2026年8月8日土曜日

核兵器廃絶へ新たな決意 原水爆禁止世界大会 ヒロシマデー集会

 原爆投下から81年となる6日、原水爆禁止2026年世界大会ヒロシマデー集会が開かれました。

「『核兵器のない平和で公正な世界』への希望をきりひらくため、新たな決意で行動に立ち上がろう」と訴える決議「広島からのよびかけ」を採択。国連の中満泉軍縮担当上級代表、メキシコ政府代表がスピーチし、玉城デニー沖縄県知事が連帯のメッセージを寄せました。
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核兵器廃絶へ新たな決意 原水爆禁止世界大会 ヒロシマデー集会
                       しんぶん赤旗 2026年8月7日
 米国が広島に原爆を投下してから81年となる「原爆の日」を迎えた広島市で6日、原水爆禁止2026年世界大会ヒロシマデー集会が開かれました「『核兵器のない平和で公正な世界』への希望をきりひらくため、新たな決意で行動に立ち上がろう」と訴える決議「広島からのよびかけ」を採択国連の中満泉軍縮担当上級代表、メキシコ政府代表がスピーチし、玉城デニー沖縄県知事が連帯のメッセージを寄せました。同日行われた市主催の平和記念式典で松井一実市長は「核抑止力に依存し続け、暴力を肯定する国際社会が出現している」と指摘。日本政府に対し、11月開催の核兵器禁止条約再検討会議にオブザーバー参加し、一刻も早く締約国となることを求めました。平和記念式典、ヒロシマデー集会に日本共産党の田村智子委員長をはじめ党代表団が出席しました。




会場の壁面に飾られた、平和行進支援のペナント(手前)に囲まれるなか、各地からの核廃絶の決意が語られたヒロシマデー集会=6日、広島市中区



 広島県立総合体育館で開かれたヒロシマデー集会には3400人が参加し、706人が視聴しました。
 中満氏は「核兵器の使用は安全保障上の選択肢ではあり得ず、破滅へと直行する道だ」と述べ「核使用による被害を被るのは一般市民だが、核兵器を廃絶する力と責任も私たちは持っている」と激励しました。
 メキシコのエンリケ・ハビエル・オチョア・マルティネス外務副大臣は「核兵器は国際関係を不安定にし、社会全体に対する長引く脅威となる。核兵器の完全廃絶に代わる現実的な選択肢はない」と指摘。「多くの国々が核兵器禁止条約に署名・批准することを期待する」と表明しました。
 デニー知事はビデオメッセージで「軍事的緊張が高まりを見せている国際情勢と核拡散への懸念が高まる状況であるからこそ、私たちはいっそう、平和と核廃絶を訴えてゆかねばならない」と強調しました。
 日本女医会の前田佳子(よしこ)会長(平和を求め軍拡を許さない女たちの会共同代表)は「平和記念式典で高市早苗首相は『非核三原則を堅持している』と発言したが、壊そうとしているのも高市さんではないか」と批判。「医師として、核兵器と共存はできない。ともに行動し、未来をきりひらこう」と呼びかけました。

 被爆体験集『木の葉のように焼かれて』から名越(なごや)操さんの体験が朗読され、広島の被爆者、伊藤正雄さんが証言。広島県原爆被害者団体協議会(広島県被団協)の佐久間邦彦理事長が「日本政府は禁止条約の批准を」と訴えました。
 韓国、米国、スペイン、フランスの代表が発言。壇上を埋めた高校生らが「私たちの未来に核兵器も戦争もいらない」と語り、盛んな拍手が送られました。


条約締約 日本も早く 平和記念式典
                       しんぶん赤旗 2026年8月7日
 広島市は6日、平和記念公園で平和記念式典を開きました。被爆者、遺族、市民、国連や各国代表、政党関係者ら約5万人が参列。松井一実市長は平和宣言で、日本政府に対し、核兵器禁止条約再検討会議へのオブザーバー参加と一刻も早く締約国となるよう求めました。しかし高市早苗首相は「『非核三原則』を堅持している」と現状を述べるだけで、禁止条約にも触れませんでした。

