2023年10月28日土曜日

暮らし・平和・希望 岸田政権と正面対決/対案示し 必要なのは反省と転換

 25日、日本共産党の志位和夫委員長は衆院本会議で代表質問に立ち、暮らしと平和をめぐる問題で「経済無策」と大軍拡を進める岸田文雄首相と正面対決する構えを表明しました。暮らし、平和で根本転換を迫る論戦を展開し、希望を届ける提案を示して実現を迫りました。

 また26日には小池晃書記局長参院本会議で代表質問を行い岸田政権の経済無策や大軍拡の危険性を追及し、くらし・経済でも平和でも実効ある対案を示して政治を大本から切り替えるよう迫りました
 しんぶん赤旗の記事を紹介します。それぞれには別に詳細な記事があります。記事中の(関連記事)と質問の(全文)の「緑字」の部分をクリックすればそこにジャンプしますので、ご参照ください。
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暮らし・平和 希望の論戦 岸田政権と正面対決
衆院本会議 志位委員長が代表質問
                      しんぶん赤旗 2023年10月26日
 日本共産党の志位和夫委員長は25日、衆院本会議で代表質問に立ち、暮らしと平和をめぐる問題で「経済無策」と大軍拡を進める岸田文雄首相と正面対決する構えを表明しました。暮らし、平和で根本転換を迫る論戦を展開。希望を届ける提案を示して実現を迫りました。関連記事全文

 志位氏は、イスラエル・ガザ紛争による人道危機が深刻だとして、政府に(1)ハマスに対する非難だけでなく、イスラエルに対して無法な空爆、封鎖、地上侵攻の中止を求めること(2)イスラエル、パレスチナ双方との関係を最大限に生かし、停戦に向けた交渉を促すこと―の2点を求めました
 岸田首相は、「事態の早期鎮静化や人道状況の改善に向けた外交努力を続ける」と述べるのみでした。

 暮らしと経済について志位氏は、岸田首相が「コストカット型経済」からの「完全脱却」を主張していることに触れ、「日本経済を『コストカット型経済』にしてしまったのはいったい誰なのか」と追及。財界の旗振りに従って自民党政治がやってきたことだと批判し、「『コストカット型経済』から抜け出すためには、30年来の経済政策の大本からの切り替えが必要だ」と迫りました。
 その上で、日本共産党の「経済再生プラン」の中から、(1)最低賃金の全国一律1500円への抜本的引き上げ (2)非正規ワーカーの待遇を抜本的に改善 (3)消費税減税 (4)年金の引き上げ (5)教育費負担の抜本的軽減―の五つの改革を提案。党が提案する「非正規ワーカー待遇改善法案」は、非正規ワーカーの雇用の安定をはかり、差別と格差をなくし、ジェンダー平等を促進する包括的提案だと強調しました。
 岸田首相は、「(岸田政権の)2年間の取り組みが『前向きな兆し』につながった」と強弁するのみで、「コストカット型経済」をつくった責任は棚上げ。志位氏の提案には背を向け、消費税減税やインボイス中止は「考えていない」と否定しました。

 大軍拡の問題について志位氏は、2024年度予算概算要求では、自衛隊の「常設統合司令部」の設置のための予算がつけられ、その目的が「米インド太平洋軍司令部と調整する機能」の強化にあることが初めて明記されたと指摘し、「これは米インド太平洋軍の指揮のもとに自衛隊が事実上組み込まれることを意味するものだ」と告発。米軍の先制攻撃の戦争に自衛隊が参戦する危険な道の具体化そのものだと批判しました。
 岸田首相は、「自衛隊と米軍はそれぞれ独立した指揮系統だ」と言い張りました。
 志位氏は、相手に「恐怖」を与えるのではなく、「安心」を与える外交こそ必要だと強調。憲法9条を生かした平和外交で東アジアに平和を創出する党の「外交ビジョン」を対案として示しました
 沖縄県の米軍辺野古新基地建設について、政府が県に代わって設計変更を承認する「代執行」に向けた提訴を行ったことは全く不当だと批判しました。


くらし支える対案示す 必要なのは反省と転換 参院本会議
   小池書記局長が代表質問
                       しんぶん赤旗 2023年10月27日
 日本共産党の小池晃書記局長は26日、参院本会議で代表質問を行いました。岸田政権の経済無策や大軍拡の危険性を追及。くらし・経済でも平和でも実効ある対案を示して政治を大本から切り替えるよう迫りました。関連記事全文

 「必要なのは『反省、反省、そして転換』ではないか」。岸田首相が所信表明演説で「経済、経済、経済」と連呼した発言を引き合いにこう迫った小池氏。岸田首相が「変革を果たす」と大見えを切った「コストカット型経済」を進めたのは自民党だとして、その責任をただしました
 岸田首相は「長引くデフレ等を背景にコスト(カット)型経済が続いてきた」と述べるだけで反省を語りませんでした。
 小池氏は、最低賃金を早急に時給1500円にする党の提案を示すとともに「男女賃金格差の是正も急務だ」と強調しました。日本経団連の役員企業の女性の賃金が男性の4~8割で、非正規雇用の7割が女性であることを示し「原因は、男性には長時間労働、女性には家事・育児・介護という性別役割分業を前提とした雇用慣行にある」と追及。男女賃金格差是正と、非正規ワーカーに焦点をあてた待遇改善に踏み出すよう求めました。
 岸田首相は「性別役割分担意識は賃金格差の要因の一つ」と認めましたが、具体策は示しませんでした。
 小池氏は、10月から始まったインボイス制度で、年間15万円もの負担が加わったフリーランスなどから「1カ月分の収入が消える」との悲鳴があがっていると紹介。「反対の声に耳を貸さずインボイス制度に固執するのは、さらなる消費税増税のための地ならしではないか」と批判し、消費税5%への減税とインボイス制度廃止を迫りました。岸田首相は「廃止は考えていない」と背を向けました。
 小池氏は、トラブルが続出しているマイナンバーカード保険証の利用率が下がり続け、8月は4・7%だったと指摘医療機関の87・8%が現行の健康保険証の存続を求めた調査結果を示し「首相に『聞く力』が残されているのなら、現場の声を聞くべきだ」と迫りました。岸田首相は保険証廃止の時期について「さらなる期間が必要と判断された場合は必要な対応を行う」と述べるにとどめました。
 「オールジャパンで進める」と岸田首相が述べた大阪・関西万博について、小池氏は工事が遅れ建設費用が膨れ上がり「すでに破綻している」と批判カジノを中核とする統合型リゾート(IR)推進のためのインフラ整備を、万博を口実に公費で進めようとしていると告発しましたが、岸田首相は「IR整備は万博とは別のプロジェクト」などと開き直りました。

