2024年2月7日水曜日

UNRWA資金停止はガザ200万人の死命を制する

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)はガザ地区難民に特化した救済機関で、食料、水、日用品、薬などの生存に不可欠の物資を配ったり学校を運営するなどをしており、職員は約1万3000人。その運営費は各国の拠出金で賄われています。

 イスラエルの情報機関が、UNRWAの職員12人が10月のイスラエル奇襲に関与したという情報を米国に流したことを受けて、米国は運営資金の拠出を止め、日本を含めて西側諸国約10か国がそれに倣って拠出金を一時停止しました。
 その結果運営費の約6割が供給されなくなりました。これはUNRWAによって辛うじて命脈を保ってきたガザ地区の人々にとっては文字通り死活問題で、同地区の住民は時事通信の電話取材に「世界はわれわれを殺そうとしている。日本もその一員となったのか」と声を荒らげたということです

 グテレス国連事務総長は「ガザ市民200万人が、日々を生き延びるためにUNRWAの援助を必要としている」と指摘し、資金難で2月末にも活動中断を余儀なくされる恐れがあると危惧しています
 ところでハマスに協力した疑いを持たれている職員12人のうち1人は多数の死者が出たガザ境界に近い集団農場への襲撃に関与したとされほかイスラエルから女性を拉致したり、イスラエル兵の遺体をガザ内に運ぶのを手伝ったり、ハマスに対して弾薬を提供したりしたということです。
 しかしそのようにして、仮にUNRWAの職員の約0・1%が関与していたとしても、それによってガザ住民全員が食糧やクスリの途絶で生命を奪われても良いということにはなりません。それこそはハマス側の奇襲で数百人の命が奪われたことを口実にパレスチナ人200万人を絶滅すると叫ぶイスラエルや米国(とそれに同調する西側)の狂気の論理に共通するものです。
 敢えて言えば12人の行動が、ガザの住民の現状とイスラエル立国以降の歴史を良く知るがゆえの正義感に基づくものであったろうことは容易に推測されます。
 それにしても岸田政権になってからは、安倍晋三政権時と同様に中東の国々からの信頼を一挙に失うことになりました。多分本人には何の自覚もないことでしょうが。
 しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。
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ガザ子どもが熱 薬がない」 UNRWA資金停止 物資不足に嘆く
                        しんぶん赤旗 2024年2月5日
 【カイロ=秋山豊】イスラエル軍が攻撃を続けているガザで人道支援の中核を担ってきたのが、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)です。イスラエルを支持する米国に続き英国やドイツ、日本などが資金拠出停止を表明したことに対し、飢えに苦しみ、傷の治療もできずにいる民間人を死に至らせる決定だとの批判が出ています
 ガザ南部ラファに避難しているオンモムスタファさんは、雨が降るとテントが水浸しになり、酷寒のなか、夜はぬれた毛布で寝ていると言います。
 イスラエルによる封鎖で物資が圧倒的に足りません。彼女は本紙の電話取材に「子どもが熱を出し、せきこんでいるのに薬がない」と嘆きます。
 エジプトのトラック運転手でガザに支援物資を運び入れているハアニ・マハムードさん(42)は「ガザに入るとUNRWAの職員が積み荷をパレスチナ側のトラックに移して住民へと届けている。人びとの命綱の活動を妨げる国よ、恥を知れ」と怒ります。
 UNRWAは1月26日、ハマスが昨年10月7日に行ったイスラエル奇襲攻撃に職員が関与した疑惑の情報をイスラエル当局から受けたと発表しました。これを受け、米国はすぐに資金拠出の停止を表明。国際司法裁判所(ICJ)がイスラエルにガザでのジェノサイド(集団殺害)を防ぐよう命じた日のことでした。
 ガザの政治アナリスト、サラハ・アブダラアティさんは、イスラエルによる疑惑の主張と、米国による資金の拠出停止はICJが命令を出したことへの報復だと指摘。「UNRWAにイスラエルに反することをするなと強要しているのだ」と語りました。
 ガザのUNRWA職員約1万3000人のうち、ハマスの攻撃に関与が疑われているのは12人です
 ガザ在住で、いとこがUNRWA職員のサアミさんは「イスラエル軍はUNRWAの職員を大勢殺した。家を追われた職員、愛する人を殺された職員もいる。多くの職員は本当に困難な状況でも、命がけで住民に物資を届け、医療支援を行っている」と強調します。
 ガザ北部からカタールに避難して娘を治療するイマン・ジャベルさんは、砲撃で重傷を負った夫を病院に連れていったものの医療機器と薬が足りず、その命が尽きるのを見守るしかありませんでした。
 「UNRWAが妨害されればさらに多くの人命が奪われる。ガザの人道状況は非常に危険だ。せめて人間が生きるのになくてはならない水や食料、薬などを確保するよう国際社会に求める」


