2022年7月3日日曜日

岸田首相が軍拡公約 NATO会議 力対力 世界を分断(しんぶん赤旗)

 29~30日にマドリードで開かれたNATO首脳会議では、向こう10年間の行動指針で、ロシアを安全保障の「最大で直接的な脅威」と位置付け危機に対応する即応部隊を現在の4万人から30万人に増強することで合意しました。中国にも初めて言及し、「野心や威圧的な政策はNATOの利益や安保、価値観への挑戦」だと強調しました

 ストルテンベルグ事務総長は、軍事費について既に9カ国がGDP比2を達成し、19カ国が24年までの達成を見込み、5カが24年以降の達成を指しているとして「2目標」が「上限ではなく下限になってきてい」と強調しました。
 2次世界大戦後の1949年にソ連の脅威に対抗するとして創設されたNATOは1991年のソ連崩壊で本来の役割を終えた筈でしたが、いまや巨大な軍事組織に生まれ変わろうとしています。
 そんな異常とも言うべき盛り上がりに反して、首脳会議前には「軍事でなく医療や教育に予算を」と訴える若者らが抗議行動を展開し、26日には数千人が市内をデモ行進しました。
 また国の『タイム』誌29日号は「NATOの強大化が世界の敵対勢力同士の分断」をもたらすとの専門家の分析を紹介し、NATOの対ロシア戦略と同様に、アジアが中の封じ込めに集中すれば「中国が軍事同盟の外で孤立し、それを破壊する以外に選択肢がないと判断する危険性が出てくる」と警鐘を鳴らしました。いずれも重要な指摘です。

 岸田文雄首相は日本の首相として初めてNATO首脳会議に出席しました。しんぶん赤旗が「日本『準加盟」という中見出しをつけて首相の発言要旨を報じました。
 以下に箇条書きで示します。
 ・中国を念頭に、インド・太平洋地域におけるNATOとの軍事連携を強化する
 ・AP4(日韓豪NZの連携)はNATO理事会会合に定期的に参加する
 ・NATO本部に自衛官派遣相互の軍事演習への参加拡充する
 ・核軍縮の取り組みにおいてNATO諸国と協力する
 米国の意向に迎合して日本の近隣諸国である中国・ロシアをそこまで敵視するのが、本当に日本の安全に結びつくことなのか、一体どこの国のトップなのかと思うほどの、憲法9条が実質なくなっているかのような発言の数々はどうしたことでしょうか。米国の意中を行けばそれでいいという思考以外は持ち合わせていないかのようです。
 それだけにレポーター2人の冷静な筆致と指摘が光る記事になっています。

 関連して新外交イニシアティブ代表猿田佐世さんが、「『民主主義 対 専制主義』世界不安定に」という記事を寄せています。
 彼女は「ロシアのウクライナ侵略からの最大の教訓は軍事同盟抑止力の強化で戦争が防げなかったこと、また、絶対に戦争を起こしてはならないということです。
 戦争回避のために最も重要なのは外交であり、憲法9条がある国として、外交の重要性を喚起していくべきです」と指摘しています。
 以下に2つの記事を紹介します。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
首相が軍拡公約 NATO会議 力対力 世界を分断
                        しんぶん赤旗 2022年7月2日
 マドリードで6月29、30両に開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議は、向こう10年間の行動指針を示す「戦略概念」で、ロシアを安全保障の「最大で直接的な脅威」と位置付けました。中国にも初めて言及し、「野心や威圧的な政策はNATOの利益や安保、価値観への挑戦」だと強調岸田文雄首相は日本の首相として初めてNATO首脳会議に出席し、軍事同盟強化と大軍拡を表明しました。ロシアのウクライナ侵略を契機とした「力対力」の流れが強まり、際限ない軍拡が緊張を高めるとの懸念も指摘されています。

