2024年2月5日月曜日

イスラエル支援は「国際人道法違反」/米、親イラン組織空爆 「報復を継続」と

 欧米12カ国の政府や欧州連合(EU)で働く職員800人余りが2日、ガザでの大虐殺をめぐり、無条件、説明責任なしにイスラエルを支援する自国政府が「国際人道法の重大な違反に加担している」と非難し、停戦を求める共同声明を出しました。
 そうした姿勢は自らの道徳的立場を弱め、国際社会で自由・正義・人権のために立ち上がる力を衰退させている」と訴え国際司法裁判所による停止命令をイスラエル迅速かつ完全な実行を促すよう求めました。

 またヨルダンで無人機攻撃米兵3人が殺害されたことの報復として米軍は、イラクとシリアで親イラン武装組織の拠点への空爆を開始しバイデンは2日の声明で「反撃はきょう始まった。われわれが決めるタイミングと場所で継続する」と表明しました。それは米本土から発進する長距離爆撃機を含む大掛かりなもので、シリアイラク7施設の85カ所超を30分以上にわたり空爆しました。
 米シンクタンクトリタ・パーシ氏は2日、Xで「バイデン氏自身が避けたいと言っている戦争に米国を巻き込むだけだ」と批判し、「停戦こそが米軍への攻撃を減らす」と強調しました。
 共産党の志位和夫議長は3日、Xにいかなる理由であれ、米軍に報復と称して他国領土に対する攻撃を行う権利は与えられておらず、この行動は国連憲章と国際法への重大な違反である」と批判しました。

 ハムラビ法典の「目には目を歯には歯を」の文言は「報復の仕方やその程度は 受けた被害と同じくらいでなければならない」という合理的・常識的なものです。イスラエルや米国は「報復を口実にすれば何でも許される」と考えているようですが余りにも身勝手です。桁外れの報復は明らかな犯罪です。
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イスラエル支援の欧米 「国際人道法違反に加担」 12カ国の政府職員ら声明
                         しんぶん赤旗 2024年2月4日
 【ワシントン=石黒みずほ】欧米12カ国の政府や欧州連合(EU)で働く職員が2日、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの軍事侵攻をめぐり、イスラエルを支援する自国政府が「国際人道法の重大な違反に加担している」と非難し、停戦を求める共同声明を出しました。

国際司法裁判断の実行促せ
 声明には、米国、英国、ドイツ、フランス、オランダ、スウェーデン、フィンランドなどの公務員が参加。米メディアによると、800人以上が賛同しています。
 声明は、イスラエルがガザでの際限のない攻撃で多数の民間人犠牲者を出し、意図的に支援を妨げることで人道的惨事を引き起こしていると指摘しました。その上で「私たちの政府は、無条件、説明責任なしにイスラエルを支援し、人道的惨事に直面しても即時停戦を求めなかった」と批判。自国政府の対イスラエル政策は「彼らの道徳的立場を弱め、国際社会で自由・正義・人権のために立ち上がる力を衰退させている」と訴えました。
 各国政府に対し、ガザでのジェノサイド(集団殺害)を防ぐよう命じた国際司法裁判所(ICJ)の判断について、イスラエルに対し迅速かつ完全な実行を促すよう要求。恒久停戦、ガザでの人道支援や全ての人質の解放を実現するため、全ての力を行使するよう求めました。


米、親イラン組織空爆 イラク・シリア7施設 「報復を継続」
                        しんぶん赤旗 2024年2月4日
 【チャールストン(米南部サウスカロライナ州)=島田峰隆】米軍は2日、ヨルダンで米兵3人が殺害された無人機攻撃への報復だとして、イラクとシリアで親イラン武装組織の拠点への空爆を開始したと発表しました。イラン国内への攻撃は避けたものの、米軍の行動は中東地域の緊張をますます高める危険があります。
 バイデン大統領は2日の声明で「反撃はきょう始まった。われわれが決めるタイミングと場所で継続する」と表明しました。
 米政府の発表によると、米国を出発した長距離爆撃機などがイラン革命防衛隊や親イラン武装勢力が使う7施設の85カ所超を30分以上にわたり空爆しました。7施設のうち四つはシリア、三つはイラクにありました。
 イスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が始まった昨年10月7日以降、米軍はイラク、シリア、ヨルダンで160回以上の攻撃を受けています。
 米外交政策のシンクタンク、クインシー研究所のトリタ・パーシ副所長は2日、X(旧ツイッター)で「パレスチナのガザでの停戦抜きにはバイデン氏の戦略は中東地域の緊張をさらに高め、バイデン氏自身が避けたいと言っている戦争に米国を巻き込むだけだ」と批判。「停戦こそが米軍への攻撃を減らす」と強調しました。
 ヨルダンの駐留米軍は1月28日に無人機攻撃を受けました。米政府はイラクの親イラン武装組織の連合体「イラクのイスラム抵抗運動」による犯行だと断定していました。


米、親イラン組織空爆 重大な国連憲章違反
                        しんぶん赤旗 2024年2月4日
志位議長
 日本共産党の志位和夫議長は3日、米軍が2日にシリアとイラクで親イラン武装組織の拠点を空爆したことを受け、X(旧ツイッター)に投稿しました。

 米中央軍は、ヨルダンの米軍施設への攻撃への報復として、イラクとシリアで攻撃を開始した。いかなる理由であれ、米軍に報復と称して他国領土に対する攻撃を行う権利は与えられておらず、この行動は国連憲章と国際法への重大な違反である。
 バイデン大統領は報復攻撃を続けるとの声明を発表しているが、中東地域の情勢のさらなる不安定化をもたらすことが強く危惧される。米軍に対して中東での軍事行動の拡大の即時中止を強く求める。