2018年7月2日月曜日

拉致問題を解決できるのか 新設「北東アジア第2課」

 7月1日新設の外務省「北東アジア第2課」は、約30人いた北東アジア課を、韓国担当の「1課」と、北朝鮮担当の「2課」に分割したもので、安倍政権は第2課を新設する目的について「諸課題に効果的に対応するため」とアピールし、メディアも「拉致問題解決に一歩前進」と歓迎しています。
 しかしそれは実態からは遊離した話で、外務省内では、北朝鮮が安倍首相に強い反感を持っていることから「安倍政権下での拉致問題解決はまず無理」と見られているにもかかわらず、失敗したら責任を取らされるのは外務官僚です。そこで、その犠牲となる部署を新設したのではないかということです。役人も中々難儀なことです。
 
 安倍首相の下では拉致問題の解決はできないというのは素人が見ても明らかなことなので、それをどうするのかということこそが根本問題の筈です。
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拉致問題にどこまで本気か 新設「北東アジア第2課」の役割
日刊ゲンダイ 2018年6月30日
 7月1日新設される外務省のアジア大洋州局「北東アジア第2課」。現在、約30人いる北東アジア課を、韓国担当の「1課」と、北朝鮮担当の「2課」に分割する。新設される第2課は、日朝会談の実現と、拉致問題の解決に総力をあげるという。
 
 安倍政権は、第2課を新設する目的について「諸課題に効果的に対応するため」などとアピール。メディアも「拉致問題解決に一歩前進」と歓迎している。ところが、第2課について、霞が関ではきな臭いウワサが駆け巡っている。
「外務省内では『安倍政権下での拉致問題解決は無理』との声が少なくない。原因は、これまで『対話のための対話では意味がない』と訴えてきた安倍首相にあります。でも、失敗したら外務官僚が責任を取らされるのは明らかです。そこで、“エリートに傷がつかないように第2課を新設したのだろう”とみられています。エリートは第1課に残し、第2課は省内のエリートに代わって、“詰め腹”を切らされる役割。国鉄の清算事業団と同じですよ」(外務省関係者)
 第2課に割り振られる人員の選考基準や人数について外務省に問い合わせると、「人事に関わる事項について、お答えすることは差し控えたい」との回答だった。
 
 新しい課をつくってまで、安倍政権は日朝会談の実現に奔走しているが、肝心の北朝鮮からは相手にされていない。
 北朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は、<安倍は権力の座に居続けるために、わが国の『脅威』を利用している>(28日)、<財布を見せびらかして朝鮮半島問題に干渉するのをやめるべきだ>(29日)などと、連日、批判している。
 元外交官の天木直人氏がこう言う。
「政府には、拉致被害者の生存者がいるのかどうか、検証するノウハウさえない。安倍首相の周辺には、『いずれ北は経済支援欲しさに頭を下げてくる』と主張する者もいますが、本当でしょうか。朝鮮半島の非核化が実現すれば、アメリカや中国、ロシアのビジネス資本が大量に入ってくる。日本の経済支援などあてにする必要がないのです。安倍政権下で拉致問題を解決するのは難しいでしょう。外交の失敗そのものですよ」
 
 新設される北東アジア第2課の顔ぶれを見れば、どこまで外務省が本気か見えてくる。

「正社員はいらない」と煽る竹中平蔵氏とは

 文春オンラインが「『正社員はいらない』“煽る人”竹中平蔵とは何者なのか?」のタイトルで竹中平蔵氏を取り上げました。
 
 彼は米国とのコネを見込まれて小泉内閣時代、経財相兼金融相に任じられましたが、優良銀行であったりそな銀行を破たん寸前に追い込み、二束三文になった株を外資系ファンドなどが大量に買い取ると、今度は一転して国有化を宣言し株を高騰させ、株の取得者に総計で2兆円以上もの大儲けをさせました。当時この経過にインサイダー取引の疑念を抱いた経済学者の植草一秀氏が放送番組で批判したところ、植草氏は2度に渡って痴漢行為をデッチアゲられ、TV番組などから姿を消さざるを得なくさせられました。
 総務相・郵政民営化担当相時代には、やはり外資に郵政公社株を売り渡すべく、18回以上も秘密裏に米国財務担当と打ち合わせをしました。そういう彼を、ロックフェラー財団への多大なる貢献を目指したものと見る人もいます。
 