中・口を名指し
 1991年のソ崩壊後、NATOが特定の国を「脅威」と位置づけたのは初めてです。新戦略概急は「ロシアの脅威と敵対的行動に対して団結」するとして「すべての同盟国のために抑止力と防衛力を大幅に強化する」と強調。パイデン米統領はポーランドヘの常設の陸軍司令部新設など、欧州での軍事力増強を表明し、NATO首脳は危機に対応する即応部隊を現在の4万人から30万人に増強することで合意しました。
 加盟各国の事費も急増しています。NATOのストルテンベルグ事務総長は、既に加盟9カ国が国内総生産(GDP)比2の目標を達成し、ドイツを含む19カ国が24年までの達成を見込んでいると指摘。スペインをはじめ5カが24年以降の達成を指しているとし「2目標」が「上限ではなく下限になってきてい」と強調しました。
 会議では、北欧のフィンランドとスウェーデンの加盟手続き開始でも合意。各国が承認すれば23年までに加盟する可能性があります。ロシアのリャプコフ外務次官はNATO拡大が「事態を不安定化させる」と反発。一方、ストルテンベルグ氏は記者会見で「この事態を招いたのはロシアだ」と批判しました。

 米『タイム』誌(6月29日号)は、NATO拡大で緊張の高まりをすぐに抑えることはできないと指摘。NATOの強大化が「世界の敵対勢力同士の分断」をもたらすとの専門家の分析を紹介しました。
 また、日本をはじめアジアのパートナー国が首脳会議に参加したことに関し「日本と韓国がNATO連携すればするほど、中国はロシアと連携するようになる」(米ブラウン大学のライル・ゴールドスタイン客員教授)との発言を引用。NATOの対ロシア戦略と同様に、アジアが中の封じ込めに集中すれば「中国が軍事同盟の外で孤立し、それを破壊する以外に選択肢がないと判断する危険性が出てくる」と警鐘を鳴らしました。

 首脳会議前には「軍事でなく医療や教育に予算を」と訴える若者らが抗議行動を展開しました。26日には数千人が市内をデモ行進。27日には「ソフィア王妃芸術センター」内で、ナチスドイツの爆撃の悲惨さを伝える絵「ゲルニカ」の前に横たわり「戦争は人や芸術の死を意味する」と訴えました(マドリードー桑野白馬)

「日本準加盟」へ
 「今日のウクライナは明日の東アジアだ」岸田文雄首相は中国を念頭に、インド・太平洋地域におけるNATOとの軍事連携強化を表明しました。
 NATOアジア太平洋パートナー(AP4)」の日韓豪とニュージランドの会合(6月29日)は、「インド・太平洋地域と欧州の安全保障は不可分だ」との認識を確認。岸田首相は同日のNATO拡大会合でインド太平洋への関与を強めるNATOの方針を歓迎し、AP4NATO理事会会合への定期的な参加を主張しました。
 さらに、「日NATO国別パートナーシップ協力計画」の進展、NATO本部への自衛官派遣や相互の軍事演習への参加の拡充にも言及しました。軍事費の2倍化=「GDP比2以上」を掲げるのも、NATO基準の「GDP比2」に足並みをそろ、事実上NATOの準加盟国化を進める狙いが透けて見えます。
 また、安保法制の発動対象が、米国だけでなくNATOにも拡大する危険があります。一方、ロシアと中国も軍事ブロック化の動きを強め、日本周辺での活動を活発化させており、日本のNATOとの連携強化が「軍事対軍事」の悪循環を強めています
 岸田首相は「核軍縮の取り組みにおいてもNATO諸国と協力していきたい」とも述べました。しかし、NATOは新戦略概念で、いざとなれば核の使用をためらわないとあらためて強調しており、首相が主要7ヵ国(G7)サミットで表明した「核兵器のない世界」と逆行しています。「協力」を言うのなら、せめて、核兵器禁止条約締約国会議に参加したNATO加盟国と足並みをそろえるべきです。 (マドリード=石橋さくら)