 松井市長は核不拡散条約(NPT)再検討会議で成果文書が不採択だった原因は、他国に責任転嫁し自国の行動を正当化する為政者の言動にあるとし、「NPTの義務を無視するに等しく、世界の平和と安定を根底から揺るがす」と批判。「核兵器廃絶という理想を理想で終わらせない国際社会を創りあげるための行動」をよびかけました

 国連のアントニオ・グテレス事務総長(中満泉軍縮担当上級代表代読)は「平和とは信頼によって築かれる」と強調。核兵器は安全保障の対極に位置するとして、「広島の悲劇が二度と繰り返されない世界へ歩んでいこう」と訴えました
 横田美香県知事は「核抑止」からの脱却を求め、「人類と核兵器は、共存できない」と力を込めました

 原爆が投下された午前8時15分から1分間黙とう。小学生2人が「平和への誓い」を朗読しました。
 この1年間に確認された原爆死没者4393人の名簿が奉納され、累計35万3639人となりました。
 過去最多の121カ国・地域が参加しました。

ゴマと国民は搾れるだけ搾れ/袴田事件の教訓(植草一秀氏)

  植草一秀氏の掲題の記事を紹介します。

「ゴマと国民は搾れるだけ搾れ」の記事では、日本の災害避難所の国際基準である「スフィア基準」をまったく満たしておらず、何度大災害が発生しても、市民が劣悪な避難所に閉じ込められる実情は何も是正されないとして、「安眠できる寝具がない。トイレが不足している。プライバシーが守られない。入浴できない。生活水が足りない。そして、温かな食事が提供されない」とその悲惨な実態を列挙します。
 そして、一刻も早く「避難者を遠隔でも構わないから各種宿泊施設に移送するべき、他県の宿泊施設への避難などを迅速に実施するべきで、最優先で被災者の命と暮らしを守る政策対応を示すべき」と具体案を提示し、「この国では一般市民のために財政資金を使うという発想がない」、「財政資金は利権政治屋と利権官僚機構と癒着大企業が自分たちの利益のために使うもので、一般市民のためには1円も使いたくないというのが基本とされている」と批判します。

「袴田事件の教訓」の記事は、先の国会では刑事訴訟法が改定されましたが最重要の事項についての法改正は実現せず法改悪だったと前置きし、これまで明らかにされてきた検察不祥事を列挙しました。そして日本の検察にはの特権?を発揮することには何の躊躇もないというのが実態であるとして、下記の三つの事項を改革するだけで日本の刑事司法は一変すると断言します。
 1.取り調べの全課程、全関係者に対する完全可視化
 2.裁判所が再審開始決定を示した場合の検察の抗告権を認めないこと
 3.証拠の全面開示の義務付け
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ゴマと国民は搾れるだけ搾れ
                植草一秀の「知られざる真実」 2026年8月 7日
高市首相が8月3日に短時間、熊本の被災地を訪問した。
首相が訪問すれば余計な仕事が増える。現地は被災者支援で首相訪問に構う人的・時間的余裕などない。それでも、どうしても現地入りするというなら、意味のある行動を示すべきだ

爆発したイオンモールや被災地に対して空調の効いた上空で手を合わせても何も伝わらない。伝える心がなければ地上でも何も伝わらないのは同じだが、空の上で手を合わせるのは「上から目線」そのもの。

撮影隊まで動員してプロモーションビデオを制作していることに批判が沸騰した。
地上に降りたなら、空調のない体育館の避難所に一定時間滞在して被災者の状況を体験しなければ被災者に寄り添う支援などできるわけがない。
空調の効いたオフィスで数分間対話しただけでは被災者の実情など分かるべくもない。

民放で被災者に地下水を配っている女性がインタビューを受けて、「何よりも避難所の水準が低すぎるのを何とかしてほしい」と訴えていたのが印象的だった。
安眠できる寝具がない。トイレが不足している。プライバシーが守られない。入浴できない。生活水が足りない。そして、温かな食事が提供されない。

避難所の国際基準であるスフィア基準を日本の避難所はまったく満たしてない。
何度大災害が発生して、市民が劣悪な避難所に閉じ込められて是正が主張されても、結局何も是正されない。
高市内閣は17分野に15年で370兆円ものお金を注ぐ方針を示した。そんな金があるなら企業に利権補助金としてバラまくのではなく、一般市民の命と暮らしを守るために使うべきだ。