 また小泉内閣閣僚時代、規制緩和を大々的に唱えて、今日の大量な非正規労働者を生み出すベースを作りましたが、政界を去ってから就職した先が人材派遣会社最大手のパソナの会長職でした。
 そこの子会社「日本雇用創出機構」は、大企業などがリストラしたい対象者たちを”再就職支援”という口実で受入れては、ノルマを課して自分の再就職先を自分で探させるという絶望的な境遇に落とし込んで辞めさせることを繰り返していました。そしてその都度「転職支援費用」の名目で転職者1人当たり最大60万円の助成金(国費)を得ていました。
 
 「産業競争力会議」のメンバーの彼が、それまでの国家予算2億円を14年4月に一挙300億円に増額させたのがその原資でした。
 文春オンラインの記事は、現在の彼を「政商」と呼んでいますが、まさに政商の面目躍如です。
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「正社員はいらない」“煽る人”竹中平蔵とは何者なのか?
規制緩和とともにある人の「変遷」をたどる
文春オンライン 2018年7月1日
 ネット内では「対立を煽る書き方をすれば、読み手が過剰に反応する(=釣られる)」と、先日殺害されたネットウォッチャー・Hagexは著書『ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い』(アスキー新書)に記す。その典型として「男女対立」、「理系文系」、「きのこの山・たけのこの里」、「能力や価値の相対化や序列化と対立煽り」などをあげている。
 
「生産性の低い人に残業代という補助金を出すのも一般論としておかしい」
「時間内に仕事を終えられない、生産性の低い人に残業代という補助金を出すのも一般論としておかしい」(東京新聞6.21)。これは竹中平蔵の言葉である。「経営者目線」の者と「社会のありようを問う」者の対立をうまいことアオり、ここまでくると、ネタで言っているのかと思ってしまう。過去にも「日本の正社員は世界一守られている労働者になった。だから非正規が増えた」(日経新聞2012.7.16)、「正社員をなくせばいい」(テレ朝2015.1.1)といった発言で、世のひとびとを虜にしてきた。
 
 そんな竹中は自らの肩書でもネットを盛りあげる。上掲の東京新聞のインタビューでは、残業代ゼロ制度の異名をもつ高度プロフェッショナル制度について「個人的には、結果的に(対象が)拡大していくことを期待している」などと、「東洋大教授」の肩書で登場して語っている。これがまたいいネタフリになって、SNSには「東洋大教授でなく、パソナグループ会長と表記すべきじゃね?」との幾多の投稿が見られることになる。
 
学者大臣からパソナ、オリックスの企業人へ
稀代の釣り師ともいえる竹中だが、東洋大教授や人材派遣大手のパソナグループ会長のほか、オリックス社外取締役など肩書コレクターとしても有名だ。一介の経済学者であった竹中は小渕政権の諮問機関の委員となったのをきっかけに政治に入り込み、小泉内閣に入閣すると「学者大臣」と呼ばれ、選挙に当選して国会議員にもなり、やがて複数の大企業の取締役などになっていく。
 
「ちゃっかり経済財政大臣の椅子に座っていた」
 週刊文春の見出しでこうした変遷をふり返ってみれば、小泉政権で経済財政政策担当大臣→「『変節漢ぶり』検証 竹中平蔵ってそういうことだったのか会議 御用学者と呼ばれる理由」(2001.9.6)、金融担当大臣→「竹中平蔵金融相登場 外資は栄え 日本は滅ぶ」(2002.10.10)、参院選に当選→「竹中平蔵 自爆告白『日銀やゴールドマン社員が選挙協力してくれた』」(2005.5.26)、パソナ取締役→「竹中平蔵『パソナ取締役』就任 南部社長とのただならぬ関係」(2009.8.13)という具合。そのときどきの肩書・立場に応じたネタを提供している。
 
 これら記事の中に、こんな逸話がある。森政権の末期、竹中が、民主党議員らによる自民党を倒すための政策勉強会に参加させてほしいと頼んできた。しぶしぶそれを認めたところ、「しばらくして、勉強会で研究された、リナックス型社会、七つの改革 、といったアイデアを、いつのまにか竹中さんが別の場所で発表したんです」(永田町関係者・談)。おまけにそうした民主党の勉強会に参加していたのが「小泉政権の誕生と同時に、ちゃっかり経済財政大臣の椅子に座っていたこと」でさらに彼らを驚かす(週刊文春2001.9.6)。
 
