2023年9月4日月曜日

大企業内部留保過去最高511兆円/「30年代半ばまでに最賃1500円」と首相

 財務省が1日に発表した法人企業統計によると、22年度の大企業の内部留保は511兆円と過去最高を更新しました。大企業の諸指標について、第2次安倍政権が発足した12年度と比較すると、賃金は9・1%増にとどまる一方、役員報酬は31・5%増、内部留保は53・3%増でした。配当金は2倍以上に増えています。大企業には賃上げの余力が十分にあります。
 ところで岸田首相31新しい資本主義実現会議で最低賃金を30年代半ばまでに全国加重平均1500円とする目標を示しました。これは余りにも悠長で、現在の最賃引き上げペースを減速する目標です。
 不要で有害な軍備拡張のためにはこの5年間で43兆円を注ぐと目の色を変える一方で、インフレに直撃されて食事にも事欠く庶民に対しては、何故そんな悠長なことが言えるのでしょうか。しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。
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大企業内部留保 過去最高511兆円 賃上げの余力十分 法人企業統計
                        しんぶん赤旗 2023年9月2日



 財務省が1日に発表した法人企業統計によると、2022年度の大企業(資本金10億円以上、金融・保険業含む)の内部留保は511・4兆円と年度調査としては過去最高を更新しました。前年度の484・3兆円から27・1兆円(5・6%)の増加でした。一方、大企業における労働者1人あたりの賃金は611・3万円で前年度に比べ3・5%の増加でした。ただ、消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)は3・8%上昇しているため、実質賃金は減少しました。

 大企業の諸指標について、第2次安倍晋三政権が発足した12年度と比較した増減をみると、賃金は9・1%増にとどまりました。一方、役員報酬は31・5%増、内部留保は53・3%増でした
 配当金は12年度の13・5兆円から22年度は29・7兆円へと2倍以上に増えています。また、現金・預金も12年度の46・3兆円から22年度は81・5兆円へと76%もの増加です。物価高騰で国民生活が苦しくなるもと、大企業には賃上げの余力が十分にあることになります。


首相「30年代半ばまでに最賃1500円」 遅すぎる目標 格差も放置
                        しんぶん赤旗 2023年9月2日
 岸田文雄首相が、8月31日の新しい資本主義実現会議で、最低賃金を2030年代半ばまでに全国加重平均1500円とする目標を示しました。現在の最賃引き上げペースを減速する遅すぎる目標です。地域間格差を放置し、必要とされる中小企業支援策もありません。
国際水準に遠く
 1500円の目標達成が2035年だとすれば、12年も先送りです。引き上げ率は年3・4%となり、来年の引き上げ額は34円程度。今年の最賃改定43円増(4・5%)を大きく下回ります。
 現状の最賃引き上げでも、物価高騰に追い付いていません。全労連の最低生計費調査で、最低限必要とされる1500円の実現まで12年もかけるのは遅すぎます。
 先進諸国の最賃は、物価高騰に対応する引き上げや円安の影響で、1500円を超え、2000円に迫りつつあります。岸田首相の目標では、いつまでも国際水準に追い付きません。
 岸田首相には地域間格差を是正する政策がないことも重大です。「全国加重平均」では、1500円になっても、実際に到達するのは7~8都府県にとどまります。
 最賃の地域間格差は人口流出の要因となっており、自治体や知事からも不満の声が相次いでいます。佐賀県は、人材を地元に残すための改定議論を地方最賃審議会に求め、目安に8円上積みし、最賃額最下位脱出を図りました。
 茨城県知事は、2円上積みした最賃改定でも不満だと表明し、「近隣他県との格差是正に配慮されたものとは考えられません」と談話を発表しています。
中小の要求に背
 中央最賃審議会は今年、赤字法人でも賃上げできる施策を政府に求めました。これは、現行の業務改善助成金が、パソコン導入など設備投資を賃上げとセットで行うことを助成の要件としており、多くの赤字中小企業で利用できないからです。
 ところが、岸田首相が打ち出した中小企業支援は、投資促進策です。従来と代わり映えしません。
 中小企業が求めているのは、社会保険の事業主負担の軽減措置です。社会保険は、赤字で法人税を支払わない中小企業でも負担するからです。地方最賃審議会からも、社会保険負担軽減の政府要望が増えています。
 岸田首相は、最賃近傍の労働者や地方、中小企業の声を聞き流すだけです。
 全労連は、全国一律制度への法改正と、5年以内に1500円以上を実現する積極策を求めています。
 地域間格差の是正とセットにした緊急の大幅引き上げ、そのための実効ある中小企業支援が必要です。   (田代正則)

