2026年1月12日月曜日

「自己都合解散」狙う政権に審判 小池書記局長

「読売」10日付が「首相、衆院解散検討」の大見出しで23日に召集される「通常国会の冒頭に解散」「2月上中旬投開票」の見通しを報じました。高市首相はこれまで解散総選挙を一貫して否定してきたのにと、連立を組む日本維新の会の関係者や自民党内からは「全く知らない」と怒りの声もました。
 ある動画によると、高市氏が密かに国民党玉木氏に自民党との連立を要請したときに、玉木氏から「連立すると国民党の支持率が落ちる選挙で議席を増やしてからなら連立に参加できる」との回答を得たので、それなら「冒頭解散を行えば目的が達成できる」と判断したのではないかという推測が行われていました。
 元々自民党内には「支持率の高さを背景に“今しかない”」という意見が出ているので、党に諮らなくても問題ないと高市氏は判断したのでしょう。そうであれば高市氏が一転して総選挙実施に舵を切った理由が納得できますが、まさに国にとっては完全に無用の、国民党と自民党の「党利党略の解散」です。

 日本共産党は11日、全国各地で緊急宣伝に取り組み、小池晃書記局長は横浜駅前で、党利党略の解散に打って出ようとする高市政権に厳しい審判を下し、“物価高対策が最優先”と言いながら、まともな国会審議もせずに解散するという「究極の自己都合解散」だと批判しました。
 そして物価高対策で手を打てず、中国との関係悪化の打開の展望を示せないだけでなく、首相自身の「政治とカネ」の問題や統一協会との癒着が明るみに出ているとして、「国会で追及され、窮地に追い込まれる前に選挙で乗り切ろうという、よこしまなたくらみだ」と断定しました。
 また赤旗編集局政治部長の中祖寅一氏は、「解散報道から見えた行き詰まりと危険」とする記事を出しました。

 併せて植草一秀氏の記事「総選挙のキャスティングボート」を紹介します。
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「自己都合解散」狙う政権に審判 小池書記局長 憲法生かす政治訴え 横浜駅前
                       しんぶん赤旗 2026年1月12日
 高市早苗首相が通常国会冒頭で衆院を解散する検討に入ったとの報道を受け、日本共産党は11日、全国各地で緊急宣伝に取り組みました。小池晃書記局長は横浜駅前で、党利党略の解散に打って出ようとする高市政権に厳しい審判を下し「憲法を生かした希望ある政治を実現しよう。政治の流れを変えていこう」と呼びかけました
 小池氏は、“物価高対策が最優先”と言いながら、まともな国会審議もせずに解散を狙っているとされる高市早苗首相を批判し「究極の自己都合解散だ」と指摘。物価高対策で手を打てず中国との関係悪化の打開の展望を示せないだけでなく、首相自身の「政治とカネ」の問題や自民党と統一協会との癒着が明るみに出ているとして「国会で追及され、窮地に追い込まれる前に選挙で乗り切ろうという、よこしまなたくらみだ」と批判しました。
 小池氏は、高市政権の支持率は高いとされるが国民の願いとは離れていると指摘。2026年度予算案で軍事費が9兆円を超す一方、消費税減税にも最低賃金の引き上げにも背を向け、社会保障は負担増が目白押しだとして「アメリカいいなりの大軍拡で暮らしは置いてきぼりの政治ではいけない。税金は暮らし、国民のために使え。消費税は直ちに5%に減税を。この声をあげていこう」と訴えました。
 畑野君枝元衆院議員は、高市政権が進める米軍と一体の大軍拡で、米軍横浜ノースドックなどが攻撃の標的にされる危険性が高まっているとして「そんな事態は絶対に許すわけにいかない」「高市政権にノーの声を突きつけていこう」と呼びかけました。

 緊急の呼びかけでしたが、演説には多くの人が集まりました。足を止めた沖縄県石垣市の50代の医療関係者は、南西諸島で高市政権が自衛隊基地強化を進めるなか住民の不安が強まっているとして「『南西シフト』をなんとか食い止めないといけない。共産党にその声を高めてほしい」と語りました。


解散報道から見えた行き詰まりと危険 政治部長 中祖寅一
                       しんぶん赤旗 2026年1月11日
 衆院解散・総選挙への動きが急浮上しました。「読売」10日付が「首相、衆院解散検討」の大見出しで23日に召集される「通常国会の冒頭に解散」「2月上中旬投開票」の見通しを報じました。他方、連立を組む日本維新の会の関係者や自民党内からは「全く知らない」と疑問や怒りの声も出るなど、情報は錯綜(さくそう)しています。高市早苗首相は10日、メディアによる取材要請に応えず、強い警戒を呼んでいます。
 自民党内からは「支持率の高さを背景に“今しかない”という戦略だろうが、『国民のために働いていく』と言ってきた首相自身の発言を曲げる自己都合解散と批判される。予算の成立が遅れ、国民生活に影響が出る」と不安の声も出されます。物価高の高進など、国民生活の窮状をよそに、党利党略最優先で予算審議と国政の諸課題を放り出す一方で、「高支持率」のもと、「今なら議席を回復できる」と、大軍拡と戦争国家づくり推進の基盤を固める危険な狙いもあります。

