日本ジャーナリスト会議(JCJ)はすぐれたジャーナリズム活動を表彰する第69回JCJ賞に、鴨志田祐美弁護士の『大崎事件は問いかける―これからの再審のかたち』(かもがわ出版)を選び、贈賞式を東京都内で開きました。
鴨志田氏は、日弁連再審法改正推進室長として今夏の再審法改定で奮闘しました。
選考理由として、鈴木耕・選考委員は「半世紀にわたって無実を訴え続けた大崎事件の原口アヤ子さん(99)の再審弁護団の一員として、事件の真相を追い続けた著者の渾身の手記で、司法制度の根幹に迫る成果として大賞にふさわしい」とたたえました。
大崎事件の概要を末尾に追記しました。
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「司法の根幹に迫る」 鴨志田弁護士にJCJ大賞
しんぶん赤旗 2026年10月11日
日本ジャーナリスト会議(JCJ)は10日、すぐれたジャーナリズム活動を表彰する第69回JCJ賞の贈賞式を東京都内で開きました。
鴨志田祐美弁護士(右)の大賞受賞を祝ってスピーチする袴田ひで子さん(その左)=10日、東京都内
今回、JCJ大賞に選ばれたのは鴨志田祐美弁護士の『大崎事件は問いかける―これからの再審のかたち』(かもがわ出版)。鴨志田氏は、日弁連再審法改正推進室長として今夏の再審法改定で奮闘しました。
選考理由として、鈴木耕・選考委員は「半世紀にわたって無実を訴え続けた大崎事件の原口アヤ子さん(99)の再審弁護団の一員として、事件の真相を追い続けた著者の渾身(こんしん)の手記。司法制度の根幹に迫る成果として大賞にふさわしい」とたたえました。袴田巌さんの姉、袴田ひで子さん(93)と映画監督の周防正行さんら、えん罪救済に取り組む仲間たちも駆けつけ、祝福しました。
鴨志田氏は「私は、再審無罪も勝ち取ってないし、再審法改正も道半ばだが、その道行きの中にみなさんが巻き込まれてくれれば、それこそが私に与えられたこの賞の意味なのかな」と述べ、第5次再審請求が行われている大崎事件への支援を訴えました。
JCJ賞に選ばれた「連載『「国防」の陰で』(沖縄タイムス社)、「悲しみのピーヤ 海底炭鉱で待つ183人」(山口朝日放送)、「連載『離島記者 報道砂漠で闘う市民メディアの挑戦』」及び「屋久島町政をめぐる一連の調査報道」(武田剛氏、屋久島ポスト)、「『自治体による高齢者の連れ去り』に関する一連の報道」(西岡千史氏、フロントラインプレス、掲載媒体・スローニュース)の4点と、特別賞の「長期連載『憲法事件を歩く』」(101回、信濃毎日新聞社)の受賞者もスピーチしました。
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追記)
大崎事件とは(A Iによる概説。カッコ内は引用元)
大崎事件は1979年に鹿児島県大崎町で発生した男性の変死事件で、冤罪の疑いが長年続く日本の代表的な司法事件です。
事件の概要
1979年10月15日、鹿児島県大崎町の自宅に隣接する牛小屋の堆肥置き場で、42歳の農業従事者の男性(被害者)が遺体で発見されました。被害者は酒癖が悪く、事件の3日前には酔って自転車で溝に落ち、道端で倒れているところを近所の人に自宅まで運ばれていたことが確認されています。(kyuenkai.org)
警察は当初から「近親者による殺人事件」として捜査を開始し、被害者の長兄、次兄、長兄の妻、甥の4人が逮捕されました。長兄の妻が主犯とされ、保険金目的で被害者を殺害したと起訴されました。(Wikipedia)
裁判経過
1980年3月31日、鹿児島地裁は長兄の妻を主犯として懲役10年、長兄を懲役8年、次兄を懲役7年、甥を懲役1年と判決しました。控訴や上告も行われましたが、1981年1月30日に最高裁で刑が確定しました.(Wikipedia)
しかし、事件には物証がほとんどなく、共犯者とされた3人は知的障害を抱えており、取調べで虚偽の自白を強要された可能性が指摘されています。長兄の妻は一貫して無実を主張し、1990年に再審請求を行いました。(kyuenkai.org)
冤罪の疑いと再審
被害者の死因については、頸部圧迫による窒息死と推定されましたが、事故死の可能性も指摘されています。特に、被害者は側溝に転落して濡れた状態で放置されており、寒さや体調不良による死亡の可能性もあるとされています。(yuroblog.site)
再審請求は複数回行われ、2025年2月には最高裁第3小法廷で原口アヤ子さんの再審請求が棄却されましたが、事件の真相や冤罪の可能性については未だ議論が続いています。(kyuenkai.org)
事件の特徴
物証がほとんど存在せず、自白に依存した裁判であったこと
共犯者とされた人物の知的障害や供述弱者性が考慮されなかったこと
保険金目的の殺人という捜査ストーリーが早期に作られ、他の可能性が検討されなかったこと
大崎事件は、日本の司法制度における冤罪の象徴的事例として、再審請求や弁護団の活動、社会的議論の対象となっています。(3rd-in.co.jp)