岸田「毎日でも俺が前に出てしゃべる」喋っても中身無いし(笑)

 首相は30日、「国民生活、全国の中小企業や零細企業の事業を守ることが、政治にとって最も大きな責任だ」と語り、福島原発のアルプス処理水の海洋放出に関しては「毎日でも自分が前に出てしゃべる」と意欲を示したということです。

「国民生活、全国の中小企業や零細企業の事業を守る」ことが「政治の最も大きな責任」なのはその通りですが、この1年あまり全く出来ていないのを「舌先三寸」でなんとかできるとでも考えているのであれば呆れるしかありません。
 ましてや近隣国の了解なしに独断で実施した海洋放出に拠って出来した中国(及び香港)による「輸入禁止」の事態を、今後弁舌で解決できると考えているのであれば「現状認識」が大いにズレているというしかありません。精々努力してもらって正しい認識に行き着いて欲しいものです。
 まるこ姫による掲題の記事を紹介します。文中の太字及び着色強調部分は原文に拠っています。
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岸田「毎日でも俺が前に出てしゃべる」喋っても中身無いし(笑)
                        まるこ姫の独り言 2023.09.02
自分が出てきてアピールすれば支持率が回復すると思っているとしたら、やっぱり何も分かっていない。

 首相「毎日でも俺が前に出てしゃべる」…物価高や処理水、指導力発揮に注力 
                    8/31(木) 6:58配信 読売新聞オンライン
>政府が直面する政策課題を巡り、岸田首相が指導力の発揮に注力する場面が目立っている。9月に予定される内閣改造・自民党役員人事を前に、課題解決の道筋を着実に示すことで、低迷する内閣支持率を回復軌道に乗せる狙いがある。
>「国民生活、全国の中小企業や零細企業の事業を守ることが、政治にとって最も大きな責任だ」

まず、さすが読売。
いつ岸田が指導力を発揮する場面が目立ってきたのか。

国民の方からしたら、いつまでたっても優柔不断な指導力の欠如した人間としか思えないが。

農水大臣が、一応は政府は処理水と言っている汚染水を「汚染水」と発言した件、岸田は慌てて撤回・謝罪しろといったが、農水大臣は日頃思っていることが口からポロリと出たのではないか?

発言した覚えがないと言っていることからも、それは水が流れる如くに口から出たのだろう。

指導力発揮と言うなら、内閣の一員が「汚染水」と発言は、中国側からしたら垂涎の的で、なぜ岸田は大臣を更迭する気がないと言ったのかが分からない。

指導力があれば、中国に相当な得点を与えた農水大臣を即刻更迭しなくていつするのか。

読売は相変わらず政府御用達だ。

この国を駄目にしてきた自民党政治と、そして財界の金の亡者連中、そして権力を批判してこなかったメディアに大きな責任があるのではないか。
安倍が亡くなった事で、そろそろメディアの忖度も終わるかと思ってきたが、染みついてしまったクズ根性はなかなか抜けないらしい。

岸田は、「国民生活、全国の中小企業や零細企業の事業を守ることが、政治にとって最も大きな責任だ」と言っているが、やっていることは正反対だ。

国民生活も中小零細も、円安でどれだけ苦しめられている事か。
岸田が全面に出てきて喋っても、実行力が伴わなければただの大言壮語の人だ。

>首相はこれを教訓とし、東京電力福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出では、「毎日でも俺が前に出てしゃべる」と周囲に語り、自ら調整に乗り出した。

そういえば、「車座集会」はどうなった?