 一方、深いところでは自民党政治の行き詰まりによる「追い込まれ解散」の動きという本質を見逃すことはできません。
 自公政権は一昨年10月の総選挙につづき、昨年7月の参院選でも過半数割れ。高市氏の総裁選出後、自公協力も崩壊しました。その根本には30年にわたり経済成長が止まり、賃金が上がらず、そこを襲った物価高にも有効な対策を示せない自民党政治への国民の深い失望がありました。
 いま「高支持率」の一方で、アベノミクスを継承する高市政権は、金融緩和の姿勢維持、国債頼みの放漫財政で「円安」を加速させ、いっそうの物価高を招いています。最低賃金引き上げ目標を投げ出し、労働時間規制をさらに緩和、消費税減税など主要な物価高対策には後ろ向きの一方、社会保障削減は目白押しです。早晩、高市失政による景気の悪化で「高支持率」が揺らぐとの観測は広くメディア、政界関係者や自民党内にも共有されています。
 また、自らの「台湾有事」発言がもたらした日中関係の悪化は、軍事的緊張の激化と経済的悪影響を急速に広げています。

 ベネズエラ侵略など暴走を強める米トランプ政権に無批判に追随する日米同盟絶対の姿勢は、国際法秩序や「力による現状変更を認めない」とした自らの言明にも矛盾し、国会論戦で行き詰まり、支持を落とすという不安も広がっています。
「高支持率」継続の見通しに不安が強まるもと、「今のうちに選挙に踏み切らないと苦しくなる」という政治的追い込まれが急速に深まってきました。この動きを攻勢的に受け止め、打ち破る必要があります。

 失われた30年をどうするか、国民生活をどう立て直すか、米国言いなりの危険な大軍拡を許さず平和外交をどう進めるか―問われているのはこうした対抗軸と対案です。自民党政治と正面対決し、国政の大問題では異なる立場の人々、政党とも共同、協力を広げるけん引者としての役割を果たしてきた日本共産党の役割の発揮が今ほど求められるときはありません。


総選挙のキャスティングボート
               植草一秀の「知られざる真実」 2026年1月11日
前回の衆院総選挙は2024年10月27日に実施された。
結果は自公の大敗。敗因は裏金不正事件だった。
昨年7月20日に参院選が実施された。再び自公が大敗。敗因は「政治とカネ」問題への不対応。石破首相は責任を問われて辞任に追い込まれた。

自民は「解党的出直し」を掲げて新党首を選出。最大の焦点は「政治とカネ」だった。
新党首に選出された高市氏に公明が企業献金規制強化を提言したが高市氏が拒絶。
公明は連立から離脱した。高市自民は維新のすり寄りを受けて新内閣を樹立。
焦点の「政治とカネ」問題への対応はを闇に葬った。

メディアがこの対応を総攻撃すべきところ、逆に高市新体制絶賛報道を続けて現在に至る。
メディア報道に支えられて高市内閣の支持率が高いとされている。
高市首相は高い支持率の下で総選挙を打てば有利と判断して解散・総選挙に突き進む構えを示している。

だが、こんな自己中心主義で国政を振り回してよいものか。大多数の国民が疑問に思う。
衆議院議員の任期は4年。任期満了は2028年10月。任期が始まって1年少ししか経過していない。
選挙を実施するには膨大な費用がかかる。過去の計数ではおよそ600億円。
自己都合解散で600億円の国費を投下することが是認されるか疑問だ。
2月の総選挙で予算審議が遅れることは確実。26年度予算が年度内に成立しない。

2月総選挙で懸念されるのは寒波の到来。小沢一郎氏は高市首相の最大の敵は「冬将軍」になると述べた。寒波が到来すれば選挙に重大な影響が生じる。
3連休明けに高市氏が記者会見で衆院解散の方針を表明する可能性が高いと見られている。
「責任ある積極財政」について国民の信を問う、とでも言うのだろうか。
ところが、財政政策の中身は「責任ある積極財政」とはかけ離れている。
「利権拡大の積極財政」でしかない。国民が冷静になると高市自民は勝利できない可能性が高い。

