2026年5月18日月曜日

鳩山元総理による高市発言批評(植草一秀氏)

 植草一秀氏の掲題の記事を紹介します。
 記事は16日に東京湯島の全国家電会館で開かれた「ガーベラの風」イベント:「戦争と壊憲の危機にどう立ち向かうか-『対米自立』『平和と共生』の政治実現に向けて-」の概要の報告です。

 報告の中で、特に鳩山友紀夫元総理の基調講演から、高市首相の昨年11月7日の台湾有事発言の問題点を指摘した部分を紹介しています。
 高市氏は台湾有事で米軍が来援すれば「どう考えても存立危機事態になり得るケース」と発言しましたが、それは「日本は米軍を支援して中国と戦争をする」という意味なので、1972年の日中共同声明で、「ポツダム宣言第八項に基づく立場(=台湾が中華人民共和国に返還される)を日本政府が堅持する」としたことに反することになります。
 中国は日中共同声明を発出した時点で、日本の賠償責任(現在価格換算では1800兆円に達する)を免除しましたが、半世紀が経過した後にそれをひっくり返すということになれば、賠償責任免除だけは有効ということにはなりません。
 こうした最重要事実をもしも高市氏が認識しないまま自分の発言を訂正せず、中国に対して釈明や謝罪もしないまま、半年間も放置している(事実上の絶好状態)いるのは大問題です。
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鳩山元総理による高市発言批評
               植草一秀の「知られざる真実」 2026年5月17日
5月16日(土)午後、東京湯島の全国家電会館で「ガーベラの風」イベント
戦争と壊憲の危機にどう立ち向かうか-「対米自立」「平和と共生」の政治実現に向けて-
を開催した。多くの市民の方に参集賜り、意義深いイベントを開催できたことに深く感謝する。
https://www.youtube.com/watch?v=_lh3WqIoHDQ
https://www.youtube.com/watch?v=EJVz2CMcdUs

イベント登壇者が男性に偏ってしまったことについてお詫びを申し上げたい。
運営委員会で討議した段階でできるだけ女性の登壇者を多くするために何度も話し合ったが、さまざまな特殊事情があり、結果として女性登壇者が少なくなってしまった。
運営委員会として反省して、次回以降のイベントでは一定比率以上は女性にご発言いただくという対応を実施していきたいと私個人としては考えている。

第一部では確定していた女性講師が特別な事情で講演できなくなった。もう一人の女性講師による講演も企画したが実現しなかった。
第二部でのパネルでは半数を女性にお願いするとの方針で検討したが実現できなかった。
立憲民主党の森ゆうこ議員にご登壇をお願いしたが新潟知事選との関係で叶わなかったが森ゆうこ議員からメッセージを頂戴した。
当方の手違いでそのメッセージを読み上げることができず、この場をお借りして深くお詫びしたい。森ゆうこ議員からは大変貴重なメッセージを賜った

イベントにご登壇くださった方々に深く感謝申し上げる。
また、会場の席数の制約から多くの方の参加お申し込みを受理できなかったことをお詫びしたい。
ご登壇者には貴重なお時間を割いてイベントにお越しくださったことに深く感謝したい。

基調講演を鳩山友紀夫元総理がしてくださった。憲法・改憲・選挙制度について伊藤真弁護士
外交・安保について孫崎享元駐イラン大使にお話し賜り、経済政策についてから説明をさせていただいた。
冒頭でこれまで運動の最高顧問をお引き受け下さった原中勝征元日本医師会会長に対する哀悼の意を表するために黙祷を捧げた。

第二部の今後の運動についての討論では日本共産党書記局長の小池晃参議院議員 元法務大臣の平岡秀夫前衆議院議員 川内博史前衆議院議員 孫崎享氏から提言と討論をいただいた。
最後に全体のまとめを安田節子氏がされた。

日本の現状について提示された問題は対米隷属である。
鳩山元総理は高市首相の昨年11月7日の台湾有事発言の問題点を指摘された。
台湾有事で米軍が来援すれば「どう考えても存立危機事態になり得るケース」との発言の核心は「どう考えても」にあると指摘された。本ブログ、メルマガでも主張してきた。

