2023年9月7日木曜日

07- 集中企画・マイナ狂騒 (44)~(46)

 日刊ゲンダイの連載記事「集中企画・マイナ狂騒 (44)~(46)」を紹介します。
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集中企画・マイナ狂騒(44)
保険証廃止でコスト削減の“大甘試算”また発覚! 厚労省は利用登録者「減少」を想定せず
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 マイナ保険証の存在理由が揺らいでいる。相次ぐトラブルで信用ガタ落ちな上、マイナカードとは別に「資格情報のお知らせ」の携行も必要になり、使い勝手の悪さを露呈。残る「コスト削減」効果も厚労省の“楽観シナリオ”が崩れれば、成り立たなくなる。
 岸田首相は今月4日の会見で「今まではすべての加入者に保険証を発行してきたが、今後はマイナ保険証を持たない人に資格確認書を発行するので従来の健康保険証に比べ、発行コストや保険者の事務負担は減少する」とメリットを強調した。
                ◇  ◇  ◇
 厚労省は健康保険証廃止に伴うコスト削減について「ごく粗い試算」を実施。①マイナ保険証の利用登録率が65~70%と現状より進めば、100億~108億円削減 ②現状の52%のままなら76億~82億円の削減──としている。マイナ保険証が普及すればするほど、削減額が大きくなるということだ。
 ここで疑問が湧く。利用登録解除により、利用登録者が減る“悲観シナリオ”は存在しないのか
 厚労省は8日にマイナンバー情報総点検本部で〈一度登録した後も、マイナ保険証の利用登録の解除を可能とし、資格確認書を交付〉との方針を示した。厚労省は日刊ゲンダイに「もともとマイナ保険証の利用登録は任意である以上、登録を外したい方は解除できるようにすべきと考えました」(医療介護連携政策課・保険データ企画室)と説明している(14日付)。
「利用登録を解除しても、当面は資格確認書が送られてくるため、申請する手間もかからないし、解除後に再登録もできる。マイナ保険証の安全性や利便性など、利用登録するメリットが見えてくるまで、多くの人がいったん、登録を解除して様子をみようと考えてもおかしくありません」(埼玉県保険医協会の担当者)

いかにも日本的な組織の欠陥
 厚労省によると、解除にはシステム改修が必要だ。健康保険証は来年12月8日までに廃止される予定だが、「資格確認書の送付の準備もあるため、遅くとも来秋には解除できるようにする必要がある」(医療関係者)という。
 デジタル庁の公表データによると、今月20日時点でマイナ保険証の利用登録は6600万人に上るが、解除が可能になれば、3000万人、2000万人へと激減する可能性がある。その場合、コスト削減額も大幅に少なくなるはずだ。
 厚労省は登録者の減少シナリオを想定せず、岸田氏の「コストや事務負担は減少する」という会見の言葉に沿ってのみ試算したのだろう。まるで森友問題で官僚が安倍元首相の国会答弁に合わせ公文書を改ざんした姿を彷彿とさせる。無謀な開戦から変わらない日本的組織の欠陥だ。
 厚労省に利用登録率が下がるケースで試算がされていない理由を聞いたが「対応できる担当者が不在で答えられない」(国民健康保険課)とのことだった。
厚労省は利用登録が減少するシナリオについてもすみやかに試算を示し、フェアな議論をすべきです」(埼玉県保険医協会の担当者)
 都合の悪い数字は出さない──。そんな態度を続ければ、マイナ不信が募るだけ。利用登録率はみるみる急降下だ。


集中企画・マイナ狂騒(45)
マイナ保険証の削減コスト消失…それどころか5億円増!岸田首相“お手盛り説明”いよいよ怪しく
                          日刊ゲンダイ 2023/09/02
「従来の健康保険証に比べ、発行コストあるいは保険者の事務負担は減少する」「これは当然のことだと思っています」
 マイナ保険証のメリットについて、8月4日の総理会見でそう断言していた岸田首相。コスト削減をうたった強気発言の雲行きが怪しくなってきた。
 問題は、来秋に予定されている健康保険証の廃止に伴い、厚労省がマイナ保険証の所有者に送付するとしている「資格情報のお知らせ」だ。「お知らせ」はマイナ非対応の医療機関での保険診療に必要で、今のところ紙ベースでの送付が想定されている。
 厚労省は「お知らせ」を1枚10円と仮定して保険証廃止に伴う削減コストを試算。マイナ保険証の利用登録率が現状の52%のままで推移した場合、最大82億円のコスト削減効果があると結論付けた。24日の社会保障審議会医療保険部会で示した。
 これに対し、立憲民主党は31日の国対ヒアリングで独自試算を公表。「お知らせ」の形式について、厚労省が「マイナ保険証と一体で携帯すること」を想定しているため、「お知らせ」が紙ではなく、プラスチック製の健康保険証と同じようなカードで配られると仮定した。
 その分、立憲試算によると利用登録率が52%でも、約87.6億円のコスト増が見込まれる。厚労省試算がはじき出した「コスト削減効果」は消失、むしろ差し引き約5億円増だ

