2026年2月14日土曜日

高市自民大勝利の狂気とカルト - 中道新党の衝撃的惨敗とその責任を考察する(世に倦む日々)

「世に倦む日々」氏が掲題の記事を載せました。
 衆院選の結果について、「高市自民と同じ改憲をめざす猛毒の右翼反動勢力が415議席を占め、衆院全体の90%を超えた。共産は4議席の4議席、れいわは7議席の1議席。気絶しそうな戦慄の選挙結果だ。選挙でヒトラー政権を誕生させ、民主主義の制度下でファシズムを招来した1930年代のドイツの悪夢が再現されている」「ファシズムの時代への突入であり、令和の大政翼賛会の時代の到来だ」と述べます。

 そして早くから立憲と公明の連合を予測し要請してきた「世に倦む日々」氏は、それが急遽実現したものの、指導部が戦略のプログラムを何も準備していなかったため、1/23 までの短い1週間に、華々しく矢継ぎ早に選挙プログラムを繰り出し、サプライズの連続弾で政治のニュースを埋めることが出来ないまま、逆にマスコミから中道新党への支持の広がりが不発であるとダメ押しされ、その通りの大敗北になりました。
 同氏は「新党のシンボルは、退屈な野田から吉田晴美にモデルチェンジする必要があった」として、その点では参政党などは「誰をカメラの前に出せば好印象を獲得できて支持率を上げられるか」を鋭敏に感得していたと述べます。
 低次元の話ではあるもののそれが現実であり、別掲の記事で植草一秀氏が強調する「人間の感情的部分に働きかけるシンボル」の重要性であり、「若者の支持を得る変革を革新勢力が演じられなければ、日本から革新勢力は消滅する」という見通しに通じるものです。
 そしてネット上では、左派の支持者から猛烈な「中道批判」が行われ、さながら「中道叩きの大合唱」が展開されて「中道連合」は大敗しました。
 問題は「中道」に行く筈の票が何処に行ったのかですが、明らかなことは左派へではなく、逆に今回躍進した自民党や参政党などの極右政党に流れたと考えるしかありません。
 こうした「帝政勢力よりも『社会民主党』こそが当面の敵」とすることの誤りはこれまでも常に繰り返されてきたところです。そもそも「中道」に「不徹底」という弱点があるのは当然のことなので、それを徹底的に叩くというのは戦術的にも疑問です。
 なお、比例名簿で公明候補を上位に3人並べて議席を確保したことにも左派は噛みついて旧公明党をコキ下ろしたようですが、「世に倦む日々」氏は「それはナンセンスな誹謗中傷で、この新戦略は立憲が公明の比例議席を保障し、公明が立憲の小選挙区候補に組織票を提供するという、合理的で打算的なバーター取引が基礎になっている」と公正な判断を示しています。もしも「中道」に改選前の票が集まっていれば、旧立民党は旧来の勢力以上を保有できた筈でした。
 ともあれ事態は「世に倦む日々」氏が投票日前に絶望的に予測した通りの結果となりました。
 彼は「高市が大勝利したことにより、高市の驕慢な態度がさらに増長し、中国に対する挑発のエスカレートが予想される。中国を挑発すれば中国が反発する。マスコミが中国を批判して扇動する。それをバネに、右翼化した衆愚の国民がいちだんと高市への狂信と帰依を深める。その成功法則を高市は知り抜いた。統一教会問題にせよ、裏金問題にせよ、どんな汚い醜聞の局面になっても、暴支膺懲を煽って憎悪のボルテージを上げれば、たちどころに国民の関心がスピンして支持率が上がるコツを覚えた。そうして、スパイ防止法を成立させ、9条改憲の環境を整備し、中国との戦争(台湾有事)に踏み出す」「国防の義務が課され、徴兵制が敷かれて 若者は戦場に送られる羽目になる」と述べ、
衆愚政の狂気とカルトと倒錯を恨み厭う。衆愚政治は懲り懲りだ」と慨嘆します。
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高市自民大勝利の狂気とカルト - 中道新党の衝撃的惨敗とその責任を考察する
                       世に倦む日日 2026年2月11日
2/8、大雪が降る中、衆院選の投票があり、高市自民が衆院3分の2を超える316議席を獲得する大勝利を収めた。現有より118議席増。マスコミは歴史的大勝と報じている。事前予想を超える恐ろしい結果に眩暈を覚え、狼狽の気分を禁じ得ない。高市自民のアクセル役を任じる与党の維新は+2の36議席。高市自民と政策は同じだと強調する国民民主は+1の28議席。極右の参政は+13の15議席。みらいが11議席。高市自民と同じ改憲をめざす猛毒の右翼反動勢力が415議席を占め、衆院全体の90%を超えた。共産は-4の4議席、れいわは-7の1議席。あらためて数字を確認して気絶しそうな戦慄の選挙結果だ。大衆が選挙でヒトラー政権を誕生させ、民主主義の制度下でファシズムを招来した1930年代のドイツの悪夢が再現されている。くっきりと。これが今の日本の現実だと思うと心が凍りつく高市も 2/9 の記者会見で憲法改正に挑戦すると明言した