規制緩和とともにある人
 それでいえば、ときの政権に取り入って規制緩和を進めた竹中は、規制緩和による市場化で儲けるオリックスや、それこそ規制緩和ビジネスの人材派遣業の大手・パソナグループの取締役に“ちゃっかり”就いている。「“規制緩和の旗手”である竹中さんは、雇用問題について『派遣を含めて多様な雇用形態を実現すべき』と主張して」(文春2009.8.13)きたのである。釣り師としてばかりでなく、ちゃっかり者としても一流であった。
 
『サラリーマン政商 宮内義彦の光と影』(講談社2007)、『日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈』(文藝春秋2015)、これらは森功の著書名である。オリックスとパソナ、竹中が取締役に就いている会社の経営者が「政商」と呼ばれるゆえんは、政府による規制緩和の恩恵を受けていることにある。
 
小佐野賢治、小泉改革、人材派遣業をつなぐもの
 政商といえば、もっとも有名なのが小佐野賢治であろう。小佐野は田中角栄の「刎頚の友」であった。そして田中の口利きで事業の利益を得ていく。土建国家、族議員、政・財・官の癒着、こうした政治風土のなかで、政治を介して特別の儲けを得る。これを支える体質を「古い自民党」と呼び、それを「ぶっ壊す」と叫んだのが小泉純一郎である。
 
 小泉の有名なスローガンに「痛みをともなう構造改革」というのもある。不良債権などで経済が立ち行かなくなった90年代半ばに威勢を増したのが「構造改革」論で、それを突き進めたのだ。では、改革するとなにがどうなるのかといえば、規制緩和により、新たな市場が生まれたり、拡大したりするのである。
 そうした市場のひとつが人材派遣業だ。小泉は「改革なくして成長なし」とも言ったが、まさに人材派遣業は「改革」によって成長をとげる。限られた業種にしか派遣できなかったのが、原則自由化され、製造業などへと拡大していく。そうした「法改正とともにそのときどきの政府の政策が、パソナの南部をここまで押しあげてきたのは、間違いない」(森功『日本を壊す政商』)。人材派遣業は「規制緩和ビジネス」なのだ。そして、これの推進役になったのが、オリックスの宮内が議長を務める政府の規制改革会議であった。
 
構造改革の痛みから、10年近くが経った今
「新しい自民党」の時代、ときに政商は政府の中にいる。彼らは自分で提言してできた市場で儲けを得る。こうしてみると、竹中の肩書には政商が加わるかのようだ。
 かつて竹中も属していた「経済戦略会議」の委員であった中谷巌は後年、構造改革が非正規雇用の増大を招いたと、自己批判する(「竹中平蔵君、僕は間違えた」文藝春秋2009.3)。この会議の答申が謳う労働市場の流動化が、その後に派遣業を拡大させたのだ。そして「あるべき社会とは何かという問いに答えることなく、すべてを市場まかせにしてきた『改革』のツケが、経済のみならず、社会の荒廃をも招いてしまった。それがこの十年の日本の姿であった」と中谷は懺悔するのであった。
 
 それから更に10年近くが経とうとしている今日、正規雇用が破壊されつつある。あらたな分断を生もうとアオる竹中とともに、この荒廃はなおも拡大していく。

02- BBC放送「日本の秘められた恥」(伊藤詩織さん事件)「続報」

 LITERAがイギリスBBC放送「日本の秘められた恥」を取り上げました。
 1日付記事「伊藤詩織さん事件をBBCが放送 『日本の秘められた恥』だと」の続報として紹介します。
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英BBCが「日本の恥」と特集! 
山口敬之事件の被害者・詩織さんを攻撃する安倍応援団のグロテスクな姿が世界に
LITERA 2018年7月1日
 イギリスのBBCが28日、ジャーナリスト・山口敬之氏からの準強姦被害を訴えた伊藤詩織さんを中心に据えたドキュメンタリーを放送した。タイトルは「Japan's Secret Shame」、「日本の隠された恥」。
 番組は、詩織さんへの数カ月に渡る密着取材のほか、有識者やジャーナリスト、政治家のインタビューを盛り込みながら、性犯罪と被害者をめぐる日本社会の現況をえぐり出す内容。特筆したいのは、昨年5月に詩織さんが実名と顔を出して会見を行なった後、詩織さんに対して行われた誹謗中傷をBBCが具体的にクローズアップしたことだ。
 