2024年10月衆院選(上段)と25年7月参院選(下段)の結果を見てみる




















比例代表選の政党別得票率を見ると
24年衆院選は
与党 37.7  ゆ党 26.2  野党 36.1 だった(単位は%、以下同じ)。
25年参院選は
与党 30.5  ゆ党 37.9  野党 28.5 となっている。
衆院の定数は465でうち小選挙区が289、比例が176。

勝敗を決するのは289の小選挙区である。問題は与党から公明が離脱したこと。
与党得票率は
24年衆院選
自民 26.8  公明 10.9
25年参院選
自民 21.7  公明  8.8
公明がどのように行動するのかによって選挙結果が激変することになる。
続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」4305号
「高市自民が勝利できない可能性」 でご高読下さい。
年初のこの機会にメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」ご購読をぜひお願いします。https://foomii.com/00050
                 (後 略)

中国国有企業 レアアース新規契約停止 日本向け初確認(続報)

 新潟日報が「中国国有企業 レアアース新規契約停止 日本向け初確認」とする記事を出しました。「続報」として紹介します。
 中国政府は輸出規制対象軍事用途や軍事関連企業に加えて「日本の軍事力向上に資するその他一切の最終ユーザーと用途」に及ぶとしているほか、既存契約の破棄も検討しているということです。軍事用途の範囲が不明確である上に、政府発表の直後「新規契約を結ばない方針」を決めたとされるので、半導体などに使われる レアメタルの新規契約も結ばないことになります。
 レアアース(=レアメタル)は「産業のビタミン」と呼ばれ部品の製造には不可欠なのでその供給がストップすればさまざまな工業製品の生産に支障が出ます。一部に「免疫がある」とする業者もいますが、全体としては多大な影響を受けます。
 最も困るのは高市首相の姿勢が変わらないことにはこの事態が継続することです。トップの大間違いの自尊心が如何に国民に害悪を及ぼすことになるかが「絵に描いた」ように示されています。
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中国国有企業 レアアース新規契約停止 日本向け初確認
                         新潟日報 2026年1月11日
  レアアース(希土類)
    レアメタル(希少金属)の一部で、17種類ある元素の総称。電気自動車(EV)
   やスマートフォン、レーザーなど幅広い工業製品に使われる。生産国が中国やオース
   トラリアなど一部に限られ、供給が不安定になりやすい。エネルギー・金属鉱物資源
   機構(JOGMEC)によると、日本の2024年のレアアース輸入先に占める中国
   割合は71.9%。(共同)

【上海、北京共同レアアース(希土類)を販売する中国の国有企業が、日本向けの新規契約を結ない方針を一部の日本企業へ伝達したことが10日、関係者への取材で分かった。既存契約の破棄も検討しているという。中国政府は今月、日本の軍事力向上につながる軍民両用
(デュアルユース)品目の対日輸出規制を強化すると発表していた。日本企業がレアアースの取引を拒否されたケースが確認されたのは初めて。

既存取引破棄も検討
 日本渡航自粛を皮切りに始まった中国による経済的威圧の影響は、ハイテク製品の製造に欠かせない戦略物資であるレアアースに波及した。
 日本政府は、レアアースの販売を拒否したり自粛したりする動きが中国企業全体に広がらないかどうか注視している。
 関係者によると、レアアスを輸出する一部の中国国有企業は対日輸出規制を強化する6日の政府発表の直後、新契約を結ない方針を決めたとされる。半導体などに使われるレアメタル(希少金属)の新規契約も結ないという。
 また日本の商社の担当者は「輸出に必要な中国政府の審査が厳格化され、手続きに時間がかかっている」と明かした。
 中国政府は輸出の規制対象は軍事用途や軍事関連企業に加えて「日本の軍事力向上に資するその他一切の最終ユーザーと用途に及ぶとしている。関係者は「中国政府の発表で軍事の範囲が拡大した可能性がある。従来は民生用と認定されていた製品も規制対象になる恐れがある」と話した。
 レアアースは電気自動車(EV)のモーターや半導体など幅広い工業製品に使われる。戦闘機などの製造には高性能なレアアース磁石が必要とされる。

  最近の日中関係の経過
   25.11.7  高市早苗首相が衆院予算委員会で、台湾有事は存立危機事態になり
         得ると答弁
   25.11.14 中国が日本への渡航自粛を呼びかけ
   25.11.19 中国が日本産水産物手続きを停止とが判明
   25.12.31 経団連など3団体トップの経済代表団が訪中延期発表
   26. 1. 5  首相が年頭会見で、中国側と意思疎通を継続すると強調
   26. 1. 5  中国商務省が日本に対する軍民両用(デュアルユース)品目の輸出管
         理強化を発表


