2023年12月6日水曜日

「政治とカネ」本丸事件の表面化(植草一秀氏)

 自民党の最大派閥「安倍派」の政治資金パーティーをめぐり、収入の一部を議員側に戻し(キックバック)た分を議員らが収支報告書に記載していなかった疑いがある問題で、検察が調査に入ったとされています。同様な不正は安倍派に限らず二階派「志帥会」など多くの派閥で行われている可能性があり、国会が閉会すれば検察は議員に対し任意の事情聴取を始めるものと見られています。

 植草一秀氏は「政治とカネ」に関する腐敗の問題において、腐敗の根を断ち切る方法は存在するにも拘らず腐敗の根を断ち切ろうとしないから延々と続くのであるとして、それを断つための三つの具体的方策を示しました。
 その第一は、日本の議員報酬は法外に高く、政治家が儲かる商売であることが議員を目指す動機になっているとして、政治の仕事は本来は「奉仕」なので、奉仕に見合う報酬体系に変更するべきだと述べています。実に明快です。
 第二は企業団体献金を全面禁止することです。民主党が政権をとったのは09年8月の衆院選挙でした。ところがその前段で小沢一郎氏の政治資金管理団体が摘発されました。これは小沢氏の剛腕による政治改革を恐れた体制側が同氏を失脚させるために企んだもので、メディアに扇動された結果「朝野を挙げて」の「小沢バッシング」が巻き起こされました。
 最終的にこの事案は完全なえん罪」と確定しましたが、これによって小沢氏は首相にはなれず体制側の意図は達成されました。
 09年の総選挙で小沢氏は企業団体献金全面禁止を提案しましたが、民主党内部からも反対が出たため公約には出来ずに現在まで温存されてきました
 第三は、政治資金規正法第21条の2の2項の削除ですこれは政治家個人への寄附が禁止されているが、政党が行う政治家個人への寄附が例外として認める規定で、まさに上記のキックバックを可能にしてきたものです。植草氏の明快な主張を紹介します。
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「政治とカネ」本丸事件の表面化
             植草一秀の『知られざる真実』 2023年12月 3日
「政治とカネ」の問題が後を絶たないのは「政治とはカネ」が実相として存在するからだ。
腐敗の根を断ち切る方法は存在する。しかし、腐敗の根を断ち切ろうとしない。腐敗の根がしっかりと温存されている。腐敗の根が温存される限り、腐敗はなくならない。

腐敗の根を断ち切るための方策とは何か。
第一は議員の報酬を引き下げること。
第二は企業団体献金を全面禁止すること。
第三は政治資金規正法第21条の2の第2項を撤廃すること。
これを断行するべきだ。

日本の議員報酬は法外に高い。政治に金がかかると言われるが、金をかけなければ政治に関われないとする方式を改めるべきなのだ。
政治家になる理由が「カネのため」になっている。
政治家になるためにカネを注ぐが、それは、政治家になってカネを稼ぐため。
政治家を家業として継ぐのは政治家が儲かる商売であるからだ。
このような政治風土で良い政治が行われるわけがない。

これは市民の側にも責任がある。政治にカネを注ぐのは、その見返りを求めるからだ。
企業が多額の献金を行い、献金を受け入れた政治屋が当該企業に見返りの施策を実行する。
合法的な贈収賄の構造が存在する。
とりわけ、政権交代が存在しない状況の下では不正が発覚しない。

絶対権力は絶対に腐敗するのである。
政治家の報酬を大幅に引き下げるべきだ。「カネのために政治に関わる」インセンティブを引き下げる。
「政治に関わる」ことは社会に対して奉仕すること。政治の仕事は、本来は「奉仕」である。
「奉仕」に見合う報酬体系に変更するべきだ。

第二に企業団体献金を全面禁止する。
2009年に小沢一郎氏の政治資金管理団体が摘発された。
西松建設関連の二つの政治団体から受けた献金を事実通りに記載して報告したことが政治資金規正法違反とされた。
まったく同じ事務処理をした政治家資金管理団体が二桁の数で存在したが、小沢氏の資金管理団体だけが摘発の対象とされた
この事件の第2回公判で西松建設元取締役総務部長が二つの政治団体に実体があったことを証言して、この事案が完全なえん罪事案であったことが確定した。

