2016年5月2日月曜日

西洋版TPP = TTIPはヨーロッパの主権を破壊する

 4月23日、バラク・オバマ大統領ドイツハノーバー訪問しましたが、その前日、日本のTPPに当たる環大西洋貿易投資連携協定 (TTIP協定に反対する数千人の市民が、TTIPへの抗議行動を行いました。
 
 アメリカEU間のTTIPは外面上は世界最大の自由貿易圏地域を作り出すことになっていますが、多くの人々は、協定によって米国の多国籍大企業の利益がドイツ国の利益に優先されることを知っているからです。”もし協定が成立すれば、国の壁を越える驚くべき権限を、アメリカ企業に与えることになる ということを。
 “協定は欧州連合の主権を損ない、ますます多くの秘密を生み出す と人々は言協定が巨大な秘密のベールに包まれていることに不満なのです” とジャーナリストは当地から報じました
 
 TPPあるいはTTIPは、アメリカの大企業にはこの上もなく有効なものですが、アメリカ国民にとっては職を失ったり待遇を悪化させるなど有害でこそあれメリットは何もありません。そのことはアメリカ国民自身が良く知っているし、オバマ自身が何よりも良く知っています。
 ドイツのメルケル首相もドイツ国民と同様にTTIPの不正義をよく知っていました。
 
 しかしオバマ氏自身、いまの大統領予備選の中で候補者たちが口々にTPP&TTIP反対を叫び、当面は批准される見込みもないのに、なぜ必死に協定を成立させようと模索しているのでしょうか。
 またメルケル氏も今はなぜTTIP賛成の立場に変わったのでしょうか。
 
 28日付の「マスコミにのらない海外記事」=「EUはアメリカ植民地になるか? 環大西洋貿易投資連携協定 (TTIP)は、ヨーロッパの主権を破壊する」が、その理由を解き明かしています。
 
 それによると、オバマ氏は大統領になるべく本格的選挙運動を展開していた2008年6月58日、国家の権力を握っている蔭の勢力によってビルダーバーグ特別会議に呼びつけられ、TPP&TTIPの成立を期すことを条件に大統領戦の資金を保障されたと述べています。そして「軟弱なオバマはあらゆる要求を飲んだ」と記されています。
 
 またメルメル氏が賛成に転じた裏には、例のアメリカの情報機関によってメルケルの携帯電話盗聴された事件が関係していて、その際にメルケル氏は”何か実に屈辱的なものを見つけ出された”のではないかと推測しています。
 
 記事は、TPP&TTIPの持つ害悪についてもざっと触れています。
 個々のことは読んでいただくとして、「もしTTIPが大西洋両岸の諸国民に恩恵をもたらすものであるならどうして当事国の議員や国民にまで秘密にしなくてはならないのか(要旨)」という言葉が、何よりも協定の計り知れない米企業の欺瞞性=米企業の悪徳性を端的に物語っています。
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EUは“アメリカ植民地になるか”? 
環大西洋貿易投資連携協定 (TTIP)は、ヨーロッパの主権を破壊する
 マスコミにのらない海外記事 2016年4月28日
メルケル女史は、極悪非道のTTIPを推進して、ヨーロッパの将来世代の人々の暮らしを危うくして、EUを裏切るのだろうか?
Peter Koenig
Global Research、2016年4月24日
Global Research、2014年12月2日
2014年12月、Global Researchに最初に掲載されたこの鋭い記事は、現在進行中のアメリカEU間のTTIP交渉過程と大きく関連している。
 
著者による序文と、最新情報
オバマ大統領は、明日(4月24 - 25日)世界最大の産業見本市、ハノーバー産業メッセ訪問し、ロビー活動で、ドイツとメルケル女史を訪問し、TTIPの善 - できるだけ早急に調印されるべき - について土壇場の説得取り組む。ヨーロッパ訪問中さえ全てが秘密裏に、密室で行われているのだから、この悪名高く極悪非道なTTIPを巡るあらゆることに、あらゆる可能性が含まれている
 
彼が大統領を退任する前のオバマのチェック・リストで、最も重要な項目の一つは - 11のアジア・太平洋諸国との環太平洋連携協定TPPと、28のEU加盟国の環大西洋貿易投資連携協定TTIPという自由貿易協定’の調印を得ることだ。TPPはほぼ終わっている。アジア(無遠慮に、参加を拒否した中国とロシアを除いて)とヨーロッパを経済奴隷化する二つの貿易協定の完成は、最高の支配エリートが、‘イルミナティ’と呼ぼうか、オバマを、2008年6月5-8日、(ワシントン DCのすぐ外)バージニア州シャンティリーでのビルダーバーグ特別会議に呼びつけた際の条件の一つだった。連中は、本格的選挙運動をしている彼を、シカゴでの重要な選挙運動を欠席させてまで呼びつけたのだ。
会議の目的は、彼を大統領にするため、彼の選挙に連中が注ぎ込む資金に、彼が値するかどうか確認することだった。彼は要求を受け入れた。彼の心理学的特性は事前にしっかり分析されており、彼が受け入れるだろうことは分かっていたのだ。
そして、実際、軟弱なオバマはあらゆる要求を飲んだ。そして、連中は、ブッシュの二期目の大統領選挙戦経費約二倍、オバマの二期目大統領選挙戦の約半額、約7億4000万ドルの費用をかけて、彼を大統領にした。
 
下記は、2014年12月に、もしEUと、その加盟国がTTIPを批准したら、TTIPの極悪非道な結果として、ヨーロッパに待ち構えているもの、ゴールドマン・サックスと、忘れてはならないのが、連邦準備制度理事会の背後にいる見えざる手、ロスチャイルド家とによって強化され、支配される奴隷、逃れられない全くの大企業奴隷状態となることを、人々に気付かせるためにGlobal Researchに掲載した私の記事だ。
 
