2026年10月15日木曜日

岩屋毅氏は「異例の厚遇」なのに高市首相は「呼び捨て」…中国の露骨な態度の差に隠された“日本政府へのメッセージ”

 元経産官僚の古賀茂明氏による掲題の記事を紹介します。
 岩屋毅前外相が9月27日~30日、中国を訪問し、中国の王毅外相や何立峰副首相と会談しました。これら要人たちが応対したことでも分かるように中国側が予想を超える待遇で岩屋氏をもてなしただけでなく、昨年11月、高市氏が「台湾有事が起きれば日中戦争に繋がる」と発言したことについても「謝罪」しなくても「是正ないし撤回すれば済む」という感触を示しました。
 大手メディアや中国の専門家と称する人々はこうした流れについて、「中国は不動産不況が拡大し深刻な経済状況にあるので、日本からの投資を引き出したくて仕方がない。本当は、日本との関係を改善したくて仕方ないのでは」という見解を示しています。
 しかし古賀氏は「それは全くの勘違いで、トンチンカンの極み」として、中国政府は、「高市首相はゴリゴリの歴史修正主義者で、発言を撤回しようが謝罪しようが彼女の本質は変わらない。高市首相は、日本が台湾を含む中国や韓国・北朝鮮を含むアジア諸国を侵略し、人々を虐殺し尊厳を踏み躙ったという事実を認めないどころか、それを正義の戦いだと信じ太平洋戦争を正当化するような人間だ」と見ていると述べます。冷徹な評価です。
 従って中国としては「そんな人間が首相に就いていることはとても容認できない」ことなので、高市氏が首相在任中は日中関係の正常化はあり得ないと 古賀氏は見ています。
 岩屋氏の訪中にまつわる全ての疑念が解消する明解な記事です。
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岩屋毅氏は「異例の厚遇」なのに高市首相は「呼び捨て」…中国の露骨な態度の差に隠された“日本政府へのメッセージ” 古賀茂明
                       古賀茂明 AERA 2026/10/13
 9月27日から30日にかけて岩屋毅前外相が中国を訪問し、中国の王毅外相や何立峰副首相と会談したことが話題になった。
 昨年秋に国会で高市早苗首相が、台湾に中国が武力行使すれば、日本にとっての存立危機事態に当たる可能性があり、集団的自衛権を行使するかもしれないという趣旨の発言をしたことに始まり、中国側の発言の撤回と謝罪を求める要求を高市首相が頑なに拒否し続けたことで、日中関係は戦後最悪の状況に陥った。今なお解決の糸口が全く見えない状況だ。
 一方、世界に目を向けると、日本同様中国と対立していた欧州諸国は、中国封じ込めはできないと悟り、また経済的にも損失の方が大きいと判断して、中国による経済支配を警戒しつつも、それを防ぎながら中国の経済力をうまく活用する道を探る路線に転換した。
 欧州主要国の首脳は皆自国の企業トップを引き連れて中国を訪問し、習近平国家主席と会談して、新しい関係をつくろうと努力している。豪州やカナダも同じだ。
 ASEANなどアジア諸国は、元々、中国と良好な関係を保っている国が多いが、ここへ来て、米国との関係を維持しながらも、より中国との関係を強めようという方向に動いている。マレーシア、インドネシア、ブルネイ、ベトナム、カンボジア、ラオスなどの首脳が欧州諸国同様に習主席と会談している。
 それ以外の中南米、中央アジア、アフリカなどの諸国も中国との外交・経済関係を拡大している。
 欧州でもアジアでも、アメリカと中国のどちらが信頼できるかという問いに対して、中国を挙げる世論の方が強くなったり、かなり拮抗したりするという状況だ。
 そして、高市首相が最も頼りにしているはずのトランプ米大統領も、習主席を国賓待遇で米国に招き、米中両国は第2次世界大戦における同盟国だったと発言して、中国を思い切り持ち上げた。
 トランプ大統領は、高市首相が「ドナルド、ドナルド」と何回もファーストネームで呼びかけても、高市首相の名前を呼ぶことすらせず、日本は完全にハシゴを外された状況だ。
 世界中見渡しても、習主席と話をできない主要国のリーダーは、高市首相ただ一人。日本外交は、完全に孤立してしまった感がある。
 それでも、日本の国民は異常なほど中国が嫌いだ。世界中に人権抑圧している国は溢れていて、それでも、日本はそういう国に何の苦情を言うこともなく仲良くしているのに、中国だけは「悪の権化」だと言わんばかりの反感を持っている。
 アメリカよりもはるかに嫌中感情が高いのだから、驚きではないか。この嫌中世論のおかげで、日中関係がこれほど悪化してもかえってそれが高市政権の支持率を下支えしているとさえ言われる。

