2026年5月21日木曜日

国家情報局暴走の危険 参院内閣委大門氏が参考人質疑 ほか

 トランプがネタニヤフと始めた対イラン攻撃でホルムズ海峡が封鎖された結果重油の輸入が止まりました。最も懸念された「ナフサ」の品切れに対し、高市首相は「ナフサは十分にある」ので大丈夫と繰り返しましたが、現実に医療関連用品や生活用品、住宅建設資材、印刷用インク等々、様々な品がすでに出回らなくなっています。
 尿素の輸入も途絶したためトラック用のNO発生防止剤が品薄になった結果トラックが動けなくなる事態も迫っています。
 それとは別に、円安による輸入品価格の高騰で諸物価の値上がりも著しいのですが、高市政権は何の対策もしようとはしません。
 国民の困窮には何の関心も示さないまま、ひたすら極右法制の成立にだけは熱心であるというのが高市政権です。これほどの反動政権はありません。
 しんぶん赤旗に掲題の記事が載りましたので紹介します。
 併せて日刊ゲンダイの記事:「能天気と頑迷の高市首相が今ごろ『補正』と言い出し…寝言内閣の限界いよいよ見えた」を紹介します。
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国家情報局暴走の危険 参院内閣委大門氏が参考人質疑
                       しんぶん赤旗 2026年5月20日
 参院内閣委員会は19日、政府のインテリジェンス(情報活動)機能を強化する「国家情報会議」設置法案を巡り参考人質疑を行い、日本共産党の大門実紀史議員は「内閣情報調査室」(内調)の「国家情報局」への格上げで、各省庁が個々に収集した情報が集約され目的外使用される危険などを追及しました。
 同法案は、「国家情報局」に「国家情報会議」の事務局として情報活動の総合調整機能を持たせ、各省庁が収集した個人情報を同会議に集約します。
 大門氏は、同法案によって各行政機関が収集した個人情報を本人の承諾なく集約できるようになる危険があり、「『国家情報局』がほぼ制限なしに個人情報を使う危険性がある」と指摘。
参考人の海渡(かいど)雄一弁護士は「おっしやる通りだ」と応じ、同法案第7条は「各行政機関の情報をかなり強制的に取得できる根拠になっている」と解説しました。
 海渡氏は、同7条や、一定の条件で個人情報の目的外使用を認めている個人情報保護法第69条が使われることで「各省庁が集めた個人情報が『国家情報局』に集中する可能性がある」と述べ、「どういう情報を取得してはならないのか、どういう活動をしてはならないのかを法案の中に書き込んでほしい。そうでないと暴走を避けられない」と警鐘を鳴らしました。
 大門氏は、情報活動に対する第三者機関設置や国会による監視の重要性について質問。海渡氏は、どのような情報を集めていいのか、ならないのかの明確な規範が守られているかを判断できる独立機関の設置など「制度を組み合わせ、情報機関が人権侵害を引き起こさないようにする複合的な監視システムが求められている」と指摘しました。


