2024年12月2日月曜日

イスラエルに武器1000億円分 米政権が売却計画 国内から批判相次ぐ

 バイデンがイスラエルに対し6億8千万ドル(約1020億円)相当の武器売却を計画していることが27日、明らかになりました。折しもイスラエルとレバノンのヒズボラが停戦合意に至った直後であったため、人権擁護団体からは批判の声が相次いでいます。
 ネタニヤフは26日、レバノンとの停戦が武器補充の機会になると指摘し、武器供給の遅れは「すぐに解決されるだろう」と述べていました。これでは虚偽の停戦協定ということになります。現実にイスラエルは停戦の初日からイスラエル流の口実を設けてレバノンへの空爆を続けています。

 またイスラエル軍がガザにおいて、拘束したパレスチナ人を「人間の盾」として作戦に使っていることが明らかになりました。民間人を攻撃に対する盾として使うことは国際法で禁止されているし、民間人か戦闘員かにかかわらず、拘束者に危険な場所の探索を強制することは違法です。

 23日、金沢市でパレスチナに連帯するデモ行進が行われ、金沢市の大学に通う学生や卒業生約100人が、ガザ地区でのジェノサイド(集団殺害)に抗議し、「パレスチナに自由を」などを英語を交えながらコールし市内の繁華街を行進しました。

 しんぶん赤旗の5つの記事を紹介します。
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イスラエルに武器1000億円分 米政権が売却計画 国内から批判相次
                      しんぶん赤旗 2024年11月30日
【ワシントン柴田菜央】バイデン米政権がイスラエルに対し6億8千万ドル(約1020億円)相当の武器売却を計画していることが27日、明らかになりました。英紙フィナンシャル・タイムズが関係筋の話として報じ、米メディアが続きました。イスラエルとレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラが停戦合意に至った直後にもかかわらず、イスラエルに軍事支援を続ける米政府に対し、人権擁護団体からは批判の声が相次いでいます。
 計画には、数千の統合直接攻撃弾(JDAM)と数百の小直径爆弾の売却が含まれています。ロイター通信によると、計画は9月に議会の委員会に持ち込まれ、その数カ月にわたって進められてきました。
 イスラエルのネタニヤフ首相は26日レバンとの停戦が武器補充の機会になると指摘し、武器供給の遅れは「すぐに解決されるだろう」と述べていました。米政府の計画は、この発言を事実上裏付けるものです
 アムネスティ・インターナショナル米国は「報道が真実なら、これは胸が張り裂けるような壊滅的なニュースだ」と批判。売却予定の武器は、同団体の調査によればガザの人びと全を壊滅させるために使われてきたものだと強調しました。
 中東理解研究所(IMEU)政策プロジェクトも、計国に含まれる武器は「イスラエルが数々の明白な戦争犯罪に使ってきた」ものだと指摘。「バイデン大統領は任期中最後の日々を、大半の米民の願いや国内法、国際法に反して過ごしている」と非難しました。


イスラエル軍がレバノン空爆 停戦発効後初「ヒズボラ施設攻撃」
                      しんぶん赤旗 2024年11月30日
【カイロ=秋山豊】イスラエル軍は28日、レバノン南部でイスラム教シーア派組織ヒズボラがロケット弾の保管に使用していた施設を空爆したと発表しました。ロイター通信などが伝えました。
 イスラエル軍の空爆は、イスラエルとヒズボラの停戦が27日早朝に発効して以降初めて。レバノン治安筋と地元メディア報道によると、空爆はリタニ川北のベイサリヤ付近で実施されました。
 空爆の発表より先にイスラエルとヒズボラは停戦合意に違反したと互いに非難していました。
 イスラエル軍は、レバノン南部の複数の地域に来た「容疑者」に対し、停戦違反だとして発砲したと述ぺました。
 一方、ヒズボラのハッサン・ファドララ議員は、イスラエルが合意に違反していると指摘。「イスラエルは境の村に戻る人々を攻撃している。イスラエルによる違反行為が今日、この形で行われている」と記者団に述べました。
 レバノン軍もイスラエル軍の複数の停戦違反を非難。イスラエル軍が27、28両日にさまざまな武器を使ってレバノン領内を攻撃したとしています。
 レバノン国営メディアなどによると、イスラエル28日朝、レバノン南部の五つの町などを戦車で砲撃しました。
 停戦合意は、イスラエル軍が60日以内にレバノン南部から撤退し、ヒズボラが国境から約30キロ北を流れるリタニ川以北へ撤退するよう求めています
 停戦を受け、レバノン軍は国レバノン暫定軍(UNIFIL)と協力し、同国南部での部隊配置を増強しています。兵士5千人以上を配備する用意があるとしています。キリスト教徒の多いある村では、住民がコメや花びらをまいてレバノン軍の到着を祝ったと報じられています。
 レバノンのメディアは軍関係者の話として、レバノン軍がリタニ川の南で「パトロールし、検問所を設置している」が、イスラエル.軍が駐留している地域には進軍していないと伝えました。
 レバノン軍は、イスラエル軍がいる地域に近づかないよう住民に警告しています。