予想を超える岩屋氏への「厚遇」
 しかし、今そこに変化の兆しが見える。日本人の多くは、大嫌いな中国が「日本を抜いた」と言われるのが嫌で嫌で仕方なく、それを認めようとしない人も多かったが、最近、ようやくそれを認めざるを得ないなと考える人が増えてきたようだ。
 ヒューマノイドロボットがアクロバティックな演技をしたのを見て、あるいは、Deep  SeekのAIモデルを使ってみて、さらに、BYDのEV「ラッコ」を見て、もはや、中国の力を認めないわけにはいかないというところに来たのだ(ちなみに、スズキが発表した新しい軽EVの性能がラッコを上回るなどと話題になっているが、実は、その電池はBYD系の中国企業の製品だ。ガソリン車のエンジンにあたるのが電池。車の心臓部分は中国製だから、日本車と言うより、中国車と言った方が良いのだが、そういうことを言う人はいない)。
「中国はやはりすごいんだ」という認識が広まってくると、中国を好きにはならないが、もう少しうまくやって、世界の国が中国との取引で経済的利益を得ているように、日本も少しは儲けることを考えた方がいいのではないかと考える人も出てくる。
 ただし、そのために、日本側から頭を下げるかどうかということになると、まだそこはハードルが高い状況である。
 そんな中で、岩屋氏らが訪中した。もちろん、ネトウヨたちは、「中国に媚びを売りに行く媚中派だ」とか「日本の恥だ」とか、岩屋氏に対してものすごい誹謗中傷をしている。
 しかし、中国側が予想を超える待遇で岩屋氏をもてなしたことで、にわかに、日本が謝らなくても日中関係が改善するのではないかという期待が高まっている。
 大手メディアや中国の専門家と称する人々が、その根拠として挙げる話がいくつかある。例えば、「中国の経済は、不動産不況が拡大し、極めて深刻な状況にある。そこで、日本からの投資を引き出したくて仕方がない。日本人観光客にも来てほしい。本当は、日本との関係を改善したくて仕方ないのだが、拳を振り上げた手前、そうも言えず、痩せ我慢をしている。しかし、先端産業を除いた大部分の産業の深刻な不景気はもはや我慢の限界を超え、中国経済は崩壊寸前に追い詰められた。そこで、ついに軟化の兆しを見せ始めたのだ」というようなストーリーに人気がある。
 また、これも経済の話だが、中国では若者の失業率が高く、このまま放置すると政府批判が高まり、政権基盤が危うくなるという話もよく聞こえてくる。
 
高市首相はゴリゴリの歴史修正主義者
 さらに、最近、中国が高市発言の「撤回を求める」という言葉を使わなくなったということも大袈裟に語られた。岩屋氏に対して、王外相が「是正もしくは撤回」と言ったとか、何副首相が「克服」という言葉を使ったということがその例として挙げられた。これは関係改善を求めるシグナルだと言うのだ。
 そしてこれも非常によく語られることだが、11月18、19日に中国の深圳で行われるAPEC首脳会議で、ホストとなる習主席が、さすがに高市首相と会談しないわけにはいかず、その際に高市首相からうまく働きかければ、関係改善を望む中国側は、高市首相の問題発言を撤回・謝罪しなくても、関係改善に動くのではないかという話もある。
 しかし、私に言わせれば、これらは全くの勘違いで、トンチンカンの極みだ。中国側に一切取材しないまま、自分たちに都合の良い解釈をしているだけのマスコミには、本当に呆れるばかりである。
 どういうことか。まず、中国が高市首相をどう見ているかがわかっていない。中国の高市首相を見る目は、単に右翼とかタカ派というような生やさしいものではない。中国では、高市首相は、ゴリゴリの歴史修正主義者だという評価が確立している。これは中国政府関係者の誰と話しても同じだ。
 したがって、高市首相が発言を撤回しようが謝罪しようが、彼女の本質は変わらないと見ている。だから撤回すれば良いということ自体意味がないということなのだ。
 高市首相が歴史修正主義者というのは、具体的にどういうことを意味するのだろうか。これまで中国政府関係者や中国の学者などの話を聞いたことをまとめるとこんなイメージになる。
〈高市首相は、日本が台湾を含む中国や韓国・北朝鮮を含むアジア諸国を侵略し、人々を虐殺し、尊厳を踏み躙ったという事実を認めないどころか、それを正義の戦いだと信じ、それらの諸国に対して何の負い目も感じていない。太平洋戦争も正当化するような人間だ。過ちを認めず、むしろ正当化までする人間は、歴史から学ぶことができず、いかなる教訓も得ることができない。必ず同じ過ちを犯すはずだ。現に、新型軍国主義を推進して、日本を戦争する国に変えているではないか。長距離ミサイルを各地に配備しているのは、抑止力ではなく、中国を直接攻撃する能力を備えるためである。いずれは、台湾と組んで、その独立のために中国に戦争を仕掛ける可能性も否定できない〉
 高市首相は、それほど危険な人物だと見られている。そんな人間が首相に就いていることは、中国にとってとても容認できないことだ。

