2026年2月16日月曜日

伊藤千尋 ~今の世界は選挙でなく市民運動で変わる/~ 選挙結果にめげているときではない

 伊藤千尋氏の直近2つの記事を紹介します。

 多分、記事の主張に惹かれた方は伊藤千尋氏についても知りたくなると思うので、ウィキペディアの記事を末尾に転載しました。とても短いので全文を掲載しました。
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伊藤千尋:正道を歩もう、今の世界は選挙でなく市民運動で変わる
                  レイバーネット日本2.0  2026年2月11日
 今回の選挙結果にショックを受けていませんか。当選議員が自民党だらけになった日本列島の政治地図を見て、ため息をつく人は多いでしょう。なぜこうなったのか。第1に、高い支持率を背景に「今なら勝てる」と抜き打ち解散した高市早苗首相の計算が図に当たったこと。第2に、「強く明るいサナエ」イメージを拡散した高市陣営ネット戦略の成功、第3に、いやこれが最大の理由かもしれませんが、安保や原発の党是を捨て野党共闘を放棄し存在意義すら失った立憲民主党のていたらく。対抗勢力が消えれば与党が勝つのは小選挙区制では当然です。第4に、国民の生活感覚から遊離し親近感を得られなかった左派の姿勢(米国の民主党の失敗そっくり)。このような点が挙げられます。

 昨日(2/9)は広島で平和憲法の講演をしました。聴かれたみなさん、最初は選挙結果を受けてがっかりした表情でしたが、講演が終わると元気になりました。理由は二つ。まず、政治は選挙でなく市民運動で変わるのが今の世界だと知ったこと。次に、平和憲法の力をあらためて強く認識したこと、さらに、今どうすればいいのかのヒントをつかんだことです。
 政治が変動するとき、これからどうなるのかという声をよく聞きますが、どうなるかと悩んでいる場合ではありません。圧倒的な力を握った高市首相は改憲を目指し、矢継ぎ早な改革を進めるでしょう。問題はこの機に私たちがどうする、です。戦後80年を超えて、日本の平和はまさに正念場を迎えました。
 怪物のような政治家が国をメチャクチャにするのは、すでに先例が進行中です。トランプ米大統領はグリーンランドまで手に入れると豪語し、国連に代わって世界の平和を主導する組織として「平和評議会」を創りました。世界の帝王になろうとしています。高市首相の何倍も大掛かりな嵐が、米国でこの1年吹き荒れ、これから3年も続きます。
 戦後この方、世界は理念や理性を基盤に据えてきました。国連憲章は国の規模の大小にかかわらず1国1票の公平性をうたいます。それをただ力が強い者が勝ちカネがすべての世界に根本から変えようとするのがトランプ流です。人間性を破壊し暴力ですべてを支配する考え方です。ハリウッド映画に出てくる「悪の帝国」そのもの。これに追従するのが高市首相の基本姿勢です。このまま進めば世界も日本も、軍事と経済で強い者が支配することになります。どうしたらいいのか、と悩む前に私たちの基本的な立ち位置をしっかり見据えることが重要です。
 国連憲章が冒頭で掲げるのは、国際紛争を「平和的手段によって、かつ正義及び国際法の原則に従って実現すること」です。キーワードは「正義」です。社会正義、国際正義に基づかない身勝手な行動は許さない。それをすべての国、すべての人々が基本に据えることが平和な世界を構築することにつながります。
 私たちはあくまで正道を歩もうではありませんか。私たちだけではない。カナダのカーニー首相も「ポピュリズムと民族ナショナリズムが台頭する時代にあって、カナダは多様性が弱みではなく強みになり得ることを示すことができる。進歩と正義へと向かう余地は、なお残されている」と述べました。米国でもニューヨークに民主的社会主義を掲げるマムダニ氏が元旦、市長に就任しました。トランプ大統領の支持率は急速に低下しています。秋に行われる米国の中間選挙では共和党の敗北が予想されます
 私たちはどうすればいいのか、端的に言いましょう。私たちの立ち位置「正義」の基本を譲らないことです。本当の強さはそこにあります。9条を今まで以上に高く掲げましょう。混迷した世界を救うのにどうしたらいいか。答えは出ています。世界に9条を広めることです。今の世界でそれができるのは、日本で9条を守ってきた私たちです。