小沢一郎氏は政治的策謀によって刑事事件に巻き込まれた。
このとき、小沢一郎氏が企業団体献金全面禁止を提案した。
2009年総選挙で民主党は企業団体献金全面禁止を政権公約に盛り込もうとしたが民主党内部の反対で公約化されなかった。公約化に強く反対したのは岡田克也氏である。
政党交付金制度が創設された際に企業団体献金を全面禁止することが検討されたが、あいまいに処理された。
結局、企業団体献金全面禁止が実現せず、現在に至っている。これを断行するべきだ。

第三の問題がある。
政治資金規正法第21条の2の2項。
政治家個人への寄附が禁止されているが、例外規定が定められている。
政党が行う政治家個人への寄附が例外として認められている。
この規定を活用して巨額の資金が政党から政治家個人に流れ、資金使途がまったく公開されていない。公然の「裏金」である
自民党、維新、国民民主党などが巨額の政治資金を闇に流している。

21条の2の第2項を削除する政治資金規正法改正を断行するべきだ。
国民民主党の玉木雄一郎氏は前原新党を批判する前に政治資金規正法第21条の2の2項撤廃を提言するべきだ。
いま問題になっている自民党の裏金問題は明白な政治資金規正法違反事案と言える。
巨大な政治犯罪事件事案に発展する蓋然性が高い。
検察がこの事案を適正に処理しなければ革命が起きてもやむを得ないだろう。
自民党は崩壊の局面に差しかかっている。

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イスラエルが空爆続行 パレスチナ・ガザに各地連帯(しんぶん赤旗)

 イスラエルとハマスの戦闘中断が崩れ、イスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区への無差別攻撃が再開されました。ガザの南部に対しても、イスラエル軍は戦車を伴って地上部隊を侵入させました。

 世界各地では2日もハレスチナに連帯し即時停戦を求める行動が行われました。米首都ワシントンや独首都ベルリンなど2日ハレスチナに連帯し即時停戦を求める集会が開かれました
 イスラエルとハマスの仲介に当たったカタールや米国などは戦闘休止の再開を模索しましたが、イスラエル首相府は2日の声明で「ハマスは全ての女性と子どもの解放を含む、合意の一部を履行しなかった」と非難した上で「話し合いの行き詰まりにより、交渉チームを(カタールの)ドーハから引き揚げるよう命じた」と発表しました。

 ハリス米副大統領は2日、訪問先のアラプ首長国運邦のドパイで記者団に対して、「ガザではあまりに多くの罪のないパレスチナ人が殺されている。市民の苦しみの甚大さやガザの映像や画像は、率直に言って衝撃的だ」「イスラエルが自国を防衛する際、国際的な人道法は尊重されなければならない」「イスラエルは無実の市民を守るため一層努めなければならない」、などとして攻撃の自制を促しました。そしてエジプトのシシ大統領との会談では、「米国はいかなる状況でもパレスチナ人の強制移住やガザの包囲、境界の画定を容認しない」と述べました。
 我々はこれまで、絶えずうすら笑いを浮かべる一方でガザの悲劇をどう考えているのか分からないバイデンの映像しか見ることしかできませんでしたが、ホワイトハウスにもこうした真っ当な人物がいることが初めて分かりました。しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。
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スチナ・ガザに各地連帯
                       しんぶん赤旗 2023年12月4日
 イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘中断が崩れ、イスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区への無差別攻撃が再開されるもとで、世界各地では2日もハレスチナに連帯し、即時停戦を求める行動が行われました

「今こそ停戦」と行進 米首都
 イスラエルがパレスチナ自治区ガザヘの攻撃を再開したことを受けて2日米首都ワシントン市内では、ホワイトハウス前などでガザのパレスチナ人に連帯する人たちが多数結集し、デモや行進を実施しました。
 ホワイトハウス前のデモ参加者の一部は、血のように見える赤い塗料を付けた白パレスナの旗を身にまとって地面に横たり、ザでのパレス犠牲者を模してアピールしました。
 「今こそパレスチナに自由を」「ガザでのジェノサイド(集団殺害)はやめろ」などと書かれたプラカードや横断幕などがげられ、デモ参加者は同市内を行進しました。
 前日にもワシントン市内にスラエル大使館前で、反戦団体活動家らによる同様の集会が開かれました。

