2026年6月15日月曜日

ナフサ不足深刻 「仕事あるのに材料ない」高市政権の無策に憤り

 しんぶん赤旗日曜版6月14日号に掲題の記事が載りました。
 高市首相は何故か「ナフサ」を原料とする関連材料の「品切れはない。あるとすれば目詰まりだ」と強調します。
 ある大手の食品メーカーが印刷用インクの品切れを惧れて、早い段階で「カラーの風袋」を「白黒の風袋」に変えて対応したところ、高市氏は面子を潰されたと思ったのかそのメーカーを痛烈に批判しました。
 高市氏は「自分の言うことは100%正しく」、もしも「社会がそれと違った方向に動いているのであれば、社会の方が間違っている」とでも言いたいのでしょうか。
 国民のための適切な政策を編み出せずに、ただただ自分の面子だけが大事というトップの下では国民は救われません。
 住宅建築における塗装に従事して21年になる塗装業者が味わっている、塗装材料の「品切れ」による深刻な悩みを報じました。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ナフサ不足深刻 「仕事あるのに材料ない」高市政権の無策に憤り 「現場を知ろうとしない」
                   しんぶん赤旗日曜版 2026年6月14日号
住宅建築21年の業者悲鳴 7月の見通し立たない
 高市早苗首相の無策ぶりに国から「現場のことが分かっていない」と声が上がっています。メリカとイスラエルが始めたイラン戦争で、石油関連製品の原料であるナフサが不足し、生活に欠かせない製品の価格が高騰、品切れ状態も。医療・建設・農業など幅広い分野を。ナフショック″が襲い、仕事・暮らしに甚大な影響をもたらしています。

 高市自民・維新政権は4日、3兆円の補正予算を成立させました。予備費を積み上げただけで、電気・ガス料金支援のほかに具体策はなし。高市首相は、ナフサの関連製品について「年度を越えて供給は可能」と繰り返すばかりです。
認識が甘すぎる。現場を知ろうとしていない」と憤るのは、住宅建築21年の藤川工務店(東京都墨田区)社長の藤川善清(よしきよ)さん(56)。建築資材の不足のもと、6月までは在庫でしのげますが、7月の見通しはたっていません。「仕事はあるのに材料がない。こんなことは初めてです。コロナ禍のときよりきつい。このままいくと建設関係で倒産が相次ぐのでは」と危惧します。

政府は直接支援を日本共産党が要求
 日本共産党は「イラン戦争がもたらす物価・資材不足から暮らしと営業を守るための緊急対策」を発表(5月14日)し、政府に要請。全国各地で資材不足や価格高騰の実態調査や聞き取りを行い、国や自治体にはたらきかけています
 国会では、ナフサ由来の石油関連製品の医療、食料、交通・物流、建設などへの優先供給、中小業者と雇用を守るための特別融資制度の創設や雇用調整助成金の拡充などを求めました。
 藤川さんはいいます。「共産党がナフサ不足で被害を受けている業者に政府の直接の支援を求めてくれたのはありかたい。でも首相や大臣は必要ないとか、考えていないとか、まるでやる気がない。こういう政治はもう変えた方がいい」

自助努力ではもたない 支援今すぐ
 原油を精製してつくられるナフサ(粗製ガソリン)は、プラスチックや合成繊維、塗料、合成ゴムなど生活に欠かせない製品の原料となります。
 ナフサの6割は輸入で、大半は中東諸国からです。4割は国産ですが、中東産の原油からつくられています。どちらもイラン戦争によるホルムズ海峡封鎖で大きな影響をうけており、4月の貿易統計によると、ナフサの輸入量は前年同月比と比べ、ほぼ半減。ナフサ不足が一気に顕在化しました。
 面に登場した住宅の新築・リフォームなどを手掛ける藤川工務店(東京都墨田区)社長の藤川善清さん(56)は訴えます。
「ナフサ製品が出回らなくなって、断熱材、接着剤、養生材(ビニール養生シート)、溶剤(シンナー、トルエン)が新たに入ってこないか、入ってきても2、3倍に値上がりして手が出ません。ユニットバスはメーカーが先月からつくっていません。いま、とりあえずの在庫で仕事していますが、7月からの仕事は見通しが立たないので受けていません。値段も跳ね上がり、施工主に迷惑をかけてしまう」

 
政府「足りてる」
 高市早苗首相が「原油は足ている」とか「ナフサ不足は目詰まり」と説明していることに怒ります。「現場にはまったくナフサ由来品が回ってきません。原油からナフサをつくるのも時間がかかります。業界では、大手業者が大量に確保しているということも言われています。もしそうなら、政府が指導して中小企業に回してほしい。それが政治の役割ではないですか」
 藤川さんの会社は3人の社員と、契約している職人を数人抱えています。「来月から仕事がなくても給料を払わないといけない」と頭を抱えています。

