植草一秀氏の掲題の2つの記事を紹介します。
1つ目の記事では、
植草氏は立憲と公明の合流は、「高市自民圧勝を阻止するための選択肢の一つだったと言えるが、『呉越同舟』で基本政策のすり合わせは不十分だった」として、「新代表が真っ先に明示すべきは基本政策明確化だ」と述べます。
そして「中道改革連合」基本政策に、「原発容認、安保法制合憲、憲法改正推進」が明記されたのは誤りで、「仕切り直しをする際にこの問題を放置することは許されない」として、「この3点を容認するグループと容認できないグループの同居はあり得ない」ことなので、「『焼け野原』に新たな構造物を再建するなら、まずは根本矛盾を取り除くことが先決だ」と述べます。明快です。
2つ目の記事では、
植草氏は、「巨大な建造物の意識的な解体には膨大なエネルギーがかかるが、自然なかたちで立民党が解体するに至った」ことを「ピンチはチャンス」と捉えるべきだとして、「選挙が終わり『中道改革連合』は所期の目的を達成できなかったので、しっかりとけじめをつけるべき」である述べます。
そして「この際、原発、憲法、安保法制は『国論を二分する重要テーマ』なので、容認グループと非容認グループは袂を分かつべきだ」と述べます。
さらに「日本の主権者に 原発廃止、憲法改定阻止、安保法制廃止、消費税減税・廃止 の考えを持つ者が圧倒的少数なら、この主張を掲げる政治勢力の存在意義はないが、その考えを持つ者が多数存在するなら、その主権者の意思を代表する政治勢力が必要なので、対米隷属の右翼、対米隷属の中道、対米自立のリベラル の三極鼎立が求められる」と述べます。
「2017年に立民が創設されたときには、対米自立リベラルの中核になることが期待されて伸長したが、2021年に枝野幸男氏が転向し、共産、れいわ、社民との共闘を否定したことから没落が始動し、今回の選挙で枝野氏も落選した」ので、「焼け野原」は「復興を実現するためには好都合な環境」であると述べます。
そして「若年層の支持を取り付けることが近年政治勢力の伸長を決定付けている。高齢世代にのみ依拠する支持構造は絶滅を早めるだけ。若者の支持を得る変革を革新勢力が演じられなければ、日本から革新勢力は消滅する」と指摘し、
「高市首相が最重要視するのが憲法改悪のために必要な参院での3分の2勢力の確保」であり、「憲法改定は9条と緊急事態条項がカギで、緊急事態条項は『全権委任』の性質を帯びる。~『ナチスの手口に学ぶ』が高市自民の合言葉。日本が地獄絵図に突き進むのかどうか。日本は重大な岐路に立っている」と警告します。
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基本政策明確化が中道最優先課題
植草一秀の「知られざる真実」 2026年2月13日
総選挙で「焼け野原」になった旧立民。旧立民と旧公明が合流して創設された「中道改革連合」。獲得議席は49で、旧立民が21、旧公明が28だった。
比例代表選で自民は当選枠に充当する候補者が足りず、14議席が他党に流れた。
旧立民はこの「お流れ」で6議席を獲得。これがなければ旧立民獲得議席は15だった。
高市自民圧勝を阻止するための「背に腹は代えられぬ」戦術として合流は選択肢の一つだったと言えるが「呉越同舟」で基本政策のすり合わせは不十分だった。
新党の名称は陳腐で党の看板になる党首も旧態依然だった。
このため選挙の勝敗を分ける若年層と無党派層の取り込みに完全に失敗した。
最大の問題は基本政策の合意が不完全だったこと。選挙のための緊急対応だったから基本政策をあいまいにした面があった。しかし、選挙後にそのあいまいさは容認されない。
2月13日に中道が新しい代表選を実施。旧立民の小川淳也氏が新代表に選出された。
新代表が真っ先に明示すべきは基本政策明確化だ。
比例代表の順位問題は党内の利害調整でしかない。内輪の問題。
主権者との関係で最重要であるのが基本政策。総選挙中は新党が提示した「基本政策」に反する主張を明示する候補者が多数存在した。
選挙のための急造新党であるから「包摂」という言葉で「あいまい戦術」が取られた。緊急事態に鑑みればあり得る選択肢ではあった。
しかし、選挙後に正式に新党を確立する際には基本政策を明確にしなければならない。
「中道改革連合」基本政策に次の表現が明記された。
・将来的に原発へ依存しない社会を目指しつつ、安全性が確実に確認され、実効性のある避難計画があり、地元の合意が得られた原発の再稼働
・平和安全法制が定める存立危機事態における自国防衛のための自衛権行使は合憲
・立憲主義、憲法の基本原理を堅持した上で、国民の権利保障、自衛隊の憲法上の位置付けなどの国会での議論を踏まえ、責任ある憲法改正論議の深化
[原発容認、安保法制合憲、憲法改正推進]が明記された。
この点について中道に合流した旧議員の多数が反対の見解を表明していた。
17年の「希望の党」と異なり、「排除の論理」が採られなかったため、基本政策に同意しない候補者も新党に合流した。
しかし、選挙が終了して仕切り直しをする際に、この問題を放置することは許されない。
新代表に就任した小川淳也氏が明確に上記三方針を新党の基本政策に位置付けるなら、この基本三政策に反対する者は新党を離脱するしかない。
基本政策があいまいなままで主権者に責任ある政策公約を示すことはできない。実はこの部分が旧立民においても最大の問題だった。
「国論を二分する重要問題」について異なる基本政策を有する者が同居してきた。
