日本のPCR検査数は諸外国に比べて格段に少ないのですが、そのことを指摘されると専門家会議メンバーや政府は「現実に死者の数が少ない。それは感染者が実際に少ないことを反映している(要旨)」と説明し、それに対して「死者の数が少ないのはコロナ感染死が見逃されているからではないのか」と反論されると、「肺炎で亡くなった方については最後はCTを必ず撮る。CTにおいて間質性肺炎の症状が出た方は、必ず大体PCR検査をやっている(要旨)」(安倍首相)とか「肺炎で亡くなった人はあとでCT検査をしてコロナかどうかいちいち判断している」(田崎史郎氏)などとコロナ感染死の見逃しはないと強弁してきました。
しかしそれは当初から信憑性を疑われ、葬儀者たちからも具体的に反論が出されました。
LITERAによると、不審死した人などの死因を調べる法医学者や病理学者が多数参加している「日本法医病理学会」が、解剖もしくは検死の際に新型コロナ感染が疑われた場合どう対応したかを調査した結果、PCR検査を23件申し入れた内12件が保健所(など)から拒否されたことが分かりました。
検死をする医師はそれなりの権限を持っているし検査の必要性も大きい筈なのに,、半数以上が断られているといのが実態であったわけです。
日本では月間平均で11万人以上の人が病死しています。しかし検死医の要求が簡単には受け入れられない以上、普通の「肺炎による病死と見られる人たち」が容易に検査を受けられる筈がありません。LITERAは、全体ではその何百倍の死亡者検査拒否、検査諦めがあると考えるのが普通だろうとしています。
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隠されたコロナ死者はやはりいた! 日本法医病理学会の解剖医アンケートで「死亡者のPCR検査を拒否された」の回答が多数
LITERA 2020.04.27
日本の新型コロナ死亡者をめぐる疑惑が、とうとう決定的になった。解剖医が新型コロナ感染が疑わしいと判断した死亡者でも、保健所などから検査を拒否されてしまうケースが多数あることを「日本法医病理学会」が発表したのだ。
そもそも、新型コロナ死亡者が政府や自治体の発表よりも数多くいるのではないか、という疑惑は少し前からかなり濃厚になっていた。安倍首相は「肺炎での死亡者はすべて検査しているから、日本の新型コロナ死亡者数は正確」などと強弁していたが、一方で、葬儀業者が新型コロナを疑われながら検査されないまま遺族に返される「グレーゾーン遺体」の存在を告発していたからだ。『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)や、さらにはNHK『おはよう日本』では葬儀業者が実名・顔出しで証言した。
ところが、ネット上ではそれでも、ネトウヨや安倍応援団、冷笑系が検査していない遺体の存在を否定、『モーニングショー』やNHK、そして本サイトの記事に対して「デマ」「陰謀論」と攻撃するツイートが多数見受けられた。
しかし、今回の「日本法医病理学会」の発表は決定的と言えるだろう。
「日本法医病理学会」は死亡者の死因を調べる法医学や病理学の大学研究者が多数参加している団体だが、4月中旬、全国の解剖医を対象に「法医解剖、検案からの検体に対する新型コロナウイルス検査」というアンケートを実施。解剖もしくは検案の際に、新型コロナ感染が疑われた場合、どう対応したかを調査した。
すると、保健所などに検査を申し入れたにかかわらず拒否されたという件数が、なんと12件にものぼっていたのだ。
ちなみにアンケートに回答したのは26機関。死亡者のPCR検査を実施したのは保健所9件、その他の検査機関2件の11件。一方、拒否は前述したように、保健所の12件だから、検査した数よりも保健所から検査拒否にあっていた数のほうが多かったのだ。
また、アンケートでは具体的な拒否の状況についての説明もあったが、その中身も信じがたいものだった。「日本法医病理学会」の公式HPから抜粋して以下に紹介しておこう。
【2月中旬 男性 60代】