台湾有事で米軍が来援したら間違いなく存立危機事態になり得るとの発言は、日本は米軍を支援して中国と戦争をするという意味になる
1972年の日中共同声明の詳細についても鳩山元総理が語られた。
台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であるとする中国の立場について、日本側は
「十分理解し尊重する」でまとめようとしたが中国が拒絶。「ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する」という文言を付け加えることで決着した。

ポツダム宣言第八項はカイロ宣言の履行を定めるもので、カイロ宣言は日本が清国から盗取した満州、台湾、澎湖島などを中華民国が日本から取り戻すことが戦争目的と定めたもの。
中華民国を引き継ぐ中国を代表する唯一の合法政府が中華人民共和国であるから、台湾が中華人民共和国に返還されることを日本政府は認めたことになる。
これと引き換えに中国は日本の賠償責任を免責した。
現在価格換算では1800兆円にも達するという日本の賠償責任が免除された

「台湾の中国帰属」は中国の核心的利益のなかの核心。
これを日本が受け入れたことと引き換えに中国は巨大な日本の賠償責任を免除した。
こうした最重要事実が日本国内ではほとんど伝えられていない。
メディアが伝えない重要なことがらが丁寧に指摘されることにも大きな意味がある。

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トランプが帰国の機中からわざわざ高市に電話を掛けてきた理由はあの問題

「まるこ姫の独り言」から3編を紹介します。
 そのタイトルは1番目が掲題、
2番目が「米中『我々はライバルではなく、パートナーであるべき』これぞザ・外交」、
3番目が「画像でわかる女を武器にして生きて来ただろう我が国の首相の振る舞い」です。

 3番目の記事に載っている写真は迫力があります。見る方が恥ずかしくなるようなものですが、それは同時に彼女の知性と品格の低さを示しています。
 文中の太字・青字強調個所は原文に拠っています。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
トランプが帰国の機中からわざわざ高市に電話を掛けてきた理由はあの問題
                     まるこ姫の独り言 2026/05/16
大統領専用機に搭乗したトランプから、高市が首を長くして待っていた電話があったそうだ。

高市が目論んだ訪中前の会談はして貰えていない。
なんとも哀しい世界だ。

高市総理“かなり詳細に説明をいただき大変良い議論が出来た”中国を訪問した米・トランプ大統領と電話会談 
            5/15(金) 20:30配信 TBS NEWS DIG Powered by JNN
>高市総理は中国を訪問していたアメリカのトランプ大統領と電話会談を行い、中国訪問について詳細な説明を受けたと明らかにしました。
>会談は今夜、官邸の高市総理と中国から帰国する機中のトランプ大統領を電話で結び、およそ15分行われました。
>高市総理は終了後、官邸で記者団の取材に応じ、トランプ大統領から今回の中国訪問について「かなり詳細に説明をいただき大変良い議論が出来た」と強調しました。

たったの15分の電話で、かなり詳細な説明がもらえて、大変良い議論ができた?
しかも間に通訳が入っている事を考えたら、15分の半分も日本側の時間はない。
それで「大変良い議論ができた」は、時間的にどう考えても無理だろう。
と思っていたらこの記事についたコメントで

>かなり詳細に説明をいただき大変良い議論が出来たと強調しました。強調してるから嘘でしょう。
>米中会談の詳細な内容は国家機密です。日本の首相に説明するはずもなく、また議論するような立場にもいないです

と書いていた方がいる。

そう言えばその通りで、米中で会談をした国家機密の内容を、いくら狂人でも大統領の職にあるトランプがペラペラと喋るわけもなく、やっぱり高市の願望が相当入っているし、自分を大きく見せる為に嘘をついていると思う。

腹心の部下でもなく、他国の総理大臣に米中会談の詳細な内容を教えるとは思えない。

しかも高市は、世界的な米中会談で、あのトランプが中国の習近平に脱帽している図を見て焦っていたと思う。
で、ようやくボスからのたった15分の電話の中に、盛り込む盛り込む・・・・

ヘタしたら、トランプから米中は「台湾問題」でのある合意したから、これからは中国を刺激するなとくぎを刺された可能性は十分に想像できる。

それ以外にトランプが、格下の日本にわざわざ電話を掛けてくる理由がない。


米中「我々はライバルではなく、パートナーであるべき」これぞザ・外交
                     まるこ姫の独り言 2026/05/15
いや~心の中で何を考えているか知らないが、どちらも自国第一のこれが「ザ・外交」を見せてもらった。