レバノン南部また空爆
                      しんぶん赤旗 2024年12月01日
【イスタンブール=時事】イスラエル軍は29日、ロケット発射装置を移動させるなどイスラム教シーア派組織ヒズボラの「テロ活動」が確認されたとして、レバノン南部で空爆を行ったと発表しました。27日にレバノンでの停戦発効後、イスラエルは停戦合意違反を理由にレバノン領内を断続的に空爆。合意の実効性が疑問視されています。
 合意では、イスラエル軍は地上侵攻したレバノン南部から徐々に撤収するとされましたが、軍は29日の声明で「レバノン南部へ展開し、停戦合意の違反行為に積極的に対処する」と強調しました。28日にもヒズポラの武器庫を空爆しており、イスラエルとヒズポラが互いに停戦違反を非難する事態となっています。
 ヒズボラの最高指導者カセム師は、29日に公開された停戦後初めてのビデオ演説で「敵は抵抗を弱めることはできなかった。われわれの偉大な勝利だ」と主張しました。停戦維持のため、国境付近へ展開するレバノン軍に協力する意向を示しました。
 イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザでも空爆を強化。ロイター通信によれば、中部ヌセイラトや北部ベイトラヒヤでは28日から29日にかけて40人が死亡しました。


拘束者を人間の盾に 米紙報道 ガザでイスラエル軍
                      しんぶん赤旗 2024年12月01日
【ワシントン=柴田菜央」パレスチナのガザ地区を軍事侵攻するイスラエル軍が拘束したパレスチナ人を「人間の盾」として作戦に使っていることが明らかになりました。来紙ニューヨーク・タイムズが27日までに報じました。
 イスラエル軍に拘束されていたパレスチナ人3人が同紙に証言しました。イスラム組織ハマスの待ち伏せや爆弾でイスラエル軍兵士に危害が及ぶ可能性があると同軍が判断した場所での
偵察などを強要されたと語っています。取材に応じたイスラエル兵士の証言も、それらを裏付けるものになっています。
 民間人を攻撃に対する盾として使うことは国際法で禁止されています。イスラエルの最高裁も2005年に同様の行為を禁止しています。英大学の専門家は同紙に対し「拘束者が民間人か戦闘組織のメンバーかにかかわらずパレスチナ人拘束者に危険な場所の探索を強制することは違法だ」と述べました。
 イスラエル軍におよそ10日間拘束された男性(17)は、故郷のガザ南部ハンユニスを手錠をかけられた状態で歩かされ、ハマスが仕掛けた爆発物を探すよう命じられました。
イスラエル兵は私を犬のように、偽装爆弾の仕掛けられたアパートヘ送り込んだ。これが人生最後の瞬間になると思った
 解放される数日前には、おとりとしてイスラエル兵の制服を着て通りを歩かされました。無人機に見張られて逃げられませんでした
 グラフィックデザイナーの男性(31)は、ガザ中心部にあるハマスの拠点とされる隠れ場所にイスラエル軍が近づく際、パレスチナ人はその先頭を歩かされたと証言しました。
「兵士は(自分たちが)撃ち返されないよう、私たちを前に行かせた」。隠れ場所に着くと兵士はパレスチナ人の後ろから現れ、建物になだれ込んだといいます。
 薬剤師の男性(43)は、自宅で捕らえられた後、下着を脱がされ手錠と目隠しをされました。イスラエル兵は、ハマスが隠れるトンネルの入り□があると疑われる場所で、発電機を勣かすよう命令。ためらうと背中をライフル銃の角で突かれました


パレスチナに自由を 金沢 学生など連帯デモ行進
                      しんぶん赤旗 2024年11月30日
 金沢市の大学に通う学生や卒業生が呼びかけて23日、金沢市で、パレスチナに連帯するデモ行進が行われました。約100人が、イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区でのジェノサイド(集団殺害)に抗議。「パレスチナに自由を」など英語を交えながらコールし市内の繁華街を行進しました
 主催者の富樫洋乃輔さんは、市内の学生たちとパレスチナで起こっている実情を知る読書会や大学での展示会を行ってきたと言い、展示会を見た人たちの声に応えデモを計画したと述べました。
 金沢市のヒクマ・バルベイドさんがパレスチナに住む友人のメッセージを代読。主催者の一人の木林純太郎さんは、「パレスチナの問題はかわいそうでは終わりません。知った責任を果たすために忘れないことを心に決めてデモに参加したい」と述べました。

 金沢市の大学生、那須開登(なす・かいと)さん(18)は、まずは停戦してほしいと求め、「パレスチナの人たちのイスラエルに対する抵抗は、私たちが国内の抑圧に対して行う抵抗と同じたたかい」と参加した理由を述べました。