2020年4月28日火曜日

日本と東京が陥る“高”陽性率の恐怖(日刊ゲンダイ)

 新型コロナウイルス感染症について、NHK等は東京都を含めて日本の新規感染者拡大数は4月の中旬をピークにして減少に転じたと報じています。しかしPCR検査数が現在でも諸外国に比べて格段に少ない現状では、氷山の一角をとらえて論じることにどんな意味があるのかということに変わりはありません。
 現状で明らかになっている数値として「陽性率」(感染者数/検査者数)がありますが、その実態は下表のおり日本の全体では11%、東京都では40%、大阪府では21%です。
 海外の実態から、陽性率7%を超えるとそれ以下の国に比べ致死率が5~10倍に上がる( ⇒ 陽性率7%未満の国はそれ以上の国に比べ、死者数を1~2割に抑えられている)とされているので実に異常な事態です。
 日刊ゲンダイが取り上げました。

注)なお同記事中の数値は下表と異なっていますが、山中伸弥教授のHP「山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信」https://www.covid19-yamanaka.com/cont3/16.html によると
「注目すべきは検査件数に対する陽性者の割合(陽性率)※ です。東京で約40%、大阪で約20%と高い陽性率となっています。これは危険領域です。非常に多くの陽性者を見逃している可能性が高いと推定されます。アメリカは日本よりはるかに多くの検査を行っていますが陽性率は20%程度で、専門家は、まだまだ陽性率が高すぎるので検査数を3倍は増やす必要があると訴えています。
                                               https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000625188.pdf 
とされていますので、下表の陽性率の値と一致しています。


PCR検査者数・感染者数等(累積ベース)


検査者数
感染者数
死者数
陽性率%
致死率%

日本国
124456
13232
351
10.6
2.65

東京都
9827
3908
100
39.8
2.55

大阪府
6937
1493
27
21.5
1.81

新潟県
2491
69
0
2.8
0
  ・検査者数等は「新型コロナウイルス国内感染の状況(東洋経済オンライン)」27日)
              https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/ 
  ・陽性率・致死率は当事務局が試算
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新規感染者数より刮目 日本と東京が陥る“高”陽性率の恐怖
 日刊ゲンダイ 2020/04/26
 新型コロナウイルスの新規感染者数の推移に疑問の声が上がっている。国内は11日の743人、累計感染者数が最大の東京都は17日の201人をピークに漸減傾向。感染拡大が抑制されているかのようだが、陽性率は高止まりしている。欧州が7%未満、韓国が3%ほどなのに対し、日本は約8・7%、東京は約12・3%。市中感染が広がり、無症状感染者が増加している可能性が高い。パンデミックとなった欧州では、陽性率が7%を超えると死者数が増えたとの分析があり、むしろ状況は危うい。

 都のデータをめぐり、京大iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授がホームページで〈注目すべきは検査件数に対する陽性者の割合(陽性率)〉と指摘。こう続けていた。
〈2月は3%、3月になって4%、7%と増加し、3月末には18%に急増、4月は中旬まで19%を維持しています。検査件数には、同じ人に複数検査した件数も含まれているという事ですので、実際の陽性率はさらに高いと考えられます。これは危険領域です。非常に多くの陽性者を見逃している可能性が高いと推定されます〉

 都の検査件数は16日の1498件をピークに減少傾向。日本全体では安倍首相が6日に「1日当たりの実施可能数を2万件に増やす」と胸を張ったものの、いまだ数千件水準にとどまっている。
 山野美容芸術短大客員教授の中原英臣氏(感染症学)はこう言う。
「日本は一貫してPCR検査件数が少なく、新型コロナの統計データは議論の叩き台としては不十分ですし、信用もできない。岡江久美子さんの急逝は気の毒でなりません。昨年末に初期の乳がんで手術し、今年1月末から2月半ばまで放射線治療を受けていたとなると、免疫力も体力も相当落ちている。そうした中で発熱し、医師の指示に従って自宅待機したところ、容体が急変して緊急入院し、ようやく受けたPCR検査で陽性と判明したといいます。明らかに感染を疑う事例なのに、しゃくし定規に待たせる日本のシステムは訳が分からない。医療事故と言っていいと思います。こうしたデタラメが感染を拡大し、実態を見えなくする要因になっている。都内の特定地域で無作為に1000人ずつ選び、PCR検査と免疫検査を速やかに実施し、実態把握に努めるべきです」