「カード2枚持ち」の可能性も浮上
 ヒアリングで山井和則衆院議員が「(お知らせは)10円の紙なのか、携帯するためにカードにする可能性があるのか」と問うと、厚労省の担当者は「携帯しやすいということであれば、利便性も(検討の)要素に入る」と、カード形式を否定しなかった。
 山井氏が改めてこう言う。
携帯するならカードが理にかなっていますし、カードなら紙より高くつくでしょう。岸田総理は保険証廃止に伴い『コスト減は当然』と説明しましたが、本当にそうなのでしょうか。当該発言があった4日の総理会見の後、『お知らせ』がマイナ保険証の保有者に配られる方針が明らかになりました。総理は会見の時、『お知らせ』の存在を知らなかったのかもしれませんが、今になってマイナ保険証と『お知らせ』の“2枚持ち”が浮上しています。総理は国民にカード2枚持ちになる可能性を説明し、『コスト減』の発言について修正すべきだと思います」
 コスト削減効果はなく、カードが2枚に増える──。保険証廃止を撤回すれば、こんなバカげた問題も万事解決である。


集中企画・マイナ狂騒(46)
デジタル庁予算は究極のムダ遣いに…マイナ広報費1.7億円増額要求、改修経費も“青天井”画策
                          日刊ゲンダイ 2023/09/05
 来年度予算の各省庁からの概算要求は8月31日に締め切られ、過去最大となる総額114兆円規模となる見通しだ。驚きなのがデジタル庁のマイナンバー関連の要求だ。
 デジタル庁は過去最大となる5819億円を要求。マイナンバー制度への不安の拡大を受け、安全性や利便性についての広報関連費用は、今年度の当初予算より1.7億円も増額し、6.8億円とした。
 河野デジタル相が昨年10月、来年秋の健康保険証廃止を突如打ち出すなど、マイナトラブルの元凶はデジタル庁だ。自らが不安を広げておいて、その払拭のためのPR費用を1.7億円も増やせと要求するのは、ほとんどマッチポンプだ。デジタル庁の取材を続けるジャーナリストの横田一氏が言う。
「広報費を使ってテレビなどで政府広報を流すのでしょう。しかし、テレビで『また、マイナトラブル発覚』というニュースを見た直後に、CMで『マイナカードは便利で安心・安全』と流れてきても、全く説得力はありません。むしろ、国民の神経を逆なですることになるでしょう。すべてのトラブルについて真の原因を突き止め、納得できる再発防止策を示すことが、唯一の“不安払拭策”です。それができない中、広報費に7億円近くも投入するのは究極の無駄遣いに他なりません」

システム改修などの経費は金額記載のない「事項要求」
 もう一つ、無駄遣いにつながりそうな項目がある。現在進められているマイナンバー情報総点検の結果、システム改修などに生じる経費については、金額記載のない「事項要求」としている
「総点検の途中とはいえ、ざっくり想定の上、要求額を示せそうですが、デジタル庁は事項要求とした。問題が深刻で新たな経費がどれくらい膨れ上がるか分からないということでしょう。また、マイナンバーの信頼性・利便性向上をうたえば、青天井に予算を獲得できるという官僚の“下心”があるかも知れません。いずれにせよ、マイナ関連に巨額の税金が投入される道筋がつくられたのは間違いありません」(霞が関関係者)
 それにしてもマイナンバーはカネ食い虫だ。
「マイナ保険証については、現行の健康保険証を存続させる方針を示せば、国民は引き続き、保険医療を受けられると安心するでしょう。不安を払拭するための広報費も不要になるし、巨額の費用をかけ、システムを改修する必要性も薄らぎます。保険証を廃止し、マイナ保険証に一本化する方針に固執することが、巨額の血税を浪費することにつながっている。マイナンバー関連のすべての政策について、一度、立ち止まって費用対効果を検証すべきです」(横田一氏)
 これ以上、マイナ浪費を続けさせてはならない。

2023年9月6日水曜日

あまり意味がない最高裁の判断(植草一秀氏)

