2026年5月7日木曜日

議会指導者への緊急警告:トランプは精神的に不安定で危険

 海外記事を紹介する「耕助のブログ」に掲題の記事が載りました。
 トランプは 法医学精神医学の専門家が「ダークトライアド」と呼ぶ、自己愛、マキャベリズム、精神病質という3つの性格特性を併せ持っているとして、これは「憲法上の緊急事態」と言えるとして、5人の医師(大学教授クラス)から米国議会の指導者9名宛に書簡が出されました。
 書簡の概要は下記の通りです。
 トランプ大統領の言動は、議会の超党派的な即時対応を必要とする一線を越えた。これは観察可能な事実、一貫した専門家による評価、そして皆様の職務が担う憲法上の責任に基づいた判断であり、これは臨床診断ではなく行動観察に基づく特性評価であり、特に政治的指導者の地位にある人物がもたらす危険性のレベルを評価する上で有用である。
 私たちは、綿密な調査に基づき、一貫性があり、蓄積され、否定不可能な証拠によって裏付けられた相当数の専門家による熟慮された判断として提示するものである。
 この問題が単なる学術的な問題にとどめられないのは、この性格構造が乗り越えられない障害にぶつかったときに、予測される重大事態が発生するからである。
 大統領の最近の公の発言は、通常の政治的言説の基準からすれば、憂慮すべきものである。イランに対し「さっさと海峡を開けろ、この狂った野郎ども」と要求する投稿や、イランを「石器時代に逆戻りさせる」と爆撃すると脅迫し、「今夜、一つの文明が滅び、二度と復活することはないだろう」と付け加えた発言は、深刻な精神的苦痛を抱えた人物が、利用可能な最も極端な報復の脅迫に頼ろうとしている表れであり極めて危険なものである。
 トランプ大統領がイランに対する米海軍の海上封鎖を命じた措置は、世界的な経済危機を引き起こし、地域大国や大国を巻き込み、誰も制御できないような広範な紛争に発展する可能性を秘めている。これらの命令はあらゆる明白な指標から見て、大統領の判断力が著しく損なわれている状況下で行われている。
 私たちは3つの具体的な行動を強く求める。
 第一に、議会は直ちに戦争に関する憲法上の権限を取り戻さなければならない。
 第二に、議会指導部は超党派で、国防長官、統合参謀本部議長、国務長官、国家情報長官を含む政権幹部との緊急協議を開催し、核兵器の使用を含む、破滅的な事態へのエスカレーションを防ぐことができる安全弁を構築する場を提供しなければならない。
 第三に、議会は憲法修正第25条第4項に基づき、大統領の職務遂行能力について副大統領および閣僚と正式に協議を開始すべきである。
 我々が求めているのは、大統領の職務遂行能力に疑問が生じ、国家に差し迫った危険をもたらす可能性がある場合、憲法自体が定めている手続きに従うことである。この修正条項が存在するのは、政治的な場当たり的な対応ではなく、憲法上の解決策が必要だと考えていたからである。これは憲法上の緊急事態であり、このような緊急事態に対処するための仕組みは既に存在している。そして状況の深刻さゆえに、そうせざるを得ないのである。
 大統領の決断を左右する心理状態は、プレッシャーによって改善するどころか、悪化するだろう。我々は速やかに行動を起こすよう強く求める

 併せて「中国の老人介護はより深い文明の違いを反映している」を紹介します。
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議会指導者への緊急警告:トランプは精神的に不安定で危険
                   耕助のブログNo.2892 2026年5月6日
Urgent Warning to Congressional Leaders:Trump is Psychologically Unstable
and Dangerous
トランプ大統領は、法医学精神医学の専門家が「ダークトライアド」と呼ぶ、自己愛、マキャベリズム、精神病質という3つの性格特性を併せ持っている。これは憲法上の緊急事態と言える。
https://www.commondreams.org 
Trump and Trump as Jesus Christ2026年4月13日に作成されたこの写真イラストは、画面に映し出されたドナルド・トランプ米大統領の写真と、レオ14世教皇を批判した後にトランプ氏が自身のソーシャルメディアプラットフォーム「Truth Social」に投稿した、自身をイエス・キリストに見立てたAI生成画像を示している。トランプ氏はその後、自身をイエス・キリストに見立てたと思われるAI生成画像を投稿した。

ジェフリー・D・サックス、バンディ・X・リー、
ジェームズ・ギリガン、プルーデンス・L・グルグション、
ジェームズ・R・メリカンガス

以下の書簡は、ドナルド・J・トランプ米大統領の最近の発言と行動に関して、2026年4月13日月曜日に議会の超党派指導部に送付されたものである。

(以下末尾までが書簡の全文)
ジョン・トゥーン 上院議員、米国上院多数党院内総務
チャールズ・E・シューマー上院議員、米国上院少数党院内総務
マイク・ジョンソン 下院議長(米国下院)
ハキーム・ジェフリーズ下院議員(米国下院少数党院内総務)
上院多数党院内総務のトゥーン議員、上院少数党院内総務のシューマー議員、下院議長のジョンソン議員、下院少数党院内総務のジェフリーズ議員へ