「民主主義  専制主義」世界不安定に
        新外交イニシアティブ代表 猿田佐世さん
                         しんぶん赤旗 2022年7月2日
 NATOが詐シア・中国への対決姿勢を鮮明にし、日本が明確に「NATO側」についたことで、さらに「民主主義対専制主義」の分断を強めることを懸念します。
 NATOが「民主主義陣営」を標ぽうし、世界の主流のようにふるまっていますが、実際は、同じ立場″を共有する国は多数ではありません。東南アジア諸国は「米中どちらがを選」と迫られることに困惑しています。日本も中国をはじめさまざまな価値観の国々と関係を保ち、経済を維持してきました。
 民主主義や人権が普遍的な価値観であることは当然ですが、押しつけるのでは広がりもありません。世界を分断することで、今後の世界経済や温暖化・感染症など地球規模の諸課題解決に否定的な影響を与え、世界の安保環境もより不安定になることに、もっと危機感を拵つべきです。
 ロシアのウクライナ侵略からの最大の教訓は軍事同盟抑止力の強化で戦争が防げなかったこと、また、絶対に戦争を起こしてはならないということです。戦争回避のために最も重要なのは外交であり、憲法9条がある国として、外交の重要性を喚起していくべきです

「社民・共産・れいわ」が必死の訴え!〜激戦区「東京選挙区」

 参院選の中盤を迎えた7月2日(土)最大の激戦区である「東京選挙区」では社民・共産・れいわ各候補が猛暑のなか必死の訴えをしました。「レイバーネット日本」の記者が野党系候補の街宣現場を駆け足で回りレポートしました。

 街宣の一部が動画で紹介されています。
 また記事には9枚のスナップ写真が添えられていますが割愛させて頂きました。
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「社民・共産・れいわ」が必死の訴え!〜参院激戦区の「東京選挙区」を行く
                       レイバーネット日本 2022-07-03
    動画(社民党 6分) 
      動画(共産党 4分) 
      動画(れいわ 3分)

 今回の参院選の最大の激戦区である「東京選挙区」。中盤を迎えた7月2日(土)には、各候補は猛暑のなか必死の訴えをしていた。記者は野党系候補の街宣現場を駆け足で回った。

 12時から千歳烏山の商店街で街宣をしたのは社民党。立候補する福島みずほ党首(比例)と服部良一幹事長(東京選挙区)応援には佐高信、保坂展人、浅倉むつ子の各氏が駆けつけた。佐高信氏(写真下)の危機感は強かった。
「こうした表現の自由も最後になるかもしれない」と前置きし、「攻められたらどうすると政治家が言っている。外交力を使って攻められないようにするのが政治家の役割。とんでもない話だ。国防費を増やせば国民の生活が守られるような幻想が広がっているが、これもウソ。自衛隊のトップが、“自衛隊は国民の生命と財産を守ると誤解している人がいる”とはっきり言っている。先の中国との戦争では、関東軍が住民を置き去りにして真っ先に逃げたが、それが軍隊の本質だ。だまされてはいけない」。
 福島候補と服部候補は「九条を変えさせてはならない。“がんこに平和、暮らしが一番”の政治をするためにも、国会に社民党が必要」と訴えた。地元、世田谷区長の保坂展人氏も熱い連帯スピーチを行った。

 最後の一議席を争っていると言われる共産党の山添拓候補。夕方、立川駅北口ロータリーで行われた街宣に行って驚いた。人、人、人の波で文字通り歩道橋はすずなりになっていた。志位和夫委員長の40分ちかい応援演説は迫力があった
 日本共産党はことしの7月に創立100年を迎えるという。志位委員長は力説した。「100年で党名を変えなかったのはわが党だけです。他の党は戦時下に解党して『大政翼賛会』に入って戦争協力をした。だから戦後名前を変えざるとえなかったのです。共産党は、迫害に耐えながらも命がけで戦争反対を貫きました。そして、共産党が考えていた方向が正しかったことは、戦後にうまれた日本国憲法が証明したのではないでしょうか。きょうこのことを話したのは、いままた翼賛政治の再来の危険な動きがあるから」そして「山添さんの勝利、比例5人の勝利に向けて力を貸してください」と締めた。

