高市首相は11月7日の国会で「台湾有事は日本の存立危機事態」と公言し、野党議員の追及に対して、「従来の日本政権の姿勢と異なるものではない」と開き直りました。
そうした高姿勢を貫く中、国会閉会後の12月21日から自民党議員30人が続々と訪台し、頼清徳総統と会談し、現地での記者会見(24日)では「日台両国でしっかりと連携して、台湾有事への抑止力を強化する」と述べました。
与党議員のこうした行為は明らかに日中国交再開時の日中共同声明に反するものであり、中国を激怒させる事態が重なりました。
これまでのところ中国側の対応は抑制的ですが、「台湾は中国の核心的利益」と明言している中国に対して、日本側がその「限界」を越える行為を繰り返せば、今後どこまで中国が対応を厳しくするのか分かりません。
一番問題なのは高市氏がそれを深刻に捉えていないことであり、もしも大したことがないと高を括っているのであれば大間違いです。
香港メディア『香港01』は、中国とのデカップリング(断絶)は日本経済の「自殺」に等しいと報じました。
もしも日中間の「完全な経済デカップリング」という極端なシナリオが発生した場合、日本経済は観光、農水産業、自動車・半導体、教育の4分野で壊滅的な打撃を受けることになり、観光業では数兆円の消費機会を失い、農水産業では輸出が滞るほか、中国からの輸入が途絶えればニンニクや豚肉などの物価が高騰するとしました。
また自動車・半導体はサプライチェーンの寸断が生じ、特に部品の60%を中国に依存している自動車産業にとっては致命的な打撃となります。
そして経済産業省の試算を引用し、日中間の貿易が途絶えることで日本はGDPの10%に相当する年間53兆円(GDPの10%)を失うとしました。
高市首相は経産省の試算を一体どう捉えているのでしょうか。このところの物価高に対してホンの「はした金」で対応しようとしていることと言い、肝心なところの認識が大いに狂っています。
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日本経済の落ち込みは予想以上、日中経済デカップリングは「自殺行為」に―香港メディア
レコード・チャイナ 2025年12月8日
香港メディア・香港01は、日本経済について中国とのデカップリングは「自殺」に等しいと報じた。
記事は、内閣府が8日に発表した統計で、今年7〜9月の日本の実質国内総生産(GDP)2次速報値が年率換算で2.3%のマイナスとなり、事前の民間予測(2.0%減)より悪かったと紹介。主な原因として、米国の関税政策の不確実性などの影響を受け、企業設備投資が大幅に下方修正されたことを挙げた。
一方で、経済の低迷、物価高騰、円安などによる国民の不満が高まる中、高市早苗首相が「台湾有事」発言やレーダー照射問題をあおり立て、社会の注意を意図的に逸らそうとしていると主張するとともに「再三中国のレッドラインに抵触し、神経を逆なでする中で、経済的に直面する衝撃に対して準備をしておかなければならない。しかし、問題の深刻さに対する認識は深くなさそうだ」と論じている。
その上で、中国が日本経済にとって不可欠な存在で、関係悪化に伴う中国とのデカップリングが「自殺」に等しいと主張する根拠について、中国が日本にとって16年連続で最大の貿易相手国であり、輸入元でも最大、輸出先では第2位であることに言及。また、中国市場が直接的・間接的に日本のGDPの約5%に貢献していること、中国人観光客が日本のインバウンド客の約4分の1を占めるなど、日本の観光業の「絶対的な支柱」になっていることなども挙げた。
記事は、日中間の「完全な経済デカップリング」という極端なシナリオが発生した場合、日本経済は観光、農水産業、自動車・半導体、教育の4分野で崩壊的な打撃を受けることになると予測。観光業では数兆円の消費機会を失うことになり、農水産業では輸出が滞るほか、中国からの輸入が途絶えることでニンニクや豚肉などの物価が高騰するとした。