私たちは、決して軽々しく使うことのない切迫感をもって本日皆様に連絡をしている。ドナルド・トランプ大統領の言動は、議会の超党派的な即時対応を必要とする一線を越えた。これは党派的な判断ではない。観察可能な事実、一貫した専門家による評価、そして皆様の職務が担う憲法上の責任に基づいた判断である

トランプ大統領は、法医学精神保健の専門家が数十件の独立した評価を通じて特定した、人格特性の「ダークトライアド」、すなわち自己愛、マキャベリズム、そして精神病質を体現している。これは臨床診断ではなく行動観察に基づく特性評価であり、特に政治的指導者の地位にある人物がもたらす危険性のレベルを評価する上で有用である。私たちはこれを臨床的な判断として提示するものではない。これは、綿密な調査に基づき、一貫性があり、蓄積され、否定不可能な証拠によって裏付けられた相当数の専門家による熟慮された判断として提示するものである。
この問題を単なる学術的な問題にとどめないのは、この性格構造が乗り越えられない障害にぶつかったときに、予測可能な事態が発生するからである。臨床文献は明確に述べている。ダークトライアドの特性を持つ人々は、制御も逃避もできない状況に直面すると軌道修正するのではなくエスカレートする。自己愛的な崩壊を解消しようとする心理的な衝動が、戦略的な計算、結果への配慮、そして通常の自制心を凌駕する。怒りが支配へと駆り立てられ、衝動性が慎重さを凌駕する。心理的な苦痛を消し去りたいという切迫した欲求が、他のあらゆる考慮事項を覆い隠してしまうのだ。
私たちはこの状況がリアルタイムで展開していく様子を注視している。

大統領の最近の公の発言は、通常の政治的言説の基準からすれば、憂慮すべきものである。イランに対し「さっさと海峡を開けろ、この狂った野郎ども」と要求する投稿や、イランを「石器時代に逆戻りさせる」と爆撃すると脅迫し、「今夜、一つの文明が滅び、二度と復活することはないだろう」と付け加えた発言は、計算された地政学的圧力のレトリックなどではない。これらは深刻な精神的苦痛を抱えた人物が、利用可能な最も極端な報復の脅迫に頼ろうとしている表れである。これらの発言が活発な軍事衝突の最中に敵対国に向けて発せられたという事実は、単に衝撃的であるだけでなく、極めて危険なものである。
トランプ大統領はイランに対する米海軍の海上封鎖を命じた。この措置は世界の原油価格を急騰させ、米国を国際社会と真っ向から対立させる結果となった。大統領のこうした行動は世界的な経済危機を引き起こし、地域大国や大国を巻き込み、誰も制御できないような広範な紛争に発展する可能性を秘めている。これらの命令は、十分な審議も議会の承認も得ずに発令されており、あらゆる明白な指標から見て、大統領の判断力が著しく損なわれている状況下で行われている。

私たちは3つの具体的な行動を強く求める
まず、議会は直ちに戦争に関する憲法上の権限を取り戻さなければならない。イランへの爆撃と海上封鎖の開始は、米国法および 国際法の下で戦争行為 であり、大統領の命令によって承認されるものではない。憲法第1条は、宣戦布告と外国との通商規制に関する唯一の権限を議会に与えている。建国者たちは、まさにこのような重大な行動について議会が審議し、責任を負うことを意図していた。さらなるエスカレーションによってこの問題が無意味になる前に、議会は今すぐに憲法上の権限を取り戻さなければならない。

第二に、議会指導部は超党派で、国防長官、統合参謀本部議長、国務長官、国家情報長官を含む政権幹部との緊急協議を開催しなければならない。その目的は、単なる日常的な監視ではない。核兵器の使用を含む、破滅的な事態へのエスカレーションを防ぐことができる安全弁を構築することにある。これらの幹部には、憲法上および法律上の義務がある。議会は、これらの義務を遵守させ、その義務を行使できる場を提供すべきである。

第三に、議会は憲法修正第25条第4項に基づき、大統領の職務遂行能力について副大統領および閣僚と正式に協議を開始すべきである。我々は結果を予断するつもりはない。大統領の即時罷免を求めているわけでもない。我々が求めているのは、大統領の職務遂行能力に疑問が生じ、国家に差し迫った危険をもたらす可能性がある場合、憲法自体が定めている手続きに従うことである。この修正条項が存在するのは、起草者たちが大統領の職務遂行能力の欠如という問題が時折生じることを認識し、政治的な場当たり的な対応ではなく、憲法上の解決策が必要だと考えていたからである。

これは憲法上の緊急事態である
このような緊急事態に対処するための仕組みは既に存在している。それらは まさにこのような事態のために、
憲法とその改正条項に盛り込まれているのだ。
私たちは、自分たちが求めていることの重大性を認識している。そして、状況の深刻さゆえに、そうせざるを得ないのである。

