26日夕刻の共同通信記事によれば、中国の新規感染者は2月中旬には連日2千人以上でしたが、3月以降は100人を下回る日が多く、韓国も3月中旬以降は終息傾向にあり、最近では1桁台の日も多く、感染者の累計は4月20日に日本を下回りました。台湾やベトナム、マレーシアも抑え込みに成功しています。
中国、韓国など新型コロナの新規感染者の減少が顕著な東アジア諸国では、域内で人の往来も再開しつつあり、経済活動復旧の動きが加速しています。いまも感染者の増加傾向が続き、緊急事態宣言延長の必要性も指摘される日本との差は明白で、周辺国からの出遅れが景気悪化の追い打ちになる恐れがあります。(以上共同通信「コロナ減少の中韓、経済復旧加速 日本は出遅れ、景気悪化追い打ち」より)
日本の立ち遅れは、すべて PCR検査を怠り 隠れたコロナ感染者を蔓延させ、院内感染を多発させた結果です。韓国は世界に先立ってドライブスルー式のPCR検査システムを開発しただけでなく、外置きのコンテナルーム式「発熱外来システム」も開発しました。それは問診票の記入、医師の診察、検体採取をそれぞれ別のコンテナで行う構成になっていて、国内に500カ所近くも設置されました。医師の診察はアクリル板の仕切りを介して行い、被験者がコンテナに入る際には自動で消毒されるゾーンがあり、検体を採取するコンテナは陰圧室になっているという完全なものです。
現場での仮設ではなくテントでもなく、工場で作りそれをトレーラーで全国に運んだものと思われます。優れた構想であり実行力です。
世界の多くの国はいち早く韓国のドライブスルー検査の有効性を認め、安倍首相が信奉して止まないアメリカやドイツは、韓国のコロナ対策が「手本」だと公言しています。現実に4月はじめには、新型コロナ検査をめぐり世界121カ国から韓国に支援を求める要請があり、韓国政府は大々的に検査キットを輸出し、人道支援の方策を精査しているということで、検査体制も病床も不足していま医療崩壊の危機にある日本とは雲泥の差です。
日本のすぐ隣にコロナ対策の優等生国家があるというのに、どうして日本はそれを学ばないのでしょうか。
その理由は明らかで、韓国を決して認めたくない、韓国の後塵を拝したくないという安倍政権のケチな根性のためです。これを機に、そうした幼稚さは改めなくてはなりません。
LITERAが韓国の鮮やかさを明らかにしました。
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ドライブスルー検査も「韓国の医療崩壊の象徴」とバカにして3カ月遅れに…
安倍政権とメディアの“嫌韓”がコロナ対策を遅らせた
LITERA 2020.04.26
あまりに遅すぎだろう。厚労省が、4月15日になって、ようやくドライブスルー検査を「可能」と認め、導入を推進するよう自治体に通知を出したのだ。
いったい、なぜこんなに遅くなってしまったのか。ひとつには、長らく指摘され続けている、PCR検査の抑制という馬鹿げた方針によるものだろうが、もうひとつ大きいのは「嫌韓」という差別意識だ。
周知のように、新型コロナウイルスをめぐるドライブスルー検査は韓国がいち早く始めたもの。韓国は、積極的な検査によって感染者を見つけ出し隔離するという戦略が功を奏し、感染拡大の封じ込めに成功している。最近では新規感染者は1ケタの日もあり、世界各国が、韓国の対策を成功例として手本にしている。
そのなかでドライブスルー検査は、スピーディに検査できるうえ、医療従事者への感染や院内感染の危険も避けられることから、高い評価を得ていた。韓国の封じ込め成功にならって、ドイツ、アメリカなど世界各国で導入されている。
ところが日本では、つい最近まで、このドライブスルー検査をあたかも医療崩壊の象徴のように、バカにしまくっていた。
韓国で感染者数が増加していた時期、ワイドショーでは、日ごとに増える韓国の感染者数をセンセーショナルに報じ「医療崩壊が起きている!」と、上から目線で見下すように報じていた。なかでも、ドライブスルー検査については、ほとんどの番組が、実際には医療崩壊は起きていないにもかかわらず、まるで韓国の“杜撰医療”“感染拡大の温床”のようにバカにし、“医療崩壊”の象徴として嘲笑していたのだ。