 本サイトでもお伝えしてきたように、会見後、ネットを中心に詩織さんにセカンドレイプ的なバッシングまで巻き起こった。家族の希望で苗字を伏せていた詩織さんの苗字を暴くだけではなく、〈詩織さんはシャツの胸元開け過ぎで説得力ない〉〈同情を逆手に取った売名行為です、女から誘って男がはめられた〉〈はい、詩織さん、左翼まわしもの確定ですね〉といった罵詈雑言が溢れ、さらに、安倍昭恵夫人までも山口氏がFacebookに公表した“セカンドレイプ的”反論に「いいね!」と賛同、擁護する始末だった。
 
 番組では、ネットで家族の写真をさらされ、「売春婦」「朝鮮に帰れ」など罵詈雑言の書き込みが行われている様子を見る詩織さんの姿を写した。また、YouTubeで「まさしく怪しい」「性犯罪の被害者が「性犯罪の被害者が顔出しテレビ出演って」などとバッシングするネット右翼系の動画がアップされたことも紹介。さらに、文化人や政治家が山口氏を支援するネット番組の模様を複数引用した。
 たとえば、極右雑誌「月刊Hanada」の花田紀凱編集長によるネット番組(2017年10月収録)だ。本サイトでも放送当時にそのおぞましさをお伝えしたが(http://lite-ra.com/2017/10/post-3552.html)、BBCのドキュメンタリーでは、番組に出演した山口氏と花田氏の会話を紹介した。
 
 山口「彼女がつくっているストーリーは、私がもともとそういう犯意をもって、悪意をもって薬を入れて、酔い潰して、ホテルに連れ込んだんだというストーリーなんだけど。そうじゃなくて勝手に酔っ払っちゃって、ただ一人で帰れなくなっちゃたけど、私はその通り先のホテルに戻ってやらなきゃいけない業務があって。駅で降ろしてくださいってご本人は言ったんだと思いますけれども、泥酔して嘔吐している人を駅に捨てて帰ったら逆に、これ、鬼っていうか。やむなく、じゃあちょっとホテルで休んでもらうしかないんですね」
  花田「酔っ払った女性、嫌ですよね。しかも、吐いたりしたらね。なんかよく山口さんも我慢して世話したなと思いますけど。僕なんか嫌ですよ」
 
 また、これも本サイトでも取り上げているが(http://lite-ra.com/2017/10/post-3552_4.html)、山口氏が出演した『報道特注』(2017年10月収録)の模様も伝えた。BBCは、司会の生田よしかつ氏(築地市場のマグロ仲卸三代目)が「めでたく日の目をみられるようになった山口さん」などと言って持ち上げ、自民党の和田政宗参院議員や日本維新の会の足立康史衆院議員らと乾杯する様子、そして山口氏が「もし、知らない方がいたら、ネットなど検索しないでおいていただけると(助かる)」などと述べて会場の笑いを誘う姿などを紹介した。
 山口氏を擁護するだけでなく、被害者である詩織さんを貶める安倍応援団の面々のグロテスクさが世界に発信されたわけだが、その中でも注目すべきなのは、BBCがあの議員にインタビューをしたことだろう。自民党衆院議員の杉田水脈だ。
 
英BBCの取材に国会議員・杉田水脈が「女として落ち度」と詩織さんを批判
 BBCは、例のヘイト漫画家・はすみとしこが、「枕営業大失敗!!」などと書いて詩織さんを誹謗中傷したおぞましいイラスト(http://lite-ra.com/2018/02/post-3830.html)に触れながら、そのはすみとネット番組『日本の病巣を斬る!』で共演した杉田のインタビューを報じた。杉田はBBCにこのように語っている。
「彼女の場合はあきらかに、女としても落ち度がありますよね。男性の前でそれだけ飲んで、記憶をなくしてっていうようなかたちで」
 「社会に出てきて、女性として働いているのであれば、それは嫌な人からも声をかけられますし、それをきっちり断ったりとかするのも、それもスキルのうちですし」
 続けて、インタビュアーから自身がセクハラを受けた経験を訊かれた杉田は、「はい。そりゃ、社会に生きていたら山ほどありますよ。ふふふ」と引きつった笑いを浮かべつつ「でもまあ、それは、そういうものかなあと思って」などと答えていた。
 