外国の文明を破壊すると公然と脅迫し、爆撃作戦を開始し、議会の承認なしに海上封鎖を実施し、深刻な精神的危機にあることを示すあらゆる行動上の兆候を示す大統領は単なる政治問題ではない。それは憲法上の緊急事態である。このような緊急事態に対処するための仕組みは存在する。それらはまさにこのような事態のために、憲法とその修正条項に盛り込まれているのだ。
イランとの戦争は待ってくれない。この活発な軍事衝突の激化も待ってくれない。大統領の決断を左右する心理状態は、プレッシャーによって改善するどころか、悪化するだろう。
我々は速やかに行動を起こすよう強く求める。憲法はあなた方に必要な手段を与えている。就任宣誓はあなた方に責任を課している。

ジェームズ・ギリガン医師、ニューヨーク大学医学部精神医学臨床教授、ニューヨーク大学ロースクール非常勤教授、ハーバード大学医学部精神医学元教員、国際法医学心理療法協会元会長
プルデンス・L・グルゲション医師 元アメリカ精神分析協会会長元世界メンタルヘルス連合副会長
バンディ・X・リー医師(医学博士、神学修士)、世界メンタルヘルス連合会長、暴力防止団体「Preventing Violence Now」共同創設者、ハーバード大学医学部社会医学科元教員、イェール大学医学部法学・精神医学科元教員
ジェームズ・R・メリカンガス医師 ジョージ・ ワシントン 大学精神医学・行動 科学臨床教授 国立精神衛生研究所研究コンサルタント 米国神経精神医学会共同創設者 米国臨床精神医学会元会長
ジェフリー・D・サックス博士、コロンビア大学教授

https://www.commondreams.org/opinion/is-trump-psychologically-unfit 


中国の老人介護はより深い文明の違いを反映している
                   耕助のブログNo.2891 2026年5月5日
What China is building for old age care reflects a deeper civilizational difference.
                         Corrin@OopsGuess
西洋の多くの地域では、高齢化はまず個人の問題として扱われ、その後市場に委ねられる:高額な老人ホーム、高額な介護、高価な薬、そして高額な孤独。
中国では出発点が異なる。
高齢者は単なる個人の負担ではない。
高齢者は家族であり、記憶であり、継続性であり、道義的義務である。
高齢者を置き去りにすることは、「自立」とは見なされない。
それは恥とみなされる。
だからこそ中国のモデルは単なる施設に関するものではない。
それは家族がそもそも放棄すると想定されていなかった義務を果たせるように、公的保険、デジタル補助金、地域医療、在宅介護、そして最終的にはロボット技術を活用することなのだ。

技術に対する態度にも同様の隔たりが見られる。
西洋では、デジタルシステムを見るとこう考える:
監視、統制、プライバシーの侵害。
多くの中国人は、デジタルシステムを見るとこう考える:
書類が減り、ケアが迅速になり、アクセスが容易になり、地域社会が安全になり、高齢者の苦しみが軽減される。
一方は「国家が監視するのだろうか?」と問う。
もう一方は「祖母はきちんと世話してもらえるだろうか?」と問う。
この違いは偶然ではない。
それは、二つの全く異なる道徳の世界観から来ているのだ。
https://x.com/oopsguess/status/2038024723402207714

再審制度見直し骨抜き狙う検察/オオカミ少年とトランプ大統領(植草一秀氏)

 植草一秀氏の掲題の2つの記事を紹介します。
1番目の記事)
 司法試験合格者が司法修習生として受ける教育では、「たとえ99人の真犯人を見逃そうとも、一人の無辜の民を有罪にしてはならない」と教えられるそうです。検察が如何にも人権を尊重しているように思えますが、現実は「容疑者が自白しない限り無制限に留置所に拘束し続ける」「人質司法」と呼ばれる人権侵害の手法を常用し、実に刑事事件容疑者の99.9%を有罪にしています。これ以上の人権侵害はありません。
 こうした違法性は国連の人権委員会から数十年来繰り返し批判されていますが、決して改めようとはしません。
 この人権感覚は再審制度でも、出入国管理法や難民認定法でも一貫していて、再審制度は司法の威厳を損なうものとでも考えているのか、極力認めようとしないし、そのために容疑者に有利な証拠品は目録等も開示せずに秘密裡に保管・廃棄します。
 まさに日本は、検察という国家機関による人権侵害例の見本に当たるような国です。
 その一方で悪質な「ひき逃げ死亡事件」でも公用車による場合には不起訴にするなど、不可解で異常な態度を取っています。植草氏がその実例を紹介しています。
 そして「この国を暗黒にしている巣窟が検察。警察・検察・裁判所の癒着が日本を暗黒国家にしている。権力の犯罪を立件しない。権力の犯罪を闇に葬る。権力に敵対する無実の人間を犯罪者に仕立て上げる。日本の警察・検察・裁判所は闇の帝王である」と痛烈に批判しています。
(2番目の記事)
 2月28日にトランプは突如国際法違反の対イランに軍事侵攻を行い、世界経済が大混乱に陥れられました。高市氏は「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルド(トランプ)だけ」とゴマをすりましたが、「世界の平和と繁栄を破壊しているのはトランプ」が国際社会の共通認識で異端の存在となっています。
 対イラン攻撃でトランプの言うことは日替わりで、戦況は米国が不利という見方が定着しています。トランプの言動の異常性については別掲の記事に詳しく載っている通りです。
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再審制度見直し骨抜き狙う検察
               植草一秀の「知られざる真実」 2026年5月 4日
1月22日に東京都港区赤坂1丁目の「特許庁前交差点」で内閣府の公用車が赤信号の交差点に猛スピードで進入して車両6台を巻き込む多重事故を引き起こした
1人が死亡、8人が負傷した。事故の瞬間の映像がネット上に掲載されている。
  https://www.instagram.com/reel/DT5ZdWeD9uw/