立民にはかつての社会党から合流した者もいる。これらの人々は基本政策をどのように考えているのか。大きな政党に所属して議員の身分を維持できるなら基本政策などどうでもいいという考えだったのか。議員たちの矜持(きょうじ)が問われる問題だ。
[原発容認、安保法制合憲、憲法改正推進]は国民民主、旧公明と同一のものだから、これら勢力が一つにまとまるのが分かりやすい。
最も重要なことは[原発容認、安保法制合憲、憲法改正推進]に反対のメンバーの同居はあり得ないということ。「焼け野原」に新たな構造物を再建するなら、まずは根本矛盾を取り除くことが先決だ。
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4337号
「「基本政策」肯定なら新党は墓場」 でご高読下さい。
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焼け野原活用する逆転の発想
植草一秀の「知られざる真実」 2026年2月12日
「ピンチはチャンス」と捉えるべきだ。解体が必要な巨大な建造物。
建造物がそのままなら解体に膨大なエネルギーがかかる。
しかし、大爆発で「焼け野原」になったなら不幸中の幸い。
中道改革連合は選挙のための急造組織だった。
高市自民を大勝させないための窮余の一策としては理解できる。最悪を回避するためには普通悪に目をつぶる必要も生じるからだ。
しかし、仕掛けが杜撰だった。若年埋蔵票の取り込みが勝敗を分ける。その若者の支持を取り付ける工夫が皆無だった。急造であったから政策のすり合わせが不十分だった。
原発、憲法、安保法制。公明案で原発容認、憲法改正容認、安保法制容認の綱領が示されたが、「踏み絵」方式は取られなかった。新党に参加しながら、原発廃止、憲法改定反対、安保法制違憲の主張を示す者が多数存在した。「包摂」という言葉が使われた。
しかし、選挙が終わり、新党は所期の目的を達成できなかった。ここで、しっかりとけじめをつけるべきだ。
原発、憲法、安保法制は「国論を二分する重要テーマ」。容認グループと非容認グループは袂(たもと)を分かつべきだ。
原発容認、憲法改正容認、安保法制容認なら国民民主と変わらない。
国民民主と合流して、政党名を正式に「ゆ党」として連帯するのが良いと思われる。
旧立民で原発廃止、憲法改定阻止、安保法制廃止の主張の者は「中道連合」から離れるべきだ。
離れて、共産、れいわ、社民と合流して「革新新党」を創設すべきだ。
これまでもこの提言を示し続けた。しかし、大きな障害があった。
立民が巨大化して、立民から離脱する決断をできない者が圧倒的に多かったのだ。
しかし、立民自体が崩壊したことで離脱は容易になる。
最大の問題は「カネ」だ。26年は立民に巨大な政党交付金が投下される。
落選議員が当面の活動資金を確保するには、この政党助成金に頼るしかない。
したがって、当面は立民=中道にぶら下がる者が多いと推察される。
しかし、27年は中道の政党交付金が激減する。落選議員に回る資金も激減するだろう。
これが人材の流動化をもたらすことになる。
日本の主権者に 原発廃止、憲法改定阻止、安保法制廃止、消費税減税・廃止 の考えを持つ者が圧倒的少数なら、この主張を掲げる政治勢力の存在意義はない。
しかし、原発廃止、憲法改定阻止、安保法制廃止、消費税減税・廃止の考えを持つ者が多数存在するなら、その主権者の意思を代表する政治勢力が必要だ。
対米隷属の右翼、対米隷属の中道、対米自立のリベラル の三極鼎立が求められる。
2017年に立民が創設されたときは、立民が対米自立リベラルの中核になることが期待された。この期待で立民は伸長した。ところが、2021年に枝野幸男氏が転向。共産、れいわ、社民との共闘を否定した。ここから立民の没落が始動した。今回選挙で枝野氏も落選した。
「焼け野原」は復興を実現するためには好都合な環境である。
米国の命令に隷従する先にどのような運命が待ち構えるのか。
ウクライナこそ典型的なモデルケースだ。対米隷属一択ではないことをすべての主権者に知らせる必要がある。
その最大の理由は革新三勢力がバラバラであること。弱小革新勢力が「おれがおれが」で進めば一段とジリ貧になる。連帯しない限り絶滅を免れない。
同時に重要なことは革新勢力が若年層の支持を取り付けること。若年層の支持を取り付けることが近年政治勢力の伸長を決定付けている。
高齢世代にのみ依拠する支持構造は絶滅を早めるだけだ。「団塊の世代」はすでに最多人口年齢層でなくなっている。
若者の支持を得る変革を革新勢力が演じられなければ、日本から革新勢力は消滅する。
高市首相が最重要視することになるのが参院での3分の2勢力確保。
憲法改正発議には衆参両院での3分の2以上の賛成が必要。衆院で改憲勢力は3分の2を確保したが、参院ではまだ確保していない。維新に加えて、国民、参政、保守、みらいを3分の2勢力に組み込むことに総力が注がれる。
憲法改定は9条と緊急事態条項がカギだ。緊急事態条項は「全権委任」の性質を帯びる。
ナチス党が全権委任法を制定してドイツが暴走した。「ナチスの手口に学ぶ」が高市自民の合言葉。日本が地獄絵図に突き進むのかどうか。日本は重大な岐路に立っている。
続きは本日の メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4336号
「行き先は地獄を若者に伝える」 でご高読下さい。
(後 略)
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。