2026年5月11日月曜日

これ以上何が目的なのか 憲法破壊の政権が今さら「改憲」と力む裏側(日刊ゲンダイ)

 日刊ゲンダイに掲題の記事が載りました。
 いつになったら重油(やナフサ)が従来通り入手(や分留が)できる様になるのか見当がつきませんが、高市政権は「騒ぐ必要はない」の一点張りで、物価対策などの民生には目もくれず、ひたすら軍備の拡大や国民を弾圧するための立法に力を注いでいます。
 憲法記念日の3日、高市地首相は日本会議主宰の「美しい日本の憲法をつくる国民の会」に向け、何と「憲法は定期更新すべき」というメッセージを送りました。きっと憲法をよく読んでいないのでしょう。
 例の「台湾有事は存立危機事態」発言から半年が経ちましたが、「対中の門戸は常に開かれている」と述べるのみで、釈明や謝罪は一切ないままです。その方が軍事費大幅アップの理由付けになると考えているのでしょうが、それによってレアアースの件をはじめ日本が受けている被害は甚大です。防衛ジャーナリストの半田滋氏は「高市政権は嫌中感情に支配されて、後先を考えられなくなっているとしか思えない」と述べます。
 また長谷部恭男(早大教授・憲法)は朝日新聞のインタビューに、「9条を変えても、自衛隊の名を国防軍に変えても、国連憲章違反である戦争や、武力による威嚇はできません。いま以上に何をやりたくて9条改正を言っているのでしょうか」「現在の日本の国力で、米国や中国に匹敵する軍事力を持つのは到底不可能。そうであれば、9条によってあらかじめ権限も制限しておくのは合理的かつ実利的で、その分エネルギーを外交に集中させ、各国間の利害調整に汗をかけます」と述べていますが、「戦争狂の境地」にある高市氏には通じそうもありません。
 一刻も早く退場の時期を迎えて欲しいものです。

 併せて日刊ゲンダイの記事:「予備費は枯渇、夏の値上げラッシュも確実なのに…それでも高市首相が補正予算編成をゴネる理由」と「高市ドン引き外交またも炸裂! 豪首相をファーストネーム呼び、“絵文字”付きサイン…識者『デリカシーなし』とバッサリ」
を紹介します。高市氏の「判断力」「知性」は大丈夫か?という問題です。
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これ以上何が目的なのか 憲法破壊の政権が今さら「改憲」と力む裏側
                         日刊ゲンダイ 2026/05/07
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 相変わらず、改憲に力む高市政権だが、これまで解釈改憲で憲法を骨抜きにしてきたのが自民党だ。すでに殺傷武器を輸出し、自衛隊はホルムズ海峡にまで派兵できるのに、これ以上、この政権は何を企んでいるのか。歴史に名を残したいのか、それとも、軍事国家を目指すのか
  ◇  ◇  ◇
 世間では平穏なゴールデンウイークだったが、きな臭さをまき散らしていたのが高市政権の外遊だ。
 政府はつい先日、「防衛装備移転三原則および運用指針」を見直し、殺傷能力のある武器輸出を可能にした。その途端に高市首相や小泉防衛相が「武器セールス」外交に走り出したのである。
 オーストラリアを訪問した高市は首脳声明で、「もがみ」型護衛艦の能力向上に向けて、日豪共同開発・生産を推進することを確認。フィリピンを訪問した小泉は、退役させる海上自衛隊の「あぶくま」型護衛艦を輸出すべく協議入りを決めてきた。
 言うまでもなく、こうした武器輸出は日本が築き上げてきた「平和国家」の理念を自らかなぐり捨てるものだ。その理由として政府は同志国の軍事力強化による抑止力の向上や防衛産業の基盤強化、継戦能力向上、軍民両用の産業発展、経済成長などを唱えるが、50年前、三木内閣の外相だった宮沢喜一は「わが国は兵器を輸出してお金を稼ぐほど落ちぶれていない」と答弁、平和国家としての矜持を示したものだ。
 高市は「もう時代が変わった。産業につなげお金を稼ぐことは落ちぶれたことだとは思わない」などと居直ったが、中国はさっそく、「地域の安定を脅かす新型軍国主義だ」と反発。それを無視するように、閣僚が対中包囲網のような武器輸出セールスに乗り出した。もはや、対中関係の改善は絶望的になってしまった。