 名護市辺野古での軟弱地盤改良工事をめぐり、工事を承認しない沖縄県に対して国が行った「是正の指示」が違法かどうかを争う裁判で、最高裁判所は4日、「国の指示は適法」とする判決を示しました。
 植草一秀氏が掲題の記事を出しました。これまでも司法のあり方を痛烈に批判してきた同氏は、最高裁の判断がどうなるかは事前に明らかだったとして、それは最高裁は「政治権力の番人」であるからと述べました
 また、憲法76条は「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ・・・」と謳いますが、実は「良い良心」もあれば「悪い良心」もあるわけで、裁判官が「良い良心」の持ち主であるとは限らないと述べています(これは鋭い指摘で、我々が無意識のうちに良心は善と思っていることを考え直させられます。因みに良心に相当する英単語conscience には「良」を意味するものはないということです)。
 そして裁判官の行動を規定する最大の力は圧倒的多数の場合において)「人事」であると指摘しました。裁判官はいわば裁判官ムラとでもいうようなところ(=官舎)で生活することを強制され、市井の人との交流は制限されているということです。
 そういう閉ざされた環境の中では、昇進を最大の目標にしたり、そこまで行かなくとも他者より大幅な遅れは取りたくないと思うようになるのが普通で、結果的に裁判官は「人事」に強い関心を持つようになり、「良い良心」を持ち続けることが困難になります。
 いまや上級裁判所になるほど(特に政治的案件においては)政府の意向に逆らわない判断を行うことが、多くの国民の常識になっているのはその反映です。

 因みに沖縄の地元紙2紙、しんぶん赤旗、朝日新聞などは最高裁の判断を批判する社説や記事を出しています。
 沖縄タイムズ[社説]辺野古 県敗訴確定 自治踏みにじる判決だ
 
琉球新報 「最高裁の役割を投げ捨てた蛮行」 辺野古の基地建設 沖縄県敗訴で海上抗議行動
 しんぶん赤旗 社説 
最高裁不当判決  記事 辺野古 最高裁が不当判決  
 朝日新聞(社説)辺野古・沖縄県敗訴 自治を軽視する国策追認だ
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あまり意味がない最高裁の判断
                植草一秀の「知られざる真実」 2023年9月 5日
沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設先となっている名護市辺野古での軟弱地盤改良工事をめぐり、工事を承認しない県に対して国が行った「是正の指示」が違法かどうかを争う裁判で、最高裁判所は9月4日、「国の指示は適法」として上告を退ける判決を示した。
NHKは「沖縄県の敗訴が確定し、辺野古への移設に反対してきた県は工事を承認する義務を負うことになり、今後の対応が焦点となる」と伝えた

最高裁の判断がどうなるかは事前に明らかだった。
最高裁は「法の番人」でなく「政治権力の番人」であるからだ。
人々は裁判所が「法の番人」と勘違いしてしまうが実態は異なる。
人々が裁判所を「法の番人」と勘違いするのは日本国憲法に次の規定があるからだ。
第七十六条
3 すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。

裁判官は「良心」に従って「独立」して職権を行い、「憲法及び法律」にのみ拘束される。
この規定から裁判所は独立の機関で裁判官は「法の番人」として行動すると判断してしまう。
しかし、ここに書かれている「良心」が曲者。
日本国憲法には次の条文がある。
〔思想及び良心の自由〕
第十九条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

「良心の自由」が定められている。裁判官にも「良心の自由」が認められている。
「良心の自由」とは何か。「良心の自由」とは
「人の精神的活動がいかにあろうとも法律で禁止・強制されないこと」
「心の中で何を考え、何を思うかは、他人から一切干渉されない自由」
のこと。

「良心」と表記するから誤解が生まれやすいが、言ってみれば「良い良心」もあれば「悪い良心」もあることになる。裁判官が「良い良心」の持ち主であるとは限らない。
裁判官の行動を規定する最大の力は何か。圧倒的多数の場合、それは「人事」。
裁判官の「人事」はどのようなものか。
日本国憲法に規定がある。
第六条
2 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。
第七十九条 
最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。
第八十条 
下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。
その裁判官は、任期を十年とし、再任されることができる。(後略)

最高裁長官は内閣が指名し,天皇が任命する。最高裁の長官以外の裁判官は内閣が任命する。
下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によって内閣が任命し、十年ごとに再任される。
最高裁が指名する名簿を作成するのは最高裁事務総局。再任も含めて下級裁判所裁判官の人事権は最高裁事務総局が握っている
つまり、裁判官の人事権を握っているのは内閣=政府=政治権力である。
最高裁事務総局のメンバーは出世街道を歩む者で彼らが出世するには政府=政治権力の覚えがめでたくなければならない。
この制度がもたらす帰着は、圧倒的多数の裁判官が政治権力にひれ伏すということ。
最高裁に至ってはすべての裁判官が内閣の指名または任命によって就任している。
内閣は内閣にとって都合の良い人物を最高裁裁判官に据えるだろう。