 さらに杉田は、詩織さんの告白について「日本の司法に対する侮辱」「日本の警察、世界で一番優秀」などとしながら、このように主張している。
「伊藤詩織さんが記者会見を行なって、ああいう嘘の主張をしたがためにですね、山口さんや山口さんの家族には、死ねとかいうような誹謗中傷のメールとか電話とかが殺到したわけですよ。だから私はこういうのは男性側のほうが本当にひどい被害を被っているんじゃないかなというふうに思っています」
 言葉もない。準強姦を訴える女性に対し、「女として落ち度がある」「社会に生きていたら山ほどある」などと言って責めたてる。まったく理解できないが、杉田のような考えの人物が国会議員として活動しているという事実を、国際社会はどう受け止めるだろうか。
 BBCのドキュメンタリーは、日本社会いかに女性が性被害について声をあげにくい状況になっているか、その構造を、事実を積み重ね映しだすことで描写している。その大きな要因のひとつが、告発した被害者に対する異常なバッシングとセカンドレイプが巻き起こること、そして「女は我慢しろ」という同調圧力が生み出されていることだ。
 
 BBCジャパンは、ドキュメンタリーのタイトル「Japan's Secret Shame」を「日本の秘められた恥」と訳している。ここには様々な意味が込められているが、少なくとも、こうした連中の存在こそ「日本の恥」だろう。
 
「Japan's Secret Shame」は海外で大きな反響、でも日本では「反日」と
「Japan's Secret Shame」は海外で大きな反響を呼んだ。Twitterにはハッシュタグで感想が投稿され、英紙ガーディアンなど他の海外メディアも番組レビューを公開している。BBCジャパンでは、たとえばアイルランド在住のシネイド・スミスの「#JapansSecretShameを見ている。ショックだし、ものすごく心が痛い。何がいやだって、女性が女性を攻撃してること。被害者を支えるんじゃなくて、女性が彼女を責めてる……。犯罪を犯した男を責めなさいよ!」という感想のツイートを紹介している。
 英語圏を中心に、性暴力をめぐる日本の問題の深刻さの一片が理解されようとしている。そして、それを変えようとする詩織さんの行動に賞賛の声が集まっているのだ。
 
 ところが、日本ではまったく逆の反応も目立つ。たとえば、BBCジャパンのツイッターアカウントにはこんな批判のリプライが複数寄せられている。言うまでもなく、日本のネット右翼と見られるアカウントからのものだ。
 〈フェイク番組もいいとこだな〉
 〈ホステスが枕営業失敗して 八つ当たりで嘘ついてるだけじゃん。〉
 〈#最低だな #BBC。#残念 #大英帝国 ってそんなもんだったのか。#事実認定 に #違法性 あり。#ドキュメンタリー?〉
 〈BBCJapanも反日なんですか なぜフェイクニュースながすのかな ロンドンの方に問い合わせしたいですね〉
 〈不起訴の山口氏を執拗に社会的抹殺する基地外と便乗する #BBC 。〉
 〈片方の一方的な主張のみ(それも検察、検察審査会で否定済み)を報道するならそれはもうプロパガンダ機関であって報道機関ではない。〉
 
 念のため言っておくが、番組は詩織さんの主張のみを扱ったものではない。むしろ、無罪を主張する山口氏の主張はもちろん、上述したように、花田氏や『報道特注』、杉田水脈議員などその支援者の主張にもかなりの尺をとっている。また、山口氏が安倍首相と近いジャーナリストであることを伝えると同時、裁判所の判断についても詳しく報じている。ドキュメンタリーとしては客観性を重視した構成だ。
 しかし、それは決して問題に「踏み込んでいない」ということではない。重要なのは、BBCがそうした詩織さんに批判的な人々の態度も含めて「Japan’s Secret Shame」と題したということ。まさに、番組に対して寄せられた「反日」とか「フェイクニュース」というクレームこそ、このタイトルが示唆しているものに他ならない。
 海外メディアは、ここまで山口氏の準強姦疑惑と日本社会の問題の深層に切り込んでいる。国内メディアも、見て見ぬ振りはもうできない。この国の内側にある「恥」を、徹底して明らかにしていく必要がある。 (編集部)