「沈黙を非難」と訴え ドイツ
 【ベルリン=吉本博美】政府がイスラエルヘの強固な支持を示すドイツで2日、中東系市民を中心パレスヂナ自治区ガザに対するイスラエルの攻撃中止を求めるデモが行われました。
 首都ベルリンでは2000人が参加し停戦を求めました。パレスチナの旗を掲げ「いますぐ停戦を」「あなたの沈黙を非難する」と訴え歩きました。
 西部デュッセルドルフでは2日のデモ開催にあたり、「ジェノサイドはやめろ」と唱和したりプラスターを掲げることが禁止されました。ミュンスター高等裁判所もイスラエルによるハマスヘの攻撃を「ジェノサイド」と表現することは違法だとの判決を出し、市民から批判の声が上がっていました。
 約500人の参加者たちは人権のためのデモ行進と称し即時停戦を要求。「ガザで1万5000人の無辜(むこ)の人々が犠牲となった」「ハマスからガザを解放しろ」と訴えました。

イスラエルが空爆続行 交渉チーム引き揚げ
 【エルサレム=時事】イスラエル軍は2日、パレスチナ自治区ガザの広い範囲でハマスに対する空爆を続けました。AFP通信によると、ハマスは1日の戦闘再開後に240人が死亡し、650人以上が負傷したと主張。イスラエルの退避勧告に従い、北部での戦闘を逃れた人が多く遊難している南部の都市も激しい攻撃にさらされ、犠牲者増加が懸念されています。
 イスラエルとハマスの仲介に当たったカタールや米国などは戦闘休止の再開を模索。しかし、イスラエル首相府は2日の声明で「ハマスは全ての女性と子どもの解放を含む、合意の一部を履行しなかった」と非難した上で「話し合いの行き詰まりにより、交渉チームを(カタールの)ドーハから引き揚げるよう命じた」と発表しました。
 ロイター通信によると、ハマスとイスラエルの戦闘が始まった10月7日以降、パレスチナ側の死者は1万50O人を超えました。他に数千人が行方不明といいます。

攻撃自制促す 米副大統領
 【ワシントン=時事】ハリス米副大統領は2日、訪問先のアラプ首長国運邦(UAE)のドパイで記者団に対し、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの攻撃に関して「あまりに多くの罪のないパレスチナ人が殺されている。市民の苦しみの甚大さやガザの映像や画像は、率直に言って衝撃的だ」と語りました。
 リス氏は「イスラエルが自国を防衛する際、国際的な人道法は尊重されなけれならない」と指摘。また、スラエルは無実の市民を守るため一層努めなければならないなどとして、攻撃自制を促しました。
 ハリス氏はこの日、UAEのムハンマド大統領らアラブ諸国の首脳らと相次いで会談し、戦闘終結後のガザの統治について意見交換した。エジプトのシシ大統領との会談では「米国はいかなる状況でも(イスラエルによる)パレスチナ人の強制移住やガザの包囲、境界の画定を容認しない」と述べました。

ハマスの排除 非現実的だ」 トルコ大統領
 【イスタンブールー時事】トルコのエルドアン大統領は、イスラエルと交戦するハマスについて、「排除や破壊は現実的なシナリオではない」と述べ、パレスチナ自治区ガザでの統治を認めず壊滅を目指すイスラエルや米国に反対する姿勢を強調しました。大統領府が2日発表しました。
 エルドアン氏は、訪問先のアラブ首長国連邦(UAE)からの帰途に記者団に対し、ガザでの戦闘休止を「平和をもたらす好機だった」と指摘。「イスラエルの非妥協的な態度で当面(機は)失われてしまった」と戦闘再開を非難した上で、「ネタニヤフ(イスラエル首相)が犯した虐殺は歴史の汚点であり、彼を無条件に支援する国々にも残る」と語りました。
 ヱルドアン氏はガザでの人道危機の悪化を受けて、かねてイスラエルを「戦争犯罪を行うテロ国家」と糾弾。ハマスについては「他人が何と言おうとテロ組織とは認めない」と改めて擁護しました。
 この発言を受け、イスラエルのコーヘン外相は2日、X(旧ツイッター)で「ガザから逃れたハマスのテロリストを(トルコで)かくまえばいい」と反発しました。