したがって、政府と沖縄県が裁判で争って沖縄県が勝つことは基本的にない。
NHKが本当の意味の公共放送なら、こうした背景を説明することが重要なのだ。
日本の裁判所の仕組みがこうなっているから、政府の主張を認める判断しか示されないことを分かりやすく説明することが重要。
しかし、公共放送でない国営放送のNHKはそのような言い回しをしない。
「沖縄県の敗訴が確定し、辺野古への移設に反対してきた県は工事を承認する義務を負うことになる」と表現する。

重要なことは国の主張が合理的であるのか、沖縄県の主張は間違っているのかを客観的に論じること。
裁判所の判断は「絶対」でない。裁判所は政治権力の一翼を担う「権力機関」である。
このことを銘記することが重要だ。

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関東大震災「何が市民を虐殺に駆り立てたのか」/加害の歴史に向き合え

 2日、東京の在日韓人歴史資料館で関東大震災100周年を記念し「何が市民を虐殺に駆り立てたのか」をテーマにシンポジウムが開かれました。そこでは
2010年以降、大震災時の朝鮮人などの虐殺を否定する動きが強まっている 
横浜市議会で自民党議員が中学社会科副読本の「虐殺」という言葉を問題視「殺害」に変えられる
都立横網町公園の追悼碑にある犠牲者数を自民党議員が都議会で問題にし碑の撤去を求める 
震災当時の新聞報道をもとに、虐殺を招いた流言は実体のないものではなかったなどとする論文が現れた
ことなどが語られ、「国際的な力も借りた歴史修正主義を押しとどめるために、当時の資料を発掘し事実を究明すること災害時に簡単にデマを信じ虐殺に走り、しかも罪の意識がないという異常事態を、当時の状況からどのように理解できるかの視点を提供すること」が必要とされました
 また「武装した朝鮮人が集団で襲ってくる」というのが流言の核心だったこと、当時はいわゆる「不逞鮮人」「朝鮮人パルチザン」を追うことが日本軍の日常活動となり、日本に反抗する朝鮮人は殺してもいいという考えが軍隊の中に公式化されそれが民衆に持ち込まれたこと、あるいは当時日本の民衆の中に自分たちが被害者だという意識があり、それが殺りくへの倫理的止め金を外したこと等が指摘されました。
 しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。
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関東大震災100周年シンポ「何が市民を虐殺に駆り立てたのか」
事実を究明することで歴史修正主義を止める
                        しんぶん赤旗 2023年9月4日
 2日、東京の在日韓人歴史資料館で関東大震災100周年を記念し、「何が市民を虐殺に駆り立てたのか」をテーマにシンポジウムが開かれました。
 同館館長の李成市(リ・ソンシ)・早稲田大学名誉教授は冒頭のあいさつで、2010年以降、大震災時の朝鮮人などの虐殺を否定する動きが強まっていることに懸念を表明。
 横浜市議会で自民党議員が中学社会科副読本の「虐殺」という言葉を問題視、「殺害」に変えられる ▽都立横網町公園の追悼碑にある犠牲者数を自民党議員が都議会で問題にし碑の撤去を求める ▽ハーバード大学のラムザイヤー教授が東大の支援も受け、震災当時の新聞報道をもとに、虐殺を招いた流言は実体のないものではなかったなどとする論文を発表―などの事例をあげ、「国際的な力も借りた歴史修正主義を押しとどめるために、当時の資料を発掘し事実を究明すること、さらに、災害時に簡単にデマを信じ虐殺に走り、しかも罪の意識がないという異常事態を、当時の状況からどのように理解できるかの視点を提供することで、未来に向けた信頼関係を築きたい」とのべました。

「なぜためらいなく人を殺すことができたのか」という疑問から長年、朝鮮人虐殺問題を研究してきたジャーナリストの渡辺延志(のぶゆき)さんは、「武装した朝鮮人が集団で襲ってくる」というのが流言の核心だったと強調。
 日本人が朝鮮人に恐怖を抱き流言を信じた背景に、戦時における体験があったと指摘。▽朝鮮の農民が圧政に対して蜂起した東学農民戦争(1894、95年)に日本は軍隊を送り3万~5万の農民を殺りく ▽日本の植民地支配に抗した朝鮮の義兵戦争(1906~15年)での殺りく ▽間島(かんとう)での抵抗運動を鎮圧・虐殺(20年) ▽シベリア出兵、ことに朝鮮人を含むパルチザンによって700人以上の日本人が皆殺しにされた尼港事件(20年)の経験―などがあり、「不逞(ふてい)鮮人」「朝鮮人パルチザン」を追うことが日本軍の日常活動となり、日本人に「不逞鮮人」への恐怖と敵対心が広がっていたと指摘しました。
 韓国近代史研究者の裵姈美(ベ・ヨンミ)さんは「そうした戦争を通じて、日本に反抗する朝鮮人は殺してもいいという考えが軍隊の中に公式化され、それを経験した兵士によって民衆に持ち込まれた」とのべました。
 戸辺秀明・東京経済大学教授は、市民を虐殺に駆り立てた要因として当時の日本社会が徴兵制がある社会=人を殺せる人間がいた社会だったと指摘。くわえて尼港事件などを通じて、日本の民衆の中に自分たちが被害者だという意識があり、自己防衛・正当防衛意識が殺りくへの倫理的止め金を外したと語りました。


