2017年2月26日日曜日

国連の「平和に生きる権利宣言」に日本は反対 

 昨年12月に、平和に生きる権利をすべての人に認める「平和への権利宣言」が国連総会で採択されたことが分かりました
 これは国家が関与する戦争や紛争に、個人が「人権侵害」と反対できる根拠となる宣言です。
 
 最初にスペインのNGOが、イラクにおいてアメリカの攻撃によって最終的に百万人を超える民間人が犠牲になった惨状に疑問を呈し、「平和に対する人権規定があれば戦争を止められるのではないか」として動き出しました。
 憲法の前文で「全世界の国民が、平和のうちに生存する権利を有する」と謳っている日本のNGOがその動きに参加して、「平和への権利宣言」(案)が完成しました。
 
 国連総会では131か国が賛成(34か国が反対、棄権は19か国)し採択されましたが、日本はなんと米英などイラク戦争の有志連合の多くの国と共に反対に回りました。
 ちなみに安保理の常任理事国5か国では中国とロシアが賛成し、アメリカ、イギリス、フランスが反対しました。またG7ではイタリアが棄権した以外、日本を含む6か国がすべて反対に回りました。
 
 日本の憲法の精神を盛り込んだこの権利宣言にどうして反対しなければならないのでしょうか。それこそは、国家が関与する戦争や紛争に個人が「人権侵害」と反対できる根拠を与えたくないという考えに他なりません。
 東京新聞の記事と関連する3つのブログの記事を紹介します。
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「平和に生きる権利」日本、採決反対 戦争を「人権侵害」と反対する根拠 国連総会で宣言
東京新聞 2017年2月19日
 平和に生きる権利をすべての人に認める「平和への権利宣言」が国連総会で採択された。国家が関与する戦争や紛争に、個人が「人権侵害」と反対できる根拠となる宣言。日本の非政府組織(NGO)も深く関与し、日本国憲法の理念も反映された。NGOは宣言を具体化する国際条約をつくるよう各国に働きかけていく。 (清水俊介)

  【平和への権利宣言(抜粋)】
(第1条)  すべての人は、すべての人権が保障され、発展が実現するような平和を享受する権利を有する
(第2条)  国家は、平等、正義および法の支配を尊重し、平和を構築する手段として恐怖と欠乏からの自由を保障すべきだ
(第3条)  国家、国連は、この宣言を実施するために適切で持続可能な手段を取るべきだ。市民社会は支援を奨励される
(第4条)  寛容、対話、連帯の精神を強化するため、国際・国家機関による平和教育が促進される
(第5条)  この宣言は、国連憲章、世界人権宣言および国際・地域文書に沿って理解される
 
 日本のNGO「平和への権利国際キャンペーン・日本実行委員会」によると、きっかけは二〇〇三年のイラク戦争。多くの市民が巻き込まれたことをスペインのNGOが疑問視し「平和に対する人権規定があれば戦争を止められたのでは」と動き始めた。賛同が広がり、NGOも出席できる国連人権理事会での議論を経て、昨年十二月の国連総会で宣言を採択した。

 宣言は、すべての人が「平和を享受する権利を有する」と明記。宣言を実施するための「適切で持続可能な手段」を各国や国連に求めた。国連が「平和への権利」を個人の人権として認めた意義は大きい。
 立案段階で日本実行委は「全世界の国民が、平和のうちに生存する権利を有する」との日本国憲法前文を伝え、宣言に生かされる形に。憲法施行七十年となる今年、各国のNGOとともに、国際条約をつくって批准するよう働き掛けを強めていきたい考え。
 ただ、国連総会では、米英などイラク戦争の有志連合の多くが反対。日本も反対に回った。日本外務省人権人道課の担当者は「理念は賛成だが、各国で意見が一致しておらず議論が熟していない」と説明する。
 
 
安倍政権が国連総会で「平和のうちに生きる権利」の宣言に反対していた!
Everyone says I love you ! 2017年2月19日
 これはショックです。
 日本国憲法前文と憲法9条の規定が相まって、平和的生存権が規定されていることには憲法学上争いがありません(その法的性質・効力については争いがあるが)。
 
 憲法前文の該当箇所をご覧ください。
「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」
 
 実に高らかな宣言なのですが、この日本国憲法の平和的生存権をも源流とする「平和への権利宣言」が2016年12月に国連総会で採択されたのに、イラク戦争の有志連合の多くがこれに反対し、あろうことか日本まで反対しているという記事が今朝の東京新聞に載っています。
 
 平和への権利宣言第1条は
  「すべての人は、すべての人権が保障され、発展が実現するような平和を享受する権利を有する」とあり、
 第2条では
  「国家は平等、正義および法の支配を尊重し、平和を構築する手段として恐怖と欠乏からの自由を保障すべきだ」
となっており、世界の憲法でも特に平和について先進的な日本国憲法に影響を受けていることは明らかです。
 
 戦争に参戦している国々は戦争の被害者になっている市民たちにこの平和的生存権が認められると都合が悪いのでしょう。
 では、いったいなぜ日本はこの宣言に賛成できないのでしょうか。実に恥ずかしく、嘆かわしいことです。
 諸国民の平和のうちに生きる権利を否定するのは、いずれ戦争を起こすからだとしか思えません。
 
