2016年8月12日金曜日

12- 生前退位問題で安倍政権がしなければならないこと

 安倍首相は「お気持ち」の表明があった直後に、憤然とした様子で「天皇陛下のご公務のあり方などについてしっかり考えて決めなければいけない(要旨)」と語りました。菅官房長官も同じ日に、同趣旨の発言をしています。
 しかし天皇は公務の削減などでは解決にならないと仰ったのですから、官邸の意向はその「お気持ち」を完全に無視するものです。いずれ有識者会議を立ち上げて対策を検討するということですが、そうした下心の元に人選するのであればそんなものは全く無意味で何の役にも立ちません。
 
 虚心に「お気持ち」に向き合えば、そこには何一つ不条理も理不尽さもありません。それだからこそほとんどの国民が生前退位に賛意を示したわけです。それを自分たちの理不尽な「願望」(または「主義」)に反するからと阻止しようというのでは国民は納得しません。
 若しも会議のメンバーの中に少しでもまともな人たちが含まれるのであれば、是非とも議論をリードしてまともな結論が出るようにして欲しいものです。
 
 ジャーナリストの高野孟氏は、天皇の「お気持ち」表明についての識者コメントで、いちばんひどかったものとして、「退位を希望する理由が公務負担の重さなのであれば、減らせばよい」というのと、「憲法に根拠がない公的行為は憲法違反の二つを例に挙げました。確かに余りにも浅薄で呆れ返るほど不誠実な受け止めです。一体何を聞いていたのでしょうか。
 また姑息な手段でなく、皇室が未来にわたって安定的に存続していけるような抜本的な皇室改革を行うべきで、そのためには安倍首相が以前にボツにした「女性天皇・女系天皇」の容認や「女性宮家」の創設にも取り組まなければならないと述べています。
 
 「世に倦む日々」氏は、ツィッターで、「有識者会議の設置は必要ない。政府と国会はすみやかに皇室典範を改正すればいい」、「有識者会議では何も決まらない。安倍晋三と麻生太郎の意向を受けた右翼の論者が、全てを白紙に戻す策動をするだけだ」、「国民的合意なんてもうとっくにできている。今、生前退位に反対する人間なんて、世論調査で5%もいないだろう」、「生前退位の意向というのは、数年前から宮内庁を通じて政府に上げられ、天皇陛下はずっと黙ったまま実現を待っていた」、と述べています極めて明快です。
 
 この問題で安倍政権がしなければならないことは明々白々です。いま安倍首相が深謀をめぐらせているものこそ、天皇制の政治利用であることを自覚すべきです
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「お気持ち」に応えれば改憲戦略は先延ばししかない
高野孟 永田町の裏を読む  日刊ゲンダイ 2016年8月11日
 天皇の「お気持ち」表明についての識者コメントで、いちばんひどかったのは2人の憲法学者で、ひとりは横田耕一・九大名誉教授の「退位を希望する理由が公務負担の重さなのであれば、減らせばよい。極端に言えば、国事行為だけをしていれば問題ない」(日経9日付)というもの。もうひとりは浦田賢治・早大名誉教授の「憲法に根拠がない公的行為は憲法違反」(東京9日付)だ。
 
 いったい何を聞いていたのだろうか。天皇はメッセージを通じて、国事行為以外の、被災地慰問、戦跡地慰霊はじめ公的行為で全国各地を歩き、人々とじかに触れ合うことこそが「天皇の象徴的行為」として最も大切なのであって、「全身全霊をもって」それを果たせなくなるのでは天皇の座にあることに意味がないと訴えているのである。「国事行為や公務を限りなく減らしていく」ことや、「摂政を置く」ことは、そのことの解決にはならないとも明言している。
 憲法にある国事行為は、元首であった明治憲法下の天皇の行いを、形の上だけで引き継いだもので、もし公務を減らして解決するなら、こちらを廃止するのが筋である。この学者どもは、憲法の条文が何より大事で、天皇の心や体がどうなろうと知ったことではないという倒錯に陥っている。
 
 さて、摂政はダメだと言われてショックを受けているのは、安倍晋三首相だろう。皇室典範の見直しとなると、10年前の「女性天皇・女系天皇」や野田政権時の「女性宮家」の議論が蘇ってきかねない。「男系男子」一筋で「万世一系」神話を守りたい安倍やその背後の日本会議系の右翼は、それを何より嫌っていて、現典範の摂政条項の拡大解釈か、1回限りの特別立法で切り抜けようと模索していた。
 
 しかし、そういう姑息な手段でなく、皇室が未来にわたって安定的に存続していけるような抜本的な皇室改革を考えてもらいたいというのが、お気持ちの根本趣旨であるから、安倍は有識者会議を編成して本格的に議論し、しかも早急に結論を出さなければならない。漫然と先延ばししているうちに万が一、天皇が病に伏すようなことがあれば、切腹では済まないことになるからである。
 むしろ、秋に憲法審査会を開いて、来年にも「環境権」か何かでお試し改憲を、という安倍の改憲戦略のほうを、大幅に先延ばしせざるを得ないのではないか。安倍が天皇のお気持ちとそれを支持する世論に応えようとすれば、日本会議系からの安倍批判がますます激しくなるという股裂き状態に追い込まれつつある。 
 