事故現場は国会議事堂や首相官邸から200mほどの距離にある特許庁前交差点。
公用車は官邸から出てわずか30秒ほどで赤信号を無視して時速130キロで外堀通りに突っ込んだ。内閣府下交差点方向から特許庁前交差点に突入した公用車は、まず白のワゴン車に衝突。
その衝撃で吹っ飛んだワゴン車が2車線隣のタクシーを直撃し、タクシーに乗っていた32歳の明石昇さんが脳挫傷などで死亡した。

実況見分の結果、現場にブレーキ痕は残っておらず、公用車自体の不具合や故障はなかったとされている。公用車には高市内閣の『日本成長戦略本部』事務局の木村聡事務局長代理と田尻貴裕事務局次長が同乗しており、2人とも重傷を負った。
公用車の運転手は内閣府が業務を委託する車両運行管理会社「大新東株式会社」に勤務する男性(当時69歳)。

警察は捜査を行っているがまだ処分は決定されていない。
車両運行管理会社「大新東」は上場企業だったシダックスグループの企業。シダックスは上場企業だったがオイシックス・ラ・大地の完全子会社となり、2024年3月に上場廃止になった。

実は「大新東株式会社」は2024年にも重大事件を引き起こしている。
2024年6月20日の夕刻、東京永田町の国会議事堂近くの道路で横断歩道を渡っていた男性が乗用車にはねられて死亡した。亡くなられたのは団体職員の大野泰弘さん。搬送先の病院で死亡が確認された。
乗用車は財務省の公用車。運転していたのは公用車の運転を委託されていた大新東株式会社に勤務する濃畑宣秀氏。濃畑容疑者はひき逃げなどの疑いで現行犯逮捕されたがその後に不起訴とされた。

濃畑容疑者が運転する財務省公用車は大野泰弘さんをはねた後、そのまま走り去り、首相官邸前を右折したあと別の車をよけようとして衆議院第一議員会館近くの路上で横転した。
その後、駆け付けた警察によって現行犯逮捕された。
この事件についてAERAが記事を掲載した。
  https://dot.asahi.com/articles/-/226152?page=1
執筆者は今西憲之氏。「週刊朝日」記者歴30年以上のジャーナリスト。
今西氏はひき逃げされて死亡した大野泰弘さんと旧知の関係だった。

自動車によるひき逃げ殺人事件と呼ぶべきものであり、加害者が起訴されないことは通常あり得ない。ところが、東京地検は2024年9月13日、ひき逃げ殺人の実行者と見られる濃畑宣秀容疑者を不起訴にした
容疑者は横断歩道を歩行中の男性を跳ね飛ばして現場から逃走。その後、運転する乗用車が横転して車に閉じ込められ、駆け付けた警察によって身柄を確保された。重大な凶悪犯罪である。

AERA記事を執筆した今西憲之氏によると、「大野さんはつい最近まで、「財務省と取引できる極秘のことを握っているので交渉しているんだ」と何人もの人に話していた」とのこと。

再審制度の見直しが行われる予定だが検察は見直しの骨抜きを目論む。
この国を暗黒にしている巣窟が検察。警察・検察・裁判所の癒着が日本を暗黒国家にしている。
権力の犯罪を立件しない。権力の犯罪を闇に葬る。権力に敵対する無実の人間を犯罪者に仕立て上げる。
日本の警察・検察・裁判所は闇の帝王である。

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続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」4410号
「木原事件真相と刑事司法の闇」 でご高読下さい。

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オオカミ少年とトランプ大統領
                植草一秀の「知られざる真実」 2026年5月 6日
2月28日に米国がイランに軍事侵攻。2ヵ月が経過。このために世界経済が混乱に陥れられている。「世界の平和と繁栄を破壊しているのはドナルド」が国際社会の共通認識。
だが、高市首相は「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」と発言。
世界が高市首相を白い目で見ている

4月17日にイランのアラグチ外相がイスラエルとレバノンの10日間の停戦合意を受けて商業船舶に対しホルムズ海峡を開放するとXに投稿。外相は投稿で「イランが指定したルートで」すべての商業船舶に対してホルムズ海峡が開放されるとした。
これに対してトランプ米大統領が同日、「イランとの取引が100%完了するまで、海上封鎖は引き続き完全に実施され、効力を持つ」と投稿した。
これに対して4月18日、イランは再びホルムズ封鎖を宣言した。

