2024年2月3日土曜日

国際司法裁命令 順守を 国連安保理 ガザ情勢緊急会合 停戦求める声相次ぐ

 国際司法裁判所(ICJ)がイスラエルに対し、パレスチナ・ガザでのジェノサイド(集団殺害)を防ぐよう命じたことを受け1月31日、国連安全保障理事会緊急会合を開きました。アルジェリアモザンビーク、マルタなどからICJの命令順守を求めその実行のため停戦が必要だと訴える声が相次いだということです。

 告発国の南アフリカのパンドール外相は31日、ガザにおけるイスラエルの軍事行動に対し、資金提供や後押しをしないことはすべての国の義務だと訴え、ICJはイスラエルの軍事行動がジェノサイド(集団殺害)となり得ることを明確にしたと指摘しました
 また同氏は記者団に対し、先週ICJの判事と会い、「ICJが)ロシアのプーチン大統領に逮捕状を発給できるのに、なぜイスラエルのネタニヤフ首相に対してはできないのかとただしたが、判事はそれに答えなかった」と述べました。
 この件に関しては二重基準の誹りを免れません。

 それとは別に、米国では31日までに少なくとも48都市の議会がパレスチナのガザ地区での停戦やイスラエルによる爆撃の中止を求める決議を可決しています。サンフランシスコやシアトル、アトランタなどの大都市も含まれます。
 昨年10月の世論調査では、バイデンに対するアラプ系米国人の支持率は17にとどまり、21年時点の59から急落しました。各地での決議可決は「11月の大統領選挙を前にバイデン氏にとってますます圧力になっている」としています。

 全米第3の都市シカゴの市議会は31日、ガザ地区での停戦を求める決議案を賛成24、反対23で可決しました。市議による表決では賛否が同数で、議長を兼務するジョンソン市長(民主党)が賛成しました。シカゴでは前日、高校生がデモ行進するなど、市議会に停戦支持決議を上げるよう求める声が強まっていました。イスラエル寄りの政治家や右派団体が妨害する中、若者をはじめとする市民の運動が実を結んだ形です。
 しんぶん赤旗の4つの記事を紹介します。

 関連記事(櫻井ジャーナル1日付
  ICJの判決を無視、ガザでの住民虐殺を続けるイスラエル、アメリカ、イギリス
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国際司法裁命令 順守を 国連安保理 ガザ情勢緊急会合 停戦求める声相次ぐ
                       しんぶん赤旗 2024年2月2日
 【ワシントン=石黒みずほ】国連安全保障理事会は1月31日、国際司法裁判所(ICJ)がイスラエルに対し、パレスチナ・ガザでのジェノサイド(集団殺害)を防ぐよう命じたことを受け、緊急会合を開きました。ICJの命令順守を求め、その実行のため停戦が必要だと訴える声が相次ぎました。

 アルジェリアは、ICJの決定は「停戦を通じてのみ達成される」と強調。毎日250人が犠牲となっているとして「このような非道が受け入れられてはならない」と訴えました。
 モザンビークは、ICJがイスラエルに、ガザで緊急に必要とされる基本的なサービスや人道支援を施すよう命じたことに言及。「緊急に人道停戦を実現する必要がある」と述べました。
 マルタは、イスラエルにガザの人々への肉体的・精神的な危害を防ぐよう命じたICJの決定を「完全かつ迅速で、効果的に履行するよう求める」と述べました。
 イスラエルは「自衛権」を主張し、ガザでの軍事作戦継続を正当化。米国も「ICJは即時停戦を命じていない」などと擁護しました。
 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の職員がハマスによるイスラエル奇襲に関与した疑惑については、多くの国が速やかな調査を要請。資金拠出の停止を決定した国に対し、「UNRWAの取り組みはガザの数百万人の命綱になっている」(スロベニア)など、資金拠出の継続を訴える声もあがりました。


イスラエル軍地支援停止 南ア「すべての国の義務」
                         しんぶん赤旗 2024年2月2日
 【ヨハネスブルグ=ロイター】南アフリカのパンドール国際関係・協力相(外相)は1月31日、ガザにおけるイスラエルの軍事行動に対し、資金提供や後押しをしないことはすべての国の義務だと訴え、国際司法裁判所ICJ)はイスラエルの軍事行動がジェノサイド(集団殺害)となり得ることを明確にしたと指摘しました。 南アフカは長年、パレスチナの主張を擁護し、パレスチナ人の窮状をアパルトヘイト(人種隔離政策)下の南アの黒人になぞらえてきました。
 パンドール氏は記者団に対し、先週、国際刑事裁判所ICJ)の判事と会い、南アが昨年11月、他国と共同でICJに求めたパレスヂナの状況に関する調査について議論したと表明。「ICJが)ロシアのプーチン大統領に逮捕状を発給できるのに、なぜイスラエルのネタニヤフ首相に対してはできないのかとただしたが、判事はそれに答えなかった」と述べました。 ただ、その議論を通じて、調査がまだ進行中だとの感触を得たと説明しました。


