2026年4月11日土曜日

米国をイスラエルがイランとの戦争に巻き込んだと西側の大手メディア

 櫻井ジャーナルの掲題の記事を紹介します。
 ここでは何故トランプが2月28日に突然イスラエルと一緒になってイランへの攻撃に踏み切ったのかが分かりやすく語られています。それによると、
 2月11日にシチュエーション・ルーム(ホワイトハウス地下の重要会議室)で、ネタニヤフがトランプとその取り巻き(イラク戦争反対派は除外)に対して、モサドの情報として
「イラン国内において再びデモが始まり、イスラエル諜報機関の扇動で暴動や反乱が引き起こされ、激しく爆撃すれば体制を転覆させられる。イランの弾道ミサイル計画を数週間以内に破壊でき、イランは体制の弱体化でホルムズ海峡を封鎖することは不可能になる」、「(同時に)クルド人の戦闘員がイラクから国境を越えて北西部へ攻め込んでイラン軍の戦力を分散させる」と説明したところ、そのプレゼンテーションにトランプ大統領は感銘を受け、「いい考えだ」とネタニヤフ首相に告げたということです。
 2月12日にはシチュエーション・ルームで米国の情報機関による分析結果が大統領の側近たちに示されラトクリフCIA長官はイスラエル側のシナリオを「茶番」と表現ケイン統合参謀本部議長は大統領に対し、イスラエルはアメリカを必要としているので、強引に売り込んでいるのだと説明したのですが、こうした懸念を大統領は無視2月27日にエアフォースワンの機内で「エピック・フューリー作戦を承認する。中止は認めない。幸運を祈る」と命じたということです
 トランプの驚くべきイスラエルへの傾倒であり、驚くべきトランプの軽薄さです。
 要するにトランプはイスラエルによって これ以上はないほど利用しつくされたのでした。
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米国をイスラエルがイランとの戦争に巻き込んだと西側の大手メディア
                         櫻井ジャーナル 2026.04.09
 アメリカ軍とイスラエル軍が2月28日にイランを奇襲攻撃した結果、世界経済は破綻の瀬戸際まで追い詰められている。この無謀な戦争へドナルド・トランプ政権が動き出したのは2月11日のようだ
 西側を支配する私的権力の影響下にあるメディアのひとつ、ニューヨーク・タイムズ紙のジョナサン・スワンとマギー・ハーバーマンによると、2月11日にイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相がホワイトハウスを訪問、シチュエーション・ルームへ入り、トランプ大統領やその側近と秘密裏に会議を開いた。テーマはイランだ。壁に設置された大型スクリーンにはイスラエルの対外情報機関モサドのダビッド・バルネア長官やイスラエル軍関係者が映し出されていたという。アメリカ側の出席者はスージー・ワイルズ首席補佐官、マルコ・ルビオ国務長官、ピート・ヘグセス国防長官、ダン・ケイン統合参謀本部議長、ジョン・ラトクリフCIA長官、ジャレッド・クシュナー大統領補佐官、そしてスティーブ・ウィトコフ中東担当特使だ。
 戦争計画は秘密で、ほかの政府高官は会合の開催を知らされず、J・D・バンス副大統領も欠席していた。財務長官のスコット・ベセントやエネルギー長官のクリス・ライト、そして国家情報長官のタルシ・ギャバードは排除されていた。

 モサドは会議の中で、イラン国内において再びデモが始まり、イスラエル諜報機関の扇動で暴動や反乱が引き起こされ、激しく爆撃すれば体制を転覆させられると説明、イランの弾道ミサイル計画を数週間以内に破壊でき、体制の弱体化でホルムズ海峡を封鎖することは不可能になるともしていた。
 さらに、クルド人の戦闘員がイラクから国境を越えて北西部へ攻め込んでイラン軍の戦力を分散させるともしている。イラクのクルド人は以前からイスラエルの支配下にあり、その指導者はモサドだと言われている。そのプレゼンテーションにトランプ大統領は感銘を受け、「いい考えだ」とネタニヤフ首相に告げたという。
 2月12日にはシチュエーション・ルームでアメリカの情報機関による分析結果が大統領の側近たちに示された。ラトクリフCIA長官はイスラエル側のシナリオを「茶番」と表現、ケイン統合参謀本部議長は大統領に対し、イスラエルはアメリカを必要としているので、強引に売り込んでいるのだと説明している。こうした懸念を大統領は無視、2月27日にエアフォースワンの機内で「エピック・フューリー作戦を承認する。中止は認めない。幸運を祈る」と命じた。