関東大震災 朝鮮・中国人虐殺100 加害の歴史 向き合え
                        しんぶん赤旗 2023年9月4日
国会正門前キャンドル集会
 100年前に発生した関東大震災直後の混乱時に武装した市民で結成した自警団や警察官、軍人に虐殺された朝鮮人・中国人の人びとを追悼するキャンドル集会が2日、国会議事堂正門前で開催されました。「100年追悼大会実行委員会」の主催です。



(写真)政府は関東大震災での虐殺の事実を認め、謝罪せよとキャンドルをかかげて訴える参加者=2日、国会正門前


 1700人(主催者発表)が集まり、キャンドルに見立てたペンライトを掲げ、日本政府が自国の歴史に誠実に向き合い責任を果たすこと、同様の事件の再発を許さない共生社会実現を求めました。同実行委員会の渡辺健樹さんが「多民族・多文化が共生できる社会を目指すため立ち上がろう。いま再び隣国への敵愾心(てきがいしん)をあおり、敵基地攻撃を正当化する政府の戦争動員に立ち向かいましょう」とあいさつしました。

 震災後に群馬県の藤岡警察署に一時保護されていた朝鮮人が地元の自警団員に襲われ、17人が虐殺された「藤岡事件」遺族の曺光換(チョ・グァンファン)さんは、祖父の兄が30歳で亡くなったと語りました。朝鮮が植民地となり、貧しい家庭を何とかしたいと思い日本へ来たと言います。「日本は全く反省してない。資料を公開し、100年前に何があったか明らかにするべきだ。今日ここに集まった人、全員が英雄です」と訴えました。
 中国人遺族の周松権さんは、今年日本政府に2回目の督促状を提出したことを紹介。同督促状は ▽歴史を語り継ぐために殺害された現地に記念碑を建てる ▽中国人と朝鮮人の歴史を含む記念館建設 ▽日本の歴史教科書にこの事実を書き、日本の若い世代に歴史を知ってもらう―ことなどを求めています。
 集会には日本共産党の小池晃書記局長、吉良よし子、山添拓の各参院議員が参加しました。小池氏は「植民地支配という差別の構造の中で多くの朝鮮人の命が奪われた歴史を忘れてはいけない。加害の歴史に正面から目を向けることが、政府には求められている。歴史の歪曲(わいきょく)は許さない、その思いを固めあおう」と語りました。

シリーズ 戦争と人権 (3)(しんぶん赤旗)

 しんぶん赤旗の連載記事(不定期)「シリーズ 戦争と人権(3)」を紹介します。
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シリーズ 戦争と人権 (3) 植民地なき植民地支配 韓国などいまだに残る
      立命館大学教授(歴史社会学・スポーツ政策論) 権学俊さんに聞く
                        しんぶん赤旗 2023年9月4日
 大日本帝国が行った植民地支配の爪痕は、今なお消えることなく残り続けています。大日本帝国による植民地支配や在日韓国・朝鮮人に向けられている排外主義について研究している立命館大学の権学俊(クオン・ハクジュン)教授に聞きました。
          ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 私が強調したいのは、「植民地なき植民地支配」が、韓国などでいまだに残っているということです。