 さらに小池氏は「税金の使い方が間違っている」として、軍事費が岸田政権発足後2年で2・5兆円も増加したと批判。2・5兆円あれば義務教育の給食費無償化や高校授業料の完全無償化、大学入学金の廃止、学費半減ができるとして「くらしも平和も財政も危険にさらす大軍拡は中止を」と求めました

パレスチナ・イスラエル紛争の背景について《3》

 現代イスラム研究センター理事長・宮田律氏による掲題の記事が長周新聞に載りました。
 パレスチナ人をガザの狭い地域に封じ込め、電気、水、食料の供給を停止したことや、連日連夜のガザへの空爆が、戦争犯罪についての国際基準に違反する行為であることを明確に指摘しています。
 そして7日のハマスの攻撃を「テロ」呼ばわりしているのは、米国や欧州の同盟国だけで、アラブ・イスラム諸国ではテロと見なされず、日ごろのイスラエルによるパレスチナ人に対する暴力の行使のほうが重大なテロと考えられていると述べています。
 また17日、ガザの病院空爆されて約500人犠牲が出ましたが、イスラエルはパレスチナの武装組織が砲撃したと主張しました(他者の仕業にするのは常套手段)が、「イスラム聖戦」にはそんな動機はないし、それほど強力な武器は所有していないのでイスラエル軍によるものと考えられると述べました。いずれも説得力があります。1回目、2回目の記事には下記からアクセスして下さい。
  関連記事
 パレスチナ・イスラエル紛争の背景について 現代イスラム研究センター理事長・宮田律10.11)
 パレスチナ・イスラエル紛争の背景について《2》 現代イスラム研究センター理事長・宮田律(10.18)
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パレスチナ・イスラエル紛争の背景について《3》
              現代イスラム研究センター理事長・宮田律
                         長周新聞 2023年10月24日
■ガザ住民に水を与えないイスラエルの戦争犯罪(10月15日)
 ハマスのイスラエルへの奇襲攻撃を受けてイスラエルはガザに対する水や食料の供給を断った。水がなければ人間は生きていくことはできず、水を飲まないで生活した場合、4日から5日が限界だそうだ。イスラエルはハマスの攻撃があった7日から電気、水、食料の供給を停止したからもう限界を超えるような状態になった。イスラエルはガザ住民に対する水や食料の供給を再開しなければならない
 7日から始まったイスラエルのガザ攻撃によって犠牲になった人の数は2300人を超え、国際社会の激しい非難を受けた2014年のガザ攻撃よりも犠牲者の数は多くなった。イスラエルの攻撃は明らかに集団的懲罰という国際法違反の行為である。

 現在のイスラエルのガザ攻撃に関する戦争犯罪を国際刑事裁判所のローマ規程(1998年成立)から該当するものを下に紹介する。
1.殺人
2.身体又は健康に対して故意に重い苦痛を与え、又は重大な傷害を加えること。
3.軍事上の必要性によって正当化されない不法かつ恣(し)意的に行う財産の広範な破壊又は徴発
4.不法な追放、移送又は拘禁
5.文民たる住民それ自体又は敵対行為に直接参加していない個々の文民を故意に攻撃すること。
6.民用物、すなわち、軍事目標以外の物を故意に攻撃すること。
7.手段のいかんを問わず、防衛されておらず、かつ、軍事目標でない都市、町村、住居又は建物を攻撃し、又は砲撃し若しくは爆撃すること。
8.占領国が、その占領地域に自国の文民たる住民の一部を直接若しくは間接に移送すること又はその占領地域の住民の全部若しくは一部を当該占領地域の内において若しくはその外に追放し若しくは移送すること。

 上のような行為はいずれもイスラエルのガザ攻撃やヨルダン川西岸における入植地の拡大などの行為に明確に当てはまる
 パレスチナ人たちは環境問題をめぐってもアパルトヘイト状態に陥っている。イスラエルが占領したり、封鎖したりするパレスチナの土地は環境問題が深刻になっている。ガザの住民たちは、ガザの地下にある帯水層を利用しているが、その帯水層は海水や化学物質によって汚染されるようになっている。イスラエルがガザとヨルダン川西岸地区を分離しているために、ガザの住民たちはガザの帯水層しか利用できない。またイスラエルはガザの水道管、井戸、その他の水に関わるインフラを爆撃、破壊し、またパレスチナ人たちはイスラエルのガザ封鎖によって、水道インフラを修理する部品も調達できず、また海水淡水化プラントも建設できないでいる。飲料水が汚染されているために、ガザではサルモネラ感染症や腸チフスなどの疾患に罹っている。
 欧米諸国は戦争犯罪を繰り返すイスラエルに支援を与えているが、パレスチナ系の米国人思想家のエドワード・サイード(1935~2003年)は、シオニズムはヨーロッパ植民地主義の原則がパレスチナに移入されたもので、欧米諸国はパレスチナ人たちが置かれた苦境に配慮することがないと語った。サイードは、西洋のオリエント認識は人種主義に基づくもので、西欧的な考えに同化しない人種に冷淡なのだと主張した。シオニズムは、元々パレスチナに住んでいた人々の存在を否定し、排斥する傾向にある。サイードは、世界各地の人権侵害を批判する欧米諸国がイスラエルのパレスチナ人抑圧を問題にすることがない「偽善」を指摘した。

