2014年11月28日金曜日

安倍政権による解散・総選挙に関する見解 立憲デモクラシーの会

 立憲デモクラシーの会は26安倍政権による解散・総選挙に関して記者会見を開き、安倍政権による解散・総選挙に関する見解を表明しました。
 
 見解は、
 安倍政権に見られるこれまでの、選挙に勝ちさえすれば、万能の為政者として、立憲主義や議会制民主主義の原則まで左右できるとするのは、「選挙独裁」にほかならない
 今回の解散は支持率低下前にリセットしたいという政権側の思惑による恣意的な解散であり、解散権の濫用とも言える
 選挙の結果、仮に安倍政権が政権基盤を維持したとしても、選挙で国民に対して憲法改正を正面から提起しない以上、選挙後に条文改正やさらなる解釈変更を進めることは、許されることではない。
と述べています。
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安倍政権による解散・総選挙に関する見解
 2014年11月26日
立憲デモクラシーの会
  安倍政権が本年7月1日、閣議決定によって憲法9条の政府解釈を変更し、集団的自衛権の行使を可能にする方針を示した際、私たちは、それは憲法の枠内における政治という立憲主義の原則を根底から否定する行為であり、一内閣が独断で事実上の憲法改正を行うに等しく、国民主権と民主政治に対する根本的な挑戦でもあると抗議した。
 
 このたび衆議院を突如解散するにあたり、安倍首相は消費税増税の2017年への先送りと、いわゆるアベノミクスの継続に争点を絞る方針を示した。菅官房長官も、憲法改正は自由民主党の公約であり、限定容認は現行憲法の解釈の範囲内なので、集団的自衛権に関して国民の信を問う必要はないと発言した。衆参いずれの選挙公約にもなかった特定秘密保護法の制定についても「いちいち信を問うべきではない」とした。
 
 しかしながら、戦後日本が憲法を軸に追求してきた安全保障の大原則を転換するとすれば、国民的な議論の上での、手続きに則った条文改正が不可欠である。選挙に勝ちさえすれば、万能の為政者として、立憲主義や議会制民主主義の原則まで左右できるとするのは、「選挙独裁」にほかならない。選挙によって解釈改憲を「既成事実」にすり替え、選挙後の新ガイドライン策定や安全保障法制の整備につなげようとする企ては看過できない。
 
 そもそも内閣による衆議院の解散は、新たにきわめて重要な課題が生じた場合、あるいは国会と内閣の間で深刻な対立が生じ、民意を問うことによってしか膠着状態を打開できない際等に限られるべきものである。このたびの動きは、「政治とカネ」の問題が噴出し、アベノミクスが破たんしつつある中で、支持率低下前にリセットしたいという政権側の思惑による恣意的な解散であり、解散権の濫用とも言える。また最高裁に違憲状態と判断された一人別枠方式に基づく「一票の格差」を抜本的に解決しないまま、再び解散総選挙を行うことは、司法府のみならず国民をも愚弄するものである。
 
 人権を軽視し、権力の恣意的運用に道を開きかねない、立憲主義の原則にもとる憲法改正案を自由民主党が用意していることも懸念される。仮に安倍政権が政権基盤を維持したとしても、選挙で国民に対して憲法改正を正面から提起しない以上、選挙後に条文改正やさらなる解釈変更を進めることは、とうてい許されることではない。この選挙によって政権が、アベノミクス評価を前面に立て、他の重大な争点は隠したまま、白紙委任的な同意を調達しようとしているとすれば、それは有権者に対する背信行為である。
 
 私たちは、今回の選挙が、暴走する権力に対する異議申し立てと、立憲主義的な民主政治再生のための機会と位置付けられるべきであることをここに提起し、有権者の熟慮に期待するものである。
 

安倍政治は生活保護受給者にトリプルパンチ

 安倍政権の物価高政策、消費税増税、生活保護費切り下げの政策は、生活保護受給者にトリプルパンチを与えています。
 生活保護費は昨年8月今年4月の2度にわたって切り下げられ来年4月には度目の切り下げが実施されます
 