日本側 調達に暗雲 中国レアアース新規契約停止
                         新潟日報 2026年1月11日
 中国政府が打ち出した軍民両用品目の輸出管理強化が、日本側のレアアース(希土類)調達に暗い影を落とし始めた。レアアースは「産業のビタミン」と呼ばれ、供給がストップするとさまざまな工業製品の生産に支障が出る。ただ日本企業は過去の混乱を教訓に、レアアースを外交力-ドに使う中国の戦術に免疫をつけ始めている。「社内にバタバタする様子はない」(日本メーカー関係者)と冷静な声も聞かれる。

外交カード戦術に免疫も
レアアースの新規発注は受けられない」「今は厳しいので、取引をするのは待とう」。中国政府が規制強化を発表した6日以降、中国で鉱物を扱う複数の貿易関係者が取引先の中国企業からこう告げられた。

■先回り
 中国では、政府意向を企業側が忖度し、先回りして取引を見合わせることが起こりやすい。今回の対応を政府が指示したかどうかは判然とせず、企業側が独白の判断でリスク回避に動いた可能性はぬぐえない。
「忖度の連鎖」によって貿易全般に停滞が起こる事態を日本政府は懸念する。実際、中国に拠点を置くプリント基板メーカーでは政府が今回の措置を打ち出した直後に日本向けのビジネスが止まった。中国商務省が「民生用は影響を受けない」とした後、メーカー側は転して「システム障害が起きていた」と釈明し取引を再開した。

■多角化
 日本企業は、沖縄県・尖閣諸島周辺で起きた中国漁船衝突事件で中国から日本へのレアアース輸出が停滞したことや、対米貿易摩擦を背景とする最近の輸出規を踏まえ、調達先の多角
化を進め在庫を積み増している
 それでも、ある企業関係者は「一連の規制を踏まえて中国へのレアアース依存度を下げてはいるか、自信を持って大丈夫』と言える段階にはない」と身構える。商社関係者によると、一部メーカーはレアアースの調達難を想定し、製品の納入遅れの可能性を取引先に通知し始めた。

■宣伝戦
 中国政府は、高市早苗政権が「軍国主義復活」をもくろんでいると宣伝戦を繰り広げている。
 中国軍は交流サイトで、規制の対象が戦闘機や潜水艦の重要構造部材に用いられるチタンなどにも及ぶと説明。「禁輸対象は軍需産業のほぼ全ての基礎分野一を網羅している」と警告レた。
 中国がレアアースの輸出を厳しく規制する状況は日中関係の悪化以前から問題なっていた。
 事情に詳しい日中関係筋「中国政府のレアアース輸出許可審査についてはこれまでも遅れが目立っており、現時点で今回の措置の影響は測れない。少なくとも通関にストップがかかる事象は関こえてきてない」と淡々と話す。   (北京共同)

主なレアアースと用途
 サマリウム   航空機部品などに便われる磁石
 ガドリニウム  レーザー光源、MRI検査の造影剤
 ジスプロシウム 電気自動車(EV)のモーターなどに使われる磁石
 テルビウム       〃    〃    〃
 ルテチウム   触媒、光学ガラス
 スカンジウム  高強度アルミニウム合金
 イットリウム  レーザー、蛍光体材料

12- 26年経済の課題 強欲資本主義の搾取ただそう

 しんぶん赤旗が掲題の記事を出しました。
 短い「主張」の中に示された幾つかの数字が日本の惨状、労働者の窮状をよく示しています。
 物価上昇率は公表数字に拠れば2・.8%ですが、それは食品や生鮮野菜などを除外したものなので、国民生活の実感とは大いに異なっています。
 その一方で米は年間で37%もアップしました。2年前には5キロ2000円ほどが、現在は4000円超となっています。1・37の2乗は約1・9(倍)なので、この上昇率はまさに実感に一致しています。しかし「平時」にこんな異常が起きてよいのでしょうか。
 高市政権は軍事費は5兆円超も増やしたのに、生活必需品の高騰には何の手も打とうとしません。2年で主食のコメが2倍にもなれば、海外では「暴動」が起きてもおかしくはありません。多くの野党がそれを問題視しないのも異常なことです。
 国民の困窮は無視し、軍事費と大企業への大判振る舞いには熱心なのは「強欲資本主義」の顕れ。それによる搾取の結果がまさに日本の現状です。
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主張 26年経済の課題 強欲資本主義の搾取ただそう
                       しんぶん赤旗 2026年1月11日
 厚生労働省の2024年の国民生活基礎調査によると、生活が「大変苦しい」「やや苦しい」と答えた人の合計は58・9%となりました。特に「大変苦しい」と答えた人は、前年より1・5ポイント増えて28%となっています。
 生活が苦しくなっている大きな要因は、物価高とそれに追いつかない賃金にあります。消費者物価指数は、11月に前年同月比で2・9%上昇し51カ月連続の上昇です。
 特にうるち米(コシヒカリを除く)が37・0%、チョコレートが26・7%、コーヒー豆が51・6%の値上げなど激しい上昇となっています。