 イスラエルに人道的配慮を行わせるには国際世論はやはり重要なファクターとなる。ハマスの奇襲攻撃の後、ハーバード大学の「ハーバード・パレスチナと連帯するグループ」は、すべての暴力の責任はイスラエル政府に責任があるという声明を出した。今年4月、ハーバード大学の学生新聞「ハーバード・クリムゾン」は、その編集委員会の名でイスラエルに対するBDS(ボイコット、投資撤収、制裁)を呼びかけたこともあった。パレスチナ人の人権の尊重、パレスチナ人の解放が強調されている。これが公正の実現に向けた一つのステップであり、キャンパス内外の組織化と連帯の始まりであると述べられている。
 アメリカの大学生たちが世界の矛盾の是正に大きな影響力をもつことは、1980年代にカリフォルニア大学バークレー校の学生たちがアパルトヘイトの南アフリカ政府とビジネスを行う会社への投資を大学が撤収するように要求したことが、アパルトヘイト廃止に向けて重大な貢献となったことにも見られたが、アメリカの学生をはじめ国際社会の公正を求める動きがイスラエルの戦争犯罪を止める手立てとなればと思う

■ハマスの攻撃と「テロ」という言葉(10月16日)
 小野寺五典元防衛相は15日、パレスチナの武装組織ハマスによるイスラエルへの攻撃を日本政府が「テロ」と形容して非難した時期が遅かったと述べた。小野寺氏は「数日たっていたのは国際社会の見方からすると遅い発言かなと思う」と述べた。この場合の「国際社会」は「欧米社会」と置き換えたほうが適切だ。ハマスの攻撃を「テロ」と見なすのはイスラエルと、イスラエルに絶対的な支持を与えるアメリカや、その一部のヨーロッパ同盟国だけだ。アラブ・イスラム諸国ではハマスの攻撃はテロと見なされず、日ごろのイスラエルによるパレスチナ人に対する暴力の行使のほうが重大なテロと考えられているだろう。
 日本政府首脳はイスラム世界の武装集団の暴力については「テロ」という言葉をしきりに使うが、同盟国である米国やイスラエルの武力の行使(=暴力)については「テロ」という言葉を使うことがない
 ハマスの暴力をもたらしたのは、イスラエルが国際法を守らず占領を継続し、占領地で入植地を拡大することや、裁判もなく、パレスチナ市民を殺害したりすることが背景にある。イスラエルがパレスチナ人との共存を考え、そのための措置を真摯にとっていれば、大勢のパレスチナ人の命は失われることがなかっただろう。『ABC』の記事(10月15日付)によれば、2008年以降、イスラエル軍によって殺害されたパレスチナ人は6400人に及び、それに対してイスラエル人の犠牲者は300人だ。暴力はまったく肯定されるものではないが、ハマスの攻撃に米国など欧米諸国に同調するように、「テロ」という言葉を容易に用い、欧米やイスラエルの軍事行動を「テロ」と形容しない日本政府の姿勢はイスラム世界、ムスリムの人々から好感をまったくもたれないだろう。
 本来、イスラムという宗教ではテロはまったく容認されない。『コーラン(クルアーン)』第6章151節には「アッラーが神聖化された生命を、権利のため以外には殺害してはならない」。第2章256節では「宗教には強制があってはならぬ」と説かれる。
 第2章190節には「戦いを挑む者があれば、アッラーの道のために戦え。だが侵略的であってはならない。本当にアッラーは、侵略者を愛さない。」とある。
 また第2代カリフ(預言者ムハンマドの後継者)アブー・バクル(573~634年)に関するハディース(伝承)には彼が「女性、子供、老人、病人を殺してならぬ」と語ったというものがある。

 テロリズムに相当するアラビア語の言葉は「ヒラーバhirabah(人間社会に対する不法な戦争)」と言い、スペインのイスラム法学者であるイブン・アブドゥル・バッル(1070年没)は、ヒラーバとは人間の自由な移動を妨げ、旅人に危害をもたらし、腐敗を普及させ、また人を殺害したりすることである」と規定した。イスラムでは神の啓示を信じ、同じ聖典をもつキリスト教徒やユダヤ教徒の生命・財産の安全を保障しなければならないと説く。
 イスラエルは、イスラエル軍・警察などを攻撃するパレスチナ人を一様に「テロリスト」としているが、10月7日にハマスの攻撃があって以来、イスラエル軍の空爆で殺害されたガザのパレスチナの子どもたちの犠牲は724人に及ぶ。
 子供たちがイスラエルの安全にとって脅威ではないことは明らかで、かりに子供たちを守るためにパレスチナ人が暴力を行使したとしてもそれは自衛であってテロではない。占領地で武力に訴えるイスラエル軍・警察のふるまいはウクライナに侵攻したロシア軍と本質的に変わりなく、占領軍に対する抵抗は自衛権の行使と言える。本来は守られるべきパレスチナの子供たちが殺害されることにも、日本の政治家たちは関心をもち、非難しなければ、公平ではないことは言うまでもない。

■病院空爆というイスラエル軍の戦争犯罪はまったく容認できない(10月18日)
 平和こそが 戦争犯罪人を膝まずかせ
 自白するように 余儀なくさせる
 そして犠牲者たちとともに 叫ぶのだ
 戦争をやめろ
 ――ルイ・アラゴン(フランスの作家・詩人1897~1982年)「平和の歌」より

 17日、ガザの武装勢力ハマスとイスラエル軍の戦闘で、ロイター通信はイスラエル軍が空爆によって病院を破壊し、500人ぐらいが犠牲になったと伝えた。
 1回の軍事行動でこれほど多くの人々が亡くなったことはかつてなかった。イスラエル軍は親イランの民兵組織「イスラム聖戦」が攻撃したとして関与を否定したが、パレスチナの武装組織である「イスラム聖戦」がガザの病院を攻撃する動機はまったくないし、一度の攻撃でこれほどの破壊力や犠牲をもたらすほどの火力や破壊力はとうてい持ち合わせていない
 ガザではすでに3000人が死亡して、世界中から反発や非難を受けた2014年のガザ攻撃以上の犠牲がすでに出ている。イスラエル軍はガザ住民のガザ北部から南部への退避を求めたが、その南部でもエジプトに至るラファ検問所付近でイスラエル軍の爆撃で49人が死亡した。
 イスラエル軍の空爆は、武装組織ハマスや「イスラム聖戦」の殲滅を図ったものだったが、この空爆が正しくないのは武装組織とは関わりのない子供を含む多くの市民の犠牲を伴うからだ。米軍がアルカイダやISの指導者の殺害をイラクやアフガニスタンなどで主権を無視しておこなったのと同様に、ガザ市民たちやガザの武装組織の指導者たちは裁判にもかけられずに、イスラエル国外で殺害されている

