2017年9月28日木曜日

市民連合が総選挙へ4野党と共通政策確認

総選挙へ共通政策確認 市民連合が4野党と
しんぶん赤旗 2017年
「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)は26日、日本共産党、民進党、自由党、社民党の野党4党に対し、次期衆院選での野党のたたかい方と政策に関する要望書を提出しました。

 要望書では、安倍晋三首相が表明した臨時国会冒頭解散について、「言論に基づく議会政治を否定し、立憲民主主義を破壊する暴挙」だと批判。その上で、立憲主義の原理を共有する4野党が、小選挙区で地域事情を勘案し、候補者をできる限り調整することで「与野党1対1の構図」をつくり、「国民に憲政と民主主義を擁護する選択肢を提供する責任があります」と強調しました。
 要望する政策は、9条改定への反対や、安保法制、共謀罪法などの廃止、福島第1原発事故の検証のないままの再稼働を認めないことなど、7項目にわたって提示。4野党がこれらの政策を重く受け止め、「安倍政権を倒すという同じ方向性をもって、全力で闘うことを求めます」としました。

 4野党への要請後、市民連合は国会内で記者会見し、山口二郎法政大学教授は「野党の候補者一本化に向けて、各党の明確な意思が確認できた」と述べました。各党の対応として「要望された政策の実現、総選挙での与野党1対1の構図に向けてできることを全力でやりたい」(民進)、「要望は全面的に賛同、共有したい」(自由)、「政策についてはわが党も共有する」(社民)などの回答があったと説明しました。
 日本共産党は、小池晃書記局長、こくた恵二国対委員長・選対委員長が国会内で応対し、小池氏は「いままでの野党や市民の話し合いの積み重ねが結実した中身です。すべて実現する立場で選挙に全力でのぞみたい」と表明。「総選挙をたたかう旗印にし、さらに、選挙戦の中でより豊かなものにしていきたい」と語りました。

 市民連合は、4野党が結束して安倍政権と対決していく姿を示すため、10月1日に市民連合主催の街頭宣伝を開き、4野党の代表を招きたいとしました。

●市民連合の要望書(骨子)
1 安倍政権が進めようとしている9条改正への反対
2 特定秘密保護法、安保法制、共謀罪法などの白紙撤回
3 福島第1原発事故の検証のないままの原発再稼働を認めない
4 森友・加計学園、南スーダン日報隠蔽(いんぺい)の疑惑を徹底究明
5 保育、教育、雇用に関する政策を飛躍的に拡充
6 8時間働けば暮らせる働くルールを実現し、生活を底上げする経済、社会保障政策を確立
7 LGBT(性的マイノリティー)への差別解消施策、女性に対する雇用差別や賃金格差の撤廃など

市民連合の「衆議院議員総選挙における野党の戦い方と政策に関する要望」
 前記「市民連合の要望書(骨子)」と共通するため省略します。

小池新党と消費税増税阻止政策連合の可能性(植草一秀氏)

 植草一秀氏は政策基軸、超党派、主権者主導を基本とする「オールジャパン 平和と共生」を作った人で、「野党共闘」よりも「政策共闘」、「市民連合」ではなく「政策連合」が重要だとしています。

 同氏は、現状を
民進党が迷走を続けて、安倍政治を退場させる道筋がまったく見えなくなり始めた。民進党が消費税増税を唱えて総選挙に挑む以上、この勢力に勝利の可能性は皆無であると言ってよい
と見ています。
 そして小池都知事が「希望の党」の党首として登場したことについては
これまで日本支配勢力は、革新勢力の結集を阻止するために、人為的に第三極勢力を構築しようと腐心し、過去 渡辺喜美氏 江田憲司氏 橋下徹氏 石原慎太郎氏起用してきたが、これらの人物では期待された成果が十分に上がらなかった。そして最後に起用したのが小池百合子氏でこれまでのところは期待通りの成果を上げているのである
とし、さらに
この基本図式を正確に理解しておくことが必要であるが、しかし、ものごとを成し遂げるには「多様なプロセス」があり得るし、現実の対応においては、プラグマティック=現実的・実利的な対応が必要である。
 現時点での最優先課題は、暴走を続ける安倍政治を退場させることだ。これを最優先課題に位置付けるなら、仮に呉越同舟になろうとも、安倍やめろ!野党共闘を構築して、安倍政治を打倒することは検討に値する
と述べました