殺傷武器輸出の代償はあまりにも大きい
高市政権には中国との関係を改善する気がないのでしょう。今回の武器セールスはそれを宣言したようなものです。しかし、中国にレアアースを止められたら軍事産業も大打撃です。どうやって成長させるつもりなのか。大体、三原則を見直す前から、日本の武器は値段が高く、実戦での実績がないため、売れなかった。今回、退役するあぶくま型護衛艦をフィリピンが買ってくれるのは、中古だから安いのと、その間、欠陥がなかったから、まあ、信用できるということでしょう。新品を注文すれば、高い上に完成までに数年を要する。そんな時間はない、という事情もあったのでしょうが、二束三文の値段になるのは間違いない。これが、平和国家の理念を捨て去り、中国からレアアースを遮断されてまで急ぐビジネスなのか。高市政権は嫌中感情に支配されて、後先を考えられなくなっているとしか思えません」(防衛ジャーナリスト・半田滋氏)
 しかし、大メディアは例によって、高市、小泉の外遊成果をタレ流し。ポンコツ護衛艦のセールスで「対中牽制」などと騒いでいる。「オメデタイ」と言ったらありゃしない。

「憲法は定期更新すべき」という首相の暴論
「きな臭さ」といえば、憲法記念日での高市メッセージにも驚いた。日本会議が主導する「美しい日本の憲法をつくる国民の会」という集会にビデオメッセージを寄せた高市は憲法について「時代の要請にあわせて本来定期的な更新が図られるべきだ」言い放ち、産経新聞のインタビューでも「国際情勢や社会の変化に適応した改正、アップデートが必要」と発言、その時期については再来年夏の参院選での合区解消を念頭に「一刻も早くという思い」と言い切ったのである。
 高市は4月の自民党大会でも「時は来た。改正の発議について、なんとかめどが立ったと言える状態で来年の党大会を迎えたい」と宣言しているから、本気で来年の国民投票を目指しているのだろう。
 そうしたら、読売新聞が3日付で<憲法改正「賛成」57%>と1面デカデカ報道。<憲法改正に向けた首相への期待感>などとあおった。世の中、にわかに改憲ムードなのだが、その是非はともかくとして、運転免許じゃあるまいし、「定期的更新があるべき姿」なんて、首相の言葉の軽さにはのけぞる思いだ。憲法学者の小林節氏にも聞いてみた。
「憲法というのは大木のような存在で、不磨の大典ではないけれど、数年ごとにモデルチェンジするものではありません。むしろ、判例や時代に応じた運用を積み重ね、大木に育てていくものです。世界史を見ても憲法が変わるのは革命や戦争、独立などのタイミングです。なぜかというと、そもそも憲法には三権分立や基本的人権など、骨が書かれているからです。そこに法律で肉付けをしていくのです。定期的更新などという言葉は高市首相らしいノリで、真剣に憲法を勉強しているとは思えません
 改憲が絶対にダメだとは言わないが、首相がいい加減な情報を発信し、大メディアはそれをタレ流しだから、油断もスキもありゃしない。「時代の要請」とかいうのも、何を指しているのかわからない。自民党が安倍政権時代にまとめた改憲4項目は自衛隊明記、緊急事態条項、合区解消、教育の充実だが、改憲のために取ってつけたようなものばかりだ。これまでも改憲項目はコロコロ変わってきたし、「時代の要請」をでっちあげてきたのが自民党なのである。