 アメリカ軍とイスラエル軍は2月28日にイランを攻撃、最高指導者のアヤトラ・アリ・ハメネイ師、アブドルラヒム・ムサビ参謀総長、アジズ・ナシルザデ国防相、イラン革命防衛隊(IRGC)のモハメド・パクプール司令官、そして最高安全保障委員会(SNSC)事務局長でハメネイ師の顧問を務めていたアリ・シャムハニを含むイランの要人を殺害した。
 オマーンのバドル・ビン・ハマド・アル・ブサイディ外相によると、9カ月の間に2度、アメリカとイランはイランの核開発計画について協議し、合意まであと一歩のところまで迫っていたという。ところが最も実質的な協議からわずか数時間後、アメリカとイスラエルはイランを攻撃したのだ。核開発計画に関する協議はアメリカがイランを油断させ、要人を一箇所に集めるための罠だったのだろう。

 イラン軍は奇襲攻撃の直後に反撃を開始、イスラエルや中東のアメリカ軍基地をミサイルやドローンで攻撃しはじめる。イスラエルではテルアビブやハイファといった都市は破壊され、ディモナにあるシモン・ペレス・ネゲブ原子力研究センター(ディモナ原子炉)に近い場所も攻撃されカタールにあるアル・ウデイド空軍基地、クウェートのアル・サレム基地、アラブ首長国連邦のアル・ダフラ空軍基地、バーレーンのアメリカ軍第5艦隊基地、サウジアラビアのリヤドにあるプリンス・スルタン空軍基地なども攻撃された。
 アメリカ軍の航空機が墜落したり撃墜されているとする情報が流れている。イラン南西部、イスファハンの近くで撃墜されたF-15E戦闘機の兵装システム士官を救出したとする発表がトランプ大統領からあったが、これは作り話されている。イスファハンはイランの核関連の重要施設に近い。
 墜落地点の問題もあるが、兵装システム士官を救出するためにAH-6「リトルバード」を2機ずつ搭載した2機のC-130J輸送機が投入されていることに疑問を持つ人が少なくないC-130Jにはそれぞれ3人の乗員が搭乗、そのほかヘリコプターの要員4名が乗っていたと推測されている。
 また、海軍の特殊部隊SEALチーム6の隊員が作戦に参加していたとされている。C-130JはAH-6のほか戦闘装備を積んだ8から12名の隊員を輸送できる。つまり2機のC-130Jは16名から24名の特殊部隊員も乗せられる。
 ひとりの兵装システム士官を救出するためにこれだけの人員を投入するのは不自然。兵装システム士官のいる場所がわかっているなら、そこへヘリコプターを派遣すれば良い

 イスファハンはイランの核関連の重要施設に近く、救出作戦ではイラン軍との銃撃戦があり、死傷者が出たとアメリカは発表しているが、イラン軍はこの出来事について、複数のアメリカ軍機の参加した失敗した侵攻作戦だとしている。イランの核開発計画などを標的とした攻撃を実施するための偵察、あるいはイランが保有する核物質を回収するための作戦だったのではないかというのだ。事実は不明だが、アメリカ軍とイスラエル軍の作戦が予定通りに進んでいないことは確かだろう。
 窮地に陥ったアメリカ政府はイラン政府に対して停戦交渉を持ちかけていた過去の騙し討ちに懲りているイランは応じなかったが、パキスタンを介して10項目の要求を提示した。ホルムズ海峡の通行をイランが管理、イランの同盟勢力に対する軍事行動の停止、西アジア地域からのアメリカ軍撤退、イランの役割を明記したホルムズ海峡における安全保障協定の策定、イランが被った損害に対する全額補償、すべての制裁および国際決議の撤廃、凍結されたイラン資産の返還、そしてこれらの条件を拘束力のある国連安全保障理事会決議として正式に承認することだ。イラン当局者によると、パキスタンはアメリカがこれらの原則を受け入れたと伝えたという。イスラエルとアメリカが攻撃を停止するならば、イランは報復攻撃を行わない