また、自動車・半導体はサプライチェーンの寸断が生じ、特に部品の60%を中国に依存している自動車産業にとっては致命的な打撃となり、教育産業では中国人留学生の減少によって学費・研究費の著しい損失が発生すると指摘。経済産業省の試算を引用し、日中間の貿易が途絶えることで日本はGDPの10%に相当する年間53兆円(GDPの10%)を失うとした。
記事は最後に「このままいけば中国の制裁はますますエスカレートする。高市首相は日本全体を火あぶりにするつもりなのだろうか」と結んでいる。(編集・翻訳/川尻)
湯沢平和の輪
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。
2026年1月3日土曜日
日本経済の落ち込みは予想以上、日中経済デカップリングは「自殺行為」に
03- 欧州のパニック経済:資産凍結と空の兵器庫と静かな敗北の告白
「マスコミに載らない海外記事」にジェリー・ノーランの記事が載りました。
ウクライナ戦争による欧州の疲弊は著しくて、もはや経済的に限界に達しています。そもそも兵器や弾薬の生産能力が全欧州と米国分を合わせてもロシアにはとても敵わないので、ウクライナ戦争に勝てる見込みは今後もありません。
これまで兵器・弾薬を有償で提供して大儲けをした米国は、戦争の先行きを見通して和平の具体化を進めましたが、欧州はそれを受け入れようとはしませんでした。
何らかの経済的な手当てがないことには止められないのでしょうが、ロシアが優勢の下ではそれは無理というものです。それで開戦時に没収したロシアの財産2100億ユーロの分譲を画策したのですが、反対するグループがいたため通りませんでした。
21年の12月頃ウクライナ国軍はドンバス地方の境界近くに進軍し、バイデン大統領はプーチンに対して「米国は関与しないから」と盛んに煽ったため、ロシアは22年2月24日にドンバス地方の住民保護のために侵攻しました。
それがNATOの全国家の了承の下であったのかは不明ですが、ウクライナ内戦の停戦合意条約「ミンスク2」が締結された時点で、その条約が、数年掛けてウクライナ国軍を密かに強化するための時間稼ぎであったことを、後に仏・独のリーダーが明らかにしました。
そういう経緯に照らすと、ウクライナに侵攻したロシアが一方的に悪いと非難するのは間違いで、NATOの側にも一半の責任がありました。
そもそも1990年頃、NATOはソ連に対して境界を1ミリも東進させないという誓約をしていました。ウクライナ開戦に至るまでは、NATOとしては容易にロシアに勝てるという見込みでいたのでしょう。
NATOは今後ウクライナに「最後の一兵まで戦え」などと要求すべきではないし、EU(またはNATO)の指導者連中は、それぞれの国民にウクライナ戦争を起こしたことを謝ることで「敗戦処理」をすべきです。
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欧州のパニック経済:資産凍結と空の兵器庫と静かな敗北の告白
マスコミに載らない海外記事 2026年1月 1日
ジェリー・ノーラン 2025年12月24日
Ron Paul Institute for Peace and Prosperity
「来年はもっとひどい状況になるから休むように」と首相が職員に告げるのは:ただの「絶望的状況で発せられるユーモア」ではない。疲弊した発言でもない。それは内部予測がもはや公式筋書きと一致しなくなった時にリーダーが発する、いわば「仮面を脱ぐ」発言だ。