その後の交渉は難航。米国の提案をイランが拒否して膠着状態が続いている。
この状況下でトランプ大統領は5月4日に「プロジェクト・フリーダム」を始動。
逆封鎖の中でイラン以外の船舶を護衛しホルムズ海峡を自由に通航させる作戦に着手。
イラン関係船舶は通さないというもの。
米国が護衛する船舶に対してイランからの攻撃が実行された模様。
トランプはイランが従わない場合は世界最大級の火力によって狙撃すると威嚇。イランを「地球の表面から吹き飛ばす」とも述べた。

ところが、トランプは5月6日午前7時52分(日本時間)に自身のSNSに次のように投稿。
「パキスタンおよびその他の国々の要請に基づき、イランに対する作戦において我々が収めた目覚ましい軍事的成功、そしてイラン代表との完全かつ最終的な合意に向けて大きな進展があったことを踏まえ、我々は、封鎖は引き続き完全に効力を維持するものの、合意が最終的に締結され署名されるかどうかを見極めるため、プロジェクト・フリーダムを短期間停止することに合意した。」プロジェクト・フリーダムの停止を表明した。

トランプ大統領はイランとの交渉でイランが米国の要求を呑まなければイランに対する大規模軍事攻撃を実行すると威嚇。「我々は彼ら(イラン)が本来あるべき所、すなわち『石器時代』へと引き戻すつもりだ」とも述べてきた。
そもそもトランプ大統領は2月28日の軍事侵攻でイランの最高指導者夫妻を殺害した際、イラン民衆が歓喜して直ちに体制転換が実現すると述べた

しかし、そのような現実は発生しなかった。イランは徹底抗戦。米国に対して一歩も引かぬ対応を示し続けている。トランプは何度も「大規模攻撃する」と威嚇するがイランは屈服しない。
トランプが前言を翻すかたちで退く対応を繰り返している。
Trump Always Chickens Out トランプはいつも尻込みして逃げ出す。=TACOがトランプの代名詞になっている。
正面から全速力で衝突に向けて突き進む「チキンレース」。弱腰の側が進路から外れて敗者になる

チキンゲームの敗者がトランプであることを国際社会が織り込んできた。
世界を混乱に陥れるだけのトランプ暴走に早く終止符を打ってもらいたいというのが国際社会の共通する声である。

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「トランプの訪中迫りTACO間近」 でご高読下さい。
                 (後 略)

米大統領による和平演出は中国での首脳会談を実施するためにすぎない

 櫻井ジャーナルに掲題の記事が載りましたので紹介します。
 昨年、トランプが中国に対して「対中高関税策」を課しましたが、逆に中国から「対米レアアース禁輸」という対抗策を打たれてそれを撤回したことから成立したのが今春の米中首脳会談でした。
 ところが2月28日に、イスラエルにたぶらかされたトランプが突如、大々的にイラン攻撃を仕掛けるなどしたことで、当初の予定日が大幅に遅れて5月14~15日に行われることになりました。
 当初の、中国が米国の農産品(や旅客機など?)を大々的に輸入するという話がどうなったのかについては、その時に明らかになる筈です。もしもそれらの約束が破談ということになれば、トランプの立場がなくなるので、必死にその実行を迫ろうとすることでしょうが、このところのトランプの在り方は大国のトップらしからぬデタラメさのオンパレードです。
 現に別掲の記事のように、トランプは、法医学精神医学の専門家が「ダークトライアド」と呼ぶ、自己愛、マキャベリズム、精神病質という3つの性格特性を併せ持っており、これは「憲法上の緊急事態」と言えるとして、5人の医師(大学教授クラス)から米国議会の指導者9名宛に書簡が出されています。

 併せて「イランと中国を結ぶ鉄道の破壊に熱心なアメリカとイスラエル」を紹介します。
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米大統領による和平演出は中国での首脳会談を実施するためにすぎない
                         櫻井ジャーナル 2026.05.07
 ドナルド・トランプ米大統領は5月14日から15日にかけて中国を訪問して習近平国家主席と会談する予定だが、その中国をイランのアッバス・アラグチ外相が5月6日に訪問、王毅外相と会談した。アラグチ外相はその前にロシアを訪れ、セルゲイ・ラブロフ外相だけでなくウラジミル・プーチン露大統領と会談している。
 アメリカ軍はペルシャ湾岸やイスラエルへ兵器や陸海軍の兵士をピストン輸送、5月7日にはイランを軍事攻撃すると言われていたが、5月6日にトランプ大統領は軍事作戦を中止すると発表した。その数日前から輸送機の飛行が減少している。
 トランプが「プロジェクト・フリーダム」の開始を発表したのは5月4日。その直後にアラブ首長国連邦(UAE)のフジャイラ港にある石油施設で火災が発生、UAE政府はイランから攻撃があり、弾道ミサイル12機、巡航ミサイル3機、無人機4機を撃墜したと発表したが、イラン側は攻撃したとする主張を否定している。アメリカ軍によるイランへの新たな攻撃を誘発しようとするイスラエルの偽旗作戦だった疑いもある。5月5日にアメリカ政府は対イラン軍事作戦の「エピック・フューリー」の終了を宣言した。