伊藤千尋:市民運動こそが日本を変える〜選挙結果にめげているときではない
                  レイバーネット日本2.0 2026年2月13日
 選挙結果について書いたら多くの方から反応をいただきました。今日(2/11)は都内で「今こそ平和憲法を広げよう」と講演をし、先ほど帰宅したところです。さて、昨日の続きです。今の危うい状況を変えるにはどうしたらいいのか。まず知ってほしいのは、今の世界の政治は選挙でなく市民運動によって変わることです。
 ちょうど40年前の1986年2月、フィリピンで100万人の市民が首都の大通りを埋めて独裁政権に抗議し、独裁者マルコスはアメリカに逃亡しました。民衆の力、「ピープルパワー」と呼ばれます。
 そこで就任したのが女性のアキノ大統領です。その4日後、今のウクライナのチェルノブイリで原発事故が起きました。発足したばかりのアキノ政権は前年にできたばかりのフィリピンのバターン原発を一度も使わないまま廃炉にしたのです。市民が生んだ政権だからこその選択です。
 廃炉になったこの原発を訪れたのは、福島原発事故の翌2012年でした。原発をなくしてエネルギーはどうしてるのか問うと、地熱発電で賄っていると言います。首都から車で4時間かけて山奥の地熱発電所を見に行きました。大規模な発電所のあちこちに赤いスリーダイヤが見えます。日本の三菱製でした。主任技師は「今や我が国はアメリカに次いで世界第2の地熱発電大国です」と胸を張ります。
 だったら三菱は日本でも地熱発電をやれよ、と言いたくなるではありませんか。帰国して大分県にある日本最大の地熱発電所を見に行くと、三菱製です。でも、とっても小規模です。なんでフィリピンであれだけ大規模にやれて当の日本ではちっぽけなのか。
 調べてみると当時、世界の地熱発電のタービンの7割が日本製でした。日本は世界でも断トツの地熱発電の技術があるのです。なのになぜやらないかを聞くと、景観を壊すとか温泉が出なくなるとかいろいろ理由を言われました。でも、同じ大分県で名高い別府温泉の杉乃井ホテルは自前の地熱発電で電力を賄っていました。やれるのです。
 今日の講演でも言いましたが、実は日本で地熱発電をきちんと開発すると原発20基分の電力がとれるのです。当時、経済産業省の研究機関がそうHPに書いていましたのを見て驚き、経産省に確認もしました。日本の技術はすばらしい。官僚もちゃんと調べている。でも、政治がそれを捻じ曲げて「日本には自然エネルギーはない」と国民をだましているのです。
 地熱発電の威力を始めて認識したのは福島の原発事故の1年前、2010年でした。北欧のアイスランドを訪れて「世界最大の露天風呂」を見たのがきっかけです。サッカー場より広い5000平方mの巨大な露天風呂を見て「どうしてこんなものを作ったのですか」と質問しました。露天風呂の向こうで煙をもくもくと吐いていたのが地熱発電所です。発電する過程で地中から出てくる水蒸気が出てお湯となって地面に溜まった。それを露天風呂に活用しているのです。
 そこで考えました。地熱発電所を作って露天風呂ができるのなら、露天風呂がたくさんある日本ならもっと地熱発電が出来そうだ、と。帰国して調べた結果が「原発20基分」の電力がとれるという経済産業省のHPです。

 アイスランドと言えば1975年、ジェンダー平等を求めて女性の9割が参加したストライキ「女性の休日」をご存知でしょう。映画にもなりました。この運動がきっかけで男女平等が進み、今やこの国は16年連続でジェンダー平等世界一を続けています。平和度指数も17年連続で世界一です。アイスランドだって男性優位の社会でした。それを女性自らが変えたのです。今は大統領も首相も女性です。選挙でなく市民動が政治を変えたのです。
 原発と言えば台湾は昨年、アジアで最初の脱原発を達成しました。6機あった原発全てが稼働をやめたのです。それを招いたのは市民、中でも若い女性の市民運動でした。「原発監視ママ連盟」の提唱で2013年に5万人がデモをし、ついに原発を停止に追い込んだのです。
 もっとすごいのがお隣の韓国です。2年前に当時の大統領が戒厳令を出したとき、市民が立ち上がりました。若い女性が兵士から銃をもぎ取りました。大統領は今や犯罪人として裁かれています。
 この国ではたびたび100万人規模で市民がデモを行い、政権に対して異議を唱えて来ました。2008年には危険な牛肉をアメリカから輸入することに反対して市民はロウソクを手にデモをした。そのとき、デモの人々が歌ったのが「大韓民国憲法第1条」という歌です。「大韓民国は民主共和国である。主権は国民にあり、すべての権力は国民から生じる」という第1条にメロディーをつけて歌った。米国に従うのでなく韓国の主権を発揮せよ、という主張です。高市首相に聴かせてやりたい
 2016年10月には当時のパク・クネ大統領に抗議し、首都の広場を3万人が埋めました。翌週は30万人、その翌週は100万人、最終的には首都だけで170万人に膨れ上がり、パク大統領をついに退陣に至らせた選挙ではなく市民の行動が政治を変えたのです。
 僕は主催者に「どうしてこんなにたくさんの人を集めることができたのですか」と聞きました。いろんな理由が挙げられました。その一つに「前年の日本に学んだのも大きな理由の一つです」と言います。2015年に安保法制に反対して10万人以上が国会を包囲した市民行動のことです。「あのおとなしい日本人でさえ立ち上がった。我々は何をしているのか、と発奮したのです」と言います。