汚染水を放出するまでに、現地の人や漁業関係者に対して真摯に向き合って話し合わなかったからこそ、反発を受けているのだろうに。
車座集会は、少しでも不満を解消する格好の場だったのに福島に行かなかった岸田。

放出した後で「毎日でも俺が前に出てしゃべる」は遅過ぎなんだよ。
政治センスが無さすぎだろうに・・・・

そんな実行力の無い人間が、「毎日でも俺が前に出てしゃべる」
お前は吉本か?
ピントがズレすぎている。はああ・・・・

政府に朝鮮人虐殺の真相究明と公式謝罪を求める声明 自由法曹団

 自由法曹団(岩田研二郎団長)は31日、日本政府に対して関東大震災時の朝鮮人虐殺の真相究明と公式な謝罪を求める声明を発表しました。しんぶん赤旗が報じました。

 併せて声明の全文を紹介します。
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事実を認めて公式な謝罪を 自由法曹団声明
                        しんぶん赤旗 2023年9月2日
 自由法曹団(岩田研二郎団長)は8月31日、日本政府に関東大震災時の朝鮮人虐殺の真相究明を求める声明を発表しました
 政府は朝鮮人虐殺の公的調査や遺族への謝罪・補償をしていません。声明では、近年人種差別主義や歴史修正主義が活発化し、ヘイトスピーチやヘイトクライム事件が増加していると指摘。この危険な状況を変えるには「政府が虐殺の事実を認めて公式に謝罪することが不可欠」だとして、公的調査を求めるとともに、ヘイトスピーチ・ヘイトクライム根絶に向け取り組む決意を表明しています。


日本政府に対して関東大震災時の朝鮮人虐殺の真相究明を求めるとともに、歴史の修正を許さず、ヘイトスピーチ・ヘイトクライムの根絶に向けて取り組むことを決意する声明

1 今年で関東大震災から100年を迎える。震災発生直後、朝鮮人が井戸に毒を入れた等のデマ、「不逞鮮人」等のヘイトスピーチに煽動された民衆が「自警団」を結成し、官憲もこれに加担して、数多くの罪のない朝鮮人を虐殺した。この事件は人種差別に基づく大虐殺事件であり、最悪のヘイトクライム事案であったと評価することができる。

2 大量虐殺に対する日本政府の責任は重大である。官憲がデマの拡散に加担したのみならず、旧四ツ木橋付近における虐殺においては軍隊が捕らえた朝鮮人を機関銃の一斉掃射で射殺する等した。さらに当時の政府の指示により犠牲者の遺体は掘り返され、別の場所に隠匿されたという。政府は現在に至るまでこの事件の真相を隠蔽し続け、公的な調査は行われておらず、虐殺の犠牲者数も確定できず、遺族への謝罪や補償もなされていないのである。

3 戦後の一時期、この事案に関して民間を中心に反省の取組みがなされた時期があった。ところが、近年の日本では朝鮮人を差別する人種差別主義と歴史を歪曲しようとする歴史修正主義が活発化し、毎年9月1日に墨田区・横網町公園で催される追悼式典には右翼団体の妨害がなされ、小池百合子東京都知事は、就任2年目の2017年から追悼文送付を拒否するようにすらなっているのである。

4 人種差別と歴史修正主義が活発化する社会では、ヘイトスピーチ、ヘイトクライム事件もまた増加する。近年に限っても、川﨑市の多文化交流施設「川崎市ふれあい館」への殺害や爆破の脅迫、韓国民団愛知県本部、名古屋韓国学校、京都府宇治市のウトロ地区(在日コリアン集住地区)の民家等への連続放火事件などが発生し、インターネット上には、在日コリアンや朝鮮学校に対するヘイトスピーチが溢れている。