ヨーロッパにとって、 TTIPが一体何を意味するか、キャサリン・フィスクが見事に要約している
TTIPやTPPなどの国際“自由貿易”協定は、調印したあらゆる国の、憲法、裁判所や、あらゆる政府が作るあらゆる法律や、安全衛生規則や、最低賃金規制や、環境基準に関して、国家主権を踏みにじる。独占を規制する抑制と拮抗がある資本主義どころか、独占権益におけるあらゆる競争を廃絶して、植民地主義と、大企業帝国を構築する大企業ファシスト覇権の一種だ。
Peter Koenig 2016年4月24日
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EUは“アメリカ植民地になるのか”? 
環大西洋貿易投資連携協定 (TTIP)は、ヨーロッパの主権を破壊する
Peter Koenig            
Global Research 2014年12月2日
アメリカとヨーロッパ間で、提案されている自由貿易協定(原文のまま)、いわゆる環大西洋貿易投資連携協定 - TTIP - は、ヨーロッパの主権の侵害であり、最終的な主権の廃絶になる。今日既に、アメリカ政府の政治と、大半の欧米世界の政治を支配しているアメリカ大企業・金融帝国を拡張しヨーロッパを支配する。ヨーロッパの主権は、EU自身の主権も、特にEUメンバー諸国の主権も、危険にさらされることになる。
 
EUとEU加盟国の法律と、規制制度、環境保護規制 - そしてヨーロッパ経済が危機にさらされるのだ。悪名高いトロイカ - IMF (FED、ウオール街)、欧州中央銀行 (ECB)と、欧州委員会 (EC)による2008年の侵略にも、かろうじて残った教育、医療や、水道、ゴミ処理業務などの、ヨーロッパの基本的社会インフラが、(大半がアメリカの)国際的多国籍企業による民営化のいいカモとなるのだ。
 
アメリカとヨーロッパとの間のこのいわゆる‘自由貿易協定’(原文通り)を、オバマは欧州委員会に押しつけており、ヨーロッパを代表する力強い旗手に見えるドイツのメルケル女史は、これがもし調印されれば、6億人のヨーロッパ諸国民でなく、大企業の権益に仕えることになる。
ノッティンガム大学の政治と国際関係学教授で、貿易と投資専門家のジョン・ヒラリーによれば、TTIPは、規制緩和、雇用に対する攻撃と、民主主義の終焉を認可するものだ。
“TTIPは、競合する二つの貿易パートナー間の交渉としてではなく、大西洋両岸の市場を
      開放し、規制撤廃しようという多国籍大企業の試みとして理解するのが正しい。”
 
2013年2月の一般教書演説で、2013年7月に、既に、特別に構成され限定された秘密のEU委員会で、秘密交渉の一回目が始まっていたTTIPについてオバマは初めて発表した。狙いは、協定が調印される前に、ヨーロッパとアメリカの諸国民が、脅威満載の協定の本当の重大さを知ることがないように公知の事実にはさせることなく迅速に交渉を終わらせることにあった。交渉文書は、30年間、金庫に保管されることになっている。このEU特別委員会以外は、EUとそのメンバー諸国の議員は、契約の詳細を知ることはできない
もしTTIPが大西洋両岸の諸国民に恩恵をもたらすものであるならどうしてそうなるのだろう? - それはこの仮定が幻想だからだ。実際、大西洋両岸の当局者たちは、非公式に“TTIPの主要目的は、多国籍大企業が得られる潜在利益を制限する規制"障壁を無くすことである”のを認めている。こうした障壁には、労働者の権利、食品安全規制(GMOに対する制限)、有害化学物質の使用などの環境や衛生上の規制や、デジタル・プライバシー規制や、新たに導入された銀行の保証条項などが含まれる⇒それらがTTIPによって解除される
 
ヨーロッパの主権、環境や社会的規制に対するTTIPの最も露骨な破壊には下記がある:
•遺伝子組み換え食品製造や、家畜や家禽のホルモン療法などのアメリカで合法的な慣行が、ヨーロッパでも合法化されて、公衆衛生を危うくする
•農家より、巨大農業企業を優先するので、小規模農業は危機にひんする
•ヨーロッパにおいて、地下岩盤の水圧破砕が合法になる石油採掘法?
•企業の利益を減少させかねない法律を政府が成立させた場合、得られたはずの利益の補償を求めて、外国大企業が、国を、秘密仲裁廷に訴える普遍的権利を得る。典型は、スウェーデンのエネルギー企業バッテンフォールが、ドイツ原発撤退に対する補償60億ドルを要求していて - バッテンフォールが裁判で勝訴する可能性が高いことだ。
•インターネット監視強化への道を開き、
•水道やごみ処理、医療や教育などの公共サービスを、利益のための民営化の堰をあけることになる
•過剰な著作権規制(医薬品や、他の独占化され易い業界)で、文化、教育や科学の自由な利用が制限される。
 
TTIPは、事実上取り消すことができないブリュッセルとアメリカ政府の間で、合意され、調印されてしまえば、協定は、全てのEUメンバー国で施行され、EU加盟国の28か国全てと、アメリカが同意し場合しか、改訂したり、廃止したりすることできない。これはほとんど不可能だろう。もはや‘主権’のない個々のEU加盟国政府は、万一、TTIPが諸国民の利益に反することを自覚しても、TTIPに調印したのは個々の国々ではなく、EUなので、協定から脱退すると決められないのだ。
 
唯一の逃げ道は、EU離脱か、EU解体だ。
いわゆる交渉が、慌ただしく、しかも秘密裏に行われているのは偶然ではない。もしECによって批准され、調印されれば、TTIPは、将来世代のヨーロッパ人にとって、途方もない大惨事となる。TTIPは、ヨーロッパにおける人々の憲法上の権利を更に奪い、企業や金融会社やそのエリート連中のただの奴隷にしてしまう。
 
