2026年4月13日月曜日

米イランチキンレースのゆくえ/日米同盟は日本にプラスか/日中友好破壊した高市首相

 米国とイランは11〜12日にかけて戦闘終結をめぐり21時間にわたって協議しましたが合意には至りませんでした。米国が放棄を求めるイランの核開発などで溝が埋まっていません。しかしトランプはイスラエルについては核の所有を認めておきながら、IAEAの視察を受け入れているイランを目の敵にして武力攻撃までするのは全く筋が通りません。
 そもそも「イラン憎し」のイスラエルの口車に載せられて不法なイラン爆撃を開始した米国とイスラエルに全ての非があります。米国の圧力には屈しないイランによって、11月に中間選挙を控えているトランプが窮地に陥るのは当然の報いです。
 植草一秀氏の直近の3つのブログを紹介します。
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米イランチキンレースのゆくえ
               植草一秀の「知られざる真実」 2026年4月13日
米国のイラン軍事侵攻がチキンレースの様相を示す。
米国とイランが完全な停戦に向けて協議をしたが物別れに終わった。
協議はパキスタンの仲介でパキスタンの首都イスラマバードで行われた。
協議は21時間に及んだが、米国代表団を率いたJ・D・バンス副大統領は、
「イランから「核兵器を追求しない」という「明確な確約」は得られなかった」
と述べた。

14日間の不安定な停戦期間終了後に何が起こるのか。不透明な状況が持続する。
仲介役のパキスタンは米国とイランに14日経過後も停戦を維持するよう求めた。
他方、イスラエルのネタニヤフ首相は4月11日に動画で声明を発出。イランへの米国との軍事作戦について「歴史的な成果を達成した」としながら、「この作戦はまだ終わっていない」と述べた。米・イラン交渉が合意に達しなかったことを受けて戦闘の再開を示唆したものと見られる。

米国はイランの核開発の完全阻止を狙う。しかし、イランの核開発には重要な背景がある。
イスラエルがすでに核保有国になっていることだ。イスラエルは核保有を肯定も否定もしないが、すでにイスラエルが核保有国になっていることは「公然の秘密」である。
米国は「核拡散防止」の観点からイランの核開発を糾弾し、攻撃している。しかし、米国はイスラエルの核保有について追及しない。
イランが核開発の意思を有する最大の理由はイスラエルがすでに国保有国であること。イスラエルの脅威に対抗するには核保有が必要不可欠。これがイランの判断である。

米国が「核拡散防止」の観点からイランの核排除を追求するなら、その前にイスラエルの核を除去すべきだ。イランの核開発を絶対に阻止しつつ、イスラエルの核保有を容認するのは根本的な矛盾。
世界は「正義と公正」の基準で動いていない。結局は「力による支配」。「ジャングルの掟が支配している」ということになる。

停戦が崩壊して戦争が拡大、長期化すれば何が起こるか。原油価格がさらに高騰するだろう。
米国でもガソリン価格が高騰する。米国内で米国のイラン軍事侵攻を支持する声は小さい。
他方、ガソリン価格高騰はトランプ失政の結果だと受け止められる。
このまま進めば11月中間選挙でのトランプ共和党の大敗は避けられない。トランプ大統領のレームダック化が一気に進行する。
この点を踏まえると、このチキンレースで先に白旗を上げるのはトランプ大統領ということになるだろう。Trump Always Chickens Out.”「トランプはいつも怖気づいて退散する」ということになる。

イランはホルムズ海峡封鎖を継続する。しびれを切らしたトランプがイランの石油施設、発電施設への大規模攻撃を実行しても、イランは頑強に抵抗を続けることになるのではないか。
戦争は泥沼化して原油価格はさらに高騰。米国でのトランプ支持はさらに暴落するのではないか。かくしてトランプ大統領は最終的に白旗を上げるしかなくなるのではないか
(お願い)
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日米同盟は日本にプラスか
               植草一秀の「知られざる真実」 2026年4月11日
国際社会にルールがある。基本は国連憲章。武力の行使と武力による威嚇を禁止している。
例外は二つ。国連安保理が決議した場合。自衛権を行使する場合。
自衛権には個別的自衛権と集団的自衛権がある。

世界の軍事技術でもっとも強い威力を有するのが核兵器。
核兵器保有についてルールがある。不平等条約だがNPT=核拡散防止条約というルールがある。核兵器の保有を第二次大戦の戦勝五か国(米ロ中英仏)に限定する。これ以外の国の核保有を認めない。

もう一つの大きな柱が「平和共存五原則」
1954年に中国の周恩来首相とインドのネルー首相が提唱した。
領土と主権の相互尊重 相互不可侵 相互内政不干渉 平等互恵 平和共存
米ソ冷戦下の第三世界の行動指針となった。

核兵器の使用が抑止されるメカニズムが「相互確証破壊」
核攻撃が行われる際、攻撃を受けた側が反撃の核攻撃を行う力を確保することにより、核兵器による先制攻撃を抑止する。核攻撃を行っても、攻撃を行った側が相手側からの反撃の核攻撃を受けることが明らかな場合、核先制攻撃の実行が抑止される