米48都市議会が停戦支持決議
                         しんぶん赤旗 2024年2月2日
 【ワシントン=島田峰隆】ロイター通償によると、米国では1月31日までに少なくとも48都市の議会がパレスチナのガザ地区での停戦やイスラエルによる爆撃の中止を求める決議を可決しています。サンフランシスコやシアトル、アトランタなどの大都市も含まれます。
 昨年11月にミシガン州のデトロイト市議会が可決した停戦支持決議に賛成したサンティアゴロメロ議員は、決議の可決は停戦を拒むバイデン大統領や民主党指導部へのいら立ちの反映だと指摘。「われわれの声に耳を傾ける指導者を求めている。民主党は若者たちの声を聞くべきだ」と強調しました。
 ロイター通信は各地での決議可決は「11月の大統領選挙を前にバイデン氏にとってますます圧力になっている」としています。
 決議を可決した都市の多くは大統領週で民主党が勝利することの多い州にありますが、少なくとも14都市はミシガン州など週挙のたぴに勝利政党が変わる激戦州にあります。
 昨年10月の世論調査では、バイデン氏に対するアラプ系米国人の支持率は17にとどまり、2021年時点の59から急落しました。

シカゴ市議会 若者らの運動実る
                         しんぶん赤旗 2024年2月2日
【ワシントン=島田峰隆】米中西部イリノイ州シカゴの市議会は1月31日、イスラエルの軍事侵攻を受けるパレスチナのガザ地区での停戦を求める決議案を賛成24、反対23で可決しました。市議による表決では賛否が同数となり、議長を兼務するジョンソン市長(民主党)が賛成しました。シカゴは米国第3の都市。ガザ停戦支持決議を上げた地方自治体の中では最大規模です。
 シカゴでは前日、高校生がデモ行進するなど、市議会に停戦支持決議を上げるよう求める声が強まっていました。イスラエル寄りの政治家や右派団体が妨害する中、若者をはじめとする市民の運動が実を結んだ形です。
 決議は、即時の人道的停戦を求めた昨年12月の国連総会決議に支持を表明。ガザで永続する停戦と人道支援の強化、すべてめ人質の即時・無条件の解放を求めています。
 決議の共同提案者となったラスパタ議員は採決にあたり、イスラム組織ハマスによる暴力とイスラエルによるガザ住民に対する暴力の双方を非難すると強調。「停戦こそが暴力から抜け出す道だ。われわれは希望と連帯の気持ちを持って採決に臨む」と述べました。
 同決議の採択を受けて、米国内に住むパレスチナ人などでつくる団体「米国パレスチナ人コミュニティー・ネットワーク」は「この勝利を力にバイデン大統領に対してジェノサ,イド(集団殺害)の支援をやめるよう求め続ける」と表明しました

国政の根幹問題ただすも 首相はことごとく答えられず 志位議長が批判

 共産党の志位議長は1日、衆院本会議で代表質問に立ち、能登半島地震の被災者支援の抜本拡充、裏金問題の全容解明を迫り経済ではれまでの政策の失敗を認めながら転換でき政策破綻したと批判しました
 平和の問題では、米国いいなりの「戦争国家づくり」ではなく、自主自立の外交で平和をつくる道への転換を、また、深刻なトラブルが発生した志賀原発、柏崎刈羽原発の廃炉そして巨額の税金を使う大阪・関西万博の開催中止を迫りました。

 志位議長は代表質問のあと、国会内で記者会見し「国政の根幹にあたる問題をただしたが、岸田首相は全体として聞いていることにことごとく答えられないことの連続だった」と述べました。
 能登半島地震の問題について「一言で言って冷たい答弁」で被災者の「深刻な実態を分かっていないのではないか」と批判しました。
 原発については、避難計画が実行不可能であることを追及したことに、「岸田首相もこのままではまずいことは否定できなくなったが、緊急時対応を取りまとめていくとした。これはうまくいくわけがない」と批判し、原発は廃炉にする以外はないと主張しました。
 能登半島地震が示したのは「避難は不可能」という現実であり、小手先の「緊急時対応」等で凌げるようなものではありません。岸田政権の真面目さが問われています。
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国政の根幹問題ただすも 首相はことごとく答えられず 代表質問の答弁に志位議長が批判
                         しんぶん赤旗 2024年2月2日
 日本共産党の志位和夫議長は1日、国会内で、自身の代表質問に対する岸田文雄首相の答弁への受け止めについて「国政の根幹にあたる問題をただしたが、岸田首相の答弁は全体として聞いていることにことごとく答えられないことの連続だった」と述べました。