メルケル女史は一体なぜこれほど、彼女自身の国の利益、ましてやEU圏の利益ではなく、アメリカ政府の利益を、断固擁護するのだろう? TTIPは、ヨーロッパ とロシアをほぼ確実に切り離し、ヨーロッパとアジアの間をも、切り離す可能性が高いので、これは、明らかに、ロシアにとっても打撃となる。
NSAは、メルケルの携帯電話を盗聴していて、何か実に屈辱的なものを見つけ出したのだろうかという疑問が生じる? ホワイト・ハウスが彼女の電話を盗聴していることを知った際、メルケルはオバマに対して非常に激怒しているように見えた。ヨーロッパの政治家を含め多くの政治家は、これで、アメリカ政府から離脱できるのでは - 他のヨーロッパ傀儡も、立派なヨーロッパ指導者に続くことができにかもと希望を抱いた。ところが、突如彼女は、180度方向転換したのだ。彼女が、それほど素朴だとは信じがたい。連中が彼女を一体何で脅かしているにせよ、6億人以上のヨーロッパ人の将来の暮らしを危うくすることは犯罪だ。
 
奇妙な偶然の一致で、11月8-10日の北京でのAPEC会合で、オバマは、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、アメリカとベトナムを含む環太平洋連携協定(TPP) - ‘自由貿易協定’も提案していた。その実施は、TTIP立法化と同様、オバマ貿易計画の主要目的の一つだ。
奇妙なことに、中国は、提案されているパートナー諸国に含まれていない。欧米の大手マスコミは、オバマが中国をかやの外に置きたがっているのだと言う。世界秩序というアメリカ政府の狙いに歩調を合わせないことへの‘制裁’だ。
 
だが - もし逆だったらどうだろう - 中国は、こうしたいわゆる自由貿易協定をいかさまとみて、参加しない選択をしたとしたら?
もし提案されているTTIPが、提案されているTTPとともに、批准され、調印されれば、中国とロシア抜きの、特にヨーロッパとアジアの、大企業帝国による世界乗っ取りのようなものになる。アメリカ合州国は、既に多国籍企業に支配されているのだ。
こうしたものは密室で行われている秘密交渉で、当事諸国の政治家や議員たちが、ほとんど、あるいは全く知ることができないことに留意しよう。一般国民に、既成事実を突きつけるため、交渉はできるだけ素早く、片づけなければならないのだ。
インターネットと街頭で反TTIP国民投票をたちあげ、支持し、アメリカが推進する世界覇権の新しいレイヤーたるこの犯罪を止めることができるのは、我々民衆だけだ。
 
元記事は、Global Research
Peter Koenigは、経済学者で、地政学専門家。彼は元世界銀行職員で、世界中で、環境と水資源について広範囲に働いた。彼は、Global Research、ICH、RT、ボイス・オブ・ロシア、Ria Novosti、The Vineyard of The Saker Blogや、他のインターネット・サイトに良く寄稿している。彼は、事実と、世界銀行での、世界中における30年間の経験に基づいたフィクション「Implosion - An Economic Thriller about War、Environmental Destruction and Corporate Greed」の著者でもある。
Copyright Peter Koenig、Global Research、2016
記事原文のurl:

02- 文科省官僚が「記事の事前検閲」要求! (LITERA)

 LITERAが、文科省官僚が恒常的に記事の事前検閲をしているという驚くべき事実を取り上げました。
 
 日経ビジネスオンラインの記者が”スポーツとビジネスの新しいかたちを特集したときに、鈴木ポーツ庁(文科省の外局)長官にも取材したところ、数日後に文科省官僚から原稿の事前確認を求められました。
 記者がそれを断るとその官僚は、「メディアに事前の原稿確認を断られたのは初めて。正直なところ驚いている」「雑誌はすべて事前にチェックしてきた」、「インタビューの場合、新聞も事前チェックに応じている」、「報道機関から原稿確認を依頼されるケース」は勿論、「こちらからお願いして原稿を事前に出してもらったケースもある」と強く言ってきたということで、記者はその顛末を別の記事にしました。
 
 日経ビジネスでは編集権の独立を守る立場から、掲載前の原稿を被取材者に渡すことを禁じており、同記者はそれに従ったのでした。官僚の姿勢は、いい方はソフトではあったものの言わば国家権力による報道への介入に他なりません。
 そんな風に臆面もなく事前検閲を要求すること自体由々しき問題ですが、同記者が問題にするまでは他社はそうしたことがあること自体を伏せていたということになります
 
 先には、選挙になると官邸がメディアの報道に事細かに干渉してくるという問題が明らかにされましたが、それもあるメディアが公表するまではやはり伏せられていました。
 国会で、官邸がメディアの報道に干渉した問題について例を挙げて野党が追及すると、安倍首相は「その程度のことでメディアが萎縮する筈がない」と堂々と述べました。
 メディアのトップスを度重なる食事会で手なずけることで、メディアに絶えず官邸を意向を忖度させるという空気を醸成させた上で、そんな風に公言するとは盗人猛々しいというしかありません。しかし官邸が狡猾で横暴であるのは論を俟たないものの、それに意のままに御されているメディアの側にも大いに問題があります。
 この3月、メディアの「権力からの自由度」の順位はついに世界で第72位に転落しました。たとえ安倍政権が横暴であってもそれに対抗して頑張るのか本来のメディアではないのでしょうか。その点の認識は安倍氏の方がチャント持っているようです。
 
 最近の話ですが、メディアに入ったばかりの新人から社員が、「なぜそんなに反権力的なのですか」と訊かれたということです。いやしくもメディアを目指す人間がそんな疑問を抱くことなど、かつては想像もできなかったことですが、時代はそこまで変わりつつあるようです。
 こうなってはその先輩の健闘を称えるべきかもしれません。
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鈴木大地スポーツ庁長官と文科省が「記事の事前検閲」要求! 
文科省は「雑誌は全部チェックしている」と開き直り
LITERA 2016年4月30日
 バドミントン選手の闇カジノ問題につづき、スノーボード選手の大麻問題が浮上したスポーツ界。驚いたのは、昨年、発足したスポーツ庁の初代長官に就任した元水泳選手・鈴木大地長官の発言だ。なんとこの状況で、「指導者が指導力を発揮すべきだ」という、まるで他人事のような中身スカスカのコメントしか発することができなかったのだ。こんな人間がスポーツ行政の中核を担っていて大丈夫なのだろうか。
 
