2012年6月25日月曜日

原子力の憲法がこっそり変更されました


621日付けの東京新聞に、「『原子力の憲法』こっそり変更」と題する記事が載りました。それによると原子力の憲法=原子力基本法の2条(基本方針)に、第2項 「原子力利用の安全確保は国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として行う」が追加されました。これは、付則の12条に上記の条文を盛り込むことで実質的に本則の2条を変更する、という変則的な手法で行われ、殆ど議論もなかったということです。

18日の衆院通過を見て、「世界平和アピール7人委員会」は19日に、「実質的な軍事利用に道を開く可能性を否定できない」「国益を損ない、禍根を残す」とする緊急アピールを発表しましたが、同法案は20日に成立しました。

以下にその記事を紹介します。 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

「原子力の憲法」こっそり変更
東京新聞2012621日 朝刊 

 20日に成立した原子力規制委員会設置法の付則で、「原子力の憲法」ともいわれる原子力基本法の基本方針が変更された。基本方針の変更は34年ぶり。法案は衆院を通過するまで国会のホームページに掲載されておらず、国民の目に触れない形で、ほとんど議論もなく重大な変更が行われていた。
 設置法案は、民主党と自民、公明両党の修正協議を経て今月十五日、衆院環境委員長名で提出された。

 基本法の変更は、末尾にある付則の12条に盛り込まれた。原子力の研究や利用を「平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に」とした基本法2条に1項を追加。原子力利用の「安全確保」は「国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びにが国の安全保障に資することを目的として」行うとした。
 追加された「安全保障に資する」の部分は閣議決定された政府の法案にはなかったが、修正協議で自民党が入れるように主張。民主党が受け入れた。各党関係者によると、異論はなかったという。

 修正協議前に衆院に提出された自公案にも同様の表現があり、先月末の本会議で公明の江田康幸議員は「原子炉等規制法には、輸送時の核物質の防護に関する規定がある。核燃料の技術は軍事転用が可能で、(国際原子力機関=IAEAの)保障措置(査察)に関する規定もある。これらはわが国の安全保障にかかわるものなので、究極の目的として(基本法に)明記した」と答弁。あくまでも核防護の観点から追加したと説明している。

 一方、自公案作成の中心となった塩崎恭久衆院議員は「核の技術を持っているという安全保障上の意味はある」と指摘。「日本を守るため、原子力の技術を安全保障からも理解しないといけない。(反対は)見たくないものを見ない人たちの議論だ」と話した。

 日本初のノーベル賞受賞者となった湯川秀樹らが創設した知識人の集まり「世界平和アピール7人委員会」は19日、「実質的な軍事利用に道を開く可能性を否定できない」「国益を損ない、禍根を残す」とする緊急アピールを発表した。 

◆手続きやり直しを

 原子力規制委員会設置法の付則で原子力基本法が変更されたことは、二つの点で大きな問題がある。

 一つは手続きの問題だ。平和主義や「公開・民主・自主」の3原則を定めた基本法2条は、原子力開発の指針となる重要な条項だ。もし正面から改めることになれば、2006年に教育基本法が改定された時のように、国民の間で議論が起きることは間違いない。
 ましてや福島原発事故の後である。
 ところが、設置法の付則という形で、より上位にある基本法があっさりと変更されてしまった。設置法案の概要や要綱のどこを読んでも、基本法の変更は記されていない。
 法案は衆院通過後の今月18日の時点でも国会のホームページに掲載されなかった。これでは国民はチェックのしようがない。

 もう一つの問題は、「安全確保」は「安全保障に資する」ことを目的とするという文言を挿入したことだ。
 ここで言う「安全保障」は、定義について明確な説明がなく、核の軍事利用につながる懸念がぬぐえない。

 この日は改正宇宙航空研究開発機構法も成立した。「平和目的」に限定された条項が変更され、防衛利用への参加を可能にした。
 これでは、どさくさに紛れ、政府が核や宇宙の軍事利用を進めようとしていると疑念を持たれるのも当然だ。

 今回のような手法は公正さに欠け、許されるべきではない。政府は付則を早急に撤廃し、手続きをやり直すべきだ。(加古陽治、宮尾幹成) 