 志位氏は、能登半島地震の問題について、「一言で言って冷たい答弁だ」と述べ、災害救助法で定められた「温かく栄養のある食事」や段ボールベッドなどが届いているのか実態把握を求めたが、答弁は「やっている」の一点張りだったと指摘。「私は『温かく栄養のある食事』を求めたのに、首相は『温めて食べられる食事』と言った。これは似て非なるものであり、深刻な実態を分かっていないのではないか」と批判しました。
 一方で、被災者生活再建支援金の引き上げの要求には、「追加的な方策を検討している」と答弁したと指摘し、実行させるよう引き続き求めると述べました。

 原発については、避難計画が実行不可能であることを追及したとして、「岸田首相もこのままではまずいことは否定できなくなったが、緊急時対応を取りまとめていくとした。これはうまくいくわけがない」と批判し、原発は廃炉にする以外はないと主張しました。
 大阪・関西万博の問題では、「復興に具体的な支障が生じるとの情報には接していない」と答弁したが、現地では建設業者や資材が足りず、やっと仮設住宅の設置が始まった段階だとして、「『接していない』からやるというのは全く無理な話だ」と述べました。
 自民党派閥の裏金問題については、岸田首相が「不記載の実態把握に努める」と答弁したと指摘。「裏金の実態把握をすると事実上言ったわけだから、これは足掛かりになると思う」と強調しました。
 企業・団体献金については、1994年に細川護熙首相と自民党の河野洋平総裁の党首合意で、企業・団体献金を禁止する約束が交わされたことを土台に質問したにもかかわらず、岸田首相は70年の最高裁判決を持ち出して「論理の飛躍」などと反論してきたと指摘。「30年前に決着がついている話に対して、はるか昔の最高裁判決を持ってくる。これこそ『論理の飛躍』だ」と批判しました。
 経済問題では、自民党「税制改正大綱」をもとに経済政策の破綻の中心部分を追及したが、岸田首相は一切答えなかったと指摘。介護保険改悪の問題でも、「制度の持続可能性を維持するために必要」という冷たい答弁に終始したと述べました。
 平和外交については、ASEAN(東南アジア諸国連合)の中心性、AOIP(ASEANインド太平洋構想)の推進に、岸田首相も「賛成だ」と言わざるを得ない一方で、アメリカ言いなりの大軍拡を続ける姿勢には固執したとして、「(ASEANとは)全く違う道を進んでいる日本外交の深い矛盾が浮き彫りになった」と強調しました。


能登地震・裏金・暮らし・外交 国政の根幹ただす 衆院本会議 志位議長が代表質問
                        しんぶん赤旗 2024年2月2日
 日本共産党の志位和夫議長は1日、衆院本会議で代表質問に立ち、能登半島地震の被災者支援の抜本拡充、自民党の政治資金パーティーをめぐる裏金問題の全容解明を迫りました。経済では、岸田政権がこれまでの政策の失敗を認めながら、失敗した道を転換できない政策破綻に追い込まれていると批判。平和では、米国いいなりの「戦争国家づくり」ではなく、自主自立の外交で平和をつくる道への転換など、希望を届ける対案を示して国政の根幹をただす論戦を展開しました。代表質問全文関連記事

 志位氏は、能登半島地震の対応について、被災者の命と健康を守り抜くために、実態をつかみ、支援を現場に届け切る具体策を示すよう要求。住宅・なりわいの再建に向けて政府が「希望」のメッセージを発信する必要性を強調し、被災者生活再建支援金の大幅な引き上げなど、「災害の特別の深刻さに見合った『異例の措置』をちゅうちょなく実行すべきだ」と求めました。また、深刻なトラブルが発生した志賀原発、柏崎刈羽原発の廃炉、巨額の税金を使う大阪・関西万博の開催中止を迫りました。
 岸田首相は、被災者支援について「実情に合わせて追加的な方策を総合的に検討している」と述べるにとどめました。志賀原発について「安全確保に影響のある問題は生じていない」と強弁し、大阪・関西万博の開催中止を否定しました。

 志位氏は、自民党の裏金問題について、国民の深い批判と怒りが沸き起こっていると指摘。政治資金規正法の根本精神をじゅうりんし、「『民主政治の健全な発達』を妨害する組織的犯罪行為という認識と反省はあるか」とただしました。
 自民党内でシステム化していた裏金づくりの全容解明を迫り、「全容解明にふたをしたまま、いくら『政治刷新』と言っても何の意味もない」と批判。パーティー券を含めた企業・団体献金の全面禁止、政党助成金制度の廃止を求めました。
 志位氏に「総理が繰り返す『実態の解明』の実態とは、いったい何の実態なのか」と追及され、岸田首相は「(政治資金収支報告書の)不記載の実態の把握」に努めると初めて述べざるを得なくなりました。一方、企業・団体献金は「不適切とは考えていない」と述べ、全面禁止に背を向けました。
 暮らしと経済について志位氏は、自民党の「税制改正大綱」が「近年の累次の法人税改革は意図した成果を上げてこなかった」と結論付けていることをあげ、「長年続けてきた法人税を減税し、その穴埋めに消費税を増税する路線を根本的に改めることが必要だ」と追及しました。富裕層・大企業に応分の負担を求め、消費税5%減税、インボイス増税の中止こそ「失敗から学ぶ道だ」と迫りました。