7%超で死者2割増
 千葉大大学院の樋坂章博教授(病態検査学)らの研究グループが初期の感染拡大の程度が近い欧米各国の検査状況と死者数の関係を比較したところ、陽性率7%未満の国はそれ以上の国に比べ、死者数を1~2割に抑えられていることが分かったという。早く手を打たなければ、救命の機会をみすみす逃すことになる。

28- 隠されたコロナ死者はやはりいた! (LITERA)

 日本のPCR検査数は諸外国に比べて格段に少ないのですが、そのことを指摘されると専門家会議メンバーや政府は「現実に死者の数が少ない。それは感染者が実際に少ないことを反映している(要旨)」と説明し、それに対して「死者の数が少ないのはコロナ感染死が見逃されているからではないのか」と反論されると、「肺炎で亡くなった方については最後はCTを必ず撮る。CTにおいて間質性肺炎の症状が出た方は、必ず大体PCR検査をやっている(要旨)」(安倍首相)とか「肺炎で亡くなった人はあとでCT検査をしてコロナかどうかいちいち判断している」(田崎史郎氏)などとコロナ感染死の見逃しはないと強弁してきました。

 しかしそれは当初から信憑性を疑われ、葬儀者たちからも具体的に反論が出されました。
 LITERAによると、不審死した人などの死因を調べる法医学や病理学者が多数参加している「日本法医病理学会」が、解剖もしくは検の際に新型コロナ感染が疑われた場合どう対応したかを調査した結果、PCR検査を23件申し入れた内12件が保健所(など)から拒否されたことが分かりました。
 検死をする医師はそれなりの権限を持っているし検査の必要性も大きい筈なのに,、半数以上が断られているといのが実態であったわけです。
 日本では月間平均で11万人以上の人が病死しています。しかし検死医の要求が簡単には受け入れられない以上、普通の「肺炎による病死と見られる人たち」が容易に検査を受けられる筈がありません。LITERAは、全体ではその何百倍の死亡者検査拒否、検査諦めがあると考えるのが普通だろうとしています。
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隠されたコロナ死者はやはりいた! 日本法医病理学会の解剖医アンケートで「死亡者のPCR検査を拒否された」の回答が多数
LITERA 2020.04.27
 日本の新型コロナ死亡者をめぐる疑惑が、とうとう決定的になった。解剖医が新型コロナ感染が疑わしいと判断した死亡者でも、保健所などから検査を拒否されてしまうケースが多数あることを「日本法医病理学会」が発表したのだ。
 そもそも、新型コロナ死亡者が政府や自治体の発表よりも数多くいるのではないか、という疑惑は少し前からかなり濃厚になっていた。安倍首相は「肺炎での死亡者はすべて検査しているから、日本の新型コロナ死亡者数は正確」などと強弁していたが、一方で、葬儀業者が新型コロナを疑われながら検査されないまま遺族に返される「グレーゾーン遺体」の存在を告発していたからだ。『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)や、さらにはNHK『おはよう日本』では葬儀業者が実名・顔出しで証言した。

 ところが、ネット上ではそれでも、ネトウヨや安倍応援団、冷笑系が検査していない遺体の存在を否定、『モーニングショー』やNHK、そして本サイトの記事に対して「デマ」「陰謀論」と攻撃するツイートが多数見受けられた。
 しかし、今回の「日本法医病理学会」の発表は決定的と言えるだろう。
「日本法医病理学会」は死亡者の死因を調べる法医学や病理学の大学研究者が多数参加している団体だが、4月中旬、全国の解剖医を対象に「法医解剖、検案からの検体に対する新型コロナウイルス検査」というアンケートを実施。解剖もしくは検案の際に、新型コロナ感染が疑われた場合、どう対応したかを調査した。
 すると、保健所などに検査を申し入れたにかかわらず拒否されたという件数が、なんと12件にものぼっていたのだ。

 ちなみにアンケートに回答したのは26機関。死亡者のPCR検査を実施したのは保健所9件、その他の検査機関2件の11件。一方、拒否は前述したように、保健所の12件だから、検査した数よりも保健所から検査拒否にあっていた数のほうが多かったのだ
 また、アンケートでは具体的な拒否の状況についての説明もあったが、その中身も信じがたいものだった。「日本法医病理学会」の公式HPから抜粋して以下に紹介しておこう。