中道は現有から-123の49議席。3分の1になった。これほど議席が激減する図は過去の選挙で一度も目撃経験がない。カナダとか海外の選挙の報道で知る出来事だ。いくら小選挙区制とはいえ、極端な変化を嫌う日本人の選択とは思えず、今回の衝撃の事態に愕然とさせられる。岡田克也、枝野幸男、安住淳、玄葉光一郎、海江田万里、小沢一郎、逢坂誠二、馬淵澄夫、近藤昭一、江田憲司、山井和則、亀井亜紀子、川内博史、大串博志、民主党の結党当時から議員を続けてきた大物を含む、顔なじみの議員たちが悉く落選、永田町から去る運命となった。後藤謙次が小括していたが、1993年の細川連立政権のときから始まったところの、民主党という「政治改革」で生まれた政党が野党第一党を常に占め、自民党と政権交代を争った、30年以上続いた一つの時代が幕を下ろしたと言える。日本政治は新しい時代を迎えた。ファシズムの時代への突入であり、令和の大政翼賛会の時代の到来だ

私は昨年夏の参院選の後から、立憲と公明の連合を予測し提案し要請してきた無名ブロガーであり、中道新党の誕生に「我が意を得たり」と心躍らせた市民であり、今回の惨劇に「製造物責任」を感じる立場である。新党立ち上げなどするべきではなかったと恨めしく憤っている者は多いだろう。正直、本当に意外だったのは、これだけの乾坤一擲の勝負に出ながら、戦略の中身を構成するプログラムを指導部が何も準備していなかった点だ。1/14 に新党設立合意を発表し、1/16 にロゴを示して記者会見し、週末を含んだ3日後くらいまでは、新党が旋風を起こして話題を独占し、期待を集め、高市の不意打ち解散を無力化するクロスカウンターとして嘱望されていた。ところが、何日経っても野田佳彦と斉藤鉄夫の同じ顔がテレビに出続け、聞き飽きた話を繰り返し垂れるばかりで、エバンジェリスト⇒福音伝道者)登場せず、有望新人の発掘と紹介もなかった。有権者の期待に応える絵は何もハプンせず、ムーブメントを興せないまま 1/23 の解散を迎えた。

そこまで日程が進むと、すぐにマスコミが世論調査を打ち、高市支持の高さを言い、中道新党への支持の広がりが不発である事実が伝えられた。中道新党の選挙での苦戦がスタート時点で与件となってしまった。1/23 までの短い一週間、すなわち1月第4週が勝負だったのである。この時期に華々しく矢継ぎ早に選挙プログラムを繰り出し、サプライズの連続弾で政治のニュースを埋め、Xのトレンド欄を独占する動きを作らなければならなかった。もし新党の参謀に優秀な広告代理店が入っていたら、そうした仕掛け花火が華麗に打ち上げられ、新党勝利への初期プロモーションが劇的に演出されていただろう。それを企画するのは当然だし、そうした布石を打たなければ新党立ち上げの戦略など絶対に成功しない。マスコミが解散時の世論調査を打つ前の一週間にそれを洪水させ、好感度と興奮度を高め、テレビのキャスターやコメンテーターに影響を与えないといけなかった。新党のシンボルは、退屈な野田から吉田晴美にモデルチェンジする必要があった