 
憲法の理念を生かした「平和に生きる権利」宣言、国連総会で採択 アベ政権が反対した理由とは? http://6days-ayame.seesaa.net/article/447163549.html
六日の菖蒲 2017年2月21日
国連総会は昨年12月19日、「平和への権利宣言」を賛成多数で採択したことが、今日の東京新聞1面で報じられた。
(第1条) 「すべての人は、すべての人権が保証され、発展が実現するような平和を享受す
         る権利を有する」。
 
誰にでも「平和に生きる権利」があり、保証される。こんな当たり前のことが、記事を読んで、いままで顧みられなかったことに気が付き、愕然とした。
いま世界では、例えば日本の国会で問題となっている「南スーダン内戦」や、それに伴い、毎日2000人もの人たちが、隣国ウガンダなどへ難民となって逃れているという(きょうのTBS「サンデーモーニング」安田奈津紀コメンテーター)。
もちろん、そればかりではない。戦火が収まらないシリア、イラクなどの中東諸国、ヨーロッパにまで波及している“テロ”と難民など、いたるところで日々命が失われている状況が、私たちの住む地球上では繰り返されている。
 
だが、そんな戦火やテロが渦巻いている国や地域でも、その原因を作った国家による武力行使などに対して、各国民が「平和に暮らす権利への侵害」として、暴力の中止を求める根拠となるよう、この宣言は採択された
もともと平和の問題は国連なり各国政府がやるもので、個人がものを言うなどの発想はなかった。だが、2003年に始まったイラク戦争で無実の人たちが殺され、「人権問題として許されるのか」という声が上がったところから、「宣言」採択への準備と働き掛けが始まったという(「平和への権利国際キャンペーン・日本実行委員会」事務局長・笹本潤弁護士)。
 
世界では、最初にスペインのNGOがイラクの状況に疑問を呈し、「平和に対する人権規定があれば戦争を止められるのではないか」として動き出した。その動きに、日本のNGOもジョイントした
日本は「全世界の国民が、平和のうちに生存する権利を有する」(前文)と謳った憲法を持つ。その権利をどう使い、何ができるかは日本にしか言えない。
そんな思いからNGOは動き始め、平和への権利宣言に結びついた。
笹本事務局長は、今年が日本国憲法施行70年となるのを機に各国のNGOとの連携を深め、今後は条約化を目指すという。
 
「平和に生きる権利」が国際条約化され、各国が批准すれば、より拘束力のあるものになる。児童の権利も女性の権利も、まず国連総会が権利の存在を認めたことから、より普遍的なものとして国際社会に認知されるようになった。
例えば、日本には、憲法の平和的生存権があるから、それを根拠に、国民が「安全保障関連法は違憲だ」と主張できる
同様に、世界の国々の国民が「平和への権利を侵害する行為をやめろ」と集会で発言したり、政府に求めたり、裁判で訴えたりできるようになり、広範な個人が、平和と安全の問題にかかわることができるようになるのだ。
 
日本政府(アベ政権)はなぜ反対したのか
だが日本やアメリカなどの主要国の多くが採決で反対した。アメリカは「国際平和の問題は国連安保理で議論すべき課題だ」と主張し、自らの発言権が相対的に小さい総会の場での議論には消極的だった。国連を、自国の優位性を維持するための機関として私物化しようとしていることが見え見えな対応だ。
安保理の常任理事国5か国では、中国とロシアが賛成し、アメリカ、イギリス、フランスは反対G7では、イタリアが棄権した以外、日本を含む6か国がすべて反対に回った。
中 略日本は例によって“米国追従”の姿勢に終始。外務省の担当者は「中南米の国々は、国際法上詰めた議論がなされていない人権について活発に提起する傾向がある」と指摘しているという。
なんとも、「後進国は“人権”についてよく理解をしていない」と言わんばかりの、見下した言説とも受け取れ、実際は「米国が反対だから」とか「西側先進国グループが反対だから」として反対票を投じただけで、一貫して後ろ向きだった。
 
憲法の精神を尊重するのであれば、日本こそが国際世論をリードしていくべき立場のはずだが、国連総会では「国際社会の中で名誉ある地位を占めよう」(憲法前文)とする積極性もなければ、世界の平和や人権を守るために欧米諸国を説得しようという気概も持ち合わせていないことが、はっきりと分かる。
「宣言」を採決した国連総会では、131か国が賛成、34か国が反対(棄権19か国)だった。
反対したのは、米国やEU諸国(イギリス、フランス、ドイツなどほとんどのヨーロッパ諸国)、それに日本、韓国などだ(イタリア、ポルトガル、トルコなどは棄権に回った)。
(後 略)
 
 
「平和に生きる権利」を認めないのが日本政府のホンネらしい。
「各国で意見が一致していない」という言い訳は無能の証明。
 外務省人権人道課は仕事しなさい。
村野瀬玲奈の秘書課広報室 2017年2月25日
「平和に生きる権利」を議論する国連総会において、日本は採決に反対したとのこと。この全く理解できない日本政府の言い訳について苦言を呈します。「平和に生きる権利」を日本政府は認めたがらない様子ですが、本当に「各国で意見が一致しておらず議論が熟していない」のなら、各国を議論の場に引き出すリーダーシップを発揮して議論を熟させるのが日本がするべき仕事のはずです。
 