平和国家にふさわしくない 国家情報会議法案で参考人
                       しんぶん赤旗 2026年5月20日
 参院内閣委員会は19日、政府の情報機関の司令塔機能を強化する「国家情報会議」設置法案についての参考人質疑を行いました。
 法案に反対の立場で意見陳述した海渡雄一弁護士は、歴代の自民党政権が、同法案で同会議のもとに設置される「国家情報局」のような司令塔の設置を自制してきたのは、国際紛争解決の手段としての戦争を放棄した憲法のもと、戦争遂行の道具となりかねない国家情報局は「平和国家日本にふさわしくないと考えられてきたからではないか」と強調しました。
 また、ドイツの連邦情報局の場合、ジャーナリストなどからの情報収集を禁止し、ドイツ国民などの個人データを取得することを原則禁止するなどの規制を設けているが。それでもBBCなど報道機関に対する盗聴事件が発生していると指摘。オランダでは議会による監督など統制制度を設けており、韓国でも政治活動への関与や違法な通信傍受、位置情報追跡などを禁止していると説明しました。
 海渡氏は「政府の政策に反対するデモが情報活動の対象になることは想定しがたい」との高市早苗首相の答弁は、「事実に反する」と批判。実際、公安警察は「国家情報会議」設置法案
に続いて国会提出が狙われている「スパイ防止法案」に反対するペンライトデモの参加者について「個人を特定するような形で情報収集している」と指摘しました。公安警察は、市民の個
人情報を収集して電力会社に提供したことが違法と断じられた大垣警察市民監視事件などを起こしており、適法な市民の活動についてさえ情報収集していると指摘しました。
 情報機関に ▽政治的に中立 ▽警察機関と明確に分離 ▽弁護士やジャーナリストの職業上の秘密を侵害してはならない ▽個人のプライバシーの中核情報を収集してはならないなどの義務を課す修正などがなければ、「国家情報会議」設置法案に強く反対すると表明しました。
 元警察官僚で内閣情報官や国家安全保障局長を務めた北村滋氏は同法案を巡り、国際的な情報連携には政府内で情報を統合し継続的にやりとりできる明確な窓口が重要だとして、「国家情報局設置はその基盤整備としての効果が強く期待される。米国、英国、豪州といった同盟国、同志国は、今般の情報制度改革を必ずや歓迎する」と表明。「戦争国家」づくりの一環である米国などの情報機関との一体化を高く評価しました。


能天気と頑迷の高市首相が今ごろ「補正」と言い出し…寝言内閣の限界いよいよ見えた
                          日刊ゲンダイ 2026/05/16
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 米中からスルーされ、外交孤立の高市政権だが内政でもどうにもならない。対中刺激法案や立法事実がない国旗法などに血道をあげ、今ごろ、補正などと言い出す後手後手。この政権にはいよいよ限界が見えてきた
  ◇  ◇  ◇
 いずれ世界は、アメリカと中国が支配する「G2」体制になってしまうのだろうか。
 2日間にわたった米中首脳会談は予定通りに終わった。サプライズもない会談だったが、対立関係から一転、アメリカと中国がウィンウィンの関係に動きはじめたのは間違いない。
 首脳会談では、気味が悪いほど、トランプ米大統領と中国の習近平主席が、互いに相手を持ち上げていた。とくにトランプは、習と中国のことを「偉大な指導者」「偉大な国」と褒めちぎり、「米中関係はかつてないほど良好になるだろう」とアピールしてみせた。ほんの1年前、激しい「貿易戦争」を繰り広げていたのが嘘のようである。
 この先、米中関係のキーワードになりそうなのが「建設的な戦略的安定関係」だ。競争や意見の食い違いを適切に管理し、平和的な関係を構築する──ということだという。ミソは、中国側が提起し、トランプも同意したことだ。
 高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「印象的だったのは、習近平主席とトランプ大統領は対等、もしくは習近平主席の方が優位に見えたことです。注目は、会談の冒頭、習主席が『世界は岐路に立っている。我々大国の指導者が答えを出さなければならない』『私たちは対立相手ではなくパートナーになるべきだ』と呼びかけたことです。中国とアメリカの2カ国で世界を仕切りたいと考えているのは確かでしょう。一方のトランプ大統領も、大国の指導者同士で話し合えば問題は解決する、という考え方の持ち主です。この先、世界は米中が牛耳る『G2体制』、あるいは米中ロの3カ国が仕切る『G3体制』に進む可能性があります

 習近平は、覇権国と新興国が衝突する「トゥキディデスの罠」を持ち出してまで、大国同士の衝突は不毛だと訴えていた。
 実際、国力が落ちている覇権国アメリカが、新興の中国とケンカしても、ほとんど益はないのではないか。中国からレアアースを止められただけで、悲鳴をあげたくらいだ。
 トランプと習近平は、年内にあと3回、会談する予定だ。9月には、トランプが習夫妻をホワイトハウスに招くという。2026年後半、アメリカと中国は急接近する可能性がある。