 1949年8月12日のジュネーヴ諸条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(議定書Ⅰ)(1977年採択)には、文民の保護について総則の第1条4項で「国際連合憲章並びに国際連合憲章による諸国間の友好関係及び協力についての国際法の諸原則に関する宣言にうたう人民の自決の権利の行使として人民が植民地支配及び外国による占領並びに人種差別体制に対して戦う武力紛争を含む」とある。
 「人民の自決の権利」「植民地支配」「外国による占領」「人種差別体制」、すべて現在のイスラエルとパレスチナの関係に当てはまる。イスラエルはパレスチナ人の自決の権利を奪い、植民地支配を行い、占領を継続し、イスラエル国内や占領地で人種差別体制を敷いている。このようにパレスチナ人がロケットなどで占領と戦うことは国際法からも認められ、逆にイスラエルのガザ攻撃は国際法の観点からまったく正しくない。イスラエルが占領政策やガザへの封鎖をあらためない限り、パレスチナ人はイスラエル領内にロケットを撃ち続けることになるだろう。

 ハージョ・マイヤー博士(1924~2014年)はオランダの物理学者で、アウシュビッツでの収容経験があり、晩年は反シオニズム(イスラエル国家の基盤となるナショナリズム思想)の運動に従事し、イスラエルが「ホロコースト」をパレスチナ人に対する犯罪を正当化するために利用していると非難するようになった。2010年にイギリス労働党のジェレミー・コービン氏に招請された講演会では、空爆などイスラエルのガザの人々に対する扱いをホロコーストにおけるユダヤ人の大量殺害にたとえた

政府の還元策が二転三転,それがますます世帯間の分断を煽る(まるこ姫)

 岸田首相には、「どうすれば支持率が上がるか」ということしか念頭にありません。
 しかし思い付きが一向に的を得ないので、「一体何がしたいのか?」という声が自民党議員から上がっているということです。まるこ姫が取り上げました。
 太字及び青字強調個所は原文に拠っています。
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政府の還元策が二転三転,それがますます世帯間の分断を煽る
                         まるこ姫の独り言 2023.10.26
本当に岸田政権というか自民党というか、岸田の発表が場当たりすぎて、その場しのぎの対策しか打たない。

そもそもの発端は、岸田が発表した「増税分を還元する」

それがどこに着地点が分からないような、口当たりの良いことしか言わないし、還元策が経済活性化につながったとしても一過性で終わるのではないか。

減税は1年限定とか、非課税世帯以外の低所得世帯に10万円給付検討とか国民を分断したり混乱することしか議論しないのか。

減税と給付がそこかしこに散らばっている。
本当にアホの集団じゃないか。

【独自】非課税世帯以外の低所得世帯に10万円給付検討 政府の経済対策
                  10/25(水) 22:54配信 テレビ朝日系(ANN)
>政府は国民への還元策として検討している所得税などの減税に加え、非課税世帯以外の所得の低い世帯に10万円を給付する案を検討していることが分かりました。
>政府案では所得税を3万円、住民税を1万円減税し、扶養家族も対象とする方針です。
>一方、給付については、この春に非課税世帯に対して3万円を給付していますが、今回さらに7万円を給付する方針です。 

減税やら、給付やらと忙しいことだ(皮肉)
しかし、どこからそんな大金が降ってくるのだろうか。

岸田の方針がころころ変わりますます複雑怪奇になり、何が何やら分からなくなってきたし,政策から見ても世帯間を分断するようなやり方はよくない。

「検討」の段階からメディアが毎日報道している事も、あまりに急ぎすぎて国民側からしたら一喜一憂の元に見えるし。

政権は国民の反応の様子見をしているのか、メディアは検討段階から頻繁に報道する。

メディアもこういうことには、やたら真剣に取り組むよなあ・・・・
煽ること、揉ませる事が好きな商売だ。

岸田も、本来なら日本の総理としてこの国の未来を考え、財政や経済をどう建てなおしていくか、少子化をどうするのか等々、真剣に考え実行していかなければいけないのに、選挙しか頭にないような大盤振る舞い。
狂ったように金をバラマこうとしている。

本当にこれでいいのか。

世帯世帯での給付ではなく、すべてに等しく減税になる「消費税減税」の方が分断を煽らず平和的な解決になるのに、与党も野党もそこには言及しない。

消費税の増税の時も、国民の皆に負担をして貰うと言っていたことを考えたら、減税だってできる理屈だ。

そしてトリガー条項も良いだろう。
多くの業者や企業、そして地方の住民はほとんどガソリンにお世話になっていることだし、トリガー条項を発動させたら、自動車のない一般国民だって、まわりまわって恩恵を受けるわけだから。

しかしこれは一時しのぎの政策で、本来なら日本国を立て直すため、そして経済を活性化させるために、利権構造やしがらみを捨て未だかつてない抜本的な構造改革に取り組まないと、ますますこの国は貧乏になるし世界からどんどんおいていかれることになるのではないか。 