日本政府の受け身、指示待ち、無気力な態度は、「戦争がこの世から消えるまで戦争に反対しない」と言っているように聞こえます。こんな政府を税金で養うことに怒りを感じます。
19日付 東京新聞 記事本文 省略
仕事をしているように見えない外務省人権人道課はいったい何のためにあるんでしょうか。

26- 父親はCIAのために働いていたと麻薬王の息子が明かす 他

 アメリカの謀略部隊はCIAですが、彼らが資金調達に麻薬取引を利用していることは公然の秘密です。そしてアメリカのダブルスタンダードを示す一例です。
 櫻井ジャーナルが、かつてコロンビアに君臨していた麻薬組織のボス、パブロ・エスコバルCIAのために働いていたと、彼の息子が出版した本の中で述べていることを紹介しました。明確な事例がまた加わったというわけです。
 
 櫻井ジャーナルはまた2月に入って、「米支配層は支配の戦術として住民皆殺しを採用、ベトナム、中南米、中東/北アフリカなどでも実行」と題した、アメリカの作戦の残虐性を示す記事を発表しています。
 麻薬とは関係ありませんがこれもアメリカの巨大な負の側面を示すものです。
 二つの記事を紹介します。
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麻薬組織のボス、パブロ・エスコバルの息子は自著の中で
父親はCIAのために働いていたと明かした    
櫻井ジャーナル 2017年2月24日 
 かつてコロンビアに君臨していた麻薬組織のボス、パブロ・エスコバルの息子が本を出し、その中で父親はCIAのために働いていたと書いている。
 もっとも、CIAと麻薬組織との関係は有名な話で、ベトナム戦争時代には黄金の三角地帯(ミャンマー、タイ、ラオスの山岳地帯)で栽培されたケシを原料にヘロインが生産され、アフガニスタンでアメリカがワッハーブ派やムスリム同胞団を使ってソ連と戦争を始めるとアフガニスタンとパキスタンの山岳地帯にケシの栽培地は移動した。ラテン・アメリカではコカインが生産されている。エスコバルが扱っていた麻薬もコカインだ。
 
 コカインの生産はCIAがゲリラのコントラ=親米反政府派民兵を編成、ニカラグアの革命政権に対する攻撃を始めてから急増した。コントラは資金調達の一手段としてコカイン取り引きに手を出していたのだが、こうした話をアメリカの有力メディアは報道したがらない。
 そうした中、APの記者だったロバート・パリーとブライアン・バーガーはCIAに支援されたコントラの麻薬取引を知る。理想を持ってコントラに参加したが、その実態に失望したひとり、ジャック・テレルが麻薬密輸に関する情報などをパリーらに提供したのだ。コントラが「人々を豚のように殺す」ことに腹を立てていた。
 
 ふたりの記者はコスタリカの刑務所でふたりの傭兵、イギリス人のピーター・グリベリーとアメリカ人のスティーブン・カーからコスタリカにあるジョン・ハルというアメリカ人の牧場がコントラ支援の秘密基地として機能しているということを聞かされる。
 ハルはCIAと深い関係にあり、NSCから毎月1万ドルを受け取っていた。ふたりの傭兵は、コントラ支援工作に関わっていたフランシスコ・チャンスのマイアミにある自宅で大量のコカインを見たとする話もしている。
 また、取材を通じ、マイアミのエビ輸入会社『オーシャン・ハンター』がコカイン取引に関係している疑いを持つ。コスタリカの姉妹会社『プエンタレナス冷凍』から運ばれてくる冷凍エビの中にコカインが隠されているという噂を耳にしたのだ。この噂が事実だということは、後にアメリカ上院外交委員会の調査で明らかにされた。
 
 こうした関係者の証言を基にしてふたりはコントラが資金調達のためにコカインを密輸しているとする記事を1985年に書いたが、当初、ニューヨークにあるAP本社の編集者はふたりの記事に反発、お蔵入りにな。それが「ミス」でスペイン語に翻訳され、ワールド・サービスで配信されてしまった。(Robert Parry, "Lost History," The Media Consortium, 1999)
 
 1996年8月にはサンノゼ・マーキュリー・ニューズ紙にコントラとコカイン取引との関係を指摘したゲイリー・ウェッブの記事が連載された。当初、有力メディア、例えばロサンゼルス・タイムズ紙、ワシントン・ポスト紙、ニューヨーク・タイムズ紙、あるいは有力ネットワーク局は沈黙していたが、公民権運動の指導者やカリフォルニア州選出の上院議員や下院議員が騒ぎ始めると一転して激しくウェッブを攻撃しはじめた。
 
 CIAの麻薬取引については、麻薬の消費地でもあるロサンゼルスの警察も知っている。そのロサンゼルス市警察で1973年から78年にかけて捜査官を務めていたマイケル・ルッパートの場合、CIAの麻薬取引について調べすぎたことから退職せざるをえなくなったという。
 ウェッブの記事が出た後、1996年11月にルッパートはロサンゼルスの高校で開かれた集会に来ていたジョン・ドッチCIA長官に対し、ロサンゼルス市警にいた頃の経験に基づいて質問、内部調査を約束させた。そして1998年1月と10月にIGレポートが出されたのだが、それはウェッブの記事の正しさを確認するものだった。
 
 つまり、有力メディアのウェッブ批判は間違っていたのだが、そうした間違った報道をいまだに訂正せず、謝罪もしていない。彼らの偽報道は中東、北アフリカ、ウクライナなどに限らないのだ。父親はCIAのために働いていたというパブロ・エスコバルの息子の話も彼らは無視しているようだ。 
 
