植草一秀氏が掲題の記事を出しました。
石破首相は7日夕刻 記者会見を行い、自民党総裁の職を辞することを表明しました。
「米国との関税措置に関する交渉に一つの区切りがついた今こそが『しかるべきタイミング』」であり、「8日になれば臨時総裁選挙要求の意思確認が行われ、党内に決定的な分断を生みかねない。それは決して私の本意でない。総裁選挙には立候補しない」と述べました。
そして「『石破なら変えてくれる』という強い期待で総裁になったと思うが、党内で大きな勢力を持っているわけではなく多くの方々に配意しながら融和に努め、誠心誠意努めてきたことが結果として『らしさ』を失うことになった。『どうしたらよかったのかな』という思いはある」と振り返りました。
また「遅きに失した」との見方はありますが、「(これまでは)政府の機能を停滞させる余裕がなかった」というのは事実と思われます。
問題は次の総理総裁に誰がなるかですが、より不適当な人物がその職に就くようであれば何のための「石破降ろし」だったのかということになります。
良し悪しは兎も角として ようやく物事をキチンと説明できる首相が誕生したと思ったのですが・・・
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選挙が示した民意の重み
植草一秀の「知られざる真実」 2025年9月7日
自民党の石破茂総裁が総裁を辞任する意向を表明した。
石破内閣は終焉する。
焦点は次期自民党総裁に誰が選出されるかと次の内閣がどのような枠組みで編成されるかに移る。
私は7月20日の参院選開票結果を受けて、直ちに石破首相は退陣を免れないと7月21日付本ブログ、メルマガに次のように記述した。
ブログ「自滅の刃で自民が自滅」https://x.gd/Tp3mz
メルマガ「壊憲連立樹立に向かう悪夢」https://foomii.com/00050/
「このハードルをクリアできなければ責任問題に発展するのは自明。
ところが、自公過半数割れの見通しが濃厚になるなかで石破首相は首相続投の意向を表明。
政治家の出処進退は自分自身で決めるもの。
勝敗ラインを低すぎる自公で50と定めたのであるから、これを割り込めば引責辞任は免れない。
続投を表明しても異論が噴出し、首相辞任に追い込まれることは明白だ。
引き際の美学を示せないことはあまりにも(鬼舞辻)無惨」
7月22日付記事には次のように記述した。
ブログ「応仁の乱終結で政局戦国時代」https://x.gd/bD0kp
メルマガ「いま不可欠な革新野党の連帯」https://foomii.com/00050/
「2007年参院選で安倍晋三自民が大敗したとき、引責辞任を強く主張したのが石破茂氏。
ブーメランが石破氏を襲う。石破氏は退陣を免れない。
「石破降ろし」のドタバタ劇を晒して辞任に追い込まれる前に自ら辞意を表明するべき局面。
菅直人氏の二の舞を演じるべきでない。菅直人氏は内閣不信任案が可決される寸前まで首相の座にしがみついたが、最後は辞任に追い込まれた。
負けは負け。速やかに首相の職を辞するべきだ。」
メディアは世論調査で石破内閣支持率が上昇したことを根拠に石破続投支援の言説を流布・拡散させた。しかし、世論調査に信頼性は存在しない。
国政選挙での主権者審判は重大な意味を持つが世論調査をこれと並列に扱うことは失当。
石破続投論をしかけたのは財務省。
国民全体に対する財政面からの支援策提示を阻止したい財務省が、財務省の支配下にある石破内閣続投を目論んだ。財務省は立民野田佳彦氏を支援して、自公と立民による大連立を目論んだ。その究極の目的は消費税再増税だ。
この財務省路線に乗った人物が石破続投論を流布・拡散した。
財務省出身コメンテーターの山口真由氏、国民民主玉木雄一郎氏などを挙げられる。
麻生太郎氏が総裁選前倒しを明言したが、石破続投支援勢力は麻生氏を批判することによって形勢逆転を狙ったが叶わなかった。
すでに指摘してきているように、昨年10月の自民惨敗の主因は裏金議員だったが本年7月参院選は違う。石破首相は25年通常国会で石破カラーを明示するチャンスがありながら、革新的な提案を何一つ示さなかった。
最大の焦点になったのは国民生活を支えるための減税政策と政治腐敗を一掃するための企業献金全面禁止法制化だった。いずれも通常国会で実現しようと思えばできた。しかし、石破首相は二つとも潰した。これに全面加担したのが国民民主玉木氏である。
この石破内閣施政に対する信任投票が参院選だった。その参院選で石破内閣与党が大惨敗。
圧倒的に低い勝敗ラインを越えることができなかったのだから責任を負うのは当然のこと。
引き際で醜態を晒し、石破氏は晩節を汚した。
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