2012年8月17日金曜日

「オスプレイは操縦ミスで墜落 !?」に、沖縄の怒りは高まるばかりです



 米国防総省がオスプレイのモロッコでの墜落事故に関し、人為的ミスと日本政府に報告したことについて、沖縄の仲井真弘多知事や同県の市長会長、町村会長たちは「意味のある原因分析なのか。住民は納得しない」、「すべてが出来レースで、結果ははっきりと予見していた」、「言葉ではいくらでも作れる。人為的ミスは理由にならない」と批判しました。

 米軍の言う「人為的ミス」、「規定違反操縦」とは、要するに「規定の対気水平速度に達していないのに、プロペラの向きを上向きから前向きに変えた」ことを言いますが、一体小学生でも認識できるそんな基本事項をパイロットたるものが失念するものでしょうか。それにそうした重大事故を招く誤操作を、自動的に受け付けなくするインターロック機構がもしも着いていないのであれば、構造的欠陥(設計ミス)に他なりません。
 またエンジンが停止したときでも飛行姿勢を維持して、目指す位置に着地できるオートローテーション機能についての実演が不要、という米軍の説明に至ってはまさに噴飯ものです。
これでは沖縄の怒りは高まるばかりです。



不信の念はアメリカだけではなく、勿論日本の政府にも向かっています。これだけ信頼を失っては、今後一体どうする積りなのでしょうか。

 以下に、沖縄タイムス他の記事を紹介します。 

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オスプレイ米報告 : 知事「住民納得しない」
        沖縄タイムス 2012817 

 仲井真弘多知事は16日、米国防総省がオスプレイのモロッコでの墜落事故に関し、パイロットの規定違反操縦による人為的ミスと日本政府に報告したことについて「配置される地域住民が納得いくかというと、納得いかないだろう」と述べ、受け入れられる内容ではないとの考えを示した。
 仲井真知事は、米政府が事故は操縦士のスキルだけの問題で、機体の安全性自体に問題はないと強調していると指摘した上で、「それが意味のある原因分析で、配置をするにあたって意味のある指標になるのか」と不快感を示した。
 「要するに落っこちたという事実のところだ。すとんと胸に落ちない」と述べた。 

すべて出来レース 翁長 市長会長
理由になってない 城間 町村会長
 県市長会長の翁長雄志那覇市長は「信なくば立たず。すべてが出来レースで、結果ははっきりと予見していた」と批判した。
 県町村会長の城間俊安南風原町長も「人為的ミスは理由にならない」と突き放した。16日、県議会棟で開いた記者会見で質問に答えた。
 翁長市長は、米側の発表を受けた日本政府が今後、オスプレイを強行配備することは目に見えていると指摘。その上で「信頼のない中で物事を進めてきた方から説明される中身はよっぽど慎重にしないと、なるほどということにはならない」と怒りを込め、納得できる内容ではないとした。
 城間町長は、人為ミスとする報告に「言葉はいくらでもつくれる」と強調。「140万人が反対するべきだ」と語気を強め、多くの県民による配備阻止の動きが必要とした。 

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オスプレイ墜落は「人為ミス」 米最終報告
琉球新報2012817 

 【米ワシントン15日=松堂秀樹本紙特派員】垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米軍普天間飛行場での本格運用をめぐる問題で訪米した神風英男防衛政務官は15日、米国防総省を訪れ、4月にモロッコで発生した墜落事故について操縦士が規定に反する操縦をしたことによる「人為ミス」との見解を示した米側の最終調査報告書の説明を受けた。リッパート国防次官補らと会談した神風氏が記者団に明らかにした。

  神風氏に同行した政府の分析評価チームが模擬訓練装置を視察した。米専門家が欠陥があると指摘するオスプレイのオートローテーション(自動回転)機能について「日本では注目されているが、二つの回転翼が止まったときに初めて取られる措置だ」と必要性が限られていることを強調し、オスプレイのオートローテーションの実演は必要ないとの認識を示した。

オスプレイはエンジンが停止した場合、機体降下で生じる空気抵抗で回転翼を回して安全に着陸できるオートローテーション機能の欠如が指摘されている。一方、防衛省は沖縄配備を控え、「オートローテーション機能はある」と説明しているが、森本敏防衛相の試乗でも実演はされなかった。神風政務官も「CH46でも実機では訓練していない」と述べ、実地訓練をしないまま配備に向けた作業を進める考えを示した。
米側は神風氏に対し、オスプレイが(1)乗組員を降ろした後、垂直に上昇(2)軍の規定に反し、180度機首を転換させ、追い風を受ける状態にした(3)その状態のまま、ナセル(エンジン部)を前方に傾け過ぎた(4)その結果、バランスを崩して前のめりになり墜落した―と説明し、機体に問題はないとの見解を示した。

また、米側は6月にフロリダ州で発生した墜落事故に関して8月中に報告する意向を示したという。
米側は一連の報告を踏まえ、岩国基地(山口県)に一時駐機させているオスプレイを普天間飛行場に移動させ、10月から本格運用を開始する方針。

神風氏は、分析評価チームが今回の報告に関する結論を出すまでに1週間から10日かかるとの見方を示した。