 米中対立が強まるもとでの日本の進路について志位氏は、昨年末、東南アジア諸国連合(ASEAN)に加入する3カ国を歴訪した経験から、「中立と自主独立を貫くASEANの立場に、日本外交が学ぶべき英知が示されている」とただしました。東アジアを戦争の心配のない平和と協力の地域にしていくために、憲法9条を生かした平和外交に取り組むことこそ未来ある道だと強調しました。
 岸田首相は「ASEANの中心性を支持する」「AOIP(ASEANインド太平洋構想)を強く支持する」と述べる一方、大軍拡と日米同盟に固執するという矛盾した姿勢を示しました。

西側はいかにして敗れたか(賀茂川耕助氏)

 海外記事を紹介する「耕助のブログ」に掲題の記事が載りました。
 『西洋の敗北』の著者エマニュエル・トッドはフランスに残る数少ないインテリの一人とされています。その論理の展開は深く複雑で無知な事務局は到底理解できませんが、結論自体は十分に納得がいきます(少なくともいまの西側の為政者たちには評価に値する思想がないという意味で)。
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西側はいかにして敗れたか
                   耕助のブログNo. 2047 2024年2月1日
     How the West Was Defeated   by Pepe Escobar
エマニュエル・トッドは歴史家、人口学者、人類学者、社会学者、政治アナリストであり、滅びゆく種の一人だ。彼はフランスに残る数少ないインテリの一人で、西側から東側まで冷戦時代の若い世代を魅了したブローデル、サルトル、ドゥルーズ、フーコーの後継者である。
彼の最新作『La Défaite de L'Occident(西洋の敗北)』に関する最初の話題は、先週NATO圏内であるフランスで実際に出版されたというちょっとした奇跡である。独自の考えを持つ人によれば、この本は事実と検証されたデータに基づく手榴弾のような本で、「皇帝」プーチンによる「侵略」の周囲に築かれたロシア恐怖症の建物をすべて吹き飛ばすという。
オリガルヒに支配されたフランスの一部のメディアでさえ、いくつかの理由からトッドを無視することができなかった。それはトッドが1976年にソ連の崩壊を予言した最初の西洋知識人だったからだ。彼はソ連の乳幼児死亡率に基づく研究で、すでに『La Chute Finale(最後の転落)』という著書でソ連の崩壊を予言していた
もうひとつの重要な理由は2002年に出版された『Apres L'Empire(帝国以後)』である。これはイラクでの衝撃と畏怖の数ヶ月前に出版された、帝国の衰退と没落のプレビューのようなものだ。

そして今、トッドは自身の最後の著書(『I closed the circle』(話は完結した))と位置づけ、ウクライナ戦争とその周辺にフォーカスしたリサーチで米国のみならず西側諸国全体の敗北を綿密に描いている。
ロシア恐怖症とキャンセル・カルチャーが君臨し、逸脱したものはすべて罰せられるという有害なNATO諸国の環境を考慮し、トッドは現在のプロセスをウクライナにおけるロシアの勝利と決めつけないように細心の注意を払っている(それでも、社会的平和のいくつかの指標から「プーチン体制」の全体的な安定に至るまで、彼が説明するすべてにそれは暗示されている。「プーチン体制」は「ロシアの歴史の産物であり、一人の人間の仕事ではない」。)
トッドはむしろ西側の没落を招いた主な理由に焦点を当てている。それらは、国家の終焉、脱工業化(ウクライナ向け兵器の生産におけるNATOの赤字を説明している)、西側の宗教的マトリックスであるプロテスタンティズムの「ゼロ度」、米国における死亡率の急上昇(ロシアよりもはるかに高い)、自殺や殺人、そして永遠の戦争への執着によって表現される帝国的ニヒリズムの優位性、などである。

