日刊ゲンダイに掲題の記事が出ました。
題意のとおり 自民党内に蔓延していた「石破おろし」の空気は、「『総裁選前倒し』の要求が「記名」式に変わった途端に腰砕けになり、朝日新聞の調査にも「8割が答えない」という有様です。
結局そうした動きは国家国民のためではなく、我が身かわいさと保身だけで信念もないものであることが明らかになりました。そもそも自民3連敗の責任を石破首相に押し付けるという発想も間違っていました。これでは国民の支持は戻ってきません。自民党は野に降りて反省すべきでしょう。
併せて日刊ゲンダイの記事「高市派『石破おろし』巻き返しに漂うヤブヘビ感…~」を紹介します。
石破首相に退陣を迫り「高市早苗首相」の爆誕を切望する連中が猛チャージをかけていて、26日発売の保守系月刊誌「WiLL」に反石破派が揃い踏みし、「石破おろし」に血道を上げる理由をおのおの開陳したそうですが、その論旨はめちゃくちゃで、バイデンにおもねた岸田前首相を「ディープステートと結びついている」と批判する輩までいて、ヤブヘビ感が漂い、かえって高市氏の前途を危うくしかねないということです(^○^)
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しょせんは卑しい自己都合 記名でビビる「石破おろし」の不甲斐なさ
日刊ゲンダイ 2025/08/29
(記事集約サイト「阿修羅」より転載)
何ともさえない自民党。総裁選前倒しも「記名」にされた途端に腰砕け。朝日の調査にも8割が答えない情けなさ。
結局、国家国民のためでなく、我が身かわいさと保身だけ。信念もないから、世論の動向に右往左往。なんともバカバカしい自民党議員の質と正体。
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「首相の命運 弱腰議員が左右」─。一般紙の見出しにしては、激しいというか露骨というか。自民党の総裁選挙管理委員会が、総裁選前倒しを要求する議員の氏名公表を決めたことを報じた、28日の産経新聞記事の見出しである。「弱腰議員」とは、石破首相(党総裁)の退陣を迫り総裁選前倒しを求めながら、氏名の公表を嫌がる議員のこと。産経は27日の社説で「首相の延命は許されない」と主張していた。総裁選やるべし、という立場だからなのだろうが、「弱腰議員」との命名には妙にうなずいてしまう。
総裁選管が決定した意向確認の手続きは、総裁選前倒しを要求する議員だけが、署名・押印した文書を党本部に自ら提出するというもの。提出日は、9月8日の午前10時から午後3時までになる見込み。前倒しを要求しない議員は回答不要だ。結果は、即日集計され、前倒しを要求した議員名と都道府県連名が公表される。議員295人と47都道府県の代表の合計342人のうち、過半数の172人の要求が集まれば、総裁選が実施されることになる。
選管の会議は、記名か無記名か、議員名を公表するかどうかで揉めたらしい。最後は、逢沢一郎委員長の裁定で「記名・公表」となった。逢沢は「公表した方が、党に対する印象や信頼感が増す」と説明するが、この決定に早速、党内は「ハードルが上がった」「踏み絵だ」などの不満が渦巻く。総裁選前倒しの要求が過半数に満たなければ、石破続投が確定するからだ。
で、記名にビビる。
「入閣待機組など政務三役ポストを期待する議員は二の足を踏む」「石破おろしに加担したと、地元の支持者に批判される」などと途端に腰砕けだ。しかし、公表されるのは嫌だなんて、覚悟のない情けない議員は、とっとと政治家を辞めたほうがいい。
大の大人が自分の考えで動けない
27日は、旧安倍派、旧茂木派、麻生派、旧二階派の中堅議員など「当選5回の有志」が集まって“情報交換”していた。前倒しのための多数派工作の一環のようだが、これにも自民党議員の不甲斐なさが透ける。