日本の拠出金一時停止 NGO撤回求める
                        しんぶん赤旗 2024年2月5日
 パレスチナ自治区ガザで食糧支援などを担う、国連パレスチナ難民救済事業機関(UN奎WA)の複数の現地職員の中に、イスラム組織ハマスのイスラエル奇襲攻撃犯関与した人物がいるとの疑惑で日本が米国などと足並みをそろえUNRWAへの資金の拠出一時停止を表明しています。ガザの人なりに死ねというのか長きにわたりガザヘ人道支援を行ってきた日本政府のこの判断の撤回を求めて非政府組織(NGO)団体や中東研究者らが声を上げています。(石橋さくら)

「活動の先に子どもの命ユ
 パレスチナ難民が生まれた1948年以降94年にパレスチナ自治政府ができるまで実質、無政府状態だったガザ地区で行政府機能を担い、教育、医療、緊急食糧支援などの社会福祉を提供してきたのがUNRWAです

社会福祉を担う
 2007年以降、イスラエルはガザを封鎖し、人、モノの移動を制限。住民の8割が1日300円以下で生活する貧困ラインに追い込まれています。テロ組織と指定されるハマスが実効支配するガザ政府に国際社会からの支援金の提供が止められる中で、UNRWAが引き続き社会福祉を提供する重要な役割を担っています。
 UNRWAはこれまでガザで
 ▽284の学校を運営し、29万人以上の子どもに小唄学校の初等教育を提供
 22カ所の診療所で基礎医療を提供
 100万人に食料と生活費の支給
などに従事。パレスチナ自治区の他、ヨルダンやシリアなど広範な地域で難民支援を行っています。
 UNRWAの予算の歳入の内訳を見ると国連は全体のわずかで、各国による拠出金で運営。来国が最大の拠出金提供国で、日本これまで安定した拠出金を提供してきました。1月30日現在で日米をはじめ、ドイツ、スウェーデン、フランス、スイスなど18の国・地域が一時停止を決定。これにより運営資金の大きな損失が見込まれます。
グラフ省略

「集団的懲罰」に
 日本政府の拠出金停止撤回を求めNGO団体らは1日に国会内で緊急集会を開催。西南学院大学の根岸陽太准教授は、拠出金一時停止は国際法違反の「集団的懲罰」にあたる可能性があると指摘しました。
 慶応義塾大学の錦田愛子教授は、開戦後のガザでの死者数は2万5千人を超え、85の住民が家を追われるなど最悪な人道危機に陥っていると強調。資金提供の継続を表明したノルウェーのアイデ外相の「この深刻な人道状況でUNRWAへの資金が削減されることの影響の大きさを考えるべきだ。われわれは何百万人もの人々を集団的に罰するべきではない」との言葉を紹介しました。
 53年からガザでの支援活動を行っているNGO団体「セープ・ザ・チルドレン・ジャパン」の金子由佳氏は、ガザヘの空爆が起きるたびに設置するシェルター(避難所)の運営や子どもたちの心のケアなどもUNRWAが行い、支援に入るさまざまなNGO団体などの窓□にもなっていると実態を紹介。「UNRWAの役割に代わりはない」「活動の先には子どもたちの命がある」と力を込めました。
 また、「パレスチナの人は、国連安保理決議などでの世界の判断を見ている。現地の人から、日本の判断は『残念だ』との声も耳に入る」と話し、「これまで日本が築いてきた信頼関係にも影響してしまう」と指摘しました。
 UNRWAのラザリーニ事務局長は1日、「米国など主要国の資金拠出が再開されなければ2月末までにガザだけでなく、地域全体での活動が停止を余儀なくされる」と危機を訴えました。平和国家として、命を何よりも優先する外交の立場を貫けるか、日本の姿勢が問われています。