2018年7月1日日曜日

水道事業は民営化すべきでないと 高橋千鶴子議員(共産党)

 水道事業などのライフラインを民営化するのは非常に問題であり、水道料金の大幅なアップや維持管理能力の低下などの惧れがあります。
 
 現にフィリピンのマニラ市、ボリビアのコチャバンバ市、フランスのパリ市などでは、民営化した結果大幅な水道料金の値上がりが起こり、パリ市やアメリカのアトランタ市では、一旦は民営化したものを再度公営化に戻しています。
 
 共産党の高橋千鶴子議員が29日の衆院厚生労働委員会で、水道事業の運営権を民間企業へ委託する提案に対して、世界では民営化後の管理運営水準の低下などから再公営化が進むなか、必要なのは民営化ではなく、「水道事業の担い手を育て、必要な財源を投じてライフラインを守ることだ」と主張しました。
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水道事業育成こそ必要 民営化推進の法改定 高橋氏が批判
実質審議入り
 しんぶん赤旗 2018年6月30日
 衆院厚生労働委員会で29日、地方自治体の水道事業の運営権の民間企業への委託(コンセッション方式)を推進する水道法改定案が、実質審議入りしました。日本共産党の高橋千鶴子議員は、必要なのは民営化ではなく、「水道事業の担い手を育て、必要な財源を投じてライフラインを守ることだ」と主張しました。
 改定案は、自治体が水道事業者であり続けながら、民間業者が厚労相の認可を受け水道施設の運営権を受託する仕組み。与党は大阪北部地震による損壊を根拠に、「老朽化対策」を進めるとの口実で成立を狙っています。
 
 高橋氏は、課題として指摘されている経営基盤の脆弱(ぜいじゃく)性がなぜ生じたのかと質問。加藤勝信厚労相は「広域化が進まない中、節水意識の向上など、水需要の減少に伴い料金収入が減少した」ためと答弁しました。
 
 高橋氏は、職員数がピーク時より3割減り、給水人口5万人未満の事業体の職員は1~2人、技能職はゼロだと紹介。世界では民営化後の管理運営水準の低下などから再公営化が進むなか、政府がサービス水準の担保策として掲げる民間業者への「モニタリング(監視)」についてただすと、宇都宮啓審議官は、全てを自治体自ら行う必要はなく、「専門的知見をもつ第三者を活用する」と答弁。高橋氏は、すでに8割の事業者が水質検査を外部に委託しているとし、「結局、モニタリングも民間委託になるではないか」と指摘しました。
 
 高橋氏は、民営化推進は水道事業の維持・向上につながらず、「自治体がリスクはとって、もうけは民間に回すもの」と批判しました。

伊藤詩織さん事件をBBCが放送 「日本の秘められた恥」だと

 伊藤詩織さんの準強姦事件は、安倍首相の伝記作家で安倍氏と懇意にしている山口敬之氏が絡んでいるため、日本のメディアはほとんど取り上げません。海外では昨年末にニューヨーク・タイムズが大々的に取り上げたのをはじめ、フィガロ、ル・モンド、それにBBCなどが取り上げています。
 
 警察が逮捕状を取って空港で山口敬之氏の帰国を待っているところに、官邸と懇意の警察上層部から中止命令が入って逮捕が取りやめになったあたりは、大いに「官邸と捜査当局の癒着」を疑わせるものですが、その大スキャンダルへの追及もありません。これには 日本のメディアが官邸と法務省(検察)に対して取りわけ「弱い」という実態や日本独自の記者クラブ制度が大いに影響しています。
 
 28日、英国のBBC放送が約1時間にわたり「日本の秘められた恥」というタイトルでこの問題を取り上げました。
 番組では山口氏側の反論も紹介していますが、そこでは安倍首相お気に入りの女性議員 杉田水脈氏も登場し、伊藤詩織さんへのセカンドレイプまがいの非難をしているということです。
 