ジョルジャ・メローニは有権者に語りかけていたのではない。彼女は国家そのもの、つまり、もはや隠蔽不可能な結果をもたらす決定を下す任務を負う官僚機構の中核に語りかけていたのだ。彼女の言葉は、平凡な仕事量の増加ではなく、制約について、限界についてだった。危機管理から管理された衰退へ移行し、2026年に蓄積された経費負担がついに衝突するのを承知しているヨーロッパについてだった。
メローニが口を滑らせたのはヨーロッパのエリート連中が既に理解していることだ。ウクライナにおける欧米プロジェクトは物質的現実に真っ向からぶつかっている。ロシア・プロパガンダでも偽情報でもポピュリズムでもない。鉄鋼、軍需品、エネルギー、労働力、時間。そして物質的現実が自らを主張するようになると同時に正当性は失われ始める。
ヨーロッパには、まかなえない戦争
ヨーロッパは戦争態勢を整えることはできるが、戦争のための生産はできない。
激烈な消耗戦が始まって4年、アメリカと欧州は数十年もの間忘れてきた真実に直面している。この種の紛争は、芝居がかった演説や制裁、あるいは外交放棄では持続できない。砲弾、ミサイル、訓練された兵員、修理サイクル、損失を上回る生産率により、しかも何ヶ月も途切れることなく持続的に持続させられるのだ。
2025年までに、このギャップはもはや理論上のものではなくなっている。
現在ロシアはNATO加盟国全体の生産量を上回る規模で砲弾を生産しており、欧米諸国当局者自身もその生産量を認めている。ロシア産業界は、集中調達、簡素化されたサプライチェーン、国家主導の生産体制により、戦時体制に近い継続的生産体制(完全動員体制ではないものの)に移行している。推定によると、ロシアの砲弾生産量は年間数百万発に達する。これは生産が約束されているのではなく、既に生産が始まっている段階だ。
対照的に、2025年を、ヨーロッパは物理的に決して達成不可能な目標を掲げて過ごしてきた。欧州連合(EU)の目玉は依然年間200万発の砲弾発射という公約だが、この目標達成には新たな施設、新たな契約と、新たな労働力の投入が不可欠で、戦争終結の決定的局面までに完全に実現することはないだろう。仮にこの夢の目標を達成できたとしても、ロシアの生産量と肩を並べることはないだろう。アメリカは、緊急増産後、フル稼働が実行された場合、年間約100万発の砲弾発射を見込んでいる。机上だけで欧米諸国の生産量を合わせても、ロシアの既存生産量に匹敵するに至らない。まさに張り子の虎だ。
これは乖離ではなく、速度の大きな不一致だ。現在ロシアは、大規模生産を行っている。ヨーロッパは将来的に大規模生産能力を再構築することを夢見ている。
そして、時間は認めることができない唯一の変数だ。
欧州の空洞化した能力をアメリカは簡単には補えない。ワシントンも自らの産業上のボトルネックに直面している。パトリオット防空迎撃ミサイルの年間生産台数は数百台程度である一方、需要はウクライナ、イスラエル、台湾と、アメリカの備蓄補充に同時に及ぶ。この不一致は早急には解決できない、あるいは解決できないと国防総省高官も認めている。米海軍の造船業も同様状況にある。潜水艦と水上戦闘艦の計画は、労働力不足、造船所の老朽化、実質的な拡張が2030年代まで延期される経費超過により、計画から何年も遅れている。産業的にアメリカが欧州を支援できるという想定は、もはや現実に即していない。これは欧州だけの問題ではなく、欧米諸国全体の問題だ。
工場なしの戦時体制
欧州の指導者連中は「戦時体制」を、あたかも政治的姿勢であるかのように語る。しかし実際は、それは産業的条件で、欧州はそれを満たしていないのだ。
新たな砲兵製造ラインが安定した生産能力に達するには何年もかかる。防空迎撃ミサイル製造は、大量生産ではなくバッチ生産という長いサイクルで行われる。爆薬のような基本的原材料でさえ依然ボトルネックになっており、数十年前に閉鎖された施設がようやく再開されたばかりで、中には2020年代後半まで生産能力に達しない見込みのものもある。