07- ウクライナ戦争をこれ以上、長引かせる意味はない(孫崎享氏)

 ウクライナのゼレンスキーはウクライナ戦争が劣勢にあることをようやく認めたのはいいのですが、国民の人気が高いザルジニー総司令官を更迭すると明言したようです。
 しかしTVタレント出身のゼレンスキーはパフォーマンスだけは見事ですが、現状を正しく認識した上で今後どうするべきかについて正確に判断できるとは思えません。
 このまま米国の望むがままに戦争を継続する道を進むことに「わが身を守る」メリットはあるでしょうが、リーダーたる者 国民に無駄死にを強要する道を採るべきではありません。
 外交評論家の孫崎享氏が「ウクライナ戦争をこれ以上、長引かせる意味はない」という記事を出しました。
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日本外交と政治の正体 孫崎享
ウクライナ戦争をこれ以上、長引かせる意味はない 
                         日刊ゲンダイ 2024/02/01
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 過去の戦争は「銃と銃」「大砲と大砲」の戦いであり、そこに戦車や爆撃機が加わっていたが、ウクライナ戦争は様相を変えた。
 ロシア軍が侵攻した際、ウクライナは携行式の対戦車ミサイル、対ヘリコプターや対爆撃機ミサイルを活用し、ロシアの攻撃を撃退した。
 ウクライナはドローン(無人機)を活用。上空から戦場や基地を調査し、攻撃目標を特定。この情報をもとに低空飛行で機動性の高いドローンやミサイルが攻撃するという2段階の戦法を取った。
 ウクライナはロシアの戦力を上回り、黒海でロシア海軍を撃破。首都モスクワでプーチンの居住地周辺まで攻撃した。

 だが今や潮目は変わった。ロシアはイランと無人機を共同開発し、国内を戦時経済に移行させ、ドローンの質と量でウクライナを凌駕し始めた。
 ロシアはオルラン10(監視無人機)とランセット(攻撃無人機)という2種の国産無人機を組み合わせて使用している。
 ドローン攻撃には通信が不可欠。ウクライナにはイーロン・マスク率いるスペースXの「スターリンク」ネットワークが貢献したが、ロシアはこの通信を妨害する技術も確立した

 現在、ドローンはウクライナ東部の前線に集中している。ロシアは戦場を調査し、遠くから目標を特定し、低空飛行で機動性の高いドローン操作に敵の位置を伝える。
 攻撃型ドローンは前線で、安全な距離から密度の高い攻撃を行う。ドイツが提供した欧州最強の戦車レオパルト2は、ほぼ全て破壊、または損傷を受けて前線にいない。
 さらにロシアは、一時途絶えていた首都キーウや第2の都市ハルキウに対してミサイルや無人機での攻撃を強めている。
 ウクライナはパトリオットなどの迎撃ミサイルを使用しているが、パトリオットは攻撃型無人機の100倍以上の価格である。
 ウクライナは武器の量と質を米国に依存している。その米国では、予算の先議権がある下院で多数を占める共和党がウクライナへの軍事支援に慎重姿勢を示している。

 日本国民の多くは、米国などNATO諸国の軍事支援を受けているウクライナが負けることはないと思ってきたが、ロシア撃退という目的の実現は不可能だ。ロシアは日々、基地攻撃を行っており、死者の数を見ると、ウクライナ兵がロシア兵よりも上回ってきた。戦争をこれ以上、長引かせる意味はない