国家が体力管理
 大日本帝国の植民地支配下にあった朝鮮や台湾では、植民地主義に基づく政策が実行されていました。そのつが、「皇国臣民体操」など、体育と結びついた体力・健康管理です。
 日本でも、「国防競技」など国家による体力管理は行われていましたが、戦後、GHなによる占領政策による非軍事化、民主化によってなくされました。一方、大日本帝国から解放された朝鮮では、軍事クーデターによって独裁政権を敷いた朴正煕(パク・チョンヒ)氏によって「満州国を維持・管理するためにとられていた政策」が引き継がれました。
 朴氏は、満州国の陸軍士官学校を卒業し、将校を務めた人物です。彼は「体力は国力である」とし、満州国でも行われていた身体管理政策、「教練」(軍事訓練)や「体力章検定」を韓国で実施しました。つまり、1945年の太平洋戦争敗戦によって、日本による朝鮮の植民地支配は終わりましたが、植民地支配のためのイデオロギーや政策としての「植民地主義」ぱ韓国にそのまま残ったわけです。これが、「植民地なき植民地支配」の内実です。
 実際、私自身、高校生であった80年代に、高校の中で軍服を着て「教練」の授業を受けました。また、「体力章検定」は大学入試にも用いられ、点数化されていました。国民の健康・体力が国家によって提示されていたこと自体、植民地支配の残滓(ざんし)と言えます。
 現在、教練は廃止されていますが、こういった植民地支配の影響は根強く残っています。日本帝国が築き上げた植民地支配は、今なお、韓国の人々の暮らし、人生を大きく左右し続けています

対話こそ今必要
 今、アメリカの安全保障戦略に巻き込まれる形で、日米、米韓の軍事同盟が強化されています。「中国の独裁政権」に対抗するという形で、「新冷戦構造」が築かれようとしています。日本では、安倍政権から引き継がれた平和憲法9条の改正、軍事大国化がエスカレートし、戦争に向かっているわけですが、重要なことは「正義の戦争」はないということです。
 人の命よりも大事なものはありません。私は、日本が持つ憲法9条は素晴らしいものだと恵っています。今、東アジアに必要なのは軍事化ではありません。必要なことは、アジアの国々が対話し、平和をつくり上げることです。
 最後に、軍拡の問題に引き付けて考えると、朝鮮人は「日本軍」に徴兵された過去があります。徴兵制は、今も韓国で行われています。しかし、徴兵制とは、合法的な奴隷制に他なりません。事実、韓国では良心的な兵役拒否が認められていません。軍の中では、上司からのパワハラやゲイ、トランスジェンダーの兵士が性的な嫌がらせを受けている実態があります。自殺者も出ており、徴兵制は人々の生命をも奪っています。人権侵害である徴兵制は廃止すべきです。  (聞き手島田勇登)

06- 集中企画・マイナ狂騒(41)~(43)

 日刊ゲンダイの連載記事「集中企画・マイナ狂騒(41)(43)」を紹介します。
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集中企画・マイナ狂騒(41)
マイナ保険証「77万人ひも付けなし」の仰天 それでも11月末までの解消を目指す安っぽい精神論
                          日刊ゲンダイ 2023/08/26
 マイナンバーと公的医療保険情報がひも付けされず、医療機関で「マイナ保険証」が利用できない問題。厚労省は24日、ひも付けナシのケースが計約77万人分に上ると発表した。岸田首相は加藤厚労相に解消を指示。厚労省は11月末までの解消を目指すが、無理筋だ。安っぽい「精神論」に過ぎない。
                ◇  ◇  ◇
 先週、中小企業の従業員らが加入する「協会けんぽ」で約36万人分のひも付け作業が7月末時点で未了だったと判明。これを受けて厚労省は大企業の会社員らが入る健保組合などに実態調査を要請していた。
「77万人は大きな数字です。大企業の健保組合は管理がしっかりしており、協会けんぽほどは発生しないとみられていましたが、同じ程度見つかってしまった。登録したと認識している人がマイナ保険証を利用できないのは深刻な事態です」(埼玉県保険医協会の担当者)
 ひも付けは、健保組合など保険者が企業経由で従業員のマイナンバーを入手して行うが、提出されないことも多い。その場合、住民基本台帳のシステムで氏名、生年月日、性別、住所の「4情報」が一致するマイナンバーを探し出してひも付けする。しかし、従業員が申告した住所とシステム上の住所が一致しないケースがあり、ひも付けナシの未登録が発生する。
「住所の不一致はどうしても起きてしまうため、何としても被保険者からマイナンバーを聞き出すしかない。11月末の解消に向け、未登録者に『通知』を出し、マイナンバーを申し出てもらうキャンペーンを展開する方針です。厚労省はマイナ保険証の利用登録を申し込んだ人たちなので、進んで番号を教えてくれると踏んでいるようです」(霞が関関係者)

