2026年5月11日月曜日

浅薄な高市皇位継承論/抗告容認する自民党の猿芝居(植草一秀氏)

 植草一秀氏の掲題の2つの記事を紹介します。
1番目の記事)
 記事は「高市首相は歴史をもう少し勉強した方が良い」と結ばれています。高市氏は「Y染色体説」に「真理や正義がある」と本当に考えていてそれを国民に説明できるとは到底思えません。メルマガ版では「高市氏は右翼の主張に取り入ることしか考えていないのだろう。極めて言動が浅薄である」と指摘しています。
 そして「高市首相は2月27日の衆院予算委員会で安定的な皇位継承の在り方に関して2021年の有識者会議報告書に触れて、『男系男子に限ることが適切とされている。私としても尊重している』と述べたが、報告書は皇位継承資格ではなく皇族数確保策として養子となり皇族となる対象を〝男系男子に限る″としたもので、高市首相発言は事実に反する」もので「女性天皇・女系天皇が誕生することに何の問題もない」と述べます。

(2番目の記事)
 記事は再審制度見直しに関する自民党の協議の焦点は「検察の抗告禁止と証拠開示」の2つで、裁判所が再審開始を決定したときに上級審に異議を唱える検察の抗告について、「原則禁止」としたのでは、実際には例外とされる抗告がほとんどのケースで行われることになるので、例えその文言を本則に入れようとも改善されないと断定します。
 また 証拠開示に「目的外使用を禁ずる」が盛り込まれると、開示証拠を広く流布できないので、弁護上の制約が大きいと指摘します。
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浅薄な高市皇位継承論
               植草一秀の「知られざる真実」 2026年5月11日
高市首相は「国論を二分するような国の根幹に関わる重要な政策の大転換」を示唆している。
そのなかに皇位継承問題がある。高市首相は皇位継承策を巡り「皇位継承は男系の男子に限るのが望ましい」との認識を示している。「円安ほくほく」同様、深い知識なく感覚的に発言している感が強い

日本円暴落は日本の危機をもたらしている。日本全体が外国資本によって乗っ取られる危機を招いている。日本政府が保有する外貨準備の円換算金額が拡大しているのは事実だが、ドル高=円安の局面で保有米国国債を売却して日本円に換金しない限りドル暴騰=日本円暴落の恩恵を確保することはできない。ドル高で円換算金額が拡大したと「ほくほく」しても何の意味もない。そもそも日本円暴落の弊害に対する認識が皆無であることが致命的である。

皇位継承問題についても十分な知識なく感覚的に述べているのではないかと推察される。
高市首相は男系継承が天皇の絶対原理であるとして女性・女系天皇を否定する立場を踏襲している。安倍晋三内閣以来、この考え方が前面に押し立てられてきた。
しかしながら、少し遡れば、平成になって皇位継承者の数が減少するなかで、愛子氏が誕生して小泉内閣時代に。

しかし、その後に悠仁氏が誕生して女性天皇や女系天皇の議論が棚上げされてきた。
こうしたなかで、
  1「女性皇族が結婚後も皇室に残る案」
  2「旧宮家の男系男子を養子に迎える案」
が浮上している。
中道改革連合が「旧宮家の男系男子を養子に迎える案」に賛同する方向性を示して党内で異論が噴出している。中道改革連合の自民党化がすさまじい。この政党は早晩消滅することになるだろう。

自民党は1について、「女性皇族の配偶者と子を皇族としない」ことを唱えている。
問題は自民党右派が主張する「男系男子」の根拠が極めてもろいことである。
自民党は「歴史上例外なく続いてきた」ことを「男系原理」の根拠としている。2024年4月の自民党の「安定的な皇位継承の在り方に関する所見」でもそう主張されている。

しかし、日本の歴史を辿ると男系男子が「歴史上例外なく続いてきた」という「説」が極めて疑わしいことが判明する。
天皇の系譜をたどると「万世一系の男系男子」という単一原理が一貫した原則として存在した形跡がない。
性別・父系母系に囚われず、時の権力の中心にいた皇族が皇位を継承してきたというのが実態である。それが、1889年の明治皇室典範で突然「男系男子のみ」という原理がすべてとの取り決めが置かれたと見るのが適正であると思われる。

「万世一系」という表記は古事記や日本書紀になく、1889年の大日本帝国憲法の「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」で初めて表記されたものだと見られる。
後述するように、歴代天皇の系譜には「万世一系」とかけ離れた大きな謎が存在する。
高市首相は歴史をもう少し勉強した方が良い。

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抗告容認する自民党の猿芝居
               植草一秀の「知られざる真実」 2026年5月 7日
再審制度見直しに関する自民党の協議は完全な茶番。低質な学芸会でしかない。
焦点は二つ。検察の抗告禁止と証拠開示裁判所が再審開始を決定したときに上級審に異議を唱える検察の抗告を禁止するのかどうかが最大の焦点。
「原則禁止」は「禁止」ではない例外として抗告を認めるからほとんどのケースで抗告が行われることになる。霞ヶ関用語に騙されてはならない。
「原則禁止」は霞ヶ関用語辞典での意味は「容認」。

三審制度で確定した判決をたった一度の開始決定で再審を認めてよいのかとの主張が示される。
「法的安定性」が損なうとの主張が示される。「恥知らず」の極致。「冤罪」ほど卑劣な犯罪はない。国家にしかできない犯罪。それは戦争と冤罪。
冤罪は魂の殺人。冤罪で死刑が執行されるなら正真正銘の国家による殺人だ。

刑事司法の根幹は冤罪の排除。冤罪がどれほど深刻な犯罪であるのかを知らないのか。
冤罪を生み出す側はお気楽だが、冤罪の被害者は「魂の殺人」被害者だ。
初代司法卿の江藤新平は冤罪の防止を根幹に据えた。フランスの人権意識を強く有した人物だった。明治維新最大の偉人である。
江藤を殲滅したのが大久保利通。大久保は人権よりも国権を優先した

たとえ10人の冤罪被害者を生み出そうとも、1人の真犯人を逃すなとの考え。
冤罪排除の基本はたとえ10人の真犯人を逃しても1人の冤罪被害者を生んではならない
というもの。明治6年政変ののち、大久保は不当に国家権力を掌握して江藤新平を殺戮した。江戸刑法を用いて江藤を晒し首にした。

「江藤の日本になるか」、「大久保の日本になるか」の分岐点だった。
大久保が江藤を抹殺して「大久保の日本」になった。その大久保が生み出したのが内務省。
ここに特高警察が置かれた。大久保のDNAが日本の警察・検察・裁判所制度に流れている。
冤罪に何の罪の意識を感じない。冤罪を生み、人権を木っ端みじんに破壊しておきながら「法的安定性」とはよく言えたものだ。

証拠開示に「目的外使用を禁ずる」が盛り込まれると開示証拠を広く流布できない。
自民の会合で紛糾したが学芸会よりも低質の茶番。「原則禁止=容認」を本則に入れても付則に入れても何も変わらない。自民は「原則禁止=容認」を本則に入れたから検察の主張を抑えたとアピールするだろう。完全な茶番。プロレスだ。

大声を上げて正義の演技をする稲田朋美氏は検察の台本通りに芝居を演じているだけ。
「原則禁止=容認」を確保すれば、いままでと何も変わらない。この茶番劇に全面協力しているのがNHK。「原則禁止」は「容認」。
「抗告禁止」を決定しなければ何の意味もない。

続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」4412号
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                 (後 略)