28- 米国の世界戦略 ~ ガザ沖の天然ガスを奪うこともガザで虐殺する理由

 櫻井ジャーナルに掲題の記事が載りました。
 パレスチナ自治政府は1999年にブリティッシュ・ガスと25年間のガス探査契約を結び、その年に大規模なガス田を発見しました。
 ノーブル・エナジー2010年イスラエル北部で推定埋蔵量約4500億立方メートルの大規模なガス田を発見しました。またUSGS(アメリカ地質調査所)の推定によると、エジプトからギリシャにかけての海域には9兆8000億立方メートルの天然ガスと34億バーレルの原油が眠っているということです。
 イスラエルは既にガザ沖の天然ガスの支配権を確立していますが、ガザにパレスチナ人がいない方が都合がよいので、米国/NATO/イスラエルはガザを建物を破壊、住民を虐殺し、残った人びとをエジプトへ追い出そうとしましたが、エジプト政府が思い通りに動かず、パレスチナ人もガザから離れることを拒否してきたのがこれまでの経過です。
 下記のURLから原文にアクセスすると、関連する地図をご覧になれます。
   https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202310280000/ 
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米国の世界戦略を実現、さらにガザ沖に天然ガスを奪うこともガザで虐殺する理由
                         櫻井ジャーナル 2023.10.28
 イスラエルはアメリカの戦略において、これまで以上に重要な位置を占めている。ガザやヨルダン川西岸に住むパレスチナ人がこれまで以上に邪魔な存在になったということだ。
 アメリカのバラク・オバマ政権がネオ・ナチを使ったクーデターでウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除した翌年、ロシアのウラジミル・プーチン大統領は中国のBRI(一帯一路)とユーラシア経済連合(アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン、ロシア)を連結し、多極的な関係を築くと宣言している。
 ロシアは9月10日から13日にかけてウラジオストクでEEF(東方経済フォーラム)を開催、今年は朝鮮の金正恩労働党委員長も出席したが、その直前の9月8日、ニューデリーでG20サミットが開かれている。その席上、インドのナレンドラ・モディ首相はIMEC(インド・中東・欧州経済回廊)プロジェクトを発表した。

 IMECはインド、UAE(アラブ首長国連邦)、サウジアラビア、イスラエルを結び、さらにギリシャからEUへ伸びるルートだ。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相によると、アメリカがイスラエルにこの計画を持ちかけたという。インドは以前からイスラエルやサウジアラビアとの関係を強化、サウジアラビアもイスラエルに接近していた。アメリカの属国と化したヨーロッパを繋ぎ止めるため、ヨーロッパと西アジアをつなぐわけだ。その中核になるのがイスラエルにほかならない。
 イスラエルはパレスチナ人を隔離するため、ガザを収容所にしたが、そのガザ沖に天然ガス田が存在することは以前から知られていた。その利権をイスラエルやアメリカは奪おうとしている

 1995年9月、イスラエルのイツァク・ラビン首相とPLOのヤセル・アラファト議長が「オスロ2合意(ヨルダン川西岸地区とガザ地区に関する暫定合意)」に調印、それによってパレスチナ自治政府に海岸から20海里までの海域の海洋管轄権を与えた。
 パレスチナ自治政府は1999年にブリティッシュ・ガスと25年間のガス探査契約を結び、その年に大規模なガス田を発見したのだが、パレスチナ人は何の利益も得ていない
 2006年にガザで行われた選挙でハマスが勝利した後、イスラエルの首相だったアリエル・シャロンの顧問、ドブ・ワイスグラスはガザを兵糧攻めにすることを決める。それまでもガザはイスラエルに支配されていたのだが、2007年以降、弾圧の度合いは格段に強まった。そしてイスラエルはガザ沖の天然ガスの支配権を確立する

 ハマス(イスラム抵抗運動)は1987年12月、シーク・アーメド・ヤシンによって創設された。ヤシンはムスリム同胞団の一員としてパレスチナで活動していた人物だが、シン・ベト(イスラエルの治安機関)の監視下、ムジャマ・アル・イスラミヤ(イスラム・センター)を1973年に創設、76年にはイスラム協会を設立。このイスラム協会の軍事部門として1987年に登場してくるのがハマスである。
 イスラエルがハマスの創設に深く関与しているわけだが、その理由はPLO(パレスチナ解放機構)の中心的な組織、ファタハ(パレスチナ民族解放運動)を率いるヤセル・アラファトを抑え込むためだった。アラファトのライバルを育て、内部対立させることで運動を弱体化させようとしたのだ。
 イスラエルは2004年3月にヤシンを殺害、その年の11月にはアラファトも死亡した。アラファトは毒殺された可能性が高い。アラファトが死んでからPLOの影響力は大きく低下、ハマスが主導権を握った
 イスラエル北部で推定埋蔵量約4500億立方メートルの大規模なガス田を発見したとノーブル・エナジーが発表したのは2010年。USGS(アメリカ地質調査所)の推定によると、エジプトからギリシャにかけての海域には9兆8000億立方メートルの天然ガスと34億バーレルの原油が眠っている。ビル・クリントン元米大統領はノーブル・エナジーのロビイストだった。
 オバマ政権はこの地域でムスリム同胞団やサラフィ主義者(ワッハーブ主義者やタクフィール主義者と渾然一体)を使って2010年の終盤から始められた「アラブの春」。その工作は2010年8月にPSD(大統領研究指針)11を承認したところから始まる。その3カ月後にはイギリスとフランスはランカスター・ハウス条約を締結。この地域に親イスラエル国が誕生させることになっていたようだ。
 欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の最高司令官を務めたウェズリー・クラークによると、1991年に国防次官だったポール・ウォルフォウィッツはイラク、イラン、シリアを殲滅すると口にし、9/11から10日ほど後には統合参謀本部で見た攻撃予定国のリストにイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランが載っていたという。(3月10月
 アメリカ/NATO/イスラエルはガザを建物を破壊、住民を虐殺し、残った人びとをエジプトへ追い出そうとしていたが、エジプト政府が思い通りに動かなかったようだ。パレスチナ人もガザから離れることを拒否した

 彼らは民族浄化を済ませた後、シリア、レバノン、イランを破壊するつもりだったのかもしれないが、ガザに対する攻撃に対する怒りは世界で高まり、イスラエルを支えている日米欧の支配者は厳しい状況に陥った