 れいわ新選組の夜の街宣が、池袋西口で開催されていた。度肝をぬかれたのは、「盆踊りダンスパーティ」だったことだ。やぐらが組まれ、提灯が飾られ、踊り子もプロで、本格的盆踊り大会だ。西口広場もほとんど埋め尽くされていた。社民・共産の聴衆が圧倒的にシニア層だったのに比べ、れいわは若かった。とくに女性が多くスマホをかざして、楽しんでいる姿が目についた。
 れいわの主張はいろいろあるが、自然エネルギーにシフトし産業構造の転換で雇用創出をはかる「脱原発!グリーンニューデール」が新鮮だった。この日は、社民・共産・れいわの街宣を回ったが、3党派とも「改憲・格差」に反対する野党であり、いっそうの奮闘を期待したい。(M)

〔追記〕以下は移動の途中に遭遇した「都民ファーストの会」の街宣。小池百合子知事も来ていて、人はそれなりに集まっていたが熱気は感じられなかった。

03- 米従属で日本は露・中と戦争状態 サハリン2問題は序の口(櫻井ジャーナル)

 櫻井ジャーナルが「米国に従う日本は露国や中国と戦争状態にあり、サハリン2の問題は序の口」という記事を出しました。
 いま米国の主導の下、欧米を中心にロシアに対してありとあらゆる経済制裁を科しています。ロシアがウクライナに侵攻したのは厳しく批判されるべきことですが、こうした制裁のあり方が正しいと言いきれるのかは疑問です。特にロシアの侵攻を熱心に煽った米国が行えるのかという点で、そうです。
 いわゆる欧米勢力の一員と自覚している日本は制裁のすべてに賛成しているのですから、ロシアから見れば「非友好国」であるのは議論の余地がありません。ロシアは欧米を中心とする数十か国を相手にしているのですから必死にならざるを得ず、「サハリン2」の事業主体をロシア政府が新たに設立する企業に変更するというのは、対抗措置としてあり得ることでした。櫻井ジャーナルはこれは序の口と覚悟すべきだとしています。
 日本は米国に追従して,中国に対してもいまや明確に敵対国になっています。
 それにしても対中、対韓、対露という近隣諸国との関係において、日本は敵対行為を行っていることの自覚はあるのでしょうか。
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米国に従う日本は露国や中国と戦争状態にあり、サハリン2の問題は序の口
                         櫻井ジャーナル 2022.07.03
 ウラジミル・プーチン露大統領が6月30日に署名した大統領令によって、ロシアのサハリンで石油や天然ガスを開発するプロジェクト「サハリン2」の事業主体をロシア政府が新たに設立する企業に変更、その資産を新会社に無償で譲渡することになったようだ。アメリカのジョー・バイデン政権が始めたロシアに対する経済戦争に対する反撃のひとつだと言えるだろう。
 アメリカ政府は影響下にあるロシアの金や外貨を凍結、エネルギー資源をはじめとする貿易を制限し、SWIFT(国際銀行間通信協会)からのロシア排除も決めた。この経済戦争で日本やEUはアメリカに加担、ロシア政府から「非友好国」と見做されるようになった
 この経済戦争は短期的に見ると、2013年11月から14年2月にかけてバラク・オバマ政権がネオ・ナチを利用して行ったクーデターから始まっている。このクーデターでウクライナの東部や南部を支持基盤とするビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除、ヤヌコビッチを支持していた国民はクーデター政権を拒否した。
 クーデターの背後にアメリカが存在していることからクリミアの住民は住民投票を経てロシアとの統合を選んだ。ドネツクは自治を、ルガンスクは独立をそれぞれ住民投票で決めたのだが、クーデター政権が送り込んだ部隊と戦闘になる。この時にロシアは目立った動きをせず、ドンバス(ドネツクとルガンスク)で戦争が続くことになった。
 その後、アメリカ/NATOはクーデター体制に兵器を供給、兵士に対する軍事訓練を続けてきた。特殊部隊が実際の戦闘にも参加しているとみられている。
 そして今年2月19日、ウクライナの政治家である​オレグ・ツァロフは緊急アピール「大虐殺が準備されている」を出し、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領がごく近い将来、ドンバスで軍事作戦を開始すると警鐘を鳴らした​。
 そのアピールによると、キエフ政権の軍や親衛隊はこの地域を制圧しようとしているとされていた。ドンバスを制圧し、キエフ体制に従わない住民(ロシア語系住民)を「浄化」、SBU(ウクライナ保安庁)はネオ・ナチと共同で「親ロシア派」の粛清を実行することにもなっていたという。
 後にロシア軍が回収した文書によると、​ゼレンスキーが1月18日に出した指示に基づいて親衛隊のニコライ・バラン上級大将が1月22日に攻撃の指令書へ署名、ドンバスを攻撃する準備が始まった​。2月中に準備を終え、3月に作戦を実行することになっていたとしている。この情報が正しいなら、その直前にロシア軍がウクライナを攻撃し始めたことになる。その反撃を口実にして、バイデン政権はロシアに対する「制裁」を始めたわけだ