40度を超える酷暑が記録される地の空調の効かない体育館に被災者を閉じ込めるのは殺人行為。
避難者を遠隔でも構わないから各種宿泊施設に移送するべきだ。九州全域が被災地になっているわけではない。
他県の宿泊施設での避難などを迅速に実施するべきだ。「予備費を使う」、「激甚災害に指定する」などの言葉を並べても意味がない。
最優先で被災者の命と暮らしを守る政策対応を具体的に示すべきだ。

要するに、この国では一般市民のために財政資金を使うという発想がないのだ。
財政資金は利権政治屋と利権官僚機構と癒着大企業が自分たちの利益のために使うもので、一般市民のためには1円も使いたくないというのが基本とされている。
消費税の話もまったく同じ。上場企業株式の3分の1は外資が保有。外資は法人税を払いたくない。その分を日本の庶民に押し付けるのが消費税

富裕層は応能負担で所得税を払いたくない。金持ち優遇税制を温存するために庶民に負担を押し付けるのが消費税。だから、2年合計でたった10兆円の消費税減税なのにいちゃもんをつけまくっている。

日本政府が保有する米国国債を売れば60兆円の利益が出る。食品消費税率ゼロを12年実施できる財源になる。しかし、米国債売却は日本政府が米国政府に貸したお金の回収を意味するものだから米国政府がこれを許さない。
ベッセント財務長官が「日米協調介入」を主導したが、その真相を伝える解説は皆無。
今般上梓した『日本経済の終宴 絶頂株価後の最強投資戦略』(ビジネス社)https://x.gd/yNOSpf ベッセント財務長官の為替政策を詳述しているのでご高覧賜りたい。

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袴田事件の教訓
               植草一秀の「知られざる真実」 2026年8月6日
袴田事件での無罪確定を背景に刑事訴訟法が改定された。
しかし、最重要の事項についての法改正は実現しなかった。法改悪だ。
検察不祥事が相次ぐ。しかし、検察の暴走を止める方策が取られない。

大阪地検では地検トップの犯罪が明るみに出た。
大阪地検のトップだった北川健太郎元検事正が準強制性交の罪で逮捕、起訴された。
被害者は部下だった女性検事。現在は「ひかり」の名でempathyというタイトルのノートで記事を発信されている。
2024年10月25日の初公判で北川被告は起訴事実を認めて謝罪したいと述べた。
ところが、その2ヵ月後に無罪主張に転じた。第2回公判はまだ開かれていない。
ひかりさんは検察組織内のハラスメント実態調査や組織健全化のための第三者委員会の設置を求めている。しかし、検察は応じていない。

また、元東京地検特捜部の西田将仁検事は、自身が捜査に関わった事件の関係者(女性)と不適切な交際を持ち、取り調べ等の目的で公費(税金)により確保していた都内のホテルに女性を呼び寄せて性的行為に及んだとして2026年7月29日付で懲戒免職処分を受けた。

大阪地検特捜部が捜査した業務上横領事件の取り調べで「検察なめんなよ」などの違法な言動があったとして特別公務員暴行陵虐罪で審判に付された元大阪地検特捜部検事の田渕大輔被告の初公判が7月10日に大阪地裁で開かれた

さらに、東京地検特捜部が手がけた刑事事件で不当な取り調べをしたとして、東京地裁は6月24日、元東京地検特捜部検事の堀木博司を特別公務員暴行陵虐罪で審判に付す決定を出した。

検察の不祥事、犯罪は枚挙に暇がない。しかし、検察の不正、犯罪を抑止するための制度改正は進まない。
大阪地検特捜部による元厚生労働省官僚の村木厚子さんに対する冤罪事件。
冤罪が明らかにされて検察改革が叫ばれた。
その結果として刑事訴訟法が改定されたが、大きな進展はなかった。

袴田巌さんの無罪が確定して再審制度に関する制度改正が論議されたが制度改正は実現しなかった。
大阪地検特捜部の証拠改ざん事件では特捜部長、特捜副部長、検事の3名に有罪判決が下され、1名は実刑になった。
この事件を契機に検察改革が叫ばれて2016年に法律が改定されたが大きな前進はなかったのだ。10年が経過して2026年に再び刑事訴訟法が改定されたが、今回も肝心な部分で「法改正」は実現しなかった。

