2026年6月11日木曜日

中傷動画 疑惑ますます 高市首相 資格問われる(しんぶん赤旗)

 しんぶん赤旗に掲題の記事が載りました。
 自民党総裁選を巡る中傷動画問題では、高市首相は一貫して事務所の関与を否定していますが、それはこれまで積み重なっている具体的な証言や報道などと食い違うものであり、単にキレ気味に「関係はない!」と強弁するだけでは国民の疑惑は解消されません。
 甚だしい例では、以前に事務所が出した「回答書」についても、都合が悪いと分かると、「あれは間違っていた(と秘書が言っている)」などと開き直りますが、冷静に考えてそれでは通せないと分かると、こんどは10日になってそれを「取り消す」など、ありとあらゆるデタラメを繰り返しています。これでは首相の座はとても務まりません。
 しんぶん赤旗と日刊ゲンダイの記事を2つずつ紹介します。
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中傷動画 疑惑ますます 高市首相 資格問われる
                       しんぶん赤旗 2026年6月10日
 自民党総裁選を巡る中傷動画問題で、高市早苗首相の説明と関係者証言の食い違いが解消されないまま、疑惑が深まっています。関与を否定する首相側の主張に対し、具体的な証言や報道が積み重なっているためです。疑惑が事実なら、高市氏の首相としての資格にかかわる重大な問題です。説明責任が厳しく問われています。
 問題となっているのは、2025年の自民党総裁選に関連し、高市首相の秘書から相談を受けたとするIT会社代表の男性が、小泉進次郎防衛相を中傷する動画を人工知能(AI)で作成・投稿したと証言していることです。『週刊文春』に続き、共同通信が報じています。
 これに対し、高市首相は8日、首相官邸で記者団の質問に対し、「私はこれまで答弁してきた。それは揺るぎない」と述べ、「他の候補者を誹謗(ひぼう)したり中傷したりということは決してやっていない」と改めて関与を否定しました。事務所が中傷動画の作成を第三者に依頼することはないとも明言しました。
 また、男性との関係については「面識はない」と強調。「面識」の意味については、「実際に会って名刺交換をした、相手の所属や氏名を承知している、ということはないということだ」と説明しました。

 しかし、共同通信は、男性が首相秘書と携帯電話でメッセージをやりとりし、その電話番号が秘書本人のものであると確認したと報じています。『週刊文春』も、男性と秘書のオンライン会議の様子とされる音声を公開しています。直接会っていないことをもって「面識はない」とする説明は成り立ちません
 秘書と男性をめぐっては、立憲民主党が国会への参考人招致を要求。一方、自民党の鈴木俊一幹事長は同日の記者会見で「現時点で必要はないのではないか」と否定的な認識を示し、党として調査を行う考えもないと表明しました。
 高市首相は、他候補を誹謗中傷する行為は「私の流儀ではない」とも述べていますが、こうした主張と相いれない複数の証言や報道が示されているにもかかわらず、それらを具体的に覆す説明は示されていません。民主主義の土台に関わる問題であり、国会での集中審議が求められます。(中野侃)