プロテスタンティズムの崩壊
トッドは、ロシア、ウクライナ、東ヨーロッパ、ドイツ、イギリス、スカンジナビア、そして最後に帝国と、順を追って整然と分析している。ここでは、彼の注目すべき演習の12大ヒットになるであろうものに焦点を当ててみよう。
 2022年2月の特別軍事作戦{1}(SMO)開始時、ロシアとベラルーシのGDPの合計は西側諸国(この場合はNATO圏+日本・韓国)の3.3%に過ぎなかった。この3.3%が西側の巨大企業全体よりも多くの兵器を生産し、戦争に勝利しているだけでなく「新自由主義的政治経済」の支配的概念(GDP率)をめちゃくちゃにしたことにトッドは驚いている。
 西側の「イデオロギー的孤立」と「イデオロギー的ナルシシズム」。例えば、「イスラム世界全体が{2}、ロシアを敵対者というよりむしろパートナーとして考えているようだ」ということを西側は理解できない。
3 トッドは「ウェーバー型国家」という概念を避け、プーチンと米国の現実政治の実践者であるジョン・ミアシャイマーとの間にあるビジョンの一致を思わせる。なぜなら国家は力関係のみが重要な環境で生き残ることを余儀なくされているため、今や「ホッブズ的なエージェント」として行動している。そして、「主権」に焦点を当てたロシアの国家の概念、つまり外国からの干渉を一切受けず、国家が独自に内政・外交政策を決定する能力に行き着くのである。
4  WASP文化が一歩一歩崩壊し、それが「1960年代以降」から「中心とプロジェクトを奪われた帝国、(人類学的な意味での)文化を持たない集団によって管理される本質的に軍事的な有機体」に至った。これがトッドが定義する米国のネオコンである。
5 「帝国以後」としての米国の存在。インテリジェンス主導の文化を奪われた軍事機械の抜け殻に過ぎず、「産業基盤の大規模な縮小の段階で軍備拡張の強調」につながった。トッドが強調するように、「産業なき近代戦争は矛盾語法」なのである。
6 人口統計の罠。トッドはワシントンの戦略家たちがいかに「人口が減少しても高い教育水準と技術水準を享受している国家は軍事力を失わないということを忘れていた」かを示した。それこそがプーチン時代のロシアなのである。
7 ここで我々はトッドの主張の核心に到達する。1904/1905年に出版された『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』のマックス・ウェーバー以後の再解釈だ。「もしプロテスタンティズムが西洋の勃興の母体であったとすれば、その死は、今日、西洋の崩壊と敗北の原因である」。
トッドは、1688年のイギリス「栄光の革命」、1776年のアメリカ独立宣言、そして1789年のフランス革命がいかに自由主義的西洋の真の柱であったかを明確に定義している。その結果、拡大した「西洋」は歴史的に「リベラル」ではない。なぜなら「イタリア・ファシズム、ドイツ・ナチズム、そして日本の軍国主義」をも生み出したからである。
要するにトッドはプロテスタンティズムが、いかにして支配する民衆の普遍的な識字率を押し付けたかを示したのである。なぜなら「すべての信者は直接聖書にアクセスしなければならない。識字率が高いと経済的、技術的発展が可能である。プロテスタントの宗教は、偶然にも、優秀で効率的な労働力をモデル化した」。そしてこの意味から産業革命はイギリスで起こったが、ドイツが「西洋の発展の中心」であったのだ。

トッドの重要な考え方は議論の余地がない。「西洋が台頭した決定的な要因は、プロテスタンティズムがアルファベット表記にこだわったことである」。
さらにトッドは、プロテスタンティズムは西洋の歴史の中心に2度あると強調している。一つは教育と経済の推進を通じて――地獄への恐れや神に選ばれたという必要性が働き、労働倫理や強力な集団的道徳を生み出した――そして、人間は不平等であるという考え方を通じて(「白人の負担)を思い出してほしい)。
プロテスタンティズムの崩壊は、大衆の欲望のために労働倫理の破壊を招かざるを得なかった。それが新自由主義である 