  高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。 
 
 
「生前退位」問題 (世に倦む日日 ツイッターより)
世に倦む日々 2016年8月9日
産経を含むマスコミが、有識者会議の設置は難しいと言っている。有識者会議の設置は必要ないよ。天皇陛下があれだけストレートに意思と希望を表明したのだから、政府と国会はすみやかに皇室典範を改正すればいい。皇室典範改正以外の選択肢はない。時間を無駄にするな。早くやれ。
 
考えなきゃいけないのは、退位後の天皇の地位と秋篠宮の地位だ。おそらく、これについても天皇陛下の方から意向のリークが出るだろうし、それで方向性が決まるだろう。有識者会議では何も決まらない。安倍晋三と麻生太郎の意向を受けた右翼の論者が、全てを白紙に戻す策動をするだけだ。右翼は無用。
 
天皇陛下がまさに弁慶の仁王立ちのようになって、日本国憲法を守っている。平和憲法を破壊しようとする者の行く手を阻んでいる。国民を守っている。昨夜のNHKの特番での「そうじゃないんだ。それではだめなんだ」の言葉はよかった。今度はわれわれが天皇陛下を支える番だ。生前退位の即実現を
 
戦後民主主義の別名である「民主主義の永久革命」。その思想と運動の体現者として、天皇陛下ほどぴったり該当するイメージの存在はない。永久革命してますよね。象徴天皇制をより理想的なものに。平和憲法の日本国をより本来的で普遍的なものに。82歳でも諦めずに理想を追い求めている。革命家だ。
 
生前退位について、安倍晋三の息のかかったマスコミや政治家は、国民的合意が必要だとか慎重な議論が必要だとか言うが、国民的合意なんてもうとっくにできている。今、生前退位に反対する人間なんて、世論調査で5%もいないだろう。慎重な議論なんかしてたら、天皇陛下がお年で死んでしまう。
 
朝日の記事やNHKの報道でも出ているが、生前退位の意向というのは、数年前から宮内庁を通じて政府に上げられ、天皇陛下はずっと黙ったまま実現を待っていた。いつまで経っても政府が棚上げして動かないから、とうとう我慢できなくなって、国民に直接メッセージすることを決断したものだ。
 
前にアリストテレスの統治形態の三類型論を紹介した。アリストテレスは言った。どれがいいってもんじゃなくて三つは相対的なんだと。言い得て妙だ。東アジアを見て下さい。中国、アリストクラティアですよね。北朝鮮、バシレイヤですよね。日本、デモクラティアなんだけどオクロクラティアですよね。
 
推測だが、NHKの会長と経営委員長、極秘で皇居に呼ばれたんじゃないかな。天皇陛下に「よろしく頼みます」と頭を下げられたら、どれほど安倍晋三に忠実な飼い犬でも、天皇陛下を裏切ることはできませんよね。結局、官邸は巻き返すことができず、お気持ち表明の阻止も、文言の骨抜きもできなかった。
 
生前退位の法制化から憲法改正を引っ張り出すのは無理だ。生前退位は皇室典範の改正で済む。安倍晋三もそこまで強引なことはできないし、無理にやろうとすれば失敗して支持率を一瞬で失う。憲法改正が必要だと言っているのは、皇室典範を改正したくない右翼の(右翼だけに通用する)言い訳だ。
 
生前退位の法制化のためには憲法改正が必要だなどと言って安倍晋三が突っ張ったら、安倍晋三は天皇陛下の意向の無視するのかということになり、世論の反発を食らって支持率は一気に落ちる。天皇陛下は護憲。憲法改正を理由にして皇室典範改正を拒むことは、天皇陛下と喧嘩することになる。
 
政府の根回しは済んでなかったんだよ。少なくとも安倍晋三はOKしていない。だから、7月13日の第一報の後、NHKの報道を打ち消すような政府関係者の発言ばかり続いた。そういうこともあるんだよ。そういうことができるのは(この国でそういう権力を持っているのは)天皇陛下だけということだ。

2016年8月11日木曜日

沖縄振興予算3000億円台 翁長氏、菅氏に要望

 菅官房長官4日沖縄県の米軍基地問題と地元振興策との関係について、「リンクしている」と述べ、米軍普天間飛行場移設問題が長期化した場合、振興予算を減額する考えを示唆しました。
 それに対して沖縄の翁長知事10首相官邸で菅氏と会談し、2017年度の沖縄振興予算について3000億円台を確保することを要請し菅氏は「ぜひやりたい」と応じました。
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沖縄振興予算3000億円台 翁長氏、菅氏に要望
東京新聞 2016年8月10日
 沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は十日、首相官邸で菅義偉(すがよしひで)官房長官と会談した。翁長氏は二〇一七年度の沖縄振興予算について、安倍政権が仲井真弘多(なかいまひろかず)前知事時代に約束した三千億円台の予算規模確保を続けるよう求め、菅氏は「ぜひ、やりたい」と答えた。
 
 翁長氏は航空機燃料税の軽減措置など優遇税制の維持・拡充などを求める要望書を菅氏に手渡した。会談後、翁長氏は米軍基地問題と振興予算を関連づけるリンク論の話題は「全くなかった」と記者団に述べた。
 沖縄振興予算に関しては菅氏が四日、翁長氏の反対で進んでいない米軍普天間(ふてんま)飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)移設問題と絡め、振興予算の減額が将来的にあり得るとの考えを表明。九日に沖縄県を訪れた鶴保庸介沖縄北方担当相も三千億円を下回る可能性に言及していた