 
米支配層は支配の戦術として住民皆殺しを採用、
ベトナム、中南米、中東/北アフリカなどでも実行
櫻井ジャーナル 2017年2月9日 
 アメリカにはロシアや中国との戦争に向かっている勢力が存在する。アメリカが「自由で民主的で平和的」だということはない。これは歴史が示している。もしアメリカが中国やイランとの軍事的な緊張を今以上に高めたなら、ほんのチョットした切っ掛けで全面核戦争に発展するだろう。ドナルド・トランプが大統領になったからそうした事態になっているわけではない。ヒラリー・クリントンはトランプより遥かに危険な好戦派だ。
 
 タスによると、ロシア軍は必要ならイランの航空基地を利用するとイラン駐在ロシア大使は語ったという。すでに昨年8月にはロシア軍機がイランの基地を使っているが、この発言はアメリカがイランに対して圧力を強めていることに対する警告のようにも見える。
 
 そのアメリカだが、ロシアとの関係を改善したいというトランプ大統領の意思は変化していないようだ。前にも書いたように、Foxニュースの政治コメンテーターであるビル・オライリーはドナルド・トランプ大統領にインタビューした際、ウラジミル・プーチンを「人殺し」と表現、それに対してトランプは「人殺しはたくさんいる。われわれは多くの人殺しを抱えている。われわれの国がそれほど罪がないとあなたは考えているのか?」と応じた勿論、トランプの主張は正しい。
 
 少なくとも第2次世界大戦後、アメリカは「人殺し」を戦術の軸に据えてきた。戦争の末期に編成されたジェドバラの人脈で極秘の破壊工作機関OPCが作られ、1951年にCIAへもぐ込んで計画局の核になった。この人脈がNATOの秘密部隊を編成、対キューバ工作を実行、ベトナムではフェニックス・プログラムで人びとを殺した。
 
 フェニックス・プログラムでは2万6000人から4万1000人が殺されたと言われ、その中には504名の村民が殺されたソンミ(ミライ)事件やボブ・ケリー元上院議員による非武装民の虐殺も含まれている。
 ケリーの場合、18名の女性や子どもを含む20名以上の武装していないタンフォンの村民を惨殺したのだが、報告では21名の南ベトナム解放民族戦線の兵士を殺したことになっていた。その「功績」で彼は青銅星章を授与されている。
 2001年にケリーが指揮していた部隊による虐殺が明るみに出ると彼を弁護する声が相次ぎ、その中には著名な「ジャーナリスト」のデイビッド・ハルバースタムはタンフォンを「最も純粋なゲリラ地域」で、1969年までそこに住む全員が第3世代の「ベトコン」だったと弁護している。アメリカは侵略軍にほかならず、その侵略軍を非戦闘員も敵視するのは当然。そうした感情を持つ人びとを殺すのは当然だとハルバースタムは主張しているのだ。
 
 村民皆殺しの目的はいくつか考えられる。まず共同体を破壊して組織的な抵抗を弱めること、ゲリラに対する食糧などの支援を断つこと、そして恐怖でアメリカに屈服させることなどだ。この戦術はラテン・アメリカでも使われ、「死の部隊」が編成されている。ズビグネフ・ブレジンスキーはサラフ主義者/ワッハーブ派やムスリム同胞団を中心に戦闘集団を組織、対戦車ミサイルTOWや携帯型地対空ミサイルのスティンガーを含む武器を供給し、戦闘員を訓練した。
 1997年から2001年までイギリスの外相を務めたロビン・クックによると、そうした戦闘員のコンピュータ・ファイルがアル・カイダである。アラビア語で「アル・カイダ」とは「ベース」を意味し、「データベース」の訳として使われる。
 
 2003年にアメリカはイラクを先制攻撃してサダム・フセイン体制を倒し、建造物を破壊、100万人とも推計されているイラク国民を殺した。その際、アメリカが投入した121機動部隊はフェニックス・プログラムの殺人部隊やラテン・アメリカの死の部隊と同じ役割を演じた。2011年春にアメリカはリビアやシリアの体制転覆に乗り出すが、ここで使われたアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)も目的は同じ。だからこそ、こうした武装集団の危険性を訴えたマーティン・デンプシー統合参謀本部議長やマイケル・フリンDIA局長は任を解かれたわけだ。
 
 2001年9月11日の攻撃を利用してジョージ・W・ブッシュ政権は1992年にネオコンが作成した世界制覇プランを実行に移したが、1980年代から準備が進められていたCOGプロジェクトも始動している。COGとは「Continuity of Government」のイニシャル。
 
 核戦争が勃発した際、本来の政府の機能を秘密政府へ移す計画で、1979年に設立されたFEMA(連邦緊急事態庁)もその計画から生まれた。COGは1982年に創設され、88年には大統領令12656によって、その対象は核戦争から「国家安全保障上の緊急事態」に変更されている。この変更の結果、2001年9月11日にCOGは始動、「愛国者法」がすぐに施行され、憲法の機能が停止させられたわけだ。
 