 イランに対する軍事的な圧力を強めた場合、トランプ大統領は習近平国家主席と会うことができなくなる可能性が高く、アメリカ政府は和平的な雰囲気を演出し、会談の中止を避けたかったのだと見られている。
 しかし、これでアメリカによるイランに対する軍事作戦が終わる可能性は小さい。トランプ大統領に対し、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相からイランを攻撃、破壊するよう強く求められているからだ。この要求をトランプ大統領は拒否できないだろう。おそらく、上下院の議員も同じだ。
 トランプ大統領やその周辺はネタニヤフからの要求に逆らえないだけでなく、イスラエルから伝えられる話を信じている節もある。イラン経済は崩壊寸前にあり、イラン政府はアメリカ政府に対して必死に合意を求めているとトランプ政権は確信しているように見えるからだ。勿論、その確信は間違っている。彼らは現実を見ていないのだ。

 イラン政府はパキスタンを介してアメリカ政府に新たな和平案を提出している。その主要条項にはイスラエルとアメリカが今後攻撃イランを攻撃しないことの保証、制裁の解除、イラン周辺地域からのアメリカ軍撤退、そしてホルムズ海峡を統治する新たなメカニズムなどだ。この要求は一貫している。この要求についてイランは交渉するつもりはない。かといって、トランプ大統領はこの要求を受け入れることができないだろう。負けを認めることになるからであり、イスラエルが許さない
 そこで、トランプ大統領の中国訪問が終わった後、アメリカ軍はイランを攻撃、イランはアメリカ関連の施設、イスラエル、そしてUAEなどアメリカやイスラエルと手を組んでいる国々を報復攻撃することになると懸念されている。イスラエルが「サムソン・オプション」、つまり核攻撃をする可能性が出てくる。そうした展開を避けるため、ロシアや中国はイランに圧力を加えているようだが、それで問題が解決するとも思えない。シオニストが自分たちの目的を放棄するとは思えないからだ。


イランと中国を結ぶ鉄道の破壊に熱心なアメリカとイスラエル
                         櫻井ジャーナル 2026.05.06
 アメリカ海軍の駆逐艦2隻、USSトラクストンとUSSメイソンがホルムズ海峡の通過を図り、イラン海軍が警告射撃を実施したと伝えられている。イラン政府は警告射撃を実施している様子とされる映像を公開、同国の通信社はアメリカ側が警告を無視したことからミサイルを発射、命中したと伝えた。その数時間後にアメリカ中央軍はその報道を否定、被害は記録されていないとしている。アメリカの軍艦がホルムズ海峡へ入ろうとしてもいないとしている。同じ頃、イランの対岸にあるアラブ首長国連邦(UAE)のフジャイラで石油施設が炎上。これはイランの攻撃によるともされているのだが、イラン側は否定していた。

 ホルムズ海峡の封鎖で最もダメージを受けるのは東アジアだが、中国はホルムズ海峡やマラッカ海峡を回避するルートの開発を進めてきた。そのひとつが中国とイランを結ぶ鉄道だ。アメリカとイスラエルは今回の対イラン攻撃でこの鉄道を爆撃していると言われている。












 この鉄道は昨年5月に開通、上海からテヘランまで列車は15日で移動できる。イランから中国まで海上ルートを利用すると必要な日数は30日。鉄道を使うと日数は半分になる。

 しかも、中国はホルムズ海峡やマラッカ海峡を通過する必要がなくなる。この鉄道は中国が進めているBRI(一帯一路)の一部で、イランから中国へ石油を輸送できるだけでなく中国製品をイランやヨーロッパへ運ぶことが可能だ。

 バラク・オバマ政権は2013年11月にバラク・オバマ政権はキエフにあるユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)でクーデターをはじめ、2014年2月にビクトル・ヤヌコビッチ大統領を追放することに成功した。

 オバマ政権のネオコンはこのクーデターでウクライナを乗っ取り、ロシアとヨーロッパを結びつけていた天然ガスを断ち切ることで両者を弱体化できると計算していたようだが、ロシアとの関係が深いウクライナの東部や南部の住民はクーデター体制を拒否、ロシアと一体化したり武装闘争を始めた。2014年にはアメリカとイギリスの情報機関、CIAとMI-6が香港で反中国政府の佔領行動(雨傘運動)が仕掛けている。それを見てロシアは東へ目を向けて中国と同盟関係を結んだ。

 オバマ政権は2011年春からシリアやリビアでムスリム同胞団やサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)を主力とする傭兵部隊を利用して侵略戦争を開始するが、イランの最高指導者を務めていたアリー・ハメネイ師は2018年、イランは西ではなく東に目を向けるべきだと述べた。

 それ以降、中国はイランから石油化学製品、石油製品、ガス、あるいは銅精鉱、鉄精鉱などを購入、その一方でイランへはコンピュータや携帯電話といった電子機器を含む製品を供給するようになった。2019年にイランはBRI構想に参加する。鉄道の輸送能力が高まれば、両国はアメリカの妨害を受けることなく交易することが可能になる。