5 かかる危険な状況を変えるには、まず、関東大震災時の朝鮮人虐殺について、戦後の反省に立ち返り、政府が虐殺の事実を認めて公式に謝罪することが不可欠である。その上で、事件の真相をについて公的な調査を行い、遺族への謝罪や補償を行うべきである。
 また政府は、ヘイトクライムの実態の正確な把握とこれを防止するための適切な取り組みを行い、ヘイトクライムの原因となるヘイトスピーチを社会から根絶する決意を表明すべきである。

6 自由法曹団は、震災直後の1923年9月20日、東京弁護士会館で総会を開き、「震災中における朝鮮人殺害の真相およびその責任に関する件」を決定している。その決意は今も変わらない。団は、100年の節目に立って、日本政府に対して関東大震災時の朝鮮人虐殺の真相究明を求めるとともに、今後も、歴史修正主義との闘い、ヘイトスピーチ・ヘイトクライム根絶に向けた取り組みを進めていくことを表明する。
                              2023年8月31日
                               自 由 法 曹 団
                                団長 岩田研二郎
                        (自由法曹団 ホームページより)

日本の国連安保理常任理事国入りはないと考える、これだけの理由

 日本政府・外務省は一貫して国連安保理の常任理事国入りを目指してきましたが、多くの国は、仮にそうなっても理事会で米国票が1票増えるだけのことと冷めた目で見ていて、常任理事国入りの試みは失敗に終わっています。もしも米国に気に入られていることが日本の「強み」だと考えているのであればそうした誤った「自画像」は修正すべきです

 元外務官僚の孫崎享氏が掲題の記事を出しました。
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日本外交と政治の正体 孫崎享
日本の国連安保理常任理事国入りはないと考える、これだけの理由
                          日刊ゲンダイ 2023/08/31
                        (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 日本外交の柱のひとつに国連安全保障理事会(安保理)常任理事国入りがある。しかし、その可能性は今や消滅したと言っていい。理由は2つある。
 1つは「主要国首脳会議」(G7)以外の国の台頭である。そして、もう1つは、日本が米国に追随し、「反中」「反ロ」ブロックへの参加を強め、安保理で拒否権を持つロシア、中国が日本の安保理常任理事国入りに反対する姿勢を強めていることである。
 中国、インド、ロシア、ブラジル、南アフリカで構成する新興5カ国(BRICS)は来年1月から、新加盟国としてアルゼンチン、エジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦の6カ国を受け入れると発表した。
 各国の政治形態などはバラバラではあるが、「各国の同権」を主張し、米国の支配には強い抵抗感を持っている。
 米中央情報局(CIA)「ワールド・ファクトブック」によると、各国の「真の経済力」による購買力比較では、G7の合計は409兆ドル、BRICSの合計は422兆ドル、新規加盟国の合計は5兆ドル。つまり、新たなBRICSの合計は48.1兆ドルになり、後者が主流になりつつあるのだ。さらに中国との連携を深めているASEAN(東南アジア諸国連合)の合計は33兆ドルである。
 日本はここ1~2年の間に急速に「反中」「反ロ」ブロックの姿勢を強めている。ウクライナ戦争では積極的にウクライナを支援し、対ロ制裁に参画した。
 中国に関しては、自民党の麻生副総裁が、台湾で講演した際、日米や台湾には「戦う覚悟」が求められていると主張した。そして岸田首相は訪米し、日米韓首脳会談で「反中ブロック」の強化に合意した。こういった経緯を鑑みれば、ロシア、中国が日本の安保理常任理事国入りに反対するのは当然である。
 ロシアのラブロフ外相は「日本もドイツも、米国の言うことを聞いて実行するだけだ」と指摘し、先進国と途上国の間の不公平解消につながらない、と指摘していた。
 日本は米国を中心とするG7との連携でうまくいくと思っているが、世界は大きな転換期にある。このまま対米隷属では乗り切れないのである。