 しかし、実はこの人物をめぐってはもうひとつ、驚きの事件があった。鈴木長官を取材した雑誌記事をめぐり、長官と文科省サイドが編集部に対して“事前検閲”の圧力を加えていたことが先日、告発されたのだ。
 
 それは、「日経ビジネスオンライン」で配信された林英樹記者による4月20日付の記事(外部リンク)。同記事によると、「日経ビジネス」(日経BP社)3月7日号では「経営者本田圭佑が米国に進出するワケ」という特集を掲載、アメリカでスクール事業に乗り出したACミランの本田圭佑のインタビューをはじめ、スポーツとビジネスの新しいかたちを取材した特集だが、そのなかで、鈴木長官にも取材したという。
 しかし、問題が発生したのは、その取材から数日後のこと。〈政策課職員から人を介して記事の事前確認を求められたため、「お断り」のメールを入れたところ、今度は直接電話がかかってきた〉といい、メールと同じように説明すると、こんな言葉が返ってきたのだという。
メディアに事前の原稿確認を断られたのは初めて。正直なところ驚いている」
 
 驚いたのは記者のほうだろう。本来、報道において、記事を事前チェックするなどというのはありえないからだ。さらにいえば、今回のインタビューはスポーツ庁長官、つまり為政者である。政治にかかわる人物が記事の事前検閲を求めるというのは〈国家権力による報道への介入〉につながる行為だ。
 しかも、記事の事前チェックを求めた人物は、昨年新設されたばかりのスポーツ庁の職員ではなく、文科省の官僚。〈スポーツ庁に限らず、過去の文科省幹部に対する取材について「事前にチェックしてきた」と言〉ったというのだ。
 
 官僚の言い分は、こうだ。
雑誌はすべて事前にチェックしてきました。経済誌もそれ以外の雑誌もすべてです。文科省の広報室にも改めて確認したので間違ありません。小さなコメントだけが載る程度や、時間がない場合にはそこまでしないこともあるが、インタビューの場合、新聞も事前チェックに応じている。一問一答スタイルの記事でも、コメントだけが入る形式でも同じように間違いがないか事前にチェックしてきました。政府の公式見解と違っていたら困りますから」
 「報道機関から原稿確認を依頼されるケースだけでなく、こちらからお願いして原稿を事前に出してもらったケースもある」
 
 林記者は〈大げさではなく、とても衝撃的だった〉と書いているが、それは当然の感想だろう。「日経ビジネス」では、〈掲載前の原稿を被取材者に渡すことを禁じている。文章を書いた人に著作権が帰属する寄稿などの例外はあるが、それ以外の記事では掲載前の“生原稿”を渡し、それを確認してもらうことはない〉という編集部のルールがあるという。これは編集権の独立を考えれば、いたって“常識的”な対応である。
 その後も林記者は事前チェックを拒否し、一方、官僚は「私は原稿を出せと迫っているわけではない。そうですよね。だから検閲には当たりません。他のマスコミは事前に原稿を出している、その事実をただ客観的にお伝えしているだけです」と言い回しを変えてきたという。まるで脅しのような話だが、もっと恐ろしいのは、この官僚の言うことがほんとうなら、ずっと前からこうした事前チェックが行われてきたという事実のほうだろう。
 
 林記者はこの一件から文科省記者クラブに所属する記者たちに事前チェックの経験があるかどうかを尋ね、その結果、1社として応じたことはないという返答が得られた。そして、その結果を再び文科省の官僚に伝えているのだが、返事は「文科省の記者クラブに所属しているメディアも記事の事前チェックに応じています。私の知る限りでは最近でもあった。それは間違いない。すべての雑誌は事前にチェックしていますが、記者クラブの記者の場合、正確にそれがどれぐらいの比率なのかまでは分かりません」というものだったという。
 果たしてどちらの言い分が“真実”なのか。ただ、この強弁ぶりを見ると、すべてではなくても事前チェックは実際に行われているのだろう。
 それにしても、これほど脅しのような事前チェックを迫られても屈することなく、ジャーナリズムの原理原則を死守し、しかも記事にして世に問うた林記者の姿勢は、じつに真っ当なものだ。ぜひ本記事を読んでいただきたいと思うが、今回の記事があきらかにしたのは紛れもない〈国家権力の横暴〉である。そしてそれは林記者も指摘するように〈電波停止を示唆することで、放送局の報道をすべてコントロール下に置こうとする高市発言と同じ傲慢さ〉だ。
 
 もちろん、こうした国家権力による圧力の存在自体、許されるものではないが、この問題が根深いのは、圧力に簡単に屈してしまうメディア側の体質が背景にあることだ。
 たとえば、雑誌の芸能人などへのインタビューでは、当たり前のように事前の原稿チェックが行われている。今回の鈴木大地・スポーツ庁長官も、選手時代ならばインタビュー記事が掲載される前にその内容を確かめることは“普通に”あっただろう。これを「当然のこと」と考えている編集者は多いかもしれないが、たんに利害の衝突を避けているだけで原理原則からは外れた行為。逆にいえば、こうした「馴れ合い」を繰り返しているため、強い力をもった芸能プロダクション所属のタレントのスキャンダルは報じないという歪な報道姿勢になってしまうのだ。
 しかも、芸能人と政治家では根本的に社会的立場がまったく違う。為政者に対して「馴れ合い」を許せば、批判や告発といった“都合の悪い”記事は世に出せなくなってしまうからだ。とくに、為政者は発した言葉に責任を負う必要があり、訂正は効かない。事前チェックなど言語道断の行為だ。
 しかし、「発言者には口を挟む権利がある」という権利意識の高まりに伴って、為政者に対しても同じ意識でいる記者は数多くなった。いや、由々しきことに、自ら事前チェックを申し出る記者もいるという話さえある。記者たちの「話を聞かせていただいている」という意識が、権力者を増長させ、検閲を許すという構造をつくり出しているのではないか。
 林記者のように権力の介入に断固として応じない記者がいることには安心感を覚えるが、これは気骨があるとか、そういう話ではない。自分が権力の手足となっているということに気づかない記者が存在する、それがマスコミ報道の危ない現状なのだろう。 (水井多賀子

