櫻井ジャーナルに掲題の記事が載りました。
トランプがウクライナの停戦を目指しているのは、選挙前に「すぐに停戦を実現させられる」と豪語していたことがあるからで、実際に停戦を目指してプーチンとは何度も電話会談を行いました。
そして当初はロシア寄りの停戦案をゼレンスキーに提示したのですが拒否されました。ゼレンスキーには英国の情報機関MI6がついているし、NATOからの全面的な支援も受けているので簡単には行かないのでしょう。そもそもゼレンスキーにすれば保身上からもネタニヤフと同様に停戦を実現させたくない筈です。
トランプはその後もプーチンとは電話会談を行っていますが 思うように進展しないので、業を煮やしてプーチンに、「50日間の猶予期間(9月上旬)を与えるのでその間に停戦に向かうように」と要求し、「そうしなければロシアに対し100%の関税を課し、ロシアの貿易相手国に対しても二次制裁を発動する」と、伝家の宝刀?を抜きました。
しかし「停戦合意」については、2015年の停戦合意:「ミンスク2」協定が、ウクライナ政権軍の拡充強化のための準備期間の確保が当初からの目的であったことを、当時の西側首脳(仏と独)が近年明らかにしました。プーチンとしてはその「二の舞」は絶対に避けなければならないので、停戦の諸条件については譲れないものがあるのでしょう。
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西側の停戦要求は時間稼ぎだと認識しているロシアは攻撃の手を緩めない
櫻井ジャーナル 2025.07.16
ドナルド・トランプ米大統領は思い通りに事が進まないため、苛立っている。ウクライナにしろ、イランにしろ、アメリカ政府の情勢分析が間違っていたからだが、その不満をロシアのウラジミル・プーチン大統領にもぶつけた。トランプは7月14日、ロシア政府が自分の要求を50日以内に呑まなければ、ロシアに100%の関税をさらに課すほか、ウクライナに防空ミサイルを供与するとしている。
大統領選挙の最中からトランプはウクライナでの戦闘はすぐに終わらせると大見得を切っていたが、ロシア政府はウクライナの非軍事化と非ナチ化、そして西側諸国は凍結したロシアの資産を返還し、ウクライナに対しては中立の立場の維持と領土の「現実」を認めるように要求している。それが受け入れられなければ、軍事的に解決するという姿勢だ。「ミンスク合意」の轍を踏むことはないだろう。
しかし、トランプの関税政策は世界経済を混乱させるだけで、ロシア経済には打撃になっていない。プロレス興行におけるパフォーマンスと同じ程度の演出でロシアと戦っているようなイメージを振りまこうとしているのかもしれない。
それに対し、ロシア軍は14日から15日にかけて、ウクライナの防空システムや軍事飛行場をドローンやミサイルで攻撃した。ウクライナの公式発表でも23機以上のドローンが防空網を突破、7か所の重要インフラに打撃を与えた。
報道によると、ロシア軍はウクライナ全土の飛行場を標的にし、ムィコラーイウのマルティニフカ飛行場はドローンの攻撃で大規模な火災が発生、ザポリージャ空港では航空機格納庫と管理棟が破壊され、チェルニーヒウ郊外の飛行場も攻撃され、ジトーミルの軍用飛行場付近でも爆発が報告されている。オデッサの戦略電子情報センターには短距離弾道ミサイルのイスカンデルMが命中した。ロシア軍はアメリカ製防空システムのパトリオットだけでなく、ドイツ製のIRIS-T発射装置やP-18レーダー基地も破壊している。
オデッサは戦略的に重要な港湾都市で、西側の中にはここを拠点にして黒海を支配しようと目論んでいる国もある。2014年5月2日、キエフのクーデター政権はネオ・ナチの一団をオデッサへ送り込み、反クーデター派の住民を虐殺、その地域を制圧したが、西側にとってそれだけ重要な場所だということでもある。そのオデッサにフランス軍が入ったという話も伝えられているが、ロシア軍は容赦なく攻撃するだろう。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。