■実質賃金75万円減
 これに対して、物価の変動を考慮した実質賃金は、10月に2・8%減で11カ月連続のマイナスです。
 この30年を見ても、実質賃金はピーク時の1996年の445万円から2024年の370万円へ年額75万円も減っています
「失われた30年」の間、日本が成長できない国になった最大の要因は、コストカットを進める財界とそれを応援する政府が賃金が上がらない国にしたことです。
 賃金の低下と同時に、累次の消費税増税、社会保障の負担増などで、国内総生産(GDP)の過半を占める消費が伸びませんでした。
 その結果、日本のGDPは長期に停滞しています。23年には人口で約3分の2のドイツに抜かれ、世界4位に転落しました。
 国際通貨基金(IMF)の予測によると、26年にインドに抜かれ、30年には英国にも抜かれるとされています。1人当たりGDPでは23年に韓国に抜かれ、24年にはスペインとスロベニアにも抜かれています。

■労働分配率は低下
 労働者の賃金は上がらない一方、大企業は大もうけをし内部留保をため込んでいます。財務省の25年7~9月期の法人企業統計によると、資本金10億円以上の大企業(金融・保険業を含む全産業)の内部留保は、前年同期を5%上回る581兆円と過去最大となりました。
 第2次安倍晋三政権の発足直前となる12年7~9月期と比較すると経常利益は2・8倍に増加、内部留保も1・8倍に増加しています。株価上昇を促す株主還元策の自社株買いは3倍以上に膨れ上がっていますが、平均賃金は21%増にとどまっています。
 この根底には、株主や資本家が利益を強奪する労働者への搾取強化があります。
 企業が生み出した付加価値のうち、どれだけが人件費として配分されたかを示す労働分配率を企業規模別に見ると24年に中小企業は75・6%となる一方、大企業ではわずか37・4%にとどまります。
 労働分配率の推移は、中小企業がほとんど変わらないのに、大企業は12年の50%台から大きく低下しています。
 強欲資本主義の搾取をただし、健全な経済成長のためにも、最低賃金1500円の速やかな実施による底上げをはじめ大幅な賃上げとともに、労働時間の大胆な短縮が必要です。

2026年1月10日土曜日

中国輸出規制 撤回を要求 軍民両用品 リストにレアアース

 中国商務省6日、軍民両用品目の対日輸出規制強化を発表しました。
 新潟日報が8、9日の両日、それぞれ1、3面で取り上げましたので紹介します。

 中国は高市首相の「台湾有事発言」の撤回を要求しましたが、高市氏がそれに応じないばかりか首相周囲の人間から「核兵器保有のオフレコ発言」があったことに強い怒りを示し、昨年の段階で下記のような「対日措置」を実行しました。
 ・首相答弁の撤回要求・国連での批判 ・自衛隊機へのレーダー照射
 ・水産物の輸入手続き停止      ・日本への渡航・留学の自粛呼びかけ
 ・日本人公演の中止         防衛省元高官への制裁
 年明けの6日には「軍民両用品目の対日輸出規制強化」を通告しました。
 