次期総裁選は高市首相と林前総務相の戦い?
 したがって、中国側が譲歩して高市首相率いる日本と関係改善を図ることなど考えられない。
 しかし、高市氏が首相であるという事実は動かしようがない。そこで、高市氏が首相である間は、無理には動かず、ポスト高市政権を待とうということになる。
 来年の自民党総裁選挙では、高市首相と林芳正前総務相の戦いになるという予想が有力だ。林氏は、日中友好議員連盟の会長だった。ハト派である旧宏池会系の旧岸田派の幹部でもあった。自民党の多くの嫌中派議員とは違い、中国と話をすることが大事だと考えている。
 この林氏を推しているのが、森山裕前自民党幹事長、そして、石破茂前首相、さらに中谷元防衛相、村上誠一郎元総務相らのグループだ。反高市の急先鋒の集まりと言っても良い。
 そして、岩屋氏もまた、このグループの主要メンバーの一人だ。今回岩屋氏は、中国との貿易を促進する由緒ある民間の団体である日本国際貿易促進協会の会長として訪中した。岩屋氏の前に長く会長を務めていたのが、元自民党総裁・元衆議院議長の河野洋平氏だ。その河野氏が亡くなる直前に岩屋氏に後を継いでくれと頼んだ。その経緯は中国政府もよく知っている。
 河野氏と言えば、1993年に宮澤喜一内閣の官房長官として、従軍慰安婦問題について、日本軍が関与した事実を認め、心からのお詫びと反省の気持ちを表明した「河野談話」を発表した人だ。中国政府から見ると、田中角栄元首相や95年に「村山談話」を出した村山富市元首相と並ぶ最も大事な日本の政治家の一人である。その河野氏の後を継いだ岩屋氏も当然大事にしたいと考えるのは自然なことだ。
 もちろん、岩屋氏本人への信頼がなければ、今回の厚遇にはつながらなかっただろう。中国側は、岩屋氏の会談相手を誰にするか最後まで迷っていたようだ。
 岩屋氏は、「中国は大事な隣人であり、立場が異なっても常に話し合い、ウィンウィンの関係を築くべきだ」という信念を持っていることは知る人ぞ知る話ではあった。しかも、その立場をどんな誹謗中傷を受けても、また、選挙戦のさなかであっても、決して変えない信念の人でもある。
 私は、9月の中旬に岩屋氏や村上氏らと会食をする機会を得たが、そのときの会話からも、そうした日中友好への強い思いを感じ取ることができた。

日中関係改善のキーマン
 実は、9月24日に行われた呉江浩中国大使主催の中国の建国記念日・国慶節の祝賀パーティーが一つの決定的な節目になったのではないかと私は見ている。パーティーが始まる前、VIPルームで、呉大使は岩屋氏と懇談していたはずだ。そこで、岩屋氏への信頼を深めたことは想像に難くない。
 だが、人前でなければ、いろいろと中国におべんちゃらを言う議員はたくさんいる。VIPルームで大使に挨拶はしても、人前に出るのは避けてそのまま会場を後にする与野党議員の姿を私も目にした。彼らは、「媚中派」と言われるのを恐れているのだ。こういう議員は信頼できない。
 公の場で、中国に対してどういう態度を取るのかが重要だと中国側は考える。このパーティーでスピーチをした岩屋氏は、高市首相の名前こそ出さなかったが、日本政府に日中関係改善のために行動を求めるという趣旨の、強いメッセージを出した。これは大変勇気のいることで、聞いていた私はびっくりした。
 こうした信念の人、そして裏表がなく誠実で信頼できる人柄ということを中国側は高く評価したのではないだろうか。それによって今回の岩屋訪中団への厚遇につながったのだと私は見ている。
 つまり、中国側は、相手をよく観察して評価し、その評価に応じて対応をはっきり変えているということだ。
 林政権が実現したとき、日中関係改善のキーマンとして活躍してくれるだろうという期待をおそらく裏切らないと信じられる政治家として岩屋氏を厚遇したというように理解するべきである。
 ところが、単に、中国側が日本の政治家に外相や副首相を会わせたという表面的な事実だけを見て、「経済的に苦しくなった中国がついに折れてきた。うまくいけば、高市首相が発言を撤回したり謝ったりしなくても日中関係が改善する可能性が見えてきた。深圳で行われるAPEC首脳会議がそのチャンスだ」などと寝ぼけたことを言っている大手メディアや有識者と言われる人は、そのあたりのことを全くわかっていない。
 米中首脳会談でわかったのは、中国は米国との関係の安定化を非常に重視しているということだ。米国も実は全く同じ。
 世界中が、米中の覇権争いの中で、何とかバランス外交を展開して、自国の利益を最大化しようとしている中で、高市政権がいかに孤立しているかが明らかになっているのだが、日本国内では、それを問題だとする世論は全く強くならない。
 それどころか、中国が軟化したなどという全くトンチンカンな報道やSNS上の情報が飛び交っているのを見て、中国側は呆れているだろう。