孫崎享 外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。

04- 一人ひとりの人間を浮かび上がらせた映画『福田村事件』

 福田村事件は、1923年9月6日、関東大震災後の混乱および流言蜚語が生み出した社会不安の中で、香川県からの薬の行商団(配置薬販売業者)15名が朝鮮人と疑われて、千葉県福田村(現在の野田市)三ツ堀で地元の自警団によって幼児や妊婦を含む9人が殺された事件です。
「普通の人が集団の力で暴徒化する」というテーマを追及した森達也監督による映画『福田村事件』が公開されています。堀切さとみさんが紹介しました。
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一人一人の人間を浮かび上がらせた映画『福田村事件』
                 堀切さとみ レイバーネット日本 2023-09-02
堀切さとみ
 9月1日、公開初日に『福田村事件』を観に行った。
 ふだんはあまりお客さんのいない東京都内のシネマだが、結構混んでいた。今年は関東大震災から100年というだけでなく、「あらたな戦前」を感じる人達が多いということもあるのではないか。メディアもこぞって取り上げていたし、制作陣の意気込みも感じていたから、すっかりわかったような気分になっていたが、やはり自分の目で観るべき映画だと思った。

 この歴史的史実を埋もれさせてはならないという思いを持つ人々の、共同制作の力を感じた。脚本の力、役者の力も大きいが、エンドロールの最後の「監督 森達也」の文字を見たときは感動した。「普通の人が集団の力で暴徒化する」というのが森氏の一貫したテーマである。しかし、映画に出てくる人たちは必ずしも「普通」でも「善人」でもない。不道徳だったり商魂たくましかったり、ちょっとえげつない人たちも出てくる。そこに惹かれた。

 在郷軍人会による戦争賛美と、デモクラシーを作り出そうとする人たちが、ひとつの村に共存しているのも面白かった。どこまで史実に即しているのかはわからないが、人間とはかくも色々で、一人一人が違うということが存分に描かれていた。

 戦争と震災が共にある中で、映画の中の人々は意外なほど平静を保ちながら生きていた。その平静さを支えたものが、朝鮮人や異種なものへの虐殺だったのだ。
 提岩里(ていがんり)事件など、知らないことも多かった。9月1日以降の惨劇に至るまでには、多くの布石が敷かれていた。

「流言飛語はいけない」などといくら言ったところで、歴史はくりかえされるのを、私たちは日々目の当たりにしている。船頭役の東出昌大は「自分がこの現場にいたらどうするかわからない」と苦しそうにインタビューに答えていた。良心を逆手にとられた井浦新扮する教師など、思い出すだけで身につまされる。でも「こうありたい」と思える姿も描かれている。人は、失敗して崩れることがあっても、そのままで終わりたくないものなのだ。