重要な事項は三つ。
 1.取り調べの全課程、全関係者に対する完全可視化
 2.裁判所が再審開始決定を示した場合の検察の抗告権を認めないこと
 3.証拠の全面開示の義務付け
この三つを実現するだけで日本の刑事司法は一変する。

逆に、この制度改正が断行されなければ、日本の刑事司法は暗黒の状態に据え置かれる。
刑事裁判の有罪判決が99.9%以上を占めると言われる日本の裁判所にあって、珍しく無罪判決を書くことに積極的だった裁判官として知られる木谷明元裁判官が昨年11月に亡くなられた。木谷氏は現役中に30件以上の無罪判決を確定させた実績を持つ。
その木谷明氏が編者となって編纂された『袴田事件の教訓 冤罪の予防・救済のためにhttps://www.iwanami.co.jp/book/b10166247.html が刊行された。
日本の刑事裁判に潜む問題を、袴田事件を素材にして、第一線の裁判官OB、刑事法学者が論じている。

その他、刑事裁判の合議自体に潜む問題についての座談会も収録されている。
同書の刊行を記念してシンポジウムが開かれる。
刑事裁判と冤罪を考えるシンポジウム――袴田事件の教訓 https://x.gd/4Oc2T
関心のある方には参加を呼びかけたい。

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サブタイトルは「絶頂株価後の最強投資戦略」
第1章タイトルは「高市持率工作(こうしじりつこうさく)」
高市暴政の真実を明らかにするとともに株価絶頂を予測し、絶頂株価後の投資戦略を提案する新著。
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                 (後 略)
















08- 熊本地震 温かい食事・野菜・ベッド…被災者の要望切実 八代・宇城両市 田村委員長が調査

 日本共産党の田村智子委員長は6、7両日、最大震度7を記録した熊本地震で被災した熊本県八代市と宇城市豊野町の避難所を訪れ市の担当者からの説明を受け、避難している住民から話を聞きました。
 仁比聡平参院議員と田村貴昭前衆院議員、松岡勝県委員長、東なつこ副委員長が同行しました
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2026熊本地震 温かい食事・野菜・ベッド…被災者の要望切実
八代・宇城両市 田村委員長が調査
                         しんぶん赤旗 2026年8月8日


避難生活を送る人たちから状況を聞く、(奥右から)仁比聡平参院議員、田村智子委員長、東なつこ県副委員長・県議予定候補、田村貴昭前衆院議員=7日、熊本県宇城市の豊野防災拠点センター



 日本共産党の田村智子委員長は6、7両日、最大震度7を記録した熊本地震で被災した熊本県八代市と宇城市豊野町の避難所を訪れました。経験のない猛暑が続く中、避難所に身を寄せる人たちの要望を聞き取りました。仁比聡平参院議員と田村貴昭前衆院議員、松岡勝県委員長、東なつこ副委員長・県議予定候補、橋本徳一郎八代市議(6日のみ)が同行しました

 6日は八代市の避難所(106人が避難)を調査。冷房は使用でき、2~3日前から段ボールベッドで休めるようになったと市の担当者からの説明を受け、避難している住民から話を聞きました。
 約600世帯の自治会の会長を務める男性(77)は、自治会名簿を手に「会員に何度連絡してもつながらない。避難所にも来ておらず心配です」と顔をくもらせました。田村氏は「個人で安否確認は難しい。行政と連携して把握・確認できるようにする必要がありますね」と語りました。要望を尋ねると、男性は弁当が届かず、パンやカップ麺、バナナばかりだと述べました。田村氏は「温かい食事や野菜が届くよう改善を求めます」と応じました。
 田村氏は避難所の運営スタッフに敬意を表しつつ、子どもの居場所、女性や子どもの安全の確保への配慮を要望しました。