この大事な一週間(1//18 - 1/24)に、野田と斉藤は同じ賞味期限切れの演目を繰り広げ、新党の清新さはすっかり逆転して古臭い評価に落ちた。実際は中身が空っぽで、興趣を惹くコンテンツ⇒情報)が何も用意されていない真実がマスコミと有権者に察知された。私は過去のブログで何度か、野田佳彦はテレビに出れば出るほど党の支持率のポイントを下げると辛辣な批判を述べてきた。野田のイメージが悪いからである。イメージが悪い理由は二つで、第一に野田が消費税増税論の確信犯であることと、第二にテレビ時代の政党党首に必要な要件(visual branding)を根本的に欠落させている点にある。一昨年の立憲民主の党首選に野田が再登板してきたとき、まさかと耳を疑い、この男の勘違いの甚だしさに嘆息したものだ。党の看板として肝要な視覚的資質に欠け、マイナスイメージの効果をもたらし、不適切で不具合だからである。なぜ自己の欠陥を自覚し、重鎮として後見役に徹するという役割判断ができなかったのだろう。現代はラジオで政治をやる時代ではない

例えば、参政党などの候補者のラインアップを見れば瞭然だが、誰をカメラの前に出せば好印象を獲得できて支持率を上げられるか、党側の選別と配列の根拠が言わずもがな明快である。基準はシンプルなのであり、それは人間一般の自然な心理や嗜好に依拠して最適化を図った審査の帰結だ。政党が、選挙という大衆から選ばれる機会の競争に勝つためには、当該価値基準のセレクトで臨むのが戦略の定石と言えるだろう。古典的な政治学理論であるメリアムのマイランダの概念⇒権力の正統化)を持ち出すまでもなく、政治は相手や成員からの同意や共感を調達するため、人間の感情的部分に働きかけるシンボルを使うのである。政治はラジオではなくテレビの舞台で演じられている。テレビで行われる政治は、視聴者にとってはある意味でショーのコンテンツ⇒出し物)であり、党首討論会も娯楽の一つという側面を持つ。そこで優劣が競われる場合、視覚的要件は必須の課題だ。野田がなぜそのセオリーを無視したのか理解できない

勝敗を分けた一週間(1//18 - 1/24)、中道新党は無為無策で何も手を打たなかった。ネット上では、左派が中道に対するネガキャン工作を始めた。Xの編集で左派系ポストが多く表示される私のタイムラインは、中道叩きの大合唱が響く空間と化していた。1/20 頃までの時点では、中道は注目の期待の新星であり、高市自民にとっての強敵の出現であり、政治記者たちが小選挙区で自民党現職を数十議席ひっくり返すだろうと予測を述べる存在だった。なので、共産やれいわの支持者にとっては、党利党略上邪魔なライバルと映ったのかもしれない何より、中道が安保法制を合憲と認め、原発再稼働を認める方針を打ち出し、従来の立憲の左派的立ち位置を変えた点が許せないという動機で、猛然たる非難が燃え盛り、中道への揶揄や罵倒が充満する状況が現出した。本来、この大事な時期、左派は中道をエンドースして小選挙区での連携を言うべきで、中道は左派の支援を請うべく政策を左寄りに路線修正すべきだった

共産やれいわの候補が小選挙区で当選するはずがない。であれば、左派の小選挙区票はすべて中道に流し込むべきだったし、安保法制の解釈や原発再稼働は一時的に譲っても、スパイ防止法と9条改憲を阻止するべく、大局に立った観点から中道新党に積極的な態度で接するべきだった。そのとき中道新党は生まれたばかりの赤ちゃんで、目の前の選挙で高市自民が勝つ目的で一点集中だったのであり、新党の基本政策もその戦略から設計されている。慌ただしい火事場で作成された。選挙が終わった後、中道が選挙に勝った後で、あるいは選挙の途中ででも、左派が介入してその政策を左寄りに変更させればよかった。それは可能だっただろう。選挙直前に立ち上げた新党の基本政策など、紙切れのような暫定的な証文であり、そのことは、何度も党を作っては壊して離合集散に慣れた立憲議員たちが一番よく知っている。左派のネガキャンは大きな悪影響を生み、逆風要素となり、中道のスタートダッシュのモメンタムを潰してしまった

選挙で勝つことを一点の目的として、その戦略で立ち上がった新党だから、選挙で負ければ推進力を失い、墜落か空中分解の運命になるのは必然だ。公明は、そのディザスタープラン⇒惨事計画)を考えて、比例名簿で公明候補を上位に並べて議席を確保する保険を賢くかけていた。左派はこれに噛みつき、公明は卑怯だと言い、乗っ取りが目的だったと逆恨みして悪罵しているが、それはナンセンスな誹謗中傷だ。愚かな八つ当たりだ。危険な博打に乗るのだから、最悪の場合の安全装置を担保しておくのは当然だろう。今回の新党戦略は、立憲が公明の比例議席を保障し、公明が立憲の小選挙区候補に組織票を提供するという、合理的で打算的なバーター取引が基礎になっていた。その契約で双方が合意して結成された政治同盟の新党形態である。そして、選挙分析の報道によれば、公明は小選挙区で自らの支持票(学会票)の7割を中道候補(立憲)に入れたと言われている。契約の義務は一応履行している。かかる選挙分析が事実なら、公明の側に不当性や瑕疵はあるまい

