植草一秀氏が掲題の2つの記事を載せました。
「メディア総出で消費税減税潰し」では、要旨下記のように述べています。
消費税の欠点は「逆進性」と呼ばれ、所得の少ない人にとって過酷な負担を掛けるもので生存権を侵害する税制です。
1990年度と2020年度の税収構造を比較すると、90年度の消費税税収は5兆円に対し20年度は21兆円に増大しました。しかし合計の税収は90年度が60兆円に対して、20年度は61兆円とほとんど差がありません。
これは消費税率を上げて消費税税収が増えた分、所得税と法人税が減額されているということで、それこそが消費税率をアップさせた目的でした。景気や収入には作用されず、物価が上昇すれば自動的に税収が増える消費税は世上「魔法の税制」と呼ばれ、財務省は「消費税制の維持」と「消費税率の低減阻止」を鉄則にしています(巷間「消費税率を下げた責任者は次官にはなれない」と言われています)。
残念なのは、メディアが完全に財務省の掣肘下にあり、消費税の廃止や税率の低減には一貫して反対していることです。
「TM文書『神奈川』は『神奈我良』」では、「神奈川」は、高市氏に巨額献金した謎の宗教団体の名称で、高市首相はTM文書中の「神奈川」の記述が「神奈我良」と間違っていることを捉えて「TM文書」が不当な文書であると主張しています。しかしそれは単に「神奈我良」のハングル表記が「神奈川」と同じになることからくる誤訳であって、TM文書全体が誤りなどとは到底言えないものです。
高市氏はかつて総務省のある文書に記述されている事柄を国会で追及されたとき、それはニセの文書で「もしも本物であれば議員を辞職する」と断言しました。しかし後に正式な文書であることが分かりましたが辞職はしませんでした。別掲の記事も高市氏がウソつきだ述べていますが、高市氏には 自分にとって都合の悪い文書が出てくると直ぐにそれはニセモノだという癖があるようです。
それはさておきこの記事の本旨は、「高市氏の対米従属姿勢」及び「日本のメディアの対米従属姿勢」と「高市政権従属姿勢」に対する厳しい批判です。
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メディア総出で消費税減税潰し
植草一秀の「知られざる真実」2026年1月30日
メディア情報操作の最重点2項目は以下のもの。
1.消費税減税潰し
2.中道改革連合潰し
情報工作を行っている主体は米国支配者と財務省。情報工作媒体の中核を担っているのが読売、日経、産経およびインターネットポータルサイトである。
問題の核心は日本の税収構造。1990年度と2020年度の税収構造を比較してみよう。
90年度 20年度
所得税 26兆円 19兆円
法人税 18兆円 11兆円
消費税 5兆円 21兆円
合計 60兆円 61兆円
税収規模はほぼ同額。しかし、税目別の構成比がまったく違う。
どちらの税収構造が望ましいかという問題。
20年度は消費税が最大の税収費目。消費税のメリットは税収水準の変動が小さいこと。
不況になっても税収はあまり減らない。これに対して所得税、法人税は景気変動の影響を強く受ける。
消費税の問題点は何か。
逆進性だ。所得の少ない人にとって消費税は過酷。生存権を侵害する税制と言ってよい。
収入が100万円の人と収入が10億円の人の税率が同じ。
収入100万円の人は収入の全額を消費に充当するだろうから収入の1割近くが消費税で奪われてしまう。
他方、収入10億円の人は1年に1億円だけ消費ずる場合、収入に対する消費税の負担率はわずか1%程度で済む。
90年度には法人税および所得税の収入が大きかった。
所得の大きな人、利益の巨大な大企業に応分の負担を求めた。
だから、消費税収が5兆円でも60兆円の税収を確保できた。
現在の最大の経済問題は格差。
かつての分厚い中間所得者層が消滅して、圧倒的多数が下流に押し流された。
下流に押し流された多数の人々が生活苦にあえいでいる。
労働者一人当たりの実質賃金は過去30年間に17%も減少。
アベノミクスが始動した2012年以降でも9%も減った。
他方で一部の富裕層の所得構成比は拡大し続けている。
20年度税制と比較して90年度税制の方がはるかに優れている。
景気が悪いときに税収が減り、景気が強いときに税収が増えることは、「財政の景気自動調整機能=ビルトインスタビライザー」と呼ばれる。
税制に景気を安定化させる機能が埋め込まれている。したがって、景気変動によって税収が変動することは悪いことではなく、良いことなのだ。
日本経済は過去30年間経済成長できなかった。
第2次安倍内閣が「アベノミクス」を提唱して「成長戦略」を掲げたが、日本経済の成長率はまったく上昇しなかった。しかし、大企業の利益だけは激増した。