 みなさん、日本の市民運動も捨てたものではありません。お隣の韓国に影響して100万人デモを生むきっかけになったのです。あのとき、国会前に参加した人もいるでしょう。あなたの行動が韓国の政治を変えたのです。私たちには力がある。
 僕はさらに問いました。「日本ではとても100万人は集まらない。どうして韓国はできるのですか」と。答えは、こうです。「我々、韓国の市民は軍事独裁政権の時代に市民が何度も血を流しながら闘い、ついに民主主義を勝ち取りました。だから自信を持っています。日本の歴史の中で市民が立ち上がって政権を勝ち取ったことが一度でもありましたか」と。そう、繰り返す市民運動が市民自身に自信をつけ、自信を持った市民がまた立ち上がるのです。体験しなければ自信は生まれない。だったら、今から私たちが自ら体験すればいい。
 今や韓国の軍事政権の時代に似たようなことを高市政権はやろうとしています。今こそ、私たちは日本に歴史を作ろうではありませんか。選挙結果にめげているときではない。これをきっかけに、より良い未来、私たちの子や孫に誇れる日本を、私たちの手で創り出そうではありませんか。


伊藤 千尋ウィキペディア)
(いとう ちひろ、1949年9月15日 - )は、日本のジャーナリスト。

来歴
山口県下関市生まれ。山口県立下関西高等学校を経て、1973年、東京大学法学部卒業。大学4年の夏休みに朝日新聞社から内定を得るが、産経新聞社が進めていた冒険企画に応募。スペイン語とルーマニア語の知識があったことから「東大ジプシー調査探検隊」(顧問・直野敦)を結成して東欧に飛ぶ。東欧では「日本のジプシー」を名乗り、現地のジプシーと交わって暮らし、日本初のジプシー語辞書を作り、帰国後は新聞にルポを連載した。

ジプシー調査でジャーナリズムの醍醐味を知り、1974年、再度入社試験を受けて朝日新聞社に入社。長崎支局、筑紫支局、西部本社社会部、東京本社外報部を経て1984年から1987年までサンパウロ支局長。日本に帰国してから社会部に入り、『AERA』編集部員の後、1991年から1993年までバルセロナ支局長。その後、川崎 支局長、フォーラム事務局幹事。2001年、ロサンゼルス支局長。『論座』編集部を経て『be』編集部員。2009年に定年を迎えるが再雇用で『be』編集部に勤務し続ける。「コスタリカ平和の会」共同代表

イスラエル製武器購入 裏に周到な政界工作 超党派訪問団はイスラエル政府丸抱え

 1月上旬に自民党、維新、れいわ、無所属の超党派国会議員15人がイスラエルを訪れ、ガザでのジェノサイドの罪で国際刑事裁判所から逮捕状の出ているネタニヤフ首相を表敬訪問し、大きな批判を浴びましたが、この訪問がイスラエル政府による公式招待だったことが、しんぶん赤旗が入手した在日イスラエル大使館から議員あての招待状で明らかになりました。

 招待状には東京―テルアビブ間の航空券、宿泊、食事、移動にかかる費用をイスラエル外務省が負担すると明記されていました。この「イスラエル訪問特別支援事業」は25年で10周年を迎え、これまでに約400人が訪問したということです。
 この超党派訪問団とは別に、自民党も同時期に調査チームをイスラエルに派遣しました
 小野寺五典安全保障調査会長は出発前に「イスラエルは小型無人機分野で世界の先端技術を有し、日本の安全保障政策を検討する上で役立つ」などとXに投稿しイスラエル製ドローンの導入を当然視しています。
 しんぶん赤旗がシリーズ「徹底解明 軍事費」で、イスラエル製武器購入の実態について報じました。
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徹底解明 軍事費 イスラエル製武器購入 裏に周到な政界工作
超党派訪問団はイスラエル政府丸抱え
                       しんぶん赤旗 2026年2月15日
 今年1月上旬に自民党、日本維新の会、れいわ新選組、無所属の超党派国会議員15人がイスラエルを訪れました。パレスチナ自治区ガザでのジェノサイド(集団殺害)の罪で国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状の出ているネタニヤフ首相を表敬訪問し、大きな批判を浴びました。この訪問が、実はイスラエル政府による公式招待だったことが、本紙が入手した在日イスラエル大使館から議員あての招待状で明らかになりました。

招待状写真 添付省略
 説明文在日イスラエル大使館が日本の国会議員に送った招待状。東京・テルアビブ間の航空券代、現地での食費、宿泊費、移動費などをイスラエル側が負担すると明記(点線で囲んだ部分) 

(写真)イスラエルのネタニヤフ首相と日本の国会議員との記念写真。参加した議員がSNSに投稿。面会日は1月6日とされている

 招待状は昨年7月1日付で、「イスラエル訪問特別支援事業(YLP)」と称して15人程度の参加を見込み、東京―テルアビブ間の航空券、宿泊、食事、移動にかかる費用をイスラエル外務省が負担すると明記しています。全行程に専門ガイドと日本語通訳が同行する厚遇ぶりです。関係議員のSNS投稿によれば、日本の国会議員のイスラエル訪問団としては過去最大規模でした。