日本会議系右翼にとって皇室典範改正は

 この度の天皇の生前退位問題に関連する こたつぬこ氏のツィッター記事です。
 同氏はその中で生前退位について、故 奥平康弘東大名誉教授が「天皇の退位は非人間的地位からの脱出で、天皇の退位の自由否定することは違憲の疑いがある」と述べていることを紹介し、戦後教育を受けた者の大多数にとって「自分たちにはある人権が、なぜ天皇にはないの」という素朴な疑問として受け止められているとしています。
 天皇の「お気持ち」は皇室典範を改正すれば実現できることなので、それを今まで放置してきたのは政府・国の怠慢であったと言えます。 
 
 こたつぬこ氏はその一方で、安倍首相や日本会議にとっては、まさに皇室典範こそが「右翼の憲法9条」に当たるもので、それに手をつけたら彼らのアイデンティティが崩れてしまうが故に、絶対に受け入れられないことだとしています。
 彼らにすればようやく悲願の憲法改正に辿り着いた矢先に、思いもよらずに皇室典範改正に追い込まれて戸惑っているというものです。
 
 それにしても、皇室典範が改正される事態になればアイデンティティが失われかねない・瓦解しかねない組織理念とは、なんとまあ脆弱にして時代錯誤的な観念の上に築かれたものなのでしょうか。
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日本会議系右翼にとって皇室典範改正は「反日サヨクによる国体解体謀略」
こたつぬこ 晴耕雨読 2016年8月9日
僕の出身学科は天皇制研究の拠点だったわけで、天皇制を機能・構造で論じるか「それ自体」として論じるかで万華鏡のように姿が変わる天皇制の厄介さを捉えようと議論したことに思いを馳せれば、いまこの歴史的局面でつぶやかないなどありえるかと。
つまり安倍さんや日本会議にとって皇室典範は「右翼の憲法9条」なのかもしれませんね。
それに手をつけたらアイデンティティが崩れるような。
これまで全力で改正を阻止してきたが、天皇と左翼リベラルが改正派になるという、憲法と逆のパターンが。
日本会議系右翼にとって皇室典範改正は「反日サヨクによる国体解体謀略」に他ならないわけです。
彼らは今の「天皇」にだけ生前退位を認めることで「天皇制=国体」を守り抜こうとするでしょう。
 
>本秀紀 天皇制を「憲法番外地」と捉え、したがって「天皇の人権」なるものは論題設定自体がナンセンスと論じた故・奥平康弘は、だからこそ、非人間的地位からの脱出=退位の自由の否定を「違憲の疑いがある」と解した(奥平『憲法Ⅲ』41頁参照)。
 
今回の天皇発言をめぐり、自民から共産党まで等しく「天皇の声に応えた」かのようにいわれていますが、全然違います。
自民は「臣民的反応」、共産、社民はこの奥平康弘の「脱出の自由」の人権アブローチに近いもの。
この奥平康弘説は実は国民多数の感覚にフィットしやすい。
戦後教育を受けた者の大多数は「自分たちにはある人権が、なぜ天皇にはないの?」という素朴な疑問をもつ。
だから9割が生前退位に賛成なわけで、天皇はその民主主義感覚に働きかけたわけです 
日本会議系右翼にとって、天皇は天皇制のもとで憲法の枠外にある「特別な権威」でなければいけない。
しかし大衆感覚からすると、天皇は憲法の枠外におかれ、退職する自由さえ認められない「かわいいおじいちゃん」なわけです。
この「かわいい天皇」「かわいそうな天皇家」イメージは、女性週刊誌などで普及しました。
 
他方右派論壇は皇室に復古的権威を要求するDV野郎の役割を果たしてきました。
皇室典範改正をめぐる議論は、この二つの天皇像の争いを激化させます。
保坂正康のコメントがまさにそれ「戦後、憲法は国民に個人の自由や市民的権利を認めた。しかし典範は変わらなかった。われわれが市民的権利を享受していながら天皇には終身在位を求めて一切隔絶された空間に置き、知らん顔しているのはむちゃな話だ」
今の天皇は、自分の路線に「天皇制」を変えようとしているわけです。
 
「天皇」ではなく「天皇制」にアイデンティをおいてきた右翼は、遂に悲願の憲法改正に辿り着いた瞬間に、皇室典範改正により梯子を外されようとしているわけです。
大混乱ですよ。
なおここでいう「天皇制」は日本会議系右翼が想定する「天皇制」であり、帝国憲法に規定され日本国憲法の下でも残存した「天皇制」です。
今の天皇はこの帝国憲法の遺制を粉砕し日本国憲法に基づく象徴天皇制を完成させる最後の闘いを仕掛けたわけです
 