習近平主席「中国とアメリカはパートナーであるべきで、ライバルであるべきではない」注目の米中首脳会談始まる
         5/14(木) 11:39配信 FNNプライムオンライン(フジテレビ系)
>会談の冒頭で、習主席はトランプ大統領に歓迎の意を表した上で、「中国とアメリカはパートナーであるべきで、ライバルであるべきではない。2026年は両国にとって歴史的な一年になるだろう」と述べました。
>これに対し、トランプ大統領は「友人である習主席と会談できて光栄だ。最大規模の会談になり、今後素晴らしい関係を築いていけると信じている」と応じました。

いや~、大人同士の外交は、中身がどうあれ見ごたえがあった。

残念ながら、高市の媚びて媚びて媚びまくったキャピキャピの外交とやらは、外交でもなんでもなかったと思う。

我が国の総理のトランプへの対応など、ペットが飼い主の周りをキャンキャン飛び跳ねている図だ。

ペットはご主人様が喜ぶと思い、色んな芸をして見せたが、結局ペットはペットでしかなく人間として扱ってもらえなかった。

高市が訪米した時、トランプは高市には終始にこやかにしていたが、驚くほど緊張感が感じられなかった。

トランプは日本を舐めていたから?・・・

が、トランプと習近平とは笑顔の中でも緊張感が漂っていたし、2人で散策した「天壇公園」で行きと帰りではトランプの顔色が全く違っていて帰りの、仏頂面・意気消沈顔は見ものだった。







公園の中で習近平からなにか米国に不利な事を言われたのか。
トランプは習近平に手玉を取られたのではないか?

トランプも、高市もすぐに顔に出る。

しかし、習近平の「中国と米国はライバルでは無くパートナーでいようぜ」みたいな呼びかけは圧巻だった。

どう見ても、習近平と高市とでは格がまったく違う。










さすが大人の対応だ。

一方高市は、いまだに中国を敵対視して国益を損ねまくっている

米国と中国が大人の対応としたら、日本は中国に対して気の小さいペットが吠えて威嚇しているようにしか見えない。

なんで日本も堂々とした人間対人間の外交ができないのかなあ。


画像でわかる女を武器にして生きて来ただろう我が国の首相の振る舞い
                     まるこ姫の独り言 2026/05/07
オーストラリア首相と高市








トランプとの会談のため訪米した際の高市












私の目には、10代の女子が時代を飛び越えて65歳になったかのような異常な雰囲気に映る。
ネトウヨから見たら「お茶目な早苗ちゃん」に映るだろうが、国を代表する人は多少の威厳が必要だ。
媚びと作り笑いだけでは外交は出来ない。

公式で行われたオーストラリア首相主催夕食会の主賓のサインが、ニコチャンマーク入り
名前が小文字で、姓が大文字も変。
どうせなら漢字で書けばよかったのに。












上の方に見えるボールペンは、何十万円もするそう。
まさかこのボールペンでニコちゃんマークの署名がされるとは誰も思わなかっただろう。

こちらはパク・クネ大統領とオバマ










メルケル首相とオバマ








同じ女性でも、国家の品格が全く違う。
パク・クネもメルケルも、そこはかとない大人の風格が漂う。

女を売りにした笑いと,国を代表しての笑いがここまで違うとは。

日本は最も親密な同盟国から徹底的に屈辱を受けた(賀茂川耕助氏)

 海外記事を紹介する耕助のブログに掲題の記事が載りました。
 それによると高市氏は「米中首脳会談に先立って是が非でもトランプが日本に立ち寄って欲しい」とばかりに、
 〝在日米軍への追加資金、米国産農産物の輸入拡大、そして「おまけ」として150億ドル(⇒約2兆4千億円)規模の武器購入リストを盛り込み、過去最高の防衛費、トマホークミサイル、極超音速兵器の導入を推進する約束″を準備し、
何とそれによって「日本の反中路線に米国を引き込めるものと本気で信じ」「『台湾有事』を日本の存亡をかけた危機へと昇華させようとしていた」ということです。