【2月中旬 男性 60代】
各種臓器の検査を国立感染症研究所に相談したところ、咽頭ぬぐい液で陽性が出てから応需するとのことで断られた。その後咽頭ぬぐい液の相談を保健所にしたところ断わられた。
【3月中旬 男性 60代】
検案医がウイルス性肺炎疑いと判断し、帰国者・接触者相談センター経由で保健所に連絡するも検査は断られたが、後日、捜査機関が保健所から事情を聞いたところ、今後は、できるだけ対応するとの回答が得られた
【4月上旬 70代 男性】
独居者.自宅で死亡発見.関係者の証言から,数日前から微熱があったことから,保健所に相談したところ,濃厚接触が明確でないことから検査対象ではないとのことであった.(原文ママ)
【4月上旬 80代 男性】
検体採取前の相談で断られた
【4月上旬 70代 男性】
検体採取前の相談すらできなかった
【4月上旬 30代 男性】
某病院入院患者。病院内で数名の陽性者が出ていた。死因はコロナは否定的なので、診断のためではなく、検視や解剖で病院関係者や遺体と接触した者への感染拡大を懸念しての検査だが断られた。

解剖医から寄せられた〈「死体は検査してもらえない」という認識が広まっている〉の声
 この「日本法医病理学会」の解剖医アンケートでは、具体的な事例以外でも、保健所が検査に積極的でないことを証言しているコメントがいくつもあった。
〈保健所から疑いが強いもののみにしてほしい、検体は1個のみと言われている。民間検査会社から死体は受けないと言われている。某大学病院で検査受け入れ可能か問い合わせ中。〉
〈CTで肺炎像を確認したので依頼した。保健所より「厚労省が一定以上の条件が整わないと検査をしてくれない」との話があった。〉
一般的には「死体は検査してもらえない」という認識が広まっている。
 ここからは、解剖医の間に「死体は検査してもらえない」という認識が広まり、諦めムードさえ漂っていることがうかがえる。解剖医が最初から保健所に検査を依頼しなくなっているケースも出てきているのではないか。
 しかも、問題はこの数字や実態が、「解剖医」のアンケートであることだ。解剖医は変死や異状死の死因を解明する専門家であるため、死因を厳密に特定する必要がある。にもかかわらず、保健所から検査を拒否され、「死体は検査してもらえない」という認識が広まっているのだ。
 多くのパターンは解剖医まで行かない段階で臨床医が死因を判断するのだが、その場合は当然、解剖医などより死因の特定のハードルが低い。だとしたら、全体では何百倍の死亡者検査拒否、検査諦めがあると考えるのが、普通だろう。
 いずれにしても、これで完全にはっきりしたのが、安倍首相の説明が嘘だったことだ。冒頭で少し触れたが、安倍首相は3月28日の会見で、ジャーナリストの神保哲生氏からの“日本は検査数が少なく実際には感染が広がっているのでは”という質問に対し、訊かれてもいないのに自ら「死者の数」に言及。「PCR検査の数が少ないけれども死者の数が多いということではありません」とし、こう言い張った。
「肺炎で亡くなった方については、基本的に肺炎になって、最後はCTを必ず撮ります。それで、CTにおいて、これは間質性肺炎の症状が出た方は必ずコロナを疑います。必ず。そういう方については、これは必ず大体、PCRをやっておられます
 そして、田崎史郎氏もこの安倍発言を補強すべく、4月6日放送の『モーニングショー』で、「肺炎で亡くなった人のことをあとでCT検査をして、コロナかどうかいちいち判断している」「全部やっているんですよ」などと強弁していた。
 しかし、これらは全部、自分たちの失策を隠すための嘘っぱちだったのだ。しかも、それはただの失策隠蔽に終わらず、さらなる被害を拡大させている。他国がピークアウトを迎えつつあるなか、日本は感染拡大を止められないどころか、院内感染が深刻化し、医療崩壊状態が起きているが、この事態を引き起こした最大の要因は死亡者の検査を含めPCR検査数を抑えてきたことにある。検査体制を整備・支援することをせず、感染実態を隠蔽してきた安倍首相の責任はもはや疑いようもない。(編集部)

2020年4月27日月曜日

日本のドライブスルー検査が韓国より3ケ月遅れた理由(LITERA)