>田川滋‏「生前退位」の問題は文字通り「生前」に解決しないとしようした行為自体が無意味になる。だから刻限は切迫している。皇室典範改正がややこしいならまず特別法もアリ、と思ったけど、考えてみれば典範を「そこだけ追加」しても同じですよね。足りないと思えばその後また改正すれば良い。
>田川滋‏続)皇室典範を「軽々に何度も変えるものではない」と考える必要も無い。法的な齟齬が起きなければいい。現憲法では皇室典範は一般の法律と同じ。国会の過半数で改正できる。つまり「時の与党」が変えたければ変えられるもの。これが「天皇を残した」憲法に実は仕込まれていた「国民主権」の証明。
>想田和弘「天皇陛下のお言葉なのだから国民は重く受け止めなければならない」的な言説や態度、ムードには、たとえ「お言葉」の内容がいかに優れたものであったとしても、違和感と危険性を覚えざるを得ない。もっとフラットに捉えないと、天皇制ファシズムはいとも簡単に復活しますよ。
 
こういう「とりあえずファシズムと言っときゃいいや」みたいなお手軽なのは、事態を見る目を曇らせますね。
 
>本秀紀日本社会の自由を心底念願したからこそ「天皇制なるもの」にこだわり抜いた奥平先生は、まさか天皇自身の「お気持ち」表明を契機として、自己の卓抜なる見解が注目を浴びるなんて、思いもしなかっただろうなぁ。「お気持ち」が聞けないのが残念・・・
 
ほんとそうですよね。奥平先生が残してくれた矢で、日本会議系右翼を射ぬけます。
今の天皇はずっと戦後民主主義を基盤とした象徴天皇制の確立を目指してきたわけだが、それと並行して戦後民主主義を否定する新右翼が台頭し、ついに安倍政権で支配権を握ったわけです。
広くみれば天皇はこの「ねじれ」を解消しようとしている。
これまで天皇は二度、ビデオメッセージで直接国民に語りかけていますが、いずれも311後。
311後、あらたな社会運動が台頭し、戦後民主主義を再評価し、そして「国民なめるな」というスローガンを掲げた。
天皇はこの「311後の国民」に語りかけているようにもみえる。
 
>牛茶‏主権回復記念の式典で万歳されたときの表情が忘れられない。

これですよね。とくに美智子氏の顔には激しい嫌悪感が浮かんでいます。写真及び関連個所省略
 
>原武史8月7日午後4時30分から御所応接室で天皇の「お言葉」が収録されたさい、皇后はすぐ近くで収録の模様を見守っていたという。今回の文章も事前に皇后が念入りにチェックしていたように感じる。だがその存在は、まるで簾を垂らしているかのように見えないし、誰も指摘することはない。
>達増拓也象徴天皇制は人間天皇制。人間は生老病死から逃れられない。それをふまえた制度設計が必要。民主主義も憲法も、人間性を守り人間性を発展させるための制度。国民も天皇も、人間として、憲法に基づく国のあり方を実践しなければならないのだと思います。
>赤旗政治記者‏《八木秀次教授「大幅な変更必要」》NHK〈「仮に退位されるとなると天皇制の仕組みの大幅な変更が必要になってくる〉 https://t.co/7yL1KVWbX1 安保法制や安倍改憲を後押しする学者を登場させたNHK。「生前退位」に便乗し、“必要なら改憲”につなげる意図か。(津)
>やまブし 天皇が見ているのかもしれないのか、我々のことを。
 
われわれはこの二ヶ月選挙活動をやりましたが、天皇は生涯「投票日のない選挙活動」を全国まわってやってるわけです。
 
>デス・バレリーナ ≪皇太子殿下も2月の記者会見で戦後70年について質問され、次のように答えられている。「戦争の惨禍を再び繰り返すことのないよう過去の歴史に対する認識を深め、平和を愛する心を育んでいくことが大切ではないかと思います」  http://t.co/hUCjAdSymd 
 
右翼は皇太子も嫌いなわけで、じゃあこれからどうすんのかといえば、とにかく皇室典範を維持し、憲法改正し、宮家復活し、マイ天皇を育てたいんでしょうね。
 
>デス・バレリーナ‏「雅子さまの人格否定」を皇太子が告発した時も、「そもそも雅子さまは皇族の役割を理解していない」「皇太子夫妻は次期天皇皇后に相応しくない。皇籍離脱して、次期天皇は秋篠宮に」とか言ってる右翼の知識人もいましたね。https://t.co/mEd4MpiBSj 
>TOKYO DEMOCRACY CREW 天皇への一切のシンパシーや政治利用を拒絶する厳格な左派・リベラルの拘りをよそに、天皇生前退位問題は否応なしに政局になろうとしています。天皇自身が憲法に抵触する危険を犯してまでもたらしたこの局面に対して、ネグレクトはあり得ません。コミットするのみです。
>sava コミットは必至ですね。コミットのしかたですね。シンパシーにひきずられすぎず、天皇制への厳格な態度に頑なになりすぎず。
 
そうです。天皇へのシンパシーはいらないが、他方で主体的にコミットすれば「天皇制にとりこまれる」みたいな批判も的外れです。「とりこまれる」論者は天皇制が自動崩壊する日までなにもしないでしょう。
改憲阻止の文脈で主体的に関与すればいい。
八木秀次、大原康男ら右翼論客は、天皇の話を必死に聞こえないふりして「やはり退位はなしで摂政おくしかない」と言い張ってる 

