ケイトリン・ジョンストンが掲題の記事を出しました。
米英などの旧列強?によるテロリズム乃至テロリストの定義が如何に出鱈目なものであるのかが皮肉られています。
彼らはかつて「ならず者国家」という言葉を生み出しましたが、今のイスラエルや米・英の行動を見ると、そのまま自称すべきであると思うしかありません。
その点日本の俚諺「昨日の敵は今日の友」には、風雪に耐えてきた重みと深遠性があります。まさに彼らとは無縁な。
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不条理の頂点に至った「テロリズム」に関する帝国の偽善
マスコミに載らない海外記事 2025年7月11日
「テロリスト」とは「帝国に何らかの迷惑をかける者」という意味だ。本当に
それだけだ。 ケイトリン・ジョンストン 2025年7月8日
イギリスが非暴力活動家集団「パレスチナ・アクション」を自国の禁止テロ組織リストに追加してから数日後、アメリカはシリアのアルカイダ系列組織を指定テロ組織リストから削除した。
欧米諸国が、今後自国の「テロ」指定について更に偽善的で滑稽な方法を見つけ出すのは確実だが、現時点では、それがどうやって実現されるのか想像するのは困難だ。
Antiwarのデイブ・デキャンプは下記のように書いている。
「月曜日、トランプ政権が2024年12月にダマスカスで政権を掌握したアルカイダ分派、ハヤト・タハリール・アル・シャーム(HTS)の外国テロ組織(FTO)指定を取り消すとマルコ・ルビオ国務長官が発表した。」
HTSは、シリアにおけるアルカイダの公式関連組織であるアル・ヌスラ戦線として発足した。同組織の指導者で、現在シリアの事実上の大統領を務めるアフメド・アル・シャラーが改名したものだ。2016年、当時アブ・モハメド・アル・ジョラニとして知られていたシャラーは、アルカイダとの関係を断つと発表し「関係を断つ必要性を理解してくれたアルカイダ司令官たち」に感謝の意を表した。
シャラーは2017年に自身の組織名をHTSと改名し、昨年末シリア前大統領バッシャール・アル・アサドを追放する攻撃を指揮していた時まで、シリア北西部イドリブ県を支配していた。イラクで米軍と戦闘を繰り広げたアルカイダの過去にもかかわらず、アメリカは、このシリア新指導者を歓迎している。
この動きは、シャラーがアメリカやイギリス当局と友好的会談を行い、イスラエルとの国交正常化交渉を行っているさなかに起きたもので、帝国の目にとって「テロリスト」であることをやめるためには、帝国の利益に同調し始めればよいことを示している。
それが月曜日の出来事だった。その前の土曜日、パレスチナ・アクションという団体が、 2000年テロリズム法に基づくイギリスの禁止テロリスト集団に追加され、同団体への関与はISISへの関与と同様に厳しく罰せられることになった。
問題となっている「テロリズム」とは一体何か? ガザでのホロコーストへのイギリスによる支援に抗議して、イギリス戦闘機二機に赤ペンキをスプレーしたことだ。帝国の大量虐殺的残虐行為に抗議し、帝国の軍事機構に向けられた軽微な破壊行為は、自動車爆弾による民間人の大量虐殺と同じ範疇に分類されるのだ。
イギリス法では、パレスチナ・アクションへの支持表明さえ違法で、週末に活動家が同団体への連帯を表明したことで多数の逮捕者が出た。ピンク・フロイドのイギリス人メンバー、ロジャー・ウォーターズは「パレスチナ・アクションを支持する。素晴らしい組織だ。彼らは非暴力主義だ。いかなる意味でもテロリストではない」と公の場で発言したのを受け、イギリス・イスラエル弁護士会はウォーターズをイギリス対テロ警察に正式に通報した。
そこで要約だ。
欧米帝国が支援する大量虐殺やテロリズムに対する非暴力抗議は禁止だ。これを支持することは誰にも許されない。
実際、文字通りアルカイダでありながら、欧米帝国の利益に同調するのはテロではない。オーケーだ。これでいいのだ。
帝国のこうした偽善と矛盾は、自ら主張する立場を帝国が崩していることを如実に示しているので注目に値する。何十年間も中東やアフリカに欧米諸国の爆弾が空から落ちるのは阻止すべきテロリストがいるからだと言われてきたが「テロリズム」とは、帝国がその時々の場所で望むままに解釈する単なる無意味なレッテルに過ぎないと分かった。
イランのIRGCは、イラン軍がアメリカ帝国と連携していないため、テロ組織とみなされている。イスラエルIDF(イスラエル国防軍)は、政治目的を達成するため民間人に絶えず暴力を振るっているにもかかわらず、テロ組織とみなされていない。パレスチナ・アクションは、帝国の大量虐殺的残虐行為に反対しているためテロ組織とみなされている。シリアのアルカイダは、イスラエルと親しく、帝国が望むことをしているため、もはやテロ組織ではない。
「テロリスト」とは「帝国に何らかの迷惑をかける者」という意味だ。本当にそれだけだ。
(中 略)
記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2025/07/08/imperial-hypocrisy-about-terrorism-hits-its-most-absurd-point-yet/
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。