2014年11月27日木曜日

埼玉 俳句掲載拒否問題 行政が蓋をすることに躍起

 さいたま市公民館運営審議会が25日に開かれ、三橋公民館が公民館だよりに、同館で活動する句会が選んだ憲法9条擁護デモを題材にした会員の俳句掲載を拒否した問題を、7、9月の定例会議に続いて議論し、来年1月の次回定例会議(隔月の開催)で委員の意見を集約することで合意しました。
 
 しかし掲載を拒否した生涯学習センターが委員長副委員長を除委員12人に、俳句掲載拒否問題についての聞き取りを事前に行い、その結果を「多くの委員が今後はこの問題を具体的に取り扱わないでほしいとの思いである」と井原館が報告した上に、委員会の議論を再三遮って俳句掲載拒否問題を今後は扱わないようにと重ねて要請するなど行政側が審議会に強烈に干渉しました。
 
 会議での各委員の発言は決して館長が要約したようなものではなく、この日出席した委員8人からこの問題を打ち切ろうとする意見は1も出されませんでした
 安藤委員長は「会議での委員の合意は大切にしてほしい」とセンターの介入に苦言を呈するとともに、来年1月の定例会議で、意見をまとめる方針を確認しました。
 
 行政側が俳句掲載拒否の問題をこのままで蓋をしてしまおうとしているのは大変に問題です。
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俳句掲載拒否問題 さいたま市公民館運営審、次回に意見集約で合意
埼玉新聞 2014年11月26日
 さいたま市教委が管轄する生涯学習総合センター館長の諮問機関、さいたま市公民館運営審議会(委員長・安藤聡彦埼玉大学教授)は25日、同市大宮区で定例会議を開き、同区の三橋公民館が公民館だよりに、同館で活動する句会が選んだ憲法9条擁護デモを題材にした会員の俳句掲載を拒否した問題を、7、9月の定例会議に続いて議論。来年1月の次回定例会議で委員の意見を集約することで合意した。
 
 会議では、同センターが委員長と副委員長を除いた委員12人に、俳句掲載拒否問題についての聞き取りを事務局側として独自に行ったことを同センターの井原優館長が報告。
 同館長は「多くの委員が今後はこの問題を具体的に取り扱わないでほしいとの思いを持っていることが判明した。館長としても、今回の問題を諮問する考えはない。審議会での調査は終了し、本来の提言に向けて議論してほしい」と要望した。
 
 安藤委員長は「提言するテーマを絞り込むプロセスの中で、(俳句掲載拒否問題を議論しながら)進めている」と反論。
 さいたまNPOセンター事務局長の生越康治副委員長も「会議の外で出された意見を重視するのは、おかしいのではないか。私と安藤委員長はヒアリングを受けていない」と、聞き取り調査を実施した市教委に異議を唱えた。
 生涯学習総合センターによると、定例会義では意見が言いにくいという声や、問題を詳しく説明してほしいとの要望が一部委員からあり、委員長と副委員長以外の委員13人のうち、連絡が取れた12人について、10月下旬から今月中旬にかけて、面談したとしている。
 
 会議では男性委員の一人が「この問題は公民館についての学びの機会として、積極的に捉えた方がいい。個人的には世論を二分するものほど掲載するべきだと思っており、提言を教育長に出したらどうか」と提案した。
 ほかの複数の委員も、何らかの形で提言書や意見書などを出すべきだとの考えを表明。
 議論の終結を望む委員が大勢を占めたとする同センターによるヒアリングの報告内容とは異なり、この日出席した委員8人から打ち切りを求める意見は1件も出されなかった。
 
 同センターは委員の議論を再三遮って俳句掲載拒否問題を今後は扱わないようにと重ねて要請した。
 安藤委員長は「会議での委員の合意は大切にしてほしい」とセンターの介入に苦言。来年1月の定例会議で、意見をまとめる方針を確認した。