 何よりも 習近平の鼻を明かすために数兆円を投じても米中首脳会談に先立ってトランプと会談がしたかったのだと思われます。
 もしも最重要の「米中首脳会談」に先立って、トランプがわざわざ日本に立ち寄ると本当に思っていたのであれば、金銭感覚をもたない「誇大妄想狂」でしょう。
 今回また、高市氏は大きな賭けに出て敗北しました。高市氏はいい加減で「中国の脅威を強調し続けて軍事費を増大させる」愚策は止めるべきです。

 併せてマスコミに載らない海外記事の記事:「ほとんど成果を得られずに中国を去ったトランプ」を紹介します。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
日本は最も親密な同盟国から徹底的に屈辱を受けた
                  耕助のブログNo.2903 2026年5月17日
   これ以上ないほど絶妙なタイミングで。
   Japan just got absolutely humiliated by its own closest ally: The timing
  couldn’t be better either
                   James Wood 武杰士@commiepommie
2026年5月13日、9年ぶりとなるトランプの中国へ公式訪問で大統領専用機「エアフォースワン」は北京に到着した。東京は完全にスルーされ、ビデオ通話さえ行われなかった。トランプのアジェンダ⇒計画表)には貿易協定やイランとの停戦が含まれていたが、その計算式に日本は全く組み込まれていなかった。
Nikkeiアジアは今日、重大なニュースを報じた。2月以降、高市首相とその内閣はトランプの最初の訪問先を東京にするため、賄賂、懇願、インセンティブ、ロビー活動を組み合わせ、ワシントンに執拗な圧力をかけていた。
トランプを招き入れ、お決まりの「中国の軍事的脅威」というシナリオを押し付け、ワシントンが北京と協議を始める前に、台湾海峡や尖閣諸島に関する日本の強硬な立場を固めておくという計画だった。
彼らはかなりの贈り物を用意した。在日米軍への追加資金、米国産農産物の輸入拡大、そして「おまけ」として150億ドル⇒約2兆4千億円)規模の武器購入リストを盛り込んだのだ。高市はこの一連のプロセスを主導し、過去最高の防衛費、トマホークミサイル、極超音速兵器の導入を推進し、「台湾有事」を日本の存亡をかけた危機へと昇華させようとしていた。
彼女は、米中関係の議題を形作り、日本の反中路線に米国を引き込めるものと本気で信じていたのだ。
その結果? まったくなにも・・・夜にコオロギの鳴き声だけが響くだけだった。

ワシントンにとってイラン情勢の方が重要だった。トランプが必要としているのは、東京のイデオロギー的なアジェンダ⇒予定)ではなく、中国との具体的な成果だ。日本に条件を決めさせてしまえば、交渉が始まる前から雰囲気が台無しになっていただろう。そこで決定されたのは東京を飛ばして北京へ直行することだった。
これは単なる日程の問題ではない。これは、日本が長年続けてきた「米国を利用して中国を封じ込める」という戦略が崩れつつあることを示す明確な兆候である。何十年もの間、東京は進んで先頭に立ち、米軍基地を受け入れ、中国との貿易戦争を繰り広げ、歴史教科書を書き換え、反中感情を煽ってきた。その間ずっと、日本はこの取り決めにおいて米国と対等なパートナーであると信じていた。しかし、そうではなかった。
ワシントンは、騒ぎを起こす必要がある時に日本を利用し、何十年もそうしてきた。しかし、北京との間で結果を出す必要がある時、日本は傍観者となる。
これはすでに日本のソーシャルメディアで話題となっている。ネット上の比較画像では、東京での微妙な記念撮影とは対照的に、トランプがリラックスした様子で中国の指導者たちと親しく交流している様子が示されている。有権者でさえ、この同盟関係にどのようなメリットがあるのか疑問を抱き始めている。