首相「呼び捨て」は政府や国民に対しての警告か
 9月30日、中国の外務省副報道局長が、会見で高市首相を呼び捨てにした。日本政府はこれに抗議したと報じられている。岩屋氏が帰国する日に行われたこの呼び捨て発言は、岩屋氏厚遇と高市氏への厳しい対応を際立たせることによって、とんでもない勘違いをしている日本政府や日本国民に対して警告を発する意味合いを込めたものだと理解すればわかりやすい。
 そうでなければ、一国の首相を呼び捨てにするなどということを、言葉を非常に大切にする中国政府がするはずがない。中国は、こんな無礼なことをすることで高市首相が怒るだろうと予測しているだろう。しかし、高市政権との間がどんなに険悪なものになっても、かまわないと考えているのではないか。
 ここまで書いたところで、トランプ大統領が米中首脳会談で、習主席に高市首相との対話を促したが前向きな反応はなかったこと、また、高市首相側がAPEC首脳会議の際に習主席との会談をセットするように中国側に求めたが、中国政府はこれを断り、格下の李強首相が会ってやると逆提案し、日本側がこれを断ったというニュースが流れてきた。
 ここまで私が書いてきたことを前提にすれば全て腑に落ちる話ではないだろうか。私たちは、日本の政府やメディアのピンボケぶりをよく理解した上で、日中関係を見ていかなければ、とんでもなく間違った判断に誘導される恐れがあるということを肝に銘じておかなければならない。

やな大臣失職でやな内閣も急失速(植草一秀氏)

 植草一秀氏の掲題の記事を紹介します。
 植草氏は1日に、簗農水相の恫喝発言を報じる記事について詳述しました。6日の記事では、「梁農水相は辞任に追い込まれるだろう。高市首相は世の中を甘く見て、梁農水相の続投を指示している。ここから高市内閣の転落が始動する」と述べました。
 梁農水相は14日、辞表を高市首相に提出し辞任しました。問題発言が表面化してから半月の時間がかかりました。
 植草氏は、簗氏の発言は偶発的な不祥事でなく政治の根幹にかかわるものであり、彼の「基本観である」と断じ、「やな氏個人の行動様式を示したものではなく、高市内閣そのものの行動様式を示したもの」と言えるとしました。
 更に10月中下旬実施の世論調査では調査機関側に不正がない限り内閣支持率が急落すると述べ、「高市首相は自分自身の巨大な疑惑の数々に対して真摯な対応を示していない。成功体験に基づく中央突破で逃げ切れるとの甘い見通しの持ち主である。高市内閣の今後の凋落が一気に加速する可能性が高い」と予測します。

 併せて簗氏辞任に関する産経新聞の2つの記事を紹介します。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
やな大臣失職でやな内閣も急失速
              植草一秀の「知られざる真実」 2026年10月14日
10月1日に以下の記事を配信した。
「日本財政の恐るべき実態」 https://x.gd/QP1L1
「高市金権腐敗政治を打倒しよう」 https://foomii.com/00050
やな大臣の恫喝発言を報じる記事について詳述した。

10月6日に以下の記事を配信。
「国交省虚偽会見が大問題に発展」 https://x.gd/ngOhG
「梁農水相とポンコツ議員の排除」 https://foomii.com/00050
次のように記述した。
「梁農水相は辞任に追い込まれるだろう。内閣の弱体化を回避するには的確な大局観が必要。高市首相は世の中を甘く見ている。梁農水相の続投を指示している。しかし、問題は政治の根幹にかかわる中核問題。」
「高市首相は世の中がまったく見えていないようだ。ここから高市内閣の転落が始動する。」

問題発言が表面化してから2週間。
高市首相が的確な大局観を有していなかったことが明らかになった。
問題が表面化した瞬間にすべてを洞察できなければ権力の保持は難しい。

やな大臣発言は偶発的な不祥事でない。政治の根幹にかかわるもの。
国家財政という巨大な公金の取り扱いにおいて「私」を介在させたもの。
財政の私物化=政治の私物化である。

公選法違反事案も次から次に噴出。新潮、文春が砲撃する際に二の矢、三の矢がないわけがない。公選法違反は刑事事件に発展する可能性もある。
しかし、本丸は予算配分。選挙で首長が応援した自治体の予算を増やし、応援しなかった首長の自治体の予算を減らす。醜悪な政治私物化の実態をありのままに述べた。

多数の場所でまったく同じ発言をしているから失言ではない。
やな大臣の「基本観」である。だが、やな大臣の発言はやな氏個人の問題ではない。
沖縄県知事選のあとで政府はどのような方針を示したか。沖縄振興予算を一気に増額する方針を示したのではないか。自民を勝利させたら予算を増やすが、反対勢力を勝利させたら予算を減らす。まったく同じ構図だ。

つまり、やな大臣発言はやな氏個人の行動様式を示したものではなく、高市内閣そのものの行動様式を示したものと言える。
高市首相は問題発覚後の臨時国会代表質問に対する答弁で、やな大臣について、
「とにかく働いて仕事で返せと言っている」と述べた。やな大臣続投の号令を明示した。
しかし、結局、更迭に追い込まれる。半月の時間がかかった。半月の間に問題は拡大の一途をたどった。