アメリカに梯子をはずされた
 今ごろ、日本の高市首相は真っ青になっているに違いない。アメリカが中国との関係改善を急ぎ、日本の頭越しに中国に接近する──という悪夢が、いよいよ現実的になってきたからだ。
 日本と中国の関係が良好なら、同盟国のアメリカが中国と接近しても日本は困らないが、中国との関係が修復不能なほど悪化したいま、アメリカと中国が手を結んだら、日本は梯子をはずされ、孤立しかねない
 今年3月、高市がわざわざ訪米したのも、トランプが中国にむやみに近づかないようにクギを刺すためだった。今回も、トランプが訪中する前に、日本に立ち寄って欲しいと懇願したという。事前に中国の悪口を吹き込むつもりだったのだろう。しかし、トランプには相手にもされなかった。
 だが、中国との関係が悪化したのも、アメリカに梯子をはずされそうなのも、どれもこれも高市の「能天気」と「頑迷」が招いた結果だ。
「すべての発端は、昨年11月、高市首相が『台湾有事は日本の存立危機事態』と、国会で答弁したことです。中国の核心である台湾問題は、迂闊に触ると日中関係が一気に悪化してしまうので、歴代総理は曖昧にしていました。なのに、外交のイロハを知らない高市首相は、無防備に答弁してしまった。問題は、その後、訂正、撤回するチャンスが何度もあったのに、かたくなに拒否したことです。すぐに訂正、撤回していれば、問題も収束したはずです。なぜ、国益を考えてすぐに訂正しなかったのか。恐らく『前言を翻したらメンツに関わる』と意固地になったのでしょう。その結果、中国からレアアースの輸入を止められ、訪日客が激減し、人材交流までストップしてしまったのだから最悪です。と同時に高市首相は、中国との関係が険悪になっても、『同盟国のアメリカは、中国より日本を重視してくれるはず』と楽観していたのだと思う。しかし、アメリカは梯子をはずさないとは、いくらなんでも能天気にすぎます」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
 いま、中国に接近しているのはアメリカだけじゃない。昨年12月以降、フランス、イギリス、ドイツと、欧州首脳の訪中が相次いでいる。どの国も、世界第2位の経済大国である中国との関係を深めようと躍起だ。なのに、日本だけが高市外交の失敗で関係がシャットアウトされているのだから、どうしようもない。

この状況でも「ナフサは足りている」
 高市政権は一事が万事、この調子だ。外交だけじゃなく、とうとう内政も行き詰まりはじめている。信じられないのは、今ごろ、補正予算の編成に動き出していることだ。
 エネルギー価格の高騰で打撃を受ける家計の負担を軽減するという。具体的には、夏場の電気代や、ガス料金を補助する。来週にも高市が表明する予定だ。
 しかし、補正予算の編成は、ずいぶん前から野党が要求していたものだ。補正予算どころか、本予算の組み替えを求めていた。イラン戦争がはじまった2月時点で、エネルギー価格が高騰し、いずれ家計を支援する必要に迫られることは分かっていたからだ。
 なのに高市は、いくら野党が補正予算の編成を求めても「直ちに必要な状況とは考えていない」の一点張りだった。
 とうとう、財源が足りなくなり、慌てて補正予算の編成に動き出した形である。しかし、これほどの後手後手もないのではないか。「国旗損壊罪」の成立や「中国包囲網」に血道をあげる暇があったら、さっさと手をつけるべきだったろう。
 しかも、いままで補正予算の編成を拒んできたのは、「野党に指摘されてやりたくない」というメンツと、「まだ、なんとかなる」という楽観だったとみられているから、話にならない。
高市首相の一番の問題は、状況を客観的に見ようとしないことです。たとえば、ナフサです。高市首相はなにを聞かれても『足りている』です。しかし、本当に足りているのでしょうか。とうとう、ポテトチップスは、インクが不足して包装をカラーから白黒にすることになった。どう考えても、ナフサは足りていないのではないか。他国は死に物狂いで原油を確保しようとしているのに、高市政権からは『なにがなんでも石油を確保する』という必死さも感じられない。二言目には『備蓄がある』です。あまりにも能天気というか、危機感が低すぎます。よその国は、省エネを呼びかけたり、ガソリンを節約するためにクルマの利用を制限しているのに、そうした対応もしない。このままでは、気づいたら、底をついていたとなりかねませんよ」(五十嵐仁=前出)
 世界が「G2体制」になったら、中国と対話もできない日本は、どうなるのか。