高市政権は大きな賭けに出て、敗北した。世論調査での支持率上昇どころか、このリークされた報道を受け、野党はこれを外交的失敗と非難し、経済界のリーダーたちは、中国との関係がさらに悪化すれば日本企業に深刻な打撃を与えると警告している。
中国の私の視点から見れば、メッセージはシンプルだ。米国は自国の利益を最優先しており、これは昔から変わっていない。現時点では北京との有意義な対話が最優先であり、いかなる第三者も介入すべきではない。
日本は選択を迫られている。中国の脅威を強調し続けて軍事費を増大させるか、あるいは中国の存在は恒久的なものであるという否定できない事実を認めるかだ。米国の支援にだけ依存することは、米国がそれを優先する限りにおいてのみ成り立つ。
日本は決断を下さなければならない。

https://x.com/commiepommie/status/2055112133126361393 


ほとんど成果を得られずに中国を去ったトランプ
                マスコミに載らない海外記事 2026年5月16日
                    Moon of Alabama 2026年5月15日
 トランプ大統領の中国訪問が終わった。
 あの訪問から具体的成果は得られないと私は予想していた
トランプはいつものように帽子を手に北京にやってくる。彼はいつものようにハッタリをかませて「勝利」をもぎ取ろうとする。まるでアメリカが優位な立場にあるかのように振る舞う。中国は礼儀正しく振る舞うが、決してそれを受け入れない。

 今回訪問に向けた準備はほとんど行われなかった。シェルパたちが事前に集まって、両国間の深刻な問題を解決することもなかった。大きな契約や条約の署名もない。
 当初の希望の一つは、ボーイング社のジェット機約500機を複数の中国航空会社に売ることだった。今回訪問から帰国後、中国が200機購入するとトランプ大統領は主張した。この件について中国外務省は確認を拒否した。ボーイング社の株価は下落した。
 約20人の企業幹部がトランプに同行したが、彼らには特に計画や任務はなかったようだ。取り引きも成立せず、契約も締結されなかった。
 トランプ大統領は、NVIDIAの旧型AIチップの一部について、中国への販売をアメリカが禁止する措置を解除することを提案した。しかし、中国は既に同様性能のチップを自国製造しているため、この提案を拒否した
 中国は、今回の協議の主な成果として「新たな立ち位置」と「建設的な戦略的安定」を挙げた。
「新たな位置づけ」とは、アメリカと中国を対等な存在と捉え、客観的に見て中国の方が有利な立場にあると考えることだ。
 「建設的な戦略的安定」とは、中国が思うように動いている間は、アメリカは黙って静かにしていろという助言と解釈できるかもしれない。  
「建設的戦略的安定」とは、協力を主軸とした積極的安定、適切な範囲内での競争を伴う健全な安定、管理可能な相違を伴う恒常的安定と、期待可能な平和を伴う永続的安定を意味すると習近平国家主席は明確に指摘した。これら「4つの安定」は、米中関係の明確かつ実現可能な青写真を示している。これは一時しのぎの措置ではなく、長期的方針だ。ゼロサムゲームではなく、相互利益とウィンウィン協力関係だ。「4つの安定」は、建設的な姿勢で戦略的安定を主導し、戦略的安定を通じて長期的発展を保障するもので、米中関係が互いに成功と繁栄を共に築ける大国間関係であることを十分示している。
 トランプ大統領が中国訪問中、約30隻の中国船舶がイラン当局と連携してホルムズ海峡を通過した。トランプ大統領が中国にいたため、アラビア海のアメリカ海上封鎖部隊は、これら船舶を阻止する試みを敢行できなかった。このことは今後も中国の船舶航行を容認する前例になった
 中国にとって、ホルムズ海峡は開かれている。

記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2026/05/trump-leaves-china-with-little-in-hand.html

18- 皇帝は裸で切り札もない(賀茂川耕助氏)