11- 皇位継承問題は事前に解決して置く問題だった

 「まるこ姫の独り言」氏が天皇の生前退位問題に関連して、皇位継承問題について今日の事態に至る前に解決しておくべき問題であったと述べました。
 この問題については、小泉政権下で「女性・女系天皇」を容認する報告書をまとめ、野田政権下で「女性宮家創設」案をまとめていますが、いずれも後継の安倍政権によって事実上ボツにされました。
 皇統の問題については、いつまでも男系天皇に拘っていたら皇太子、秋篠宮、その息子で終わることは明らかです。
 それなのに、安倍首相や日本会議は何やら彼らの理解できない価値観に基づいて、「女性・女天皇」や「女性宮家創設」を認めようとしません。早晩、天皇が存在しなくなっていいというのでしょうか。
 
 ブログ:「まるこ姫の独り言」を紹介します。
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皇位継承問題は天皇が声を発する前に解決して置く問題だった
まるこ姫の独り言 2016年8月9日
本来なら天皇が声を発する前に、皇室について、皇位継承について議論して問題解決しておくべきだった。
 
天皇は摂政ではなく、生前退位に拘っておられる。
そして、後々の代にまで及んで継承問題を心配しておられるのではと思った。
もう、自由にしてさしあげたらどうだ。
 
一時、小泉政権下で、皇位継承が大きな問題になって国民的議論にまで発展したが、秋篠宮に男子が誕生したとたん、なぜか立ち消えになった感がある。
 
頓挫繰り返す皇族減少対策=容易でない典範改正―生前退位
           時事通信8月8日(月)15時26分
2005年には小泉内閣が「女性・女系天皇」を容認する報告書を取りまとめ12年には野田内閣が「女性宮家創設」案を提示
だが、保守派の反発や政権交代などでいずれも立ち消えとなった。皇室典範改正は容易でない。
 
男系男子に拘る人たちは、なぜ自分たちのプライドやエゴとしか思えない思想を押し付けるのだろう。
男系男子に拘っていたら皇室は存続できないのは、誰が見ても明らかなのに、未だに男系男子に拘る勢力が幅を利かせている。
男系男子に拘っていたら皇太子、秋篠宮、その息子で終わる。
先細りもいいところだ。
 
多分この人達は、昭和天皇と同様、今上天皇が亡くなるまでお勤めを果たしてもらいたいのだろうが、素人考えとしたら、たまたま天皇家に生まれただけで、死ぬまで人権も自由もないなんておかしな話だ。
天皇が悲痛な叫びをあげても、憲法に抵触しているとか、皇室典範改正だというが、本来なら、とっくの昔にこういった問題を議論しておくべきだった
 
集団的自衛権行使の法律を作るときは、憲法無視で、強行採決しておきながら、天皇が精いっぱい問題提起しているのに、憲法が~とか皇室典範が~。都合のよい話だ。
 
小泉政権でも野田政権でも、皇位継承問題について議論をしているのに、3年半も続き、まだまだ政権を手放す気など毛頭ない安倍政権は、まったくこの問題を国民的議論に発展させてこなかった
皇室問題も、少子化問題も問題が起こってから大慌てで対策を練ると発言したり、付け焼刃的な法律を作る積もりのようだが、職務怠慢その物じゃないか。
 
天皇陛下に時間がそうそう残されてはいない。
また小泉政権、野田政権の時の様に、男系男子に拘る人達天皇陛下の生前退位を潰さない事を祈るばかりだ。

2016年8月10日水曜日

生前退位に改憲は必要ないのに

フジ産経の天皇利用。生前退位に改憲は必要ないのに、
生前退位のために憲法改正はしてよいかという世論調査。
Everyone says I love you ! 2016年08月09日
 2016年8月8日、天皇が生前退位に関するビデオメッセージを発表しました。
 全国ネットのテレビ局は全局、特別番組をやるか、自局のニュース番組の中で特別報道を行ないました。
 ちょうど、オリンピックも佳境の時に、NHKはどうするかと思ったらETVは夏の全国高校野球をしなければいけないので、オリンピックは地上波で出来なくなってしまい、衛星放送に任されていました。
 まあ、とにかく、影響力と言えば、これほど影響力のある人もほとんどいないという天皇。
 戦前の絶対的天皇制の名残がどうしてもあるこの日本での天皇制の威力と、それに伴う一種の恐ろしさをまざまざと見せつけた午後でした。
 この天皇が高齢で、これ以上同じような象徴天皇の激務をこなすのはお気の毒だという国民世論を受けて、産経新聞とフジテレビがひどい世論調査を行なっています。
 
「生前退位」可能となるよう改憲「よいと思う」8割超 FNN世論調査
 フジテレビ系(FNN) 8月8日(月)19時32分配信
「生前退位」が可能となるよう、憲法改正をしてもよいと「思う」人が、8割を超えた。
FNNが7日までの2日間実施した電話による世論調査で、天皇が、生前に天皇の位を皇太子に譲る「生前退位」に関し、政府のとるべき対応について尋ねたところ、「『生前退位』が可能となるように制度改正を急ぐべきだ」と答えた人は、7割(70.7%)だった。
「慎重に対応するべきだ」と答えた人は、2割台後半(27.0%)だった。
今後、「生前退位」が可能となるように、憲法を改正してもよいと思うかどうかを聞いたところ、8割を超える人(84.7%)が改正してもよいと「思う」と答え、「思わない」は1割(11.0%)だった。
 
 日本国憲法では、皇位の継承について、
第二条  皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範 の定めるところにより、これを継承する。
 
