2016年5月4日水曜日

緊急事態条項は危険 人権無き改憲は許されないと 琉球新報

 琉球新報が「緊急事態条項は危険だ 人権無き改憲は許されない」とする社説を掲げました。
 緊急事態条項の恐るべき害悪については徐々に国民に知られつつありますが、琉球新報の社説は自民党改憲案による緊急事態条項では、「地方自治体の長に必要な指示を出すことができる」=地方自治権をはく奪できる=点をとらえて、米国の高等弁務官万能の権力者であって、全ての権利が抑圧された米軍統治下の沖縄の戦後史の実態を記述しています。
 
 布令一つで沖縄側の権利を剥奪でき民間地を次々に接収し基地を造成し反対する住民は「銃剣とブルドーザー」で強制的に排除した。米軍に不都合な出版物は弾圧され大学や高校の文芸誌や小学校のPTA通信までが検閲の対象になり、米軍の軍用地料一括払い反対の集会に参加しただけで、大学生は大学を退学させられた
 政府が万能の権力を握るとどうなるかは沖縄の歴史が証明しているのだ、と
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<社説>憲法記念日 緊急事態条項は危険だ 人権無き改憲は許されない
琉球新報 2016年5月3日 
 憲法記念日が巡ってきた。今年はとりわけ感慨深い。今夏の参院選の最大の争点が憲法改正だからだ。安倍晋三首相は「憲法改正を参院選の公約に掲げて訴える」「在任中に(改憲を)成し遂げたい」と明確に打ち出している。
 改憲の発議には衆参両院で3分の2の賛成が必要だ。衆院は改憲賛成派が既に3分の2を占めるから、焦点は参院だ。安保法制に賛成した党は非改選121議席のうち86を占める。残りは76議席だ。3年前の参院選より10議席少ない結果で発議できることになる。
 憲法の価値はどこにあるか。その第一の役目は何か。この機会にあらためて考えたい。
 
地方自治の否定
 安倍政権は当初、憲法改正の要件を定める憲法96条を改定しようとして失敗した。すると次に憲法解釈を変え、集団的自衛権の行使を可能にした。海外派兵できるようにし、日本が攻撃されたわけでないのに参戦できるようにした
 今度は解釈改憲でなく、本格的に憲法の条文を変えようという方針だ。首相らはその突破口に緊急事態条項を位置付けている。
 自民党の憲法改正草案98条によると、国会の事前同意がなくても、閣議だけで首相は緊急事態宣言を出すことができる。すると内閣は、法律と同じ効力を持つ政令を制定することができる。国会は唯一の立法機関だが、内閣が立法権を国会から奪うに等しい。
 
 草案は「地方自治体の長に必要な指示を出すことができる」とも定める。ドイツの例を思い出す。
 ナチスは政権を握った途端、地方への命令権を駆使し、首長を罷免するなどして地方政府を次々に掌握した。今なら辺野古新基地問題で対立する翁長雄志知事を一方的に罷免するようなものだ。
 自民党の草案には「何人も国の指示に従わなければならない」ともあるから、国民は絶対服従を強いられる。基本的人権については「保障」が解除され、「尊重」に格下げされる。政府は「人権侵害をしてはならない」という禁止から解放され、「尊重するけど、どうしても必要なら人権侵害してもいい」ことになる。
 
 安倍首相は「緊急事態に関する(規定は)諸外国で多くの例がある」と言う。だが米国では議会招集権限を持たない大統領が招集できるとする程度だ。ドイツも州議会から連邦議会に権限を移す程度である。立法権を政府が一方的に握るわけではない。立法権を持つとする国も期限や制約があるのが普通だ。だが自民党の草案は制約がなく、何回でも更新できるから事実上無期限に万能の権力を振るえる。危険なことおびただしい。
 
国民束縛の方向
 言うまでもなく憲法の意義は政治権力者を縛ることにある。それが立憲主義だ。だが「国民は公益及び公の秩序に反してはならない」と定めるように、自民党の改憲草案は明らかに政府を縛るより国民を縛る方向を志向している。
 沖縄の戦後史を想起する。米国の施政権下では、沖縄の人々の基本的人権は制限され続けた。
 米国の高等弁務官は万能の権力者だった。立法院の立法も高等弁務官が恣意(しい)的に拒否できた。沖縄の人々は、琉球政府の主席を選挙で選ぶことすら許されなかった。
 
 米国は沖縄の人に何ら諮ることなく、布令一つで沖縄側の権利を剥奪できた。代表例が1953年の土地収用令だ。小禄村具志、伊江村真謝・西崎、宜野湾村伊佐浜(いずれも当時)などの民間地を次々に接収し、基地を造成した。反対する住民は「銃剣とブルドーザー」で強制的に排除した。
 米軍に不都合な出版物は弾圧された。大学や高校の文芸誌や小学校のPTA通信までが検閲の対象だった。米軍の軍用地料一括払い反対の集会に参加しただけで、大学生は大学を退学させられた
 