ガザ南部 電話取材中響く爆発音 「これ以上は危険」
どこに逃げろと
                        しんぶん赤旗 2023年12月6日
【カイロ=秋山豊】イスラエル軍は4日、パレスチナ・ガザ地区南部への攻撃を強めました。イスラエルのガラント国防相は北部以上に大規模な攻撃となるとの見通しを表明しています。
 南部の中心都市ハンユニスには北部から逃れてきた人も多くいます。その一人のアリ・アブテイルさん(50)は4日、本紙の電話取材に、イスラエル軍が「ハンユニスは危険な戦闘地域だ」と書いて退避を命じるビラを空からまいていると話しました。
 アブテイルさんは「安全を求めてハンユニスに来たが、爆撃が続き、戦車も侵入してきた。死の危険がある状況で、どこにどう逃げろというのだ」と叫びました。
 ハンユニスの現地ジャーナリスト、タイシア・コデハさんは4日、本紙の電話取材に「イスラエル軍は戦闘機や偵察機、戦車、砲兵隊による激しい攻撃を加えながら、ハンユニスに部隊と車両の配を始めた」と語りました。
 コデハさんへのインタビュー中、激しい爆発音が立て続けに響き、助けを求める叫び声が電話越しに聞こえました。コデハさんは「爆撃が近い。これ以上は危険だ」と言って電話を切りました。
 イスラエル軍は4日午前、ガザ各地で夜通し200の標的を攻撃したと発表。ロイター通信は、ガザ保健当局の情報として1日に戦闘が再開して以降、約900人が空爆で殺されたと伝えました。
 他方、ハマスはハンユニスでイスラエル軍の車両2台と戦車を攻撃したとの声明を出しました。イスラエルメディアによると、地上侵攻を開始した10月下旬以降、イスラエル兵78人が死亡しています。


パレスチナ問題と日本共産党の立場 ガザ取材で見えたこと
                       しんぶん赤旗 2023年12月6日
「しんぶん赤旗」 カイロ特派員 秋山豊
 「しんぶん赤旗」カイロ支局の秋山豊特派員は1日に開かれた編集局の記者集会にビデオメッセージを送り、ガザ情勢を巡る取材活動について報告しました。パレスチナ問題での日本共産党の立場が現地でどのように受け止められ、取材活動にどう生かされているのかなど語りました。抜粋して紹介します。

 アラブの人びとの間では同盟国を擁護するときだけ国際法を口にする欧米の欺瞞(ぎまん)に対する怒り、米国に追従し停戦に背を向ける日本政府への失望が広がっています。ガザの人びとの尊厳をどう考えているのでしょうか。人が人をむごたらしく殺すことが毎日行われています。なぜ今すぐとめられないのでしょうか。人間への絶望に陥らないよう自分を必死にコントロールしています。「赤旗」の先輩がたに言われてきた「人びとの苦難あるところに日本共産党あり、『赤旗』あり」という言葉を自分に言い聞かせています。

信頼寄せ取材に
 日本共産党が国際法の観点からハマスの民間人殺害、イスラエルによるジェノサイドの危険を批判して即時停戦を求める立場、根本的な解決策としてイスラエルが占領地から撤退し、パレスチナの独立国家の樹立を認め、双方の平和的共存を求める立場は、カイロ支局の報道方針となっています。志位委員長の一連の談話を英訳し、スタッフに読んでもらい、議論しながら取材を進めてきました。
 支局スタッフのファタさんは「党の提案を読めば、ガザで起きている危機の根源に何があるのか見抜くことができる。この21世紀、国際法を踏みにじって占領を続けている国があるという事実だ」と言います。
 ファタさんは「ガザの人びとに取材するとき党の立場を必ず説明する」と言います。「ガザの人びとは党の立場を信頼して取材に応じてくれる。米CNNや英BBCの取材を拒否する人が多いと聞く。危機の根源にある問題を軽視し、イスラエルに偏っているとみられているからだ」
 ファタさんはガザの人びとに、「赤旗」に載った党の人道支援募金活動の写真を送っていると話し、「この写真を見たガザの人びとは謝意を示す。お金の問題ではない。遠く離れた日本の人びとが、ガザで何が起きているか、誰が被害者なのか理解し、連帯してくれることがうれしいのだ」と言います。