 しかも、YLPは25年で10周年を迎え、これまで約400人が訪問したとしており、イスラエルが継続的に政界を含む各界への工作を行ってきたことがうかがえます。
 超党派訪問団とは別に、自民党も同時期に調査チームをイスラエルに派遣。小野寺五典安全保障調査会長は訪問前に(旧ツイッター)で「イスラエルはドローン(小型無人機)分野で世界の先端技術を有し、今後の日本の安全保障政策を検討する上で役立つ」などと投稿しており、ガザでの住民虐殺に用いられてきたイスラエル製ドローンの導入を当然視しています。
 イスラエルは軍需産業を国策として育成しています。最先端のドローンやAI(人工知能)技術をパレスチナ住民の虐殺に投入するだけでなく、各国への輸出を強化。輸出額は過去最大を更新し続けています。

ガザ虐殺開始後も止まらず
 日本も主要な売り込み先の一つです。武器取引反対ネットワーク(NAJAT)による対政府交渉で、イスラエルによるガザ攻撃が始まった2023年10月以降、計243億円分を購入していたことが判明しました。(表)

 国連は、同国の軍需企業がジェノサイドによって巨額の利益を得ており、国際法違反を繰り返すイスラエル製兵器購入はやめ、殺害に加担すべきではないと訴えています。日本でも、市民が購入中止を求める署名運動や抗議行動が取り組まれ、「ジェノサイドに抗する防衛大学校卒業生の会」の平山貴盛さんは防衛省前で11日間のハンガーストライキを決行しました。

 国民の税金が、血で汚れたイスラエル軍需産業に利益をもたらすことなどあってはなりません。

攻撃型ドローン大量導入へ 17日に入札「イスラエル製」焦点に
「(安保3文書策定)当時、私たちはウクライナで大量のドローンが使われる状況を目にしていなかった」。高市早苗首相は衆院選の遊説でこう繰り返し、安保3文書の前倒し改定の大きな理由に無人兵器の活用を挙げました。
 防衛省は2026年度予算案で、「戦闘様相が大きく変化した」として、無人兵器による「多層的沿岸防衛体制(シールド)」と名付けた構想を打ち出しました。空や海上、海中への無人兵器の配備に1001億円を計上。艦艇から射出して敵を目かけて飛ぶ自爆型ドローンや、水中で情報収集する無人潜水艇など計10種を取得します。うち6種が攻撃用25年度にも自爆型ドローンの取得費を盛り込みました。
 このうち焦点になっているのが、陸上自衛隊に配備する小型攻撃用ドローンです。近距離で車両など攻撃する型」、中距離で艦艇などを攻撃する「型」、遠距離で艦艇などを攻撃する「型」の3タイプがあります。
 防衛省は導入するドローンに、パレスチナ・ガザ地区でのジェノサイド(集団殺害)に使われたイスラエル製を候補に挙げています。同省が今月17日に型の一般競争入札を行うことから、多くの市民が「ジェノサイドに加担する」とイスラエル製ドローン購入に反対の声を上げています
 防衛装備庁によると、実証試験を行った小型攻撃用ドローン8種のうち4種がイスラエル製(表)です。今月の一般競争入札では、イスラエル企業IAI製のドローン2製品が対象になるとみられます。
       防衛省が実証試験を行った小型攻撃用ドローン
  分類     機種名           製造企業       国
  型   ポイント・ブランク    IAI          イスラエル
  型   ロテムL         IAI          イスラエル
  型   キュー・スラム40    アルキメア        スペイン
  型   ドローン40       ディフェンドテックス  豪州
       型   ヒーロー120      Uビジョン        イスラエル
       型   ドローン81       ディフェンドテックス  豪州
       型   フジインバックデルタ  フジ・インバック     日本
          スカイストライカー    エルビットシステムズ  イスラエル

 昨年5月に千葉市の幕張メッセで開催された武器見本市では、イスラエルから約20社が参加し、最大手エルビット・システムズは「スカイストライカー」の模型を展示。中谷・防衛相(当時)はエルビット社のブースを訪れ、視察まで行いました。昨年12月の陸上自衛隊フォーラムでは、IAI社の「ロテムL」を展示。今年2月の一般競争入札を直前に控え、売り込み攻勢をかけていました。
 イスラエル製が有力なのは、ガザ地区を「実験場」にして住民の殺りくを繰り返し、性能を高めたからです。イスラエルは「標的」を特定するために、監視システムで収集したガザ住民のデータを元に標的を生成するAI「ラベンダー」を使用。イスラエルメディアの調査報道によると、攻撃前に兵士が検証する時間は標的1人あたり平均わずか20秒で、誤爆によって多数の民間人が死亡しています。昨年4月にガザで難民テントヘの爆撃にスカイストライカーを使い、子どもを含む30入以上を殺害したと報じられています。
 日本共産党の辰巳孝太郎議員は昨年6月4日の衆院経済産業委員会で、イスラエル軍がドローンを用いてジェノサイドを繰り返してきた実態を告発し、イスラエル製武器の購入をやめるべきだと追及。本田太郎防衛副大臣(当時)は「総合的に検討し適正な取得に努める」と述べ、購入の検討中止を拒否しました。