 政府が万能の権力を握るとどうなるかは沖縄の歴史が証明しているのだ。人権の「保障」無き改憲は断じて許してはならない。

「自民改憲案」を高知新聞社説が取り上げる

 憲法記念日に当たり、高知新聞は自民改憲案について1~3日の3回に分けて取り上げ、その問題点を明らかにしました。ここでは緊急事態条項については取り上げていませんが、限られた字数の中なので問題点のすべてを網羅するというわけにはいきません。
 新聞などで自民党の改憲案を取り上げるのは珍しいことですが、政府が改憲を叫んでいる以上もはや一政党の改憲案ということには留まりません。
 是非各紙で取り上げてその問題点を明らかにして欲しいものです。
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【自民改憲案(上)】基盤の立憲主義が揺らぐ
高知新聞 2016年5月1日
 夏の参院選が近づいてきた。衆院選との同日選になるかどうかはまだ分からないが、安倍首相は改憲を争点にする考えを明言している。
 選挙結果によっては、改憲への動きが加速していく可能性がある。国会が議論する際には、首相が「全てを示している」とする、自民党が2012年に作成した改憲草案を中心に進むことになるだろう。
 草案はどのような「国のかたち」を目指そうとしているのか。3日の憲法記念日に合わせて、近代憲法の本質である立憲主義や、現行憲法の国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という三つの基本原則を中心に考えてみたい。
 
 前文に違いがよく出ている。憲法の前文は制定の経緯や目的、基本的な原理を述べるとされ、憲法全体を貫く、土台となるべき考え方が示されているからだ。
 現行憲法の前文は四つの段落から成っているが、いずれも「日本国民は」か「われらは」で始まる。主権者が国民であることを明示するとともに、近代立憲主義を徹底するという意志の表れだろう。
 国や社会を営むための統治には国家の権力が欠かせないが、権力は常に乱用される恐れがある。国民の権利や自由を保障するため、権力を縛るのが憲法という考え方が近代立憲主義だ。
 
 全面的に書き換えられた自民党草案の前文はどうか。「日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であって…」で書きだされている。「日本国民は」が主語の段落もあるが、続くのは国の防衛や基本的人権の尊重などの義務だ。
 国民主権はうたっていても、主語の変更には国家を国民の上に置くような考え方がにじみ出ている。憲法の「名宛て人」、つまり対象は権力という立憲主義に対する無理解にとどまらず、嫌悪感のようなものがあるのではないか。
 憲法の尊重擁護義務を定めた99条の変更にも当てはまる。新たに国民に対し、尊重義務を課した。国民一人一人が憲法を大切にしなければならないとしても、義務として憲法に明記することは全く別の話だ。
 その一方で、天皇・摂政に課している尊重擁護義務は削除した。さらに、1条には天皇を「元首」とすることも加えている。
 草案Q&Aには「明治憲法には、天皇が元首であるとの規定が存在していました」とある。だが、明治憲法では主権は国民ではなく、天皇にあった。それを忘れたかのような説明には驚くほかない。
 近代立憲主義は西欧に生まれたとはいえ、いまや民主主義国共通の基盤となっている。全体主義が横行した時代の反省に立ち、より徹底するために努力を重ねてきた成果といってよい。
 自民党の改憲草案はその流れから距離を置こうとしているようにも映る。この国の立憲主義が揺らぎかねない危うさがある。 
 
 
【自民改憲案(中)】危うい基本的人権の尊重
高知新聞 2016年5月2日
 前回みた近代立憲主義の中心となっているのは「個人の尊重」と「法の支配」だ。国家の優先が個人を犠牲にしてきた歴史を踏まえ、確立されたといってよい。
 現行憲法は「すべて国民は、個人として尊重される」(13条)と規定し、そのための基本的人権を保障している。さらに97条は基本的人権について「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」「侵すことのできない永久の権利」とうたう。
 
 自民党の改憲草案は「人として尊重される」と書き換えるとともに、97条は削除した。「個人」と「人」は大して違わないようにみえる。だが、「個人の尊重」が個人主義の原理の重視を意味していることを考えれば、個人の人権を軽視しかねない危うさがある。
 ここでいう個人主義は「自由な個人」という近代立憲主義にとって極めて重要な価値のことであり、対立するものを挙げるとすれば全体主義だろう。個人主義を批判する際に用いられる利己主義とは全く別だ。
 基本的人権の制約を巡っても、大きな違いがある。現行憲法が「公共の福祉に反しない限り」とするのに対し、草案は「公益及び公の秩序に反しない限り」と変更した。
 