 消費税3%が導入されたとき1989年)と消費税率が3%から5%に引上げられたとき1997年)には、生活保護基準引き上げられましたそれは所得税が免除されている低所得層にも定率の税金納付を課す消費税の「逆進性」を考えれば極めて当然の処置でした。
 
 しかるに安倍政権は、一方で物価を2%上昇させることを公言しながら消費税を8%に上げさらに10%に上げることを目指すなかで、上述の通りなんと生活保護費は3年連続で削減するというこれまでの歴史に見ることの出来ない苛政(酷い政治)を行いました。まさに血も涙もない政治というべきです。
 経済活動は本質的に弱肉強食の世界であり、それを少しでも緩和するというのが本来政治に求められているものです。安倍氏には少しでもそうしたことへの思いがあるのでしょうか。
 
 経済的弱者が、絶大な力を欲しいままに行使する大企業や巨大資本集団と、それを保護しその権益を支える国の政策のひずみによって必然的に生み出されたものである以上、国にはその人たちに最低限度の文化的生活を保障する義務があります。
 決して国が恵みを施すというようなものではありません。
 
 田中龍作ジャーナルが、「生活保護問題対策全国会議」が行った生活保護受給者へのアンケートの結果を紹介しています。
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安倍政権 生活保護利用者にトリプルパンチ
田中龍作ジャーナル 2014年11月27日
 「弱者をムチ打つ」-安倍政権の本質が改めて浮き彫りになる調査結果が出た。
 今年4月の消費税増税後、生活保護利用者の72%が「生活が苦しくなった」、35%「特に食費を切り詰めている」などとするアンケート結果がこのほどまとまった。
  
 アンケートは法律家などで作る「生活保護問題対策全国会議」が、北海道から沖縄まで全国各地の生活保護利用者を対象に面談で実施した。21歳から94歳までの1,285人から回答があった。
 生活保護費は昨年8月、今年4月と2度にわたって切り下げられている。来年4月には3度目の切り下げが実施される予定だ。最終的には平均で6・5%、最大で10%切り下げられる。
 アベノミクスによる物価高と消費税増税が、生活保護利用者に追い討ちをかけている。
 
 アンケート結果は次の通り―
 
●4月の消費税増税で暮らしは変わりましたか? 
   回答: とても苦しくなった   ・・・27%
         やや苦しくなった   ・・・45%
 
●ここ1年くらいで物価はどう変化したと感じますか?
   回答: とても上がった    ・・・47%
         やや上がった .    ・・・39%
 
●昨年7月(切り下げ前)までと今年9月(切り下げ後)の生活保護費を比べるといくらの減額になりましたか?
   回答: 1円~1,000円    ・・・47%
       1,001円~5,000円.  ・・・41%
       5,001円~10,000円.  ・・・6%
 
●特に節約している費目は?
   回答: 食費 ..       ・・・35%
        被服・履物費..  ・・・17%
        水道光熱費..    ・・・15%
        娯楽費..       ・・・12%
        交通費・通信費   ・・・8%
       交際費         .・・・8%
 
●生活保護費減額の暮らしへの影響は、予想していたのと比べていかがでしたか?
   回答:思っていたより苦しくなった. ・・・60%
       .思ったほど苦しくはなかった・・・19%
 
 昨年初頭、厚労省は生活保護費切り下げを決めた際、切り下げの理由のひとつに物価下落をあげていた。
 ところがアベノミクスと消費税増税で物価は上昇した。トップエリートの官僚が読めていないはずはない。「物価下落」を理由としたのは口から出まかせか。
 「増税分は福祉に回す」と言っていたはずだが、こと生活保護に関しては回されていない。それどころか削減している。詐欺ではないか。
 
 消費税3%が導入された時(1989年実施)、生活保護基準は引き上げられた。5%(1997年)の時も同様だった。今回、引き下げられるのは弱者へのダマシだ。
 生活保護利用者の暮らしはもともと苦しい。それにアベノミクスによる物価高と消費税増税が加わる。トリプルパンチだ
  
 生活保護費切り下げをめぐっては、「生存権を定めた憲法25条に違反する」として全国各地で違憲訴訟が起こされている。
 憲法破壊が好きな首相のもとで弱者の生活はガタガタだ。
 