社会保障財源は所得税と法人税(植草一秀氏)

 社会保障の財源は所得税と法人税に拠るべきとする植草一秀氏の記事を紹介します。
 同氏は、社会の木鐸であるべきメディアが政治権力、行政権力にすり寄る行動を示し、財務省の「御用聞き」化していることを痛烈に批判します。
 財務省が消費税減税を嫌う理由は消費税が大衆課税であるからで、彼らは大企業と富裕層の税負担を軽くして一般庶民全体に税負担をかけることを指向しています。その理由は大企業と富裕層が財務省に利得を与える主体であり、利得の中核は「再就職のポスト」=「天下り」であると明言します。逆に一般庶民に恩恵を施しても財務省の利権は増えず、大企業と富裕層への財政資金配分を減らすことにつながります。
 社会保障財源として所得税・法人税と消費税のどちらが良いかといえば、圧倒的に所得税や法人税が望ましく、それは「能力に応じた課税」だからです。
 それに対して消費税の最大の特徴は逆進性であり、例えば年収10億円の人が1年に1億円消費する場合、消費税率10%ではその人の税負担率は年収の約1%になるが、年収が100万円の人が全額消費に回すと年収の1割近くが消費税で奪われてしまいます。
 年収100万円の人の消費に占める食品の比率は高いので、食品の税率がゼロになれば恩恵は大きいのです。。
 それに対して所得税は税率が累進構造になっているので、一般的には所得税減税の方がはるかに富裕層の減税額が大きくなります。
 懸命に財務省の御用新聞になろうとしている日本経済新聞は購読をボイコットするべきだろうと述べます。
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社会保障財源は所得税と法人税
               植草一秀の「知られざる真実」 2026年4月 9日
日本経済新聞が消費税減税潰しに懸命だ。背景に新聞に軽減税率が適用されていることがある。
また、日本経済新聞の収入に占める政府支出のウエイトの大きさも関係していると思われる。
日本経済新聞は政府絡みのイベント屋に成り下がっている。
これらのイベントに対する政府支出が大きいと推察される。

社会の木鐸であるべきメディアが政治権力、行政権力にすり寄る行動を示す。
最大の活動は財務省の「御用聞き」。財務省は消費税減税を嫌う。理由は消費税が大衆課税であるからだ。
財務省は大企業と富裕層の税負担を軽くして、一般庶民全体に税負担をかけることを指向する。
大企業と富裕層の税負担を軽くする理由は、大企業と富裕層が財務省に利得を与える主体であるからだ。

財務省の利得の中核は「再就職のポスト」。「天下り」と呼び変えてもよい。
一般庶民に恩恵を施しても財務省の利権は増えない一般庶民に恩恵を施すことは財務省に利権を提供する大企業と富裕層への財政資金配分を減らすことにつながる
一般の人々は「まさか」と思うかも知れないが、世の中では「まさか」が「本当」であることが多い。

社会保障支出は国全体で138兆円(2024年度)。
 内訳は 年金  62兆円
     医療  43兆円
     介護等 33兆円
社会保障の財源の内訳は
     保険料 80兆円
     国   38兆円
     地方  17兆円
 国が社会保障に38兆円支出している。

その財源調達方法は所得税でも法人税でも消費税でも国債発行でも、何でもよい。
よく、「消費税は社会保障財源だから減税できない」といった発言を聞くが根拠がない。
日本の財政制度では特定の税を特定の財政支出に振り向ける仕組みが採られていない
これを「ノン・アフェクタシオンの原理」という。
社会保障財源は所得税や法人税でまったく問題ない。

社会保障財源として所得税・法人税と消費税のどちらが良いか。結論を示せば、圧倒的に所得税や法人税が望ましいなぜなら、所得税や法人税は「能力に応じた課税」だからだ
消費税の最大の特徴は逆進性。
消費税は所得がゼロの個人と所得が10億円の個人の税率が同じ。
しかも、年収が多い人は年収の一部しか消費に回さない。
年収10億円の人が1年に1億円消費する場合、この人の税負担率は年収の約1%になる。

年収が100万円の人が全額消費に回すと年収の1割近くが消費税で奪われてしまう。
年収100万円の人の消費に占める食品の比率は高いだろう。
したがって、食品の税率がゼロになれば恩恵は大きい。