建築資材出回らず入手できても2~3倍に値上がり
現場の悲鳴聞こえないのか
 高市首相は中東以外から米国産ナフサなどをかき集め、「年度を越えて供給可能」と説明しています。しかし、資材が確保できない現場の危機感とは大きなズレがあります。世論調査では政府が国内での供給に問題はないと説明していることに「納得できない」が64%で「納得できる」の25%を大きく上回っています。(「読売」5月25日付)
 信用調査会社・帝国データバンクによると、4月の物価高倒産は前年5月から約5割も増加。要因は原材料の高騰です。

倒産件数3割増
 同じく信用調査会社・東京商エリサーチによると、今年~4月の塗装工事業の倒産件数は前年同期と比べ3割近く増加。価格高騰や在庫不足が長びくと、塗装工事の受注にも支障を来たすため、倒産件数が「年間では過去最多に迫る可能性もある」と警告しています。
 ナフサショックに無策の高市政権。メディアも「自助努力だけでは持ちこたえられない。資金繰りや価格転嫁に苦しむ企業への支援も検討すべきだろう」(「日経」5日付社説)と指摘します。
 日本共産党は、無担保・無利子で、業績が回復しない場合は減額や免除を含む特別融資制度も提案しています。
 前出の工務店社長の藤川さんはいいます。「コロナ禍の時にも特別融資はありましたが、収束しても返せない業者がいた。共産党の提案には希望を感じます。何より一刻も早く戦争をやめてほしい。トランプ米政権は自分たちの利益のために、何億人という世界中の人に迷惑をかけている。もういいかげんにしてほしい」


債務減免含む特別融資
「首相は資材を入手できない現実を把握していないのではないか」-。日本共産党の辰巳孝太郎衆院議員と山添拓参院議員は、補正予算審議(4、5日)のなかで、石油製品の価格高騰丿資材不足で苦境に立つ医療、事業者の実態を示し、具体的な支援を求めました。
 電気工事業者や建設業者からは「シンナーが5000円から5万円に」「従業員は5だが入手できる資材は1人分」「見積もりもできない」と悲痛な声があがっています。兵庫県保険医協会のアンケート(4月)では、医療材料の供給に支障があるが84・3%にのぼっています。両議員は高市首相に迫りました。
「あらゆる物品の価格高騰、建設業や製造業での倒産を起こさせない具体的な対応が必要だが(補正予算案に)直接支援する具体的な手当てがなぜないのか」「医療機関や介護施設を守るため診療報酬と介護報酬の臨時改定が必要だ」(辰巳氏)
コロナ禍で実施された『ゼロゼロ(無利子・無担保)融資』の返済猶予や、新たな資金調達が可能な『別枠融資』が必要だ」(山添氏)
 高市首相は、これらの具体的支援について「必要だと考えていない」と冷たくはねつけました。
 山添氏は「全然現場の声が届いていない」と批判。「無利子・無担保で、業績が回復しない場合に債務を減額・免除する特別融資など思い切った対策を」と重ねて求めました。

命絶ってしまった同業者 給付金や融資の返済減免を
 5月下旬、埼玉県川越で塗装業を営む鯉渕太さん(54)は「塗料が手に入らず、作業を進められない」と途方に暮れていました。
 塗装には大きく二つの工程があります。接着剤の役割を果たす「下塗り」をしたうえで、顧客の希望に沿った色や模様などの「上塗り」を行います。
 しかし4月から、ほぼ全メーカーが下塗り塗料の出荷を停止。年間の受注件数の1割にあたる仕事が進められず、「お客さんに壁の色だけ決めて待ってもらっている」。
 この仕事を始めて30年以上の鯉渕さんは「いまが一番ひどい。ただでさえ不況なのに、たとえ仕事をとれたとしても作業を進められない」と言葉を失います。チラシ配布などできる限りの営業をして、供給再開を待ち望んでいます。
 コロナの時に受けた融資の返済が7~8年続く鰹渕さんは、給付金や返済の減額・免除を求めます。「これから雨漏り工事の需要もある。衣食住の『住』はお客様の財産であり、その修繕、維持は、人が快適に暮らすために、なくてはならない」と仕事に誇りをもっています。
 鰹渕さんは「自ら命を絶った同業者がいる」と悔しそうに語りました。その同業者は資材不足で仕事が進められなくなり、大きな金額の契約がキャンセルになったといいます。「苦しくても相談できない人がいる。労働組合、行政の連携、相談体制で、そうした事態を防がなければいけない」