国際世論変える
 いま日本を含め、世界各地でイスラエルへの抗議デモが起きています。人びとは「パレスチナに自由を」「パレスチナの解放を」と叫んでいます。党の提案と同じくイスラエルに占領をやめさせ、パレスチナの独立を訴える声です。
 カイロ支局ではハマスに母親が誘拐されたイスラエル人のマヤさんにも取材しました。マヤさんはハマスへの強い怒りを語りながらも「民間人とハマスは違う。ガザでの民間人殺害には全面的に反対する。即時停戦を求め、将来はパレスチナとの共存を望む」と語りました。民衆による圧力は、各国政府の姿勢を変える力になるはずです。
 危機の背景には、イスラエルがヨルダン川西岸とガザを占領下におき、入植を拡大してきたことなどがあります。ガザでの危機が始まって以降、西岸でもイスラエル兵や入植者の暴力によるパレスチナ人の死者数が増加しています。イスラエルの無法行為が激化しています
 戦闘終結後、どの勢力がガザを統治するのかという問題もあります。イスラエルのネタニヤフ首相は、イスラエル軍による統治を示唆する発言をしています。しかし、支局スタッフのイスラムさんは「パレスチナの占領終結と独立国家樹立という問題をどう解決するのか真剣な議論を求める声が沸き起こる可能性がある。イスラエルに対する国際的な圧力は非常に強くなっている」と考えています。党が米国やパレスチナ、イスラエルなど各国大使級の要人や日本の上川外相と会談し、即時停戦を申し入れていることも、イスラエルへの圧力になっているはずです。
 日本からカイロにうれしいニュースも届きます。先日の中央委員会総会で、ガザでの危機を巡る党の姿勢に信頼を寄せ、入党をした人がいると報告されたことをスタッフと共に喜んでいます。イスラムさんは「党が、イスラエルによるガザの民間人殺戮(さつりく)に、明確に反対し、公正な立場を示していることが加入につながっている。私たちカイロ支局の報道がこれに貢献しているとしたら誇らしい。日本の読者に中東の現実を伝え、それに対する公正な立場を示す報道を続ける原動力になる」と話しています。

 ガザではいつ停戦が実現するかまだ分かりません。パレスチナ問題の解決となると、どれほど時間がかかるか分かりません。だけど、イスラエルによる国際法違反の無差別攻撃に苦しむ人びと、占領に苦しむ人びとの声を伝えることが『赤旗』の役割だと思っています。そしてカイロからの記事が、党大会に向けて強く大きな党づくりにすこしでも役にたてばうれしい。

パレスチナ問題と日本共産党の立場 カイロ特派員 秋山豊

 「しんぶん赤旗」カイロ支局の秋山豊特派員は1日に開かれた本社編集局の記者集会にビデオメッセージを送り、ガザ情勢を巡る取材活動について報告しました。
 しんぶん赤旗にその抜粋が載りました。
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パレスチナ問題と日本共産党の立場 ガザ取材で見えたこと
                       しんぶん赤旗 2023年12月6日
「しんぶん赤旗」 カイロ特派員 秋山豊
 「しんぶん赤旗」カイロ支局の秋山豊特派員は1日に開かれた編集局の記者集会にビデオメッセージを送り、ガザ情勢を巡る取材活動について報告しました。パレスチナ問題での日本共産党の立場が現地でどのように受け止められ、取材活動にどう生かされているのかなど語りました。抜粋して紹介します。

 アラブの人びとの間では同盟国を擁護するときだけ国際法を口にする欧米の欺瞞(ぎまん)に対する怒り、米国に追従し停戦に背を向ける日本政府への失望が広がっています。ガザの人びとの尊厳をどう考えているのでしょうか。人が人をむごたらしく殺すことが毎日行われています。なぜ今すぐとめられないのでしょうか。人間への絶望に陥らないよう自分を必死にコントロールしています。「赤旗」の先輩がたに言われてきた「人びとの苦難あるところに日本共産党あり、『赤旗』あり」という言葉を自分に言い聞かせています。