トランスジェンダー主義とフェイク・カルト
8 1968年の精神に対するトッドの鋭い批評は、まったく新しい本に値するだろう。彼は「1960年代の大きな幻想のひとつ-英米の性革命とフランスの1968年5月の間-」、「集団から解放されれば、個人はより偉大になると信じたこと」について言及している。それは避けられない惨敗につながった。「私たちは形而上的な信念、基礎と派生的な信念、共産主義、社会主義、またはナショナリスト的な新年から一斉に開放された今、私たちは空虚を経験している」。だから私たちは「自分自身で考える勇気のない模倣的な小人の群れになったが、古代の信者たちと同じくらい不寛容であることを露呈しているのだ」
9 トッドのトランスジェンダー主義の深い意味についての簡潔な分析は、ニューヨークからEU圏に至るまで、Woke”(⇒目覚めた/人種的偏見と差別の否定)の教会を完全に打ち砕き、怒りの連発を引き起こすだろう。彼は、トランスジェンダー主義がいかに「現在西洋を定義しているニヒリズムの旗印のひとつであり、物や人間だけでなく、現実をも破壊しようとする衝動」であるかを示している。
さらに分析的なボーナスもある: 
トランスジェンダーのイデオロギーでは、男が女になることができ、女が男になることができるとしている。これは誤った主張であり、その意味で西洋のニヒリズムの理論的核心に近い。
さらにひどいのは地政学的な影響である。トッドは、この偽物のカルトと、国際関係における米国のふらふらした行動との間に、ふざけた精神的・社会的結びつきを確立している。例:オバマ政権下で締結されたイラン核合意は、トランプ政権下では厳しい制裁体制になった。トッドは、米国の外交政策は、その独自の方法でジェンダーが流動的であると述べている。
10 ヨーロッパの「幇助自殺」。トッドは、ヨーロッパが当初はフランスとドイツのカップルであったことを私たちに思い出させる。しかし2007/2008年の金融危機の後、それは「家父長制的な結婚に変わり、ドイツが支配的な配偶者となり、仲間の言うことを聞かなくなった」。EUはヨーロッパの利益を守ることを放棄し、パートナーであるロシアとのエネルギーや貿易を断ち、自らを制裁した。トッドは、パリ=ベルリン軸がロンドン=ワルシャワ=キエフ軸に取って代わられたことを正確に指摘している。それはヨーロッパの自律的な地政学的行動主体としての終わりであった。そしてそれはネオコンによるイラク戦争に、フランスとドイツが共同で反対したわずか20年後のことだった。
11 トッドは「彼らの無意識」に踏み込むことでNATOを正しく定義している。「その軍事的、イデオロギー的、心理的メカニズムは、西ヨーロッパを守るために存在するのではなく、西ヨーロッパをコントロールするために存在する。」
12 ロシア、中国、イラン、そしてヨーロッパの無党派層のアナリストたちとともにトッドは、1990年代以来、ドイツをロシアから切り離そうとする米国の執念は失敗に終わると確信している。「遅かれ早かれ、両者は協力することになるだろう。ウクライナの敗北は、ドイツとロシアを相互に誘惑する「引力」として、その道を開くだろう。
その前に、NATO圏の西側「アナリスト」とは異なり{3}、トッドはモスクワがウクライナだけでなくNATO全体に対して勝利を収め、プーチンが2022年初頭に特定した好機の窓から利益を得ようとしていることを理解している。トッドは2027年までの5年間の終盤を見据えて賭けをしている。昨年のショイグ国防相の「SMOは2025年までに終了する」という発言と比較するのは賢明だ。
期限はどうであれ、このすべてに組み込まれているのはロシアの完全勝利である。勝者がすべての条件を決定する。米国が今必死に動いているが、交渉も、停戦も、凍結された紛争もない

「西側の勝利」を演出するダボス会議
トッドの著書の顕著な功績は、歴史と人類学を使って西洋社会の誤った意識を洗い出すことにある。そのため、例えば、ヨーロッパの非常に特定の家族構造の研究に焦点を当てることで、トッドは完全に洗脳された集団的な西洋の大衆がターボ新自由主義の下でしがみついている現実を説明する方法を見出した。
トッドの現実に基づいた本がダボス会議のエリートたちの間でヒットすることはないだろう。今週ダボスで起きていることは非常に啓発的だった。すべてが明るみになっている。
毒毒しいEUのメデューサであるフォン・デア・ライエン、NATOの戦争屋ストルテンベルグ{4}、ブラックロック、JPモルガン、そしてキエフで汗臭いトレーナーを着た人物と握手したお偉方など、いつもの容疑者たちから発せられる「西側勝利」のメッセージは統一されている。
戦争は平和だ。ウクライナは負けていないし、ロシアは勝っていない。私たちに異を唱えればどんなことでも「ヘイトスピーチ」として検閲されるだろう。私たちは新世界秩序を望んでいる-あなたたち下級農民がどう思おうと-今すぐ、それを望んでいるのだ
そしてもしすべて失敗したら、あらかじめ作っておいた「疾病X」DiseaseXがあなたのところにやってくるだろう。
Links:
{1} https://sputnikglobe.com/20240117/russias-special-military-operation-in-ukraine-and-how-it-is-progressing-1105665248.html
{2} https://sputnikglobe.com/20231210/doha-summit-us-risks-alienating-muslim-world-by-vetoing-gaza-ceasefire-resolutions-1115510496.html
{3} https://sputnikglobe.com/20240111/baltic-states-join-ukraine-in-seeking-to-draw-nato-into-open-conflict-with-russia-1116121396.html
{4} https://sputnikglobe.com/20240115/fact-check-is-russia-really-getting-ready-to-invade-nato-1116182337.html

https://www.unz.com/pescobar/how-the-west-was-defeated/

もう一つのアメリカ戦争を始めたバイデン(ケイトリン・ジョンストン)