10月中下旬実施の世論調査では、不正*がない限り内閣支持率が急落する。(* 調査機関側の)
JNNなどは違和感満載の数値を発表しているから、類似した工作数値が発表される可能性があるが、全調査をならして見れば支持率急落は避けられない。
高市首相は自分自身の巨大な疑惑の数々に対して真摯な対応を示していない。
成功体験に基づく中央突破で逃げ切れるとの甘い見通しの持ち主である。
高市内閣の今後の凋落が一気に加速する可能性が高い。

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簗農水相スピード辞任に省内は冷静「早く農政に集中できる環境に…」疑惑対応で業務に支障
                        産経新聞 2026年10月14日
簗和生農林水産相が就任から1カ月足らずで辞任した14日、農水省内には「これほどさまざまな問題や疑惑が報じられれば(辞任も)やむをえない」と冷静に受け止める声が目立った。農林水産行政に「邁進(まいしん)する」との簗氏の言葉とは裏腹に、職員は一連の問題に対する国会答弁作成やマスコミ対応に追われ、本来の業務に支障が出ていた。
「現場の声にしっかり耳を傾けながら、全力を尽くしてまいりたい」。9月18日の就任会見で、簗氏はこうのように抱負を語った。
食料安全保障やコメ政策など農水省が抱える政策課題は多岐にわたる。自民党農林部会長などを歴任し、農政通とされる簗氏への期待は大きかった。
だが、月をまたぐ前に、2月の衆院選で簗氏を応援しなかった首長の自治体への交付金を「カットした」と発言したことが報じられると状況は一変。最終的に発言の撤回・謝罪に追い込まれた。
新たに過去の衆院選で、支持者をシャトルバスで無料送迎したとする公職選挙法違反疑惑も発覚。記者会見や国会答弁の対応に追われ、豪雨災害の被災地である千葉県の視察を取りやめるなどの影響が出ていた。
簗氏の辞任を受け、ある職員は「早く本来の農政に集中できる環境に戻ってほしい」とつぶやいた。後任の農水相には政策遂行のスピードアップが求められる。(永田岳彦)


「辞任は当然」簗氏の地元・栃木から厳しい声 強まる不信「謙虚さなくなった」
                        産経新聞 2026年10月14日
衆院選で自身を支援しなかった選挙区の一部自治体の道路予算を「カットした」との発言などが問題視された簗和生農林水産相が14日、高市早苗首相に辞表を提出した。自治体側への圧力は否定したが、栃木県那須烏山市と那珂川町の道路関係予算の交付金は今年度、大幅に減らされた。地元の有権者は不信感を募らせ、応援してきた支援者からも失望の声が漏れた。

地元からは議員辞職求める意見も
「大臣を辞任したからといって、那須烏山市や那珂川町の住民に大きな不安を与えたことは事実であり、断じて許されるべきものではない」。那須烏山市の川俣純子市長は14日夜に発表したコメントで、簗氏の辞表提出を「誠に残念」としながらも、こう批判した。
これに先立ち同市議会は14日の臨時会で、簗氏の言動に強く抗議する決議を賛成多数で可決。決議案を提出した大橋誠市議は「本来、政治家とは、住民に夢や希望を与えられるよう汗を流すのが仕事。権力をほのめかす言動をしてはならない」と訴えた。同市で農業を営む60代男性は「辞任は当然。議員辞職にも値する」と切り捨てた。
那珂川町の益子純恵町長も、簗氏の辞表提出を受けて「町として重く受け止めている」とコメント。その上で「辞任という区切りを迎えた後も、ご自身から地域に向けた丁寧な説明がなされ、不安が払拭されることを願っている」と述べた。
            (以下は会員専用記事のため非公開)

まさかの衝撃ーskyticketとえきねっとから個人情報漏洩の通知メールが来た!

 ブログ「世に倦む日々」に掲題の記事が載りました。
 世に倦む日々氏のところに 航空券(skyticket)のカスタマーサポートと「えきねっと」を運営するJR東日本から、登録していた個人情報が不正アクセスによって流出した旨の連絡があったということです(流出した項目は「えきねっと」はメールアドレスのみ。skyticketの方は、氏名、生年月日、メールアドレス、電話番号、住所と郵便番号)。
 まだ実害が発生するには至っていませんが、いつどんな風に発生するかが分からないので当人の不安は大きいものと思われます。
 世に倦む日々氏は、日本における「サイバー攻撃対策」の不備・問題点を指摘しています。無事で済むことを願いながら記事を紹介します。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
まさかの衝撃 ー skyticketとえきねっとから個人情報漏洩の通知メールが来た!
                   世に倦む日日 2026年10月14日
サイバー攻撃と個人情報漏洩の問題で大混乱が起きている。10/9、私のメール受信箱にも、14:25 に skyticket のカスタマーサポートから、20:54 にえきねっとを運営するJR東日本から、相次いで連絡が届き、個人情報が流出した可能性があると通知を受けた。えきねっとの方は、漏れたのはメールアドレスだけだという報告だが、skyticket の方は、氏名、生年月日、メールアドレス、電話番号、住所と郵便番号まで流出したと書かれていて、俄かに衝撃を受けた。航空券の予約発行の手続きだから、通常、そこに虚偽や架空の個人情報を入力して申し込むという例は少ないだろう。飲食店やカラオケ店のアカウント登録とは異なる。最悪の事故が起きた場合を想定して、アプライのフォームに正直に個人情報を申告して送信してしまう。これまで、サイバー攻撃と個人情報流出のニュースを見ながら、対岸の火事のように眺めていたが、一気に自分自身が当事者となり、不安に慄く立場となってしまった。

