2023年12月6日水曜日

イスラエルが空爆続行 パレスチナ・ガザに各地連帯(しんぶん赤旗)

 イスラエルとハマスの戦闘中断が崩れ、イスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区への無差別攻撃が再開されました。ガザの南部に対しても、イスラエル軍は戦車を伴って地上部隊を侵入させました。

 世界各地では2日もハレスチナに連帯し即時停戦を求める行動が行われました。米首都ワシントンや独首都ベルリンなど2日ハレスチナに連帯し即時停戦を求める集会が開かれました
 イスラエルとハマスの仲介に当たったカタールや米国などは戦闘休止の再開を模索しましたが、イスラエル首相府は2日の声明で「ハマスは全ての女性と子どもの解放を含む、合意の一部を履行しなかった」と非難した上で「話し合いの行き詰まりにより、交渉チームを(カタールの)ドーハから引き揚げるよう命じた」と発表しました。

 ハリス米副大統領は2日、訪問先のアラプ首長国運邦のドパイで記者団に対して、「ガザではあまりに多くの罪のないパレスチナ人が殺されている。市民の苦しみの甚大さやガザの映像や画像は、率直に言って衝撃的だ」「イスラエルが自国を防衛する際、国際的な人道法は尊重されなければならない」「イスラエルは無実の市民を守るため一層努めなければならない」、などとして攻撃の自制を促しました。そしてエジプトのシシ大統領との会談では、「米国はいかなる状況でもパレスチナ人の強制移住やガザの包囲、境界の画定を容認しない」と述べました。
 我々はこれまで、絶えずうすら笑いを浮かべる一方でガザの悲劇をどう考えているのか分からないバイデンの映像しか見ることしかできませんでしたが、ホワイトハウスにもこうした真っ当な人物がいることが初めて分かりました。しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。
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スチナ・ガザに各地連帯
                       しんぶん赤旗 2023年12月4日
 イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘中断が崩れ、イスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区への無差別攻撃が再開されるもとで、世界各地では2日もハレスチナに連帯し、即時停戦を求める行動が行われました

「今こそ停戦」と行進 米首都
 イスラエルがパレスチナ自治区ガザヘの攻撃を再開したことを受けて2日米首都ワシントン市内では、ホワイトハウス前などでガザのパレスチナ人に連帯する人たちが多数結集し、デモや行進を実施しました。
 ホワイトハウス前のデモ参加者の一部は、血のように見える赤い塗料を付けた白パレスナの旗を身にまとって地面に横たり、ザでのパレス犠牲者を模してアピールしました。
 「今こそパレスチナに自由を」「ガザでのジェノサイド(集団殺害)はやめろ」などと書かれたプラカードや横断幕などがげられ、デモ参加者は同市内を行進しました。
 前日にもワシントン市内にスラエル大使館前で、反戦団体活動家らによる同様の集会が開かれました。

「沈黙を非難」と訴え ドイツ
 【ベルリン=吉本博美】政府がイスラエルヘの強固な支持を示すドイツで2日、中東系市民を中心パレスヂナ自治区ガザに対するイスラエルの攻撃中止を求めるデモが行われました。
 首都ベルリンでは2000人が参加し停戦を求めました。パレスチナの旗を掲げ「いますぐ停戦を」「あなたの沈黙を非難する」と訴え歩きました。
 西部デュッセルドルフでは2日のデモ開催にあたり、「ジェノサイドはやめろ」と唱和したりプラスターを掲げることが禁止されました。ミュンスター高等裁判所もイスラエルによるハマスヘの攻撃を「ジェノサイド」と表現することは違法だとの判決を出し、市民から批判の声が上がっていました。
 約500人の参加者たちは人権のためのデモ行進と称し即時停戦を要求。「ガザで1万5000人の無辜(むこ)の人々が犠牲となった」「ハマスからガザを解放しろ」と訴えました。

イスラエルが空爆続行 交渉チーム引き揚げ
 【エルサレム=時事】イスラエル軍は2日、パレスチナ自治区ガザの広い範囲でハマスに対する空爆を続けました。AFP通信によると、ハマスは1日の戦闘再開後に240人が死亡し、650人以上が負傷したと主張。イスラエルの退避勧告に従い、北部での戦闘を逃れた人が多く遊難している南部の都市も激しい攻撃にさらされ、犠牲者増加が懸念されています。
 イスラエルとハマスの仲介に当たったカタールや米国などは戦闘休止の再開を模索。しかし、イスラエル首相府は2日の声明で「ハマスは全ての女性と子どもの解放を含む、合意の一部を履行しなかった」と非難した上で「話し合いの行き詰まりにより、交渉チームを(カタールの)ドーハから引き揚げるよう命じた」と発表しました。
 ロイター通信によると、ハマスとイスラエルの戦闘が始まった10月7日以降、パレスチナ側の死者は1万50O人を超えました。他に数千人が行方不明といいます。