 国際司法裁判所ICJがイスラエルに対しガザでのジェノサイド(集団殺害)を防ぐよう命じたにも関わらず、イスラエルはむしろ虐殺行為を拡大させました。

 イスラエルを支援している米英等も大虐殺を止めようとしないどころか、パレスチナに連帯してイスラエル(及び米英)寄りの船舶の紅海航行を阻止しようとしているフーシ派を擁するイエメンに対し、有志連合を組織して空爆を継続しています。
 要するにたとえ中東の全国家を敵に回そうともイスラエルを支持し続けるということです。
 恐るべき没道義の戦争国家です。ケイトリン・ジョンストンが掲題の記事を出しました。
           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
もう一つのアメリカ戦争を始めたバイデン
              マスコミに載らない海外記事 2024年2月 1日




 だから彼ら自身実現されていないと認めている狙いを口実に、現状の支配を維持するため、貧困にあえぐ中東の人々に爆弾の雨を降らせている。いつも通りの帝国の一日だ。
     ケイトリン・ジョンストン      2024年1月22日
 戦うとフーシ派が誓う中、持続的作戦に備えるアメリカ」と題する記事をワシントン・ポストが掲載したが、「持続的作戦」とは新たなアメリカ戦争の帝国主義表現だ。
 「海上通商に対するフーシ派攻撃を10日間の攻撃で阻止し損ねた後、バイデン政権は、イエメン・フーシ派を標的とした持続的軍事作戦の計画を練っており、戦争で荒廃したイエメンの脆弱な平和をこの無期限作戦が頓挫させ、予測不可能なもう一つの中東紛争にワシントンを引き込む可能性があるという一部当局者の懸念をかき立てている」とポストは報じている。
 記事の第9段落で「持続的軍事作戦」は「戦争」を意味するとポスト紙は認めており、「イラクやアフガニスタンやシリアにおける過去のアメリカ戦争のように作戦が何年も続くとは思わない」と報道で引用されている匿名アメリカ当局者は述べている。これは、これまでに放火した他の全ての家同様に、これ以上の家を燃やそうとは思っていないと放火魔が言うのと同じくらい安心感がある。
 戦争を素直に戦争と呼ぶのを奇妙に拒むのは、ある国を繰り返し爆撃するのは、彼らと戦争をしていると見なされるかどうか記者が問うのに衝撃を受け驚愕した最近のペンタゴンのサブリナ・シン報道官記者会見でも見られた。
 木曜日「アメリカはイエメンで戦争状態にあると言っても過言ではないでしょうか?」とシンはロイター記者に問われた
 「いや、我々は戦争を望んでいない」とシンは答えた。「我々は戦争をしていると思っていない。地域戦争は見たくない。フーシ派は巡航ミサイルや対艦ミサイルを無辜の船員や世界貿易の10%から15%を占める海域を通過する商船を攻撃し続けている連中だ。
 それに続くいくつかの質問で「我々はフーシ派と戦争状態ではないとおっしゃいましたが、この報復爆撃で、我々はフーシ派を5回爆撃したことになります。ですから、これが戦争でないなら、もう少し説明していただけますか? これが戦争でないなら戦争とは一体何でしょう?」とシンはポリティコ記者に質問された。
 「確かに、ララ、確かに素晴らしい質問だ。まさかそのように表現されると思っていなかった」シンは笑いながら答えた。「よろしいですか、我々は戦争を求めていない。我々はフーシ派と戦争をしているわけではない。定義上、アメリカが明確に宣言していればだが。だが繰り返しになるが、我々がしていること、我々の行動は本質的に防衛的だ。」
 木曜日の記者会見以来、本記事執筆時点で、イエメンに対するアメリカ攻撃回数が、5回から7回に増えているのは注目に値する。
 また、シンの馬鹿げた定義によれば、1942年6月5日以来「明確な宣戦布告」がなかったのだから、アメリカは第二次世界大戦終結以来、戦争していないことになるのも注目に値する。憲法に従い、議会を通じアメリカが公式に宣戦布告した唯一の戦争は、1812年の戦争、米墨戦争、米西戦争、そして二つの世界大戦だ。
 この定義に従えば、アメリカは80年間戦争をしていないので世界で最も平和な国の一つだ。現実には、21世紀だけでも、アメリカは何百万人もの人々を殺害し何千万人もの人々を強制退去させた侵略戦争を遂行している現代最も好戦的で残忍な国で、世界の主要な国際紛争のほとんどで何らかの役割を果たしている
 アメリカのイエメン攻撃は「本質的に防衛的」だというシンの主張も自明のたわごとだ。アメリカが攻撃し始めるまで、イエメン軍はアメリカ商船すら攻撃していなかった。地球の裏側の国にいわれない攻撃をしかけ、それを自衛と呼べるのはアメリカだけだ。
 AntiwarのDave DeCampは次のように説明している

 「フーシ派をアメリカが爆撃し始める前、ガザへの猛攻撃が終われば、イスラエルと関係する商船への攻撃をやめるとアンサール・アッラー高官は明言した。ガザでの虐殺を終わらせるようイスラエルに圧力をかける代わりに、バイデン大統領はエスカレーションを選び、今やフーシ派はアメリカ商船を標的にしており、数隻のアメリカ商船がミサイル攻撃されている。