2016年5月1日日曜日

‘16年4月分 コメント 詳報

 4月は9件のメントをいただきました。
 ありがとうございました。コメントをいただけるのは大変に張り合いです。
 今後ともよろしくお願いいたします。
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‘16年月分 コメント 詳報
(元の記事の掲載日順に掲示します)
 
春日部市に生活保護費支給の再開を命じる仮処分(14/09/06) 
☆コメント
ワタシも似た状況です。助けて下さいませ。・・・河野晃久(16/04/10) 
 
返信1
お困りの様子ですが、弁護士が介入しないと解決しない問題のように思われます。当方は残念ながらそういうことのできる組織ではありません(スタッフがおりません)。 各地には、法テラス、定例無料法律相談のシステムがありますので、それを利用されては如何でしょうか。 インターネットでアクセスする方法もあるようです。・・・湯沢 事務局(16/04/10) 
 
返信2
作業上のミスでコメントの本文を削除してしまいました。 本文は下記のとおりです。 「ワタシも似た状況です。助けて下さい」河野  携帯電話番号が添えてありましたがそれは削除します。・・・湯沢 事務局(16/04/11) 
 
安倍政権はこの2年8ヶ月、国民に何をしたのか(日々雑感)(15/09/19) 
☆コメント
今でこそ、この指摘に先見性があったことを見る思いです。・・・匿名(16/04/16) 
 
返信
コメントをありがとうございます。 小沢氏が主導したとされる2009年の民主党マニフェストは実に優れたもので、「国民の生活が第一」の名のもとに現行の官僚支配体制を打破することを目指したものでした。そのため体制の転覆を恐れた(官僚の前衛にして本陣である)検察がメディアを使嗾して国を挙げての小沢バッシングを巻き起こさせて失脚させました。その検察とメディアの連携は勿論今も維持されています。・・・湯沢 事務局(16/04/16) 
 
「9条は幣原総理の発案」は盤石な事実(16/02/29)  
☆コメント
じゃぁさ? 菅直人首相が死んでから 俺「聞いた聞いた、俺もオフレコだけどぉ〜菅直人首相が憲法9条の発案者だよ〜原発に水入れるの支持したのも菅直人だよ〜」 といえば、それは菅直人 総理が言ったことになるのかな? 言葉の切り抜きで自分達の都合の良いように報道する これがメディアのやり方なのです。 
 幣原総理が憲法9条発案者というのは完全に捏造、歪曲です。 「中国人ストライキに対して奉天軍閥の張作霖に要請して武力鎮圧」 するような男が「平和憲法」を作れるわけがないでしょう(笑) 幣原 喜重郎が憲法9条を作ったというのは完全なデマです。
(故)ベアテ・シロタ・ゴードンさん(日本国憲法草案者 2012年没)に 憲法9条は誰が作ったのかインタビューしている記事があります。 少なくともそこに日本人が作れるはずはない、と噂を否定しています それに憲法9条が素晴らしいなら 草案者の米国人や日本人が世界中で「憲法9条を宣伝」して その世界中の地元の人が「憲法9条」政党を作るでしょうね。 現実はどうでしょうか? 思考停止せず、デマに踊らされずによく考えてみてください。 中立国は軍隊持ってます。スイスは国民皆軍人で中立で日本で有名ですが ベルギーも中立国です。 なのにテロリストに攻撃されました。
 日本がISに攻撃される可能性は小さいですが 今の中国に侵略される可能性は高いです。彼らはアルゼンチン(南米)にまで 出没しています。アルゼンチンは攻撃して撃退しましたが。 Googleアカウントはありますが、使いません。 メディアのデマに気付いて貰うためです。 民進党が増税を口にしているのにメディアは叩かない。 それはバックに財務省がいるからです。 増税反対する人、消費税0%にして日本の景気回復を願う人は 日本共産党を応援するしかありません。彼らこそちゃんとした真面目な左翼です。
 自民党は今や保守政党ではなく、リベラル政党です。 「テロ政党」が真面目?と笑う人もいるかもしれません しかし移民を受け入れるリベラル自民こそ「テロ政党」ではないでしょうか? 移民は他の国を見る限りでかい犯罪しまくってます。・・・匿名 (16/04/01)
 
返信
コメントをありがとうございます。 9条は当時の幣原喜重郎総理(当時)がマッカーサーに提案したものであることは、
・マッカーサー自身がそれを認める書簡を1951年米上院軍事外交合同委員会に出している  
・幣原自身が1951年に出版された「外交五十年」の中で記述している  
・幣原の元側近議員・平野三郎が同内容を幣原から逝去の直前に聞き取った「平野文書」が国立公文書館に残されている  
・岸内閣時代の憲法調査会の公聴会で、元中部日本新聞政治部長 小山武夫が幣原から直接オフレコで同内容を聞いたと述べた(音声テープが残っている)。  
・同調査会からの問わ合わせに対して、マッカーサーは幣原が提案したものだと書簡で答えている。
 などのことから事実であると考えます。・・・湯沢 事務局(16/04/01) 
 