 草案のQ&Aは「公共の福祉」は曖昧で分かりにくいとする。それは否定しないが、公共の福祉には人権を制限できるのは他者の人権だけだという制約にとどまらず、財産権などでは公共の利益による制約も含めるようになっている。
 公益・公の秩序と書き換えても曖昧さが消えるわけではない。これまで以上に国益や公共の目的を前面に出して、人権を制約できるようになるだろう。制約するための法律制定が容易になれば、人権保障は非常に危うくなる
 とりわけ問題なのは、集会や言論などの表現の自由にも公益・公の秩序による制約を加えたことだ。Q&Aは公の秩序について「『反国家的な行動を取り締まる』ことを意図したものではない」と釈明するが、それ自体が危うさの証しといえる。
 
 安倍首相は「価値観を共有する国々との連携」をよく口にする。民主主義や法の支配、人権尊重などの普遍的価値観のことであり、その基盤である近代立憲主義も当然含まれるだろう。
 「価値観外交」が中国をにらみ、対中包囲網の形成を狙っていることはいうまでもない。確かに、習近平指導部は普遍的価値を拒絶し、秩序維持を理由に言論・情報統制などを一段と強化している。
 では、改憲草案はどうなのか。Q&Aには「西欧の天賦人権説に基づく」規定を改めたとあり、「普遍」の文字を削除した一方、「日本らしさ」が強調されている。
 近代立憲主義を転換し、基本的人権の尊重も軽視しかねない内容といってよい。欧米などの民主主義国から、普遍的価値観からずれた「異質な国」と受け止められる恐れはないのだろうか。 
 
 
【自民改憲案(下)】平和国家が崩れていく
高知新聞 2016年5月3日
 現行憲法の三大原則の一つである平和主義をめぐる改憲論議は9条が中心になってきた。それは当然ではあるが、9条を導き出す前文の存在を忘れるわけにはいかない。
 現行憲法は「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し」とする。破局に至った戦争の歴史への反省を踏まえた平和主義の宣言だ。戦後の初心といってよい。
 これに対し、自民党の改憲草案は「先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、…平和主義の下、…世界の平和と繁栄に貢献する」。戦前の歴史を省みる意思はないようだ。
 また、現行憲法の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という部分は、「ユートピア的発想」だとして跡形もない。9条の変更を念頭に置いていることは間違いない。
 理想論といえば、その通りかもしれない。だが、戦後の再出発に当たって掲げた平和への志を簡単に捨て去ってよいものだろうか。
 
 9条について自民草案は、国際法を踏まえて「戦争の放棄」は受け継いでいるものの、現行憲法を特徴づける「戦力の不保持」と「交戦権の否認」を削除。「自衛権」を明記して集団的自衛権を行使できるようにするとともに、「国防軍の保持」をうたっている
 「違憲論」もある中、歴代の自民党政権は憲法解釈に基づき、自衛隊を「専守防衛のための必要最小限度の実力組織」としてきた。いまや世界有数の実力を保有し、災害時などに活躍する自衛隊を憲法でどう位置付けるかは、あらためて論議してよいだろう。
 だが、国防軍とし、集団的自衛権行使も問題ないとなれば、自衛隊は様変わりする。安倍政権は解釈改憲によって集団的自衛権行使を容認したが、憲法の制約には配慮せざるを得なかった。
 その制約が外れると、海外での軍事活動に歯止めがかからなくなる恐れがある。専守防衛に徹することによって築いてきた平和国家が崩れていくのは避けられないだろう。
 
 草案が削除した、現行憲法の前文にある「これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する」にも触れておきたい。「これ」とは民主や自由、平和の「人類普遍の原理」を指している。
 近代立憲主義からの逸脱のほか、国民主権や基本的人権の尊重、平和主義の変質をもたらしかねない自民草案はどう捉えるべきなのか。個々の条文にとどまらず、草案全体を貫く方向性をきちんと見定めることが不可欠となる。
 
 私たちは憲法を「不磨の大典」とは考えていない。私たちや子、孫らのためにどうしても必要であるなら改正してもよいが、改悪は絶対に避けなければならない。国民一人一人が主権者として熟慮を重ねた上で結論を出す必要がある。

04- 憲法を守れ・9条を守れが多数 各社世論調査

 NHKは2日に、朝日新聞と毎日新聞は3日に憲法に関する世論調査を発表しました。
 3者が行った主要な質問は下記の2項目で、調査結果を一覧表で示します。
 
 「憲法を改正する必要」があるか についてはさまざまで、毎日は「あり」と「なし」が同数、NHKは微差で「なし」が多く、朝日は大差で「なし」が多くなっています。
 それに対して「9条を改正する必要」があるか については、いずれも「なし」が「ある」をダブルスコアで上回っています。9条の「正しさ」と「重要性」は完全に国民の中に浸透していることが分かります。
 