 7日には、宇城市豊野町で避難所となっている防災拠点センターを訪問。断層が近く、大人数を収容できる大部屋が損壊し使用不能に。倉庫から段ボールベッドも取り出せず、発災から10日が経過しても避難者は床に雑魚寝状態です。
 自宅が全壊した女性(86)は、床に毛布やカーペットを重ねて横になっていました。「段ボールベッドがほしい。防災訓練では段ボールベッドを作る訓練もしたのに」と語りました。74歳の女性は「10日間、野菜を全く食べていないのでつらい」。69歳の女性は「暑い中、車がないので電動自転車を置いてほしい」「情報がなくて大変」と語りました。
 田村氏らはその場に居合わせた内閣府の巡回チームに「段ボールベッドやパーティションが緊急に必要だ。直ちに対応を」と求め、担当者は「分かりました」と応じました。
 壁が一部崩れ、屋根にも被害が出た自宅で生活する夫婦にも話を聞きました。男性は「罹災(りさい)証明の申請をしたいが、市は1日60人までしか対応できず、朝早く並んでも申請できない」と述べ、女性も「10年前の地震でも被害があり、ここに住めるか」と不安げ。田村氏は「住宅再建の支援が手厚くされるよう要望しています」と応じました。

2026年8月6日木曜日

令和8年熊本地震と酷暑の中の棄民行政禍-ナショナル・ミニマムの防災対策を(世に倦む日々)

 世に倦む日々氏の掲題の記事を紹介します。
 同氏は、10年前に熊本地震がありその2年後に真備町の水害が起きた後、段ボールのベッドやプライバシーを守る間仕切りがマスコミで喧伝され、改善に向けての取り組みに期待感を持てる気配が漂うようになったのに、実際は何も改善されず、避難所はテントなし、間仕切りなし、簡易ベッドなしのいつもの雑魚寝スタイルという実態は今回も不変であったことに怒っています。何よりも10年前の熊本地震で災害関連死が特に大きく注目された熊本で、自治体行政や県議市議たちが体育館へのエアコン設置予算を却下してきた事実は理解不能の事態でした。
 避難所の環境が最悪で雑魚寝が継続されるままになっているのには政治的な理由があるとして、新自由主義の「自助・共助」のイデオロギーが政策路線として定着し、防災行政の基本と全般を規定し拘束しているためだとしています。
 いまや新自由主義の自己責任の原理が政府省庁から自治体まで一貫していて、災害時の被災者支援について、政府は面倒を見ない。生存確保と健康維持と生活再建は、政府に甘えず自前でやれという前提になっているそれが故に日本の防災政策は外国の災害対応と差が出るのであり、差が開くのだと述べます
 エアコンのない避難所で雑魚寝し、日中は炎天下、被災家具の片づけや罹災証明の入手に追われ、どうやって高齢者が熱中症から身を守ることができるのでしょうか。本来、気温40度という酷暑自体が災害であり、そこに高齢者を水なしエアコンなしの環境条件で置いておくことが異常なことです命は地球よりも重いという名言を思い出すべきです。
 世に倦む日々氏は、熊本の旅館・ホテルは6.5万泊(9億円)分のキャンセルを受けているという実態に鑑み、国がそれを借り上げて、高齢者や基礎疾患を持つ者から優先して一時的に移動避難させればよいのであり、その措置を果断に行えば災害関連死を防ぐことができるので、政府は発災2日目か3日目に決定して公表し、希望者を車両送迎すればよかったと述べます。実に簡単なことで卓見です。
 また、本来 公立小中学校の体育館のエアコン設置が地方では20%以下という現実は間違っていて放置してはいけない。防災拠点たる指定避難所には一律でエアコンが必須だし、間仕切りも簡易ベッドも必須で、水や食料の備蓄も必須である。そうなっていない現状は放置すべきではなく一刻も早く法律を整備し、全国避難所へのエアコン設置を義務付けるべきで、予算を箇所付けし、履行状況を厳しくチェックするべきだと述べます。