信頼寄せ取材に
 日本共産党が国際法の観点からハマスの民間人殺害、イスラエルによるジェノサイドの危険を批判して即時停戦を求める立場、根本的な解決策としてイスラエルが占領地から撤退し、パレスチナの独立国家の樹立を認め、双方の平和的共存を求める立場は、カイロ支局の報道方針となっています。志位委員長の一連の談話を英訳し、スタッフに読んでもらい、議論しながら取材を進めてきました。
 支局スタッフのファタさんは「党の提案を読めば、ガザで起きている危機の根源に何があるのか見抜くことができる。この21世紀、国際法を踏みにじって占領を続けている国があるという事実だ」と言います。
 ファタさんは「ガザの人びとに取材するとき党の立場を必ず説明する」と言います。「ガザの人びとは党の立場を信頼して取材に応じてくれる。米CNNや英BBCの取材を拒否する人が多いと聞く。危機の根源にある問題を軽視し、イスラエルに偏っているとみられているからだ」
 ファタさんはガザの人びとに、「赤旗」に載った党の人道支援募金活動の写真を送っていると話し、「この写真を見たガザの人びとは謝意を示す。お金の問題ではない。遠く離れた日本の人びとが、ガザで何が起きているか、誰が被害者なのか理解し、連帯してくれることがうれしいのだ」と言います。

国際世論変える
 いま日本を含め、世界各地でイスラエルへの抗議デモが起きています。人びとは「パレスチナに自由を」「パレスチナの解放を」と叫んでいます。党の提案と同じくイスラエルに占領をやめさせ、パレスチナの独立を訴える声です。
 カイロ支局ではハマスに母親が誘拐されたイスラエル人のマヤさんにも取材しました。マヤさんはハマスへの強い怒りを語りながらも「民間人とハマスは違う。ガザでの民間人殺害には全面的に反対する。即時停戦を求め、将来はパレスチナとの共存を望む」と語りました。民衆による圧力は、各国政府の姿勢を変える力になるはずです。
 危機の背景には、イスラエルがヨルダン川西岸とガザを占領下におき、入植を拡大してきたことなどがあります。ガザでの危機が始まって以降、西岸でもイスラエル兵や入植者の暴力によるパレスチナ人の死者数が増加しています。イスラエルの無法行為が激化しています
 戦闘終結後、どの勢力がガザを統治するのかという問題もあります。イスラエルのネタニヤフ首相は、イスラエル軍による統治を示唆する発言をしています。しかし、支局スタッフのイスラムさんは「パレスチナの占領終結と独立国家樹立という問題をどう解決するのか真剣な議論を求める声が沸き起こる可能性がある。イスラエルに対する国際的な圧力は非常に強くなっている」と考えています。党が米国やパレスチナ、イスラエルなど各国大使級の要人や日本の上川外相と会談し、即時停戦を申し入れていることも、イスラエルへの圧力になっているはずです。
 日本からカイロにうれしいニュースも届きます。先日の中央委員会総会で、ガザでの危機を巡る党の姿勢に信頼を寄せ、入党をした人がいると報告されたことをスタッフと共に喜んでいます。イスラムさんは「党が、イスラエルによるガザの民間人殺戮(さつりく)に、明確に反対し、公正な立場を示していることが加入につながっている。私たちカイロ支局の報道がこれに貢献しているとしたら誇らしい。日本の読者に中東の現実を伝え、それに対する公正な立場を示す報道を続ける原動力になる」と話しています。

 ガザではいつ停戦が実現するかまだ分かりません。パレスチナ問題の解決となると、どれほど時間がかかるか分かりません。だけど、イスラエルによる国際法違反の無差別攻撃に苦しむ人びと、占領に苦しむ人びとの声を伝えることが『赤旗』の役割だと思っています。そしてカイロからの記事が、党大会に向けて強く大きな党づくりにすこしでも役にたてばうれしい。 