消費税減税をすると富裕層の税負担軽減額が大きくなることを反対論の理由に挙げるが馬鹿げた話だ。金額では大きくなるが率では大きくない
所得税は税率が累進構造になっているから、実施の方法によるが、一般的には所得税減税の方がはるかに富裕層の減税額が大きくなる
日本経済新聞は懸命に財務省の御用新聞になろうとしている。
こんな新聞は購読をボイコットするべきだろう。

続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」4388号
「ザイム日経が消費税減税潰し共謀」 でご高読下さい。
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                 (後 略)

大阪 維新3度目「都構想」吉村知事暴走市民が批判

 しんぶん赤旗の掲題の記事を紹介します。
 大阪市を廃止し特別区へ再編する維新の会の「都構想」が市民・府民の批判に直面しています。
 これまで15年と20年の2回、大阪市での住民投票で「都構想」は否定されました。それなのに先の衆院選では、もう一度「都構想」を目指す立場から吉村洋文大阪府知事と横山英幸大阪市長が共に辞任して30億円の費用を掛けてダブル選を強行し共に再選を果たすという理解不能の行為行われました
 「都構想」を目指すに当たってはまず「都構想」の具体案をつくる法定協議会の設置が必要ですが、維新市議団自体が〝前回市議選で都構想を公約に掲げていない″と反発したため、法定協設置議案の提出が見送りに追い込まれました。
 前回の住民投票で否決されたとき知事は都構想を断念すると明言しておきながら、大阪市議会への根廻しもないままに法定協の設置を強行しようとするのは無理な話です。
 大阪では知事の意向に市議会が反対するという異常な状態が出現しています。
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【クローズアップ】 大阪 維新3度目「都構想」吉村知事暴走市民が批判
                       しんぶん赤旗 2026年4月9日
 大阪市を廃止し特別区へ再編する維新の会の「都構想」が市民・府民の批判に直面しています。吉村洋文大阪府知事らの進め方に維新市議団からも異論が出るなど党内の矛盾もあらわれ、迷走を続けています。   (藤原直)

府議会定数6割削減案も判明
 「都構想」の狙いは、カジノ推進や大型開発など維新政治を民意を無視して実行するために、大阪市を解体し「大阪市の権限、財源をむしり取る」(2011年、維新創設者の橋下徹・当時大阪府知事)ことにあります15年と20年に大阪市での住民投票で否決され吉村氏は再挑戦はしないと明言していました。しかし吉村氏はこの2月、突如、3度目の「都構想」を掲げ、横山英幸市長とともに出直しダブル選を強行。再選しても来春までの任期は変わらず「大義がない」との批判を浴びる中、無効票はそれぞれの選挙で割を超えました。
 
維新市議団反発
 維新市議団も〝前回市議選で都構想を公約に掲げていない″と反発。吉村氏らの進め方に同意せず、横山市長は「都構想」の具体案をつくる法定協議会の設置議案の3月市議会での提出見送りに追い込まれました。
 吉村氏らが法定協の早期設置を目指す中、維新市議団が始めた24区での対話集会では初日の5日、市民から「2回否決されたのに、なぜまた議論するのか」といった批判や疑問が相次ぎ「都構想」推進を明確に求める発言はありませんでした。市議らは「住民投票の結果は受け止めている」と述べざるを得ませんでした。
 吉村氏は翌日「3回目はおかしいという意見は受け止めたい」と言うだけで「副首都にふさわしい大都市制度」として「都構想」が必要だとの持論を記者団に展開。しかし副首都と「都構想」はもともと無関係です。与党が合意した副首都法案の骨子でも特別区の設置は副首都の必須要件とはされていません。