現在の感染状況を見れば、日本は検査をしていなかっただけで、水面下では韓国以上に感染が拡大していた可能性が高いが、参考にするどころか、ただただ韓国を見下して楽しむ、ワイドショー定番の嫌韓ネタとして消費されただけだった。
ところが、その後、世界の多くの国が韓国のドライブスルー検査の有効性を認め、導入するようになると、メディアはドライブスルー検査の話題そのものをなかったことにして無視。取り上げるメディアも、ドイツなどほかの導入国の成功事例として紹介するケースが圧倒的に多かった(最近になって、さすがに韓国が感染抑え込みに成功していることをふれざるをえなくなっているが)。
しかも、この姿勢はメディアだけの問題ではなかった。客観的事実に基づいて科学的に感染対策を考えるべき厚労省までもが、こうした嫌韓感情に基づいて動いていた。
象徴的なのが、厚労省によるデマツイートだろう。ドライブスルー検査をめぐって、厚労省アカウントは、3月15日にこんなツイートをしていた。
〈#新型コロナウイルス【「ドライブスルー方式」のPCR検査を実施しない理由について】「ドライブスルー方式」のPCR検査が、いくつかの報道で紹介されています。〉
〈新型コロナウイルス感染症にかかっているのではないかと心配される方が、PCR検査を受けるためには、医師の診察が重要です。「ドライブスルー方式」では、医師の診察を伴わないことが多いため、我が国では、実施しておりません。〉
〈「ドライブスルー方式」では、医師の診察を伴わない〉というが、韓国では、まず感染の疑いがある人は無料で検査でき、それ以外の人は16万ウォン(約1万4000円)かかるという振り分けがある。また仁川(インチョン)の「ドライブスルー選別診療センター」について報じた「WoW!Korea」(2月17日付)でも、〈選別診療センターでは、入口(受付)→問診票作成→体温測定→医者による診療→検体採取→出口(検査結果の通知案内文)などの検査過程が車両内に搭乗した状態で実施される〉と紹介しており、医師による診断をしたうえで検査をしている。韓国以外の国でも多くが医師による判断のうえで検査をおこなっている。
ドライブスルー検査導入後も厚労省は「韓国は感染防御対策が不十分」と嘘
また、厚労省は御用メディアや専門家を使って、あたかもドライブスルー検査が感染拡大を引き起こすかのような情報も振りまいていたが、これも完全なデマだ。そもそもドライブスルー検査は、スピーディに大量の検査をするためだけに導入されたものではない。一義的には、患者同士の接触を避け医療従事者との接触を最小限とすることで、感染を防止できるというのが最大のメリットだ。ようするに、厚労省はドライブスルーの意義さえ理解していなかったのである。
しかも、厚労省のこのスタンスは、ドライブスルー検査導入に踏み切ったいまも、まったく変わっていない。
4月17日放送の『スーパーJチャンネル』(テレビ朝日)では、ドライブスルー導入が遅れた理由について、厚労省関係者のこんなコメントを報じていた。
「(最初に始めた)韓国のドライブスルー方式は感染防御対策が不十分に見えた」
「しかし、その後にアメリカが感染防御策をグレードアップしたのを参考に(日本でも)十分対応可能になったと判断した」
PCR検査不足により多数の院内感染を引き起こしている元凶の厚労省が「感染防御対策が不十分」などと上から目線によく言えたものだというのもあるが、それ以上にひどいのは、韓国のドライブスルー検査は参考にできないが、アメリカのドライブスルー検査なら参考にする、という論理だ。アメリカにしても、ドイツにしても、韓国のコロナ対策を「手本」と公言しているのに、一体何を寝ぼけたことを言っているのか。「アメリカがグレードアップした」というが、アメリカと韓国の感染状況を客観的に比較すればどちらがより封じ込めに成功しているかは明らかではないか。
ようするに、厚労省は客観的事実や科学的裏付けとはまったく関係なく、“韓国の成功事例”だからドライブスルー検査を拒否し続けてきたのだ。