2014年11月27日木曜日

安倍政権が在京TVキー局に報道圧力 +

 安倍政権が在京テレビに政権に不利な報道するなと要請していたことが分かりました。
 自民党の萩生田副幹事長と報道局長の連名で在京テレビ・キー各局に対して、政権に不利な報道をしないよう要請した20日付の文書をデイリー・ノーボーダーが入手し、26日のインターネット番組「ニューズ・オプエド」の中で報じました。
 
 安倍首相が解散直後の19日に各局テレビに出演した際、TBSの「ニュース23」の街角インタビューでアベノミクスを批判するような映像が流れたのに対して、番組中に激怒する一幕がありましたが、それを受けての報道への圧力であると見られます。
 
 20日頃に受け取った政府からの要請書を、ノーボーダーが入手して公表するまで在京キー各局は一切報じませんでした。
 
 政府が敢えて公正な報道を望むというのであれば、ビートタケシなどの政府擁護系タレントを登場させる番組が数多くあって、そこで日常茶飯事的に政府を擁護させている現実がなぜ放置されているのでしょうか。
 政権擁護の報道に徹してくれというのが政府の本音であることが透けて見えます
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安倍政権が在京TVキー局に報道圧力 メディアは一切報じず
DAILY NOBORDER  2014年11月26日
衆議院が解散され選挙戦が始まったばかりだが、それに向けて安倍政権がメディアに対して報道圧力をかけていたことがノーボーダーの取材で明らかになった。
 
ノーボーダーは自民党が萩生田光一筆頭副幹事長と報道局長の連名で在京テレビキー局各社に対して政権に不利な報道をしないよう要請する文書を入手し、26日のインターネット番組「ニューズ・オプエド」の中で報じた。
 
 「選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い」と題し、在京テレビキー局各社の編成局長と報道局長に宛てた文書によると、2009年の民主党政権誕生時に偏向報道があったとした上で、以下の4点について要望を出している。
 
1.出演者の発言回数や時間を公平にする
2.ゲスト出演者の選定についても中立公平を期すこと
3.テーマについても特定の出演者への意見が集中しないよう公正を期すこと
4.街角インタビューなどの映像で偏った意見にならないよう公正を期すこと
 
1については、これまでもテレビ局側の自主規制により候補の取り扱いが平等になるよう配慮されているが、2については番組の出演者にまで介入し、3は番組内容についても介入している。
特に3についてはアベノミクスなどの政策について議論することも止めろという圧力で、「事実関係について淡々と報じるように」と指示されたという証言もある。
4は、安倍総理が解散直後の19日に各局テレビに出演した際、TBSの「ニュース23」の街角インタビューでアベノミクスを批判するような映像が流れ安倍総理が番組中に激怒する一幕があり、これを受けての圧力であるとみられる。
 
また、この文書は11月20日付けとなっており、在京キー各局はこのような政治的圧力を加えられていながら、少なくとも6日間一切報じておらず、すでにテレビ報道が政権の意向に添う形になっている現状が明らかになった。
 
 「ニューズ・オプエド」にゲスト出演していたジャーナリストのカレル・ヴァン・ウォルフレン氏は「選挙管理委員会から来るならまだしも、一つの政党から来るのは一党支配の政治が存在することの証明だ」と話し、30年前とのメディアの違いを問われると、「ジャーナリストの人たちがジャーナリズムの本分を忘れている。真実を語らなければ、ジャーナリズムを失うだけでなく、国まで失ってしまう」と述べ、変わらない日本のメディアの状況を嘆いた。                (ノーボーダー編集部
 
衆院選:自民 テレビ局の選挙報道で細かく公平性要請
毎日新聞 2014年11月27日
 自民党がNHKと在京民放テレビ局に対し、選挙報道の公平中立などを求める要望書を渡していたことが27日分かった。街頭インタビューの集め方など、番組の構成について細かに注意を求める内容は異例。編集権への介入に当たると懸念の声もあがっている。
 