2023年10月27日金曜日

27- 岡真理はXで発信を イスラエルの大虐殺とレイシズムに反対の声を上げない左翼リベラル

 26日夜、イスラエルの戦車隊がガザ北部に侵入しました。これは地上侵攻の準備と見られています。ガザでは空爆によって既に7000人超の人命が失われ、このうち約3000人が子どもです。
 世に倦む日々氏が25日、掲題の記事を出しました。Xとは旧名ツイートのことで、岡真理氏はそれによって大々的に世の中に発信して欲しいという願いです。
 そしてイスラエルによるガザの大虐殺、民族浄化に対して、日本では厳しい批判が起きていないことに対する渾身の告発です。

 世に倦む日々氏は、20日に京都大学で行われた岡真理氏による緊急学習会ガザとはなにか」の動画によって受けた強烈なショックを語っています。
 講演の内容はIWJによって①~④編の動画(全2時間44分)で紹介されています。『岡真理 ガザとはなにか』で検索すればアクセスできます。
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岡真理はXで発信を - イスラエルの大虐殺とレイシズムに反対の声を上げない左翼リベラル
                       世に倦む日日 2023年10月25日
岡真理の『緊急学習会 ガザとは何か』と題した講演がネットに上がっている。10/20 に京大で行われた講演を収録して公開した動画だ。ほぼ同じ内容の講演が『ガザを知る緊急セミナー』と題して 10/23 に早大戸山でも行われていて、多くの視聴者が参加して盛況だったようだ。10/20 の動画を見た。全体が2時間44分と長く、見ようかどうしようか若干迷った。岡真理といえば有名なフェミニストで、その方面での評価や第一印象からも躊躇を覚えたのは事実である。が、動画を見始めると、最後まで中断することなく、退屈を全く覚えず、興奮ばかりで見終わる次第となった。正直な感想だ。内容がいい。過不足ない。目の前で起きているガザの惨劇について、実に当を得た標準的知識が提供されている。完璧と言える教育コンテンツに仕上がっiている。

いずれ、この講演は一冊の本になって出版される予感がする。客観的に見たとき - 称賛過剰かもしれないが - ここまでの説得的なメッセージとデータを、コンパクトにタイムリーに、中身濃く整理して投擲できる論者は世界にも多くないだろう。この問題の解説として世界的な佳作と評価でき、国連の関連委員会に呼ばれて専門家として登壇するに十分だ。最大の誉め言葉を与えるとすれば、「日本のサイード⇒エドワード・サイード、パレスチナ系米人の文学研究者」の出現と言える。何にも忖度していない。真実を射抜く視線と表現に曇りと歪みがなく、科学的に正しい態度が貫かれている。真実の歴史が誤りなく整理・説明されていて、真実を歪める不当で佞悪な政治的恣意が、渾身の怒りと共に暴露し告発されている。見事であり、サイード的だと言える。人文社会科学者はこうでなければならない。お手本の労作だ。

せひ、今回の岡真理の秀逸な講演を、韓国語に、中国語に、ベトナム語に、アラビア語に、英語に翻訳し、アジア諸国と世界中の人々に聴いてもらいたい。感動と良質な知見を与えるだろうし、日本人の名誉を守ることができる。そう思う。動画の視聴は期待した以上の収穫と感銘があった。見る前はもっと平板なものかと思った。日本の現在のアカデミーらしい、上っ面を撫でただけの、マイノリティ論とジェンダー論を振りかざしただけの、文科省に媚を売って浅薄なリベラル左翼の消費を満足させるだけの、中立を演出し保身して面妖な言葉を選んだだけの、高橋和夫や錦田愛子と似たり寄ったりの言説だと想定していた。そうではなかった。まさに、私が求める知的内容と知識人の主張がそこにあった。数時間後の死を覚悟して境界壁を突破したハマス戦闘員の勇気を讃えていた。

それは言ってもらいたいことだった。専門家による果敢な熱の籠った代弁があった。イスラエルの「情報戦」の内実と真相も伝え、ガザからの発信を無力化する狡猾なカウンターの術策を暴露していた。イスラエルの「封鎖」を暴力だと正当に定義していた。今回、ハマスの襲撃を受けたイスラエル市民の女性が、ハマス戦闘員の紳士的対応とイスラエル軍の自国民への残虐行為を証言した(イスラエル公共放送の)報道も紹介され、イスラエルのプロパガンダの悪辣な手口が明らかにされていた。ジェノサイド条約の紹介もあり、国際法と歴史過程の説明も十分で、テレビで流れている情報が噴飯すぎて消し飛んでしまう。ガザの下水の汚染の現状の深刻さや、それに伴う感染症の危機も訴えられていた。境界壁に向かって突進して、イスラエル軍に撃たれて死ぬ若者の自殺の形態と選択には胸が詰まった

不思議に思うのは、TBSの報道1930に岡真理がコメンテーターとして出演しないことだ。何故だろう。10/11 の放送回には重信メイが登場してイスラエル大使から抗議が炸裂し、右翼がTBSと重信メイを袋叩きにする場面が現出した。10/12 のXトレンド欄とヤフー検索欄はこの政治リンチの攻勢で埋まった。岡真理を出演させておけば、このような事態は発生しなかったはずだ。岡真理はジェンダー論の重鎮であり、アカデミーの正統幹部であり、実績と名声のある女性研究者という立場である。すなわち、政府とアカデミーにとって「無条件にリスペクトするグレートな学者」に他ならない。比喩すれば、額の上に水戸黄門の印籠を掲げて歩いているようなシンボル的存在で、その威光の前に誰も手出しできない。時代の思潮のメインストリームの権威であり、たとえ多数派の右翼でも簡単に非難や罵倒などできない。