 26日夕刻の共同通信記事によれば、中国の新規感染者は2月中旬に連日2千人以上でしたが、3月以降は100人を下回る日が多く、韓国も3月中旬以降は終息傾向にあり、最近では1桁台の日も多く、感染者の累計4月20日に日本を下回りました。台湾やベトナム、マレーシアも抑え込みに成功しています。
 中国、韓国など新型コロナ新規感染者の減少が顕著東アジア諸国では、域内で人の往来も再開しつつあり、経済活動復旧の動きが加速しています。いまも感染者の増加傾向が続き、緊急事態宣言延長の必要性も指摘される日本との差は明白で、周辺国からの出遅れが景気悪化の追い打ちになる恐れがあります。(以上共同通信「コロナ減少の中韓、経済復旧加速 日本は出遅れ、景気悪化追い打ち」より)

 日本の立ち遅れは、すべて PCR検査を怠り 隠れたコロナ感染者を蔓延させ、院内感染を多発させた結果です。韓国は世界に先立ってドライブスルー式のPCR検査システムを開発しただけでなく、外置きのコンテナルーム式「発熱外来システム」も開発しました。それは問診票の記入、医師の診察、検体採取をそれぞれ別のコンテナで行う構成になっていて、国内に500カ所近くも設置されました。医師の診察はアクリル板の仕切りを介して行い、被験者がコンテナに入る際には自動で消毒されるゾーンがあり、検体を採取するコンテナは陰圧室になっているという完全なものです。
 現場での仮設ではなくテントでもなく、工場で作りそれをトレーラーで全国に運んだものと思われます。優れた構想であり実行力です。

 世界の多くの国はいち早く韓国のドライブスルー検査の有効性を認め、安倍首相が信奉して止まないアメリカドイツは、韓国のコロナ対策「手本」と公言しています。現実に4月はじめには、新型コロナ検査をめぐり世界121カ国から韓国に支援を求める要請があり、韓国政府は大々的に検査キット輸出し、人道支援の方策を精査しているということで、検査体制も病床も不足していま医療崩壊の危機にある日本雲泥の差です。
 日本のすぐ隣にコロナ対策の優等生国家があるというのに、どうして日本はそれを学ばないのでしょうか。
 その理由は明らかで、韓国を決して認めたくない、韓国の後塵を拝したくないという安倍政権のケチな根性のためです。これを機に、そうした幼稚さは改めなくてはなりません。

 LITERAが韓国の鮮やかさを明らかにしました。
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ドライブスルー検査も「韓国の医療崩壊の象徴」とバカにして3カ月遅れに…
安倍政権とメディアの“嫌韓”がコロナ対策を遅らせた
LITERA 2020.04.26
 あまりに遅すぎだろう。厚労省が、4月15日になって、ようやくドライブスルー検査を「可能」と認め、導入を推進するよう自治体に通知を出したのだ。
 いったい、なぜこんなに遅くなってしまったのか。ひとつには、長らく指摘され続けている、PCR検査の抑制という馬鹿げた方針によるものだろうが、もうひとつ大きいのは「嫌韓」という差別意識だ。
 周知のように、新型コロナウイルスをめぐるドライブスルー検査は韓国がいち早く始めたもの。韓国は、積極的な検査によって感染者を見つけ出し隔離するという戦略が功を奏し、感染拡大の封じ込めに成功している。最近では新規感染者は1ケタの日もあり、世界各国が、韓国の対策を成功例として手本にしている
 そのなかでドライブスルー検査は、スピーディに検査できるうえ、医療従事者への感染や院内感染の危険も避けられることから、高い評価を得ていた。韓国の封じ込め成功にならって、ドイツ、アメリカなど世界各国で導入されている。
 ところが日本では、つい最近まで、このドライブスルー検査をあたかも医療崩壊の象徴のように、バカにしまくっていた。
 韓国で感染者数が増加していた時期、ワイドショーでは、日ごとに増える韓国の感染者数をセンセーショナルに報じ「医療崩壊が起きている!」と、上から目線で見下すように報じていた。なかでも、ドライブスルー検査については、ほとんどの番組が、実際には医療崩壊は起きていないにもかかわらず、まるで韓国の“杜撰医療”“感染拡大の温床”のようにバカにし、“医療崩壊”の象徴として嘲笑していたのだ。