 日本はアメリカの経済戦争に参加しているが、それだけでなく軍事的な同盟関係を強化している。アメリカ軍は2018年5月に「太平洋軍」を「インド・太平洋軍」へ作り替え、日本を太平洋側の拠点、インドを太平洋側⇒インド洋側?の拠点、そしてインドネシアを両海域をつなぐ場所だとしたものの、インドとインドネシアはアメリカと一線を画している。明確に従属しているのは日本だけ
 日本はアメリカ、オーストラリア、そしてインドと「クアッド」と呼ばれる軍事同盟を結んだが、インドは腰が引けているので、アメリカとしては信頼できないだろう。そこでアメリカ、イギリス、オーストラリのアングロ・サクソン系3カ国は2021年9月に「AUKUS」という軍事同盟を結んだ。この同盟に日本は接近、その日本の総理大臣である岸田文雄は6月29日から30日にかけてスペインで開かれる予定のNATO(北大西洋条約機構)首脳会議に出席した
 アメリカ国防総省系のシンクタンク「​RANDコーポレーション​」は今年、アメリカのGBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲する戦略について分析している。
 インド・太平洋地域でそうしたミサイルの配備はオーストラリアも嫌がっているようで、結局、ミサイル配備を容認する国は日本しかないという結論に達したようだ。その日本には「専守防衛」の建前と憲法第9条の制約があるため、アメリカはASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備に協力するという案をRANDは提示している。


 その提案を先取りする形で日本の自衛隊は南西諸島に基地を建設してきた。2016年に与那国島、奄美大島、宮古島に施設を建設、23年には石垣島にも建設する予定だ

 こうした日米の軍事的な連携は1995年2月に「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」が発表されてから強化されている。この報告の基盤になったのが1992年2月に国防総省で「DPG草案」という形で作成された世界制覇プランだ。このプランがポール・ウォフロウィッツ国防次官を中心に書き上げられたことから「ウォフロウィッツ・ドクトン」とも呼ばれている。国連中心主義を掲げていた細川護熙政権にナイ・レポートは突きつけられた。アメリカに従えば良いという通告でもある。
 この時、最初に動いたのはマイケル・グリーンとパトリック・クローニンのふたり。カート・キャンベルを説得して国防次官補だったジョセイフ・ナイに接触し、ナイは1995年2月に報告を発表したのだ。現在、キャンベルはアメリカの東アジア政策を指揮している。
 ウクライナだけでなく、東アジアもネオコンに支配されていると言えるだろうが、駐日アメリカ大使を見てもそれは推測できる。昨年12月に就任、3月に着任したラーム・エマニュエルは筋金入りのネオコン/シオニストで、「ランボー」と呼ばれるほどの人物だ。イスラエル軍の軍人だったことがあるともいう。日本は中国やロシアに対して敵対的な姿勢を維持するよう、アメリカに強いられているはずだ。日本の政治家や官僚もエマニュエルに脅されている可能性がある。
 すでにアングロ・サクソンは中露と戦争状態にある。プーチンは穏やかに収束させようとしていたが、米英を増長させただけだった。こうした状態の中、アメリカへの従属を隠していない日本はロシアから「非友好国」だと見做されている。サハリン2の問題は序の口だろう