どれほど、テレビでの彼女の発言内容がアメリカにとって不都合でも、SDGsと欧米リベラル主義のイデオロギーで日本を改造し一色化しようとするCIA(NED)からすれば、重信メイと同列ではない。安易に叩いて潰せない相手だ。であれば、松原耕二と堤伸輔は、重信メイではなく岡真理をゲストに呼ぶべきだっただろう。深察するなら、おそらく岡真理ではあまりに説得力が強烈すぎ、日本の世論が一気にパレスチナ寄りに触れる可能性があり、また、堤伸輔程度の知識では到底太刀打ちできる相手ではないため、彼女の起用を避けたのだろう。NHKも無論である。マスコミは、忖度せずに正論をストレートに言う知識人の岡真理を出せない。ということで、残念ながらテレビで岡真理の議論を聞くことができない。であれば、あとはネットで情報機会を作るしかなく、ネットで岡真理の解説と主張を拡散するしかない

だが、これほど価値があると思われる岡真理の言説は、なぜか意外にもネットで広く拡散されておらず、十分に周知されていない。これこそ不思議中の不思議の問題だ。現在、ガザの支援運動の中心で動いているのは杉原浩司で、彼のXアカウントが準ポータル⇒入口案内の役目を果たしている。日本各地での抗議行動やセミナー開催を告知・案内し、重要なメッセージや世界の動きをよく中継・配信している。精力的に動いているが、閲覧数は少なく、十分で満足なインフル―エンスを達成できていない。Xのフォロワー数は1万。私は誰もフォローしてないので、こうしたネット環境の政治影響力の構造と事情に疎いのだけれど、一般に左翼リベラルが時事の言論のトレンドや勢力バランスを観察する上で参考にするのは、内田樹のXアカウントだと思われる。フォロワー数26.8万人。フォロワー数22.9万人の志位和夫もその一人である。

その内田樹のXタイムラインを見ると、実はガザ問題について全く本人の言及がない点に気づく。山崎雅弘の発言を拾って載せている程度で、本人がガザ問題に積極的な関心がない事実が分かる。明らかに目を背けた態度を示している。毎日毎日、人口密集地に住む無抵抗の民間人に白リン弾が降り注がれ、最新鋭の高性能ミサイルが絶え間なく撃ち込まれ、世界注視の中で、殺戮ショーのように子どもが一日に180人殺されているというのに、内田樹は関心を示さず言葉を発しない。本当なら、岡真理の講演を紹介し、左翼の大衆に推薦するべきだろう。岡真理の講演をエンドース⇒裏書保証して拡散するのが内田樹の役目だと思われる。知らない同士でもないに違いない。そうした権威様のリアクションがあれば、今よりは岡真理の講演が注目され、メッセージに共感する者が増え、この国の世論やマスコミを動かす契機になるに違いない。

もう一つ、関連してネットで発見した対照的な事実を報告したい。リテラと長周新聞である。どちらも名うての左翼系ネットメディアだ。リテラをご覧いただきたい。10/7 のハマス侵攻から2週間半の間に2本の記事が掲載されている。ガザ問題への言及はない。(私が「しばき隊メディア」と批判する)リテラなる媒体は、基本的に国内政治にフォーカスする傾向が強く、日本共産党系(しばき隊系)の問題意識で編集されている性格が強い。国際政治については関心が薄い。それは理解できるが、この2週間ほど、世界の市民は何を見て何に釘づけられていたのか。世界中が視線を集中していた事件は何だったのか。それを考えると、あまりにリテラの行動は不自然で非常識だ。ジャーナリズムの活動体失格だろう。一方、長周新聞の方は、10/8以降、9本のガザ関係の記事を立て、どれもマスコミでは聞けない正論の報道や解説を並べている

岡真理は、講演の中で、この暴力と惨劇に「人道危機」という言葉を当てるのは、欺瞞でゴマカシであり不当だと言っていた。私も同感だ。テレビ報道が何度も言い、この問題を定義づける「人道危機」という、いわば国連官僚用語に猛烈な内心の抵抗を覚える。この言葉は真実を伝えておらず、むしろ隠蔽している。イスラエルの異常な犯罪を意識させない言説機能を果たしている。そんな軽いもんじゃない。行われているのは、まさにナチスのユダヤ人虐殺の21世紀版であり、とてつもないレイシズムの暴力であり、ヘイト(民族憎悪)を動機とし信念とした、ヘイトを使命感とし正当性の根拠とした悪魔のジェノサイドだ。岡真理の指摘のとおりだ。そこで言いたい。日本の左翼は、口を開けば、二言目にはヘイトヘイトと言い、レイシズムレイシズムと言い、専売特許の主張にしてきたではないか。

日本の左翼リベラルの、君たちの「ヘイト」と「レイシズム」はどこへ行ったのだ。目の前のガザの現実はその凄絶な実態ではないのか。しばき隊左翼(日本共産党)は、なぜこの問題をヘイトとレイシズムの問題として措定し糾弾しないのか。日本の今の右翼の在日へのヘイトとレイシズムなど、イスラエルのパレスチナに対するそれと比較すれば、数十分の一の質量と被害のレベルに私には見える。敢言すればプロレスのショーのようなもので、しばき隊左翼の立場的優越性を世間にアピールしパフォーマンスする一種の政治機会にすぎない。日本語の「ヘイト」と「レイシズム」は、そうした軽い政治言語になっている。しばき隊の左翼利権を保障し、アカデミーやマスコミやネットでの特権的地位を担保する、先制的固定的な立場優位性を維持するキーワードになっている。

この問題を私はずっと前から論及し批判してきたが、今回のガザの問題を受けて、いよいよ日本の左翼の欺瞞が明瞭になった感を禁じ得ない。具体的に言おう。今年の関東大震災100年の折、中心的な話題になったのは福田村事件であり、朝鮮人大虐殺の問題だった。安倍晋三が死んで消えた経緯と、アメリカと西側による日本の思想改造(SDGs洗脳プロジェクト)の一環だと推察される。また、アメリカ(CIAとエマニュエル)が、日本と韓国を必死で接着させようと試み、そのイデオロギー的教宣材料として、関東大震災の朝鮮人大虐殺の歴史認識を持ってきたように思われる。悪いことではないが、魂が籠っておらず、日本の多数勢力である右翼は面従腹背だろう。一見、ヘイトとレイシズムを悪とする倫理教育が丹念に実施されたかに見えたが、このガザの問題に直面して、その概念を応用する日本人はどこにもいない。誰も言わない。言葉は消えている。