<原子力基本法> 原子力の研究と開発、利用の基本方針を掲げた法律。中曽根康弘元首相らが中心となって法案を作成し、1955(昭和30)年12月、自民、社会両党の共同提案で成立した。科学者の国会といわれる日本学術会議が主張した「公開・民主・自主」の3原則が盛り込まれている。原子力船むつの放射線漏れ事故(74年)を受け、原子力安全委員会を創設した78年の改正で、基本方針に「安全の確保を旨として」の文言が追加された。 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

HP事務局追記:

【原子力基本法】
2条  原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。

【付則により追加された条項】
2 原子力利用の安全確保は国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として行う。


2012年6月21日木曜日

町の非核平和に関する取り組みについて町長、教育長と懇談しました


6199時から、湯沢町役場2階会議室で、町の非核平和に関する取り組みについて、町長、教育長と1時間あまりにわたり懇談しました。
当会からは9名参加し、61日付けで要請した3項目を中心に、町長、教育長の考えを聞き、意見交換を行いました。
この懇談会には、総務課長と総務課の担当班長も同席しました。
要請事項についての町長、教育長の回答の要旨は次のとおりです。 

【要請事項1】
今年度湯沢中学校で開催される予定になっている講演会を、生徒だけでなく父兄や一般町民も参加できるかたちで実施していただきたい。

◎教育長回答
 ・ 2学期に実施することとし、現在校長と日程の調整を行っている。
 ・ 生徒だけでなく、父母や一般町民のみなさんにも聞いてもらえるようにしたい。
 ・ 父母には学校からお便りを生徒に持たせるかたちで、また一般町民のみなさんには『広報湯沢』でお知らせするつもりでいる。 

【要請事項2】
  本年1月に開催された平和市長会議に出席されての感想や決意を、何らかの方法で広く町民に知らせていただきたい。

◎町長回答
 ・ 長年の念願であった被爆地広島を訪れ、そこで開かれた平和市長会議に出席するとともに、被曝者の話を直接聞く機会も得られた。ヒロシマ、ナガサキを知ることは、平和や核について考える原点だと改めて思った。機会があれば長崎にも行ってみたいと考えている。しかし、感想文や手記といったものを書く考えはない。 

【要請事項3】
  8月に行われる町の成人式が、「非核平和都市宣言のまち」にふさわしいものになるよう、町として特別に配意をしていただきたい。

◎教育長回答
 ・ 成人式には記念品を贈ったり、いろいろと配布する物もあるので、その一つとして何か考えていけるのではないかと思っている。
1成人式の実行委員会と話し合いながら具体化を図って行く考えでいる。 

 以上のとおり、要請事項の1と3については、私たちの要請の方向で実施される見通しとなりましたが、要請事項の2については、深い内容の感想を持たれながら、それをものに書いて私たちに知らせる考えはないという、残念な回答でした。

 そのため、参加した多くの会員から「今聞かせていただいたような町長の感想や思いをものに書いて、広く町民に伝えることはとても意義のあること」「原爆忌があり、終戦記念日があって戦争と平和、原爆と核の問題などに関心が向く8月を目途に是非一文を」などなど、町長に再考を求める発言が相次ぎました。
 きっと町長には私たちの気持ちを受け止めてもらえたものと期待しているところです。 

 3項目の要請のほか、①819日に私たちが計画している『1枚のハガキ』(新藤兼人監督の遺作映画)の鑑賞会には、多くの町職員の方にも参加していただきたいこと、②日本被団協が新たに作成したパネル「ヒロシマ・ナガサキ 原爆と人間」(30枚組29,500円)の購入と活用について考えていただきたいことなどを要請し、10時過ぎに懇談を終わりました。 

懇談のなかで町長から、湯沢町の小学生と沖縄・恩納村の小学生の交流会を考えている旨の嬉しい紹介もありました。これは、小さいときの体験がその後の生き方に大きな影響を持つという自身の経験と、“沖縄”がヒロシマ・ナガサキとともに平和について考える上で大切だ、との町長の考えに基く発案企画ということで、大きな成果が期待されるところです。


2012年6月19日火曜日

6月例会が開かれました

  当日はあいにくの曇り空で、事後には小雨もぱらつきましたが、6月17日(日)13:30から湯沢公民館で6月例会が開かれ、熱心な討議が行われました。

会議は定刻の15:30に終わりました。 

【連続学習―「『18人の発言』に学ぶ」(10回目)】
(テキスト:「憲法を変えて戦争へ行こうという世の中にしないための
18人の発言」(岩波ブックレットNo.657  2005.8.2発行)
テーマ:「井筒和幸さん、辛酸なめ子さんの文章(テキスト3639頁)」 