とあるだけですから、生前退位の制度を導入するにあたっては憲法改正の手続きはいらず、法律と同じ国会での承認だけで成立する皇室典範の改正でできます。
 それなのに、まるで憲法改正の手続きが必要であるかのように世論調査を取るフジサンケイグループのあくどさは、保守派の中でも頭一つ抜けたずるさがあります。
 日本はあくまで国民主権の国です。
 主権者たる国民が天皇の生前退位の制度が必要であると考えるなら、皇室典範を改正してその制度を導入すればいいのです。憲法改正は必要ありません。皆さんの優しいお気持ちが政治利用されませんように。
 
今の天皇がたまたまいい人だということで、安倍政権に反対しているとか、今回の生前退位も改憲を阻止するためだとか、天皇の意図を都合よく解釈する人がいるのですが、それが天皇に政治性を与えてしまって象徴天皇制に反するもので、問題だということをわかってほしいですね。
 
天皇の言動に一喜一憂するのは、本当に日本に民主主義が定着していないことの証だなあと思わざるを得ません。

天皇の「お気持ち」を安倍政権はなぜ受け止められないのか

 8月8日に天皇が生前退位に向けた「お気持ち」を表明されたことについて、琉球新報が、「生前退位を認め議論を深めよ」とする社説を掲げました。ビデオメッセージの「感情を抑えた穏やかな口調の陰に、陛下の切迫感と天皇の務めを果たす強い責任感が感じ取れた」としています。
 天皇がやむにやまれぬお気持ちから発されたメッセージの意味は国民が等しく理解できたところでしたが、どうも肝心の安倍政権は「生前退位」への思いを述べられたと受け止めたくはないようです。
 
 ブログ「くろねこの短語」氏は、「お気持ち」の表明の直後に安倍首相がコメントを発したときの様子について、「それにしても、天皇のメッセージ後のペテン総理の立ちんぼ会見における不貞腐れたような態度は何様のつもりだったんだろう。皇室典範を改定するとなると改憲が先延ばしになる可能性があるから・・・ってな思いがあったんじゃないのかねえ。だから不機嫌そうなツラで会見もそこそこに立ち去ったのかもしれない。感情を抑えられない幼児性がこんな時にも出ちゃうんだね」と述べています。
 
 ブログ「まるこ姫の独り言」氏も、「そのコメントが終わった途端、礼をするでもなく、そそくさと去って行った安倍首相の姿には唖然とした。本当に天皇陛下のお言葉に対して尊敬の念があるなら、自分のコメント後、深々と頭を下げても良いと、私は思うが。。。。それが天皇がビデオメッセージで国民に発信された真意への返礼じゃないのか。やっぱり、前々から感じていた通り、安倍首相には天皇陛下への敬いが足りないのではないか。天皇を軽んじているとしか思えない」と感想を述べています。

 以下で紹介するLITERA誌の記事でも このお気持ち表明の後、異常な早口で通り一遍のコメントを読み上げる安倍首相の様子は、明らかに不本意なときに安倍首相が見せるいつものパターンだった」と呆れています
 
 この「お気持ち」の表明に当たっては、事前に宮内庁と官邸ですり合わせが行われた筈ですが、宮内庁側としてもどうしても譲れない一線は当然ありました。一体何が首相にとって不本意だというのでしょうか。
 LITERAは、陛下の「お気持ち」のメッセージは生前退位を認めようとしない安倍政権や日本会議への反論」であるとして、「安倍首相の周辺や日本会議が生前退位をヒステリックに否定したがるのは、それが彼らの極右思想の根幹と真っ向から対立するものだからだ」としています。そして、彼らが万世一系の男性統を国家の基軸に据え、天皇を現人神と位置づける以上、途中で降りるなどということを許すわけにはいかずに、終身制であること不可欠なのだと述べています
 しかしそんな時代錯誤的妄想のもとに陛下のお気持ちを無視することは、党利党略、派利派略そのものです。

 問題の本質は、「そもそも象徴天皇制という現在の制度が、元々孕んでいる大きな矛盾と言ってもいい。われわれは天皇が超越的な存在であることを求めながら、もう一方で、政治的な発言を一切封じたばかりか、事実上人権さえも認めていない。天皇は公務を拒否することもできないし、即位を拒むこともできない。一度即位してしまえば退位もできず、生涯天皇としての役割を全うすることを義務付けられる。それが象徴天皇制と呼んでいる制度の実態なのに、われわれ国民は憲法制定後その問題と向き合うことをせず、放置し続けてきた」ところにあります。
※  7月18日 なぜ天皇の生前退位がそれほど大問題なのか
 ことは緊急を要するのに、そうしたことに思いを致す知性と誠実さのない政権にはそもそもこの問題を扱う資格などありません。
 
 琉球新報の社説とLITERAの記事を紹介します。
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<社説> 陛下の「お気持ち」 生前退位認め議論深めよ
琉球新報 2016年8月9日
 日本国憲法下で即位した初の象徴天皇として歩んできた天皇陛下が、生前退位に向けた「お気持ち」を表明された。
 陛下は「次第に進む身体の衰えを考慮する時、これまでのように全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています」と、国民に語り掛けた。
  国政に関する権能を有しないと定めた憲法との兼ね合いに留意し、陛下は「退位」の文言を用いることは避けたものの、82歳の年齢を踏まえ、今後の活動が難しくなることへの懸念を色濃くにじませた。
  感情を抑えた穏やかな口調の陰に、陛下の切迫感と天皇の務めを果たす強い責任感が感じ取れた。
 