詐欺的ごまかし
 同法案について吉村氏は「副首都を目指すのであれば『大阪都』という名称に変更することも可能で、その場合、住民投票は大阪府域全域でする建て付けになっている」などと主張(1日)。市廃止が大阪市の住民投票で2度も否決されているため、府の名称変更とセットにすることで投票区域を府域全体に広げて可決を狙う姿勢です。しかし、市民からは「市民が一番影響を受ける市廃止の是非を問う範囲がなぜ府全体なのか」「論点を混ぜるのも詐欺的だ」などの批判が相次ぎ、維新市議団の竹下隆幹事長も「市内のことを府民に決めてもらうのは違う」と発言するなど矛盾を深めています。
 一方、3日には維新府議団内で府議会定数(79議席)の50議席削減案を検討していることが判明。6割以上の定数削減という議会の役割を否定しているような荒唐無稽な素案であるにもかかわらず吉村氏は6日「法定協の中で議論してほしい」などと発言。「都構想」による知事権力の強化とあわせて大幅な定数減による民意の切り捨てや、チェック機能の解体をねらう維新の体質は「今の日本の政治で一番重要なのは独裁」と述べた橋下氏の時代と何ら変わっていません

11- 「湯沢平和の輪」26年度総会は12日(日)に行われます

   26年度の総会は下記のとおり開かれます。

   皆様どうぞお出で下さい。


      2026年 湯沢平和の輪 総会

        月 日  412日(日)

        時 刻  13:30~15:15

        ところ  湯沢町公民館 1 「研修室1」


2026年4月9日木曜日

TACOでもいいから戦争をやめる/サナエ過ぎが国益を毀損する/高市対米隷属外交が招く危機

 植草一秀氏の掲題の3つの記事を紹介します。
1番目の記事)
 トランプはこのまま戦乱拡大に突き進むことが不利であることを自覚して停戦を求めたのであり、むしろ多数の米国民ガソリン価格が急騰した問題に強い関心を注いでいるのが実情です。もしも戦乱拡大すれば米軍兵士の命が奪われる可能性も高まり、11月の中間選挙での大敗を覚悟せざるを得なくなるので、トランプは何とか米国の威信を著しく傷つけない形での撤退を望んでいる筈です、
 植草氏は、国際社会は今回のような大国の暴走を未然に防ぐ体制を再構築する必要に迫られていると指摘します。
2番目の記事)
「サナエすぎ」の意味「非を認めない」、「絶対謝らない」というものです。
 高市氏は昨年11月7日の衆院予算委で、「台湾有事で、戦艦が使われ武力の行使を伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケース」であると、従来の日本政府の考えと異なる見解を示し、「台湾問題は中国の内政問題」としている中国を激怒させました。
 内閣官房長官は「政府としての統一的見解ではない」と認めていませんが、高市氏はいまだにその非を認めず謝りません。それによって現実にレアアース問題で不自由な状況が生れています。
 植草氏は「高市首相は自分の面子ではなく、日本の国益、日本国民の利益を優先して対応するべきだ」と指摘します
3番目の記事)
 これまで日本外交の基軸は「日米友好と日中友好の二本柱」で構築されてきましたが、先に公表された外交青書(案)によると、これまでは「日中関係は日本にとって最も重要な二国間関係のひとつ」としてきましが、「日中友好」の重要性に言及する文言がなくなりました。米国は11月の高市発言の時点で「日本外交の重大な転換だと認定しましが、それを裏付けるものとなりました
 中国は、日本が72年の共同声明、78年の平和友好条約を破棄するのかどうか、日本政府に対して確認作業を進めているということです
 植草氏は「背景にあるのは米国の策謀。米国の策謀に乗って東アジアでの緊張を創作することは、そのまま日本国民の危機を意味する。高市外交を日本の主権者がどう評価し、これをどのように取り扱うのかが問われている」と述べます。
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TACOでもいいから戦争をやめる
               植草一秀の「知られざる真実」 2026年4月 8日
やはりTACOだった。
Trump Always Chickens Out. トランプはいつもしり込みして退く。初めからやらなければいい。だが、最後まで撤回しないことがない点は美点ではある。
高市首相は日中外交関係を崩壊させる失言をしたが、いまなお撤回していない。そのための余波が持続する。

米国とイランは交渉していた。2月26日までジュネーブで交渉していた。
協議終了後、仲介役を務めたオマーンのバドル外相は「大きな進展が得られた」との認識を示した。イランのアラグチ外相は、1週間以内にも次回協議が開催される見通しであると示していた。
その直後に米国がイランに軍事侵攻。大規模爆撃を行うとともにイラン最高指導者ハメネイ師と妻を殺害した。明白な国際法違反、国連憲章違反である。

