベラル化の動向や、最近のトランプとMAGAの言説にも感化されているかもしれない。韓国の右派は日本以上にアメリカべったりで、星条旗を振り回してデモをする。あれほど国粋的自尊心が強烈な民族なのにと信じられない光景だが、アメリカの左右対立をそのまま韓国に持ち込んでいる
今回の参院選の前、維新を追い出された梅村みずほが鞍替えしたことにより、参政党は国会議員が5人以上となって政党要件を満たす次第となった。それによりマスコミでの露出が圧倒的に増え、世間の注目を集める存在となる。極右諸派の一つを卒業した。台風の目となって742万票を集め得た最大の要因として、神谷宗幣は、マスコミが参政党に関心を集中させて認知度を上げてくれたからだと正直に語っている。そのとおりだろう。昨年の都知事選の石丸伸二と同じように、マスコミは「参政党人気」を吹聴・喧伝しまくり、スポットライトを浴びせ続け、選挙を祭りと心得る若い無党派保守層を参政党支持へと動機づけし続けた。あの中身空っぽの石丸伸二が、都知事選で蓮舫を凌ぐ次点票を稼ぎ出すくらいだから、マスコミの宣伝演出効果は絶対的であり、衆愚政治全盛時代の選挙の恐ろしさがある。だが、ここで想起しなくてはいけないのは、神谷宗幣が全国民の前でデビューを飾ったときの衝撃的メッセージだ。
皆さん、おはようございます。参政党代表で参議院(議員)を務めています神谷宗幣です。いよいよ参議院選挙、本日からスタートいたしました。(略)最近やっとテレビに出るようになりまして、皆さんに参政党の名前を知ってもらうことができました。(略)
今まで間違えたんですよ、男女共同参画とか。もちろん女性の社会進出はいいことです。どんどん、働いてもらえば結構。けれども、子どもを産めるのも若い女性しかいないわけですよ。これ言うと差別だという人がいますけど違います。現実です。いいですか、男性や、申し訳ないけど、高齢の女性は子どもが産めない。だから、日本の人口を維持していこうと思ったら、若い女性に、子どもを産みたいなとか、子どもを産んだほうが安心して暮らせるなという社会状況をつくらないといけないのに、働け、働けってやりすぎちゃったわけですよ。やりすぎたんです。
これは公示日 7/3 に神谷宗幣が銀座の街頭で行った演説で、NHKが全文を文字おこししてネット記事に載せている。きわめて衝撃的で挑発的な政見内容だったため、多くのテレビ報道で紹介され、マスコミから反発を受け、非難轟々の展開となった。まさしく参政党の「挨拶代わりの一発」となったメッセージであり、この発信で参政党のイメージがくっきり形作られ、台風の目の看板となってその後の選挙戦全体が引っ張られた。ジェンダー・多様性の現行の政策と思想に対する挑戦の宣告であり、既存政党の中で参政党と同じ立ち位置の党派はない。現代の常識と支配的観念をひっくり返す主張が、政党要件を満たした党からドラスティックに発された。マスコミからは袋叩きの反応となったが、進行と結果を見たとき、この主張が参政党躍進の足を引っ張ったとは言えず、むしろプラス材料として機能したと言っていい。この過激な訴えを新鮮な魅力に感じた層がいて、そうした層に刺さって共鳴されたと解釈できる。
この政治現象を、韓国のトレンドと共通する「男性の逆襲」として仮説しよう。7/30 に書いた記事で、3本の対立軸のうちの3番目として「ジェンダー・マイノリティ・多様性」を挙げ、この軸で分けた配置では参政党だけが右派・保守派であるという見方を示したが、今回の結論もその延長線上のものである。「ジェンダー・マイノリティ・多様性」の言説が社会に浸透し、そのイデオロギーが全体を覆ったのは、日本では90年代以降の出来事である。30年かけて体制的支配的な価値観となり、あらゆる社会経済制度をこの価値基準で設計する地平にまで至った。それは新自由主義が全体を覆うのとパラレルの現象だった。ポリコレ(⇒差別的な表現を正す)と呼ばれ、アイデンティティ・ポリティックス(⇒共通の政治的目標に向かって結束すること)と呼ばれ、政治的には左派を構成するこの思想と運動は、リベラリズム(自由主義・個人主義)が成した二卵性双生児の一つである。それが本質だ。そして、日本の30年を振り返ったとき、ネオリベ(⇒新自由主義)もポリコレも日本人を幸福にせず、矛盾と病理ばかり増殖させた。
こうした観点から「3本目の対立軸」の意義を浮上させ、参院選の結果に適用すると、参政党が躍進した原因と事情が前向きに納得できる。日本は(世界も)何かが間違っていて、何かが行き過ぎていて、その一つがネオリベ原理の支配と横溢であり、もう一つがポリコレ主義の蔓延と放縦だろう。二つは明らかに同じ思想を淵源としていて、この双頭の神の教義を世界に敷衍させ信仰させたのはアメリカだ。そして直観的に判断できるのは、この二つの価値観(ネオリベ・ポリコレ)で社会の永久革命を続け、リベラリズムの理想社会をどこまでもめざしていると、出生数が減り、外国人が増え、元々の社会や国家を維持できなくなる結末を迎えることだ。神谷宗幣は、子ども一人当たり月10万円の給付金を出すと言い、この措置によって若い女性が出産と育児を選択してくれると述べている。が、これは、ネオリベの弊害を国家が緩和する政策であり、従来からのピケティ政策でしかない。私は、これだけでは出生数減を解消する抜本的対策にはならないと思う。
出生数の問題を根本的に解決するためには、イデオロギーの劇的なチェンジが必要だ。そう確信する。ピケティ的な給付策の単純な実行では、格差是正を目論んだはずが、日本人ではなく外国人の子どもの方が増える顛末となる。西欧諸国の経験が証明するとおりで、それは右翼の逆上と過激化を誘うばかりだろう。給付策は移民労働者を呼ぶインセンティブ(⇒動機付け)
として効果的かもしれないが、出生数を増やして若年人口を増やす上では、もっと革命的なトータルな転換と改造が必要なのだ。それが何かは、まだ考えが整理できておらず、理論的提起を纏められる自信がない。しかし、関連して最近少し思うようになったのは、9年前のアメリカ大統領選で言われた「隠れトランプ」という問題である。人前では民主党支持を言い、世論調査でもそう答えながら、内心で密かにトランプを支持して投票していた者が多くいた、という説明だった。当時は全く他人事であり、内在的理解を及ぼす範疇ではなかった。アメリカ特有の現実で、日本とは無縁の奇事だと思っていた。
が、今は類似の状況をリアルに身近に感じてしまう。正義についてホンネとタテマエが分裂し混乱し始めている。第3の対立軸をめぐって、アンビバレント(⇒相反する感情や考えを同時に抱いている状態)でストレスな課題に直面している環境的変化の実感を否めない。日本の未来のためには、ネオリベもポリコレも揚棄される必要があるのだ。