井筒さんの文章で、「どんどん日本の軍備が拡張され、今は憲法との整合性がなくなっている」 「日本はアメリカの51番目の州」などと語られている点については、アメリカの財政上の都合もあって戦闘機などの高価な武器を大量に買わされていることや、戦後一貫してアメリカに従属している日本の姿が話題になりました。

また「自立した大人主義」の意味については、同氏が最初のところで述べている「憲法で海外派兵は禁止されているのだから・・・と言いながら、軍事予算を減らしていけばいい」という辺りのことを言っているのではないか、ということになりました。

辛酸さんの短い文章では、「日本人の内に眠っている残虐性や攻撃性」が話題になり、その中で、映画「泥にまみれた靴で」の中に登場した、かつて戦場で自分が行った残虐な行為について、許されることのない蛮行として、家族にも告白出来ないできたという老人の話が出されました。

そして戦争の中で正常な人間としての感覚を失うことの恐ろしさ、それが新兵の訓練の中で意識的に行われたことなどが話題になりました。また古くは坂上田村麻呂による東北征伐の実態も出されて、戦争の持つ非人間性・残虐性が改めて認識されました。 

【検討・意見交換】
(1)町の非核平和取り組に関する要請活動について
  先にお知らせしましたとおり、19日(火)900~役場で町長・教育長と面談します。面談参加者は世話役を含めて約7名になります。

(2)8月特別企画の内容について
    先日亡くなった新藤兼人監督の遺作「一枚のハガキ」を鑑賞することになりました。詳しいことは次回7月の例会で決定します。
なお「パネル版原爆写真30枚セット」を購入して活用する案も出されましたが、町に購入をお願いする余地があるので、その結果をみてから検討しようということになりました。 

【意見交換】
(1) 「平和の輪」のホームページをどう活かすか
  当面、通信「平和の輪」に毎回ホームページへのアクセス方法を記載することで、ホーページへの訪問者を増やそうということになりました。

(2) 原発問題への係わり方はどうあるべきか
       世話人会から、参考資料として、福島県9条の会と(東京)9条の会・医療者の会の各事例と、湯沢町議会議長の「柏崎・刈羽原発の再稼働を認めない意見書」が紹介されました。
   最後の議題で時間が足りなくなったので、係わり方をどうするかは、次回引き続き討議することになりました。



「平和に関する記事」のコーナーもご利用ください


ホームページの最下段に「平和に関するニュース」のコーナーがあり、メディアに掲載されたその時々の記事がピックアップされています。 

(ここに掲載されているニュースは、「平和」「9条」「憲法」をキーワードとしてgoogleの検索機構にヒットした最新の記事から自動的に選択されたものであって、当事務局が何らかの判断基準に基いて選定したものではありません。)の注記がしてあります。念のため。 

 それぞれ、青字(下線付)1行でタイトルが示され、その下に内容の一部が記載されているので、青字のところをクリックすると元の記事が開きます。 

例えば618日には、ピックアップ記事の一つに、
[ライフ]【書評】『憲法が教えてくれたこと その女子高生の日々が輝き
がありましたので、それをクリックすると下記の元記事が開きました。

憲法に触れた興味深い書評なので、どうぞご一読ください。
19日には別の新しい記事で埋まり、上記の記事はなくなっています) 

【書評】
『憲法が教えてくれたこと その女子高生の日々が輝きだした理由』
2012.6.17 08:48

自分らしく生きるお守り 

 伊藤真(まこと)という人物は多才である。まず、弁護士として国政選挙での一票の格差是正のための憲法訴訟で判例を前進させて、政治状況を一変させた。また、司法試験の受験指導では「カリスマ」と呼ばれる名講師で、すでに何万人もの法曹の輩出に貢献している。 

 しかし、伊藤はそれらのこと以上に熱心な憲法研究者で、それを前提に、自ら「日本国憲法の伝道師」と任ずるほど、憲法と立憲主義の啓蒙(けいもう)に精励している。 

 今回は、体育会系の女子高生の日常生活を題材にした「小説」の形で、誰にでも分かる筆致で、日本国憲法の神髄を教えてくれている。それは、憲法こそが私たちの幸福を直接支えてくれており、それを私たちがきちんと理解して日々主体的に生きていくことが大切だ、ということである。 