選挙分析で言われている中道の敗因は、むしろ、立憲の小選挙区での支持票が溶けたとされる点である。要するに、立憲が基本政策を右に寄せたため、地域の小選挙区で左派の支持者が失望して票離れしたという見方に他ならない。Xタイムラインを見ていると、連合左派のある単組が、今回は中道(立憲)への投票を控える指示を出していたという暴露があった。また、共産党も同様の指令を支部党員に出していたという裏話も載っていた。SNSで派生した左派のネガキャンがそのまま投票行動に直結していた。左派のネガキャンも、序盤は忌み慎むべき悪評工作に違いなかったが、中盤からは意味が変わり、真実を衝いた正論に化学変化していた。野田の失策と緩怠と自滅が明らかとなり、中道の敗北が確実視される状況に変ったからだ。政治は生きものである。自治労が不活性だったという仮定も浮上する。北海道、東北、甲信越、立憲が強い地盤は雪国が多い。自治労(や昔の国労)が票を作ってきた地域だ。大雪の影響が重なって自治労の動きが鈍かったのではないか

以上。中道について今後どうあるべきかの現時点での結論を言えば、新党を解消し、元の立憲と公明に分かれ、その上で「中道連合」として二党の結束と連携を継続し強化する方向性を確認すればいいと思う。数年前の「野党共闘」のような形態で、立憲と公明がブロックを組み、国政選挙を常に共同で戦い、国会でも密着して行動するというスタイルを提起したい。高市自民の反動と厳しく対決する野党連合としての存在感を発揮し、国民から支持と信頼を拡大すればよく、2年後の参院選を準備すればいいだろう。「中道連合」はひとまず国政だけに活動範囲を限定し、地方は其々独自に旗を立てて活動、時間をかけて「連合」の内実を作ればよい。それは、地方の公明を自民から徐々に引き剥がす過程を作るという意味であり、反高市の「中道連合」の基盤を全国ベースで形成し確立するという意味である。それは多くの国民が待望する野党の姿だろう。高市の勢力が大きくなりすぎ、不安を覚えている国民は多い

高市が大勝利したことにより、高市の驕慢な態度がさらに増長し、中国に対する挑発のエスカレートが予想される。中国を挑発すれば中国が反発する。マスコミが中国を批判して扇動する。それをバネに、右翼化した衆愚の国民がいちだんと高市への狂信と帰依を深める。その成功法則を高市は知り抜いた。統一教会問題にせよ、裏金問題にせよ、どんな汚い醜聞の局面になっても、暴支膺懲⇒暴れる中国を懲らしめる)を煽って憎悪のボルテージを上げれば、たちどころに国民の関心がスピンして支持率が上がるコツを覚えた。打ち出の小槌を手に入れた。猿のマスターベーションのように、快楽を覚えた高市は何度でも射幸的成功の反復に耽る。そうして、スパイ防止法を成立させ、9条改憲の環境を整備し、中国との戦争(台湾有事)に踏み出す。この選挙の結果、中国との戦争の可能性は高まった。回避の希望は小さくなった。真面目に、20代男性は国外脱出を選択肢として考えるべきだと思う。私がその年齢なら豪州あたりを疎開先として選び、リスクやハンディを計算する

国防の義務が課され、徴兵制が敷かれて、召集令状が届いたら逃げられないから。軍隊に強制的に入れられ、戦場に送られる羽目になるから。特に文系の若者は。一方、われわれ高齢者は、資産を持った富裕層でなければ、自動的に社会保障削減の「PLAN75」で殺されるだろう。兵隊として役に立たない国民だから殺処分されるはずだ。今はそれが信じられなくても、戦争が始まり、国家の財政が窮極に逼迫したら、集団切腹”を選べという黙示録的世界になる。今ですら、腰の曲がった80代の後期高齢者に労働を強い、世界から異常視されているではないか。衆愚政の狂気とカルトと倒錯を恨み厭う。オクロクラシー⇒衆愚政治)は懲り懲りだ