「これまで派閥の指示通り動いていたから自分の頭で考える訓練をしていないのでオロオロするわけです。隣の人はどう動くのか、『どうよ』『どうする』って聞かないと心配で仕方がないから同期で集まる。しかし、そろそろ政党の党議拘束を外そうかという世の中になろうかという時代に、大の大人が自分の考えで動けないのか。何が怖いの? 何を守りたいの?これでは、やっぱり自民党はダメなんだな、ということになる」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
前倒しの是非についてメディア各社が議員にアンケートを行っているが、朝日新聞の調査では295人中、8割が態度を明かさず、JNNの調査でも63%が態度を示さなかった。「参院選総括の報告書を見てから」という一部議員もいるが、とにかく様子見、沈黙なのである。
政治評論家の野上忠興氏はこう言う。
「党の再生のためだとか何だとか、いろいろ偉そうなことを言っているけれど、結局、一番の優先事項は『保身』なんですよ。名前が出たら人事に影響するとか、もし解散になったら公認がもらえなくなるんじゃないかとか、政務官や副大臣のポストをもらって箔を付けなきゃいけないから、余計なことをしない方がいいとか。そういう腹の内がミエミエ。自民党はどうしようもないと世間から見放されているのに、まだやっている」
国家国民のためではなく、しょせんは卑しい自己都合。信念がないから、世論調査で「首相は辞める必要はない」が増えると、右往左往する。何ともさえない自民党。もう限界だ。
参院選から1カ月、政治空白をつくっているのは自民党
弱腰議員たちの判断がどうなるのか。注目されているのが、参院選大敗の要因を検証する総括委員会の報告書だ。29日開かれる総括委で素案が提示されるが、派閥裏金事件を中心とする「政治とカネ」の問題について明記される方向だ。
本をただせば、自民党に対する不信感が高まったのは旧統一教会問題であり、裏金事件である。特に裏金については、旧安倍派、旧二階派、旧岸田派で計9億円を超える不記載額があり、中でも旧安倍派は80人近くが、最高5154万円もの裏金をつくっていた。
ところが、政治倫理審査会に呼ばれた旧安倍派議員らは「派閥が」「秘書が」を連発し、責任転嫁に終始。いつ、誰が、どうして、という原因究明の基本すらやらず、いまだ裏金事件の全容は解明されていない。石破の前任者の岸田前首相も裏金議員の処分を大甘で済ませ、問題をウヤムヤにした。カネに汚い自民党の正体みたり。その結果、2度の国政選挙でNOを突き付けられたのだ。
責任を問われるはずの石破の支持率が上がる摩訶不思議は、裏金のド真ん中にいた旧安倍派幹部が、離党させられた身で テレビ出演し、「石破首相の交代が必要だとの認識で一致した」とエラソーにしゃしゃり出たことが一因。世論の「判官びいき」は「裏金議員のオマエが石破おろしをやれるのか」という批判の裏返しである。
「裏金問題に対する有権者の怒りは、やっぱり次元が違うんですよ。そこをクリアにしなければ、どんなに奇麗ごとを並べても誰も納得しない。旧安倍派の5人衆が石破おろしをやっていることへの反感が、石破首相への同情となり、支持率が上がっているわけですから。なぜ裏金をつくったのか、誰が指示したのか、もう一度調べ直したらどうですか。庶民はきっちり領収書を残して確定申告して税金を納めているうえ、物価高の生活苦がのしかかり、二重の恨みがたまっている」(野上忠興氏=前出)
自民党の常識は世間とズレまくり
総裁選をやろうがやるまいが、自民党の再生なんて無理だろう。「永田町の常識は世間の非常識」とよく言うが、自民党の常識は世間とズレまくりだ。狂乱物価高の対策もやらず、参院選の民意である消費税減税にも手をつけず、国民生活をほったらかして、内部抗争にかまけている。そのくせ、氏名公表は嫌だとは、なんともバカバカしい議員の質と正体。自民党は終わっている。