 現在の感染状況を見れば、日本は検査をしていなかっただけで、水面下では韓国以上に感染が拡大していた可能性が高いが、参考にするどころか、ただただ韓国を見下して楽しむ、ワイドショー定番の嫌韓ネタとして消費されただけだった。
 ところが、その後、世界の多くの国が韓国のドライブスルー検査の有効性を認め、導入するようになると、メディアはドライブスルー検査の話題そのものをなかったことにして無視。取り上げるメディアも、ドイツなどほかの導入国の成功事例として紹介するケースが圧倒的に多かった(最近になって、さすがに韓国が感染抑え込みに成功していることをふれざるをえなくなっているが)。
 しかも、この姿勢はメディアだけの問題ではなかった。客観的事実に基づいて科学的に感染対策を考えるべき厚労省までもが、こうした嫌韓感情に基づいて動いていた。
 象徴的なのが、厚労省によるデマツイートだろう。ドライブスルー検査をめぐって、厚労省アカウントは、3月15日にこんなツイートをしていた。
〈#新型コロナウイルス「ドライブスルー方式」のPCR検査を実施しない理由について】「ドライブスルー方式」のPCR検査が、いくつかの報道で紹介されています。〉
〈新型コロナウイルス感染症にかかっているのではないかと心配される方が、PCR検査を受けるためには、医師の診察が重要です。「ドライブスルー方式」では、医師の診察を伴わないことが多いため、我が国では、実施しておりません。〉
 当時本サイトでも批判したが(https://lite-ra.com/2020/03/post-5313.html)、この厚労省のツイートは、デマだ。
〈「ドライブスルー方式」では、医師の診察を伴わない〉というが、韓国では、まず感染の疑いがある人は無料で検査でき、それ以外の人は16万ウォン(約1万4000円)かかるという振り分けがある。また仁川(インチョン)の「ドライブスルー選別診療センター」について報じた「WoW!Korea」(2月17日付)でも、〈選別診療センターでは、入口(受付)→問診票作成→体温測定→医者による診療→検体採取→出口(検査結果の通知案内文)などの検査過程が車両内に搭乗した状態で実施される〉と紹介しており、医師による診断をしたうえで検査をしている。韓国以外の国でも多くが医師による判断のうえで検査をおこなっている

ドライブスルー検査導入後も厚労省は「韓国は感染防御対策が不十分」と嘘
 また、厚労省は御用メディアや専門家を使って、あたかもドライブスルー検査が感染拡大を引き起こすかのような情報も振りまいていたが、これも完全なデマだ。そもそもドライブスルー検査は、スピーディに大量の検査をするためだけに導入されたものではない。一義的には、患者同士の接触を避け医療従事者との接触を最小限とすることで、感染を防止できるというのが最大のメリットだ。ようするに、厚労省はドライブスルーの意義さえ理解していなかったのである。
 しかも、厚労省のこのスタンスは、ドライブスルー検査導入に踏み切ったいまも、まったく変わっていない。
 4月17日放送の『スーパーJチャンネル』(テレビ朝日)では、ドライブスルー導入が遅れた理由について、厚労省関係者のこんなコメントを報じていた。
「(最初に始めた)韓国のドライブスルー方式は感染防御対策が不十分に見えた」
「しかし、その後にアメリカが感染防御策をグレードアップしたのを参考に(日本でも)十分対応可能になったと判断した」
 PCR検査不足により多数の院内感染を引き起こしている元凶の厚労省が「感染防御対策が不十分」などと上から目線によく言えたものだというのもあるが、それ以上にひどいのは、韓国のドライブスルー検査は参考にできないが、アメリカのドライブスルー検査なら参考にする、という論理だ。アメリカにしても、ドイツにしても、韓国のコロナ対策を「手本」と公言しているのに、一体何を寝ぼけたことを言っているのか。「アメリカがグレードアップした」というが、アメリカと韓国の感染状況を客観的に比較すればどちらがより封じ込めに成功しているかは明らかではないか。
 ようするに、厚労省は客観的事実や科学的裏付けとはまったく関係なく、“韓国の成功事例”だからドライブスルー検査を拒否し続けてきたのだ。
 この背後にはおそらく、安倍政権全体を覆う嫌韓意識がある。安倍首相はじめ、政権幹部の韓国ヘイト体質はいまさら説明するまでもないが、それは官僚にも広がっている。たとえば、昨年3月には厚労省の賃金課長が韓国の空港で「I hate Korean! I hate Korean!」(韓国人が嫌いだ! 韓国人が嫌いだ!)と差別暴言を吐き、空港職員に暴行をはたらき、身柄拘束されるという事件を起こしている。
 つまり、政治家や官僚がこうした差別意識に支配された結果、コロナ対策に関する正しい客観的評価を妨げてきたのではないか。「韓国のやっていることが日本より優れているはずがない」「韓国が正しいことをしているはずがない」「韓国のことは死んでも認めたくない」……。
 実際には韓国で感染者数がピークアウト、医療崩壊など起きていなかったことが明らかになり、世界各国が韓国の対策を成功例として手本にするようになっても、厚労省は、自らの失態を糊塗し、韓国に対する高評価という現実を認めようとしなかった。
 その結果、コロナ対策にこれだけの差が出てしまったのだ。韓国で国内初の感染者が確認されたのは1月20日で、TBSの報道によると、発熱外来(選別診療所)が設置されたのはそのわずか2日後の1月23日、ドライブスルー検査を始めたのは2月26日のこと。対して日本では、国内初の感染者が確認されたのは1月15日とほぼ同時期だが、発熱外来は一部地域で取り入れられているものの厚労省が「地域外来・検査センター」の導入を都道府県に連絡したのは4月15日、ドライブスルー検査を厚労省が推進し始めたのも4月15日。実に、2カ月遅れ、3カ月遅れという有様だ。