あれほど福田村事件の反省と教訓を言い、民族差別の悪が説諭され、マスコミ報道で教育されながら、なぜ、われわれはイスラエルのパレスチナに対するレイシズムの暴力には無言なのか左翼は黙っているのか。レイシズムの語が発されないのか。以上、ずいぶん脱線してしまった。この稿の大事な結論である提案の訴えが最後になった。岡真理は、どうしてXアカウントを自ら立ち上げて発信を試みないのだろう。今立ち上げれば、数万のフォロワーを瞬時に獲得し、個別ポストの閲覧数も万単位となり、巨大なインフル―エンス⇒影響とモメンタム⇒推進力を獲得できる展開は疑いない。ネット言論の台風の目となり、ガザ問題の左派の標準ポータルとして確立するはずだ。マスコミも岡真理をテレビ出演させざるを得なくなり、アメリカに忖度するお茶濁しの面々(田中、高橋、錦田)は消えてなくなる。岡真理にはその行動が必要だと思う。政治を、世論を動かさないといけないのだから。

ビジビリティ⇒可視化を上げて欲しい。

2023年10月25日水曜日

岸田所信表明演説 空虚な歩み(植草一秀氏)

 ブログ「くろねこの短語」によれば、23日の岸田首相の所信表明演説は「『経済、経済、経済』と連呼した後にドヤ顔で議場を見渡した増税クソメガネにすかさず、れいわ新選組の山本太郎氏が『この経済オンチ』と野次を飛ばし、立民の小沢一郎氏は『もはや全てが意味不明な総理の妄想。ポエムの他は中身ゼロの官僚の作文』とツイート」したということです。
 経済学者の植草一秀氏が題記の記事を出しました。
 この度の所信表明をはじめ岸田首相が経済に関して発言してきたことが徹頭徹尾間違っていて無内容であることを明らかにしています。そして岸田氏は「『分配の是正どころか格差のさらなる拡大に邁進していると言える」のであって、「岸田内閣の退陣が最大の経済対策になる」と述べています。(^○^)
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岸田所信表明演説 空虚な歩み
              植草一秀の「知られざる真実」 2023年10月24日
「日本国内閣総理大臣として、私の頭に今あるもの、それは、「変化の流れを絶対に逃さない、掴み取る」の一点です。
最初に掴まなければならない変化の流れは、「経済」です。
「経済、経済、経済」、私は、何よりも経済に重点を置いていきます。」
議場を白けさせる岸田首相の空虚な言葉。
岸田文雄首相が10月23日に所信表明演説を行った。

岸田氏はこう続けた。
変化の流れを掴み取るための一丁目一番地は経済です。
低物価・低賃金・低成長のコストカット型経済から持続的な賃上げや活発な投資がけん引する成長型経済への変革です。」
空虚な言葉が続く。
2021年10月に首相に就任した岸田文雄氏は翌22年5月に英国ロンドンで講演した。
「今日は、私が提唱する経済政策、特に新しい資本主義についてお話ししたいと思います。
私からのメッセージは一つです。
「日本経済は、これからも、力強く成長を続ける。安心して、日本に投資して欲しい。」、Invest in Kishida です。」

しかし、日本経済は昔も今も「力強く成長して」いない。

   日米独仏英中の名目GDP推移(ドル換算、1995年=100)









1995年の日本のドル表示名目GDPを100として指数化すると2022年のGDP水準は76になる。
27年間で日本のGDPは24%も減少した。同じ期間に中国の名目GDPは245倍に拡大、米国のGDPは3.33倍に拡大した。

この事実があるなかで岸田首相は、
「日本経済は、これからも、力強く成長を続ける」
と声を張り上げた。日本国民として心から恥ずかしく思う
岸田氏が首相に就任した2021年10月の所信表明演説。

岸田氏は次のように述べた。
「私が目指すのは、新しい資本主義の実現です。
新自由主義的な政策については、富めるものと、富まざるものとの深刻な分断を生んだ、といった弊害が指摘されています。
成長の果実を、しっかりと分配することで、初めて、次の成長が実現します。
第一の柱は、働く人への分配機能の強化です。
第二の柱は、中間層の拡大、そして少子化対策です。
第三の柱は、看護、介護、保育などの現場で働いている方々の収入を増やしていくことです。
第四の柱は、公的分配を担う、財政の単年度主義の弊害是正です。」

岸田内閣が発足して2年の時間が経過する。
コロナ禍からの脱却が遅れに遅れた上、いまだに本格的景気回復を実現できていない。
2022年度の日本の実質GDP水準は2019年度を下回っている。

      実質GDP推移(実質、兆円、2015年価格)














岸田首相が
「「低物価・低賃金・低成長のコストカット型経済」から「持続的な賃上げや活発な投資がけん引する成長型経済」への変革」を基軸に据えていること自体が誤りである。
物価上昇=インフレを放置して「持続的賃上げ」を求めても問題は解決しない。
インフレ下の賃上げがインフレを上回ることはない。

賃上げも実施できるのは一握りの大企業にとどまる。
インフレを超える賃上げを実施する中小零細企業などほとんど存在しない。
2年前の所信表明演説で岸田氏は「分配の是正」が重要だと述べたが、分配の是正はまったく進展していない
インフレ亢進を放置すれば大企業労働者と中小零細企業労働者の格差は一段と拡大する。

大事なことは「インフレを抑止し、実質賃金上昇を誘導するとともに、すべての労働者に保証する最低所得水準を大幅に引き上げる」こと。
同時に税制改革の焦点は消費税減税だ。消費税こそ格差拡大の元凶である。
税収が増大し、それを国民に還元するというなら、消費税減税を断行するべきだ。
岸田首相が打ち出しているのは負担が軽減され続けてきた大企業へのさらなる減税措置の拡大である。
「分配の是正」どころか「格差のさらなる拡大」に邁進していると言える。
岸田内閣の退陣が最大の経済対策になる。

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続きは本日の メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第3614号
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