 これに対して木原内閣官房長官は、わが国のみをターゲットとし今回の措置は国際的な慣と大きく異なり、決して許容できないと強調し、中国側へ申し入れは外務、経済産業両省、在中国日本大使館がそれぞれ行いました
 しかし「台湾有事は存立危機事態」などと明言した国は他にはいないわけで、高市氏が「台湾有事発言」の取り消しを一貫して拒絶したほか、暮れには与党国会議員30人が大挙して台湾を訪問し「強い連帯を表明」したことなどはあまりに浅慮であって、中国の措置はむしろ当然のことです。
 そもそも「台湾は中国の核心的利益」であると明言する中国のクレームを「全く意に介さない」のであれば、いずれ行き着くところに行くのは必然であって、今更それを非難したところでどうなるものでもありません。
 その覚悟もないままで自分の面子にだけ拘ったのであれば何をかいわんやです。
 高市氏は「対話の窓口は開いている」としていますが、そんなことで責任を回避できるとでも思っているのでしょうか。そもそも交渉のカードは全て中国側にあり、日本の切れるカードなど1枚もありません。
 高市氏の舌禍が日本に何兆円の損害を与えるのかはまだ明らかではありませんが、それを避けるためには発言を取り消すしかありません。もしもそれが出来ないのであれば日本のために首相の座を去るしかありません。
 追記 日本側のレアアースの在庫量は企業によって異なりますが、大体2ヵ月程度のようです。従ってこれから別の輸入先を探すとか、新しいレアアースを見つける等の対策ではとても間拍子に合いません。
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中国輸出規制 撤回を要求 軍民両用品 リストにレアアース
                          新潟日報 2026年1月8日
 木原稔官房長官は7日の記者会見で、中国が発表した軍民両用(デュアルユース)品目の対日輸出規制強化について、中国側に強く抗議し、措置の撤回を要求したと明らかにした。中国がこれまでに公表している軍民両用品目リストには幅広い工業製品に使用されるレアアース(希土類)が含まれているどの品目の輸出を止めるかは中国側の運用による。運用次第では日本企業に打撃となる。政府は影響を分析し、過去に同様の措置を受けた米国と協議して対処策を打ち出す方針だ。
 輸出規制は、高市早苗首相による台湾有事は存立危機事態になり得るとした国会答弁に対する対抗措置の一環。中国外務省の毛寧報道局長は7日の会見で「日本は問題の根源を直視すべきだ」として、首相答弁の撤回を重ねて求めた
 中国商務省は、軍事用途向けは「全て輸出禁止」の対象にするとした。中国政府は関連条例に基づいて軍民両用品のリストを以前から公表しており、レアアースや化学品、電子機器、航空宇宙問連など900種類以上とされる品目が列記されている。日本への規制はこのリストに基づいて行われるとみられる。
 中国メディアは6日、ジスプロシウムなど7種類のレアアースの対日輸出審査を厳格化する可能性を報じた。レアアースにとどまらず、リストに載っている全ての品目の輸出規制が強化されれば、日本の企業活動や防衛産業への影響は避けられない
 日本のエネルギー・金鉱物資源機構(JOGMEC)によると、2024年レアアース輸入先に占め中国の割合は71・9%に上がる。木原氏は会見で「わが国のみをターゲットとし今回の措置は国際的な慣と大きく異なり、決して許容できない。極めて遺憾だ」と強調。「内容を精査、析して必要な対応を検検討する」と述べた。中国側へ申し入れは外務、経済産業両省、在中国日本大使館がそれぞれ実施。外務省では6日、金井正彰大洋州局長が在日中国大使館施泳次席公使に抗議した。
 中国は米国による相互税への報復として同様の輸出規制を実施した経緯がる。


輸出規制強化 威圧 中国の胸三寸 日本痛手、打開策乏レ
                          新潟日報 2026年1月8日  
 中国による軍民両用(デュアルユース)品目の対日輸出規制強化に対し、新たな経済的威圧ではないかと日本政府に緊張が走った。品目リストにはレアアース(希土類)が含まれており、実際に輸出が止まれば、対中依存度の高い日本にとって痛手となる。中国側に高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁への強い不満があるのは間違いなく、影響回避へ日本の打つ手は乏しい

「意図は分からないが、政治的思惑を感じざるを得ない」。6日夜に飛び込んできた中国商務省の発表に、首相周辺は顔を曇らせた。外務省幹部は7日朝、「まずはどれぐらい影響が出るのか分析を急ぐ」と語り、足早に自室へ向かった。
 本側が懸念するのは中国からのレアアースの輸出が滞る事態だ。電気自動車(EV)モーターなどの民生品だけでなく、防衛装備品にも幅広く使われている。日本は経済安全保障の観点から輸入元の多角化を進めているものの、依然として中国が最大の輸入相手国に変わりはない

日中両国の立場
 輸出規制
  中国 台湾有事を巡る高市首相答弁を「極めて悪質」と非難し、対抗措置
  日本 日本への悪影響に危機感。打開策を模索するも打つ手は乏しい
 台湾問題
  中国 国家の本質的利益に直結する「核心的利益」と位置付け、譲歩でき
  日本 台湾有事を巡り「存立危機事態になり得る」とした首相答弁は撤回せ
 対 話
  中国 対話再開には首相答弁を撤回して誠意を見せる必要がある
  日本 懸念と課題があるからこそ意思疎通が重要。対話にオープン

交渉カード
 商務省発表には「軍事力の向上に資する輸出は禁止する」とも明記しており、恣意的な拡大解釈の余地が残る。外交筋は「中国の胸三寸で運用が決まり、日本は振り回される」と歯がみした。
 中国側は発表で、台湾有事を巡り「存立危機事態になり得る」とした首相答弁に触れ「武力介入を暗示したことは極めて悪質だ」と批判し、報復措置であることをうかがわせた。台湾問題を「核心的利益」と位置付け、譲歩しない立場を改めて誇示した形だ。
 高市政権が取り組む防衛力の抜本的な強化も無関係ではないもようだ。中国の識者は、日本旅行の自粛を呼びかけた昨年11月の中国文化観光省の勧告と比較し「今回の商務省の措置は重い」と分析した。
 レアアースの圧倒的な生産量を誇る中国は昨年、トランプ米政権との貿易交渉でも規制強化を発表し、米側から譲歩を引き出すカードに使った。今回も日本の経済的な弱点を突くことで、歩み寄りを求める狙いがあるとみられる。