不安や不信から番号提供「ノー」も
 しかし、果たしてうまくいくのか。「共通番号いらないネット」事務局の宮崎俊郎氏が言う。
「政府の呼びかけにマイナンバーを提供する未登録者は少なくないでしょう。しかし、これだけトラブルが噴出し、マイナ保険証の利便性より危険性が明らかになる中、マイナ保険証の利用登録を申し込んだ人でも、番号提供に協力しない人も相当数いるのではないか。例えば、マイナポイントが欲しくて申し込んだが、マイナ保険証は怖くて使いたくない、そう考え、あえて番号を教えないケースも出てきそうです」
 マイナポイントの付与は9月末まで。デジタル庁のデータによると、7月以降のマイナ保険証登録の新規申し込み件数は、毎週20万件程度だ。この中にも番号が提供されず、ひも付けに至らないケースはあるはず。ひも付けナシの解消を進める一方で、新たな未登録がドンドン生まれるのである。
「システム上の不一致問題も改善されていませんし、番号提供に協力しない人もいる。だとすれば、11月末までにひも付けの未登録が大幅に解消されるとはとても思えません」(前出の埼玉協会の担当者)
 マイナ保険証は他にも難問山積だ。23日の立憲民主党のヒアリングで取り上げられた。
 まず、マイナカードを自主返納した場合、マイナ保険証の利用登録が解除されず、資格確認書が送られない件だ。厚労省は「問題意識はある。返納者の把握方法や資格確認書に関する手続きを検討していきたい」(国民健康保険課長)と答えた。現行保険証とマイナ保険証で窓口負担の割合に相違が生じ、過払いが発生している問題は「原因を調査中」(高齢者医療課長)。現行保険証と比べ、マイナ保険証と資格確認書の運用がコストや手間が減少する根拠については「削減額の具体的な試算は今後検討する」(国民健康保険課長)──。とまあ、調査中や検討中のオンパレードだ。


集中企画・マイナ狂騒(42
厚労省が満を持して出した「保険証廃止で最大108億円コスト減」の“怪しい試算”
                          日刊ゲンダイ 2023/08/27
 来秋に予定されている健康保険証の廃止をめぐり、厚労省は24日、廃止がコスト削減につながるとの試算を発表した。試算は社会保障審議会医療保険部会で示されたもので、保険証廃止によって「最大108億円のコスト減になる」との結果を示している。しかし、この試算は「こんなのアリ?」と首をかしげたくなるほど、酷いシロモノだ
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 厚労省が出したのは〈保険証の廃止に伴う削減コスト(ごく粗い試算)〉。自営業者らが加入する国民健康保険、会社員とその家族などが加入する被用者保険、75歳以上が加入する後期高齢者医療制度について、現行の保険証にかかるコストと、保険証廃止後のコストを比較した。
 保険証廃止後は、マイナ保険証を持たない被保険者には「資格確認書」が、マイナ保険証の利用者にはマイナ非対応の医療機関で保険診療を受ける際に必要な「資格情報のお知らせ」が配られる。つまり、廃止後のコストとは、「資格確認書」の発行と、「お知らせ」の送付にかかる手間とカネだ。
 試算によれば、マイナ保険証の利用登録率が現在の52%で推移した場合、保険証廃止に伴うコスト減は76億~82億円。利用登録が進んで65~70%に達した場合は、100億~108億円が削減される見込みだという。
 しかし、25日の立憲民主党の国対ヒアリングでは、試算の“甘さ”を指摘する声が相次いだ。長妻昭政調会長は「(現行の保険証を)廃止すると、問い合わせや管理など、膨大なヒト・モノ・カネがかかるといわれているが、そのコストが(試算に)入っているのか」と疑問を呈した。
 厚労省の担当者は「先生方からコスト試算を早く出すようにというご要請もあり、一定の仮定を置いた上で試算した」と説明。問題なのは、この「一定の仮定」だ。
 厚労省は試算の前提として、「資格確認書」の印刷製本費を65円、マイナ保険証と一緒に携行して使う「資格情報のお知らせ」を10円と、異常に安く設定している。

コスト削減額を大きく見せるためにムリな「仮定」を設定?
 さすがに、長妻氏が「『お知らせ』が10円ということは単なる紙ペラ。本当に紙で配るのか」と問うと、厚労省は「資格確認書より簡易なものになる」と明言を避けた。一方、「『お知らせ』がカードになる可能性もある?」との問いには、「可能性はいろいろあると思います」と否定しなかった。
 厚労省は、コスト削減額を大きく見せるために、ムリな「仮定」を設定している疑いが強い
「お知らせ」はマイナ保険証と一緒に持ち歩くことが想定される。紙だと不便だから、カードのような形式がベターなのは言うまでもない。厚労省の試算が前提にしている「1枚10円」よりも割高になる可能性がある。
 問題は単価だけじゃない。厚労省は「お知らせ」を被用者保険の加入者には配らないことを前提にしているのだ。
 ヒアリングで山井和則衆院議員が「『お知らせ』が被用者保険の加入者には配られないのはなぜ」とただしたところ、厚労省は「送らない前提で試算したが、政策がそうなるわけではない」と釈明。被用者保険の加入者の大半がマイナ保険証に対応した医療機関に来院しているとして、「それを含めて考えなければいけない」と言い繕った。
「お知らせ」をもらえなければ、マイナ非対応の医療機関で保険医療が受けられない可能性がある。厚労省は「切り捨てるつもりはない」と強弁したが、試算の段階で被用者保険の加入者に「『お知らせ』を配らない」と仮定すること自体、おかしな話ではないか。
 改めて山井衆院議員がこう言う。
「試算は他にも問題があります。現行の保険証の発行にかかるコストは235億円と推計されていますが、積算根拠は今のところ不明です。また、マイナ保険証と資格確認書の『ダブル持ち』が認められた要介護高齢者や障害者など『要配慮者』については、約200万人に役所窓口へ来てもらい、資格確認書を申請してもらう計算になります。そうした手間やコストを考えれば、現行の保険証を残しつつデジタル化を進めていく方がいい
 健康保険証を人質に取り、マイナ保険証を無理に普及させようとするから、いろんな綻びが出る。やはり、保険証廃止の撤回しかない。