 アメリカ国内のファシズム化や国外での侵略戦争は9/11を切っ掛けにして本格化、フェニックス的な作戦も実行しつつあるのではないかと言われている。その9/11は政府の自作自演だという指摘は納まる気配を見せていない。トランプ大統領もそうした疑問を口にしているひとりであり、安全保障担当補佐官に就任したフリンやジェームズ・マティス国防長官などはCOGにも反対していると言われている。トランプ政権にはさまざまな側面があるが、支配層、特に9/11を利用してきたグループにとって非常に危険な要素を持っていると言えるだろう。

2017年2月25日土曜日

共謀罪 安倍政権が目指す国民監視国家

 現代ビジネスに、「共謀罪の狙いはテロ対策ではない! スノーデンの警告に耳を傾けよ 合法化される政府の国民監視」と題された記事が載りました。  
 
 共謀罪の狙いはテロの対策などではなく、政府が合法的に国民を監視し検挙出来るようにするためのものです。
 著者の小笠原みどり氏は、「いまから急いで共謀罪が自分にどうかかわるかを知るために、公開中の画『スノーデン』を見ることをおすすめしたい」として、スノーデンが実体験した米国の国家安全保障局(NSA)の国民監視システムの実態を語っています(スノーデンはそのあまりのおぞましさに、アメリカを逃れてからその実態を暴露=内部告発し、現在はロシアに亡命しています)。
 勿論、そこでは並行して安倍政権が目指している共謀罪の危険性についても語られています。
 以下に紹介します。
 
追記)
 原文は約7200字で長文のため一部を省略して5700字ほどにまとめました。全文をご覧になりたい方は、記載のURLからアクセスしてください。
 
 文中に「マルウェア (malware)」という言葉が出てきますが、それは「不正かつ有害に動作させる意図で作成された悪意のあるソフトウェアや悪質なコードの総称」で、具体的には、コンピュータウイルスやワーム、トロイの木馬などを言います
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共謀罪の狙いはテロ対策ではない!
スノーデンの警告に耳を傾けよ 合法化される政府の国民監視  
小笠原みどり  現代ビジネス 2017年2月23日
トランプ米大統領の就任と同時に、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』が米国でベストセラーに躍り出た、と複数のメディアが報じている。
(中 略)
真実を書き換える
『1984年』は作家の出身地である英国や、米国では高校の課題図書となっていることが多く、日本よりも若い年齢で広く読まれている。
(中 略)
明らかな嘘を「もう一つの事実」と呼ぶ政権——黒を白と呼び、白を黒と受け入れる、この「新語法」は「二重思考(ダブルシンク)」によって支えられている、とオーウェルは書く。
だから(「1984年の主人公の)ウィンストンは嘘を同時に真実として受け入れ、真実を嘘にすり替えることができる。この小説のなかの国、オセアニアのあまりにも有名なスローガンを見て、読者がいま思い描くのは海の向こうの国アメリカだけだろうか。
(中 略)
話し合うことはテロ?
「平和のため」と言いながら、大半の憲法学者が違憲性を表明し、世論の反対が強かった集団的自衛権を合法化して、戦争参加への道を大きく開いた政権が、日本にも存在する。
この政権が、今国会で成立を目指しているのが「共謀罪」新設法案である。
共謀罪という概念にもまた、多くの刑事法研究者が反対している。「実行行為がなければ犯罪は成立しない」という歴史的に確立された刑法の大原則を、この法案がおかまいなしにひっくり返そうとしているからだ。
共謀罪は、二人以上の人間が犯罪行為について話し合った時点で、なんと犯罪が成立してしまう。
法務省刑事局長の国会答弁によれば、言葉とは限らず、目配せでも成立するというから、成立要件は限りなく捜査機関の「解釈」の問題になる。しかも犯罪と規定されるもの全般、676もの犯罪が対象になる!(政府はこの対象項目の削減を国会での駆け引き材料にするらしいが、項目の拡大は後から簡単にできる
「犯罪」の概念を密かに書き換え、犯罪行為に至るかもどうかもわからない時点で、むしろ実際には単なる会話に終わることが大半でも、人々を「犯罪者」に変えてしまう恐るべき強権性から、これまで国会で三度も廃案になってきた。
 
その共謀罪を安倍政権は「テロ等準備罪」とラベルを張り替えて、今国会に提出する方針だ。
オリンピックを前にした「テロ対策」だと主張しているが、オリンピックと無関係に過去三度提案されたことを考えても、窃盗から公職選挙法違反まで刑法全体の書き換えに近いということを考えても、「テロ」とは噛み合わない。
共謀罪の核心は、人々の日常のコミュニケーションが犯罪化される、という点にある。合意すること、相談すること、言葉に出すことで犯罪が成立するのだから、警察は私たちのコミュニケーションそのものを捜査対象とすることになる。
それが「テロ対策」というなら、人々が会話すること、集まって表現すること、発言することそのものが犯罪の温床なのだろうか? 話し合うこと=テロ? これぞ危険な「新語法」である。
だが、「戦争」を「平和」と呼ぶ政権が出してきた「オリンピック」と「テロ対策」の二枚看板の前に、世論はなんとなく懐柔されているか、口ごもっているようにみえる。
(中 略)
すべての通信が捜査対象に
そこで、いまから急いで共謀罪が自分にどうかかわるかを知るために、公開中の映画『スノーデン』を見ることをおすすめしたい
 