民主党の野田佳彦議員と山尾志桜里議員(16/03/07)
☆コメント1
山尾志桜里は元検事と言うが、地検特捜部出身者でも悪いのが多数いる。元検事という肩書きだけで悪いことはしないと考えるのは浅はかなこと。非自民勢力などというものはいらない。反原発、反安保、消費増税反対の明確な主張のある勢力が必要。野田や前原、長島などの考え方は自民党の方があっている。連合も百害あって一利なし。原発賛成派はいらない。・・・井上裕道(16/04/07) 
 
返信
コメントをありがとうございました。 ご指摘に同意します。・・・湯沢 事務局(16/04/07) 
 
☆コメント2
現政権は「姑息」という表現より、「卑劣」に代えよう。徹底した姑息さ。嘘をついて何ら恥じないのは宗教の領域に入っていることを現している。問題は如何なる宗教かだ。・・・匿名(16/04/11) 
 
返信
コメントをありがとうございました。・・・湯沢 事務局(16/04/11) 
 
TPP 黒塗りの議案は審議対象とはならない。(16/04/08)
☆コメント
政府が提出したTPP条約案が黒塗り 
TPP条約案は全く黒塗りされてませんよ。 政府サイトでもバッチリ公開されています。 http://www.cas.go.jp/jp/tpp/naiyou/ ・・・匿名(16/04/13) 
 
返信
コメントをありがとうございます。 黒塗りされた資料は「協議の論点整理をした内部文書」と明記してあります。 「日々雑感」氏もそれを承知の上で、委員会で議論するための資料が真っ黒では審議のしようがないということをやや一般化して述べたものと思います。 公開された協定の仮訳文書は後半の付属書は全く手つかずであり、本文もPDF文書830KBが文書162頁に対応している(第2章)こと(付属文書に至っては8500KBが760頁に対応)から、本文全5000ページ(付属文書3000頁?)に対応したものではなくいわゆる部分訳=抄訳に属するものと思います。 国会に批准を求めようとしているのですから、政府は協定文書の完全訳を提出するのが当然です。・・・湯沢 事務局(16/04/13) 
 
国連・表現の自由査察官デイビッド・ケイ氏が来日(16/04/13) 
☆コメント1
タイトル : 反省しない攻撃的なアメリカ人の典型 
(表現の自由)・・・中国に向かって言え! 中国の人権弾圧には何も言わず、日本の放送法を批判する。 わざわざ日本に来てまで言い放つことではない。 馬鹿でもキチガイでも所持できる(病めるアメリカ社会)の問題を改善すべく、帰国して取り組んだほうがいいんじゃないのかな?  ・・・デビッド・ケイは、反日バレバレだ。 敵対心をむき出しにした目付きは隠しようがない。 この男に終戦は無いようだ。 こんな猿の浅知恵としか思えない人物が大学教授とは、呆れたものだ。   Yankee or Monkey ・・・ Which kee ? ・・・匿名(16/04/21) 
 
返信
デビット氏は国連「表現の自由」特別報告担当者として、安倍政権が報道の自由を侵していることを批判したのであって、反日というのは当たらないと思います。放送法についても第4条を政府が誤って解釈している現状からその部分の改正を提言したものです。 Which nese? と米人に聞かれて Which kee? と反問した明治人の気概は安倍氏こそが持つべきものです。・・・湯沢 事務局(16/04/22) 
 
☆コメント2
記者クラブは、欺瞞に満ちた舞台 デビッド・ケイが放送法改正勧告? 
人類史上最大の差別をし続けているのはアメリカであることを自覚してください! 黒人も、白人と一緒にプールに入れるようにしたらどうですか! 国境なき記者団(活動家集団)が、民主主義を語れるのかな? 銃社会のアメリカは人種差別も含めて何でもOK なんだねsafe: ・・・匿名(16/04/22) 
 
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コメントをありがとうございます。 アメリカのダブルスタンダードや米社会の批判には同意します。・・・湯沢 事務局(16/04/22) 
 
「コメント」 : 受付情報(16/04/16) 
☆コメント
北海道五区選挙を嘆くなら、「電子選挙」を検証すべきです。次の国政選挙でも行われ、取り返しのできない状況が憂慮されるからです。以下はHp「銀河宇宙人のブログ」からの引用です。 ・・・現時点(23時56分)で上記のデータとなっているが この中で、北広島市は、和田13,419票、イケマキ15,200票だから、イケマキ勝利・・そして石狩市は、和田13109票 イケマキ13,133票だからこれも僅差でイケマキが勝利・・。 しかし、千歳市が、おかしい。千歳市だけが、和田氏25,591票に対してイケマキが、14,439票である。 この千歳市は人数が多いため、500票バーコード票が使われているものと思われる。この計算をする際には、500票ごとのバーコード票になるため和田氏25500票,イケマキ14000票で計算してみると,合計値が39500票のうち、和田氏が65%、イケマキが35%の票数になっていることがわかる。  つまり。ほかの北広島市や石狩氏では、イケマキが勝利しているにもかかわらずここだけ、約2倍の票の差異になっているのである。これは、非常におかしい。これは大阪府知事選挙でも見たことがあるが、ある候補者の票数が途中でライバル候補者のほぼ2倍になるのである。 千歳市市民でイケマキ投票者を集め「参政権侵害」とかで集団訴訟をするとか考えなければ、時期国政選挙は危うい。 「米テロはサウジの犯行」などという米を真似た「電子選挙」ですから、政治の正論だけではなく、裏筋も考える必要があります。・・・藤谷(16/04/26) 
 
返信
コメントをありがとうございます。 以前米国で使われている電子集計機のプログラム上の不正について読んだ記憶があります。日本でも(株)ムサシの集計機でそれに似た不正が行われている可能性に言及したネット記事を、いくつか読んだことがあります。 貴重な情報をありがとうございました。民主主義の根幹にかかわる問題なので無視出来ないというご指摘に同意します。・・・湯沢 事務局(16/04/26)