▽リスク分散
 首相は5日の年頭記者会見で「懸案と課題があるからこそ、意思疎通が重要だ。中国との対話にオープンだ」と述べ、関係正常化に意欲を示していた。だが、中国は対話再開には答弁撤回を条件としており、日本側は受け入れていない
 対立の沈静化に向け、超党派の日中友好議員連盟が議員外交で尽力してきた過去もあるが、議連幹部は「こちらが切れるカードはない」と声を落とす。1月に予定していた経団連など経済界の訪中も延期となる中、対話の糸口すらつかめない状況が続いている。
 首相は今月中旬に来日する韓国の李在明大統領やイタリアのメローニ首相に日本の立場を伝え、連携を図りたい考えだが、効果は見通せない。政府高官は「レアアースの対中依存を減らして、とにかくリスクを分散するしかない」と言葉少なに語った。 (北京、東京共同


中国商務省 日本製造の化合物 反ダンピング調査  信越化学など名指し
                          新潟日報 2026年1月8日
北京共同】中国商務省は7日、日本から輸入するジクロロシランに対し、反ダンピング(不当廉売)調査を始めたと発表した。半導体製造に使う化合物で、調査期間は原1年間。高市早苗首相の国会答弁への対抗措置とみられる。
 日本からのジクロロシランの輸入が増え、価格が大幅に下がって国内産業が損害を受けたとしている。調査の結果次第では追加関税が課される可能性がある。
 商務省は生産・輸出業者として、信越化学工業と日本エア・リキード、三菱ケミカルグループの3社を挙げた。
 商務省は報道官談話で「世界貿易機関(WTO)のルールに従って産業界からの申請書の審査を行った結果、反ダンピング調査の条件を満たしていると判断した」とした。


防衛産業困惑「情報ない」 自動車業界も警戒強める
                          新潟日報 2026年1月8日
 中国が打ち出した軍民両用(デュアルユース)品目の対日輸出規制の強化に対し、日本の防衛産業の間では「情報がない」(関係者)と困惑が広がっている。中国側の運用次第では、自動車の部品にも不可欠なレアアース(希土類)が入ってこなくなる可能性があり、車業界も警戒を強めている
 中国は輸出規制の具体的な対象を示していない。防衛関連企業の関係者は「注視するしかない」と話した。中国がサプライチーン(供給網)上で給む場合は電池やダイオード、磁石などの調達に支障を来す恐れがあると説明した。
 防衛装備品では、高性能センサーなどにレアアースが使われるとされる。財路省防衛統計によると、レアアースの中国からの輸人は6割超を占める。代替の供給国が限られるため、本企業は神経をとがらせてきた。
 三菱重工業の伊藤栄作社長は昨年12月、中国への倍存度が高い現状について「これからの開発で、なべくそういう材料を使用ないなど設計を考慮し」と語っていた。
 日本自動車工業会(自工会)は7日、共同通信の材に「情報を収集している。国と連携して、レアアースの安定調達や供給源の確俣に向けた取り組みを進める」と強調した。
 中国に進出する日系企でつくる中国日本商会は6日にコメントを公表。「日本企業の活動に支障が出ている場合は、商務省などに対して申し入れを行っていく」と懸念を表明した。


中国、日本酒の通関遅延 食品も、首相答弁に報復か
                           新潟日報 2026年1月9日
北京共同】日本が中国に輸出した日本酒を中心に酒類や食品の通関手続きに通常より時間がかかり、貿易に遅延が生じていることが8日、分かった。昨年11月に高市早苗首相が台湾有事は存立危機事態になり得ると国会答弁して以降に起きており、対日報復のとみられる。北京の日本大使館に関係企業から相談が相次いでいる。複数の通商筋が明らかにした。
 国会答弁後、中国は再開したばかりの日本産水産物の輸入手続きを停止。今月6日には軍民両用品目の対日輸出規制強化を発表し、レアアーース(希土類)輸出の審査厳格化をちらつかせた。貿易で対日圧力を強めており、日本企業関係者は事態の推移を注視している。
 農林水産省によると、中国への日本酒の輸出額は2024年に16億円と、国・地域別でトップだった。通商筋によると、中国に酒類が到着後、通関手続きに通常よりも数週間から約1ヵ月時間がかかった。日本酒の遅れが特に目立ち、通常の2倍の時間を要したという情報もある。「日本酒は日本の象徴だから狙われたのではないか」との見方がある。
 天津や広東谷深川などさまざまな貿易港で遅延が確認された。手続きが進まず中国の貿易港に留め置かいている酒類がある。一部加工食品や食材も通関の遅れが確認され、日本大使に相談が寄せられていが、特定の食品が対象でないという。
 中国税関当局が日本国での商品の輸送経路を細く報告するよう求め、手続きに時間がかかるケース報告されている。東日本震災後、食品輸入を禁じいる福島や本県など10都を通過していないかどう詳細な証明を求める例も