これでも統一協会と「接点ない」のか(しんぶん赤旗日曜版)

 しんぶん赤旗日曜版2月15日号に掲題の記事が載りました。
 高市氏はX、旧統一教会側との接点について、選挙応援、行事の出席、金銭のやり取り、祝電を手配した記録はいずれも無し」とする投稿をしていました

高市氏のXへの投稿
  高市早苗 takaichi_sanae  午後9:49,2022年8月14日
旧統一教会との接点の有無については、アンケートも多数届いており、政調会長在任中から徹底的に調べていました。2006年にシステム改修した事務所のパソコンは、各種情報が細かく記録できます。選挙応援無し。行事出席無し。金銭のやり取り無し。祝電も当事務所が手配した記録は無しでした。

 しかし日曜版編集部が入手した 高市早苗首相事務所の内部資料によると、高市首相がこれまで隠ぺいしてきた、統一協会(世界平和統一家庭連合)側との関係が生々しく記されていました。こうしたまことしやかなウソがバレたのであれば、選挙中の党首討論は「逃げる」しかなかったわけです。
 同紙は今後も追及を続けるとしています。
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連続追及 高市首相 ウソと疑惑」これでも統一協会と「接点ない」のか 首相支援「早世会」代表は教団の奈良県幹部だった
                   しんぶん赤旗日曜版 2026年2月15日号
 日曜版編集部が入手した、高市早苗首相事務所の内部資料。高市首相がこれまで隠ぺいしてきた、統一協会(世界平和統一家庭連合)側との関係が生々しく記されています。この内部資料に基づき日曜版(2月8日号)は、教団関係者による高市氏支援団体とみられる「早世会」の存在を明らかにしました。しかし高市首相は、この重大疑惑について衆院選期間中、いっさい説明しませんでした。「連続追及 高市首相のウソと疑惑」でさらに追います。

 高市事務所の内部資料に記された統一協会側との親密な関係の疑惑を振り返ります。
 ―高市氏側が、教団の関連団体「世界平和連合」に政治資金パーティー券を計10万円分(2012年、19年)購入してもらっていた。ー高市事務所は15、16年に「世界平和連合」、16年に「日韓トンネル研究会」から定例行事の開催案内を受け、「世界平和連合」の行事にはメッセージを出していた。

 ―高市事務所の挨拶状送付先リスト(16年、18年)の宛先に「世界平和連合奈良県連合会郡山支部副支部長」と記載されていた。
 日曜版(22年9月25日号)は関係者の証言などをもとに、19年3月の高市氏の政治資金パーティー券(1枚2万円)を教団の関連団体「世界平和連合奈良県連合会」が2枚4万円分購入していたことをスクープ。高市氏側は全面否定しましたが、高市事務所の内部資料は日曜版報道を裏付けただけでなく、高市氏側と教団側との関係が複数年にわたっていたことを明らかにしました。
 内部資料の一つ、12年のパーティー券購入者リスト。上部欄外には「担当秘書:木下剛志」との記載があります。木下氏は高市事務所の所長で公設第1秘書です。
 リストをみると、「券NO」466~470の5枚10万円分の「紹介者情報」欄に 「世界平和連合」とあります。そのうち「券NO」466~468の「購入者情報」欄には「早世会」と記され、代表者A氏ら3人が2万円ずつ計6万円分を購入したと書かれています。
 自民党国会議員の元公設秘書は解説します。
「リストは、高市事務所側が、『世界平和連合』にパーティー券5枚と案内状を渡し、そのうちの3枚分を『早世会』が購入し、入金したことを記したものだ。パーティー券を購入してもらった団体を高市事務所が知らないはずはない
「世界平和連合」に渡されたパーティー券を購入したという「早世会」。教団関係者らによる議員支援団体の名称には、議員の名前の1字と「世界平和連合」または「世界平和統一家庭連合」の「世」が入っています。「早世会」も高市早苗首相の「早」と「世」からとった、教団関係者による高市首相の支援団体の疑いが濃厚です。
 そのことは「早世会」の代表者として名前が記されているA氏の正体をみると明らかです。

教団から「優秀賞」受賞
 教団が15年、記念事業のー環として歌などを公募した際、「証し文」の部で優秀賞を受賞したのが、教団の奈良教区大和郡山教会所属のA氏でした。受賞作は、11年にナイジェリアで行われた教団の関連団体「天宙平和連合(UPF)」の大会にA氏が参加した際、目にした教団の創始者・文鮮明の様子を紹介したものでした。
 編集部が入手した高市事務所の内部資料の一つ、挨拶状送付先リスト(16、18年)。この宛先には「世界平和連合奈良県連合会郡山支部」があります。登記簿によると同支部の所在地はA氏の自宅です。
 奈良県斑鳩(いかるが)町の議会運営委員会議事録(13年8月)。「青少年健全育成基本法」の早期制定を国会に要望する意見書提出を求める陳情を同町議会に代理人としぺ提出したのがA氏でした。「世界平和連合奈良県連合会事務局長」と紹介されています