      憲法を改正する必要があるか
 
 
朝日新聞
毎日新聞
N H K
 
憲法改正の必要あり
37%
42%
27%
 
憲法改正の必要なし
55%
42%
31%
 
      9条を改正する必要があるか
 
 
朝日新聞
毎日新聞
N H K
 
9条改正の必要あり
27%
27%
22%
 
9条改正の必要なし
68%
52%
40%
 
 次のグラフは2日のブログ:「Everyone says I love you !」から転載したものですが、NHK世論調査の経年変化を示したものです。
 安倍政権は平成24年の年末に成立しました。平成25年(2013年)の4月時点ではまだ憲法改正を明確に主張していなかった時期で、それまでは「憲法改正の必要あり」が41~42%と優位を保っていたのですが、安倍首相が改憲を明確にした平成26年(2014年)以降はそれが28~27%に落ち、今回は「必要ない」が逆転しました。
 


 Everyone says I love you !氏は、安倍首相や自民改憲案を作った磯崎陽輔氏らよりも、国民の方がよほど賢いことがわかると述べています。
 
 ここではNHKの記事とLITERAの記事を紹介します。
  (追記) 最近、朝日新聞は記事の転載を全て拒否しているし、毎日新聞もこの記事をコピー不能の処理をしているため、原記事は転載できません。それぞれでアクセス願います。
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NHK世論調査 憲法改正「必要」27% 「必要ない」31%
NHK NEWS WEB 2016年5月3日
3日は憲法記念日です。NHKの世論調査で今の憲法を改正する必要があると思うか聞いたところ、「改正する必要があると思う」は27%、「改正する必要はないと思う」が31%、「どちらともいえない」は38%でした。
 
NHKは先月15日から3日間、全国の18歳以上の男女に対し、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDDという方法で世論調査を行い、2425人のうち62.8%に当たる1523人から回答を得ました。なお、地震活動が続いているため、熊本県では調査を行わず、大分県では調査を途中で取りやめました。
 
憲法の改正
今の憲法を改正する必要があると思うか聞きました。
「改正する必要があると思う」が27%、「改正する必要はないと思う」が31%、「どちらともいえない」が38%でした。
去年の同じ時期に行った調査と比べると、「改正する必要がある」は、ほぼ同じ割合だったのに対し、「改正する必要はない」は増え、「どちらともいえない」は減りました。
NHKは平成19年からことしまで、合わせて5回、同じ質問を行っていますが、憲法を「改正する必要はない」と答えた人の割合は、今回、最も多くなりました。
 
憲法を「改正する必要があると思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「日本を取りまく安全保障環境の変化に対応するため必要だから」が55%と最も多く、「国の自衛権や自衛隊の存在を明確にすべきだから」が20%、「アメリカに押しつけられた憲法だから」と、「プライバシーの権利や環境権など、新たな権利を盛り込むべきだから」がそれぞれ8%でした。
憲法を「改正する必要はないと思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「戦争の放棄を定めた憲法9条を守りたいから」が70%と最も多く、「すでに国民の中に定着しているから」が11%、「憲法の解釈や運用に幅を持たせればよいから」が10%、「アジア各国などとの国際関係を損なうから」が4%でした。
 
憲法9条 集団的自衛権
「憲法9条」について、改正する必要があると思うか聞きました。
「改正する必要があると思う」が22%、「改正する必要はないと思う」が40%、「どちらともいえない」が33%でした。
3年前の同じ時期に行った調査では、憲法9条について改正が「必要」という人と「必要はない」という人の割合はほぼ同じ程度でした。その翌年のおととしからは、それぞれ「必要はない」という回答が「必要」という回答を上回っています。
憲法9条を「改正する必要があると思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「自衛力を持てることを憲法にはっきりと書くべきだから」が55%、「国連を中心とする軍事活動にも参加できるようにすべきだから」が23%、「自衛隊も含めた軍事力を放棄することを明確にすべきだから」が10%、「海外で武力行使ができるようにすべきだから」が5%でした。
憲法9条を「改正する必要はないと思う」と答えた人に理由を聞いたところ、「平和憲法としての最も大事な条文だから」が65%、「改正しなくても、憲法解釈の変更で対応できるから」が15%、「海外での武力行使の歯止めがなくなるから」が12%、「アジア各国などとの国際関係を損なうから」が4%でした。
 
ことし3月、安全保障関連法が施行され、日本が集団的自衛権を行使することが可能になったことについて賛成か反対か質問したところ、「賛成」は25%「反対」は27%、「どちらともいえない」は40%でした。
 
立憲主義
今の憲法の基本的な考え方である「立憲主義」について聞きました。
「政府の権力を制限して国民の人権を保護する」という立憲主義を知っていたかどうか尋ねたところ、「知っていた」が16%、「ある程度知っていた」が37%、「あまり知らなかった」が30%、「まったく知らなかった」が11%でした。
NHKはおととしも同じ項目の調査を行っていますが、立憲主義を「知っていた」「ある程度知っていた」という人の割合はいずれも増加しています。
憲法解釈や憲法改正を議論するにあたって、立憲主義の考え方を重視すべきかと思うか聞いたところ、「重視すべきだ」が69%、「重視する必要はない」が12%でした。これはおととしの調査結果とほぼ同じ程度で、回答したおよそ7割の人が「立憲主義を重視すべき」だと考えていることが分かりました。
後 略
 
