安倍首相が、北朝鮮をめぐる情勢の緊迫の中で米と北朝鮮の衝突を抑止しようとするのではなくて、米に北朝鮮を制圧させようとひたすら務めているのは何故でしょうか。それは勿論、米朝の衝突を機に一層の脅威を煽って日本の軍国主義化を押し進めるとともに、今回の危機を利用してあわよくば自衛隊の朝鮮半島派兵につなげようとしているからです。最終的に憲法9条改正にまで持っていこうと考えているのはいうまでもありません。
しかしそれは浅慮であって目前の危機を正確に見通したものではありません。
なるほど北朝鮮と米国とでは武力において差があり過ぎるので、もしも戦端が開かれれば数日間で北朝鮮が制圧されるのは明らかです。しかし問題はその過程で何が行われるかです。
米軍の攻撃があった直後には北朝鮮と韓国の間で壮絶な砲撃と爆撃が行われ、両国の首都は火の海になるといわれていますが、それだけではなく北朝鮮は大量のノドンを日本に撃ち込んできます。
日本はアメリカと集団的自衛権に基づく同盟を結んでいるので北朝鮮から当然敵国扱いされます。そのときには日本が保有している迎撃ミサイルなどは何の役にも立ちません。
もしも海岸線に無防備に設置されている原発の2つかそこらが破壊されれば、日本は壊滅状態になります。そうした状況を放置したまま、米国という驥尾に付して戦争国家への道を目指し、近隣諸国との善隣友好に務めてこなかったのが安倍政権でした。
日本は今こそ非戦国家の面目を発揮して今回の危機が平和裏に収まるようにすべきです。安倍首相にその役割が全く期待できないのであれば、直ぐに退陣してもらうしかありません。
何と、安倍首相も稲田防衛相もゴールデンウィークには外遊する予定になっています。これ程不足を極める政権もなくこれほど日本に有害な政権もありません。
せめてアメリカに危機の手前で「寸止め」をする良識を期待したいものです。
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安倍政権が自衛隊を対北朝鮮戦争に!
直前にカールビンソンとの訓練計画、武器使用の指針まで策定していた
LITERA 2017年4月16日
●米原子力空母カールビンソンと自衛隊の共同訓練計画
アメリカによる北朝鮮への先制空爆、北朝鮮による報復ミサイル攻撃という悪夢のようなシナリオが現実味を帯び、一気に緊迫度を増した北朝鮮情勢。そのきっかけになったのは、周知の通り、米軍原子力空母「カールビンソン」が今月8日の出港後、当初予定していたオーストラリアから朝鮮半島近海に進路を急変更したことだった。
カールビンソンは全長333メートル、艦載機約90機を擁する巨大空母で、カールビンソンを中心とする第一空母打撃群はいち都市を壊滅できるほどの極めて高い攻撃力を有しており、北朝鮮への空爆作戦を担当するのではないかともいわれている。
だが、ここにきて恐ろしい事実が発覚した。そのカールビンソンと海上自衛隊が、朝鮮半島危機のさなか、北朝鮮と目と鼻の先で「共同訓練」を行う計画が明らかになったのだ。
朝日新聞はじめ複数の新聞がこの事実を報じたが、記事によると、今月下旬、東シナ海や九州西方の海域で、海自の護衛艦が第一空母打撃群と訓練する方向で防衛省と米軍が調整中だという。
カールビンソンと海自の共同訓練は先月も2度行われており、今回で今年3回目となる。しかも、今回は具体的に先制攻撃が噂されているなかで「共同訓練」を行うというのだ。
これは本当にたんなる訓練なのだろうか。実際は自衛隊を米軍の北朝鮮軍事作戦に参加させるためのものではないのか。もっといえば、自衛隊に米軍の先制攻撃をアシストさせ、なし崩し的に米朝戦争に参戦させるシナリオがあるのではないのか。
これは妄想ではない。実は、安倍政権はその布石を昨年末の段階ですでに打っていた。
●安倍政権がNSCで策定していた対北朝鮮武器使用の指針
昨年12月22日、国家安全保障会議(NSC)が、「自衛隊法第95条の2の運用に関する指針」なるものを決定しているのだが、これが自衛隊に北朝鮮に対して武器使用をさせるために打ち出したとしか思えない内容なのだ。
周知のように、自衛隊法第95条の2は、安保法制の自衛隊法改正で新設した、自衛隊の武器使用条件を米軍など外国軍の武器警護にまで拡大する法律。そこでは「我が国の防衛に資する活動」として米軍との「共同訓練」が明記されている。
ところが、昨年末に安倍政権はわざわざ、その運用指針を打ち出し、自衛隊の武器使用が可能な「我が国の防衛に資する活動」として以下の3つを記したのだ。
(ア) 弾道ミサイルの警戒を含む情報収集・警戒監視活動
(イ) 我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態に際して行われる輸送、補給等の活動
(ウ) 我が国を防衛するために必要な能力を向上させるための共同訓練
