1月上旬に自民党、維新、れいわ、無所属の超党派国会議員15人がイスラエルを訪れ、ガザでのジェノサイドの罪で国際刑事裁判所から逮捕状の出ているネタニヤフ首相を表敬訪問し、大きな批判を浴びましたが、この訪問がイスラエル政府による公式招待だったことが、しんぶん赤旗が入手した在日イスラエル大使館から議員あての招待状で明らかになりました。
招待状には東京―テルアビブ間の航空券、宿泊、食事、移動にかかる費用をイスラエル外務省が負担すると明記されていました。この「イスラエル訪問特別支援事業」は25年で10周年を迎え、これまでに約400人が訪問したということです。
この超党派訪問団とは別に、自民党も同時期に調査チームをイスラエルに派遣しました。
小野寺五典安全保障調査会長は出発前に「イスラエルは小型無人機分野で世界の先端技術を有し、日本の安全保障政策を検討する上で役立つ」などとXに投稿し、イスラエル製ドローンの導入を当然視しています。
しんぶん赤旗がシリーズ「徹底解明 軍事費」で、イスラエル製武器購入の実態について報じました。
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徹底解明 軍事費 イスラエル製武器購入 裏に周到な政界工作
超党派訪問団はイスラエル政府丸抱え
しんぶん赤旗 2026年2月15日
今年1月上旬に自民党、日本維新の会、れいわ新選組、無所属の超党派国会議員15人がイスラエルを訪れました。パレスチナ自治区ガザでのジェノサイド(集団殺害)の罪で国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状の出ているネタニヤフ首相を表敬訪問し、大きな批判を浴びました。この訪問が、実はイスラエル政府による公式招待だったことが、本紙が入手した在日イスラエル大使館から議員あての招待状で明らかになりました。
【招待状の写真 添付省略】
説明文:在日イスラエル大使館が日本の国会議員に送った招待状。東京・テルアビブ間の航空券代、現地での食費、宿泊費、移動費などをイスラエル側が負担すると明記(点線で囲んだ部分)
(写真)イスラエルのネタニヤフ首相と日本の国会議員との記念写真。参加した議員がSNSに投稿。面会日は1月6日とされている
招待状は昨年7月1日付で、「イスラエル訪問特別支援事業(YLP)」と称して15人程度の参加を見込み、東京―テルアビブ間の航空券、宿泊、食事、移動にかかる費用をイスラエル外務省が負担すると明記しています。全行程に専門ガイドと日本語通訳が同行する厚遇ぶりです。関係議員のSNS投稿によれば、日本の国会議員のイスラエル訪問団としては過去最大規模でした。
しかも、YLPは25年で10周年を迎え、これまで約400人が訪問したとしており、イスラエルが継続的に政界を含む各界への工作を行ってきたことがうかがえます。
超党派訪問団とは別に、自民党も同時期に調査チームをイスラエルに派遣。小野寺五典安全保障調査会長は訪問前にX(旧ツイッター)で「イスラエルはドローン(小型無人機)分野で世界の先端技術を有し、今後の日本の安全保障政策を検討する上で役立つ」などと投稿しており、ガザでの住民虐殺に用いられてきたイスラエル製ドローンの導入を当然視しています。
イスラエルは軍需産業を国策として育成しています。最先端のドローンやAI(人工知能)技術をパレスチナ住民の虐殺に投入するだけでなく、各国への輸出を強化。輸出額は過去最大を更新し続けています。
ガザ虐殺開始後も止まらず
日本も主要な売り込み先の一つです。武器取引反対ネットワーク(NAJAT)による対政府交渉で、イスラエルによるガザ攻撃が始まった2023年10月以降、計243億円分を購入していたことが判明しました。(表)