06- ウクライナでロシアが勝利した事実を隠しきれなくなったアメリカとNATO

 6日朝のNHK・TVは、ウクライナの反撃が失敗したことに関してのゼレンスキーと米国のそれぞれの見解を対比して放映しました。この種のニュースはSNS等ではよく知られていましたが、この時点でNHKが報じたのは最早衆知の事実だからという判断があったものと見られます。櫻井ジャーナルが掲題の記事を出しました。
 米国はウクライナとガザの2つの戦争で、ウクライナとイスラエルを援助しその後ろ盾になっています。
 第二次世界大戦後に建国されたイスラエルは軍事力(現在世界第4位)をベースに中東で好き勝手に振る舞い、遂にはパレスチナ人をガザに押し込んで「天井なき牢獄」にしたうえに目下はパレスチナ人を殲滅すべく猛攻撃を加えています。
 ウクライナではどうでしょうか。2014年にウクライナで暴力によるクーデター(オバマ政権下で当時5000億円を掛けてその準備をしバイデン副大統領が主導しました)が引き起こされました。
 ウクライナはソ連が崩壊した際にウクライナ人とロシア人(東部のドンバス=ドネツク・ルガンスク)の混成国家として成立しました。その後は一貫して両民族の融和政策が取られてきたのですが、「クーデター政権」は突如としてドンバス地方を軍事的に制圧する挙に出ました。
 しかしその無謀な暴挙に対し国軍の7割がドンバス側についたため、目的を達することが出来ませんでした。そこでNATO側は偽りのミンスク条約2を結び事実上ドンバスの自立を認めたのですが、実は8年を掛けて入念に再度の攻撃を準備し22年3月にドンバスを攻撃する予定でした。ロシア軍がウクライナに侵入したのはその直前で、以後の経過はご存知の通りです。
 もしもロシアが侵入せずに傍観していたなら、民族浄化というガザと似たようなことが起きた可能性があります。
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ウクライナでロシアが勝利した事実を隠しきれなくなったアメリカとNATO
                          櫻井ジャーナル 2023.12.06
 NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は12月2日にドイツの放送局ARDの番組で、ウクライナの戦線からの「悪い知らせ」に備えるべきだと語った​が、すでに悪い知らせは伝えられている。例えば、イギリスのベン・ウォレス前国防相は10月1日にテレグラフ紙に寄稿した記事の中で、ウクライナ兵の平均年齢は40歳を超えていると指摘した。それだけ死傷者が多いということだ。
 ウォレスはもっと多くの若者を前線へ送り出せと要求している。これまで徴兵を免除されていた学生や研究者などを投入しろということだろう。「学徒動員」や「少年兵」を前線へ送り出せというわけだ。前線では妊婦のウクライナ兵も見つかっている。
 ニューヨーク・タイムズ紙は今年8月、記事の中でウクライナ兵とロシア兵約50万人が戦死したと書いていたが、ウクライナ軍の戦死者だけで少なくとも50万人、ロシア側の推計戦死者はその1割、つまり5万人程度だと見られていた。
 ところが、ウクライナのテレビ局「1+1」は先日、自国軍の戦死者と行方不明者の合計を112万6652人だと画面に表示、話題になった。局はすぐに間違いだと訂正したが、隠していた本当のデータを流してしまったと推測する人もいる

 ウクライナ軍は昨年初頭からドンバスへの大規模な攻撃を準備していると噂されていた。ドンバス周辺に部隊を集結させ、ドンバスの市民を狙った砲撃が激しくなったからだ。
 そうした中、昨年2月24日にロシア軍がドンバス周辺に集結していたウクライナ軍をミサイルで壊滅させ、航空基地、レーダー施設、あるいは生物兵器の研究開発施設を破壊し始める。これでロシア軍とウクライナ軍の戦いはロシア軍の勝利は確定的だった。
 そこでイスラエルの首相だったナフタリ・ベネットを仲介役として停戦交渉を開始、双方とも妥協して停戦は実現しそうだった。ベネットは2022年3月5日にモスクワへ飛び、プーチンと数時間にわたって話し合い、ゼレンスキーを殺害しないという約束をとりつける。その足でベネットはドイツへ向かい、シュルツと会うのだが、その3月5日、ウクライナの治安機関SBUがキエフの路上でゼレンスキー政権の交渉チームに加わっていたデニス・キリーエフを射殺している。現在のSBUはCIAの下部機関だ。