各種臓器の検査を国立感染症研究所に相談したところ、咽頭ぬぐい液で陽性が出てから応需するとのことで断られた。その後咽頭ぬぐい液の相談を保健所にしたところ断わられた。
【3月中旬 男性 60代】
検案医がウイルス性肺炎疑いと判断し、帰国者・接触者相談センター経由で保健所に連絡するも検査は断られたが、後日、捜査機関が保健所から事情を聞いたところ、今後は、できるだけ対応するとの回答が得られた
【4月上旬 70代 男性】
独居者.自宅で死亡発見.関係者の証言から,数日前から微熱があったことから,保健所に相談したところ,濃厚接触が明確でないことから検査対象ではないとのことであった.(原文ママ)
【4月上旬 80代 男性】
検体採取前の相談で断られた
【4月上旬 70代 男性】
検体採取前の相談すらできなかった
【4月上旬 30代 男性】
某病院入院患者。病院内で数名の陽性者が出ていた。死因はコロナは否定的なので、診断のためではなく、検視や解剖で病院関係者や遺体と接触した者への感染拡大を懸念しての検査だが断られた。
解剖医から寄せられた〈「死体は検査してもらえない」という認識が広まっている〉の声
この「日本法医病理学会」の解剖医アンケートでは、具体的な事例以外でも、保健所が検査に積極的でないことを証言しているコメントがいくつもあった。
〈保健所から疑いが強いもののみにしてほしい、検体は1個のみと言われている。民間検査会社から死体は受けないと言われている。某大学病院で検査受け入れ可能か問い合わせ中。〉
〈CTで肺炎像を確認したので依頼した。保健所より「厚労省が一定以上の条件が整わないと検査をしてくれない」との話があった。〉
〈一般的には「死体は検査してもらえない」という認識が広まっている。〉
ここからは、解剖医の間に「死体は検査してもらえない」という認識が広まり、諦めムードさえ漂っていることがうかがえる。解剖医が最初から保健所に検査を依頼しなくなっているケースも出てきているのではないか。
しかも、問題はこの数字や実態が、「解剖医」のアンケートであることだ。解剖医は変死や異状死の死因を解明する専門家であるため、死因を厳密に特定する必要がある。にもかかわらず、保健所から検査を拒否され、「死体は検査してもらえない」という認識が広まっているのだ。
多くのパターンは解剖医まで行かない段階で臨床医が死因を判断するのだが、その場合は当然、解剖医などより死因の特定のハードルが低い。だとしたら、全体では何百倍の死亡者検査拒否、検査諦めがあると考えるのが、普通だろう。
いずれにしても、これで完全にはっきりしたのが、安倍首相の説明が嘘だったことだ。冒頭で少し触れたが、安倍首相は3月28日の会見で、ジャーナリストの神保哲生氏からの“日本は検査数が少なく実際には感染が広がっているのでは”という質問に対し、訊かれてもいないのに自ら「死者の数」に言及。「PCR検査の数が少ないけれども死者の数が多いということではありません」とし、こう言い張った。
「肺炎で亡くなった方については、基本的に肺炎になって、最後はCTを必ず撮ります。それで、CTにおいて、これは間質性肺炎の症状が出た方は必ずコロナを疑います。必ず。そういう方については、これは必ず大体、PCRをやっておられます」
そして、田崎史郎氏もこの安倍発言を補強すべく、4月6日放送の『モーニングショー』で、「肺炎で亡くなった人のことをあとでCT検査をして、コロナかどうかいちいち判断している」「全部やっているんですよ」などと強弁していた。
しかし、これらは全部、自分たちの失策を隠すための嘘っぱちだったのだ。しかも、それはただの失策隠蔽に終わらず、さらなる被害を拡大させている。他国がピークアウトを迎えつつあるなか、日本は感染拡大を止められないどころか、院内感染が深刻化し、医療崩壊状態が起きているが、この事態を引き起こした最大の要因は死亡者の検査を含めPCR検査数を抑えてきたことにある。検査体制を整備・支援することをせず、感染実態を隠蔽してきた安倍首相の責任はもはや疑いようもない。(編集部)