 海外記事を紹介する耕助のブログに掲題の記事が載りました。
 米中首脳会談は米国に取って殆ど成果がないまま終わりました。
 中間選挙後に無力なレームダックになることを恐れているトランプは、中西部支持層をなだめるために大豆の追加購入を迫り、ボーイング機の購入を迫り、軍産複合体をなだめるためにレアアースの輸出を迫ったことでしょうが、それらを実行させるための肝心の切り札を一つも持っていませんでした。
 結果的に前回決まっていた大豆の購入は実現したものの、ボーイング機は500台から200台に減らされ、レアアースや半導体関連では何の前進も見られませんでした。
 またホルムズ海峡閉鎖でイランからの原油の輸入が途絶えれば その分 打撃を受ける筈でしたが、実際にはホルムズ海峡を経由しない海上ルートが既に確立されていて、海上で重油を別のタンカーに移送する「瀬取り」も実行中であることが判明しています。ここでもトランプの当てが外れました。
 逆に、AI関連でも既に米国依存の部分がなくなっているので、中国側はいつでも米国との経済戦争が可能な状態にあるということです。
 因みに高市氏が、日本が滅亡することも厭わずにトランプに貢献しようとしている台湾有事に関しても、トランプはバイデンとは異なり9500マイル離れている台湾の防衛には関心が薄いようなのでそれもなさそうです。
 この際 高市氏が基本構想を改めざるを得ないのは、日本のために大いに喜ばしいことです。
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皇帝は裸で切り札もない
                  耕助のブログNo.2902  2026年5月16日
   The Emperor has no clothes and no cards
                      Pepe Escobar
  『ビジネス・上海』はトランプの来訪にさほど感銘を受けていない。
上海―この大都市は記録的な速さで爆走するEVのように突き進んでいる。空気は張り詰めている。有名な広東料理店でのビジネスディナーの席で、トランプの訪中は、少なくとも会話をより具体的な話題に導いた。それは、西から東へ続く、次世代に向けた相反する道筋についてだ。
「ビジネス・上海」は、トランプの来訪にさほど感銘を受けてはいない。たとえ、2026年という「戦争の年」において、おそらく最も重要な外交会談であり、貿易や安全保障に関する決定がグローバル・サウス全体に影響を及ぼす可能性があるとしても、あらゆる地政学的変数が懸かっているとしてもだ。
まずは、ありふれたアメリカ人の悩みから見ていこう。「共感の欠如」の達人であるトランプは、少なくとも試合の最初から最後までこう言い続けていたかもしれない。「アメリカ人の経済状況なんて考えていない。誰のことも考えていない。」
しかし実際には考えている。彼は中間選挙後に無力なレームダックになることを恐れている。だから彼は、中西部支持層をなだめるために、北京に対し大豆の追加購入を迫るだろう。そしてボーイング機の購入も迫るだろう。また、軍産複合体をなだめるために北京に対しレアアースの輸出を迫るだろう
そしてもちろん、彼は習近平に対し、テヘランにホルムズ海峡を開放させるよう最大限の圧力をかけるだろう。そうすれば原油価格は下がり、インフレは抑制され、FRBは利下げを行うことになるからだ。
この計画を実現するための切り札をトランプは一つも持っていない。技術戦争においては、彼の「最大限の圧力」は、中国が米国のサプライヤーを次々と見事に迂回する結果に終わっただけだ。貿易戦争においても、中国は輸出先を十分に多様化し、記録的な貿易黒字さえ達成した。
イランこそが鍵であることは言うまでもない――とりわけ、「不可欠な国(米国)」の目もくらむような構造的な欠陥を全世界に露呈しているという点において。

トランプは何をするのだろう? イランが中国の北斗衛星システムを利用していると、それによって西アジア全体がイランの弾道ミサイルにとってガラス張りの家と化していると習近平を脅すのだろうか?
トランプが「封鎖」を仕掛けてきた際も、イランは中国への石油輸送ルートを失うことはなかったイランやパキスタンの領海近くを航行する影のタンカー網、船間積み替え、偽装貨物、そして今や北京から制裁リスクを吸収するよう指示された中国の精製業者を通じて流れは続いている。
これは海運の観点だけでなく、ユーラシア大陸横断の陸上ルート―西安からテヘランへ、そしてその逆方向へと走る列車が走るユーラシア鉄道回廊―においても、実質的な戦いが繰り広げられている。鉄道による輸送量は依然として海上輸出の規模には及ばないかもしれないが、戦略的にはこれが絶対的に重要であり、海上からの圧力が陸上による経済的締め付けとは全く異なるものであるという点を浮き彫りにしている。
ベネズエラからホルムズ海峡に至る中国の石油供給網を窒息させ、さらに中国の「ティーポット」製油所を制裁するという米国の「見事な」構想は、結果として、ロシアと並んで中国を(すぐに破られる)停戦における主要な実質的な仲介者の一角として浮上させただけだった。
イランが見事に演じたホルムズ海峡を巡る駆け引きは、中国の輸入にほとんど影響を与えなかった。中国のAIを「制御」するためにNvidiaのH100やH200の輸出を制限した措置が、事実上ゼロに近い影響しか及ぼさなかったのと同様だ。結局のところ、中国は事実上Nvidiaを無視している。DeepSeek V4モデルは国産チップを使用している。そしてH200は中国国内では販売されていない。
もしトランプが、ティーポット精製所の背後にある金融機関を閉鎖するという金融戦争の展開を強行するなら、北京は本格的な経済戦争を展開するのに何の支障もない、と習近平はトランプに面と向かって言う必要すらないだろう。
台湾は残された唯一の切り札ではない。台湾はそもそも切り札ですらない。台湾は北京にとっての国内治安問題に過ぎない。それ以外はすべてスピンだ。北京は、イージス艦、F-35、(非効率な)パトリオットミサイル、早期警戒機E-2Dホークアイなどを含む、台湾への110億ドル規模の武器売却を白紙に戻すようトランプを説得するかもしれない。しかし、それさえも本質的な問題ではない。
では、(縮小されたとはいえ)あらゆる大仰な演出の後に残るのは何だろうか。せいぜい、現在の、極めて不安定な現状維持である