孫崎享 外交評論家
1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。

2024年2月5日月曜日

岸田首相が死守する「企業団体献金」は事実上の賄賂・経団連の大口献金と優遇政策(LITERA)

 LITERAが掲題の記事を出しました。
 岸田首相は「裏金」問題が沸騰する中でも決して企業団体献金を廃止するとは言いません。
 自民党への企業団体献金は1950年代半ばからシステム化されていて、経団連が政治献金の窓口となって企業や団体に献金額を割り振ってきたのでした。
 どんなに歴史が古かろうとダメなものはダメです。そもそも1994年に政党交付金制度が生れたのが企業・団体などから政党・政治団体への政治献金を制限する代償としてであった経過を見れば、大々的に企業献金が野放しにされている現状は異常です。
 歴代自民党政権による企業献金への見返りの優遇策は数えきれませんが、23年度の企業内部留保が511兆円に達したことがすべてを物語っています。
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裏金に反省なし、岸田首相と自民党が死守する「企業団体献金」は事実上の賄賂だ! トヨタ、電通、経団連の大口献金と優遇政策
                             LITERA 2024.02.03
 安倍派「裏金」が5年で計6億7654万円にものぼることが判明した一方、安倍派幹部の連中はその重罪をまったく反省していないらしい。政治資金収支報告書の訂正を受けて安倍派として会見することを拒否したからだ。
 安倍派幹部が揃って議員辞職を拒否しているだけでも言語道断だが、説明の場である会見すら拒否するとは……。しかし、反省がないのは岸田文雄首相および自民党も同じだ。

 それを象徴するのが「裏金」という表現に対する“言葉狩り”だ。たとえば、衆院本会議の代表質問で立憲民主党の泉健太代表が「(政務官)2人が裏金をもらっていたことが新たに発覚した」と言及しただけで、自民の議院運営委員会の理事が壇上に上がって抗議。参院予算委員会でも、野党議員が用意したパネルに「裏金」と書かれていることまで自民の理事が問題視したという。
 政治資金収支報告書に記載していなかった金は「裏金」にほかならない。それをしゃあしゃあと「裏金と言うな!」と騒ぎ立てるとは厚かましいにもほどがある。ようするに、いまだに何も反省していないのだ。
 こんな状態では、自民党が真っ当な政治責任をとることなど望めそうもないが、それは岸田首相の「政治改革」も同様だ。

 実際、岸田首相は、連座制の導入について「議論」することを示したぐらいで、事実上のヤミ金となっている政策活動費の廃止・見直しにも後ろ向きの姿勢をとっている。
 しかも、最大の問題は、野党が突きつけている「企業・団体献金の禁止」を、最高裁判決まで持ち出して「政党が(企業・団体献金の)受け取りをおこなうこと自体が不適切なものとは考えていない」と全否定したことだ。
 言っておくが、企業・団体による献金は、1994年に細川連立政権が成立させた「政治改革関連法」で政党交付金制度の導入と引き換えに禁止・見直しが付則として決定したものだ。しかし、小渕恵三政権が1999年の法改正で政治家個人への企業・団体献金は禁止したものの、政党や議員が代表を務める政党支部への献金の見直しについては反故にしてしまった。政治改革を謳うのであれば、岸田首相はいまこそ一丁目一番地で企業・団体献金の全面禁止、企業・団体へのパーティ券販売禁止を打ち出すべきなのだ。
 ところが、企業・団体献金の禁止だけは絶対拒絶の強気の姿勢を見せた岸田首相。この姿勢に対しては、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)の玉川徹氏も、「(岸田首相の)防衛ラインはどこかっていったら、企業・団体の献金ですよ」と指摘している。