安倍政権の改憲扇動は空振り? 
世論調査で「憲法改正が必要」の意見が激減! 
NHKの調査でも42%から27%に
LITERA 2016年5月3日
 昨日からの憲法記念日特別企画では、急加速している安倍政権の憲法改正の動きについて指摘してきた。実際、安倍首相の発言は最近、明らかに前のめりになっており、極右団体と連動した改憲の国民運動が様々な場所で展開されている。そして、これに呼応するように、マスコミでも、ネット上でも、憲法改正の勇ましい声ばかりがあふれている。
 
 ところが、国民の意見はこうした動きとまったく逆の方向に向かっているようなのだ。改憲ありきの安倍政権やマスコミとは裏腹に、世論調査では「憲法改正すべき」という意見が急激に減少、「憲法を守ろう」という意見が増加しているのだ。
 NHKが先月4月15日から3日間実施した全国電話世論調査で改憲の必要性を聞いたところ、「改正する必要があると思う」が27%、「改正する必要はないと思う」が31%、「どちらともいえない」が38%だった。一見、両者は拮抗しているように見える。
 だが、実はNHKは2007年から今年で5回同じ質問をしているのだが、「改正する必要はないと思う」の割合が一番高かったのが、今年の調査だったのだ。
 たとえば、第一次安倍政権時の07年のNHK世論調査では、「改正する必要があると思う」が41%で、「改正する必要はないと思う」の24%を大きく上回った。また第二次安倍政権が本格始動した13年調査でも、“必要”42%に対し“必要ない”がわずか16%だった。ところが、14年以降、“必要”が大きく割合を落とし28%、“必要ない”が26%と拮抗、15年もほぼ同じ数字が出た。そして、今年の調査ではついに“必要ない”が僅かながら“必要”を上回ったのである。
 
 こうした結果が出ているのは、NHKの調査だけではない。たとえば、朝日新聞が今年3月から4月に実施した全国郵送世論調査では、憲法を「変える必要はない」が昨年3月調査の48%から55%に増えた一方、「変える必要がある」は昨年の43%から37%に減少。また、共同通信社が4月末に実施した全国電話世論調査でも、安倍晋三首相の下での憲法改正に「反対」が56.5%で「賛成」の33.4%を大きく上回っている。
 
 ようするに、安倍政権が、解釈改憲によって強行した安保法制など、その打ち出すタカ派の政策の数々、そして「任期中に着手する」として一方的に改憲へと邁進していることに、国民は明確に危機感を募らせているのだ。それは、立憲主義を無視した暴挙を繰り返す安倍政権への、従来の“護憲派”の枠を超えた国民のアンチテーゼでもある。
 これはなにも9条の議論だけにとどまらない。安倍政権と日本会議が打ち出す緊急事態条項の新設についても、これは国民の要望から生まれたものではない。毎日新聞が東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の42自治体に尋ねたところ、回答した37自治体のうち「緊急事態条項が必要だと感じた」としたのは、わずか1自治体だけだった(4月30日付朝刊)。
 
 しかし、安倍政権はこうした世論調査や自治体の意見に耳を貸すことはないだろう。国民がいくら憲法改正に反対しても、議会で3分の2をおさえてしまえば、そのまま一気に改憲に着手するはずだ。
 改憲の動きを止めるためには、ただ反対を口にしているだけでは足りない。7月の参院選では、他の政治的課題をいったん棚上げし、改憲勢力をひとりでも多く落選させる必要があるだろう。(編集部)

2016年5月3日火曜日

憲法記念日を期して憲法ビラを配布しました

 憲法記念日を期して、恒例の「憲法・平和 ビラ」3000部を全町に配布しました。
 B4版の薄緑色の用紙にプリントしたものを新聞に折り込みました
 
  メインのタイトルは 9条まもって「戦争をしない国」をいつまでも” 
  中見出しは、
         安倍政権は危ない!!     
         「戦争をする国」への流れをみんなの力で止めましょう  です。

  ビラの後半(右下側)には、
   7月の「国政選挙」は必ず投票しましょう

   私たちの一票で政治は変わります
 と銘打って今年度の 「平和の輪総会アピール」(4月17日)を載せました。
 
 ビラのPDF版を添付します。
 
  PDF版をご覧になる場合は、下のタイトルをクリックしてください。
 画面の下側に選択肢:「ファイルを開く」・「保存」が表示されるので、「ファイルを開く」を選択すると表示されます。
 Google Chrome の場合は左下にアルファベットのタイトル(「○○.pdf」)が表示されるので、それをクリックすると開きます。
 文字が小さい場合にはPDF画面右上の最大化マーク(□)をクリックするか、上段の中央付近にある倍率(%表示)を調整して下さい。
 