【レーダー】 ごまかすのはもう限界
                       しんぶん赤旗 2026年6月10日
 昨年秋の自民党総裁選と今年2月の衆院選で、高市早苗首相の陣営が、対立候補を誹諧(ひぼう)中傷する動画の作成やSNSでの拡散に関与していたという疑惑(情報操作疑惑)。共同通信が新たに、総裁選で首相の秘書から相談を受け、中傷動画を作成・投稿したとするIT会社代表の証言を報じましたが、8日のNHK「ニユースウオッチ9」はあいかわらず、高市首相が「中傷は私の流儀ではない」と否定したことを垂れ流すだけでした。
 一方、首相が答弁をコロコロと変えているため、テレビの報道番組にも変化がでてきました。
 6日の日本系「追跡取材news log」は、「感情あらわ揺れる答弁″首相の発言に『変化』も」として、日本共産党の山添拓参院議員ら野党議員の質問をくわしく紹介。
 同局の竹内真解説委員は、秘書を信じる″というんだったら、この秘書に(公の場に)出てきて〝きちんと説明しなさい″と、こうすれば納得するんじやないか。やましいことがなければ、正々堂々と説明させればいいんじやないかと思う」とのべました。
 そのうえで、「この問題は、選挙の際に、もし誹諧中傷が広がってしまうと、有権者の判断をゆがめてしまう可能性があるわけです。となると、民主主義の根幹をなしている選挙にかかわる重大なことになる。だから私たちは、このニュースで取り上げているし、野党も国会で取り上げている」と強調しました。
 7日のTBS系「サンデーモーニング」も国会でのやりとりを紹介。司会の膳場貴子さんは、「これ違うのであれば、速やかに確認してハッキリ否定すべきだと思うが」とコメントを求めました。
 フォトジャーナリストの安田菜津紀さんは、首相が「秘書に怒られた」とか、「秘書を信じる」という発言を繰り返していることについて、「問題は身内を信じるか否かではない」とバッサリ。ジャーナリストの松原耕二さんは、「高市さんも文香がOKした音声を秘書と一緒に問けば済む問題」と指摘。「選挙の正当性を問うような大事な問題だから、自民党総裁選の投票行動をゆがめかねないような中傷に本当に高市陣営はかかわったのか、もしかかわっていたとしたら、総選挙では公選法に触れる可能性がある。まさに今、SNS規制が議論されているから、高市首相は率先してちゃんと説明すべきだ」とのべました。
「日本を背負って国家運営に取り組んでいる」などと、大げさな言葉でごまかすのはもう限界でしょう。       (藤沢忠明)


「中傷動画」疑惑で高市首相またブチ切れ答弁連発し逃げ切り画策も…露呈した重大な“落とし穴”
                          日刊ゲンダイ 2026/06/06
 昨年の自民党総裁選と今年の衆院選で、高市首相の陣営が対立候補を中傷する動画を作成・配信したとされる週刊文春の報道を巡って、5日の参院予算委員会で質疑が行われた。前日の衆院予算委員会に引き続き、公設秘書が関与していた可能性を問われ、高市首相はブチ切れ答弁を連発。ムキになり過ぎたのか、重大な“落とし穴”が露呈する結果となった。
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 中傷動画を巡る焦点は、動画作成を主導したとされる松井健氏と首相秘書の木下剛志氏のやりとりの有無。高市首相は、自身と木下氏は「松井氏と会ったことがない」と答弁していたが、文春オンラインが木下、松井両氏によるウェブ会議の音声を有料会員向けに公開。野党は前日の衆院予算委で音声を基に追及したが、高市首相が「文春オンラインの有料会員になりたくない」「音声を聞いてない」とトンデモ答弁を繰り返したことから、追及の舞台が5日の参院予算委に移ったのだった。

 この日、質問に立ったのは立憲民主党の岸真紀子議員。「音声を聞いたか」と確認すると、高市首相は表情をこわばらせ「昨夜遅くに聞いた」と言い、「広く国民の声を聞くにはどうしたらいいかという内容だった。総裁選で他候補を批判する動画に関するものではなかった」と聞かれてもいないことを答弁。ウェブ会議は昨年12月17日のことで、同年10月の総裁選の中傷動画について打ち合わせするわけがない。無関係な話を持ち出して論点をズラしたのは明白だ。
 さらに、音声の主が木下氏か否かを問われると「あのような音声で判断するのは難しゅうございます」と発言。「秘書の声ですが、私と会話している時よりもかなり高い声でハキハキとしゃべっていたので違和感があった」と、まるで生成AIで作られたものと言わんばかりだった。