2022年7月2日土曜日

戦犯は幹事長 どんどん票が減っている 自壊が続く自民党(日刊ゲンダイ)

 今度の参院選では、早い段階で自民や維新が大幅に議席を伸ばすという予想(朝日など)が発表されました。しかし後半戦に入ると潮目が変わり、無策の岸田政権に対して野党が物価高対策として掲げている“消費税減税”が説得力を持ち始めています。当然維新に対しても順風ではなくなりました。

 岸田政権は物価対策が皆無で消費税の減税も断固拒否する一方で、軍事費だけは5年以内に総額11兆円以上に増大させることを目指しています。さらに戦争に対する歯止めをなくすために憲法の改悪も早く行うというのですから、これでは国民が納得する筈がありません。
 取り分け茂木幹事長NHKの番組で、「消費税減税なら年金は3割カットだ」と国民を恫喝するに至っては有権者が怒らない方がどうかしていて、本来ならこれだけでも自民が大敗して当たり前です。

 日刊ゲンダイは、「カギは物価高に対する国民の不満がどこまで広がるのか、有権者の怒りが投票につながるのかどうかだ」としています
 そして古い話ですが、1998年の参院選で自民党が大敗した事例を紹介しています(当時、世論が如何に鋭敏であったかということを改めて実感したものです。ここでは若い人たちにも分かるように原記事を補足して記述します)。
 1998年の参院選中に当時の橋本龍太郎首相が、所得税の減税について「特別減税のようなものではなく恒久的な税制改革として・・・」と発言し 恒久減税を明言したと受け取られたのですが、2日後のTV番組でその財源を追及されると「恒久減税」という言葉は使っていないと逃げました。それで「迷走」と批判されたので、3日後の記者会見で改めて99年からの所得税の恒久減税」を明言したのですが、有権者の不信感は払拭出来ず、結局怒りの批判票で空前の投票率となって自民党は改選61議席を45議席に激減させたのでした。
 日本がいま急角度で戦前の軍国主義に向かおうとしている時に、それへの怒りを「ここで再現して見せて」欲しいものです
 日刊ゲンダイの2つの記事を紹介します。
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目下の戦犯は幹事長という大笑い どんどん票が減っている 自壊が続く自民党
                           日刊ゲンダイ 2022/7/1
                        (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 自民党の圧勝だとみられていた「7.10参院選」。序盤の朝日新聞の情勢調査でも、自民党は現有の「改選55議席」から「66議席」に大きく議席を伸ばすと予測されていた。
 ところが選挙戦の後半に突入し、潮目が変わりはじめている。「物価高」が最大の争点になり、対策を打たない岸田政権に対して有権者の不満が広がっているのだ。
 共同通信の調査(6月26~28日)によると、物価高への首相の対応について「十分だとは思わない」は79.8%だった。東京新聞の調査(25~26日)でも、「日常生活で物価高の影響を感じる」が88.9%に達し、岸田政権の経済政策を「評価しない」が57.3%、投票先を決める時に重視するのは「物価高・景気」が26.0%で最多だった。
 さらに、NHKの調査(24~26日)によると、参院選で「与党の議席が増えた方がいい」は24%、「野党の議席が増えた方がいい」は28%と、野党の議席増を期待する有権者の方が多かった。

 自民党の候補者も、世論の変化に慌てはじめているという。現在、情勢はどうなっているのか。選挙情勢に詳しいジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう言う。
「自民党にとって苦しいのは、野党が物価高対策として掲げている“消費税減税”が、説得力をもちはじめていることです。選挙区を回ると、有権者から『やっぱり消費税率を下げた方がいいのじゃないか』という声が上がりはじめている。物価高に苦しむ有権者が多いのでしょう。風は野党に吹きはじめている。勝敗を決する32ある1人区も、野党の共闘が不発に終わったため、自民党が大勝するとの声が強かったが、意外にも野党が善戦している。当初、自民党が落とすのは、青森、岩手、山形、長野、沖縄の5選挙区程度とされていましたが、新潟、山梨、大分も野党が勝利する可能性が出ています
 岸田政権の物価対策を批判する地方紙もあらわれている。「物価高」への不満と「消費税減税」を求める声が大きくなれば、宮城、福島、岡山、愛媛といった自民党が強い1人区も情勢が変わる可能性がある。