 自分にできることを積み重ねていけば、それでいいのではないか。そう思えたことが、希望につながると信じている。

 映画公式サイト https://www.fukudamura1923.jp/

    画面を下にスクロールすると「動画ー予告編」が現れます。 

2023年9月3日日曜日

03- 関東大震災100年 朝鮮人犠牲者追悼式典 過ち繰り返さず歴史の直視を

 100年前の関東大震災時のデマにより虐殺された朝鮮人犠牲者らを追悼する式典が1日、東京都墨田区の横網町公園で行われました。炎天の下、会場いっぱいの人が集まり、政府による真相究明と謝罪を求めました。
 小池百合子都知事は1日の記者会見で、朝鮮人犠牲者を追悼する式典に追悼を今年も送付なかったことを問われのに対し、(同日の)慰霊大法要において先の関東大震災および大戦で犠牲となったすべての方々への哀悼の意を表している」と例年通りの説明をしました。しかし、災害で亡くなった人の死と、虐殺された人の死を一つにくくって「追悼」するなどあり得ないことで理解のしようもありません。しんぶん赤旗が伝えました。
 併せて朝鮮新報の記事「〈関東大震災朝鮮人虐殺100年〉追悼事業実行委らが会見」を紹介します。
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関東大震災100年 朝鮮人犠牲者追悼式典 過ち繰り返さず歴史の直視を
                        しんぶん赤旗 2023年9月2日
 100年前の関東大震災時のデマにより虐殺された朝鮮人犠牲者らを追悼する式典が1日、東京都墨田区の横網町公園で行われました。「悲劇を繰り返さないために、歴史の直視を」。炎天の下、会場いっぱいの人が集まり、政府による真相究明と謝罪を求めました。同式典実行委員会の主催です。



(写真)関東大震災100周年の朝鮮人犠牲者追悼式典で献花する人たち=1日、東京都墨田区


 1923年の震災後、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などの流言が広まり、軍隊や民衆などによって朝鮮人や中国人、日本人社会主義者らが虐殺されました。朝鮮人の犠牲者は6000人超と言われます
 式典で、実行委員長で日朝協会東京都連合会の宮川泰彦会長は「過ちを繰り返さないため、語り継ぐことが私たちの責務です」とあいさつしました。
関東大震災朝鮮人虐殺の国家責任を問う会」の田中正敬事務局長は、日本政府が事実を認めず、小池百合子都知事が同式典への追悼文を拒んでいることを批判。排外主義が広がりつつあることに危機感を示し、「過去を直視し、責任を問い続けたい」と訴えました。
 在日本朝鮮人総連合会東京都本部の康景翔(カン・ギョンイク)国際統一局長は、日本政府の姿勢は犠牲者を「二度、三度とあやめているに等しい」「清算されなかった罪はくり返される」。「真の未来志向で平和をきり開き、負の連鎖を断ち切ろう」とのべました。

 舞踊家の金順子(キム・スンジャ)さんが鎮魂の舞を披露しました。

 作家の中沢けいさんは「次の100年、民族と民族とがお互いに尊重される時代となるように」と願いを語り、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんは「加害の歴史に目を背ける権力者の姿勢は、奪われた命への冒とくであり、今を生きる命をも軽視している」と話しました。小説家の中島京子さんがメッセージを寄せました。
 日本共産党の里吉ゆみ、原純子、原田あきらの各都議も参加し、里吉都議があいさつしました。


朝鮮人虐殺の史実に触れず 関東大震災 小池都知事が会見
                        しんぶん赤旗 2023年9月2日
 小池百合子東京都知事は1日の記者会見で、193年の関東大震災で虐殺された朝鮮人犠牲者を追悼する式典に追悼の辞を今年も送付なかったことを問われのに対し、虐殺の史実に触れませんでした。
 式典は、震災の混乱の中で「朝鮮人が襲ってくる」などのデマが流され、軍隊、官憲、武装した市民によって虐殺された多数の朝鮮人ら犠牲者を追悼するため、実行委員会が墨田区横網町公園で毎年開いているもの
 追悼式典には74年以降、就任1年目の小池知事を含む歴代の知事が毎年追悼文を送付してきました。小池知事は2017年以降、一方的に送付を取りやめました
 小池知事は、会見で追悼式典と虐殺の歴史について問われたのに対し「(同日の)慰霊大法要において先の関東大震災および大戦で犠牲となったすべての方々への哀悼の意を表している」と具体的に語りませんでした。
 実行委員会は8月19日に災害で亡くなった人の死と、殺された人の死を一つにくくって『追悼』することはできない」と声明を発表。日本共産党都議団は22の知事あての申し入れで、知事の姿勢は関東大震災における朝鮮人虐殺を明白な史実と認めず、歴史修正主義にくみするものだと批判しました。