トランプ大統領はイラン民衆が歓喜して蹶起。イランの体制が転換されるとしていた。
しかし、目論見は完全に外れた。イランは徹底抗戦の姿勢を貫き、ホルムズ海峡を封鎖した。
米国は高額な兵器を大量投入したが目的の戦果を挙げられない。
戦乱が長期化すれば米国世論がトランプ大統領に対して米軍撤退の圧力をかけることは明白。
行き詰まったのはトランプ大統領の側である。

米中貿易戦争=トランプ関税も同じ。中国に対して145%の追加関税適用を提示したところ、中国が返す刀で120%の追加関税を提示。さらにレアアース供給拒絶を示した。
白旗を上げたのはトランプ大統領。だから、TACOと言われる。

米国がさらなる大規模攻撃を行うと宣言したタイムリミット寸前で停戦での合意が成立した。
2週間の期限を切っての停戦が実現した。この2週間に協議が行われる。
米国とイランの主張の隔たりは大きい。協議がまとまるか予断を許さないとされる。
しかし、停戦が実現した背景を考察すればカタストロフィ⇒破局)に至る確率は高くないと考えられる。

停戦を求めたのはトランプ大統領の側である。このまま戦乱拡大に突き進むことがトランプ大統領にとって不利であることを自覚している。米国内でイラン軍事侵攻を支持する声は少数である。多数の米国民が米国のイラン軍事侵攻を支持していない。
戦争の影響でガソリン価格が急騰。この問題に米国民が強い関心を注いでいる。

大義のない、国際ルール無視のイラン軍事侵攻。このことにより米国民がガソリン価格高騰の被害を受けている。
戦乱拡大になれば米軍兵士の命が奪われる可能性も高まる。トランプ大統領は11月中間選挙での大敗を覚悟せざるを得なくなる。だから、トランプが撤退を望んでいる

問題は米国の威信を著しく傷つけないかたちでの撤退が可能かどうか。
トランプは「米国の勝利」をアピールするだろう。
実態が米国の敗北でもトランプは強気の言葉を発せられればよしとするだろう。
国際社会は今回のような大国の暴走を未然に防ぐ体制を再構築する必要に迫られている。

続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」4387号
「停戦を終戦に確実につなげる」 でご高読下さい。
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                 (後 略)
 
 
サナエ過ぎが国益を毀損する
              植草一秀の「知られざる真実」2026年4月7日
昨年11月7日の衆院予算委員会での高市首相。「台湾有事で米軍が来援し、戦艦が使われ、武力の行使を伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケース」と発言した。
この発言がアウトである主因は「どう考えても」にある。「どう考えても」は「いかなるケースを想定しても」ということだから、基本的に「必ず」という意味になる。

台湾有事で米軍が来援したら必ず「存立危機事態」になる。「存立危機事態」は日本が集団的自衛権を行使する要件。この場合、米国とともに日本が自衛権を行使することになる。
米軍と共に中国と戦争をするということになる。だから、中国は強く反応した。当然と言える。

1972年の日中共同声明で日本は「一つの中国」と「台湾の中華人民共和国への返還」を認めた。これを踏まえて大平正芳外相は73年の衆院予算委員会で「台湾と中華人民共和国の対立の問題は基本的に中国の国内問題」と答弁した。

また、日中共同声明、日中平和友好条約で、中国と日本の間のすべての問題を平和的手段で解決し、武力および武力による威嚇に訴えないことを確認した
日本は台湾独立に関する問題に対して、中国の国内問題であるとして対応すること、日本と中国の間の問題を平和的手段で解決することを中国に約束している。

したがって、高市首相が、台湾有事があり、米軍が来援したら、日本は中国と戦争をするとの国会答弁に中国は驚愕した。この発言を米国は日本政府の対応の「重大な転換」と判定した。
高市内閣は11月7日の高市首相発言について、「従来の内閣の立場を踏襲するもの」
との見解と「11月7日の高市発言を政府の統一的見解にするつもりはない」との見解を同時に発した。

つの見解は矛盾する。矛盾は11月7日に高市首相が二つの異なる答弁を示したことに起因している。
国会質疑の前段で高市首相は、台湾有事等が発生したときに、「何が起こったかについての情報を総合的に判断する」と述べた。これは従来の内閣の立場を踏襲するもの。
しかし、後段では上述の「台湾有事で戦艦が使われ武力の行使を伴うなら、どう考えても存立危機事態になり得るケース」と述べた。
この発言は従来の政府の立場を踏襲するものでない。「政府としての統一的見解」に「できない」ものである。
「統一的見解にするつもりはない」のではなく「統一的見解にはできない」というのが実態。