「なぜ危ない答弁を連発させたのか…」
 さらに不可解だったのは、現代ビジネス(6月4日配信)の記事内容を否定したことだ。記事では、現代ビジネスがこれまで、暗号資産「サナエトークン」を巡って松井氏と木下氏がやりとりしていた実態を指摘。高市事務所は回答書で、木下氏が昨年12月17日に松井氏とウェブ会議でやりとりしたことを認めている。当会議は文春が公開した音声と同じ日付でもある
「松井氏と会ったことがない」というこれまでの答弁が崩れているのは明らかで、その点を岸に追及されると、高市首相は「回答書は事実と違うと(木下氏が)申していた」と答弁。高市事務所の回答書の中身が「ウソだった」ということなのか。さすがに、言っていることがメチャクチャだ。
「総理はなぜあんな危ない答弁を連発させたのか。文春の音声の主が木下氏だと証明されたり、現代ビジネスへの回答書を公開されたりしたらどうするのか。ムキになって否定したのだろうが、ツッコミどころが多く、リスクが大きすぎます」(官邸事情通)
 攻めどころ満載で“落とし穴だらけ”。いよいよ、本性を現し始めたようだ。


中傷動画疑惑めぐる高市首相「虚偽答弁」の“証拠”出た! 木下剛志秘書の「回答書」公開され万事休す
                          日刊ゲンダイ 2026/06/08
 高市陣営が先の自民党総裁選と衆院選でライバル候補や野党を誹謗中傷する動画を作成・配信したとされる疑惑をめぐって、ブチ切れ答弁を続ける高市首相。公設第1秘書の木下剛志氏と動画作成を主導したとされる松井健氏との接点の有無がひとつの焦点になっているが、「私自身も秘書も面識がない」との高市首相の答弁が「虚偽答弁」である“証拠”が出てきた。
 松井氏は物議を醸した暗号資産「サナエトークン」の設計者でもある。この問題を追いかけている「週刊現代」が、木下秘書と松井氏に接点があること、週刊文春が音声を公開した昨年12月17日のオンライン会議が存在したことを、高市事務所からの「回答書」をもとに既に報じているのだ。
 5日の参院予算委員会では、野党議員がこの件についても質問したが、驚いたことに高市首相は事務所の回答書について「(秘書が)内容が事実と違うと申しておりました」と答弁。秘書と松井氏の接点も「認めません」と言い切った。

否定できない物証
 そこで、週刊現代で一連の取材を続けるジャーナリストの河野嘉誠氏がウェブメディア「現代ビジネス」で7日、木下秘書から週刊現代への回答書を公開した。それによると、高市事務所からの回答書は3月10日から5月20日までの6通があり、3月10日分では《松井氏が総裁選で高市選対のSNS戦略に携わった事実はあるか》という質問に対し、木下秘書はこう回答した。
「松井氏が勝手連で支援していただいていたことは認識していますが、選対として行っていたという事実はありません」
 接点はあるとハッキリ答えている
 4月3日分では、「ご質問にいただいた12月17日のオンライン会議は、NoBorder側(松井氏らの側)からの求めに応じて行ったもの」と会議の存在を明確に認めている
 5月20日分では、「これまでの回答に相違はありません」と念押しまでしていた

 改めて河野氏に聞いた。
「(高市事務所が)中傷動画について指示したかどうかは証明が難しい話ですが、木下秘書と松井氏との接点すら認めないのにはびっくりしました。事務所が出した正式な回答を否定するとは、異次元の領域に入ったと思いました。自分で自爆しに行っている。どうも総理に厳しいことを言える人が官邸に誰もおらず、高市首相の感情的な対応だけに危機管理が任せられ、とんでもないことになっています」

サナエトークンとのつながりも
 回答書まで否定したら高市事務所は「嘘をつく」事務所となり信用を失う。高市首相はなぜそんな危うい答弁をしたのか
 河野氏の見立てはこうだ。
「松井氏は複数の投資トラブルが取り沙汰される人物。動画は手段であり、総裁選や衆院選で木下秘書との信頼関係が高まっていった中でサナエトークンの話になっていったとみています。インテリジェンス強化を進めている高市首相の事務所が、そんな怪しげな人物を使えると思って利用しようとし、結局、サナエトークンの宣伝に利用されたという構図を認めたら、説得力がなくなってしまうので、一切を否定するのだと思います」
 この先、月内には衆参で予算委の集中審議が予定されている。高市首相が嫌がっても、自民はさすがに実施を拒否できないだろう。高市首相は万事休すだ