緊急事態条項 不要 現場に権限を 東北被災3県で1町を除き

 毎日新聞が東日本大震災で被災した自治体に対して行った緊急事態条項についてのアンケートに、岩手、宮城、福島の3県17市町村が回答を寄せました。
 それによると、「財産の処分などは現行法で整理が可能」仙台市)、「条項は、震災対応には直接的には影響はないと思う」(岩手県野田村)「国は国益優先、混乱防止、秩序維持のためであれば一人一人の命は後回しになる」(福島県川内村)などと殆どは『不要』だとしています。
 「必要だと感じた」は宮城県女川町のみでした。
 
 この度の熊本大地震を見ても、国には震災の後始末をする対応能力などないことは一目瞭然なので、国は必要な予算処置を行って当該の自治体を支援することに徹するべきです。
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緊急事態条項 現場に権限を 国に強い不信感も
毎日新聞 2016年4月30日
東日本大震災 42自治体アンケート 
 災害時は国より自治体の権限強化を 。東日本大震災で被災した自治体の多くが、憲法改正の主要テーマである緊急事態条項の必要性に疑問を呈している。震災を契機に同条項を求める声が高まった経緯があり、自治体の声は憲法改正論議に影響を与えそうだ。【川崎桂吾、関谷俊介】 
 
 毎日新聞がアンケートで緊急事態条項について自由に意見を求めたところ、17市町村が意見を寄せた。 
 津波被災地ではがれきが救助を阻んだケースがあり、「私有財産が障害となり救助が遅れた」という主張が同条項必要論の根拠の一つとなっている。 
 だが、仙台市は「財産の処分などは現行法で整理が可能」(減災推進課)と回答した。「住民が何で困っているのか、地域において優先課題が何なのかを見ながら、現場が必要な予算や権限を持って行動に移せるようにすることが求められている」としている。 
 岩手県野田村も「条項は、震災対応には直接的には影響はないと思う」(総務課)。役場庁舎が津波被害を受けた同県大槌町は、条項があっても「大災害で情報手段が途絶した場合に果たして機能するのか疑問」(危機管理室)と回答した。 
 原発事故で避難を強いられている福島県川内村は、原発事故時に放射性物質の拡散を予測する「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」(SPEEDI)を例に挙げた。原発事故直後、国が混乱を避けるためSPEEDIの公表を控えたことを巡り、同村は「国は国益優先、混乱防止、秩序維持のためであれば一人一人の命は後回しになる可能性が高く、正しい判断をするとは限らないことを学んだ」(住民課)と批判。「緊急事態条項よりも、災害救助の実施権限は市町村などの現場に下ろしてほしい」とした。 
 
 回答自治体で唯一、同条項が必要だとした宮城県女川町は、高台移転の際、権利が複雑化し土地取得が困難だったことなどを挙げ、「緊急時や震災復興などスピードが要求される局面で財産権のあり方が現行法制度に位置づけられていない」(企画課)と指摘した。 
 岩手県陸前高田市も復興過程で「超法規的対応が可能な制度が必要だ」(企画政策課)としたが、「国に権限を集中させるのではなく、逆に国の権限を都道府県に、都道府県の権限を市町村に移すことを求めたい」とした。 
以下質問事項・回答市町村名等 省略
 
 
緊急事態条項 被災3県で「必要」1町
毎日新聞 2016年4月30日
岩手、宮城、福島 初動「現行法で可能」大半 
 憲法改正の主要テーマである「緊急事態条項」を巡り、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の42自治体に初動対応について聞いたところ、回答した37自治体のうち「条項が必要だと感じた」という回答は1自治体にとどまった。震災を契機に条項新設を求める声が政府内外で高まっていたが、被災自治体の多くは現行の法律や制度で対応できると考えている。 
 
 憲法改正の是非が夏の参院選の争点に浮上し、緊急事態条項は安倍晋三首相が改憲のテーマと考えているとされる。5月3日の憲法記念日を前に毎日新聞は今月、岩手12市町村、宮城15市町、福島15市町村の担当部署にアンケートを送付。37自治体が回答した。 
 初動対応で「もっと適切に対処できたと感じる場面があったか」と聞いたところ、30自治体が「あった」と回答。この30自治体に対処が不十分だった原因を選択肢(複数回答可)で聞くと、(1)「震災の規模が事前の想定を超えていた」が26自治体と最も多く、(2)「法律制度に不備があった」が5自治体、(3)「憲法で保障された個人の権利(移動や経済活動の自由、財産権など)が障害になった」は2自治体、(4)「その他」は3自治体だった。 
 大半は(1)を選び、初動対応が不十分だった理由として「災害業務を把握していない職員が多く、指揮命令系統も不明確で、円滑な業務遂行に支障をきたした」(福島県いわき市危機管理課)など事前の準備や制度運用の課題を挙げた。 
 
 一方、緊急事態条項にかかわる(3)を選んだのは、宮城県女川町と岩手県岩泉町だった。東北電力の原発を抱える女川町は唯一、同条項を「必要だと感じた」と回答。「財産権が発災初動期・復旧復興期に大きなハードルとなっている」(企画課)とした。岩泉町は初動対応ではなく復興過程で財産権に絡む問題があったとしたが、「特例法で対応できた」(総務課)と同条項の必要性は否定した。 
 (2)は原発事故で避難を強いられた福島県の浪江町や双葉町などが選び、役場機能の喪失や長期避難にかかわる支援の必要性を訴えた。(4)は岩手県大船渡市などで、被害想定などにかかわる理由を挙げた。 
 
 緊急事態条項を巡っては2013年5月の衆院憲法審査会で、自民党の中谷元(げん)議員(現防衛相)が「車とか家屋などが散乱していても所有者を確認しないと勝手に動かせないので、人の命を救うのに時間的なロスがある」と、震災に絡めて必要性を説いた。これに対し、災害に詳しい弁護士らは「災害対策基本法や災害救助法は緊急時の首長らの権限強化を定め、個人の権利は障害にならないはずだ」と反論している。【川崎桂吾、関谷俊介】 
 