これ以上何をやりたくて改正するのか
 しかも、この間、自民党政権は解釈改憲を重ね、憲法の「骨」までも骨抜きにしてきた“前科”がある。集団的自衛権の行使を可能にし、米国の戦争にも「存立危機事態」となれば、参戦できる仕組みにした。高市は台湾有事がそれに当たると明言しているくらいだ。無理して改憲しなくても、「裏口入学」で何でもできる。そうじゃありませんか、自民党さん。
 自衛隊の明記にしたって、2015年、安倍首相(当時)は自衛隊を「わが軍」と表現、国会で追及されると「(自衛隊は)国際法上、一般的には軍隊として取り扱われる」「自衛の措置としての『武力の行使』を行う組織」との答弁書を閣議決定している。名実ともに、もはや、立派な軍隊なのである。
 それなのになぜ、いま高市政権は「改憲」「改憲」と力むのか。ここが一番怪しいのである。
 長谷部恭男早大教授(憲法)は朝日新聞のインタビューでこんなことを言っていた。
<一部の政治家は9条を目の敵にしているようですが、9条を変えても、自衛隊の名を国防軍に変えても、国連憲章違反である戦争や、武力による威嚇はできませんいま以上に何をやりたくて9条改正を言っているのでしょうか
<現在の日本の国力で、米国や中国に匹敵する軍事力を持てますか? 到底不可能です。能力がないのだから、9条によってあらかじめ権限も制限しておくのは合理的かつ実利的です。それにより、米国からの無理難題に応えずにすむ。そのぶん、エネルギーを外交に集中させ、各国間の利害調整に汗をかけます>
 まったく、その通りではないか。それなのに、高市政権は外交に汗をかくどころか、武器商人セールスだから、どうにもならない。それによって、ますます、東アジアの緊張を高めている。それを「時代の要請」などと強弁し、改憲の理由にしようとしている。マッチポンプもいいところだ。

米国からの圧力が親の代からのトラウマ?
 前出の小林節氏にはこんな経験があるという。
「ずいぶん前になりますが、改憲派の学者と見られていた私は米国大使館などで『日本はいつ9条を改正して米国と一緒に戦争をしてくれるのだ?』と聞かれました。イラク戦争の真相がわかるまで、英国は米国にとって『いつも一緒に戦争をしてくれる国』でした。アジアでは日本にその役割を求めていたのです。そのたびに私は『それは無理だ。なぜなら、主権者たる日本国民が9条を愛しているからだ』と答えましたが、自民党議員にはそうした米国からの圧力がトラウマになっている。当時と議員は入れ替わっていますが、2世3世議員ばかりの自民党議員には、そのトラウマが遺伝しているのでしょう」
 1955年の結党時に自主憲法制定を党是とした自民党。この時は国家として独立し、駐留米軍を撤退させることがセットだったが、いつのまにか、米国の圧力に屈し、米軍との一体化が改憲の目的となっている。そうした真相を国民に知らせず、改憲をもくろむ高市政権の危うさは今や、覆い隠しようもない。それがあらわになった大型連休だったのではないか。


予備費は枯渇、夏の値上げラッシュも確実なのに…それでも高市首相が補正予算編成をゴネる理由
                          日刊ゲンダイ 2026/05/08
「きょうの時点で補正予算案の編成がすぐさま必要な状況とは考えていない」──。米国とイスラエルが引き起こした中東情勢の混乱が長引く中、高市首相は4日、訪問先のオーストラリアで補正編成の必要性を改めて否定した。「今は必要ない」との留保付きだが、編成に追い込まれるのも時間の問題だ。
 市場調査会社インテージによれば、今年のゴールデンウイーク(GW)は「予定なし」が前年比4.7ポイント増の41.2%に上り、円安・物価高を背景に予算が前年比5%減少。余暇の過ごし方の変化ひとつとっても、国民生活は貧しくなっているのに、なぜ高市首相はかたくなに補正編成を拒むのか。
「政治的メンツでしょう。今年度予算が1カ月前に成立したばかり、かつ、野党から補正編成を要求されているタイミングで『組みます』とは言いにくい。加えて、高市さん自身が掲げる『予算編成の抜本改革』が足かせになっている。『補正ありきではなく、必要なものは当初予算に積む』と繰り返している以上、補正は組みづらい。ゆえに今年度予算に積んだ予備費1兆円を根拠に『今は必要はない』と言っているわけですが、政府はガソリンに加えて7~9月の電気・ガス代の補助再開も検討している。補正編成は避けられないでしょう」(永田町関係者)