自民党への企業・団体献金は24億円超!“政策を金で買う”大口献金企業を優遇
 岸田首相が何がなんでも死守しようと必死になっている、政党への企業・団体献金。だが、それも当然だろう。
 というのも、朝日新聞が2021年分の政治資金収支報告書を精査したところ、企業・団体献金を受けた自民党の議員が代表を務める政党支部は321支部、計約31億2000万円にものぼっている
 さらに、自民党の政治資金団体「国民政治協会」の2022年分の政治資金収支報告書を見ると、収入である約29億円のうち約24億5000万円が企業・団体からの献金だった。1000万円以上の大口献金をおこなった大企業と業界団体は62にもおよんでいる。
 そして、自民党は大口献金をしてくれる大企業を優遇し、持ちつ持たれつの関係を築くことでその権力を維持してきたのだ。
 たとえば、企業単体で自民党への献金額がもっとも多かったのは、トヨタ自動車と経団連会長の十倉雅和氏がトップを務める住友化学の5000万円だが、トヨタはグループ会社の日野自動車やダイハツ工業、デンソーなどの献金額も含めると1億1000万円にものぼる。業界団体で最高額だったのは日本自動車工業会の7800万円だった。
 このように自動車企業・業界から巨額の献金を受け取ってきた一方で、岸田政権は昨年6月、トヨタ自動車に対してEV向け電池の開発・生産計画に約1200億円の補助金を出す方針を決定。また、2022年12月には、日本自動車工業会が要望していた「エコカー減税」の延長を決めた

 さらに、防衛産業も自民党の大口献金企業の常連だ。岸田首相は防衛費を43兆円に増額することを決めたが、防衛省が買い上げる防衛装備品を生産する三菱重工業は3300万円を献金。同じく防衛省と契約する伊藤忠アビエーションや伊藤忠エネクスの親会社である伊藤忠商事は2800万円を献金している。また、岸田首相が推進を打ち出している原発関連でも日立製作所が3500万円を献金。岸田政権が強行するマイナンバー制度で関連事業を請け負う日本電気と富士通も、それぞれ1800万円を献金している。
 もっと露骨なのが電通だ。ご存知のとおり、コロナ禍の持続化給付金事業でも中抜き批判が巻き起こり、東京五輪をめぐる談合事件でも電通グループが独禁法違反の罪に問われているが、電通は480万円を献金。さんざん国との癒着が問題となったにもかかわらず、懲りることもなく与党・自民党に献金をつづけているのである。

安倍政権で復活した経団連による“政治献金の斡旋” 「政策評価」をもとに会員企業に献金促し
 大口献金をしてくれる大企業を優遇し、税金を使って政策でお返しする自民党──。国民生活は蚊帳の外、自民党と大企業だけが潤う歪なシステムの元凶にあるのは、経団連の存在だ。
 経団連は毎年「主要政党の政策評価2022」(政策評価)なるものを公表している。これはおもに政権・与党の政策が財界の要望に沿っているかどうかを検証するもので、経団連の会員企業・団体が献金をおこなう際の参考資料となってきた。つまり、政策をカネで買おうというのだ。

 たとえば、2022年の「政策評価」によると、原発再稼働や次世代革新炉の開発・建設を含む「グリーントランスフォーメーション(GX)の加速」やマイナンバー制度の利活用の推進を含む「デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進」などを評価する項目として挙げている。まさしく、自民党への大口献金企業の事業内容と重なるものだ。
 自民党と大企業の癒着を支える“諸悪の根源”、事実上の経団連による政治献金の斡旋ともいえる「政策評価」。しかも、この「政策評価」の影響度が増し、自民党と大企業の癒着がさらに強固なものになったのは、第二次安倍政権でのことだ
 そもそも経団連は、1950年代半ばから自民党への政治献金の窓口となり、企業や団体に献金額を割り振ってきた。だが、リクルート事件やゼネコン汚職などの金権政治批判を受け、1993年に非自民の細川連立政権が誕生すると政治献金の斡旋を中止。これが復活したのは、小泉純一郎政権時の2004年のことだった。政界への影響力を再び取り戻すべく、トヨタの奥田碩氏が会長を務めていた経団連は「政策評価」をもとに会員企業に献金を促すようになったのだ。
 しかし、2009年に民主党政権が発足すると、民主党が企業・団体献金の禁止を公約に掲げていたことから、経団連は「政策評価」を中止し、献金の斡旋をやめた