 BBC NEWS JAPANの記事を紹介します。
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「日本の秘められた恥」 伊藤詩織氏のドキュメンタリーをBBCが放送
BBC NEWS JAPAN 2018年06月29日
BBCは28日夜、強姦されたと名乗りを上げて話題になった伊藤詩織氏を取材した「Japan's Secret Shame(日本の秘められた恥)」を放送した。約1時間に及ぶ番組は、伊藤氏本人のほか、支援と批判の双方の意見を取り上げながら、日本の司法や警察、政府の対応などの問題に深く切り込んだ。制作会社「True Vision」が数カ月にわたり密着取材したドキュメンタリーを、BBCの英国向けテレビチャンネルBBC Twoが放送した。
 
番組では複数の専門家が、日本の男性優位社会では、被害者がなかなか声を上げにくい状況があると指摘した。伊藤氏はその状況で敢えて被害届を出し、さらには顔と名前を出して記者会見した数少ない日本人女性だ。
 
伊藤氏は2015年4月に著名ジャーナリストの山口敬之氏に強姦されたと、警察に被害届を出した。最初の記者会見を開いたのは、2年後の2017年5月。山口氏の逮捕令状が出たにもかかわらず逮捕が見送られ、証拠不十分で不起訴処分となったことへの不服を検察審査会に申し立てたという発表だった。
 
番組は、伊藤氏が「すごい飲み方」で泥酔して吐いた、ホテルでのその後の性行為は同意の上でのことだった―という山口氏の主張や反論とあわせて、伊藤氏自身が語る2015年4月の経緯を、現場となった都内のすし店やホテルの映像などを差し挟みながら、詳細に紹介した。当時以来初めて現場のホテルを訪れた伊藤氏が、こわばった表情でホテルを見上げた後にしゃがみこみ、「これ以上ここにはいられない」と足早に立ち去る姿も映している。
 
ニューヨークでジャーナリズムを学んでいた伊藤氏は2013年秋、当時TBSワシントン支局長だった山口氏とアルバイト先のバーで知り合った。インターンの機会がないか問い合わせると、山口氏からプロデューサーの職を提供できるので就労ビザについて帰国中に相談しようと呼び出しがあったという。
日本酒を少し飲むと「気分が悪くなり、トイレで意識を失った(中略)激しい痛みで目が覚めた。最初に口にしたのは『痛い』だったかもしれない。それでも止めてくれなかった」と語る伊藤氏は、その後、ベッドの上で山口氏に覆いかぶさられ息が出来なくなった際に「これでおしまいだ、ここで死ぬんだと思った」と涙を流して語った。さらには、抵抗する自分に山口氏が「合格だよ」と告げたのだとも話した。
 
首相に近い人物
番組では山口氏について、事件当時は日本の有名テレビ局のワシントン支局長で、安倍晋三首相を好意的に描いた人物伝の著者だと紹介した。伊藤氏と山口氏を取材した記事を昨年12月に発表した米紙ニューヨーク・タイムズのモトコ・リッチ東京支局長は、山口氏と安倍首相の近い関係から「この事件に政治的介入があったと考えられている」と話した。
山口氏は疑惑を全て否定している。番組は、山口氏が出演したネット座談会を紹介。山口氏はそこで、伊藤氏が泥酔していたため仕方なく宿泊先のホテルへ招いたと話した。また番組は、性行為はあったが合意の上だったという同氏の主張も伝えている。
 
番組はその上で、日本の刑法では合意の有無は強姦の要件に含まれていないと説明。暴力や脅迫があったと証明しなければ日本では強姦とは認められないことにも言及し、性暴力の被害者の多くが実際には恐怖で身がすくんで抵抗できず、助けを呼ぶこともできないことにも触れた。合意のない性行為はたとえ知人相手でも強姦なのだという、欧米では徐々に常識となりつつある考え方について、日本の大学生が教わったことがないというやりとりも紹介した。
 
また、日本の強姦罪(現・強制性交等罪)は2017年の法改正まで100年以上変わらず、強姦は窃盗より刑罰が軽かったなど、日本社会で性暴力が軽視されてきたことも法律の専門家などのコメントを通じて語った。

