8月19日(日)には、暑い中でしたが30人近い人にお集まり頂いて、「一枚のハガキ」の観賞会が行われました。十日町の9条の会からも一名の方が参加されました。
はじめに世話人の笛木さんから、「6日、9日の広島・長崎原爆忌から15日の終戦の日へと続く、非核平和について考えるに相応しいこの時期に毎年特別企画を組んで来ましたが、今年は100歳で亡くなられた新藤監督の実体験の基づくこの映画の観賞会を行うことにしました」旨の簡単な挨拶があったのちに、直ぐに映写に入りました。
映画は深刻な内容であるのですが、結構コミカルなタッチで描かれていて、明るいエンディングになっていました。この物語の救いになっている結末の明るさは、新藤監督によれば「新生の日本を表した」ということです。
映写後には15人余りの有志の方たちが残られて、簡単な感想会となりました。
そこでは、戦争のない平和な世の中にしなくてはならないという願いの籠った作品であったこと、クジが運命を峻別したことに対する監督の思いのこと、麦が黄金色に見事に実ったエンディングの明るさのこと、主人公たちに似た悲劇は当時身近にも色々とあったこと、映画が、戦時中に二人の夫に死別する友子や、復員後に思いもよらない悲劇に見舞われる主人公など、いわゆる銃後の世界の悲劇に視点を合わせたものであること、戦後の食糧難は悲惨であったこと、などなどが交々話されました。
また会員で児童文学者の岡崎さんからは、かつて中国に戦争の惨禍について聞き取りに行ったときに、惨禍を与えた側の人間としてはひたすら謙虚に相手の話を聞くことが、唯一相手の心を和ませる所以であると分かったという体験談が披露されました。岡崎さんはその時の聞き取りの内容を、子供を語り手とした長編小説にまとめるために、いま苦心しておられ、もうすぐ完成するということです。
感想会は大いに盛り上がり、予定時刻を大幅にオーバーして、16時20分に閉会しました。