他の自民議員にも支援
 奈良県内の教団有力者のA氏は、高市氏以外に2人の自民党国会議員との接点もありました。
 教団関係者による奥野信亮元衆院議員を支援する「信世会」。その所在地もA氏の自宅でした。
教団系のサイクルイベント「ピースロード」で19~21年に実行委員長を務めていた小林茂樹衆院議員(奈良I区)。共同実行委員長は教団の教会長を歴任した人物で、事務局長はA氏でした。
 統一協会の有カメンバーで、教団関連団体の奈良県内におけるさまざまな運動に関わっていたA氏。奥野、小林両氏はいずれも教団との関係を認めていますが、高市首相だけが教団との関係を隠ぺいしています。
 韓国では大統領が統一協会と政治の結合の根を断つと発言しています。
 日本でも霊感商法や高額献金など反社会的活動で甚大な被害を出してきた統一協会に対して、東京高裁は3月にも解散命令の可否を決定します。
 パーティー券を購入してもらうだけでなく、教団関係者による支援団体まであったという癒着ともいえる関係をなぜ隠ぺいしてきたのか-。高市首相の説明責任が問われます。

熱狂が引いて寒々しさ 焼け野原の永田町に吹き抜けるファシズムの風

 日刊ゲンダイが掲題の記事を載せました。
 なぜ高市自民はここまでの大勝を収めるに至ったのかについて、井田正道・明大教授は
国際社会を見回すとトランプ、習近平、プーチンら強烈なリーダーがいるので『日本にも強いリーダーが必要だ』と感じた国民が高市首相を支持したのでは」と述べています。
 五野井郁夫高千穂大教授は、「高市首相は“努力してる感”の演出が目につき『見せ方』はうまいものの『中身は何もなく』極めて詐欺的なやり方」と酷評します。
 深刻なのは、中道の惨敗でこの国から野党の勢力あらかた消え、熟議もなくなり、国会が形骸化してしまうことです。その結果 高市の暴走に歯止めがきかなくなり、大企業・富裕層優遇政策に拍車がかかる恐れがあることです。
 彼女は条件さえ整えば直ぐにも憲法9条の改定や「緊急事態条項」の創設に奔るし、現行の憲法のままでも軍事費をトランプが要求する通りにGDPの3・5%や5%に増やし、その結果 国民が塗炭の苦しみを味わうことに対しては殆ど関心がなさそうです。
 なぜ多くの人たちがそんな高市氏に期待を寄せたのか、あまりにも甘い考えだったのではないでしょうか。

 併せて日刊ゲンダイの2つの記事
「私たちは程なく、選挙のツケを骨の髄まで知ることになる」
「衆院選の争点になっていない〝おこめ券″に鈴木農相『評価いただいた』発言で大炎上!」を紹介します。
 ここまで国民生活に全く関心を持たない政権はかつてありませんでした(如何に自民党政治といえども)。
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熱狂が引いて寒々しさ 焼け野原の永田町に吹き抜けるファシズムの風
                          日刊ゲンダイ 2026/2/10
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 極端な選挙結果に、有権者は「これでよかった」と心底思っているのか、大いに疑問だ。なんでも自分で決める首相の下、自民単独で3分の2を制した恐さ、危うさ。この国から野党が消え、熟議もなくなる国会の形骸化、民主主義を失った今、有権者たちの呆然自失。
  ◇  ◇  ◇
 有権者は「これでよかった」と、心底思っているだろうか8日投開票された衆院選の結果についてだ。
 高市自民が単独で衆院の3分の2を超える316議席を獲得し、日本維新の会と合わせて352議席。歴史的な大勝だった。高市首相は9日の会見で「国民から政策転換を何としてもやり抜いていけと力強い形で背中を押していただいた」と誇ってみせたが、衆院で3分の2を与えてしまったことに、今後、多くの国民が後悔することになるのではないか
 衆院で3分の2の議席があれば、あらゆる法案が少数与党の参院で否決されても、衆院で再可決することができる。“ウルトラ右翼”と評される高市は白紙委任状を得たも同然で、今後、どんな危険な法案を出してくるか分かったものではない。何でも自分で決めてしまう首相の下で、怖さ、危うさが漂っている。
 一体、なぜ高市自民はここまでの大勝を収めるに至ったのか。
 有権者の動向に詳しい明大教授の井田正道氏(計量政治学)はこう言う。
「有権者は、これまでの政権の実績よりも、高市首相への期待感から自民党を支持する傾向にありました。昨秋の政権発足以降、高市首相がアクティブに外交の舞台を駆ける様子がテレビなどで何度も報じられ、明るいイメージがついた。『高市首相なら何かやってくれそう』という期待感が高まったのだと思います。また、国際社会を見回すと、トランプ米大統領や中国の習国家主席、ロシアのプーチン大統領ら強烈なリーダーシップを持ったトップたちが良くも悪くも存在感を示している。彼らの姿を見て『日本にも強いリーダーが必要だ』と感じた国民が高市首相を支持したのでしょう。一方、対抗する野党『中道改革連合』の野田佳彦、斉藤鉄夫両共同代表が優しさや柔和さを打ち出した点に頼りなさを感じた国民が多かったように思います」
 要するに、高市自民への支持は期待感だけで中身を伴わないフワッとしたものだったわけだ。