 要望書は、解散前日の20日付。萩生田光一・自民党筆頭副幹事長、福井照・報道局長の両衆院議員の連名。それによると、出演者の発言回数や時間▽ゲスト出演者の選定▽テーマ選び▽街頭インタビューや資料映像の使い方−−の4項目について「公平中立、公正」を要望する内容になっている。街頭インタビューをめぐっては今月18日、TBSの報道番組に出演した安倍晋三首相が、アベノミクスへの市民の厳しい意見が相次いだ映像が流れた後、「これ全然、声が反映されてません。おかしいじゃありませんか」と不快感を示していた。
 
 また要望書では、「過去にはあるテレビ局が政権交代実現を画策して偏向報道を行い、大きな社会問題になった事例も現実にあった」とも記し、1993年の総選挙報道が国会の証人喚問に発展したテレビ朝日の「椿問題」とみられる事例をあげ、各局の報道姿勢をけん制している。
 
 この日の定例記者会見で、テレビ東京の高橋雄一社長は「これをもらったから改めて何かに気をつけろというものとは受け止めていない」と述べた。NHK以外の各民放は文書が届いたことを認め、公平中立な報道を心がけるとしている。
 
 こうした要望は、選挙のたびに各政党が行っているが、公示前は珍しい。ある民放幹部は「ここまで細かい指示を受けた記憶はない」と話し、また別の民放幹部は「朝日新聞バッシングなどメディア批判が高まる中、萎縮効果はある」と語った。
 
 毎日新聞の取材に対し自民党は「報道の自由を尊重するという点は何ら変わりない。当然ながら公正な報道を行っていただけるものと理解している」と文書でコメントした。【望月麻紀、須藤唯哉、青島顕】
 
◇服部孝章・立教大教授(メディア法)の話
 放送法の文言をひいて「公平中立」を求めているが、実態はテレビ局への恫愒(どうかつ)だ。しかも、以前のテレビ局の報道を「偏向報道」と批判している。アベノミクスに批判的な識者を出演させないよう予防線を張っているともとれ、焦りも感じる。政権担当者は批判されるのが当たり前なのに、自分たちの都合のよい報道を求めるのは危険な行為だ。
 

昨年の参院選は「違憲状態」 最高裁判決

 昨年月の参院選は一票の価値が不平等で憲法違反だとして、弁護士の二グループが選挙無効(やり直し)を求めた16件の訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷は26日、違憲状態だったとする判断を示しました。
 選挙無効の請求は退けました。
 15人の裁判官のうち11が「違憲状態」、うち人は、抜本改革をしないまま16年選挙を実施した場合は、次回判決では違憲判断もありうると示唆する補足意見を述べました。
 残りの人は「違憲」との反対意見で、このうち1名は「1人当たりの有権者数が少ない選挙区については即時、無効とすべきだ」としました。
 
 参院は制度の抜本改革を16年選挙までに行うとしているので、今回の判決はこれを評価し、「できるだけ速やかに不平等状態を解消する必要がある」と付言しました。
 
27日の地方紙の多くが社説でこれを取り上げています。以下に一例を示します。
 
[参院「格差」判決] 抜本改革は待ったなし        南日本新聞
参院1票の格差 重い司法の「最後通告」         高知新聞
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昨年参院選「違憲状態」 一票の不平等 是正急務
東京新聞 2014年11月27日 
 「一票の格差」が最大四・七七倍だった昨年七月の参院選は一票の価値が不平等で憲法違反だとして、弁護士の二グループが選挙無効(やり直し)を求めた十六件の訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は二十六日、違憲状態だったとする判断を示した。選挙無効の請求は退けたが、一人が個別意見の中で、参院選訴訟として初めて「無効」に踏み込んだ。参院選をめぐる違憲状態判決は三回目。
 一審の高裁・支部で三件の違憲判決が出ており、このうち一件は選挙無効も認めたが、大法廷は、二〇一六年選挙までに抜本改革するとした国会の取り組みを考慮し、違憲判断を回避した。その上で、前回大法廷判決に続き、都道府県単位の選挙区割りの見直しを求め、国会に抜本改革の着実な実施を迫った。
 判決は、十五人の裁判官のうち十一人の多数意見。うち六人は、抜本改革をしないまま一六年選挙を実施した場合は、次回判決では違憲判断もありうると示唆する補足意見を述べた。
 残りの四人は「違憲」との反対意見。このうち山本庸幸(つねゆき)裁判官は「議員一人当たりの有権者数が少ない選挙区については即時、無効とすべきだ」とした。
 昨年七月の参院選は、格差が最大五・〇〇倍だった一〇年選挙をめぐる一二年の前回大法廷判決が違憲状態だったため、定数を四増四減して行われた。格差は多少、改善されたが五倍前後で推移した。
 参院は制度の抜本改革について、一三年選挙では見送ったものの、一六年選挙までに行うとしている。今回の判決はこれを評価し、「単に一部の選挙区の定数を増減するにとどまらず、都道府県単位の選挙区設定となっている現行方式を改めるなど、できるだけ速やかに不平等状態を解消する必要がある」と付言した。
 <違憲状態> 区割りなどを定めた選挙規定が「一票の不平等」を生じさせ、憲法が求める有権者の投票価値の平等に反する程度に至った状態を指す。判例では、違憲状態が長く続き、国会による是正のために必要な「合理的な期間」を過ぎた場合、違憲となる。ただ、合理的な期間について具体的な決まりがない。
 