日付さえもが自白だ。
一方、既にロシアは戦時体制に近いペースで活動している。ロシアの国防部門は、毎年数千台の装甲車両、数百機の航空機やヘリコプターと膨大な数のドローンを配備している。
ヨーロッパの問題は概念的なものではなく、制度的なものだ。ドイツが誇った「ツァイテン・ヴェンデ」は、これを容赦なく露呈させた。数百億ドル規模の予算が承認されたものの、調達のボトルネック、契約の断片化や、サプライヤー基盤の衰退により、納品は建前より何年も遅れてしまった。ヨーロッパで最も有能な兵器生産国としばしば称されるフランスは、より高度なシステムを製造できる。だが消耗戦では数千単位の兵器が必要になるのに対し数十単位という小規模な量しか生産できない。EU自身の弾薬供給加速化構想でさえ、前線では数週間で砲弾が消費される一方、机上の空論で生産能力は拡大した。これらはイデオロギー的失敗ではなく、行政的、産業的失敗で、圧力により悪化していく。
違いは構造的なものだ。西側諸国の産業は株主の効率性と平時の利益率を最適化してきた。ロシアの産業は、圧力に耐えられるよう再編されてきた。NATOは支援策を発表する。ロシアは納入実績を数える。
2100億ユーロの幻想
この世界の現実は、凍結資産問題がなぜそれほど重要だったのか、そしてなぜ失敗したのかを説明している。
欧州指導部がロシアの凍結資産接収を追求したのは、法的な創造性や道徳的明晰さからではない。時間が必要だったためだ。欧米諸国の産業基盤では戦争を継続できないのを認めたくない時間。生産を財政に置き換える時間。
12月20日、約2,100億ユーロ相当のロシア資産を差し押さえようとする試みが、法的リスク、市場への影響や、ベルギー主導の抵抗や、全面的没収にイタリア、マルタ、スロバキア、ハンガリーが反対する動きにより頓挫した。欧州は、質の低い代替案、すなわち2026~27年度のウクライナ向け900億ユーロの融資(年利30億ユーロ)に甘んじ、欧州の将来を差に担保にした。これは戦略ではなく、トリアージ(⇒順序付け)で、既に弱体化していたEUを更に分裂させた。
完全没収は、金融の管理者としての欧州の信頼性を一挙に失墜させるはずだった。恒久的資産凍結は爆発は避けられるものの徐々に悪化していく。資産は無期限に凍結されたままで、これは経済戦争の常態で、欧州に保有されている準備金は条件付きで、リスクに見合うものではないというメッセージを世界に送る。欧州は法的決裂より評判低下を選んだ。この選択は強さではなく、恐怖を露呈している。
バランスシート戦争としてのウクライナ
より深い真実は、ウクライナはもはや主として戦場の問題でないことだ。支払い能力の問題なのだ。ワシントンはこれを理解している。アメリカは恥辱には耐えられる。しかし、期限のない負債をいつまでも負担できない。出口が模索されているのだ。静かに、不均衡に、修辞的な言い訳を交えて。
戦争の必要性をヨーロッパは認められない。ヨーロッパは、戦争を、実存的、文明的、道徳的な問題として位置づけ、妥協、宥和、交渉、降伏を宣言した。そうすることで、自らの退路を消し去ってしまったのだ。
今、その代償は、いかなる論拠も覆すことのできない領域、すなわち欧州予算、欧州エネルギー料金や欧州産業や、州の政治的結束に降りかかっている。900億ユーロ融資は連帯の証しではない。衰退の証券化で、債務を正当化するために必要な生産基盤が侵食され続ける中、債務を繰り延べる行為だ。
メローニはそれを知っている。だからこそ彼女の口調は反抗的ではなく、むしろ疲れた感じだったのだ。
パニック管理としての検閲
物質的制約が強まるにつれ言論統制も強化される。EUデジタル・サービス法の強引な施行は、安全確保のためではない。まさにオーウェル的封じ込め策だ。もはや公開会計に耐えられないエリート層の合意の周囲に情報境界を構築するのだ。市民が冷静に、更に冷静さを失い、容赦なく「これは一体何のためだったのか?」と問い始めると、正当性という幻想は瞬く間に崩れ去る。