感染外来の保護、感染者サポートも雲泥の差、韓国は都市封鎖せずに感染者1ケタに
 1月下旬に国内初の感染者が確認されて以来、徹底的な検査で韓国がコロナ封じ込めに成功しつつあるのに対し、日本は3カ月ものあいだ、いったい何をしていたのか。これはドライブスルー検査に限ったことではない。
 発熱外来にしても、雲泥の差だ。韓国は問診票の記入、医師の診察、検体採取をそれぞれ別のコンテナでおこない、医師の診察では透明な仕切りがあるだけでなく、コンテナに入る際に自動消毒器まで設置、さらに検体採取するコンテナは陰圧室になっているという完全防備体制を築いた。
 しかし、日本はどうか。コロナを疑われる発熱患者とそれ以外の患者の保護は、病院の自主的な努力頼み。それどころか、PCR検査を抑制した結果、陽性者がそうとは気づかず病院に来院し、院内感染を拡大させている。
 さらに特筆すべきは、韓国では欧米のような都市封鎖や外出禁止などの措置は取っていないことだろう。徹底的に検査をし陽性者を隔離することで、封じ込めてきたのだ。また情報公開の徹底で危機意識を共有し検査へと促した(政府の情報の扱いに関して透明性・信頼性が担保されていない国では難しいと思うが)。
 感染者に対するサポートもきめ細かい。軽症者用施設の整備はもとより、自宅待機者に対してもITを駆使しての健康管理に加え、食料や生活必需品、マスク、消毒などを届けるなど手厚くサポートしている。
 とにかく何から何まで雲泥の差なのだ。これで政府からもメディアからも韓国に学ぼうという動きがまったく見えてこないのが不思議でならない。
 4月はじめには、新型コロナ検査をめぐり、世界121カ国から韓国に支援を求める要請があり、韓国政府は検査キットの輸出や人道支援の方策を精査しているという。検査体制も病床もキャパオーバーを起こし医療崩壊の危機にある日本は、それこそ物資や人員の支援を求めるべきだと思うが、そんな動きはまったく聞こえてこない。
 嫌韓感情が韓国のコロナ対策に対する正当な評価を妨げ、国民の命と安全を危機に晒しているのだ。
 今回の安倍政権の後手後手対応にはこれまで以上に大きな批判の声が起きている。しかしこれらの後手対応は不幸な偶然によって生まれたものではない。補償や生活支援をケチる自己責任至上主義・弱者切り捨ても、そして、検査・医療体制構築を遅らせた嫌韓意識も、安倍政権が発足以来ずっともっていた体質だ。
 いま日本国民が追い込まれているのは、コロナのせいだけじゃない。安倍政権を長年放置してきたことが、この危機をさらに過酷なものにしているのだ。 (編集部)