太平洋戦争で使われた風船爆弾 川崎や埼玉県で平和企画展

 70年前の太平洋戦争末期、日本は和紙で作った直径10メートルほどの気球爆弾や焼夷弾をつけて、偏西風に乗せて米国に落としました。約9300発が飛ばされて約1000発が米本土に着いたと推定されています
 
 風船爆弾の歴史を取り上げた企画展「紙と戦争」が川崎市始まりました。
 埼玉県平和資料館でも、風船爆弾の模型や小川町産和紙との関係について展示を行っています
 
 敗色が濃いなかで必死に考えた作戦でしたが、まさに「負の歴史」を取り上げた展示会です。
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和紙:「負の歴史」風船爆弾…川崎で平和企画展
毎日新聞 2014年11月26日
 26日にも国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録される見通しの「和紙」。日本が誇る伝統の技が第二次大戦末期、「風船爆弾」という兵器に利用された。そんな負の歴史を取り上げた企画展「紙と戦争」が川崎市多摩区の明治大平和教育登戸(のぼりと)研究所資料館で始まった。愛媛県では風船爆弾をテーマにした市民ミュージカルも。風船爆弾が初めて飛んでから今月で70年。和紙を通じて平和を見つめる動きが相次いでいる。【松倉展人】
 
◇26日にも無形文化遺登録
 1944年11月から作戦に投入された風船爆弾は終戦とともに資料が隠滅された。同資料館館長の山田朗(あきら)明治大教授(日本近現代史)らは10年以上かけ、廃棄を免れた軍や和紙業界の資料、動員された女学生らの証言などを収集、分析した。
 
 風船爆弾の製造は都市部の場合、国技館(東京)や造兵廠(しょう)など大きな風船を膨らませることができる天井の高い施設が使われた。山田教授らは、和紙の原料・コウゾが豊富な四国では、愛媛県川之江町(現四国中央市)と高知市に「満球場(まんきゅうじょう)」と呼ばれる専用の検査施設が建てられ、他には見られないことを確認した。こうした成果を来年3月21日までの企画展で紹介している。
 
 業界の資料などによると、風船爆弾に使う和紙が重点的に作られたのは四国の愛媛、高知両県の他、埼玉、岐阜、石川、鳥取、福岡の5県。無形文化遺産への登録が確実な「細川紙(ほそかわし)」が伝わる埼玉県小川町と東秩父村や、「本美濃紙(ほんみのし)」の岐阜県美濃市でも風船爆弾用の和紙が作られていたことが分かっている。
 
 埼玉県平和資料館(埼玉ピースミュージアム、東松山市)は風船爆弾の模型や小川町産和紙との関係について展示。小川町の生産者が「日本橋(東京)の紙問屋を通じて気球紙すきをほぼ独占していた」と紹介している。
 