攻撃自制促す 米副大統領
 【ワシントン=時事】ハリス米副大統領は2日、訪問先のアラプ首長国運邦(UAE)のドパイで記者団に対し、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの攻撃に関して「あまりに多くの罪のないパレスチナ人が殺されている。市民の苦しみの甚大さやガザの映像や画像は、率直に言って衝撃的だ」と語りました。
 リス氏は「イスラエルが自国を防衛する際、国際的な人道法は尊重されなけれならない」と指摘。また、スラエルは無実の市民を守るため一層努めなければならないなどとして、攻撃自制を促しました。
 ハリス氏はこの日、UAEのムハンマド大統領らアラブ諸国の首脳らと相次いで会談し、戦闘終結後のガザの統治について意見交換した。エジプトのシシ大統領との会談では「米国はいかなる状況でも(イスラエルによる)パレスチナ人の強制移住やガザの包囲、境界の画定を容認しない」と述べました。

ハマスの排除 非現実的だ」 トルコ大統領
 【イスタンブールー時事】トルコのエルドアン大統領は、イスラエルと交戦するハマスについて、「排除や破壊は現実的なシナリオではない」と述べ、パレスチナ自治区ガザでの統治を認めず壊滅を目指すイスラエルや米国に反対する姿勢を強調しました。大統領府が2日発表しました。
 エルドアン氏は、訪問先のアラブ首長国連邦(UAE)からの帰途に記者団に対し、ガザでの戦闘休止を「平和をもたらす好機だった」と指摘。「イスラエルの非妥協的な態度で当面(機は)失われてしまった」と戦闘再開を非難した上で、「ネタニヤフ(イスラエル首相)が犯した虐殺は歴史の汚点であり、彼を無条件に支援する国々にも残る」と語りました。
 ヱルドアン氏はガザでの人道危機の悪化を受けて、かねてイスラエルを「戦争犯罪を行うテロ国家」と糾弾。ハマスについては「他人が何と言おうとテロ組織とは認めない」と改めて擁護しました。
 この発言を受け、イスラエルのコーヘン外相は2日、X(旧ツイッター)で「ガザから逃れたハマスのテロリストを(トルコで)かくまえばいい」と反発しました。


ガザ南部 電話取材中響く爆発音 「これ以上は危険」
どこに逃げろと
                        しんぶん赤旗 2023年12月6日
【カイロ=秋山豊】イスラエル軍は4日、パレスチナ・ガザ地区南部への攻撃を強めました。イスラエルのガラント国防相は北部以上に大規模な攻撃となるとの見通しを表明しています。
 南部の中心都市ハンユニスには北部から逃れてきた人も多くいます。その一人のアリ・アブテイルさん(50)は4日、本紙の電話取材に、イスラエル軍が「ハンユニスは危険な戦闘地域だ」と書いて退避を命じるビラを空からまいていると話しました。
 アブテイルさんは「安全を求めてハンユニスに来たが、爆撃が続き、戦車も侵入してきた。死の危険がある状況で、どこにどう逃げろというのだ」と叫びました。
 ハンユニスの現地ジャーナリスト、タイシア・コデハさんは4日、本紙の電話取材に「イスラエル軍は戦闘機や偵察機、戦車、砲兵隊による激しい攻撃を加えながら、ハンユニスに部隊と車両の配を始めた」と語りました。
 コデハさんへのインタビュー中、激しい爆発音が立て続けに響き、助けを求める叫び声が電話越しに聞こえました。コデハさんは「爆撃が近い。これ以上は危険だ」と言って電話を切りました。
 イスラエル軍は4日午前、ガザ各地で夜通し200の標的を攻撃したと発表。ロイター通信は、ガザ保健当局の情報として1日に戦闘が再開して以降、約900人が空爆で殺されたと伝えました。
 他方、ハマスはハンユニスでイスラエル軍の車両2台と戦車を攻撃したとの声明を出しました。イスラエルメディアによると、地上侵攻を開始した10月下旬以降、イスラエル兵78人が死亡しています。


パレスチナ問題と日本共産党の立場 ガザ取材で見えたこと
                       しんぶん赤旗 2023年12月6日
「しんぶん赤旗」 カイロ特派員 秋山豊
 「しんぶん赤旗」カイロ支局の秋山豊特派員は1日に開かれた編集局の記者集会にビデオメッセージを送り、ガザ情勢を巡る取材活動について報告しました。パレスチナ問題での日本共産党の立場が現地でどのように受け止められ、取材活動にどう生かされているのかなど語りました。抜粋して紹介します。