集団的安全保障体制は核兵器を保有しない国が核兵器を保有する国と軍事同盟を結ぶことにより、他国からの軍事攻撃を抑止することを目的に創設される場合が多い。
核兵器はそれだけの威力を有する。本来は核兵器の廃絶が求められる。核兵器ほど非人道的な兵器は存在しない。
しかし、威力が強い武器であるからこそ、核を保有する国は核を手放そうとしない。
核兵器があれば敵の自国への攻撃を思いとどまらせることができる。

国連憲章とNPTと平和共存五原則。これによって世界秩序が保たれている。
しかし、このシステムが有効に機能するために絶対必要な前提条件がある。
それは、核保有国が侵略戦争を行わないこと。核保有国は軍事上の優位を保持する。

核保有国が侵略戦争を行えば被侵略国は太刀打ちできない。核保有国が侵略戦争を行うなら、すべての国が核保有に突き進む。NPT体制は崩壊せざるを得ない。
米国のイラン攻撃はこの意味を有する。トランプ大統領が指揮したイラン軍事侵攻は明白な国際法違反、国連憲章違反行為である。そのトランプ大統領が「国際法は関係ない」と述べた。第二次大戦後の世界秩序を破壊する発言であると言える。

国際社会が連携してトランプの暴走を抑止する必要がある。
事実、多くの国がトランプ大統領の行動を国際法違反であるとして非難した。
その隊列を崩したのが高市首相。高市首相とトランプ大統領は国際社会のはみ出し者である。

その米国と同盟関係を保持することは賢明でない。米国は侵略戦争を肯定する。
その米国と同盟関係にあれば日本が被侵略国からの攻撃を受ける可能性が生じる。
日本の平和と安定は米国との同盟関係からはもたらされないと言える。

続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」4390号
「捨て駒にされるだけの日本」 でご高読下さい。
                 (後 略)


日中友好破壊した高市首相
               植草一秀の「知られざる真実」 2026年4月11日
高市外交が日本経済に災厄をもたらす。
日本外交の基軸は日米外交と日中外交。日中外交と結びつくのがグローバルサウスとの関係。高市首相はただひたすら米国に媚を売る。媚米外交、朝貢外交。
日米同盟一本やりは日本の平和と繁栄をもたらすものなのか。再考が必要。

日本は歴史的な分岐点に立っている。反米になる必要はない。良好な日米関係を維持するべきである。
しかし、現状は対米隷属である。日本は米国の僕(しもべ)。高市首相の訪米が日本の僕ぶりを鮮明に示した。一国の首相であるから威厳をもって振る舞うべきだ。
トランプ大統領に抱きついたり、腰に手を回したり。日本の品格が疑われる

高市首相が口にしたのは歯の浮くような美辞麗句。「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドしかいない」
世界中の平和と繁栄を破壊しているのがトランプである。日本は米国の僕。
日本は米国の植民地だから宗主国の大統領に諫言(かんげん)するなどもってのほか。
ひたすら媚を売り、トランプにおべんちゃらを提示するだけで終わった。

自衛隊をペルシャ湾に派遣することを拒絶したのは憲法第9条の力。
憲法9条が高市首相の暴走を防いだ。これが立憲主義である。
権力の暴走を防ぐ最大の防波堤が憲法である。憲法第9条の価値は大きい

米国は世界最大の「ならず者国家」。ベネズエラ、イランはどちらも米国による侵略戦争。
憲法9条の防波堤がなければ、日本は米国の国際法違反行為への加担を強要される。
高市首相は9条がありながら自衛隊のペルシャ湾派遣に前のめりだったという。
官邸官僚が何とか高市首相の暴走を抑止したと伝えられている。
高市首相は立憲主義そのものを破壊しかねない危険性を内包する。

「ならず者国家米国」の僕(しもべ)からの脱却を検討するべきだ。
媚米外交、朝貢外交の高市首相の退場が求められる。
米国への隷従を続ければ、いずれ日本は米国が創作する戦争に巻き込まれる
米国軍産複合体は極東で戦争が勃発することを大歓迎。巨大な利益を獲得できる。
日本は多大な犠牲を強いられる。米国との関係をゼロから見直すべきだ。

他方、高市首相は日中関係を破壊した。11月7日の衆院予算委での高市発言は日中友好関係を構築したこれまでの外交の積み重ねを一気に破壊するものだった。
高市首相の「どう考えても存立危機事態」という発言が完全にアウトなのだ。
「あらゆるケースを想定しても存立危機事態になる」との意味になる。

台湾有事が起これば日本は中国と戦争をするということ。中国政府が激怒して当然。
発言を撤回して謝罪しなければならないところ、高市首相は逆ギレしている。
このために日中関係が過去最悪の状況に転落している。

続きは本日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」4389号
「日本外交破壊する高市首相」 でご高読下さい。
                  (後 略)