「見せ方」重視の詐欺的手法
「高市自民の勝因は『見せ方』だと思います」と言うのは、高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)だ。
「安倍元首相は“やってる感”の演出が得意でしたが、高市首相は“努力してる感”の演出が目につきます。昨秋の自民党総裁選での勝利後に『働いて、働いて……』と宣言したのに始まり、夜中の3時から公邸で秘書官らと打ち合わせし、夫の介護に従事するエピソードを披露。加えて、公邸への引っ越しの際はラフな雪駄姿で移動する様子をさらし、時には関西弁でおちゃらけたり、得意のドラムを叩く姿まで見せ、親しみやすさまで演出しました。一方、中道の顔はいわゆる古い政治家。彼らのボソボソとした発言は国民には受け入れられなかった。ただ、『見せ方』はうまかった高市自民ですが、中身は何もありません。その点を覆い隠して支持を得るのは、極めて詐欺的なやり方だと思います」
 あの、何とも言えない高市のつくり笑顔も「上手な見せ方」の一環ということか。「サナ活」に精を出している国民は、すっかりだまされてしまっているのかもしれない。

失われた「監視・チェック機能」
 それにしても、何でも自分の判断で決めてしまう高市の下、自民が単独で衆院の3分の2を制した危うさは計り知れない。深刻なのは、中道の惨敗でこの国から野党が消え、熟議もなくなり、国会が形骸化してしまうことだ。政府を監視・チェックする機能を持つ国会が形だけになってしまえば、高市の暴走に歯止めがきかなくなってもおかしくない。
「壊滅的だ」と肩を落とすのは、今回の選挙で立憲民主党から中道に合流したものの、落選した元議員だ。
「今回の結果を受け、地元の中堅企業の幹部から『我々労働者の声を政府に届ける機能が大きく損なわれてしまった』と言われ、本当にガックリきてしまいました。今回、落選した議員の中には、労働者の立場に立って政府と対峙できる人がたくさんいた。今後、一体誰が高市政権と厳しく向き合うのか。国民民主党にそれができるのか。情けない限りですが、今後、国会がどうなるのか見通せません」
 労働者の声が届きづらくなれば、高市は労働政策をないがしろにし、自民党の“太客”である大企業・富裕層優遇策ばかりを打ち出してきてもおかしくない。足元でも高市が防衛費拡大を進めていることで、防衛関連企業は文字通り「ホクホク」状態だ。こうした企業から自民党は献金を受領している。このままだと、大企業・富裕層優遇に拍車がかかる恐れがあるわけだ。

「改憲」に「挑戦」という軽さ、危うさ
 恐ろしいのは、高市独裁が盤石となり、日本が危うい方向に行きかねないことである。
「現代の治安維持法」と称されるスパイ防止法や国旗損壊罪の制定に早々と手をつけてくるだろう。きのうの会見では、日本版CIAの「国家情報局」を設置するための法案を次期国会に提出する考えを明かしていた。また、「自らの国を、自らの手で守る覚悟がない国を誰も助けてはくれない」と言い、安保関連3文書の前倒し改定を改めて強調。いわゆる、大軍拡を粛々と進める腹積もりである。
 さらに、「国の理想の姿を物語るのは憲法だ。憲法改正に向けた挑戦も進めていく」と発言。衆院で改憲発議が可能となる3分の2を獲得したことを念頭に置いたのは間違いない。いよいよ、平和憲法に手をかけようというわけだ。改憲するには、最終的に国民投票によって過半数の賛成を得なければならないわけだが、そんな重いプロセスに「挑戦」するとは一体どういう了見なのか。国のあり方を変える改憲には慎重であるべきだが、「挑戦」という言葉を使うところに、高市の危険性が垣間見える
 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。
「中国との軋轢を生んだ『台湾有事』発言に真意が表れていましたが、高市首相が日本を『戦争できる国』につくり変えようとしているのは明白です。スパイ防止法や国旗損壊罪の制定は戦争に反対する市民の活動を監視する目的でしょう。大軍拡に非核三原則の見直し、武器輸出などは明らかな戦争準備です。そして、最終的には憲法9条の平和主義を取り払わなければならないと考えている。これらを進めるために、抜き打ちの解散総選挙で圧勝し、独裁体制をつくったわけです。野党が崩壊した現状では歯止めがききません。メディアはキチンとウオッチすべきですし、最後は国民が目を覚ますしかないでしょう」
 一時的な熱狂が生んだのは、野党崩壊という極端な選挙結果だった。民主主義を失った今、有権者は呆然自失かもしれない。「勝たせ過ぎた」と思うなら、いま一度、冷静になるべきだろう。焼け野原の永田町に、ファシズムの風が吹き抜けている