 アラブの人びとの間では同盟国を擁護するときだけ国際法を口にする欧米の欺瞞(ぎまん)に対する怒り、米国に追従し停戦に背を向ける日本政府への失望が広がっています。ガザの人びとの尊厳をどう考えているのでしょうか。人が人をむごたらしく殺すことが毎日行われています。なぜ今すぐとめられないのでしょうか。人間への絶望に陥らないよう自分を必死にコントロールしています。「赤旗」の先輩がたに言われてきた「人びとの苦難あるところに日本共産党あり、『赤旗』あり」という言葉を自分に言い聞かせています。

信頼寄せ取材に
 日本共産党が国際法の観点からハマスの民間人殺害、イスラエルによるジェノサイドの危険を批判して即時停戦を求める立場、根本的な解決策としてイスラエルが占領地から撤退し、パレスチナの独立国家の樹立を認め、双方の平和的共存を求める立場は、カイロ支局の報道方針となっています。志位委員長の一連の談話を英訳し、スタッフに読んでもらい、議論しながら取材を進めてきました。
 支局スタッフのファタさんは「党の提案を読めば、ガザで起きている危機の根源に何があるのか見抜くことができる。この21世紀、国際法を踏みにじって占領を続けている国があるという事実だ」と言います。
 ファタさんは「ガザの人びとに取材するとき党の立場を必ず説明する」と言います。「ガザの人びとは党の立場を信頼して取材に応じてくれる。米CNNや英BBCの取材を拒否する人が多いと聞く。危機の根源にある問題を軽視し、イスラエルに偏っているとみられているからだ」
 ファタさんはガザの人びとに、「赤旗」に載った党の人道支援募金活動の写真を送っていると話し、「この写真を見たガザの人びとは謝意を示す。お金の問題ではない。遠く離れた日本の人びとが、ガザで何が起きているか、誰が被害者なのか理解し、連帯してくれることがうれしいのだ」と言います。

国際世論変える
 いま日本を含め、世界各地でイスラエルへの抗議デモが起きています。人びとは「パレスチナに自由を」「パレスチナの解放を」と叫んでいます。党の提案と同じくイスラエルに占領をやめさせ、パレスチナの独立を訴える声です。
 カイロ支局ではハマスに母親が誘拐されたイスラエル人のマヤさんにも取材しました。マヤさんはハマスへの強い怒りを語りながらも「民間人とハマスは違う。ガザでの民間人殺害には全面的に反対する。即時停戦を求め、将来はパレスチナとの共存を望む」と語りました。民衆による圧力は、各国政府の姿勢を変える力になるはずです。
 危機の背景には、イスラエルがヨルダン川西岸とガザを占領下におき、入植を拡大してきたことなどがあります。ガザでの危機が始まって以降、西岸でもイスラエル兵や入植者の暴力によるパレスチナ人の死者数が増加しています。イスラエルの無法行為が激化しています
 戦闘終結後、どの勢力がガザを統治するのかという問題もあります。イスラエルのネタニヤフ首相は、イスラエル軍による統治を示唆する発言をしています。しかし、支局スタッフのイスラムさんは「パレスチナの占領終結と独立国家樹立という問題をどう解決するのか真剣な議論を求める声が沸き起こる可能性がある。イスラエルに対する国際的な圧力は非常に強くなっている」と考えています。党が米国やパレスチナ、イスラエルなど各国大使級の要人や日本の上川外相と会談し、即時停戦を申し入れていることも、イスラエルへの圧力になっているはずです。
 日本からカイロにうれしいニュースも届きます。先日の中央委員会総会で、ガザでの危機を巡る党の姿勢に信頼を寄せ、入党をした人がいると報告されたことをスタッフと共に喜んでいます。イスラムさんは「党が、イスラエルによるガザの民間人殺戮(さつりく)に、明確に反対し、公正な立場を示していることが加入につながっている。私たちカイロ支局の報道がこれに貢献しているとしたら誇らしい。日本の読者に中東の現実を伝え、それに対する公正な立場を示す報道を続ける原動力になる」と話しています。

 ガザではいつ停戦が実現するかまだ分かりません。パレスチナ問題の解決となると、どれほど時間がかかるか分かりません。だけど、イスラエルによる国際法違反の無差別攻撃に苦しむ人びと、占領に苦しむ人びとの声を伝えることが『赤旗』の役割だと思っています。そしてカイロからの記事が、党大会に向けて強く大きな党づくりにすこしでも役にたてばうれしい。