 そして、「今誰も、災害時の非人道的で国際水準に甚だしく劣る日本の対応を見て、そこに憲法25条の人権保障を根拠とした批判を当てなくなった。『健康で文化的な最低限度の生活』の防衛陣地からの要求や異議を聞かなくなった。憲法25条の概念は、9条と並んで憲法の二本柱に等しい崇高な宝物なのに」と嘆きます。
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令和8年熊本地震と酷暑の中の棄民行政禍 ー ナショナル・ミニマムの防災対策を
                       世に倦む日日 2026年8月4日
7/28、熊本で震度7の地震が発生。大きな被害を出し、一週間が経過した時点にある。発災以降、被災地は気温35度を超える猛暑日が続き、現在もその熱波と炎暑の禍が続いている。7/28 から 7/31 まで4日間、地震の影響で停電となり、被災地ではエアコンが使えなかった。九電による復旧作業は完了したという報告になっているが、それは道路上の電柱の配電線までの復旧工事であり、各住戸への引込線すべてが回復したわけではなく、8/2 時点でも停電状態にある家庭の存在がテレビで紹介されていた。気温35度でエアコンなし水なしで4日、5日、6日、、それがどれほど過酷な生存環境だろう。テレビでは通常「一日中一晩中エアコンをつけっぱなしにして下さい」と言っている。そうしないと熱中症になるからだ。東京では(23区内のみの集計だが)猛暑日が続いた 7/21 から 7/25 までの間に55人が熱中症で死亡している。現時点では表面に浮かび上がってないが、被災地で人々がどれほど深刻な健康被害の危機に直面していることだろうか。

7/28 に一報を聞いたときから、避難所がどうなるのかが気になった。が、マスコミはそこから3日間、ずっとイオンモールのガス爆発事故にのみ報道の関心と資源を集中させ、八代などの被災地にカメラを向けなかった。避難所を取材しようとしなかった意図的に報道から捨象している方針が透けて見えた。翌朝 7/29 のXに、Xが避難所関連の情報をタイムラインから排除していると疑念を抱くポストが上がっていた。それを陰謀論と一蹴できないほど、今回のXには被災者系の発信が少なく、いつもの災害時のX(Twitter)と様子が違っていた。マスコミと同期するようにやたらイオンモール関連の意見や反応が多く、宇城や八代に無関心だった。いつもならマスコミ報道とは異なる情報の世界がXに出現し、話題となり、マスコミの隠蔽体質を暴露しつつSNSの真価を発揮する。東日本大震災時の原発事故情報が典型だった。今回、Xに政府から指示が下りていたのか、真相は不明だが、もうそこまで情報統制が来ているのかと恐怖を覚える戦争が近いのだ

送電が止まり、被災地の人々は車のエアコンで命を守るべく、ガソリンスタンドに殺到していた。一日以上経ってようやく避難所が開設されたが、冷房設備がなく、テントもパーティションも簡易ベッドもなく、トイレに不安があり、そんな劣悪な環境よりも車の中や自宅の方を被災者は選択したようだった。2日目から3日目にかけて、ようやくXでも避難所に視線を向ける議論が活発になり、熊本の公立小中学校の体育館のエアコン設置率が20.9%という数字に反響が集まった。と同時に、共産党だけが議会で懸命に体育館のエアコン設置を要求した経緯とか、自民などがエアコン設置を不要としてきた政治の歪な真実が明らかとなった。10年前に大きな地震を経験し、何より、災害関連死の問題で特に大きく注目された熊本で、自治体行政や県議市議たちが体育館へのエアコン設置予算を却下してきた事実には衝撃を受ける。熊本は全国でも暑い土地だ。もし真夏に次の地震に襲われたらという想定を、なぜ首長や議員らは考えなかったのだろう。信じられない

7/30 あたりから、ようやく新聞社が避難所を撮った写真を配信し始め、テントなし、間仕切りなし、簡易ベッドなしの、いつもの雑魚寝スタイルで被災者が体育館に詰め込まれている様子が分かってきた。相変わらずのジャパニーズ・フォーマット。唖然とする。避難所の雑魚寝については、何度も何度も、災害の度に不備が指摘され、人権上衛生上の問題が言われて非難され、改善が必要だと槍玉に上げられてきた。今回はどうだろう、まさかと思っていたが、やはり雑魚寝様式が踏襲されていた。改善されてない。10年前に熊本地震があり、その2年後に真備町の水害が起きた後、段ボールのベッドやプライバシーを守る間仕切りがマスコミで喧伝され、改善に向けての取り組みに期待感を持てる気配が漂うようになった。が、2年前の2024年元旦に能登半島地震が起きたとき、避難所環境はむしろ劣悪になっている状況が分かって暗澹とさせられた。実際は何も改善されてなかった。そして、マスコミが取材を避け、避難所をなるべく映さないように変わっていた