だからこそ、規制圧力は今やヨーロッパ国境を越え、管轄権と言論を巡る大西洋横断摩擦を引き起こしているのだ。自信ある体制は対話を恐れない。脆弱な体制は対話を恐れる。ここでの検閲はイデオロギーではなく、保険だ。
脱工業化:暗黙の裏切り
欧州はロシアに制裁を課しただけではない。自分の産業モデルにも制裁を課したのだ。
2025年までに、欧州産業界はアメリカやロシアの競合相手を遙かに上回るエネルギー費用を支払い続けることになるだろう。その原動力であるドイツでは、エネルギー集約型製造業が継続的に縮小している。化学、鉄鋼、肥料、ガラス生産は停止または移転を余儀なくされた。イタリアや中欧の中小企業は表沙汰になることなく、静かに倒産の危機に瀕している。
これが、欧州が必要な弾薬供給量を確保できない理由だ。再軍備が、条件ではなく約束のままである理由だ。安価なエネルギーは贅沢品ではなく基盤だった。自滅行為(ノルドストリーム爆破など)により、それを放棄すれば構造は空洞化する。
こうした状況を見守る中国は、ヨーロッパにとっての悪夢のもう半分を握っている。戦時体制には踏み込まず、世界最深の製造拠点を擁している。ロシアは中国の広大さではなく、背後に控える戦略的奥深さを必要としている。ヨーロッパにはそのどちらもない。
メローニが本当に恐れていること
ハードワークでも、多忙なスケジュールでもない。彼女が恐れているのは、2026年にヨーロッパのエリート層が三つのものを同時に失うことだ。
お金 — ウクライナへの資金提供がEUのバランスシートの問題になり、「ロシアが支払う」という幻想に取って代わる。
言説 — 検閲が強化されても、大陸中に響き渡る疑問を抑えられず「 これは一体何のためだったのか?」
同盟の規律。離脱に向けてワシントンが動き出す一方、ヨーロッパは費用とリスクと屈辱を吸収する。
それがパニックだ。一夜にして戦争に負けるのではなく、エネルギー料金や、閉鎖された工場や、空の兵器庫や、担保にされた先物を通して現実が漏れ出すにつれ徐々に正当性を失いつつある。
深淵に陥った人類
これは単なるヨーロッパの危機ではない。文明全体の危機なのだ。生産も補充もできず、真実を語ることもなく、信頼を失わずに撤退することもできない体制は限界に達している。指導者連中が自らの制度を、今後のより困難な時代に向け準備し始める時、彼らは不都合を予測しているのではなく、構造を譲歩しているのだ。
メローニ発言が重要だったのは、それがパフォーマンスを貫いたからだ。帝国は勝利を声高に宣言する。衰退する体制は静かに、あるいはメローニの場合、声高に期待を低下させている。
今、欧州指導部が期待を引き下げているのは、倉庫に何が保管されているのか、工場がまだ何を供給できないのか、債務曲線がどのようなものか、国民が既に理解し始めているのを知っているためだ。
ほとんどのヨーロッパ人にとって、この清算は戦略やサプライチェーンに関する抽象的議論として訪れるものではない。それは遙かに単純な認識として訪れる。これは彼らが決して同意した戦争ではなかった。彼らの故郷や繁栄や未来を守るために戦われたのではない。帝国への貪欲さのために戦われ、彼らの生活水準と産業と子どもたちの未来が犠牲になったのだ。
それが存在に関わることだと彼らは告げられた。他に選択肢はない、犠牲は美徳だと告げられた。
だがヨーロッパの人々が望んでいるのは、終わりのない動員や永続的緊縮財政ではない。彼らは平和を求めている。安定を求めている。彼らが求めているのは繁栄という静かな尊厳、手頃な価格のエネルギーと、機能する産業と、彼らが同意していない紛争に縛られることのない未来だ。