高プロ成立 家族の会「絶対に過労死は出ます」

 高プロ制度などの「働かせ方」法案が、国民の大反対を押し切って成立しました。経営者にとっては念願の「タダ働きをさせる根拠法」が出来上がったわけです。
 国民民主党は参院の本会議では法案に反対したようですが、前段の厚生労働委員会では自民党を助けるべく、委員長解任決議案には賛成せずにその審議を行わせませんでした。自民党との間で国民投票法改正案を成立させる密約も出来ていると言われています。これは活動(広告宣伝)費の制限を設けず且つ投票率がどんなに低くてもいいとする点には手を付けずに、ささいな改正でお茶を濁すことで、次の憲法改正の審議に移行できるようにするものです。
 こんな「第二自民党」が参院の野党第一党になっているのは悲劇です。
 
 一貫して高プロの成立に反対し、首相との面会を求め官邸前に座り込みまでした「過労死家族の会」の落胆は計り知れません。田中龍作ジャーナルが報じました。
 同ブログには印象的な写真が3枚添えられています、原文にアクセスしてご覧ください。 
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高プロ成立 家族の会「絶対に過労死は出ます」
田中龍作ジャーナル 2018年6月29日
(【写真説明】娘を過労死で亡くした佐戸恵美子さん(左)と高橋幸美さん。「母親の思いが届かず残念無念でなりません」。佐戸さんは声を詰まらせた。=29日、参院会館 撮影:村上理央)
「労働者を死ぬまでコキ使っても、何の罪にも問われない」。経営者にとっては夢のような法律がきょう、制定された。2018年6月29日は、日本の労働法制が前近代に後戻りする歴史的な日となった。
 過労死促進法案と異名をとる高プロ制度がキモの「働き方改革(働かせ方改悪)」法案が、この日、参院本会議で採決された。「過労死家族の会」は、亡き夫や娘の遺影と共に本会議を傍聴した。田中と助手の村上も共に傍聴した。記者クラブではないため、写真撮影は許可されなかった。
 
 法案に賛成する与党議員が演説すると、家族の会は首を横に振った。遺影は小刻みに震えた。野党議員が「過労死が増える」と声を大にして警鐘を鳴らすと、すすり泣いた。
 午前11時45分、法案は賛成多数で可決、成立した。「数の力はどうしようもない」。東京過労死を考える家族の会の中原のり子さんは、無念そうに語った。「悔しいね」「悔しいね」。家族の会はお互いを抱き支えるようにして本会議場を後にした。
 
 国民民主党の山井和則議員は、本会議場の外で家族の会を待ち受けた。「力になれず済みませんでした。私の力不足です」。山井議員は無念の表情で唇を噛み締めた。家族の会は国民民主に対しては怒りを隠さないが、過労死撲滅に尽力する山井議員は受容しているように見えた。
(【写真説明】全国過労死を考える会の寺西笑子代表。採決を見届けて本会議場を出てきたところを記者団に囲まれた。 =29日、参議院前 撮影:田中龍作)
 
 家族の会はこの後、国会内で記者会見を開いた。
 全国過労死を考える家族の会の寺西笑子代表は「安倍首相の冷たい答弁、無関心さにショックを受けている」と憤った。安倍首相は法案提出理由を「労働者の働き方のニーズに合わせて」と説明していたが、問い詰められると「財界の要請であった」と本音をのぞかせた。
 立法事実も何もあったものではない。データもデッチあげ。法案のデタラメさは最後の最後まで指摘された。4週間で4日休ませれば、あとはいくら連続勤務させても違法ではない。労働者が過労死で命を落としても労基署は踏みこめなくなるのだ。過労死は闇に葬られるのである。
 労働弁護団の玉木一成弁護士がいみじくも指摘した。「労基法を守らなくてもいいというお墨付きが与えられることが怖いんです。(ブラックホールに向かって)大きな穴が空いた」。
 
「絶対に過労死は出ます。絶対出るんです。私たちにはそれが分かるんです」。18年前、エンジニアの夫を過労死で亡くした渡辺しのぶさんは、断言した。
(【写真説明】家族の会は安倍首相との面会を求めて2日間に渡って座り込んだが、無視された.=5月22日、官邸前 撮影:田中龍作)
 
〜終わり~

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