2社から来たメールには文面の表現に差があり、skyticket の方は事態がヨリ深刻な所為か、恐縮した態度が見られ、メールのタイトルに「お客様情報流出のお詫び」と書いている。一方、JR東日本の方は、自社サーバーが攻撃を受けて侵入されたのではなく、クラウドで運用していたIDCフロンティアの事件が原因で顧客情報流出となったゆえか、「IDCフロンティア社で発生した不正アクセスに伴うメールアドレス漏えいの可能性に関するお詫びとお知らせ」とある。いかにも「とばっちりを受けた」「JR東日本には責任はない」と言わんばかりだ。JR東日本で被害者となった者たちが次々と同じクレームをXに書き込んでいたように、えきねっとのアカウント登録とeチケットの予約購入手続きはユーザインタフェースが最悪で、論外で、魑魅魍魎と言うか、利用者愚弄虐待と言うか、渋谷駅の乗り換え迷路構造よりも質が悪い。私は急な用事で新幹線の切符が必要だったためやむなく登録したが、後悔と遺恨の念に苛まれている。

JR東日本の一件を報じた記事を読んで懸念を覚えたのは、「大人の休日倶楽部」では、メールアドレスのほか、会員番号やクレジットカードの有効期限、生年月日などが流出した可能性があるという部分である。えきねっとで漏洩したのはメールアドレスだけれど、39万件が流出した「大人の休日倶楽部」では、クレジットカードの有効期限まで漏洩したと認めている。JR東日本は「住所やクレジットカード番号などは流出していない」と説明しているのだが、そもそも、クレジットカードの有効期限情報などをなぜ顧客データベースに保存し、しかもそれを自社内のコールドストレージではなくクラウドの環境と設備内に置いておいたのだろう。この点について、JR東日本は「大人の休日倶楽部」登録会員に納得のいく説明をする必要があるのではないか。不審に思い、不安に苛まれている会員は多いはずだ。JR東日本は、今回の件で未だ記者会見を開いていない。社会的責任が大きい公共交通機関の事業者として、会見を開いて社長が釈明すべきだろう。

マスコミの前に立って説明責任を果たすべきなのは、何よりクラウド業者のIDCフロンティアであり、親会社のソフトバンク会長の孫正義である。IDCフロンティアはランサムウェアの攻撃を受け、白河にある東日本リージョン1内で運用する495の企業と自治体に影響が及んだ。ランサムウェアで攻撃した犯人がIDCFのコンソール画面に残した 10/7 のメッセージでは、「インフラを掌握した」「7分間で暗号化した」「攻撃から7時間が経過しても、運営側がメッセージに気付かなかった」と言っている。IDCF側は顧客データの復旧は困難と言っていて、身代金の要求に応じない姿勢を示していることが分かる。ということは、今後、JR東日本だけでなくIDCFと契約している他の企業の顧客情報も盗奪され、その事実が公表される可能性があるという意味だ。データは犯人の支配下にあるのだから。IDCFと孫正義がどういう対応をしているか不明だが、IDCFのクラウドを利用する事業者と事業者にアカウント登録している個人は脅威に違いない。

現在、IDCFを利用していた企業・自治体は、クラウド内の環境(ハイパーバイザー)とデータ(VMディスク)の復元が困難なため、自社のバックアップでシステムの復旧を強いられている。IDCFは国内最大級の国産クラウドで、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度である「ISMAP」の認定取得を看板にした業者だ。会社概要には「ソフトバンクが運用する堅牢な国内データセンターにおいて(略)幅広いクラウドサービスを提供しています」と謳い文句があり、セキュリティが売りである旨が滔々と宣伝されている。そのIDCFの管理中枢が、コロッとランサムウェアの魔手に侵され、アサヒやニコ動と同じ災難と失態に遭遇する図は、何とも残念な顛末に違いない。IDCFの諸クライアントは、単に自前の資源を節約してコストを削減する目的だけでなく、こういう事故を避けるため、サイバー攻撃から自社のシステムとデータを防護するため、強靭なセキュリティを誇るクラウドサービスの活用で安心安全を担保していたはずだった。ソフトバンクGの責任は重い。