円安基調を止めるために利上げが先決
 野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏の試算によれば、ガソリン補助金が最新の1リットルあたり39.7円で続く「標準シナリオ」の場合、すでに積んである財源は6月25日に枯渇する見通し。新たなガソリン補助の財源が必要になるうえ、電気・ガス代補助の予算規模は最大5000億円に上る可能性があり、早くも1兆円の予備費はカツカツだ。
 さらに食料品の値上げラッシュも押し寄せる。帝国データバンクは先月30日公表の「『食品主要195社』価格改定動向調査」で、〈飲食料品では早ければ今夏中、遅くとも秋ごろにかけて広範囲な値上げラッシュ再燃の可能性が高い〉と指摘した。
 予備費の枯渇に、値上げラッシュの再来──。補正編成は待ったなしだ。
「ただ、財政支援の拡大は、さらなる円安・物価高につながり、金利上昇を招きかねない。税収はインフレ増税で潤うでしょうが、庶民生活は苦しくなる。まずは円安基調を止めるために利上げが先決です。バラマキや為替介入は一時しのぎにしかなりません」(経済評論家・斎藤満氏)
 補助金政策の一本足では、いくらカネがあっても足りない。高市政権の失政に血税が垂れ流されていく。


高市ドン引き外交またも炸裂! 豪首相をファーストネーム呼び、“絵文字”付きサイン…識者「デリカシーなし」とバッサリ
                          日刊ゲンダイ 2026/05/07
 正直、ドン引きだ。
 このゴールデンウイーク期間中、高市首相は2日からベトナムとオーストラリアを訪問し、5日夜に帰国した。ベトナムではラム国家主席やフン首相と、オーストラリアではアルバニージー首相と会談。両国とは、エネルギーや重要鉱物の供給網強化など、経済安全保障分野での協力強化を確認した。
 しかし、そこでの振る舞いが物議を醸している。高市首相は4日、自身のXでアルバニージー首相との夕食会の様子を報告したが、〈音楽を愛するアンソニーに…〉〈アンソニーからは…〉などと、ファーストネームの呼び捨てで投稿。確かに、アルバニージー首相も高市首相との共同会見で「サナエ」と呼んではいるが、Xでは高市首相を「Prime Minister(首相)」と敬称付きで記している。
 高市首相は3月末に来日したフランスのマクロン大統領も「エマニュエル」と呼び捨てにした。外交では何かとファーストネーム呼びにこだわっている。
 さらに、アルバニージー首相に招待された夕食会で、高市首相が記したサイン(写真)も、ネット上で酷評されている。「Sanae TAKAICHI」とブロック体で書かれているが、最初の「S」のみ筆記体となっており、ニコニコマークのような絵文字が描かれている。

 元外務省国際情報局長の孫崎享氏はこう指摘する。
「ファーストネームで呼ぶということは、外交では本来デリケートなもの。ましてや日本はまだまだ、オーストラリアとの関係を十分に築けていません。高市さんはデリカシーがないように見えますし、日豪双方の国民にも『親密さをアピールしようとして無理をしている』と見透かされているでしょう。サインについても、今回の夕食会は公的な場ですし、オーストラリアとの関係を考えたら、ふつうこんなくだけたものを書かないでしょう」

 高市首相は今回の外遊で、経済的威圧を強める中国を念頭に「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想を進化させると表明。対中国の姿勢を強調したわけだが、かえって逆効果になりかねない。
「そもそもベトナムのラム国家主席らは、すでに中国寄りの姿勢を明確にしています。今更、日豪側に付くことは考えづらい。今回の外交は結局、中国側の反発を生むだけの結果になりかねません」(孫崎享氏)
 やっぱり“外交オンチ”だ。