 それに対してアメリカはインドを起点としてUAE、サウジアラビア、ヨルダン、イスラエルの占領地、そしてヨーロッパをつなぐIMEC(インド-中東-欧州経済回廊)プロジェクトを打ち出している。イスラエルがガザを破壊し、その住民を皆殺しにしようとしている理由の一因はここにあると言えるだろう。それに対し、イランはハイファを破壊した。

 ペルシャ湾岸の産油国であるサウジアラビア、UAE、カタール、バーレーン、クウェート、オマーンはイスラエルと同じように、イギリスによって作り上げられた。そうした国々の「王族」とはアメリカやイギリスを拠点とする帝国主義者の代理人にすぎない。ジェフリー・エプスタインのネットワークと関係があっても不思議ではない。そうした国々と長い歴史のあるイラン(ペルシャ)とは大きな違いがある。その歴史の重さをトランプ政権は理解していないようだ。

07- 【考える/9条】自民党の改憲運動 源流は米国軍部

  米価の高騰、諸物価の高騰の他、ナフサの不足による医療品や住宅用塗料、梱包用資材の品切れや不足など、数えきれない諸資材の不足(いずれも価格高騰に直結)が起きていますが、高市首相はひたすら「物流の目詰まりなので問題ない」の一点張りで、何の対策も行わずに極右政策・極右法制の成立に関心を向けています。

 戦争の記憶が皆無の人間の恐ろしさと言えるし、戦争を経てきた歴史を学ばない人間の恐ろしさとも言えます。
 しんぶん赤旗に掲題の記事が載りました。
 末尾の年表で明らかなように記述の対象は終戦直後の1947年辺りから1960年前半辺りまでで、まだまだ第二次世界大戦・日米戦争の記憶が広く残っている時代でした。
 当然 国民の間には反戦の思いが強いし、米国の日本再軍備政策に従おうとする自由民主党の政治家たちにも、立場を越えて反戦の思いを理解する素地がありました。
 要するに嘗ては戦争回避の願いだけは共通していました。
 しかし今はどうでしょうか。現実にガザやイランなど中東で悲惨な殺戮・虐殺が行われているにもかかわらず、兵器が海外に売れれば日本の利益につながるからという単純思考が優勢になっているように思われます。もしも軍備を拡大しさえすれば攻撃を受けないとでも思っているのであれば それこそは大変な「お花畑」の思想です。
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【考える/9条自民党の改憲運動 源流は米国軍部
                        しんぶん赤旗 2026年5月6日
「時は来た。『(憲法)改正の発議にめどが立った』といえる状態で来年の党大会を迎えたい」
 4月12日の自民党大会でこう力を込めた高市早苗首相。2月20日の施政方針演説でも「国会における(改憲)発議が早期に実現されることを期待する」と権限を逸脱する発言に踏み込みました。「違憲」の批判を顧みない異常な前のめりです。焦点は9条改憲-自衛隊の憲法明記です。日本維新の会、国民民主党、参政党などが改憲に積極姿勢を取ることも含め、戦後かつてない危険が迫っています。改憲原案の審査権限を持つ衆参の憲法審査会では、改憲案の起草委員会の設置が画策されています。
「時は来た」という言葉に凝縮される執念-。1955年の自民党結党以来の9条改憲策動の源流は、そもそもどこにあるのか
 日本国憲法が施行されたのは1947年5月3日でした。驚くべきことに、翌48年2月には、憲法9条改定の動きが始まっていました。震源地は米国の軍部でした。当時、フォレスタル米国防長官が「日本と西ドイツの再軍備」研究の指示を出したのに対し、同年5月18日付で「日本の限定的再軍備」という覚書が提出されました。
 米国防長官に提出された覚書の中身は、軍事的観点からは日本に軍隊を持たせる必要があるが、それには制定されたばかりの新憲法の改定などが必要で、すぐにはやれない、そこでまず「警察力」の形で軍隊に準ずる組織をつくり、それを米軍の指導・監督のもとに育て、将来本格的軍隊を持たせるのと合わせて改憲の準備をするとの長期方針でした。その後、若干の修正を経て49年2月に米軍の統合参謀本部=軍最高指導部の決定となります。
 50年6月に朝鮮戦争が勃発すると占領軍司令官マッカーサーの命令で警察予備隊がつくられ、52年には保安隊に改組。54年には自衛隊となります。この流れが9条改憲の一貫した原動力となったのです。

再軍備、日米安保と並行
 当時、日本再軍備を急いだ背景には米ソ冷戦がありました。
 世界中に軍事基地網を張り巡らす政策を追求する米国にたいし、大戦終結後、東ヨーロッパにソの影響が広がりました。アジア地域でも民族解放闘争や社会主義を掲げる運動・国づくりが進むと、48年1月、米国のロイヤル陸軍長官が演説で「日本を全体主義の防壁に」と宣言。「全体主義」とは、戦前のファシズムや日本軍国主義だけでなく、ソを中心とした「共産主義」陣営も含む言葉でした。
 米国はポツダム宣言で示された日本の民主化・非軍事化という任務を投げ捨て、日本を東アジアの軍事拠点とする方針へと占領政策の転換を進めます。いわゆる「逆コース」です。
 50年6月、朝鮮戦争の勃発に前後して、連合国軍総司令部(GHQ)は党機関紙「アカハタ」の発刊停止を指令するなど日本共産党を弾圧。朝鮮での戦況が激化し、占領軍として日本に駐留していた米軍部隊が朝鮮半島に派遣される動きの中で警察予備隊の創設(同8月10日)が発令されました。