集中企画・マイナ狂騒 (43)
厚労省試算「保険証廃止で100億円浮く」は医療給付全体の0.023%…コスト削減効果ショボすぎ
                            日刊ゲンダイ2023/8/29
メリットが乏しい」──。来秋に予定されている現行の保険証の廃止について、厚労省が出したコスト削減試算に医療関係者から「物言い」がついている
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 厚労省は保険証廃止に伴うコスト削減について、①マイナ保険証の利用登録率が現状より進む場合と、②利用登録率が現状のままの場合の2パターンに分けて試算。利用登録率が65~70%に達するとした①では削減額が100億~108億円、利用登録率が現状の52%のままとした②では同76億~82億円──とはじき出した。24日の社会保障審議会医療保険部会で示した。
 一見すると、保険証廃止によるコスト削減のメリットが大きいように見えるが、実はそうでもない。全国保険医団体連合会(保団連)は25日、厚労省の試算について検証。次のように指摘している。
〈2021年度概算医療費は44兆2000億円となる。資格確認書等を発行・交付した場合の厚労省試算に基づく削減額(約100億円)は、医療給付全体のわずか0.023%に過ぎない〉
 岸田首相は今月4日の総理会見で、マイナ保険証を普及させるメリットについて「従来の健康保険証に比べ、発行コストあるいは保険者の事務負担は減少する。これは当然のことだと思っています」と胸を張っていたが、医療費全体からしてみればコスト減は極めて小さいのだ。さらに保団連は、厚労省が推計している現行の保険証発行にかかるコスト235億円を引き合いに出し、〈医療給付全体だとわずか0.053%に過ぎない〉と指摘。〈健康保険証の発行・交付は万一のケガや病気の際にもいつでもどこでも医療が受けられる大前提となる経費であり、保険証廃止で経費削減になったとしても医療給付が滞る事態を招くことは本末転倒である〉と喝破している。

■国民皆保険制度が揺らぐ事態
 保団連の竹田智雄副会長(竹田クリニック院長)がこう言う。
「極めて粗い試算とのことですが、それにしても、保険証廃止によるコスト減は微々たるものです。さらに言えば、マイナ保険証を持たない人に交付される資格確認書について、保険者側が被るシステム管理や人手などのコスト増は考慮されていません。そもそも、国民皆保険制度において、誰もが安心して保険証1枚で保険診療を受けられる環境を維持することは発行コストも含めて必要経費です。コストが減ればいいというものではないし、マイナ保険証への移行に伴う無保険者の続出やひも付けの誤りなどの懸念といったデメリットの方が大きい国民皆保険制度が揺らぐ事態です。やはり、保険証廃止は撤回してほしい」

「せめて紙の保険証と併用するべき」
 政府は保険証廃止の唯一のメリットを「コスト減」とうたってきたが、どう考えても削減効果は極めて乏しい。皆保険制度を危機にさらしてまで推し進めるべきではないことは明らかだ。
マイナ保険証に移行させたいのであれば、せめて紙の保険証と併用するべきです。併用を認めたうえで、マイナ保険証を使うメリットが浸透して利用者が増えてから紙の保険証廃止を検討するのが政策的な筋道でしょう。ひも付け誤りなどのミスを防ぐのは容易ではないからこそ、誤っても大丈夫なシステムを構築した後にマイナ保険証への移行を進めるべきです。マイナ保険証が国民にとって本当にいいものなら、紙の保険証を廃止せずとも、おのずから普及していくはずです」(竹田智雄氏)
 使いたい人だけがマイナ保険証を使えるようにすればいいだけの話である。スケジュールありきの保険証廃止が生む混乱は、ムダ以外の何ものでもない。