中国、貿易手続き遅延 振り回される日本企業 引き留め一転対抗措置
                          新潟日報 2026年1月9日
 高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁後、日本から中国に輸出された日本酒や食品の貿易手続きに遅れが生じていたことが判明した。中国は国会答弁後も中国に進出する日本企業を引き留める動きをする一方で、対抗措置をエスカレート。答弁撤回を求めて経済・貿易でも揺さぶりを強めており、日本企業は振り回されている。

「中国での事業活動を安心して続けてほしい」。中国外務省の劉勁松アジア局長は昨11月遼寧省大連の日系大手メーカーの拠点を突然訪問し、こう伝えたという。

■楽観視
 劉勁松氏は)日本外務省の金井正彰アジア大洋州局長と高市氏の国会答弁を巡る協議で応酬となり、ズボンのポケットに両手を入れたまま対面したのが話題になった人物だ。関係筋によると、メーカー訪問はこの協議の直後だった。
 中国の呉江浩駐日大使も11月に経団連の筒井義信会長と面会。日中の経済協力に前向きな姿勢を見せた。日本政府による沖縄県・尖閣諸島の国有化に抗議する反日デモで日系企業が襲撃された2012年と異なり「中国は日本との経済協力を続けたいというメッセージを送っている」と、日本企業の間では楽観ムードが漂った

裏切り
 しかし日中経済協会と団連、日本商工会議所のップが率いる経済代表団今月予定していた中国訪の受け入れを巡り、中国は昨年末までに明確な回答せず、訪中は延期を余儀くされた。呉氏は7日、中経済協会などが東京都で開いた年頭恒例行事を欠席する異例の対応をし「政治と経済は別」という日側の期待を裏切った。
 不動産不況で景気が減速する中国は「自国経済は打撃を受けないよう対抗措置を選択している」(日中関係筋)。中国企業が必要する製品の納入は通常通だが中国国有企業とのロジェクトがストップした」「中国とのイベントがキャンセルされた」といった影響が日本企業に広がる。日本酒を標的にしたのは「中国への影響が小さいと判断した上での嫌がらせだろう」と通商関係者は顔をしかめる。
 今月6日には軍民両用品目の対日輸出規制強化を発表。リストに掲載された品目はレアアース(希土類)から電子機器まで幅広く、貿易会社には、中国に生産拠点がある日本企業から「商品は日本に輸出できのか」との問い合わせが次々と寄せられている
「このような状況では中国で安心してビジネスできない」。中国への失望が日本企業関係者から漏れる。 (北京共同)


輸出規制は「軍事限定」 中国商務省
                          新潟日報 2026年1月9日
【北京共同】中国商務省の何亜東報道官は8日の記者会見で、日本への軍民両用(デュアルユース)品目の輸出規制の対象は軍事用途に限られるため「民生用は影響を受けない。通常の民生品の貿易を行う際に心配する必要はない」と述べた。
 商務省は6日、日本の軍事力向上につながる軍民両用品の輸出を禁止すると発表した。軍事用と民生用の線引きは中国側の裁量で決まるため、半導体製造などに使われる民生用のレアアース(希土類)も含まれるとの懸念が日本側には強まっている
 何氏は、今回の措置の背景には高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁に加え、安保関連3文書改定の動きや官邸筋による核保有発言があるとも強調。「日本の再軍備化や核保有の企てを阻止することが目的で、完全に正当かつ合法的だ」と主張した。


中国大使へ抗議 外務次官
                          新潟日報 2026年1月9日
 船越健裕外務事務次官は8日、外務省で中国の呉江浩駐日大使と会談し、中国による軍民両用品目の対日輸出規制強化に強く抗議し、措置の撤回を求めた。在日本中国大使館は呉氏が拒否したと明らかにした。呉氏は今回の措置について「完全に正当であり、合理的で合法だ」と主張した。
 両氏は、現在の日中関係について意見交換。船越氏は、台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁で関係が冷え込む中でも「対話にオープン」との日本の立場を伝えたとみられる。