さらにもう一つ、警察庁サイバー警察局は何をしているのだろう。先週、立て続けにサイバー攻撃の事件が起きて以降、警察が何かアナウンスした例は一度だけだ。10/11 にNHKの7時のニュースで、 最近のサイバー攻撃はオランダのサーバー経由が多いので注意をと短く発信しただけで、幹部の記者会見もなく、警察の捜査状況の案内もない。不思議だ。サイバー攻撃(不正アクセス)は犯罪である。大規模で高度で連続的なサイバー攻撃によって、国民生活は大きな打撃を受け、社会不安が醸成され、企業と市民社会は心労と疲弊に喘いでいる。次にいつどこの企業がハッキングされ、システムとデータが人質化されるか分からない。ソフトバンクの(ISMAPレベルの)クラウドでもセキュリティを破られるのだ。本来、サイバー警察局が前面に出て、捜査について報告し、犯人逮捕の決意を述べ、国民と企業に防犯対策と被害対処の知見と基準を案内し、セキュリティ関係の実務者に指導を与えるのが任務だろう。何もやってない。マスコミと民間に丸投げしている。刑事事件を問題解決する責任当局なのに。

深刻な同種犯罪の大規模同時発生なのに、警察が動いていない。各企業から被害届が出ているのかどうかも情報がない。まるで自然災害の襲来のようにマスコミが報道している。末端のわれわれが自己責任であたふた振り回され、結局は泣き寝入りさせられる構図になっている。テレビを見ていると、サイバーセキュリティクラウドだとか、デジタルデータソリューションとか、ラックとか、S&Jとか、トレンドマイクロとか、セキュリティ業界の幹部がニュースに登場してあれこれを喋っている。SMS認証しろとか二段階とか。これらは、セキュリティ関連の製品とサービスを売って儲けている企業群だ。今は商売大繁盛だろう。テレビが報道番組で無料で宣伝してやっている。彼らは、こうしたサイバー犯罪が大量かつ多発的に起きれば起きるほど利益が上がり株価が騰がる事業者である。基本的に新自由主義のテック資本の陣営に属し、その論理と動機で活発にビジネスしている。庶民の安寧と福利を守るのが彼らの使命ではない。こうした事件に際して、彼らに責任ある公正な解説と意見を求めるというのもおかしいだろう。

が、どうやら、このセキュリティ企業の面々が、実際、事件の具体的状況を最もよく知っていて説明を担っている。どこから真相情報を得ているのか分からないが、警察のサイバー捜査官がマスコミに説明しそうな(本来は説明するべき)分析を講じている。捜査機関の役割を代行している。おそらく、警察庁とも繋がっていて、捜査の手足を担っている面も現にあるのだろう。警察庁サイバー警察局は240人の体制で、4年前に発足して活動しているが、HPを見る限り、サイバー攻撃の犯罪捜査で戦う集団という性格ではない。例によって、情報収集とか、海外機関との連携とか、官民連携とか、調整とか支援とか、官僚のお役所仕事をやっている。察するに、国家情報局や防衛省と直結した組織で、対中国の監視防諜が主要任務だろう。クラウドやセキュリティの業界の幹部の交際費で、大学教授も一緒に、銀座での情報交換会に精出し、海外での会議や視察の出張を重ね、キャリアを埋めて警察組織の出世ピラミッドを順上がりするか、関連業界に(予算を携えて)天下りするのだろう。トップは東大法の警察官僚で、情報工学の専門家ではない。

実働部隊として、関東管区警察局にサイバー特別捜査部があり、130人の体制で動いているはずだが、何をやっているか印象が薄く、捜査に取り組んで悪戦苦闘している様子が全く窺えない。本来、ここの課長クラスがテレビに出て捜査状況を報告するのが筋だと思われる。ランサムウェアには何度も痛い目に遭っている。経験を積んでいるはずだ。この特別捜査部にどこまで本物の情報技術者がいて、熱く精魂傾けて(土門や榊のように)捜査と防止に努めているか、日本の警察を信用し期待したいところだが、どうも怪しく感じられる。そもそも有能な人材リソースが少ないのだろう。そして、優秀な人材がいても、国家情報局や防衛省が引っ張って行って、軍事諜報や治安監視の方面で(中国との戦争準備とCIAの下働きで)仕事させているのだろう。今年夏以降、急に数を増し破壊力を増したサイバー攻撃が、飛躍的に機能を向上させている先端AIモデルの悪用によって行われていることは、報道のとおりで間違いない。自律的な推論と試行錯誤によってシステムの脆弱性を素早く発見し、攻撃コードが自動生成されハッキングが行われている。

アンソロピックの27歳の研究者が、自己改善型のAIが制御不能になって暴走し人類を滅亡させると警鐘を鳴らし、OpenAI やアンソロピックの無責任な開発体制を批判して退社したのは、今からわずか1か月前の 9/8 だった。まさか、自分自身にこれほど早く火の粉が降りかかる事態になるとは想像もしていなかった。きっと戦争(核戦争)のスピード感も同じだろうし、地球環境問題も本質的に同じだろう。体調が悪く困っているときに、実害が生じないことを祈るばかり。 