  憲法は天皇の地位について「主権の存する日本国民の総意に基づく」と規定している。生前退位は象徴天皇制の根幹に関わる。
  皇室典範の改正などの課題は山積しているが、異例のメッセージに踏み切った陛下の心中をおもんぱかり、生前退位を認める方向で国民的論議を深めねばならない。現に共同通信の全国世論調査で、86%が生前退位を支持している。
 
  就任以来、平和憲法を重んじてきた陛下は「象徴天皇の地位と活動は一体不離」との信念を貫いてきた。国事行為以外にも、「常に国民と共に」「声なき国民の苦悩に寄り添う」という思いを忘れず、とりわけ、沖縄など、太平洋戦争の犠牲者の慰霊に心を砕いてきた。
  広島、長崎の原爆犠牲者に黙とうをささげ、中国や韓国の苦難に「深い悲しみ」を表明してきた。阪神淡路大震災や東日本大震災などの被災地にも小まめに足を運び、被災者を激励した。
  沖縄には即位前から10回も訪れ、琉歌で戦没者を哀悼している。父の昭和天皇が米国に差し出すことを認めた沖縄の痛みに触れ、昭和天皇と戦争責任、民主主義の関係に葛藤しながら、象徴天皇としての自らを磨き上げたのだろう。
  多くの国民が敬意と共感を抱き、昭和天皇には厳しい沖縄県民の間でも好意的な人が多い要因だろう。
 
  お気持ちの表明を受け、生前退位をめぐる議論が国会などで進むことになるが、実現には退位制度新設、新たな元号や退位した天皇の呼称など、問題が山積している。
  国民一人一人が「国民統合の象徴」としての望ましい天皇の在り方を見いだす意識を強めたい。
 
 
天皇が「お気持ち」で生前退位に反対する安倍政権や日本会議へ反論! 
象徴天皇を強調して戦前回帰けん制も
LITERA 2016年8月8日
 本日、公表された天皇自身の「お気持ち」を表したビデオメッセージだが、その中身は予想以上に踏み込んだものとなった。
 たんに高齢で天皇としての務めが十分に果たせなくなる懸念を表明しただけでなく、各地に出かけ国民の傍に寄り添うことこそが象徴天皇の役割であり、単純に公務を縮小するのは「無理があろう」と明言。「摂政」をおくという措置に対しても違和感を表明した。また、昭和天皇の崩御のときに起きた自粛が再現されることへの懸念を示し、大々的な葬儀についても「避けることは出来ないものか」とはっきり意思を表した。
 これは、明らかに安倍政権の周辺から出てきている「生前退位反対論」を牽制する意図があってのものだろう。
 
 実は7月にNHKが「生前退位ご希望」の第一報を打った際、菅義偉官房長官は報道に激怒し、そのあとも政府関係者からは「生前退位は難しい」という慎重論ばかりが聞こえてきていた。「国務を減らせば済む話」「摂政で十分対応できる」、さらに「天皇が勝手に生前退位の希望を口にするのは、憲法違反だ」という声も上がっていた。
 また、安倍政権を支える「日本会議」などの保守勢力からはもっと激しい反発が起こっていた。たとえば、日本会議副会長の小堀桂一郎氏は産経新聞で「生前退位は国体の破壊に繋がる」との激烈な批判の言葉を発している。
「何よりも、天皇の生前御退位を可とする如き前例を今敢えて作る事は、事実上の国体の破壊に繋がるのではないかとの危惧は深刻である。全てを考慮した結果、この事態は摂政の冊立(さくりつ)を以て切り抜けるのが最善だ、との結論になる」(産経新聞7月16日付)
 
 安倍政権の御用憲法学者で、日本会議理事でもある百地章・日本大学教授も朝日新聞にこう語っていた。
「明治の皇室典範をつくるときにこれまでの皇室のことを詳しく調べ、生前退位のメリット、デメリットを熟考したうえで最終的に生前譲位の否定となった。その判断は重い。生前譲位を否定した代わりに摂政の制度をより重要なものに位置づけた。そうした明治以降の伝統を尊重すれば譲位ではなくて摂政をおくことが、陛下のお気持ちも大切にするし、今考えられる一番いい方法ではないか」(朝日新聞7月14日付)
 
 安倍首相の周辺や日本会議が生前退位をヒステリックに否定したがるのは、それが彼らの極右思想の根幹と真っ向から対立するものだからだ。
 そもそも生前退位というのは、江戸時代後期以前の皇室では、しばしば行われていた。ところが、明治になって、天皇を頂点とする国家神道を国民支配のイデオロギー装置にしようと考えた政府は、大日本帝國憲法と皇室典範によって、この生前退位を否定、天皇を終身制にした。「万世一系」の男性血統を国家の基軸に据え、天皇を現人神と位置づける以上、途中で降りるなどということを許すわけにはいかない。終身制であることは不可欠だった。
 
