2026年8月15日土曜日

15- 二島返還を喪失した大失策(植草一秀氏)

 別掲の記事で紹介した通り、ロシアのプーチン大統領が13日、択捉島を訪問しました。
 それに対して高市首相は抗議の意を表明し、茂木外相は駐日ロシア大使に抗議しました。

 植草氏は掲題の記事で、日本とロシアとの間には北方領土をめぐる領土問題が存在し、韓国とは竹島、中国とは尖閣諸島の領有権をめぐる対立が存在するとして、それぞれ、日米戦争終結時の米国の構想に基づいていると説明します。いつもながら明解です。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
二島返還を喪失した大失策
               植草一秀の「知られざる真実」 2026年8月14日
ロシアのプーチン大統領が択捉島を訪問した。プーチン大統領の択捉島訪問は初めてのこと。高市首相は抗議の意を表明した。
日本とロシアとの間には北方領土をめぐる領土問題が存在する。
韓国とは竹島、中国とは尖閣諸島の領有権をめぐる対立が存在する。

日本と周辺諸国との間の三つの領土問題。
歴史的経緯を踏まえると三つの問題の裏側に米国の工作があったことが分かる。
韓国は李承晩政権が竹島の韓国帰属を宣言した。1952年1月18日、韓国の李承晩大統領が「隣接海洋に対する主権に関する宣言(海洋主権宣言)」を行い、公海上に「李承晩ライン(平和線)」を設定した。このラインの内側に竹島を取り込み、竹島の韓国帰属を宣言した

敗戦後の日本が国家主権を回復したのは1952年4月。同年1月は日本が主権を回復していない時期。この時期の竹島韓国帰属宣言を容認したのは米国である。
1972年5月、米国は沖縄を日本に返還した。その際に尖閣諸島の「施政権」を日本に引き渡した。だが、米国は日本の尖閣諸島「領有権」を認めていない
「施政権」とは管理する権限。「施政権」が日本に引き渡されたから、日本は尖閣諸島の管轄権を保持して現在に至る。

しかし、「領有権」について米国は日本の主張を認めなかった。
尖閣諸島の領有権を中国も主張していた。そこで、米国は尖閣諸島の「領有権」については、日本の立場も中国の立場も取らない「中立」のスタンスを示して現在に至る

1972年9月に日本は中国との国交を正常化した日中共同声明で国交を回復した。
その際、尖閣諸島の領有権問題が討議されたが、結論を将来に先送りすることで合意した。
いわゆる「棚上げ合意」である。
「棚上げ合意」が存在したことは1979年5月31日付読売新聞が社説で明記している。
尖閣諸島の領有権問題で日中が対立し、直ちに決着をつけることができないから、その解決を将来に先送りすることで合意した。

ロシアとの国交を回復したのは1956年。これをやり遂げたのは鳩山一郎内閣だ。
「日ロ共同宣言」が発表されて日ロ(当時はソ連)は国交を回復した。
このときに領土問題を解決して平和条約を締結する動きがあった。
北方四島のうち、北海道に近い小島である歯舞、色丹二島をソ連が日本に返還し、これをもって平和条約を締結する動きがあった。

ところが、米国が妨害したと伝えられている。米国は日本に四島返還を要求しろと命令
二島返還で日ソ平和条約を締結するなら、沖縄は永遠に返還しないと「恫喝」してきたと伝えられている。当時の米国務長官はジョン・フォスター・ダレス。
ダレス国務長官が横やりを入れて平和条約締結が流れたとされる。
ダレスの横やりは「ダレスの恫喝」と呼ばれている。

これらの歴史事実を俯瞰すると、要するに、米国は日本の隣国との間に紛争の種を埋め込んだと言える。中国とは尖閣諸島でもめ、韓国とは竹島でもめ、ロシアとは北方領土でもめる。日本が近隣諸国と本格的な友好関係を結ばないように、米国が紛争の種を埋め込んだ。この解釈が成り立つ

日本はロシアとの間に平和条約を締結していない。領土問題が未決着であることが最大の背景。
この状態を打破しようとの動きがなかったわけではないが、現在は冷え切った関係にある。
日ロ関係が激しく悪化した原因はウクライナ戦争に対する日本政府の対応に原因がある。

新著『日本経済の終宴』(ビジネス社)https://x.gd/yNOSpf を上梓しました。
サブタイトルは「絶頂株価後の最強投資戦略」
第1章タイトルは「高市持率工作(こうしじりつこうさく)」
高市暴政の真実を明らかにするとともに株価絶頂を予測し、絶頂株価後の投資戦略を提案する新著。
アマゾンレビューをぜひお願いいたします。
(お願い)
情報拡散を推進するために「人気ブログランキング」クリックをぜひお願いします。


続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」4497号
「日ロ関係を破壊する日本政府」 でご高読下さい。
この機会にメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」ご購読をぜひぜひお願いします。https://foomii.com/00050
『ザイム真理教』(森永卓郎著)の神髄を深堀り、最重要政策争点財務省・消費税問題を徹底解説する新著を上梓しました。
財務省と日銀 日本を衰退させたカルトの正体』(ビジネス社)https://x.gd/LM7XK
ご高読、ならびにアマゾンレビュー、ぜひぜひ、お願いします。
メールマガジンの購読お申し込みは、こちらからお願いします。(購読決済にはクレジットカードもしくは銀行振込をご利用いただけます。)なお、購読お申し込みや課金に関するお問い合わせは、support@foomii.co.jpまでお願い申し上げます。