〈関東大震災朝鮮人虐殺100年〉追悼事業実行委らが会見
                         朝鮮新報 2023年09月02日
迫害の歴史に終止符を
8月30日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で、関東大震災朝鮮人虐殺と関連し会見が行われた。この日の会見は、関東大震災100年朝鮮人虐殺犠牲者追悼と責任追及の行動実行委員会(以下、責任追及と行動実行委)、関東大震災朝鮮人・中国人虐殺100年追悼大会実行委員会(以下、追悼大会実行委)の共催で行われた。
責任追及と行動実行委の金哲秀さん(朝鮮人強制連行真相調査団事務局次長)藤本泰成さん(フォーラム平和・人権・環境共同代表)追悼大会実行委の林伯耀さん、田中宏さんがそれぞれ参加。9月1日に震災時の大虐殺から100年を迎え、代表らは「日本政府が虐殺の事実を認め、謝罪および真相究明を行うことが、迫害の歴史に終止符をうつことになる」などと訴えた。

この日の会見に臨んだ藤本泰成さんは、「防災の日として広く知られる9月1日は、多くの朝鮮人が軍隊、警察、民間人によって虐殺された日」だと発言。同氏は、2008年に内閣府中央防災会議が発表した報告書で「これほどの規模で人為的な殺傷行為を誘発した例は日本災害史上確認できない」とした点に言及したうえで、大震災当時、日本が植民地支配への朝鮮民衆の抵抗に直面していたことなど、「植民地支配から引き出されるさまざまな要因が絡み見合って引き起こされた大虐殺である」と強調した。

また金哲秀さんは、発言冒頭、「虐殺は決して震災の混乱の中で偶発的に起こった事件ではない」と指摘。その背景には、「日本が19世紀後半から朝鮮で行った植民地征服戦争とそこで繰り返されてきた朝鮮人虐殺がある」と日本政府の加害性を改めて糾弾しながら、こう続けた。
「それらの指揮をとった者たちが震災時に政府や軍隊、警察の要職につき、朝鮮人が暴動を起こしたという予断を持って戒厳令を発布した。また朝鮮での虐殺、迫害経験のある軍隊、軍人たちが戒厳令下で虐殺をおこなった。その過程で朝鮮人が『暴徒』『不逞』だとの認識が広まり、日本民衆が虐殺を行った。官民一体の虐殺は、朝鮮侵略と植民地支配がもたらしたものだ」(金さん)
金さんはまた、生存者や遺族が苦しみの中で生き、在日朝鮮人社会にも深いトラウマを残す関東大震災時の朝鮮人虐殺から100年を迎えた日本社会の現状を問いながら、朝鮮への制裁を背景にした朝鮮学校への迫害、在日朝鮮人を標的としたヘイトスピーチ、ウトロ放火事件、総聯中央銃撃事件など直接的な暴力が後を絶たないことに触れた。そのうえで、「日本政府や自治体は100年間隠ぺいしてきた虐殺の事実を認め、謝罪することで、重大な過ちを再発させないという強い決意を内外に示すべきだ。これが真の追悼になり、在日朝鮮人への差別、迫害の歴史に終止符をうつきっかけになる」と声を大にして訴えた。

一方、追悼大会実行委を代表し参加した、林伯耀さんは「100年前の大震災下、日本の軍隊、警察、自警団、民衆によって朝朝人兄弟と中国人同胞が虐殺された。これは過去のことではなく、そのような状況がまた現実になろうとしている」と語る。
100年前の虐殺を主導した日本政府は言い逃れできない法的、政治的、歴史的、道義的な罪と責任がある。真相究明し、事実を認め、国家としての責任があることを証明し犠牲者と遺族に謝罪し賠償しなければならない」(林さん)