2016年「憲法・平和 配布ビラ」 
 

櫻井よしこ氏は「言論人の仮面をかぶった嘘つき」

 “極右論壇”のマドンナである櫻井よしこ氏は、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の共同代表極右改憲団体「民間憲法臨調」の代表を務め、憲法改正の旗手であるとともに重鎮でもあるのですが、実は、「言論人の仮面をかぶった嘘つき」として知られている人間だということです。
 そういえばその陣営には、”息をするようにウソを吐く”と言われている人も居ました (^^)
 
 憲法学者の小林節氏は、彼女のことを 「私の経験から言うと、櫻井さんは覚悟したように嘘を発信する人です」と述べています。
 福島瑞穂参院議員も、かつて櫻井氏から実に面妖な大ウソを講演で述べられた経験を持っています。
 さらに櫻井氏は、かつて昭和天皇の靖国参拝拒否の真相を報じた日経新聞の記事を否定しようとして、資料を完全に読み間違えて「日経新聞は世紀の誤報だ」と がなり立てたこともありました。
 また右翼のオピニオンリーダである小林よしのり氏からも、『文藝春秋』のインタビューでまるっきりのデタラメを口にし」て、「とにかく、信じられない間違いだらけ!! こんなバカな間違いを平気でする」と酷評されました。
 
 LITERAの記事を読むと、彼女はいわゆるものの弾みでつくウソなどではなくて、語数で言うと長文の構造を持ったウソを吐く人であることが分かります。小林節教授が「覚悟をしたように」と形容する所以かも知れません。
 しかしそれは当事者から否定されれば、その場で即座にアウトになるものなのに、一体なぜそんなウソを話したり書いたりするのか?!常人にはとても理解の及ばないものです。
 
 以下に記事を紹介しますが、彼女の右翼的な活動についてはなんとなく小耳に挟んではいても、その人柄などにはほとんど関心を持たない人が大半だと思いますので、読むと驚くことになります。
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改憲派のリーダー・櫻井よしこは「言論人の仮面をかぶった嘘つき」だ!
  憲法学者・小林節が対談を捏造されたと告発
LITERA 2016年5月2日
 櫻井よしこといえば、安倍首相と二人三脚で改憲運動を引っ張っている、“極右論壇”のマドンナ。「美しい日本の憲法をつくる国民の会」共同代表、極右改憲団体「民間憲法臨調」代表など、戦前回帰を狙う日本会議ダミー団体のトップを務め、さまざまな場所で憲法改正の必要性を叫び続けている。
 もっとも、櫻井氏については、作家の百田尚樹センセイや先日逮捕された田母神俊雄サンとは違って、トンデモぶりを指摘する声は少ない。むしろ、多くの人が“上品な保守言論人”のようなイメージを抱いているようだ。
 ところが、そんな櫻井氏にこんな辛辣な批判の声が上がっている。
 
 「櫻井さんに知識人、言論人の資格はありません。言論人の仮面をかぶった嘘つきです」
 「櫻井さんの言説は理論ではなく、櫻井さんの好き嫌いを表現した感情論、あるいは櫻井グループの利害を表現した損得論に過ぎないということです。バカバカしい」
 こんな発言をしたのは、憲法学者の小林節・慶應義塾大学名誉教授だ。もともと、自民党の改憲論議に付き合ってきたタカ派の改憲論者で、近年、安倍政権の立憲主義を無視した暴挙に危機感を表明したことで知られる小林教授だが、最近、「月刊日本」(ケイアンドケイプレス)2016年4月号のインタビューに登場、櫻井氏を苛烈かつ理路整然と批判しているのである。
 
「公開討論を求める! 嘘だらけ・櫻井よしこの憲法論」と題されたこのインタビュー記事で、小林教授はまず、櫻井氏の人物像についてこう語る。
「もともと民主主義の基本は、正しい情報に基づいて国民が国家の方向性を判断するということです。しかし私に言わせると、安倍政権は嘘キャンペーンを張って、国民を騙しています。そのことで櫻井さんが大きな役割を果たしている。美人で、経歴が良くて、表現力もあるから、一般国民はコロッと行ってしまう。このままでは安倍政権や櫻井さんの嘘に騙されて、国民が判断を誤りかねない状況です」
 「私の経験から言うと、櫻井さんは覚悟したように嘘を発信する人です」
 
「覚悟したように嘘を発信する人」とはどういうことか。小林教授は、かつて櫻井氏とともに日本青年会議所のパネルディスカッションに登壇したときのエピソードを例にあげる。そこで櫻井氏は「日本国憲法には、『権利』は19か所、『自由』は6か所も出てくるのに、『責任』や『義務』は3か所ずつしか出てこない。明らかに権利と義務のバランスが崩れている。そのせいで日本人は個人主義になり、バラバラになってしまった」というような主張をしたという。これに対し、小林教授はその場でこう反論した。
「櫻井さんの主張は間違っています。法律には総論と各論があり、総論は全ての各論に適用されます。日本国憲法では、『公共の福祉』を定めた憲法12条と13条が総論として、ちゃんと各条が認めた個々の人権全てに制限を加えています」
 加えて小林教授は、そもそも憲法は国民の権利を定め国家に義務を課すものだということ、いわゆる国民の三大義務の「納税」「勤労」「教育」は国家存続に必要不可可決がゆえに例外的なものであることを説明。つまり、櫻井氏が言う“「義務」に比べて「権利」が多すぎる”という主張をはっきりと退けたのだ。
 