そして真実が明らかになった時、恐怖が薄れ呪縛が解けた時、ヨーロッパ人が問う疑問は技術的なものでも、イデオロギー的なものでも、修辞的なものでもなくなる。
それは人間的なことだ。なぜ我々は、決して同意したことのない戦争のために全てを犠牲にさせられ、追求する価値のある平和などないと言われたのか? これがメローニを夜も眠れないほど悩ませているのだ。
著者:ジェリー・ノーラン
ジェリー・ノーランは、地政学、安全保障問題、世界の力の構造的ダイナミクスを専門とする政治評論家、ライター、ストラテジスト。戦争、外交、経済的国家運営、加速する多極化世界への変化を分析する独立メディア・プラットフォーム「The Islander」の創設者兼編集者
記事原文のurl:https://ronpaulinstitute.org/europes-panic-economy-frozen-assets-empty-arsenals-and-the-quiet-admission-of-defeat/
2026年1月1日木曜日
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2025年12月31日水曜日
2025年が終わる - 中国との関係を完全に壊して戦争体制に入った戦後80年
今年日本は「高市早苗」という極右を首相に選びました。
折角常識人である石破茂首相が生れたのに、応援団を持たなかったために無理やり引きずり降ろされ最悪の首相が誕生しました。
彼女は11月7日に国会で、「台湾有事で中国が戦艦を出せば、どう考えても存立危機事態である(日本は参戦する)」と発言し、立民党議員から繰り返し撤回を迫られても拒否しました、当然のことながら習近平は激怒し、彼から電話を受けたトランプが高市氏を電話で叱責するという事態を招きました。その時には高市氏はかなり落ち込んでいたそうです。
驚くべきは高市ファンの発言であり、一応理論家と思われる人々も含め「謝る必要はない。取り消してはいけない」と声援する有様で、それに励まされてか彼女は今や完全に居直っています。そこが何とも浅はかな点なのですが。
さらに驚くべきことに、12月21日から「自民党議員30人が続々と訪台」し「頼清徳と会談」し、24日の記者会見では長島昭久と並んで鈴木馨祐が「『第1列島線、第2列島線にしっかりとした抑止力を構築していかなければならない』『日台両国でしっかりと連携して』抑止力をどう強化し、機能させられるのかを含めて意見交換した」と発言したということです。
ついに行きつくところまで行ってしまいました。
国会議員であれば当然それなりの見識があるはずなのに…、トップが狂っているとこうなるということなのでしょうか。国会議員は1972年の日中国交再開時に立ち戻って。日本は中国とどんな合意をしたのかを認識すべきです。今更の身勝手な解釈変更は通用しません。
現在中国から多少の嫌がらせは受けてはいますが、これほど中国を蔑ろにしてはこのままで済む筈はありません。
世に倦む日々氏の怒りのブログです。
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2025年が終わる - 中国との関係を完全に壊して戦争体制に入った戦後80年
世に倦む日日 2025年12月30日
2025年が間もなく終わる。12/21 から自民党議員30人が続々と訪台し、頼清徳と会談する様子がテレビで報道されていた。今年最後の記事だが、この問題を素通りすることはできない。長島昭久と並んで 12/24 に会見の場に立った鈴木馨祐が、「第1列島線、第2列島線にしっかりとした抑止力を構築していかなければならない」と言い、「日台両国でしっかりと連携をして」「抑止力をどう強化し、機能させられるのかを含めて意見交換した」と発言した。日本のテレビ報道はこれをそのまま放送した。高市の代弁だ。中国の政府と人々はこのニュースに接して、あらためて深刻な衝撃を受けただろう。日本と台湾の間には相互安全保障条約はない。軍事協力する協定もない。国交すらなく、国家間の関係は何もない。日本は72年の日中共同声明で台湾を中国の一部と認めている。その日本の自民党議員が、高市早苗の名代たちが、注視する世界を前に平然とこう言い放った。