なぜ日本は避難所の環境が最悪で、雑魚寝が継続されるままなのか。それには政治的な理由がある。意図的に政権と政府がそうしてきたのだ菅義偉が首相就任前に堂々と宣言した図を想起すべきだが、「自助・共助」のイデオロギーが政策路線として厳然と定着し、防災行政の基本と全般を規定し拘束しているのである。新自由主義の自己責任の原理が政府省庁から自治体まで一貫しているのだ。災害時の被災者支援について、政府は面倒を見ない。生存確保と健康維持と生活再建は、政府に甘えず自前でやれという前提になっている。高齢者医療含めた社会保障政策の全領域にわたって、弱者は保護せずの鉄則が正義化され、その主張を前面に掲げた政党が選挙で支持され政権を運営している。なので、災害時に政府は前面に出ない。自衛隊も真面目に救助に動かない。救援に前向きなフリだけ狡賢く演出して、マスコミと国民の前で点数稼ぎするだけだ。要するに、日本の防災政策は棄民政策が実態であり本質なのだ。だから外国の災害対応と差が出るのであり、差が開くのだ

NHKの夜のニュースは、被災地の人々に対して、熱中症にならないよう注意して下さいとか、周囲を見守って下さいと何度も何度も呼びかけている。こうすれば熱中症を防げると言い、濡れタオルで首の両側を拭けとか、日陰で休めとか、トイレを心配して水飲みを控えるなと言っている。専門家を登場させ、気休め同然の一般論を講釈している。トイレを心配するなと言っても、断水で流す水がなければどうしようもないではないか。そもそも、NHKが垂れているような方法で熱中症を防止できるのなら、日本で熱中症患者の発生はゼロだろう。「日中は外出するな、エアコンはつけっぱなしで、こまめに水分補給を」と繰り返しテレビで警戒警報を鳴らし、国民が厳重注意してその勧告に従っている中、東京都23区だけで一日に15人も20人も熱中症の死亡者が出るのである。それだけ日本の夏の気温と湿度は高く、熱中症になりやすい過酷な環境だ。被災地は断水で、給水車の順番を待つ長い行列に並ばないといけない。高齢者だけの世帯は自ら水汲みする必要がある

エアコンのない避難所で雑魚寝し、日中は炎天下、被災家具の片づけや罹災証明の入手に追われ、どうやって高齢者が熱中症から身を守ることができるのだろう。NHKを含めた被災者向けのテレビ報道(政府からのメッセージ)はあまりに欺瞞的で、聞いていて噴飯で堪えられない。私自身も、今年7月初めから軽い熱中症の後遺症が出て、体調不良に悩まされている。熱中症と自律神経の異常は大きな関係があるらしく、年をとると体温調節が難しくなり、熱を体外に逃がしにくい身体生理になるようだ。そして睡眠不足という厄介な症状に襲われる。環境を変えてPCを見ずに何日か生活を送ると、睡眠が元に戻って頭痛も消える。が、再びPCに集中して一日中Xタイムラインを追いかける日常に戻ると、元の木阿弥で悪化する。気温が下がることで一息つける。高齢者の夏は多くがこんな感じだろう。スマホに隷属して視神経と脳を侵され続けている若年層は、高齢者になったとき、さらに熱中症に罹りやすい体質になるのではないか。気温も今より高い環境だろうから

という個人的事情もあり、宇城市や八代市の高齢者を見て、いたたまれない気持ちになる。本来、気温40度という酷暑自体が災害であり、そこに高齢者を水なしエアコンなしの環境条件で置いておくことが異常なことだ。「健康で文化的な最低限度の生活」を大きく逸脱した、地獄の環境に放置して責め苦を与え続けているのと同じである。まるで人体実験と同じだ。虐待と陵辱だ。いじめ加害を幇助する教室の教師と同じだ。NHKの夜9時のニュースで、熱中症にならないよう気をつけて下さいと言っている広内仁と野口葵衣を見て、731部隊の医者と看護婦の悪魔の冷酷を想像してしまった。厚労省の医系技官は、現時点から1週間後にどれだけ災害関連死者が出るか、シミュレーションして推計を出しているだろう。国家情報局は、そのデータを中国との戦争時の避難住民政策に活用して、戦場となった沖縄や各地での対策のマニュアルの資料にするのだろう。水がない、食料がない、電気がない、ガソリンがない。熊本の被災地は、まさに1945年8月の戦禍の地そのもの