オリバー・ストーン脚本・監督のこの作品は、米国防総省の国家安全保障局(NSA)の契約職員だったエドワード・スノーデンを主人公に、彼が2013年6月、全世界に衝撃を与える内部告発を遂げるまでを描いている。
(中 略)
なぜ映画に描かれた監視システムが共謀罪と関係するのか。
それは、共謀罪の取り締まりとは犯罪行為以前のコミュニケーションを取り締まることであり、犯罪に関係するコミュニケーションを警察が割り出すには、すべてのコミュニケーションを捜査対象とせざるをえないからである。
すべてのコミュニケーションを警察が把握するなんてありえない、とあなたは思うだろうか? そういう人ほどこの映画を見てほしい。
米政府を始めとする国家権力がすでにそれだけの技術的な能力を備えていることがわかるからだ。ビッグ・ブラザー(小説『1984年』に登場する指導者)もうらやむであろうほどの—。
 
想像をはるかに超えた「監視の力」
映画は2013年6月、29歳のスノーデン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)が、香港のホテルでジャーナリスト3人と面会し、NSAが電子通信網に張り巡らせた監視装置の数々について内部文書を見せる場面から幕を開ける。
 
世界を震撼させた連続スクープが公表されるまでの手に汗握る1週間の合間に、スノーデンの過去と、極秘裏に拡大していった監視プログラムが解き明かされる。
たとえば、「エックスキースコア」。米中央情報局(CIA)にエンジニアとして採用されたスノーデンは、2007年にスイス・ジュネーヴへ派遣され、そこでこのプログラムを知る。
NSAの調査員が「攻撃」「殺し」「ブッシュ」とキーワードを入力して、大統領への敵対的な発言をネット上から検索している。メール、チャット、ブログ、フェイスブックはもちろん、非公開のネット情報も含めて世界中の人々の通信と投稿が対象だ。有名人や政治関係者の発言ではない、すべての「フツーの人々」の私信から洗い出しているのだ。
当然、日本の首相への怒りや警察への批判、企業への不満などを示す発言を捜し出すことも可能だ。
特定の人物について知りたければ、エックスキースコアでその人物が送受信したメールからフェイスブック上の人間関係までを把握することもできる。
 
映画では、なんの罪もないパキスタンの銀行家をCIAが情報提供者として取り込むために、エックスキースコアを使って家族や友人、知人の弱味を捜し出し、それをネタに揺さぶりをかけ、脅迫していくさまが描かれる。
この経験は、国家の正義を信じていたスノーデンにとって、諜報機関に疑問を抱くきっかけとなる。
 
次に、ウェブカメラや携帯電話による盗撮、盗聴。個人のパソコンに内蔵されたウェブカメラを使って、NSAの調査員が上記銀行家の親族が着替えている場面を盗み見る。
パソコンがオフ状態にあっても、NSAが遠隔起動させ、監視カメラとして使用できるのだ。また、香港で3人のジャーナリストに会ったスノーデンは、3人の携帯電話を電子レンジのなかに保管する。
これはたとえ携帯電話の電源が切れていても、NSAがやはり遠隔操作によって電源を入れ、盗聴マイクとして音声を収集することができるから、それを防止するため。最初はあきれ顔だったジャーナリストたちが、スノーデンから監視技術の進化を聞くにつれ、驚愕していく。
 
そして、「プリズム」。これはNSAがグーグル、ヤフー、フェイスブック、マイクロソフト、アップル、ユーチューブ、スカイプなど米大手インターネット9社のサーバーにアクセスし、一日数百万件にも上る利用者の通信記録を入手していたプログラムで、2013年6月に暴露された事実のうち最も反響を呼んだといっていいだろう。
というのも、それまでも米政府がネット上の個人情報を大量に収集しているという動向は伝えられてはいたが、インターネット・サービス・プロバイダーは民間会社なので政府が直接介入するのには限界があると考えられていたからだ。
ところが実際には、政府は秘密裏に企業に協力を要請し、企業側は顧客にプライバシー保護を約束しながら、政府に大量の顧客情報を提供していた。
これらの米大手企業の事業は世界規模で、日本でも上記企業のサービスをまったく使わずにインターネットを使用している人はほとんどいないだろう。
さらに、無人機(ドローン)攻撃。監視は最終的にだれかを破壊することに行き着く。スノーデンが暴いたNSAの監視システムはすべて「対テロ戦争」の下で巨大な権限を手にした諜報機関が、法律や議会の監督なしに、公衆の目の届かないところで強化させた。
米軍は携帯電話に搭載されたSIMカードから持ち主の位置情報を特定し、無人機を遠隔操作して爆撃する。日本のNSA代表部がある米空軍横田基地で、またハワイの暗号解読センターで、スノーデンは米軍のドローンによって建物もろとも木っ端微塵に破壊される人間の映像を見た。
空爆による砂埃のなか、救助に駆けつける車両を再び、ドローンが襲う。ドローンを操作した女性空軍兵士の声がNSAの技術開発者たちに届く。
「ショーにご満足いただけたかしら?」
 