安倍政権の大企業優遇棄民政策 国民は賃金上がらず搾り取られる裏で献金の見返りに法人税下げ続け
 しかも、経団連の政治献金の斡旋による自民党との癒着関係は、献金をおこなった個別の大企業の優遇政策を引き起こしただけではない。それは、安倍政権が献金斡旋の見返りとして法人実効税率を引き下げつづけたことだ。
 2014年、経団連の新会長に東レの榊原定征氏が就任したが、榊原氏は会長就任の前日の同年6月2日に「政治献金の斡旋もあらためて検討し、年内に方向を打ち出したい」と言及。すると、この発言の翌日、自民党税制調査会は経団連が要求してきた法人実効税率を引き下げる方針を決定。安倍首相も6日に「来年度から引き下げる」と明言したのだ。その後、法人実効税率は政権発足時の37%から29.74%(2018年度)にまで引き下げられたのである。

 経団連が政治献金を増やすと、その見返りに安倍政権は法人実効税率を引き下げ、そのぶんを消費税につけまわす。そして大企業は賃金上昇ではなく内部留保を増やし、安倍政権にさらに献金する……。つまり、自民党と大企業が癒着し互いに私腹を肥やす一方で、国民生活は置き去りにされただけでなく、どんどんと搾り取られていくかたちとなったのだ。その延長線上に岸田政権があり、癒着関係は脈々と受け継がれているのである。
 ちなみに経団連は、消費税のさらなる増税をはじめ、社会保険料や自己負担の引き上げなども提言している。今回の政治改革で、岸田首相が「企業・団体献金の禁止」を突っぱねれば、今後も自民党政権は多額の献金を見込んで経団連の言いなりとなり、国民生活はさらに追い込まれていくことになる

 玉川徹氏は「企業・団体献金を禁止できるかどうかというのが肝だってことを、われわれ国民側が意識しておかないとダメ」と強く訴えていたが、カネで政策を買うという金権腐敗を、このまま温存させるわけにはいかない。そのためにも、世論が厳しく岸田政権の姿勢をただしていく必要があるだろう。  (編集部)

「私の税金で子どもを殺すな」 米首都で政府に抗議/EU職員1500人がEU首脳を批判

 ワシントンで1日、米政府のイスラエルの軍事支援に反対し、停戦を求める行進が行われました。若者ら参加者は、「私の税金を使って子どもを殺すなジェノサイド(集団殺害)正当化できるものは何もい」などと書かれたプラカードを掲げ「今すぐ停戦を」「パレスチナに自由を」と声を上げました。

 また1日の欧州連合(EU)首脳会議に先立ち、EU職員1500人以上が、EUの首脳がパレスチナ自治区ガザでの平和、人権擁護、国際法順守の保障に貢献するというEU条約に基づく法的義務を巣たすよう求めEU指導部がその模範を示すことを期待しているとする共同書簡を発表しました。

 米国やEUの指導部のイスラエル寄りの姿勢が多くの人たちの反感を買い批判を浴びていることが明らかになりました。実際EUの指導部が米国に盲従している姿は異常です。
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私の税金で子どもを殺すな 米首都で政府に抗議
                        しんぶん赤旗 2024年2月3日
 【ワシントン=石黒みずほ」イスラエルがパレスチナ自治区ガザの侵攻を続ける中、米首都ワシントンで1日、米政府のイスラエルの軍事支援に反対し、停戦を求める行進が行われました。若者ら参加者は、「今すぐ停戦を」「パレスチナに自由を」と声を上げました