 「日本国憲法は、ダイコンにとっての畑、日本国民にとっては大地みたいなもの。だから、もっと自分らしく自由に楽しく生きたいと思ったときのお守り」と伊藤はいう。 

 ともすると私たちは、本書でいうような「憲法は自分たちを縛る『法律の親玉』というようなイメージ」をもっているだろう。だが実は、「憲法は普通の法律とは違い、弱い立場の人を守るために、強い人たち、政治に携わる人や公務員に向けられているもの」で、これが「立憲主義」なのだということを明快に教えてくれる。 

 そして、憲法の神髄は「個人の尊重、個人の尊厳」とし、こう続ける。「『みんなと同じじゃなくちゃいけない』ではなく、『人と違うことはすばらしいことなんだよ』『もっと自分に自信をもって自分らしく堂々と生きていいんだよ』と、憲法はあらゆるところで一貫してそれを言って(いる)」 

 私たちが真の主体性を持てば、自分の住んでいる社会や国や世界も、自分が参加して自分の意志で変えていくことができる。本書を通じ、伊藤はそんな激励のメッセージを読者に送っている。 

 一読して、生きていることが楽しくなる本である。
   (伊藤真著/幻冬舎ルネッサンス・1260円)  

評・小林節(慶応大学教授)

    http://sankei.jp.msn.com/life/news/120617/bks12061708480012-n1.htm  

   HP事務局追記 元の記事は上記のURLをクリックするとご覧になれます。


2012年6月11日月曜日

非核平和の取り組みに関しての町長・教育長との面談にご参加ください


通信 平和の輪 第77号でお知らせしました町長・教育長との面談の日時が、下記の通り決まりました。
ご都合のつく方は是非ご参加ください。

    と き : 619日(火) 9:00~
    ところ : 湯沢町役場

 当日は、9時前に役場1階ロビー(ベンチがある辺り)に集合してから懇談会場に移動します。面談に参加される方は事務局 笛木 壌 (TEL 025-785-5062)までご連絡ください。 

通信でお知らせしましたとおり、61日に町に提出した「非核平和の取り組みについての要請書」は、下記の3項目を骨子とするものです。 

①今年度湯沢中学校で開催される予定の平和講演会は、生徒だけでなく父兄や一般町民も参加できるかたちで行って欲しい
②町長から1月に開催された「平和市長会議」に参加しての感想や決意などを何らかの方法で広く町民に知らせて欲しい
8月に行われる町の成人式が、「非核平和都市宣言のまち」にふさわしいものになるよう、特別の配慮をして欲しい


2012年6月10日日曜日

6月例会のお知らせ


通信「平和の輪」77号でお知らせしましたとおり、下記により6月の例会を行います。
皆様どうぞお出でください。
会員外の方でもご関心・ご興味がありましたら、どうぞお出でください。


と き  6月17日(日) 13:3015:30
ところ  湯沢公民館 3階 「会議室2 

 1 連続学習 「『18人の発言』に学ぶ」(10回目)
    (テキスト:「憲法を変えて戦争へ行こうという世の中にしないための18人の発言」(岩波ブックレットNo.657  2005.8.2発行)

    今回は井筒和幸さん、辛酸なめ子さんの文章(テキスト3639頁)を読んで、話し合います。

 2 検討・意見交換
  (1) 町の非核平和取り組に関する要請活動について
  (2) 8月特別企画の内容について

 3 意見交換
  (1)  「平和の輪」のホームページをどう活かすか
  (2)  原発問題への係わり方はどうあるべきか


2012年6月8日金曜日

通信 平和の輪 第77号 及び 第74~76号を掲示します

  
69日付「通信 平和の輪 第77号」を掲示します。

既刊第74号以降もいずれはバックナンバー集に統合しますが、しばらくの間は個別に閲覧できるようにこの形式にしておきます。

下のタイトルをクリックすると、まず画面の下側に選択肢:「ファイルを開く」・「保存」が表示されるので、どちらかを選択してください。


通信 平和の輪 第77号
戦争体験33
通信 平和の輪 第76号
戦争体験32
通信 平和の輪 第75号
戦争体験31
通信 平和の輪 第74号
戦争体験30-4


「通信 平和の輪 第73号」以前及び「戦争体験30-3」以前の記事は、バックナンバー集に収録してありますので、そちらをご覧ください。