◇風船爆弾◇
 和紙で気球を作り、偏西風に乗せて米国に爆弾や焼夷(しょうい)弾を落とす旧日本軍の兵器。風船部分は強度のある和紙をこんにゃくのりで貼り合わせて製作。直径10メートルの風船1個に和紙600枚程度が必要だったという(埼玉県平和資料館)。1944年11月から45年4月にかけて、福島、茨城、千葉の3県から約9300発が打ち上げられ、約1000発が米本土に着いたと推定されている。オレゴン州では民間人6人が死亡した。
 

埼玉 俳句掲載拒否問題 行政が蓋をすることに躍起

 さいたま市公民館運営審議会が25日に開かれ、三橋公民館が公民館だよりに、同館で活動する句会が選んだ憲法9条擁護デモを題材にした会員の俳句掲載を拒否した問題を、7、9月の定例会議に続いて議論し、来年1月の次回定例会議(隔月の開催)で委員の意見を集約することで合意しました。
 
 しかし掲載を拒否した生涯学習センターが委員長副委員長を除委員12人に、俳句掲載拒否問題についての聞き取りを事前に行い、その結果を「多くの委員が今後はこの問題を具体的に取り扱わないでほしいとの思いである」と井原館が報告した上に、委員会の議論を再三遮って俳句掲載拒否問題を今後は扱わないようにと重ねて要請するなど行政側が審議会に強烈に干渉しました。
 
 会議での各委員の発言は決して館長が要約したようなものではなく、この日出席した委員8人からこの問題を打ち切ろうとする意見は1も出されませんでした
 安藤委員長は「会議での委員の合意は大切にしてほしい」とセンターの介入に苦言を呈するとともに、来年1月の定例会議で、意見をまとめる方針を確認しました。
 
 行政側が俳句掲載拒否の問題をこのままで蓋をしてしまおうとしているのは大変に問題です。
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俳句掲載拒否問題 さいたま市公民館運営審、次回に意見集約で合意
埼玉新聞 2014年11月26日
 さいたま市教委が管轄する生涯学習総合センター館長の諮問機関、さいたま市公民館運営審議会(委員長・安藤聡彦埼玉大学教授)は25日、同市大宮区で定例会議を開き、同区の三橋公民館が公民館だよりに、同館で活動する句会が選んだ憲法9条擁護デモを題材にした会員の俳句掲載を拒否した問題を、7、9月の定例会議に続いて議論。来年1月の次回定例会議で委員の意見を集約することで合意した。
 
 会議では、同センターが委員長と副委員長を除いた委員12人に、俳句掲載拒否問題についての聞き取りを事務局側として独自に行ったことを同センターの井原優館長が報告。
 同館長は「多くの委員が今後はこの問題を具体的に取り扱わないでほしいとの思いを持っていることが判明した。館長としても、今回の問題を諮問する考えはない。審議会での調査は終了し、本来の提言に向けて議論してほしい」と要望した。
 
 安藤委員長は「提言するテーマを絞り込むプロセスの中で、(俳句掲載拒否問題を議論しながら)進めている」と反論。
 さいたまNPOセンター事務局長の生越康治副委員長も「会議の外で出された意見を重視するのは、おかしいのではないか。私と安藤委員長はヒアリングを受けていない」と、聞き取り調査を実施した市教委に異議を唱えた。
 生涯学習総合センターによると、定例会義では意見が言いにくいという声や、問題を詳しく説明してほしいとの要望が一部委員からあり、委員長と副委員長以外の委員13人のうち、連絡が取れた12人について、10月下旬から今月中旬にかけて、面談したとしている。
 
 会議では男性委員の一人が「この問題は公民館についての学びの機会として、積極的に捉えた方がいい。個人的には世論を二分するものほど掲載するべきだと思っており、提言を教育長に出したらどうか」と提案した。
 ほかの複数の委員も、何らかの形で提言書や意見書などを出すべきだとの考えを表明。
 議論の終結を望む委員が大勢を占めたとする同センターによるヒアリングの報告内容とは異なり、この日出席した委員8人から打ち切りを求める意見は1件も出されなかった。
 
 同センターは委員の議論を再三遮って俳句掲載拒否問題を今後は扱わないようにと重ねて要請した。
 安藤委員長は「会議での委員の合意は大切にしてほしい」とセンターの介入に苦言。来年1月の定例会議で、意見をまとめる方針を確認した。