一目瞭然だろう。ここで第一に挙げられている「弾道ミサイルの警戒を含む情報収集・警戒監視活動」は、カールビンソンの「武器防護」の絶好の名目となる。つまり、カールビンソン率いる第一空母群が先制攻撃の一翼を担うことになり、北朝鮮から反撃された場合、自衛隊が自衛隊法95条の2にもとづいて、北朝鮮に対して「武器使用」できるといっているのだ。
しかも、注目しなければならないのは、この用意周到な朝鮮半島有事への“布石”が日本側からの働きかけで進められたということだ。北朝鮮のミサイルを想定した運用方針まで示したのも、このタイミングでの自衛隊とカールビンソンの共同訓練も、官邸が主導で米側と交渉し、打ち出したのだという。ようするに、安倍首相はこの朝鮮半島有事で、自衛隊に武器使用をさせる“安保法制の実績づくり”をしようとしているのだ。
だが、これは同時に、日本がなし崩し的に米朝戦争に引きずり込まれる危険性をはらんでいる。北朝鮮は現時点ですでに在日米軍基地への報復攻撃を宣言しているが、自衛隊がもし北朝鮮を相手に武器を使えば、北朝鮮は日本も敵国とみなし、日本全土がミサイル攻撃の対象となるだろう。そうなれば、数十万、場合によっては、数百万の国民がその命や財産を失うことになる。
●安倍首相が「サリンを積んだミサイルが飛んでくる」と危機扇動
しかし、もしかしたら、安倍首相はこうしたことも織り込みずみなのかもしれない。北朝鮮が日本に報復攻撃をしてくれば、日本国内は一気に北朝鮮への憎悪が燃え上がり、「全面戦争やむなし」という空気に支配されるだろう。安倍首相はその空気を利用して、自衛隊の朝鮮半島派兵にまで繋げ、さらに最終的に憲法9条改正にまで持っていこうと考えているのではないか。
実際、これまでも安倍首相は、国民の生命の危機につながる米国と北朝鮮の軍事的衝突を避けようと動くどころか、むしろ、米朝戦争を煽るような動きしかしていない。
それは、トランプ大統領がシリア・アサド政権をミサイル攻撃したときから始まっていた。安倍首相は明らかな国際法違反のその行為に諸手を挙げて賛同したうえ、「東アジアでも大量破壊兵器の驚異は深刻さを増しています。そのなかで、国際秩序の維持と、同盟国と世界の平和と安全に対するトランプ大統領の強いコミットメントを、日本は高く評価します」と発言。
さらに、トランプが「すべての選択肢がテーブルにある」と北朝鮮への軍事行動を示唆した際も、それを制止するどころか「高く評価します」ともり立てた。
しかも13日の参院外交防衛委員会では、北朝鮮のミサイル問題について「北朝鮮はサリンを(ミサイルの)弾頭に付けて着弾させる能力を保有している可能性がある」と、根拠を示さずに答弁。その前の週の段階からワイドショーなどで山口敬之はじめ安倍応援団が煽っていた「化学兵器搭載のミサイルが落とされる」という話を国会でも披露。「トランプに北朝鮮を壊滅してほしい」という空気を煽りまくっている。
●安倍首相がつくりだす「戦争突入やむなし」という世論
繰り返すが、日本にとっての国益は“国民に血を流させないこと”以外にありえない。安倍首相が日本国民のことを第一に考えるのであれば、本来、なんとしてでも戦争を回避するよう、トランプ大統領に必死で掛け合わなければならないはずだ。
にもかかわらず、安倍首相のやっていることと言えば、アメリカの先制攻撃を後押しするような言動を繰り返し、米軍空母との共同練習で挑発、さらにはメディアで国民の恐怖心をかきたてて戦意を高揚する……。
どう考えても、国民の生命と生活よりも、米朝戦争を起こして安保法制の実体化や改憲に繋げようとしているとしか思えないのだ。実際、安倍首相はこの間、戦争回避や平和的解決へ向けた声明を一度でも出しただろうか。いや、皆無だ。つまり、この宰相は自らの野心のために、戦争と国民の命すら利用しようというのである。
いずれにしても、私たちが警戒すべき相手は北朝鮮だけではない。トランプと安倍が手を携えて進む戦争をいまここで絶対に食い止めるために、「戦争突入やむなし」という世論をつくりだす安倍政権の動きを徹底的に批判していかなければならない。(編集部)
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北のミサイルからどう身を守ると真顔で書く産経新聞
天木直人のブログ 2017年4月17日
少し前、北朝鮮が核搭載ミサイル実験に成功したと騒がれた時、政府が避難訓練を行ったというニュースがあった。
てっきりミサイル実験が失敗した時の落下物から避難する訓練かと思っていたら、ミサイル攻撃からの訓練だった。
そのような訓練をして何の役に立つというのか。
そう思ってそのニュースを聞き流したものだ。
ところがきょう4月17日の産経新聞を見て驚いた。
北ミサイルが発射されたら、地下街へ避難せよ、地面に伏せよ、などと真顔で書いている。
ミサイルが日本に撃ち込まれたらお終いであることは子供でも分かる。
そんな事を書くよりも、何があっても北朝鮮に日本に向けてミサイルを発射させないように外交努力に全力をつくせと書くべきだ。
いたずらに北のミサイル危機を煽る産経新聞もまた度し難い平和ボケだ。
安倍首相の延命に手を貸す御用新聞である(了)