したがって、高市首相は後段の発言を撤回して謝罪する必要がある。日中関係を改善するには、これが必要不可欠。
「サナエすぎ」の意味に「非を認めない」、「絶対謝らない」があるが、非を認めず謝らないことが日本の国益を著しく損なうことになる。
高市首相は自分の面子ではなく、日本の国益、日本国民の利益を優先して対応するべきだ。
 
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」4386号
「存立危機事態のパラドクス」 でご高読下さい。
                 (後 略)


高市対米隷属外交が招く危機
               植草一秀の「知られざる真実」2026年4月 6日
4月5日の午後、東京湯島の全国家電会館でISF=独立言論フォーラム主催シンポジウムが開催された。
テーマは「高市政権の超軍拡・大増税路線を問う-改憲と戦争への道を許すな」
      https://isfweb.org/post-71494/
東京新聞・望月衣塑子氏青山学院大学名誉教授・羽場久美子氏前衆議院議員・川内博史氏に加えて私が講演し、その後パネルディスカッションが行われた。
進行はISF編集長の鹿児島大学名誉教授・木村朗氏。

日本はいま重大な岐路に立っている。これまで通り、対米従属・対米隷属を続けるのか。
それとも、日米関係を根幹から見直し、新たな日本の道を確立するのか。
メディアは高市内閣に対する国民支持率が高いと伝えている。しかし、メディアが真実を伝えているとは限らない。

3月末の高市首相訪米に対してもSNS上では極めて強い批判が吹き荒れている。
しかし、テレビメディアは批判の論調が広がることを阻止するように、高市絶賛の発言者を並べ立てて、日米首脳会談をプラスに評価する言説を流布している。
政治権力とメディアが一体化して言論を誘導する姿は戦前の再現であるように見える。
大政翼賛体制が構築されている。

日本外交の基軸は日米同盟であるとされる。
しかし、いま、日本が米国に隷従、追従するなかで、日本の平和と繁栄を維持できるのか。
現在の日本の路線の延長線上に見えてくるものは、米国が創作する戦争に日本が自動的に巻き込まれる姿である。
日本の平和と繁栄は米国によって守られるとされてきたが、それは本当なのか。
日米安全保障条約が米軍による日本防衛を定めているとされるが本当か。

日米安全保障条約第五条の条文は次のもの。
第五条 各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。(後略)
第五条が定めるのは「自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動する」ことであり、米国が日本を防衛するとは定められていない。
米国議会にはバンデンバーグ決議がある。「相互主義」を定めている。
日本の責務以上の米国の責務を果たすことを米国議会が認めない可能性が高い。

日本外交の基軸は日米友好と日中友好の二本柱で構築されてきた。
日米関係は重要だが、同時に日中関係を重視してきた。日中関係は日本にとって「最も重要な二国間関係のひとつ」としてきた。
ところが、昨年11月7日に高市首相は、これまでの日中友好関係を否定する発言を示した。米国は高市首相の国会答弁について日本外交の重大な転換だと認定した。
発言内容は72年の日中共同声明、78年の日中平和友好条約で合意した内容を覆すものだった。この発言により日中関係は過去最大の悪化を示している。

共同声明、平和友好条約において、日本政府は「一つの中国」を承認し、台湾の中華人民共和国への返還を認めた。その結果、台湾と中華人民共和国の対立の問題は中国の内政問題であるとの認定を行った。
ところが、高市首相は台湾有事が発生して米軍が来援する場合、日本は集団的自衛権を行使する方針を述べた。台湾有事があれば日本は中国との戦争状態に入ることを述べたことになる。
中国は、日本が72年の共同声明、78年の平和友好条約を破棄するのかどうか、日本政府に対して確認作業を進めている。
背景にあるのは米国の策謀。米国の策謀に乗って東アジアでの緊張を創作することは、そのまま日本国民の危機を意味する。
高市外交を日本の主権者がどう評価し、これをどのように取り扱うのかが問われている。

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                 (後 略)