「総裁選をやってしっかりケジメをつけて、と考えている人たちは結構多いのですが、でもそれをやったら臨時国会が始まるのが10月半ばになってしまう。責任政党だとか、比較第1党だとか言っているけれど、参院選が終わってから1カ月以上、おまえたちは何をやっているのか、政治空白をつくっているのは自民党なんだよ、というのが多くの国民の心情でしょう。トランプ関税はどうなるのか、2万円の現金給付はどうなったのか。自民党の都合で全部止まっているのですからね。自民党は勘違いしているんですよ。70年間政権を運営してきたから、多少強引にでも自分たちがやった方がいいと思い込んでいる。しかし、もうそういう時代じゃない。70年の自民党政治が間違いだったと国民から突き付けられているのに、まだそれに気づかない人たちがいる」(角谷浩一氏=前出)
自民党は総裁選をやる前に、解党するか、下野するのが先じゃないか。
高市派「石破おろし」巻き返しに漂うヤブヘビ感…杉田水脈氏らが保守系月刊誌で開陳しためちゃくちゃ論調
日刊ゲンダイ 2025/08/28
石破首相に退陣を迫り、「高市早苗首相」の爆誕を切望する連中が猛チャージをかけている。26日発売の保守系月刊誌「WiLL」に反石破派が揃い踏みし、「石破おろし」に血道を上げる理由をおのおの開陳したのだが、ロジックはめちゃくちゃ。バイデン米大統領におもねた岸田前首相を「ディープステート(DS)と結びついている」と批判する輩までいて、ヤブヘビ感が漂う。かえって高市氏の前途を危うくしかねない。
誌面に登場したのは、7月の参院選で辛うじて4選した西田昌司参院議員、4選を逃した佐藤正久前参院議員、鞍替えに失敗した杉田水脈元衆院議員や長尾敬元衆院議員。旧茂木派の佐藤を除けば、みな旧安倍派だ。
裏金411万円をつくった上、「ひめゆりの塔」をめぐる暴言などで落選しかけた西田氏は「自民再生のためにフルスペック総裁選をやれ」と主張。衆参両院で与党が過半数割れに追い込まれた原因は裏金事件ではなく、石破が〈還付金復活の真相究明をせずに〉解散総選挙を打ったからだと非難。非公認候補者が支部長の支部への2000万円支給もヤリ玉に挙げ、〈二重三重に不可解な対応を行った〉〈石破総理は、この問題を全く理解していなかったのです〉とエラソーに断じたからア然である。
裏金1564万円の杉田氏は落選した恨みつらみを並べ立て、昨秋の総裁選にイチャモン。〈党員票は高市氏の方がとったのに、最後の決選投票で国会議員票によりひっくり返したという不信感があります〉などと岩盤保守層の支持離れをこじつけた。それを言ったら、2012年の総裁選で返り咲いた安倍元首相の正統性はどうなるのか。
岸田前首相を「DS側と結びついている」と強調
圧巻なのは4年近く浪人中の長尾氏だ。日中国交正常化を実現した田中角栄元首相を師事する石破首相を「親中派」「無敵の人」と揶揄し、DSと結びつく岸田前首相と連携して旧安倍派を潰しにかかっていると強調。裏金事件を捜査した東京地検特捜部もDS側に立っているというから陰謀論は底知れない。政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。
「彼らは保守派というより極右ですから、マトモな主張を期待する方が酷です。自民党退潮の最大要因は、アベノミクスによる経済衰退や格差と貧困の拡大。大企業や富裕層だけを潤したこと。国民生活に目を向ける政策に転換しない限り、自民党が浮揚することはない」
ちなみに、参政党の梅村みずほ参院議員も「高市政権なら協力します!」と参戦。こうした面々に推される高市氏は同誌の連載で「自民党は保守回帰する!」と宣言したものの、追い風になるのかどうか。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。