ガザ停・軍事支援中止要求
 行進は「パレスチナ若者運動」など複数の団体が主催しました。行進の前に行われた集会では
  ▽永続的な停戦
  ▽米政府によるイスラエルヘの軍事支援の中止
  ▽国運パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金拠出停止の撤回
-などの要求項目が読み上げられました。
 参加者は、パレスチナの旗やアラブの伝統的頭巾クフィーヤを身につけて帯を表明。「私の税金を使って子どもを殺すなジェノサイド(集団殺害)正当化できるものは何もい」などと書かれたプラカードを掲げました
 行進は通勤者が多い早朝に行われました。同じ時帯には、活動家らが政府員らも利用する域内5カの主要進路を封鎖。ガザでのジェノサイドに加担する米政府への抗議の意を示しました。
 行進に参加した大学の研究員(24)は「私たち米国民は、ガザで起きている残虐行為の共犯者となっいる。世界で覇権主義的な行動をとってきた政府に抗議し、全ての国が自由になるまで声をあげたい」と話しました。

「対イスラエル武器禁輸を」
EU職員1500人 首脳に要求
 1日の欧州連合(EU)首脳会議に先立ち、EU職員1500人以上が、EUの首脳がパレスチナ自治区ガザでの平和、人権擁護、国際法順守の保障に貢献するというEU条約に基づく法的義務を巣たすよう求める共同書簡を発表しました
 これを報じたネットメディア「EUオブザーバー」は、ガザ問題ででEUイスラエル支持政策をとっていることに対する「職員の中にある怒りと憤慨の最新の兆候だ」と指摘しました。
 書簡は現議長国ベルギーのデクロー首相宛て。昨年10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエル襲撃以来、ガザで殺害された人々の数は「欧州委員会の全職員の数にほぽ等しい」とし、「EUの職員、EUの市民として、EU指導部がEU条約を順守する模範を示すことを期待している」と述べています。
 書簡は、イスラエルに対する武器の禁輸、EUとイスラエルの協力協定の停止などを要求。イスラエルが国際法上の義務を順守するようEU首脳はこれまで働きかけてこなかったと批判しています。
 書簡はまた、ウクライナ侵略をめぐってEUがロシアに行だ同様の措置をイスラエルにとることによって、同国の現在の軍事行動を終わらせるための影響力を行使すべきだ、と述べています

 昨年10月、フォンデアライエン欧州委員長がイスラエルに対する「強く即時の支持」を表明した際、800人以上のEU職員が懸念を表明。同12月には、職員による興例の座り込みの抗議行動も行われました。 

イスラエル支援は「国際人道法違反」/米、親イラン組織空爆 「報復を継続」と

 欧米12カ国の政府や欧州連合(EU)で働く職員800人余りが2日、ガザでの大虐殺をめぐり、無条件、説明責任なしにイスラエルを支援する自国政府が「国際人道法の重大な違反に加担している」と非難し、停戦を求める共同声明を出しました。
 そうした姿勢は自らの道徳的立場を弱め、国際社会で自由・正義・人権のために立ち上がる力を衰退させている」と訴え国際司法裁判所による停止命令をイスラエル迅速かつ完全な実行を促すよう求めました。

 またヨルダンで無人機攻撃米兵3人が殺害されたことの報復として米軍は、イラクとシリアで親イラン武装組織の拠点への空爆を開始しバイデンは2日の声明で「反撃はきょう始まった。われわれが決めるタイミングと場所で継続する」と表明しました。それは米本土から発進する長距離爆撃機を含む大掛かりなもので、シリアイラク7施設の85カ所超を30分以上にわたり空爆しました。
 米シンクタンクトリタ・パーシ氏は2日、Xで「バイデン氏自身が避けたいと言っている戦争に米国を巻き込むだけだ」と批判し、「停戦こそが米軍への攻撃を減らす」と強調しました。
 共産党の志位和夫議長は3日、Xにいかなる理由であれ、米軍に報復と称して他国領土に対する攻撃を行う権利は与えられておらず、この行動は国連憲章と国際法への重大な違反である」と批判しました。