 小林教授が語っているのは一般的な教科書にも必ず登場する“憲法の基本中の基本”。櫻井氏がこんなことも知らなかったというだけでも呆れる話だが、小林教授がこの憲法の基本を指摘すると、櫻井氏は「顔面蒼白になって、それから目線が合わなくなり、その日は挨拶もせずに帰っていった」と言う。ようするにぐうの音も出ずに遁走したらしいのだ。
 だが、櫻井氏は、小林教授から誤りを指摘されて以降も、こうした嘘の憲法論を講演会などで繰り返し述べている。小林教授が「私に論破されてギャフンと尻尾を巻いて逃げておきながら、相変わらず確信犯的に同じ誤った情報、つまり嘘を垂れ流し続けるのは、無責任かつ不誠実極まりない」と、強い言葉で批判するのももっともだろう。
 
 しかも、櫻井氏の不誠実さは、何も憲法に関する知見のなさだけに限らない。小林節教授は、前述の「月刊日本」のインタビューでかつて櫻井陣営から受けた卑劣な“発言捏造事件”を暴露している。
 以前、小林教授が「週刊新潮」(新潮社)で、外国人参政権について櫻井氏からインタビューを受けるという企画を受けたときのこと。だが、取材当日、櫻井氏本人は登場せず、中年男性のアシスタントが聞き手としてやってきたという。そこで、小林氏は櫻井側からこんな“提案”を受けたという。
「そのやりとりの中で、向こうが『櫻井は『納税は公共サービスの対価だ』と言っている。これを小林先生のセリフにしてほしい。バシッと決まりますから』と言ってきたから、私は『その主張は間違っています。憲法学者として嘘を言うことはできません』と断りました
 ようは、ただでさえ別人によるインタビューであることに加え、なんと櫻井氏側は、完全なる“ヤラセ”を仕掛けていたのだ。小林教授が言ったことにして自説を広めようとする詐欺的行為も下劣きわまりないが、しかも、小林教授が誤りを指摘したにもかかわらず、あとで掲載されたものを見ると「堂々と『納税は道路や水道や教育や治安等の行政サービスの対価である』と書いてあ」ったという。
 
 しかも、どうやらこうした手口は、櫻井氏の得意技であるらしい。実は櫻井氏は10年ほど前にも、勝手に発言を捏造したことを告発されている。
  月刊誌「創」(創出版)1997年4月号で、まだ国会議員になる前の福島瑞穂氏が、従軍慰安婦の議論に関して櫻井氏とこんなやりとりがあったことを明かしているのだ。
〈1996年12月上旬頃、桜井さんから電話がかかってきた。「福島さんに対して実に申し訳ないことをしました。講演をしたときに、うっかり口がすべって『従軍慰安婦の問題について福島さんももう少し勉強をしたらどうですか』と言ってしまったのです。本当に申し訳ありませんでした」といった内容の謝罪の電話であった。12月29日ごろ、講演録の冊子を見て心底驚いた。
 「私は福島さんを多少知っているものですから、あなたすごく無責任なことをしているんではないですか、というふうに言いました。せめてこの本を読み、せめて秦郁彦さんの研究なさった本を読み、済州新聞を読み、そして秦郁彦さんなどの歴史研究家の従軍慰安婦の資料を読んでからお決めになったらどうだろう、吉田清治さんの本を証拠として使うこと自体がおかしいのではないかと言ったら、ウウンまあ、ちょっといろいろ勉強してみるけど──というふうにおっしゃってましたけれども……」となっているのである。
  講演や話し言葉のなかで、うっかり口がすべったり、不確かなことをしゃべってしまうことはもちろんある。しかし、この講演で話されている私との会話は、全く存在しない架空の虚偽のものである。〉
 ようするに、櫻井氏は論敵である福島氏との虚偽の会話をでっちあげ、さも自分が言い負かしたかのように語っていたのである。
 
 櫻井氏の嘘が露呈したケースは他にもある。たとえば、2006年、日経新聞が元宮内庁長官・富田朝彦が遺した1988年4月28日のメモ(いわゆる富田メモ)から、昭和天皇が靖国神社のA級戦犯合祀に強い不快感をもって参拝を拒否していたことをスクープした際は、それを否定しようと、資料を完全に読み違えて「日経は世紀の誤報だ」とがなりたてていた。
 また、2014年には、女系天皇を否定し、旧宮家の復活を主張するために、『文藝春秋』のインタビューで「かつては、必要な血筋の方を天皇に据えるべく、六百年を遡ったこともある」とまるっきりのデタラメを口にし、小林よしのり氏から、「とにかく、信じられない間違いだらけ!! こんなバカな間違いを平気ですることで、明白です。櫻井よしこは、皇統のことなんか、一切真面目に考えてもいないのです!!!」と一刀両断されている。
 