明らかに、11/7 の高市早苗の「台湾有事=日本有事」答弁から始まった日中の外交紛争と中国側の日本非難の攻勢を受けての、高市政権側からのカウンターメッセージの発信である。強烈な反撃だ。鈴木馨祐は「日台両国」と記者の前で明言していて、台湾を国家として認めている。意図的にその既成事実を作っている。その上で、事実上台湾が日本と軍事同盟関係にある国家と位置づけ、敵国である中国から台湾を防衛する意義を確認し、共同一体で軍事対抗すると表明している。これはきわめてザッハリヒ(⇒即物的)で極限を超えた中国への挑発だ。高市政権の右翼遊撃隊による、中国に対する断交宣言と開戦予告の弁だと言っていい。ここまで踏み込むのかと仰天したが、日本のマスコミ報道では批判は皆無で、注目して取り上げることさえしなかった。こんな危険な(暴挙の)メッセージを外交の場で発したら、中国側がどんな厳しい報復に出るかという不安や予想さえマスコミ空間では語られなかった。
12/26 には河野太郎が訪台して頼清徳と会談、日台EPAの締結について協議した。7年前の2月、河野太郎は華春瑩とツーショットの写真を撮り、それを得意げに Twitter に上げて拡散した一件があった。安倍政権時代の余聞で、悪化する日中関係の中で改善の気運が多少高まり、同年10月に安倍晋三が訪中という外交経過があった、その準備途上の出来事である。中国側が河野太郎に油断を見せたのは、河野太郎が河野洋平の息子であり、ポスト安倍を狙える将来の可能性を考えたからだ。河野洋平は日中友好の原理主義者だった。村山内閣の外相時代、外遊の帰路、搭乗した飛行機の急な不具合か何かで台北空港に緊急着陸した際、中国との関係を慮って一歩も機外に出なかったという有名な逸話がある。河野太郎は狡猾に中国側を騙して手玉に取った。日本側の常套の欺瞞の手口であり、何度も繰り返されている。ネットに上がった写真は半永久的に残る。今、華春瑩は立場がないだろう
そして暮れも押し詰まった 12/29、中国軍が台湾周辺で2日間の軍事演習をすると発表して実行した。年越しのネットは関連する情報で騒然とし、正月も余波が続いて対中憎悪感情がいちだんと増幅するに違いない。高市発言の後、11月中旬、中国側が激越な抗議を開始し、渡航自粛や水産物輸入停止に出たとき、それでも高市が撤回しない場合は軍事的措置にエスカレートするだろうと私は予想した。案の定、空母遼寧の太平洋側北進や戦闘機によるレーダー照射、爆撃機の四国沖上空接近などが続いたが、今度は台湾周辺での軍事演習に出てきた。中国軍報道官は「台湾の独立勢力と外部の干渉勢力に対する重大な警告だ」と主張している。察するに、自民党議員団の訪台とそこでのメッセージへの応酬措置だろう。中国側の立場と論理からすれば、高市政権の対中戦略の連打(核保有・継戦能力・訪台)とエスカレーションは、座視も看過もできない暴挙で、国家安全保障上の窮迫の脅威に他ならない。
12/3 に上げた記事で、高市発言の狙いは台湾関係法の日本版の制定へ向けての布石だと書いた。鈴木馨祐の発言は、台湾に対して軍事的に支援し、連携体制を固め、中国と対抗する決意を明らかにしたもので、まさに台湾関係法を日本が制定するという企図が露骨に示されている。元自衛隊トップの岩崎茂が今年3月に台湾行政院顧問に就任した動きとも絡み、水面下で実務工作が進んでいる内情が察知される。不思議なのは、マスコミだけでなくネット空間の議論でも、台湾関係法というキーワードが誰からも言挙げされない点だ。左翼リベラルの方面からも音無しで、布施裕仁や半田滋からも、内田樹からも指摘がない。警戒警報が発信されない。本来であれば、TBS報道特集が企画を立て、台湾現地を取材し、この動きを監視し分析している台湾のジャーナリズムやアカデミーの見解と批判が日本の視聴者に届けられて然るべきだろう。日下部正樹が猛烈な反中共派であるため、そうした必要な報道が提供されない。