物価高に無策の岸田首相
 実際、物価高で国民の生活は限界にきている。なのに、岸田首相はロクに何もやっていないのだから、国民が怒るのは当然である。
 値上げラッシュは深刻だ。食品では、食パンや缶詰、ポテトチップスなどが2度目の値上げを予定している。帝国データバンクの集計によると、主要食品会社の7~8月の値上げは、定番商品を中心に4229品目で実施されるという。年内累計では最終的に2万品目を超える可能性が高い。
 円安も放置したままだ。とうとう、24年ぶりに137円台に下落してしまった。この先、輸入物価が上がるのは避けられないだろう。
「米原油先物相場の平均が1バレル=110ドル程度で、円相場が平均で1ドル=135円程度で推移した場合、今年の家計の出費は2人以上の世帯で、前年比6万5000円程度増えると試算されています。賃金が上がる見込みがないため、負担感はさらに増す可能性があります」(アナリスト)
 それなのに、岸田は「世界が7~9%の物価高騰に苦しむ中、日本は2%程度に抑えられている」と胸を張り、効果不明の「節電ポイント制度」なんて打ち出しているのだから、国民の多くが不満を抱くのは当たり前の話だ。

火に油を注いだ「年金3割カット」発言
 国民が岸田自民党に不満や怒りを募らせているのは、物価対策だけじゃないだろう。なにしろ、怒りに火をつけるような出来事が頻発している。
 茂木幹事長は「消費税減税なら年金は3割カットだ」と国民を恫喝しているのだから、有権者が怒らないはずがない。
 NHKの日曜討論で、野党各党から物価高対策として消費税の減税や廃止を求められると、「消費税を下げるとなると、年金財源を3割カットしなければなりません」と吐き捨てている。さすがにネット上でも〈年金を人質に取った脅し〉〈国民に対する脅迫だ〉と批判が噴出している。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)がこう言う。
「そもそも、消費税が社会保障のために使われているという主張は大ウソです。消費税は使途が決められた目的税ではありません。実際、消費税が8%から10%に引き上げられる8カ月前の2019年1月の衆参本会議で、当時の安倍首相は『増税分の5分の4を借金返しに充てていた消費税の使い道を見直す』と発言し、社会保障費ではなく、借金返済に回されていたと明らかにしています。どうして茂木幹事長は、国民の感情を逆なでするようなことを口にしたのか。完全に墓穴を掘っています」

 さらに、6月30日には、自民党の国会議員による議員懇談会の会合で、「同性愛は精神障害で依存症」などとLGBTを差別する内容の冊子が配布されていたことが発覚している。冊子が配られたのは、自民党議員が集まる「神道政治連盟国会議員懇談会」の会合。懇談会には、岸田首相や安倍元首相を含む200人以上の自民党議員が会員として名を連ねている。冊子には〈(同性愛は)後天的な精神の障害〉〈回復治療や宗教的信仰によって変化する〉といった同性愛者を蔑視する言葉が書き連ねてあった。
 心ある国民は、自民党に対して強い怒りと嫌悪感を持ったに違いない。
 さらに、18歳の女子学生に酒を飲ませた「パパ活」問題がくすぶる吉川赳衆院議員も“雲隠れ”したままで、結局、夏のボーナス286万円が支給されてしまった。
「LGBTの蔑視など、世界の潮流から逆行する考え方で、時代錯誤にも程がある。また、18歳女性とのパパ活など言語道断です。政策の是非以前の問題で、自民党には人としての資質を欠いた恥ずかしい議員ばかりが集まっている印象です。さすがに有権者も、そんな政党に政治を任せていいのか、と思い始めているでしょう」(五十嵐仁氏=前出)
 もともと腐敗堕落の破廉恥政党が、長い選挙戦で次々と馬脚をあらわしている格好だ。自民票がどんどん減っている。