占領軍」が変貌
 日本再軍備の動きは日米安保条約の締結と同時並行でした。
 51年9月8日、サンフランシスコ講和会議で対日平和条約が調印された5時間後、同じサンフラシシスコの米陸軍第6軍司令部で日米安保条(旧安保)がひそかに調印されました。国民が条約の内容を知ったのは調印後でした。

改憲の動きを食い止めた国民運動
 旧安保条約の第1条は「アメリカ合衆国の陸軍、空軍及び海軍を日本国内及びその附近に配備する権利を、日本国は、許与」すると明記していました。「講和」によって占領軍は撤退するはずでした。その「占領軍」が一夜にして「在日米軍」に変貌し、基地とともに居座り続けるというマジックが強行されました。しかも、講和条約第3条で、沖縄と小笠原を米国の全面占頷下に置きました。沖縄の軍事的利用価値を重視したためです。
 こうして日本全土を「全体主義の防壁」として丸ごと占領・半占領状態に置き、「極東における前線基地」としたのが安保条約だったのです。
 この過程で「日本の再軍備」要求も強まりました。
 51年1月末から2月にかけて来日した米国の対日講和問題責任者ダレスと日本政府の交渉のなかで「(ダレスは)日本の独立回復後における米軍の駐留継続を示唆すると同時に、日本再軍備案として32万5000人を提示した」(西原正・元防衛大学校校長ら編『日米同盟Q&A 100』)といいます。「日本側が再軍備計画を提示しない限り、交渉が進展しないことは明らかであった。そこで外務省事務当局は、警察予備隊と海上保安庁とは別個に五万人からなる保安隊を新設するとの漸増計画案を提出した。米国側がひとまずこれを了承した」
 これを受けて52年に保安隊が創設されました。53年には吉田茂首相の特使として米国に派遣された自由党の池田勇人政調会長がロバートソン米国務次官補と会談。米側が35万の地上兵力を要求するなどして激しい議論となり、54年に保安隊が自衛隊に発展しました。

市民社会の岩盤
 なし崩しの再軍備・改憲の動きの中で同年には政治の場でも明文改憲の動きが台頭。当時の自由党、改進党、民主党などが明文改憲の動きを強め、55年には自由党と民主党が合同して自由民主党が結党します(保守合同)。自民党の政綱には「独立体制の整備」として「現行憲法の自主的改正」と書き込まれました。
 しかし、戦後民主主義の運動の高揚は明文改憲に厳しく対抗し、同年の総選挙でも、翌年の参院選でも改憲反対勢力が3分のを超えました明文改憲の試みは挫折に追い込まれたのです。
 57年に成立した岸信介内閣は安保条約の改定を先行させ、日米共同作戦体制から改憲につなげる戦略を描きましたが、60年安保改定反対闘争の空前の高揚により、安保条約改定(批准)強行と引き換えに退陣に追い込まれました。後継の池田勇人首相は、明文改憲断念を表明するに至ります。
 自衛隊という軍事組織を正面から承認する明文改憲はいったん挫折し、米国の圧力を背景に、解釈によってその活動範囲を広げる方向に進みます。しかし、そこにも9条とこれを守る国民の運動が立ちはだかりました。
 中曽根康弘元首相は後年、この当時を回顧し「どうして国民はわかってくれないのか」と思ったとして次のように語っています。
「じっくり反省してみて、これは人間の壁というか、市民社会の岩盤ができたということなんだと」「(私はずっと)治める側にいたわけですが、治められる国民の側にたってみると、戦前戦中にわたりいろんな統制があって、官憲に威張られたり、非常に苦労してようやく自由と平和が得られたわけで、この自由と平和は絶対手放さないという意思が戦後の日本人の中にあった」(『天地有情』1996年)


         改憲の源流とその流れ
1947年5月    日本国憲法施行
  48年 1月    ロイヤル陸軍長官「日本を全体主義の防壁に」、逆コースヘ
     5月   「日本の限定的再軍備」覚書
  49年       下山、三鷹、松川事件、共産党パジの動き強まる
  50年  6月   共産党員の公職追放令(レッドパージ)、アカハタ発刊停止
          朝鮮戦争勃発。
      8月   警察予備隊創設
  51年  9月   サンフランシスコ講和条約十日米安保条約(国民には秘密)
  52年 10月   保安隊創設
  54年  7月    自衛隊創設
  55年 10月   保守合同・自由民主党結党、「現行憲法の自主的改正」  尚
  57年      岸信介内閣成立
  60年      安保改定強行、日米共同作戦
          岸内閣退陣
  62~63年     池田勇人首相「在任中改憲しない」