15- 宗教に関係なく、あなたはジェノサイドとアパルトヘイトに反対する道徳的義務を負っている

 久しぶりにケイトリン・ジョンストンの記事を紹介します。

 彼女の記事には何の前置きも解説も必要ありません。
 正に彼女が言う通り、我々は宗教に関係なく、ジェノサイドとアパルトヘイトに反対する道徳的義務を負っています。
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宗教に関係なく、あなたはジェノサイドとアパルトヘイトに反対する道徳的義務を負っている。
               マスコミに載らない海外記事 2026年10月14日
 イギリス緑の党の「シオニズムは人種差別だ」という動議以来、虐殺やアパルトヘイトに反対するという基本的な人間の義務から、ユダヤ人は何らかの形で免除されているという言説が広まっている。
                 ケイトリン・ジョンストン 2026年10月7日 










 ユダヤ人の人格を、ジェノサイドを行うアパルトヘイト国家、イスラエルに彼らが反対するかどうかで私は判断する。これは、ユダヤ人ではない人々の人格を判断する際にも用いる基準だ。
 イギリス緑の党の「シオニズムは人種差別だ」という動議以来、ユダヤ人は、たまたまユダヤ人社会でイスラエルへの支持が一般的であるという理由だけで、虐殺やアパルトヘイトに反対するという基本的な人間の義務から免除されている、という言説が広まっているのを目にするようになった。

 グリーン党の客観的に正しい立場をイギリスの政治家やメディア関係者は反ユダヤ主義的だと激しく攻撃し、ユダヤ人に露骨な人種差別的で破壊的な政治思想に反対するよう求めるのは間違っていると主張する声明を次々発表している。
 フィナンシャル・タイムズに引用された反ユダヤ主義反対キャンペーンは、ユダヤ人に対して「過激派の純度テスト」を緑の党が課していると非難している。
 ガーディアンに引用された進歩的ユダヤ教運動は「ユダヤ人の自己決定権は権利だ。それを人種差別的だと宣言するのは、ユダヤ人に対する攻撃だ。この信念を持つユダヤ人を人種差別主義者とレッテルを貼り、党への平等な参加をその信念の放棄を条件とすることを緑の党は、選んだ」と主張している。
 「緑の党の反シオニズム動議は、ユダヤ人にどう考えるべきかを指図しようとする、またしても新たな試みだ」と、ジョナサン・フリードランドによるガーディアン記事の見出しに書かれている。
 「イギリスのユダヤ人は、イギリスの政党に受け入れられるために、ユダヤ人の自決権やイスラエルの存在に対する信念を否定する必要はないはずだ」と、影の内務大臣クリス・フィルプはBBCが掲載した発言で述べた。
 「ユダヤ人に、恣意的に適用された歪んだ解釈に基づいて純度テストに合格し、自己決定権を放棄するよう求めるのは、極端な立場であるだけでなく、人種差別的立場でもある」と、ルシアナ・ベルガー男爵夫人は付け加えた。

 ユダヤ人は、人間の良識という通常の基準が全く適用されない魔法のような妖精のような存在だという考えに私は全くもって驚かされる。あなたが、この特定宗教に属しているなら、果てしないアパルトヘイトと民族浄化を前提とする根本的人種差別国家に反対するようあなたに期待するのは、どういうわけか虐待的「純度テスト」になってしまう。
 そんな単純な話ではない。宗教に関係なく、私たち全員、ジェノサイドとアパルトヘイトに反対する道徳的義務を負っている。人種差別的政治思想を拒否する道徳的責任があなたにはある。そうしないなら、あなたは人種差別主義者だ。特別な例外はない。
 確かに、ユダヤ人の大多数はイスラエルを支持している。だが、大多数の支持があるからといってそれが正当な立場だと主張するのは、多数派に訴える論拠(argumentum ad populum)という誤謬だ。ある集団の間で人気があるからといって、その立場が正しいとは限らない。かつては、あらゆる種類の残虐行為が大多数の人々に支持されていた。かつては、ある人の祖先がアフリカ出身なら、その人を所有するのは完全に正当だと広く考えられていたが、今や道徳的明晰さが増し、それは間違っていたと全員が認識している。

 シオニズムも例外ではない。それは人種差別的政策や民族浄化を必ずと言っていいほど伴ってきた政治イデオロギーだ。何千年もの間故郷を離れていたユダヤ人には帰還の権利があると考えながら、何十年も追放生活を送ってきたパレスチナ人には帰還の権利がないと考えるなら、あなたは明らかに人種差別主義者だ。先住民族集団の上に新たな民族国家を樹立し、先住民全員を突然民族浄化とアパルトヘイトの対象とするイデオロギーを支持するなら、あなたは当然人種差別主義者だ。あなたが信仰する宗教が、この責任から、あなたを魔法のように免除するわけではない。
 ジェノサイドを行うアパルトヘイト国家を拒絶する「純度テスト」に合格するよう全員要求されるべきだ。ユダヤ人も、この自明の道徳的現実の例外ではない。