アベノミクスの「成長戦略」は労働者所得の「成長戦略」ではなかった。大企業利益の「成長戦略」だった。そして、企業利益を成長させるために、労働者所得を減少させた。
この結果として多数の労働者が中間層から没落して低所得階層に転落させられた。
この状況のなかで追い討ちをかけているのが消費税大増税。
消費税大増税で庶民の暮らしは破壊され、日本は大企業と富裕層の天国=一般国民の地獄と化した。
これを是正するには消費税減税を断行するしかない。しかし、これを財務省が阻止しようとしている。そのためにメディアが総動員されている。
メディア総出で消費税減税潰し大キャンペーンが展開されている。
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4324号
「消費税減税阻止大キャンペーン」 でご高読下さい。
年初のこの機会にメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」ご購読をぜひお願いします。https://foomii.com/00050
(後 略)
TM文書「神奈川」は「神奈我良」
植草一秀の「知られざる真実」2026年1月29日
今回総選挙は完全な情報戦。
高市内閣支援勢力が総力を結集して情報戦を展開している。同じ状況が観察されたのが2001年の小泉内閣発足時と2012年の第2次安倍内閣発足時。
いずれも米国傀儡政権が樹立された際に主要メディアが全面的な情報支援を行った。
高市内閣がなぜ米国の支援を受けるのかを認識する必要がある。
最大のポイントは高市内閣が米国軍産複合体の利益拡大政策に全面的に隷従していること。
端的な現象が軍事費の激増。岸田文雄首相も米国軍産複合体の命令に服従した。
5年で27兆円の軍事費を一気に43兆円に増額した。
バイデン大統領が自分の命令で岸田首相が軍事費を増大させたと自画自賛して語った動画が流布された。
高市首相は米国の命令に全面服従。だからメディアが全面支援する。
石破茂首相は米国の命令に全面服従でなかった。このためにメディア攻撃の対象になった。
象徴的であったのは高市内閣発足時のメディア対応。「政治とカネ」への対応を放棄した高市首相を総攻撃するべき局面だった。メディアがまともな対応を示していれば高市内閣の支持率が高くなることはなかった。
しかし、メディアは驚くべき対応を示した。「政治とカネ」を放り出した高市新体制をほとんど批判しなかった。逆に高市新体制を絶賛する報道を続けた。これが内閣支持率を引き上げた主因であると考えられる。
選挙序盤の情勢調査で高市自民独走報道が展開されている。日経、読売でこの傾向が顕著。
自民が堅調との情勢調査の背景にメディアの高市内閣応援体制がある。ナチス党躍進の環境と類似している。
最終的に決定権を持つのは主権者である国民。国民の賢さが問われる総選挙。
問題はメディア情報の歪みにある。メディアが歪んだ情報を流布すれば情報の受け手である国民の判断も歪む。これが最大の問題だ。
高市首相が「成長」を叫んで、国民は自分たちの暮らしが上向くのではないかとの淡い期待を抱いているが幻想だ。
同じように第2次安倍内閣が「成長」を唱えた。しかし、アベノミクスの下で日本経済はまったく成長しなかった。
第2次安倍内閣発足後の日本の実質経済成長率は民主党時代の半分に下落した。民主党政権時代の半分の経済成長しか実現できていない。本当に「成長」したのは大企業利益だけである。
大企業利益が激増したために株価は上昇した。
経済成長が実現しなかったのに大企業利益が激増したのはなぜか。理由は単純明快だ。労働者実質賃金が減少したのだ。
日本の労働者一人当たりの実質賃金は過去30年間まったく増えていない。増えていないどころか2割も減少した。日本は世界最悪の賃金減少国になった。
労働者を踏み台にして大企業利益が史上空前の規模に拡大。これに連動して株価が上昇しただけだ。
高市首相と統一協会とのかかわりにつての疑念も再浮上している。
韓国で統一協会の犯罪が裁判にかけられている。これに関連して統一協会関連文書の存在が明らかにされている。
高市首相は文書中の「神奈川」の記述が間違っていることを文書の不当性を示す証拠として挙げているが、「神奈川」は高市氏に巨額献金した謎の宗教団体の名称である「神奈我良」のハングル表記が「神奈川」と同じになることからくる誤訳であると指摘されている。
メディア情報誘導に流されずに総選挙投票を行うことが最重要だ。
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第4323号
「メディア情報工作を打破」 でご高読下さい。
(後 略)