この背後にはおそらく、安倍政権全体を覆う嫌韓意識がある。安倍首相はじめ、政権幹部の韓国ヘイト体質はいまさら説明するまでもないが、それは官僚にも広がっている。たとえば、昨年3月には厚労省の賃金課長が韓国の空港で「I hate Korean! I hate Korean!」(韓国人が嫌いだ! 韓国人が嫌いだ!)と差別暴言を吐き、空港職員に暴行をはたらき、身柄拘束されるという事件を起こしている。
つまり、政治家や官僚がこうした差別意識に支配された結果、コロナ対策に関する正しい客観的評価を妨げてきたのではないか。「韓国のやっていることが日本より優れているはずがない」「韓国が正しいことをしているはずがない」「韓国のことは死んでも認めたくない」……。
実際には韓国で感染者数がピークアウト、医療崩壊など起きていなかったことが明らかになり、世界各国が韓国の対策を成功例として手本にするようになっても、厚労省は、自らの失態を糊塗し、韓国に対する高評価という現実を認めようとしなかった。
その結果、コロナ対策にこれだけの差が出てしまったのだ。韓国で国内初の感染者が確認されたのは1月20日で、TBSの報道によると、発熱外来(選別診療所)が設置されたのはそのわずか2日後の1月23日、ドライブスルー検査を始めたのは2月26日のこと。対して日本では、国内初の感染者が確認されたのは1月15日とほぼ同時期だが、発熱外来は一部地域で取り入れられているものの厚労省が「地域外来・検査センター」の導入を都道府県に連絡したのは4月15日、ドライブスルー検査を厚労省が推進し始めたのも4月15日。実に、2カ月遅れ、3カ月遅れという有様だ。
感染外来の保護、感染者サポートも雲泥の差、韓国は都市封鎖せずに感染者1ケタに
1月下旬に国内初の感染者が確認されて以来、徹底的な検査で韓国がコロナ封じ込めに成功しつつあるのに対し、日本は3カ月ものあいだ、いったい何をしていたのか。これはドライブスルー検査に限ったことではない。
発熱外来にしても、雲泥の差だ。韓国は問診票の記入、医師の診察、検体採取をそれぞれ別のコンテナでおこない、医師の診察では透明な仕切りがあるだけでなく、コンテナに入る際に自動消毒器まで設置、さらに検体採取するコンテナは陰圧室になっているという完全防備体制を築いた。
しかし、日本はどうか。コロナを疑われる発熱患者とそれ以外の患者の保護は、病院の自主的な努力頼み。それどころか、PCR検査を抑制した結果、陽性者がそうとは気づかず病院に来院し、院内感染を拡大させている。
さらに特筆すべきは、韓国では欧米のような都市封鎖や外出禁止などの措置は取っていないことだろう。徹底的に検査をし陽性者を隔離することで、封じ込めてきたのだ。また情報公開の徹底で危機意識を共有し検査へと促した(政府の情報の扱いに関して透明性・信頼性が担保されていない国では難しいと思うが)。
感染者に対するサポートもきめ細かい。軽症者用施設の整備はもとより、自宅待機者に対してもITを駆使しての健康管理に加え、食料や生活必需品、マスク、消毒などを届けるなど手厚くサポートしている。
とにかく何から何まで雲泥の差なのだ。これで政府からもメディアからも韓国に学ぼうという動きがまったく見えてこないのが不思議でならない。
4月はじめには、新型コロナ検査をめぐり、世界121カ国から韓国に支援を求める要請があり、韓国政府は検査キットの輸出や人道支援の方策を精査しているという。検査体制も病床もキャパオーバーを起こし医療崩壊の危機にある日本は、それこそ物資や人員の支援を求めるべきだと思うが、そんな動きはまったく聞こえてこない。
嫌韓感情が韓国のコロナ対策に対する正当な評価を妨げ、国民の命と安全を危機に晒しているのだ。
今回の安倍政権の後手後手対応にはこれまで以上に大きな批判の声が起きている。しかしこれらの後手対応は不幸な偶然によって生まれたものではない。補償や生活支援をケチる自己責任至上主義・弱者切り捨ても、そして、検査・医療体制構築を遅らせた嫌韓意識も、安倍政権が発足以来ずっともっていた体質だ。
いま日本国民が追い込まれているのは、コロナのせいだけじゃない。安倍政権を長年放置してきたことが、この危機をさらに過酷なものにしているのだ。 (編集部)