国連は、同国の軍需企業がジェノサイドによって巨額の利益を得ており、国際法違反を繰り返すイスラエル製兵器購入はやめ、殺害に加担すべきではないと訴えています。日本でも、市民が購入中止を求める署名運動や抗議行動が取り組まれ、「ジェノサイドに抗する防衛大学校卒業生の会」の平山貴盛さんは防衛省前で11日間のハンガーストライキを決行しました。
国民の税金が、血で汚れたイスラエル軍需産業に利益をもたらすことなどあってはなりません。
攻撃型ドローン大量導入へ 17日に入札「イスラエル製」焦点に
「(安保3文書策定)当時、私たちはウクライナで大量のドローンが使われる状況を目にしていなかった」。高市早苗首相は衆院選の遊説でこう繰り返し、安保3文書の前倒し改定の大きな理由に無人兵器の活用を挙げました。
防衛省は2026年度予算案で、「戦闘様相が大きく変化した」として、無人兵器による「多層的沿岸防衛体制(シールド)」と名付けた構想を打ち出しました。空や海上、海中への無人兵器の配備に1001億円を計上。艦艇から射出して敵を目かけて飛ぶ自爆型ドローンや、水中で情報収集する無人潜水艇など計10種を取得します。うち6種が攻撃用。25年度にも自爆型ドローンの取得費を盛り込みました。
このうち焦点になっているのが、陸上自衛隊に配備する小型攻撃用ドローンです。近距離で車両など攻撃するⅠ型」、中距離で艦艇などを攻撃する「Ⅱ型」、遠距離で艦艇などを攻撃する「Ⅲ型」の3タイプがあります。
防衛省は導入するドローンに、パレスチナ・ガザ地区でのジェノサイド(集団殺害)に使われたイスラエル製を候補に挙げています。同省が今月17日にⅠ型の一般競争入札を行うことから、多くの市民が「ジェノサイドに加担する」とイスラエル製ドローン購入に反対の声を上げています。
防衛装備庁によると、実証試験を行った小型攻撃用ドローン8種のうち4種がイスラエル製(表)です。今月の一般競争入札では、イスラエル企業IAI製のドローン2製品が対象になるとみられます。
防衛省が実証試験を行った小型攻撃用ドローン
分類 機種名 製造企業 国
Ⅰ型 ポイント・ブランク IAI イスラエル
Ⅰ型 ロテムL IAI イスラエル
Ⅰ型 キュー・スラム40 アルキメア スペイン
Ⅰ型 ドローン40 ディフェンド・テックス 豪州
Ⅱ型 ヒーロー120 Uビジョン イスラエル
Ⅱ型 ドローン81 ディフェンド・テックス 豪州
Ⅱ型 フジ・インバックデルタ フジ・インバック 日本
Ⅲ型 スカイストライカー エルビット・システムズ イスラエル
昨年5月に千葉市の幕張メッセで開催された武器見本市では、イスラエルから約20社が参加し、最大手エルビット・システムズは「スカイストライカー」の模型を展示。中谷元・防衛相(当時)はエルビット社のブースを訪れ、視察まで行いました。昨年12月の陸上自衛隊フォーラムでは、IAI社の「ロテムL」を展示。今年2月の一般競争入札を直前に控え、売り込み攻勢をかけていました。
イスラエル製が有力なのは、ガザ地区を「実験場」にして住民の殺りくを繰り返し、性能を高めたからです。イスラエルは「標的」を特定するために、監視システムで収集したガザ住民のデータを元に標的を生成するAI「ラベンダー」を使用。イスラエルメディアの調査報道によると、攻撃前に兵士が検証する時間は標的1人あたり平均わずか20秒で、誤爆によって多数の民間人が死亡しています。昨年4月にガザで難民テントヘの爆撃にスカイストライカーを使い、子どもを含む30入以上を殺害したと報じられています。
日本共産党の辰巳孝太郎議員は昨年6月4日の衆院経済産業委員会で、イスラエル軍がドローンを用いてジェノサイドを繰り返してきた実態を告発し、イスラエル製武器の購入をやめるべきだと追及。本田太郎防衛副大臣(当時)は「総合的に検討し適正な取得に努める」と述べ、購入の検討中止を拒否しました。