地震の影響で、熊本の旅館・ホテルは6.5万泊(9億円)分のキャンセルを受けている。国がそれを買い上げて、被災地の高齢者を、基礎疾患を持つ者から優先して一時的に移動避難させればよいのであるその措置を果断に行えば災害関連死を防ぐことができた発災2日目か3日目に決定して公表し、希望者を車両送迎すればよかった。簡単なことではないか。それから、断水の問題については給水車を増やせばいい。ネットで調べると、全国の水道事業体が保有する給水車は1330台存在する。このうち3分の1の400台を動員すれば、自衛隊が出している49台の8倍の規模を展開できる。つまり、給水車に並ぶ被災者の人数と時間を8分の1に減らせる。首相権限で即刻指示を出せば済む措置だ。熊本には地下水の湧き水が豊富にある。九州には日田天領水や財宝など飲料水のビッグビジネスがあり、水資源には事欠かない。不足しているのは給水ビークルだけだ。なぜ給水車を増やさないのか。被災地に集中させないのか。自衛隊の宣伝プロモーションに活動を独占させているのか

NHKのニュースを見ていたら、7/31 だったか、世田谷にある熊本料理店の店内が取材され、富裕層っぽい女性がいかにも高そうな馬刺しを賞味し「食べて応援」を言っていた。その隣の男が「熊本にしょっちゅう行かなきゃ」と軽薄な口調で言っていた。草津や登別の予定を黒川に切り替えるのだろう。NHKが用意した台本で短い映像を制作している。NHKが富裕層に向けて、被災地を応援する貴族の温情の消費行動を促している。日本はこんな国になった。被災地の被災者は切り捨てられ、高齢者は熱中症で災害関連死する予備軍の枠に入れられ、人体実験のビッグデータのサンプルとされ、「お気の毒でした」の言葉だけが送られる。富裕層はそれをテレビで見て「食べて応援、旅して応援」の勘違いな自己満足の消費に精を出す。被災者の不幸を肴にして消費欲を満たす。自助と共助の災害対応。ボランティアばかりをクローズアップし、国の責任は問わない。国の責務の所在は消し隠し、高市と自衛隊の宣伝だけを放送する。そのことについて批判も糾弾もない。欺瞞と逸脱への怒りがない。

本来、公立小中学校の体育館のエアコン設置が、東京が92%で、大阪が50%で、地方が20%以下で、全国平均が23%という現実は間違っているのだ。放置してはいけない問題だ。公立小中学校の体育館は9割以上が地域の指定避難所になっている。災害の襲来は季節を選ばない。場所も選ばない。だから、防災拠点たる指定避難所には一律でエアコンが必須だし、間仕切りも簡易ベッドも必須で、水や食料の備蓄も必須である一刻も早く法律を整備し、全国避難所へのエアコン設置を義務付けるべきで、予算を箇所付けし、履行状況を厳しくチェックするべきだ。その防災設備の性能や備品の品質には差をつけてはいけない。憲法の日本国民は平等で、権利に差はないのだから。等しく税金を払って日本国を支えているのだから。防災行政で享受する国民の福利は、全国等しくナショナル・ミニマムが貫徹されなくてはいけない。これは当然の常識だが、新自由主義が標準的な思想として人々に内面化された今では、社会主義の理念に聞こえることだろう

憲法25条の生存権はどこへ行ったのか。今、誰も、災害時の非人道的で国際水準に甚だしく劣る日本の対応を見て、そこに憲法25条の人権保障を根拠とした批判を当てなくなった。「健康で文化的な最低限度の生活」の防衛陣地からの要求や異議を聞かなくなった。憲法25条の概念が日本人から消えている。9条と並んで憲法の二本柱に等しい崇高な宝物なのに