私たちは程なく、選挙のツケを骨の髄まで知ることになる 二極化・格差社会の真相
                          日刊ゲンダイ 2026/2/10
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 衆議院選挙は自民党の圧勝で終わった。いかにも彼ららしいと言うべきか、安倍晋三時代にも増して汚らしい選挙だった。
 通常国会冒頭での唐突かつ大義のない解散に始まり、争点潰しや“余計なことは言わないリスクマネジメント”とやらばかりがまかり通った。高市首相はNHKの討論番組をドタキャンして統一教会や裏金問題の追及から逃げたばかりか、遊説先でも党公約の柱であるはずの安保3文書の改定や外国人政策、限定的な消費税減税等々についても、ほとんど語らなかった(朝日新聞4日付朝刊)。
 それでいて大見えだけは切りまくった。「高市が総理大臣でよいのかどうか、国民の皆さんに決めていただく」「国論を二分するような大胆な政策、改革にも、批判を恐れることなく果敢に挑戦していきたい」うんぬん。
 具体的な内容への言及は皆無に等しい。要は有権者に判断材料を与えず、ムードだけを盛り上げて、物事をまともに考えたくない人々の“白紙委任”を取り付けようとし、それは果たされた
 一方で左派やリベラル系の軒並み惨敗もむべなるかな。創価学会票欲しさで最近までの与党にすり寄り、戦争法制や原発で変節した旧立憲民主党の無節操は論外。彼らには近年の、“共生”とか“多様性”といった、賢しげで、生活実感とかけ離れた観念論を振りかざしては支持者を失った醜態への反省もまるでない。今こそ格差社会や、その元凶たる新自由主義イデオロギーからの克服を、丁寧に力説しなくて、どうする気だったのか
 選挙戦中からあちこちで指摘されていた、目新しくもない分析モドキ。結果が出た後で重ねてみても詮ないことだ。ともあれ、これが現代日本の“選挙”なのである。

 恐ろしいのは今後、高市の言う「国論を二分する政策、改革」がどんな姿で現れてくるのか、だ。スパイ防止法の制定や憲法“改正”だけでなく、核武装への道筋も大いにあり得よう。
 そうなった場合、自民党支持者の大方の期待とは裏腹に、日本は名実ともにトランプ以降の政権に「運営(run)」される対象ないし米軍の鉄砲玉&戦場に成り下がる。幾度も書いてきた悪夢だから、今さらくどく繰り返したくもないけれど。
 米国とは帝国主義の権化以外の何物でもない。抽象論では断じてない実態は、正月早々のベネズエラの一件でご案内の通り。投票とは面白半分でやるものではない真理を、私たちは骨の髄まで思い知らされることになる

斎藤貴男 さいとうたかお ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。


衆院選の争点になっていない「おこめ券」に鈴木農相「評価いただいた」発言で大炎上!
                          日刊ゲンダイ 2026/2/14
 衆院選の大勝で気のゆるみが懸念される高市内閣に、早くも選挙後の炎上第1号が飛び出した。
 鈴木憲和農相が10日の記者会見で、自身が肝いり政策として打ち出した「おこめ券」配布などの食料品高騰対策について、衆院選で有権者から支持されたか問われ、こう答えたのだ。
「さまざまなご意見をいただいているところだが、クーポンやおこめ券が届いた自治体の消費者からよかったというような話をたくさんいただいている。基本的には評価をいただいたと思っている」
 これにはSNS上で〈争点になってない〉〈勘違いも甚だしい〉などとツッコミが相次ぎ、ブーイングの嵐が巻き起こっている。
 高市政権は昨年12月に成立した補正予算で、自治体が使途を決められる「重点支援地方交付金」を拡充。食料品高騰対策としての使い道に、おこめ券を推奨した。しかし、発券には印刷費や輸送コストがかかり、「経費ロスが大きい」との批判が続出。結局、商品券や現金給付を採用する自治体が相次いだ
「衆院選では高市首相が争点を明確にしなかったこともあり、おこめ券どころかコメ政策さえも主要な争点になっていませんでした。それに、自民が大勝したのはあくまで“高市人気”によるところが大きい。大幅に議席を増やしたからといって、なんでもかんでも信を得たと考えるのは無理があるでしょう」(農水省担当記者)

霞が関では「コメ値下がり6月説」
 肝心の米価高騰対策についても、効果的な措置を打ち出せていないままだ。13日の農水省の発表によると、全国のスーパーで8日までの1週間に販売されたコメ平均価格は、4204円(5キロ・税込み)だった。前週より10円値上がりし、依然として4000円台の高値が続いている。
 2025年産米の生産量が大幅増となったため、昨年末からコメ市場関係者の間では先安観が強まっていた。しかし、それでもなかなか米価が下落せず、霞が関の役人も首をかしげているという。
「農水官僚からは『値下がりの動きが鈍い』との声が聞かれます。最近では、彼らの間で『新米が出回るギリギリの時期、5~6月くらいまで本格的な値下がりは起きないかもしれない』とさえ、ささやかれています」(前出の農水省担当記者)
 勘違い大臣がいる限り、国民が期待する農政は行われそうにない。