 停戦交渉はトルコ政府の仲介でも行われた。アフリカ各国のリーダーで構成される代表団がロシアのサンクトペテルブルクを訪問、ウラジミル・プーチン大統領と6月17日に会談しているが、その際、プーチン大統領は「ウクライナの永世中立性と安全保障に関する条約」と題する草案を示している。その文書にはウクライナ代表団の署名があった。つまりウクライナ政府も停戦に合意していたのだ。
 停戦交渉の進展でロシア軍はウクライナ政府との約束通りにキエフ周辺から撤退を開始、3月30日にはブチャから撤退を完了した。31日にはブチャのアナトリー・フェドルク市長がフェイスブックで喜びを伝えているが、虐殺の話は出ていない。
 ロシア軍が撤退した後、ウクライナの親衛隊が現地に入るが、その後に西側の有力メディアはロシア軍が住民を虐殺したとする宣伝を始めて停戦交渉を壊した
 その間、4月9日にイギリスのボリス・ジョンソン首相がキエフへ乗り込んで停戦交渉の中止と戦争の継続を命令、4月21日にはウクライナ南部のミコライフ州のビタリー・キム知事が「ウクライナ24テレビ」の番組で「全ての裏切り者を処刑する」と国民を脅し、4月30日になるとナンシー・ペロシ米下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪問、ゼレンスキー大統領に対してウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めた。
 この情報を裏付ける証言を「1+1」が11月24日に放送している。与党の有力議員でトルコを仲介役とした停戦交渉でウクライナ側の中心にいたデビッド・アラカミア議員は、ボリス・ジョンソンが停戦交渉を挫折させる上で重要な役割を果たしたと語っているのだ。

 ゼレンスキー政権が始めたロシアと停戦交渉を潰したのはイギリス政府とその黒幕だが、カネと武器にドップリ使ったゼレンスキーは勝利の妄想から抜け出せなくなった。
 ウクライナのバレリー・ザルジニー最高司令官はイギリスの有力誌エコノミストは11月1日付けに記事を投稿、ゼレンスキー派とザルジニー派の対立が明確になった。ウクライナ人が死に絶えるまで戦おうとしているゼレンスキーに対し、ザルジニーは戦闘をやめようとしていると見られている。
 そうした対立が表面化した後の11月6日、ザルジニーの補佐官を務めていたゲンナジー・チェスチャコフ少佐が自宅で死亡した。「贈り物の箱」に入っていた手榴弾が爆発したと言われている。
 この事件の真相は不明だが、黒幕と噂されているひとりがキリロ・ブダノフ情報長官。その妻、マリアナ・ブダノワが何者かに毒を盛られたと伝えられている。毒物は「ヒ素と水銀」だとする証言もある。状況が明確でなく、フェイクだとする説もある。

 ウクライナの内戦は2014年2月、バラク・オバマ政権が仕掛けたクーデターでビクトル・ヤヌコビッチ政権が倒されたところから始まる。ヤヌコビッチの支持基盤だった東部や南部では住民がクーデター政権を拒否、クリミアはロシアの保護下に入り、ドンバス(ドネツクやルガンスク)では戦闘が始まったのだ。
 ところが、ウクライナの軍や治安機関では約7割がネオ・ナチ体制を嫌って離反、その一部はドンバス軍へ合流したと言われている。そこでアメリカ/NATOはCIAやFBIのメンバーのほか傭兵を送り込み、内務省の下にはネオ・ナチを主体とする親衛隊を創設、それと並行して武器を供給、兵士を訓練しはじめた。
 ネオ・ナチを中心に編成されたアゾフ特殊作戦分遣隊(アゾフ大隊)が拠点にしていたマリウポリ、あるいは岩塩の採掘場があるソレダルにはソ連時代に建設された地下施設、つまり地下要塞が存在、それを利用してアメリカ/NATOは8年かけて要塞線を築いた
 アメリカ/NATOはロシアを挑発、要塞線の内側へ誘い込もうとしたようだが、地上軍を突入させるようなことはなかった。航空兵力、ミサイル、ドローンなどで攻撃、地上戦は地元軍や傭兵部隊に任せた。
 ウクライナ軍は(22年)6月4日からアメリカ/NATOの命令で「反転攻勢」を始めたが、ロシア軍が築いた「スロビキン防衛線」を突破できず、多くの死傷者を出した。この防衛線は歩兵塹壕、戦車対策の「竜の歯」、土手、地雷原などを組み合わせたもので、数百キロに及ぶ。その防衛線に向かってウクライナ軍は「バンザイ突撃」を繰り返した

 その無謀な攻撃でウクライナ軍は疲弊。ロシア軍はその疲弊したウクライナ軍に対する本格的な攻撃を始めると見る人は少なくない。ストルテンベルグ事務総長が警告したように、アメリカ/NATOにとって「悪い知らせ」が伝えられることになりそうだ。ウクライナ軍の要塞線が突破されたなら、ドニエプル川の東岸やオデッサのあたりまでロシア軍に制圧される可能性がある。