 それは、この大日本帝國憲法の復活を最終目標にしている安倍首相と日本会議も同様だ。周知のように、自民党の憲法改正草案でも、日本会議の「新憲法の大綱」でも、天皇は「国家元首」と規定されている。彼らが天皇を神話的な存在に戻し、国民支配の装置として再び政治利用しようという意図をもっているのは明らかであり、生前退位を認めるというのは、その目論見が水泡に帰すこととイコールなのだ。
 しかし、天皇は今回のメッセージで、こうした日本会議や安倍首相が狙う戦前的な天皇制復活、天皇の国家元首化をきっぱりと否定した。
 それはたんに生前退位を示唆しただけではない。天皇はメッセージの間、何度も「憲法」「象徴」という言葉を口にした。
「天皇が象徴であると共に、国民統合の象徴としての役割を果たすためには、天皇が国民に、天皇という象徴の立場への理解を求めると共に、天皇もまた、自らのありように深く心し、国民に対する理解を深め、常に国民と共にある自覚を自らの内に育てる必要を感じて来ました。こうした意味において、日本の各地、とりわけ遠隔の地や島々への旅も、私は天皇の象徴的行為として、大切なものと感じて来ました」
 「天皇の高齢化に伴う対処の仕方が、国事行為や、その象徴としての行為を限りなく縮小していくことには、無理があろうと思われます」
 
 さらに、天皇は「天皇が未成年であったり、重病などによりその機能を果たし得なくなった場合には」と、天皇を「機能」という言葉で説明した。
 つまり、「象徴天皇」があくまで国民の総意にもとづく「役割」であり、国民の声を聞き寄り添う「機能」を有している必要がある、と語ったのだ。そして、その “日本国憲法下の象徴としての天皇” のあり方を守るために、生前退位の必要性を示唆したのである。
 これは天皇を「国家元首」とする改憲をめざし、「万世一系、男系男子」にこだわる安倍首相や日本会議にとっては、ありえない言葉だっただろう。
 
 実際、この「お気持ち」表明の後、異常な早口で通り一遍のコメントを読み上げる安倍首相の様子は、明らかに不本意なときに安倍首相が見せるいつものパターンだった。
「安倍首相やその周辺の右翼連中はもともと、天皇陛下のことを『ヴァイニング夫人に洗脳されている、国体の破壊者だ』と言っていたくらいで、天皇陛下のお気持ちなんて一顧だにしていなかった。生前退位や女性宮家の問題もずっと裏で要望を出されていたのに無視されていた。それが今回、天皇に『国民へのメッセージ』というかたちで、問題を顕在化されてしまったうえ、憲法と象徴天皇制のありようまで語られてしまったわけですからね。いまごろ、はらわたが煮えくりかえってるんじゃないでしょうか」(ベテラン皇室記者)
 
 天皇が今回、この「お気持ち」を公表した裏には、単純に高齢化への不安から生前退位を実現したいという以上に、天皇という存在が皇太子の代になっても政治利用されないよう「日本国憲法における象徴としての天皇のありかた」を伝えておきたいという気持ちがあったと言われている。
 戦前回帰を企図する安倍政権がすんなりと生前退位を認めるとは思えないが、少なくとも国民にはその思いは伝わったのではないだろうか。 (エンジョウトオル)

10- 長崎原爆の日 核廃絶へ英知結集を

長崎原爆の日 核廃絶へ英知結集を
東京新聞 2016年8月9日
 長崎市の田上(たうえ)富久市長は九日、原爆犠牲者慰霊平和祈念式典で、核廃絶に向けて国際社会に対し「人類の未来を壊さぬため、持てる限りの英知結集を」と求めた。オバマ米大統領の広島訪問を「自分の心で感じる大切さを世界に示した」と評価。広島の平和宣言と同様、各国の指導者に被爆地を訪れるよう呼び掛けた。
 
 式典では、原爆投下時刻の午前十一時二分、約五千六百人の参列者らが黙とうした。田上氏は、平和宣言の中で、国連での核軍縮論議に、核兵器保有国が参加していない現状を指摘。「廃絶への道筋を示せない。議論に参加を」と訴えた。核兵器の歴史を「不信感の歴史」と表現し、信頼を築く方策として「市民社会の行動が礎となる」とした。
 日本政府に対しては「核兵器廃絶を訴えながら、核抑止力に依存している」と矛盾を批判。非核三原則の法制化や「北東アジア非核兵器地帯」の創設検討を求めた。各国の英知結集へリーダーシップを発揮することも要求。憲法の平和理念を強調し「平和国家の道を歩み続けなければならない」と述べた。
 東京電力福島第一原発事故の影響に苦しむ福島にも、二〇一一年から続けて言及。応援していく姿勢を示した。
 
 「平和への誓い」を読み上げた被爆者代表の井原東洋一(とよかず)さん(80)は「核兵器の最後の一発が廃棄されるまで、広島、福島、(戦争で多くの犠牲が出た)沖縄と連帯する」と決意を述べた。
 安倍晋三首相は「非核三原則を堅持する。核兵器のない世界へ努力を重ねる」とあいさつした。
 長崎市によると、式典には計五十三カ国と欧州連合(EU)の代表が出席した。原爆投下国の米国は、ケネディ駐日大使が公務で欠席し、臨時代理が参列。中国など他の核保有国の代表も出席した。
 
 七月末までの一年間に新たに死亡が確認された長崎の被爆者は、三千四百八十七人。原爆死没者名簿に記された総数は十七万二千二百三十人市内に住む被爆者は今年三月末時点で三万二千五百四十七人となり、平均年齢は八〇・三二歳となっている。