 まさに、小林教授のいうように、櫻井氏は自分の主張を貫き通すために、平気で「嘘を発信」しまくってきたのだ。こんな人物をアイドルのように祭り上げる右派論壇の頽落たるや、もはやため息もでないが、しかし問題にすべきは、安倍首相が櫻井氏を重用して、いま、積極的に“政権別働隊”として改憲のための世論操作を仕掛けていることだろう。
「大きな嘘でも幾度となく繰り返せば、最終的に人々はその嘘を信じる」とはナチスドイツの宣伝省大臣だったゲッベルスの言葉だが、やはり、安倍政権はこのナチの手法に倣っているらしい。“エセ言論人”と安倍政権の策謀に、われわれは決して騙されてはならない。 (宮島みつや)

03- 災害時名目の「緊急事態条項」 22弁護士会が異議

 自民党によって東日本大震災の後に強調されるようになった緊急事態条項は、いま熊本地方を襲っている大地震においても、「同条項があれば非常に有効であった」として櫻井よしこ氏らが必要性を強調しました。
 しかし「緊急事態条項の何によってどんな混乱が防げたのか」と記者から問われると、櫻井氏はそれに答えることが出来ませんでした
 4月28日 大震災に緊急事態条項が必要? 誰も納得しない
 もともと震災に関しては「災害対策基本法」などで完璧に対処できるというのが識者が既に指摘しているところであって、櫻井氏は災害をこの際脅迫的に活用しようという意識だけが旺盛で、そうした基礎知識がなかったのでした。
 
 神戸新聞が、全国22の弁護士会が「緊急事態条項(国家緊急権)」の新設に対して反対の声明を出していることを報じました
 その中には、東日本や阪神・淡路、新潟県中越地震を経験した、兵庫など被災5県の弁護士会も含まれていて、「災害対応を理由にした改憲論議は災害法制の無理解に基づいていると批判していると述べています
 以下に紹介します。      
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災害時名目の「緊急事態条項」 22弁護士会が異議
神戸新聞 2016年5月2日
 東日本大震災の後、憲法改正の焦点の一つに浮上した「緊急事態条項(国家緊急権)」の新設について、全国の22弁護士会が反対の声明を出している。東日本や阪神・淡路、新潟県中越地震を経験した兵庫など被災5県の弁護士会も含まれ、「災害対応を理由にした改憲論議は災害法制の無理解に基づいており、国民の不安をあおっている」と批判している。(木村信行)
 
 緊急事態条項は、地震などの巨大災害やテロ、武力衝突が発生した場合に憲法秩序を一時的に停止して首相の権限を強化し、国民の権利を制限する内容。
 自民党は東日本大震災後の2012年、「非常事態に対応する条項がいる」として改憲草案に盛り込んだ。津波被災地でがれきが救助を阻んだ事例があり、「私有財産が障害となり救助が遅れた」との主張が必要論の根拠の一つだ。安倍晋三首相は今年1月の参院予算委員会で「大切な課題」と指摘。菅義偉官房長官も熊本地震後、必要性に言及した。
 
 日本弁護士連合会などによると、15年以降、全国の22弁護士会(連合会を含む)が反対の声明を提出。福島第1原発事故で被災した福島県弁護士会は「政府の初動対応が不十分だったのは、『安全神話』の下、大規模な事故の発生を想定してこなかった対策の怠り」と指摘し、「被災者の救援と被災地の復興に必要なのは、政府への権力集中ではなく、既存の法制度を最大限活用すること」とする会長声明を出している。
 兵庫県弁護士会も「災害対策を理由にした緊急事態条項は不要」と表明。今年3月に声明を出した京都弁護士会は「権力分立、立憲主義といった憲法の基本原理を破壊する大きな危険がある」としている。
 
 同条項に詳しい永井幸寿弁護士(兵庫県弁護士会)は「日弁連が東北の自治体に実施したアンケートでは、ほぼ全ての自治体が災害対応で憲法が障害になった事例はないと回答している。災害の現実を踏まえた冷静な議論が必要だ」と指摘。菅官房長官の発言を踏まえ、「熊本地震を経験した九州の弁護士会でも今後、反対声明が増えるだろう」と話す。
 
【緊急事態条項】 国家緊急権と呼ばれ、フランスやロシア、韓国などが憲法に定める。米国、英国は「マーシャル・ロー」という不文の制度で国家緊急権を認める。日本の明治憲法は、緊急勅令や天皇の非常大権といった緊急権を定めていた。