投票率が結果を決める
 はたして、選挙結果はどうなるのか。
 カギは物価高に対する国民の不満がどこまで広がるのか、有権者の怒りが投票につながるのかどうかだ。
 1998年の参院選、盤石だとみられていた自民党が、橋本首相の「恒久減税」発言をきっかけに大敗したのも、火がついた有権者がどっと投票所に足を運んだからだ。過去10回の参院選のなかで最高の投票率を記録している。
 いま、岸田自民党に対する国民の怒りは鬱積している。有権者が一票を行使すれば、選挙結果は劇的なものになるのではないか。
「岸田自民党は、消費税減税を求める国民に対して『だったら年金は3割カットだ』と凄む一方、軍事費は2倍にするとムチャクチャなことを口にしている。国民が不満をためているのは間違いないでしょう。ただし心配なのは、安倍政権以降、政治に期待するのを諦めてしまったのか、不満を持ちながら選挙になっても棄権する有権者が増えていることです。もし、7.10参院選で自民党が勝利したら、この先3年間、国政選挙は行われない可能性が高い。はやくも岸田周辺は“黄金の3年間”などとはしゃいでいる。有権者は、この参院選を貴重な機会だということをよく考えるべきです」(政治評論家・本澤二郎氏)

 選挙戦の後半に突入し、潮目は変わりはじめている。有権者は絶対に投票所に行き、怒りの一票を投じるべきだ


12選挙区で野党に逆転の目! 参院選「期日前投票」激増、物価高騰に“怒りの一票”爆発
                          日刊ゲンダイ 2022/06/29
 投票日まで2週間を切った7.10参院選。大手メディアの序盤の情勢調査は、どこも「自民圧勝」だ。しかし、選挙期間の長い参院選は風が変わりやすい。選挙関係者が密かに注目しているのが「期日前投票」が急増していることだ。有権者が怒りの一票を投じている可能性がある。
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 期日前投票が好調だ。3年前の参院選に比べ、各地で大きく増えている。
 京都で2.2倍、岩手で2倍、山形、宮城、香川で約1.5倍だ。なぜ激増しているのか。ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう言う。
「投票日に外出などの予定があるため、期日前投票する人は、いつも投票に行く有権者。コロナが落ち着き、投票日に予定が入っている有権者が増えているのは間違いないでしょう。ただ、コロナ前の3年前の参院選に比べても増えているということは、普段は投票しない有権者が期日前に足を運んでいるとも考えられます。物価高騰への不満から期日前に票を投じている有権者も少なくないでしょう」
 盛り上がりに欠ける参院選だが、選挙の争点が「物価高」と「消費税減税」に絞られ、有権者が関心を持ち始めているとも指摘されている。
 岸田政権は物価高騰に対して無策だ。野党が訴える消費税減税についても、自民党の茂木幹事長は「(消費税を)下げるとなると年金財源を3割カットしなければならない」と消費税減税を望む高齢者を恫喝し、〈年金3割カット〉がトレンド入りしている。大炎上中だ。

与野党の違いは消費税減税
「消費税減税を拒む与党と推す野党と、物価対策は与野党の違いがハッキリしています。今後、岸田政権の物価対策への不満が拡大すれば、序盤優勢だった与党候補が追い上げられてもおかしくありません」(鈴木哲夫氏)
 現在、与党候補が先行しているが、野党に逆転を許す可能性があるのは12選挙区(表)。

 

北海道

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 北海道(改選数3)は、立憲2人が支持を伸ばし、自民新人が当選圏外にはじき出される可能性がある。兵庫(改選数3)の3議席目は公明現職と立憲新人が接戦を繰り広げている。
 32ある1人区のうち、青森、岩手、長野、沖縄の4選挙区では野党が優位に立ち、28選挙区では自民が先行しているが、逆風が吹けば、情勢は変わりそうだ。とくに山形、新潟、山梨、大分では野党現職が猛追。もともと野党が強い福島や三重も分からない。公明が推薦を見送った岡山も自民現職は安泰ではない。
 7月に入れば、物価は一段と上昇する。投票率が上がれば、全体の勝敗も大きく変わる。波乱含みになってきた。