 ハムラビ法典の「目には目を歯には歯を」の文言は「報復の仕方やその程度は 受けた被害と同じくらいでなければならない」という合理的・常識的なものです。イスラエルや米国は「報復を口実にすれば何でも許される」と考えているようですが余りにも身勝手です。桁外れの報復は明らかな犯罪です。
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イスラエル支援の欧米 「国際人道法違反に加担」 12カ国の政府職員ら声明
                         しんぶん赤旗 2024年2月4日
 【ワシントン=石黒みずほ】欧米12カ国の政府や欧州連合(EU)で働く職員が2日、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの軍事侵攻をめぐり、イスラエルを支援する自国政府が「国際人道法の重大な違反に加担している」と非難し、停戦を求める共同声明を出しました。

国際司法裁判断の実行促せ
 声明には、米国、英国、ドイツ、フランス、オランダ、スウェーデン、フィンランドなどの公務員が参加。米メディアによると、800人以上が賛同しています。
 声明は、イスラエルがガザでの際限のない攻撃で多数の民間人犠牲者を出し、意図的に支援を妨げることで人道的惨事を引き起こしていると指摘しました。その上で「私たちの政府は、無条件、説明責任なしにイスラエルを支援し、人道的惨事に直面しても即時停戦を求めなかった」と批判。自国政府の対イスラエル政策は「彼らの道徳的立場を弱め、国際社会で自由・正義・人権のために立ち上がる力を衰退させている」と訴えました。
 各国政府に対し、ガザでのジェノサイド(集団殺害)を防ぐよう命じた国際司法裁判所(ICJ)の判断について、イスラエルに対し迅速かつ完全な実行を促すよう要求。恒久停戦、ガザでの人道支援や全ての人質の解放を実現するため、全ての力を行使するよう求めました。


米、親イラン組織空爆 イラク・シリア7施設 「報復を継続」
                        しんぶん赤旗 2024年2月4日
 【チャールストン(米南部サウスカロライナ州)=島田峰隆】米軍は2日、ヨルダンで米兵3人が殺害された無人機攻撃への報復だとして、イラクとシリアで親イラン武装組織の拠点への空爆を開始したと発表しました。イラン国内への攻撃は避けたものの、米軍の行動は中東地域の緊張をますます高める危険があります。
 バイデン大統領は2日の声明で「反撃はきょう始まった。われわれが決めるタイミングと場所で継続する」と表明しました。
 米政府の発表によると、米国を出発した長距離爆撃機などがイラン革命防衛隊や親イラン武装勢力が使う7施設の85カ所超を30分以上にわたり空爆しました。7施設のうち四つはシリア、三つはイラクにありました。
 イスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が始まった昨年10月7日以降、米軍はイラク、シリア、ヨルダンで160回以上の攻撃を受けています。
 米外交政策のシンクタンク、クインシー研究所のトリタ・パーシ副所長は2日、X(旧ツイッター)で「パレスチナのガザでの停戦抜きにはバイデン氏の戦略は中東地域の緊張をさらに高め、バイデン氏自身が避けたいと言っている戦争に米国を巻き込むだけだ」と批判。「停戦こそが米軍への攻撃を減らす」と強調しました。
 ヨルダンの駐留米軍は1月28日に無人機攻撃を受けました。米政府はイラクの親イラン武装組織の連合体「イラクのイスラム抵抗運動」による犯行だと断定していました。


米、親イラン組織空爆 重大な国連憲章違反
                        しんぶん赤旗 2024年2月4日
志位議長
 日本共産党の志位和夫議長は3日、米軍が2日にシリアとイラクで親イラン武装組織の拠点を空爆したことを受け、X(旧ツイッター)に投稿しました。

 米中央軍は、ヨルダンの米軍施設への攻撃への報復として、イラクとシリアで攻撃を開始した。いかなる理由であれ、米軍に報復と称して他国領土に対する攻撃を行う権利は与えられておらず、この行動は国連憲章と国際法への重大な違反である。
 バイデン大統領は報復攻撃を続けるとの声明を発表しているが、中東地域の情勢のさらなる不安定化をもたらすことが強く危惧される。米軍に対して中東での軍事行動の拡大の即時中止を強く求める。