中国の技術戦争計画
端的に言えば、トランプの狙いは、習近平にイランに対し、戦争終結に関する野蛮人側の条件を受け入れるよう外交的圧力をかけるよう強要することにある。しかし、これはあらゆる面で全く実現不可能な話だ。
仮にそれが実現したとしても、その見返りとしてトランプは「安定した」米中貿易関係、貿易休戦期間の延長、そして技術規制に関する譲歩を提示するかもしれない。習近平はどれも全く心していない。ラブロフ外相の格言通り、米国は「合意形成能力がない」ことを習近平は知っているからだ。
ひどく傷ついたBRICSのブランドは、議論の俎上にすら載らないだろう。中国は、北京でのトランプ・習会談とほぼ同時に行われるインドでの外相会合において、深刻な国内課題に別途対処することになる。
また習近平は、トランプの真の操り手――「テック・フェウダリズム」、大手銀行、そして「シオニズム・インク」の様々な後継者たち――が、今から2040年頃まで続く、段階的かつ体系的な世界大戦を企てたと疑っているかもしれない。その標的は、世界の重要なインフラ、貿易、エネルギーであり、旧来の秩序を崩壊させ、はるかに利益率の高い条件で「真のグレート・リセット」を確立することを目的としている。
これは、「人類運命共同体の構築」を目指す中国の公式政策とまさに正反対で露骨で野蛮な対極にある。習近平は、病的でサイコパスでナルシシストの肥大化したエゴをなだめるために、この政策――実際には彼自身の政策――から1ミリも逸脱することはないだろう。
習近平はすでに、3月に発表された141ページに及ぶ「14次五カ年計画」に注力している。この計画ではAIが50回以上言及され、2027年までに中国経済全体でAIの普及率70%を目標とし、宇宙・地球間の量子通信ネットワーク、核融合のタイムライン、脳・コンピュータインターフェースへの取り組みが明記されている。
この五カ年計画では、レアアースと半導体の自給自足に向けた「異例の措置」も宣言されている。これは、米軍がこれなしでは存続できないサプライチェーンを締め上げるものだ。
中国の計画は、経済全域へのAI導入、産業の基幹としてのロボット工学、宇宙インフラ、量子コンピューティング、そしてレアアース加工における支配力の全面的な強化を想定している。
これは、米国との直接対決において、国家安全保障上の優先事項レベルに達した、事実上の中国の戦争計画と呼ぶべきものだ。トランプが空虚な約束の山でこれらを少しでも変えられると信じるのは、あまりにもナイーブすぎる。
歴史的な記録が刻まれるだろう。すでに確かなことは、イランの港湾やホルムズ海峡を「封鎖」することで、台頭する超大国・中国を締め上げ、西アジア全域を戦火に巻き込みつつ、その過程で自国の経済を破綻させ世界的な覇権を維持しようとする愚行は、深く錯覚に陥った米国のディープ・ステートが生み出した数多の愚行の中でも間違いなくトップ3に入るだろうということだ
https://sovereignista.com/2026/05/13/the-emperor-has-no-clothes-and-no-cards/