2025年は、戦後80年の記念すべき年であったが、残念ながらそれに相応しい、戦争を反省して平和を誓う年にはならなかった。それとは正反対の方向に進み、戦争以外に道はない体制に固まる年になった感が強い。テレビでニュース番組が流れる度に、ワイドショーの放送が行われる度に、スタジオから戦争プロパガンダが撒かれ、中国との戦争が肯定化され、視聴者の意識が戦争に積極的な方向へ傾けられて行く。中国共産党の独裁国家を打倒し、民主主義台湾を防衛するのが日本国民の使命であるという「正論」が塗り込まれ、その立場が多数なのだぞと説教され、マスコミの「世論調査」で「証明」されて行く。中国との戦争に反対する者は異端であるという環境に包囲されて行く。その潮流に抵抗すべく140字の構文を作って意見すると、忽ち「中国人の工作員」だの「反日クズ左翼」だのの揶揄と侮辱に撃たれ、汚い誹謗中傷の洪水となる。右翼の迎撃に遭い、凶悪で野蛮なリンチ禍の洗礼を受ける。何人かはXのリプ欄を閉じた。
暗黒に沈む戦前の風景そのものの2025年だが、愉しく気が緩む出来事もあった。一つは社会主義者でイスラム教徒のマムダニがNY市長選で勝利した快挙である。この殊勲の政治は、中国ではどう紹介され解説されているのだろう。中南米諸国ではどういう反応と評価だったのだろう。キューバやイランはどう受け止めたのか。インドやベトナムやインドネシアではどうなのか。残念ながら、それらの状況が日本の報道で説明されることはなく、明確な一般像を結ぶことはない。だが、まさにブレイクスルー(⇒突破)の一撃であり、対抗軸の存在と実力が明らかになった希望の絵だった。保守、保守、保守と、保守主義ばかりが称揚され、社会成員の全てが自己を保守の一員として定義し、保守の外皮で保護された内実たる資本主義を肯定しなければならない思想的牢獄の中で、進歩の光が見えた瞬間だった。人類の進歩はあるのだ、確信を持とうと、丸山真男の霊に語った小田実の言葉を思い出す。
NHK連続ドラマ『あんぱん』で蘭子役を演じ、国民を熱中させ絶賛を浴びた河合優実の迫真の演技と、その後に週刊誌で発した反戦の言葉も、記憶に刻み込むべき2025年の重要な一事だと思う。戦後80年らしい印象的な場面は、24歳の若い河合優実によって作ってもらった。「この時代にちゃんと戦争にノーを言う人をいま演じられたのは、すごく意義があると感じたし、大切に演じたいと思いました」「反戦は、いま当たり前の価値観であってほしいですが、軍国主義に傾くのぶや世の中に、また、ドラマを通じて今の世界に、私が強い気持ちで伝えないといけない、と感じていました」と堂々と発言した。さらに「今、一番関心のある社会問題は? と問われると、『強いて選ぶならガザのことです』」とも。再読してありがたくて涙が出る。反戦の意思を最後まで貫き、それを常に公言し、今年逝った仲代達矢の姿と重なる。俳優は無数にいる。だが、仲代達矢や河合優実と同じ姿を見せられる、価値ある役者、勇気と知性のある役者はほとんどいない
熊のことや米のことや、新浪剛史の大麻事件や、名古屋の事件のことや、映画『国宝』の感動や、石井大智と新庄剛志の活躍のことや、いろいろ評論して2025年を振り返りたいが、長くなるのでここで筆を置こう。大きな病気もなく一年過ごすことができ、大濠公園の満開の桜や永観堂の紅葉のライトアップも見ることができた。来年は久しぶりに経済の問題に焦点が当たりそうな予感がする。