この監視システムは狂気じみている
インターネットと携帯電話という、ほとんどの人にとって便利で快適で、必要不可欠ですらある技術が、いまやこれだけの監視の能力を政府と企業に与えている。
すべての人々のコミュニケーションを収集することは可能だし、現に実行されている。犯罪者や犯罪に関係していそうな人たちだけではない、まったく無関係な人たちの通信が検索され、弱味をつかむべく重箱の隅をつつかれ、ある者は陥れられて「犯罪者」にされ、ある者は殺される。
共謀罪は、こうしたコミュニケーションの把握を捜査の前提とし、したがって盗聴、盗撮、無制限な個人情報の収集を合法化する基盤をつくりだすのだ。
私は昨春、スノーデンにネット上の回線を通じてインタビューし、昨年末に『スノーデン、監視社会の恐怖を語る:独占インタビュー全記録』(毎日新聞出版)を刊行した。
 
彼がインタビューで語った「世界の諜報機関は集めた個人情報をまるで野球カードかなにかのように交換する。けれど彼らが実際にやり取りしているのは人々のいのちなのです」という言葉を、私はこの映画で真に理解することができた。
スノーデンはエックスキースコアを「スパイのグーグル」と私に説明した。
調べる側にとっては、グーグルにキーワードを入れてクリックするのと同じ、軽い行為かもしれない。だが、調べられる側にとってその結果は、ある日突然、自分や家族が災難に見舞われ、最悪の場合は軍にいきなり襲われる。自分がどうしてそんな目に遭うのか、本人にはわからない。
五感で感じ取ることのできないデジタル監視の暗躍と、すべての人々を巻き込んでいく、その狂気じみた壮大なまでのスケール、そして一人ひとりに及ぼす深刻な被害を、ストーン監督はドキュメンタリーの手法やCGも駆使し、実感のある物語として映像化することに成功している。
 
映画のなかのスノーデンはつぶやく。
テロを防ぐ仕事として、1人の標的がかけたすべての電話番号の相手も監視するよう指示された。さらにその相手の通話先40人も監視すると、最初の標的から3人先には総勢250万人になった、と。
「そしてその規模に気づき、愕然とする瞬間が来る。NSAは世界中の携帯電話を監視しています。誰もがデータベースのなかにいて、日々監視される可能性がある。テロリストや国や企業だけじゃない、あなたもです」
 
日本を機能停止させるマルウエア?
映画はさらに、日本の観客のために特別に重大な情報を織り込んでいる。
スノーデンは2009年から2年間、日本の米空軍横田基地内のNSAで勤務していたが、その場面で、自衛隊の制服組が彼の職場を訪れ、上司は自衛隊を感心させようと戦場のドローン映像を見せる。
NSAは日本国民の監視について協力を求めるが、日本側は「法律に反するから」と断った。その結果、NSAは日本の監視をあきらめるのではなく、さらに侵害的、一方的な監視に踏み込んだ。
それは日本の通信網を監視するだけでなく、送電網やダム、病院などの物理的ライフラインと大規模施設をマルウエア(不正プログラム)によって乗っ取りにかかったというのだ。
これは普段はスリープ状態にあるが、いったん起動すればすべてのコンピュータ・システムを誤作動させ、施設の機能を停止させることができるという。
米国は日本だけではなく、メキシコ、ドイツ、ブラジル、オーストリアにも、このマルウエアを仕掛けた、とスノーデンは明かす。
 
これが本当なら、米国の「同盟国」とは名ばかりで、ただの人質に過ぎない。日本政府は性急に調査する必要があるだろう。
もうお気づきだろうか。これらの監視能力はビッグ・ブラザーをはるかに超えている。
そしてこれはSF映画ではない。ハリウッドには9.11後の監視社会を予見したかのような『マイノリティ・リポート』を始め、『トゥルーマン・ショー』『ガタカ』『エネミー・オブ・アメリカ』など、高度に発達した技術によって個人の身体が管理され、心理が操作され、記憶が捏造される近未来を描いた作品が数多くある。
だが『スノーデン』は、いま起きていることを描いているのだ。
この現実をさらに深く理解するためには、ぜひスノーデンの告発をその場で撮影し、他の内部告発者の姿も追ったドキュメンタリー映画『シチズンフォー』(ローラ・ポイトラス監督、2015年、第87回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞受賞)を見てほしい。
 
手放してはならない法の守り
そして私たちは、8年前の日本政府が国民監視に消極的だったからといって毛頭安心することはできない。
スノーデンが日本にいた時期はちょうど民主党(当時)を中心とする連立政権期であり、その後の自民・公明政権は特定秘密保護法、新安保法、盗聴法の大幅拡大を続けざまに成立させている。
つまり、当時の日本政府は国民監視が国内法に違反することを理由にNSAへの協力を断ったが、その法律による規制はいまや次々と取り払われ、政府による盗聴と盗撮と国民監視は合法化の一途をたどっているからだ。
共謀罪が私たちにとってのこれまでの法の守りを、一気に突き崩すものであることはもはや論を待たない。
だからこそスノーデンは、私のインタビューで「特定秘密保護法は実はアメリカがデザインしたものです」「その後、日本の監視法制が拡大していることを、僕は本気で心配しています」と語ったのだ(拙稿『スノーデンの警告「僕は日本のみなさんを本気で心配しています」なぜ私たちは米国の「監視」を許すのか』参照)。
『シチズンフォー』で彼は、NSAがテロではなく、「国家権力に反対する力を削ぎ落とし続けている」と語っている。
(後 略)