緊急事態条項 
 大規模な災害や有事などで国が緊急事態を宣言し、人権保障や権力分立などの憲法秩序を一時停止して非常措置を取る権限(国家緊急権)を定めた条項。緊急事態が宣言されると政府に権限が集中され、個人の権利の強い制約が可能となる。2012年の自民党第2次憲法改正草案に盛り込まれた。 

1人区21で野党一本化 32区中

 今夏行われる参院選に向けて、全国32の「1人区」のうち21で野党の候補者が一本化しました。
 残る11区のうち1区では民進が自主投票を決め、10区で一本化の調整が進められています。
 
 一方安倍首相は、29日の日本テレビのインタビューで、「私たちだけで3分の2を取るのはほとんど不可能に近い。与党以外の政党、個人をいかに集めることが出来るかだ」と述べ夏の参院選後、憲法改正を実現するには野党を含めた改憲勢力の結集が必要だとの認識を示しました
 これは野党の中の改憲賛成グループとの連携を謳うことで、野党一本化の動きにくさびを打ち込もうとしたものと見られます。
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1人区21で野党一本化 295人が出馬予定 参院選
時事通信 2016年4月29日
 安倍晋三首相の政権運営を問う第24回参院選が今夏行われる。
 時事通信の調べでは29日現在、改選数121に対して295人が出馬を予定。野党陣営は勝敗を左右する全国32の「1人区」で共倒れを防ぐため、共産党などが独自候補を取り下げ、既に21選挙区で候補者を一本化している。
 
  候補者の内訳は、改選数73の選挙区が184人、同48の比例代表が111人。参院選の日程は、7月10日投開票を軸に検討されている。
  3年前の前回、65議席を得た自民党は、今回57議席で27年ぶりに単独過半数(122議席)を回復する。首相が意欲を示す憲法改正に必要な3分の2(162議席)を自民、公明両党で確保するには86議席が必要だが、おおさか維新の会など改憲に積極的な勢力を加えればハードルは下がる。
 
  自民党は鳥取・島根と徳島・高知の合区により45に減った選挙区で、無所属の推薦1人を含め48人を既に擁立。未定なのは東京の2人目だけだ。改選数2以上の「複数区」では、北海道と千葉、東京、神奈川を除いて候補者を1人に絞り込んだ。比例には23人を擁立、さらに数人上積みする。
  公明党は、東京と大阪を除く五つの複数区で自民党の推薦を受ける。選挙区7人、比例6人の計13人全員の当選を目指す。
 
  民進、共産、社民、生活の4党は「安全保障関連法廃止」を旗印に、1人区で候補一本化を進めてきた。民進党が自主投票を決めた和歌山を除き、残る10選挙区でも調整を進めるが、福島、岐阜、三重、鹿児島で難航している。
  民進党は選挙区33人、比例23人の計56人を公認。無所属統一候補10人の推薦を決めた。候補者未定の佐賀で擁立を模索している。共産党は、野党共闘が成立した1人区のうち、19選挙区で公認を取り下げ、候補者を比例に回した。比例で過去最多の9議席を目標に掲げる。東京など複数区でも前回に続いて議席獲得を狙う。社民党は改選を迎える正副党首の議席維持が至上命令だ。
  おおさか維新は、地盤の近畿と首都圏の複数区を中心に6人、比例には16人の計22人を擁立。日本のこころを大切にする党は7人、生活の党は1人、新党改革は1人が出馬を予定している。 
 
 
改憲へ野党含めた勢力結集必要…首相、認識示す
読売新聞 2016年4月30日
 安倍首相は29日放送の日本テレビのインタビューで、憲法改正の発議に必要な衆参両院での3分の2以上の議席について、「私たちだけで3分の2を取るのはほとんど不可能に近い。与党以外の政党、個人をいかに集めることが出来るかだ」と述べた。
 
 夏の参院選後、憲法改正を実現するには野党を含めた改憲勢力の結集が必要だとの認識を示したものだ。インタビューは28日に収録された。
 戦争放棄を定めた憲法9条の改正については、「自衛隊に対して憲法学者の7割が『違憲だ』と言っている状況のままでよいか、真剣に向き合わなければならない」と語った。
 夏の参院選と次期衆院選を同じ日に行う「衆参同日選」に踏み切る可能性に関しては、「(熊本地震の)発災以来、先手先手で対応することを心がけ、それに全神経を集中して取り組む必要がある。全く(衆院)解散について考えていない」と語り、当面は復旧・復興に全力を尽くす考えを強調した。

10代グループ「ティーンズソウル」が国会前で抗議行動

 高校生を中心とした10代グループ「ティーンズソウル」は29日夜、毎週金曜日午後7時から行う「安倍政権の退陣を求める国会前抗議行動」をスタートさせ若者をはじめ呼びかけに応えて幅広い世代から700人が参加しました。
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安倍内閣退陣! T-nsSOWLが国会前で抗議行動
しんぶん赤旗 2016年4月30日
 戦争法(安保法制)の廃止を求める高校生を中心とした10代グループ「T―ns(ティーンズ)SOWL(ソウル)」は29日夜、毎週金曜日午後7時から行う「安倍政権の退陣を求める国会前抗議行動」をスタートさせました。若者をはじめ呼びかけに応えた幅広い世代から700人が参加しました。
 
 「選挙に行けば未来は変わる」「民主主義って何だ、これだ!」「安保法制絶対反対」「緊急事態条項いらない」「野党は共闘」―。若者たちのコールが国会前に響きました。
 はじめにスピーチしたりゅうきさん(18)は、いま国会前行動を始める理由について、「ぼくたちのなかで『安倍政権ってやばいよね』という話になる。こうやって声をあげることは、普通のことです。ぼくたちの思いを声にする」と強調しました。

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