また田中宏さんは、100年前、当時日本に留学していた朝鮮人学生がつづった文章を紹介した。同文章には「日本の教育は人間となる前に国民になれと教えている。朝鮮人を殺すことをもって、日本国家に対する大いなる功績を行っているようにみえる。1919年の独立運動、水原事件、間島事件、関東大震災虐殺の一連のものは、同様の事件に映る」などの記述があったという。
同氏は、これらを踏まえると、「(虐殺は)一過性の事件ではなく、長い歴史的な重なりがあるもの」だと改めて強調。また1924年5月、中国人について賠償金の支払いを決定した政府の記録に言及したうえで、「これは国家としての責任を認めていたことを意味する」として、植民地支配されていた朝鮮人を含む犠牲者らの賠償が実行されるべきだと話した。

この日、海外の記者からは、日本政府が虐殺の記録がないと言い逃れていることや、それへの対応策はないのかなどと、辛辣な質問が相次いだ

2023年9月2日土曜日

軍事費 過去最大7・7兆円 予算案概算要求 対米公約を最優先

 防衛省は31日に決定した24年度予算案の概算要求で、過去最大7兆7385億円を盛り込みました。米軍再編・SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)経費は「事項要求」としているので、総額はその分がさらに膨らみます。
 岸田首相は訪米時に、5年後には軍事費を倍増させると勝手にバイデンに約束しましたが、初年度で早くも50%近いアップの勢いです。これでは最終的にどこまで軍事費が拡大するのか予測もつきません。
 物凄い円安下でインフレが進みつつある日本でいま何よりも必要なことは庶民の生活の安定策であり、無用で有害な軍備費の拡大ではありません。
 岸田首相は、具体的に軍事費を拡大するためには国民に仮想敵国を明確にする必要があるとでも考えたようで、米国に同調して臆面もなく中国を仮想敵国に仕立て上げましたが、別にそんな意思のない中国としてははた迷惑のことです。岸田氏は米国の利益のために軍事費拡大に踏み切ったということです。しんぶん赤旗の記事を紹介します。
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軍事費 過去最大77兆円 予算案概算要求 対米公約を最優先
                        しんぶん赤旗 2023年9月1日
 防衛省は31日に決定した2024年度予算案の概算要求で、過去最大だった23年度予算を9166億円上回る7兆7385億円を盛り込みました。12年連続で前年度を上回り、10年連続で過去最大の更新が狙われています。物価高騰に直面する市民生活を後回しにし、対米公約を最優先した大軍拡です。




 米軍再編・SACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)経費は金額を示さない「事項要求」としており、総額はさらに膨らむ可能性があります。政府は、安保3文書に基づき23~27年度に軍事費43兆円を確保する方針。今回の概算要求は、大軍拡や敵基地攻撃能力の保有など安保3文書の具体化につながるものです。

 敵基地攻撃が可能な「スタンド・オフ防衛能力」として、音速の5倍以上で低空飛行する「極超音速誘導弾」の開発費に718億円、量産費に85億円を盛り込みました。射程を1000キロ程度に延ばす「12式地対艦誘導弾能力向上型」(地上発射型)の取得に951億円を要求。艦艇や地上目標を攻撃する新型の「精密誘導弾」の開発に320億円を盛り込みました。
 敵基地攻撃とミサイル防衛を一体化させる「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」の一環として、中国やロシアが開発を進める極超音速滑空弾を迎撃する新型ミサイル「GPI(滑空段階迎撃用誘導弾)」の日米共同開発に750億円を初めて計上。イージス・システム搭載艦2隻の建造費として3797億円を要求しました。

 また、陸海空自衛隊を一元的に指揮する常設の「統合司令部」(約240人規模)の創設を明記しました。陸海空共同の部隊として「自衛隊海上輸送群」を創設し、輸送用船舶の取得費を計上。対中国を念頭に、南西諸島への輸送力強化を狙います。
 司令部の地下化など自衛隊基地の強靱(きょうじん)化に計8043億円を計上。そのうち長射程ミサイルなどの弾薬庫の整備に221億円を充てます。