25- 反辺野古基地運動リーダー山城氏 最高裁が保釈を認めず

 沖縄の反辺野古基地運動のリーダー 山城博治さんは、1年も前の軽微な犯罪(公務執行妨害で昨年10月に逮捕されてから現在にいたるまで長期収監されています。そのうえ家族の面会も許されていません。
 山城さんはガンを患っているので長期の収監で当然体調不良をきたしていると思われます。
 
 弁護士は保釈を求めましたが那覇地裁は認めず、最高裁への特別抗告も却下されました。
 有刺鉄線を1カ所切断したこととゲート前に自動車が入れないようにコンクリートブロックを並べたくらいのことで、こんなに長期に勾留されるのは明らかに異常で、最高裁が何故それを容認したのか理解できません。
 日本の司法は「人質司法」と呼ばれ世界から非難されています。要するに被疑者が有罪を認めない限り釈放しないという人権蹂躙の手法のことですが、この件では最高裁が検察の横暴に加担したことになります。
 
 ブログ「かっちの言い分」は、判事が政権の意向を忖度した結果であるとしています。そうとしか考えられません。
 村野瀬玲奈氏は、「ガンを患い体調不良の人を釈放せず家族の面談も許されていないというのは、人間に対する仕打ちではない。このような決定をするなら最高裁判所ではなくて最低裁判所と言わざるをえない」と述べています。まさに同感です
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沖縄辺野古基地の逮捕者は、保釈も許されない異常。 
かっちの言い分 2017年2月23日
沖縄辺野古基地反対の議長、山城氏が長期に亘って勾留されている。公務執行妨害で、保釈を求めて裁判を行っている。普通は、直ぐに保釈される程度の案件である。
しかし、なぜか、見えない力が働いている。「見えない」と書いたが、明らかに政府の意向が反映している。
沖縄地方裁判所に保釈を申請したが、却下された。この時点で、どこにも逃げる訳でもないのに、なぜ保釈しないのかと思っていた。
最高裁判所に抗告したと聞いていたので、さすがに最高裁判所では、保釈申請はすぐに認められると思っていたら、抗告が却下された。ここまで来ると異常と言わざるを得ない。保釈したって、別に逃げる訳ではなのだ。
この最高裁の裁判長は、大谷剛彦氏である。最高裁判所事務総長を歴任した人である。事務総長と言えば、政府の意向を汲む官僚中の官僚である。
主な判決
•2011年6月21日:君が代起立訴訟において、起立命令は合憲とし原告の上告を棄却。
•2011年10月25日:混合診療訴訟において、混合診療の禁止を適法とし原告の上告を棄却。
•2011年12月19日:Winny事件において、Winny開発者の金子勇に対する著作権違反幇助訴訟で、被告人に公衆送信権侵害の罪の幇助犯が成立しないとする多数意見に対し、同幇助犯が成立するとする反対意見を述べた。大谷を除く裁判官の多数意見により検察官の上告は棄却され、金子の無罪が確定した。
 
さもありなんと妙に納得した。今や、最高裁だから最も公平と思ったら大間違いである。最高裁判事は、内閣が指名するのである。今や、最高裁判事は、安倍内閣の意向を忖度出来る判事がほとんどなっている。
国民が最後の砦として頼るべき判事がこれでは、国民は浮かばれない。すがるところがなくなる。
 
沖縄新基地問題 反対派議長の保釈認めず 最高裁が抗告棄却
東京新聞 2017年2月23日 夕刊
 沖縄県の米軍新基地建設に反対するグループのリーダーで沖縄平和運動センター議長の山城博治被告(64)=公務執行妨害罪などで起訴=について、保釈を認めない判断が確定した。
最高裁第三小法廷(大谷剛彦裁判長)が二十日付の決定で、保釈請求を退けた那覇地裁の決定に対する被告側の特別抗告を棄却した。
 被告の支援者らは「逮捕、勾留は新基地建設の反対運動をつぶすためのもので、不当な弾圧だ。(被告は)健康を害している」などとして、早期保釈を求めていた
 山城被告は昨年十月に逮捕され、米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設現場で防衛省職員を負傷させたり、米軍普天間飛行場移設先の同県名護市辺野古で工事車両の進入を妨げたりしたとして起訴された。
 被告側は保釈を請求したが、那覇地裁は二月に却下。地裁は準抗告も棄却したため、被告側が特別抗告していた。
 
長期勾留は人権侵害
  <山城博治議長の弁護人池宮城紀夫(としお)弁護士(77)の話> 人権の最後のとりでである最高裁が問答無用で不当な決定を下した。長期勾留は基本的人権の侵害だ。今後も別の形で保釈を求めたい。
 
 
山城博治さんたちの保釈を認めない最高裁判所は最低裁判所だ
村野瀬玲奈の秘書課広報室  2017年2月24日
2017年2月13日の記事、『沖縄の市民運動リーダー、山城博治さんの即時釈放を求める。国際人権団体もキャンペーンを開始。』の続きです。
 
最高裁は保釈請求の特別抗告を認めませんでした。山城さんやそれ以外に勾留されている人たちが勾留を解かれるべき理由は前回の記事にメモしていますが、改めて、山城さんたちを釈放すべきだと訴えます。
なお、一部の報道は重要なことを伝えていないようです。
 
「ガンを患い体調不良」の人を釈放せず、しかも「家族の面談も許されていない」というのは、人間に対する仕打ちではありません。このような決定をするなら、最高裁判所ではなくて最低裁判所と言わざるをえません。