 実際、フーシ派勢力が紅海の船舶を攻撃し始めた唯一の理由は、イスラエルと同盟諸国に圧力をかけて、10月7日からガザで続いている虐殺を止めるためだった。いつもの通り、世界で最も残忍で強力な政府は、恐ろしい極端な侵略行為を、いわれのない攻撃に対する無実の防衛反応だとでっち上げているが、実際は、アメリカ帝国は、パレスチナ人の大量虐殺を推進するためにイエメンを爆撃しているのだ。
 ガザとイエメンの話題ではあるが、アメリカ帝国経営者によれば、両作戦の目標が表明されたのは、全く失敗に終わっていることを指摘する価値があるだろう。ウォール・ストリート・ジャーナル新報道によると、アメリカ諜報機関によれば、イスラエルはハマス殲滅に遠く及ばず、10月以降、ハマスの20%から30%しか殺害していないという。木曜日、マスコミから、フーシ派に対する攻撃は機能しているのかと聞かれて、バイデンは「『機能している』と言うのは、攻撃がフーシ派を阻止している場合だ。それはノーだ。攻撃を続けるつもりですか? イエスだ。」
 だから彼ら自身達成されていないと認めている狙いを口実に、現状の支配を維持するため、貧困にあえぐ中東人に爆弾の雨を降らせている。いつも通りの帝国の一日だ。
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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/01/22/biden-has-started-another-us-war/

捕虜交換に向かう露輸送機を撃墜したのはパトリオットで、米兵が関与した可能性 

 櫻井ジャーナルが、ロシアとウクライナの間の捕虜交換のために飛び立ったロシア機がパトリオットPAC-3により撃墜されたとして、ウクライナ軍はそれを扱えないので実際には米兵が撃ち落とした可能性が出てきたことを明らかにしました。

 この捕虜交換はロシア軍とウクライナ軍のトップによって進められました。
 要するに戦争終結に反対の米国がそれを妨害したというもので、戦争が終結すればわが身が破滅するゼレンスキーも同じ立場だということです。
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捕虜交換に向かう輸送機を撃墜したのはパトリオットで、米兵が関与した可能性 
                         櫻井ジャーナル 2024.02.03
 捕虜交換に向かう途中のウクライナ兵65名を乗せたロシア軍の輸送機を1月24日に撃墜したのはウクライナ軍のPatriot PAC-3ミサイルだったことが確認された。このシステムをウクライナ軍は扱えないはずで、アメリカ兵が撃ち落とした可能性が出てきた。この問題は尾を引くだろう。
 ジャーナリストのシーモア・ハーシュによると、捕虜の交換は何週間も前から行われている。協議は両国の大統領であるウラジミル・プーチンとウォロディミル・ゼレンスキーではなく、軍のトップであるロシアのワレリー・ゲラシモフ参謀総長とウクライナのバレリー・ザルジニー最高司令官によって進められたという。そのザルジニーをゼレンスキーは解任しようと試み、失敗したと言われている。
 本ブログでも繰り返し書いていることだが、ザルジニーは11月1日付けエコノミスト誌に意見を掲載、イギリスの支配層がウォロディミル・ゼレンスキー大統領からザルジニー司令官へ乗り換えようとしているのではないかと噂された。
 ゼレンスキーはイギリスの対外情報機関MI6のエージェントだと言われているが、同国の支配層は彼に見切りをつけた可能性がある。現在、ゼレンスキーを支えているのはジョー・バイデン米大統領の周辺だと言われている。
 そのバイデンが副大統領を務めていたバラク・オバマ政権で国務次官補を務め、2013年11月から14年2月にかけてキエフで実行されたクーデターの際、現地に入って指揮していたビクトリア・ヌランド国務次官は1月31日にまたキエフへ入った。
 ヌランドのキエフ入りに合わせ、ウクラニア軍は無人機でロシアの黒海艦隊に所属する艦船を破壊。1989年建造、排水量493トンのイワノベッツだ。ちなみに、自衛隊で大きさが近い艦船は基準排水量690トンの「あわじ」型掃海艦であり、「ヘリコプター搭載護衛艦」とされる「いずも」は1万9500トンに達する。つまりイワノベッツの破壊は軍事的に意味はなく、ロシア軍の報復を誘発するだけだ。

 そのロシア軍はウクライナ軍の兵站を徹底的に叩いてきたが、近いうちに本格的な攻勢を始める可能性がある。ザルジニーは「膠着状態」にあると主張しているが、実際は壊滅状態だ。それでもゼレンスキーが戦闘を止めないのは、それが彼やその周辺の破滅を意味するからに他ならない。

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