2025年7月10日木曜日

参政党に関する注意喚起(植草一秀氏)

 植草一秀氏が掲題の記事を載せました。
「参院選で絶対に投票してはならない政党は参政党」と訴えました。
「参政党の憲法改正草案『参政党が創る 新日本憲法(構想案)』をじっくりと読む必要があり、また参院選公約を熟読するべきだ」と述べます。 
 そして「参政党の提案は『改憲』ではない。『創憲』である。これは『憲法改正』の範囲を逸脱するもの」で、「日本国憲法96条が規定しているのは『改正』であって『制定』ではない。憲法の基本原理である平和主義・国民主権・基本的人権尊重の変更は認められないとの考え方が有力」と指摘します。
 そして「参政党の基本スタンスは日本を大日本帝国憲法の時代に巻き戻すものと言ってよいだろう」、「『日本人ファースト』を掲げ、極めて強い排外主義の主張を展開する。日本国憲法をほぼ全面的に否定する政治勢力と見なしてよいと思われる」と批判します。
 こうした勢力が着実に拡大しているのは恐るべき事態で、世に倦む日々氏は「おそらく統一教会と日本会議が組織的に関与し支援しているのだろう」という見方をしています。


 併せて日刊ゲンダイの記事「参政党が参院選で急伸の不気味…首都圏選挙区で自公国が『当選圏外』にはじかれる大異変」を紹介します。
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参政党に関する注意喚起
                植草一秀の「知られざる真実」 2025年7月 9日
参院選で絶対に投票してはならない政党は参政党。
自公には投票しない。維新、国民民主、保守にも投票しない。立民への投票も回避するべきだ。

参政党は斬新な提案を示す。
農業再興・食料自給・オーガニック給食推進に賛同する国民は多い。また、ワクチンの危険性を明確に訴えた唯一とも言える政治勢力である。逆に言うと、この二つの政策提示で○○ホイホイのように有権者が参政党支持に吸引されているように見える。
重要情報を知らずに参政党支持者になってしまっているように見える。

2022年6月4日。東京・曳舟で「選挙でコロナを終わらせる!」シンポが開催された。
私は「なぜ、既成政党はコロナとワクチンを止めないのか」との演題で基調講演をした。
第2部のパネルディスカッションには参政党の松田学氏、前衆議院議員で弁護士の青山雅幸氏、参議院議員の須藤元気氏、元横須賀市議の一柳洋氏が出席された。
司会を務めたのは鎌倉市議の長嶋竜弘氏。

イベントを企画されたのは一柳氏。一柳氏は「コロナとウクライナと温暖化」がグローバル巨大資本の陰謀であるとの見立てを示していた。私の見解と同一のもの。
ただし、イベントはさながら参院選に向けての参政党決起集会の様相を示した。
私はワクチンに対する見解を共有したが、参政党とは国家観、歴史認識が異なる。壇上で政治的立場が松田氏とは異なることを明言した。

参政党が掲げるワクチンへの警鐘、食料自給とオーガニック農業の重要性指摘については考えを共有する。しかし、参政党の本質はこの点にはない。参政党は憲法改正草案を示している。
参政党を知ろうとする有権者は参政党の改憲草案をじっくりと読む必要がある。
「参政党が創る 新日本憲法(構想案)」https://sanseito.jp/new_japanese_constitution/
また、参院選公約を熟読するべきだ。https://sanseito.jp/sanin_election_27_policy/
参政党の提案は「改憲」ではない。「創憲」である。これは「憲法改正」の範囲を逸脱するもの

日本国憲法は96条に改正の規定を置いている。
しかし、規定しているのは「改正」であって「制定」ではない。憲法の基本原理である平和主義・国民主権・基本的人権尊重の変更は認められないとの考え方が有力。
基本原理改定は「改憲」ではなく「壊憲」である。国家転覆と言ってもよい。
刑法第77条の内乱罪に該当するものと考える。

参政党の基本スタンスは日本を大日本帝国憲法の時代に巻き戻すものと言ってよいだろう。
天皇を中心とする「日本の國體」を創ることを唱えている。
参政党憲法草案第一条には 第一条 日本は、天皇のしらす君民一体の国家である。の条文が置かれる。
第五条に次の条文が置かれる。第5条 2 国民は、子孫のために日本をまもる義務を負う。
「日本人ファースト」を掲げ、極めて強い排外主義の主張を展開する。
日本国憲法をほぼ全面的に否定する政治勢力と見なしてよいと思われる。

メディアが参政党伸長に全面加担しているが、その背後にCIAの意思が働いていると考えられる。参院選で参政党に投票することは忌避するべきと考える
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参政党が参院選で急伸の不気味…首都圏選挙区で自公国が「当選圏外」にはじかれる大異変
                         日刊ゲンダイ 2025/07/08
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 参院選(20日投開票)の序盤情勢を巡り報道各社が先週末に実施した調査で、参政党がブキミな存在感を示している。調査結果を受け「参政は議席増」「参政勢い」「参政伸長」といった見出しで報じているのだ。この党勢急拡大を受け、選挙戦の様相は激変。特に「風」に左右されやすい首都圏4選挙区で、普通なら盤石な既存政党の候補が、一気に落選危機にさらされている。
 日刊ゲンダイが政党や報道機関の情勢調査などを基に分析したところ、参政党の影響が最も色濃く出ているのが東京(改選数6+1)だ。もともと「自公共立」が上位4議席を占め、残る3議席を自民2人目と立憲2人目、国民民主の2人、れいわ、維新の6候補で争う展開が予想されていた。ところが、参政の女性歌手・さや氏が急浮上。「もはや当確」(野党幹部)という見方もある。
 そのあおりで、自民2人目の武見敬三前厚労相が「当選圏外にはじき出される恐れがある」(自民関係者)。保守的な主張を展開するさや氏は自民票を食うことが予想されるからだ。一方、反自民の保守層の受け皿と見られてきた国民民主が票を奪われることも考えられる。
「さやさんが5位につけ、武見さんと立憲2人目の奥村政佳さんが滑り込み、国民民主の元NHKアナウンサーの牛田茉友さんと元KDDI社員の奥村祥大さんが共倒れする展開もある。票が分散して2人とも当選ラインに届かないパターンです」(官邸事情通)
 
千葉、神奈川、埼玉でも

 千葉(改選数3)でも異変の兆しだ。立憲と自民1人目が手堅く、残る1議席を国民民主の元NHK記者・小林さやか氏と自民2人目の豊田俊郎氏が争う構図が想定されていたが、参政の中谷めぐ氏が急伸。豊田氏を抜き去り、小林氏と3位争いをしているのだ。

「参政は今週から党本部のスタッフを千葉の現場に投入。テコ入れを図り、小林さんの票をはぎ取る算段を整えつつある。疲れが見え始めた小林さんを一気にまくるつもりだ」(県政関係者)
 神奈川(改選数4)と埼玉(改選数4)では、共に公明候補がピンチだ。参政候補の急上昇で神奈川の佐々木さやか氏、埼玉の矢倉克夫氏が当選圏外にはじかれつつある状況だ。7日の公明新聞1面には、佐々木氏と矢倉氏の“鬼の形相”の写真がデカデカと掲載されている。「猛追するも圏外」との見出しで「参政新が急速に支持を伸ばし、圏内入り」などと記載。明らかに参政を警戒している。
 参政の異様な進撃はいつまで続くのか。