 そして
小池氏の新党立ち上げ会見で、最も注目に値することは、消費税増税凍結原発ゼロを打ち出したことだ。安倍やめろ!野党共闘消費税増税凍結』『原発ゼロを基軸に政策連合を構築することはあり得ない選択肢ではない。
 消費税問題については、一歩進めて消費税率5%へのリセットを打ち出すべきだろう。
 同時に原発稼働問題に対する主権者の関心も極めて強い。小池国政新党の本格登場により、衆院選構図が激変する可能性が浮上し始めている
と述べました。

 経済学者である植草一秀氏は、今回総選挙で「消費税再増税」勢力が多数を占めてしまえば、201910月の消費税率10%は確定的な情勢になってしまうとして、
「そうなれば日本経済の文字通りの自殺行為になる
と警告しています。
 これは植草氏がこれまで一貫して警告して止まなかったもので、この深刻な危機感がこれらの発想の背景にあると思われます。

 ここに書かれている植草氏の主張は、別掲の日刊ゲンダイの記事:「~野党は悪魔とでも組む覚悟で退陣させるべき」と、期せずして軌を一にするものです。

 植草一秀の「知られざる真実」を紹介します。
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小池新党と消費税増税阻止政策連合の可能性
植草一秀の「知られざる真実」 2017年9月26日
(阿修羅 市村 悦延投稿 ·26th Sep 2017より転載)
小池国政新党が小池百合子氏主導で動くことになった。
安倍首相が衆院解散の方針を表明する記者会見を9月25日夕刻に実施した。
この方針を踏まえて小池百合子氏が首相記者会見の前に新党立ち上げの記者会見を行った。同時に、すべてのテレビキー局をはしごして生出演を行った。安倍首相が記者会見に合わせてキー局をはしごすることを踏まえて、この機会に同時にテレビ出演を実行したのである。
テレビのキー局に生出演して発言の機会を得ることは、広告費に換算すれば膨大なものになる。
しかも、首相単独の生出演を阻止して、同じ日に、同じように生出演することの広告宣伝効果は極めて大きい。極めて計算高い行動であると言える。
朝のワイドショーでは安倍首相の側用人と言える田崎史郎氏が必死に小池百合子氏のイメージを傷つけるための「印象操作」にいそしんでいた。この点に安倍陣営の動揺が明瞭に示されている。

小池国政新党には極右の「日本のこころ」代表者まで合流するという。小池国政新党が「第二自公」を目指す方向は鮮明である。しかしながら、この小池国政新党が今回の衆院総選挙の「台風の目」になる可能性がある。小池国政新党は「オールジャパン」の言葉を掲げたが、オールジャパン平和と共生の運動を念頭に置いたものであると考えられる。

今回の総選挙の最優先課題は、「安倍やめろ!野党共闘」を構築して安倍政治を打倒することである。オールジャパン平和と共生が提唱している、そのための手法は、「政策を基軸に」、「党派の壁を超えて」、「主権者が主導して」実現しようとするものだ。
小池氏の新党立ち上げ会見で、最も注目に値することは、「消費税増税凍結」と「原発ゼロ」を打ち出したことだ。
「安倍やめろ!野党共闘」を「消費税増税凍結」「原発ゼロ」を基軸に「政策連合」を構築することはあり得ない選択肢ではない。

小池国政新党は基本的に「第二自公」であるから、日本の二大政党が自公と第二自公で形成されることは、懸念される「二党独裁体制」に近づくものではある。この意味で根本的な問題をはらむものではあるが、ものごとを成し遂げるには「多様なプロセス」があり得る
現時点での最優先課題は、暴走を続ける安倍政治を退場させることだ。これを最優先課題に位置付けるなら、仮に「呉越同舟」になろうとも、「安倍やめろ!野党共闘」を構築して、安倍政治を打倒することは検討に値する。
その際に、「政策を基軸にした」、「共闘の確立」と考えれば、「原発ゼロ」と「消費税増税凍結」で一致点を見出し、この「政策連合」を構築する意義は大きいと言える。
消費税増税が予定されているのは2019年10月である。今回総選挙が「消費税再増税」勢力が多数を占めてしまえば、2019年10月の消費税率10%は確定的な情勢になってしまう。2019年10月消費税率10%は日本経済の文字通りの自殺行為になる。2020年はオリンピックどころではない経済状況になることが確実である。

これまで指摘しているように、1989年度に導入された消費税であり、27年間に消費税収は6倍弱に激増してきたが、この消費税は社会保障を拡充するために大増税されたものではない。この期間に法人税は9兆円減収となり、所得税は4兆円の減収になっている。
法人税と所得税を減税するため絵に消費税の大増税が実施されてきたという事実である。
その減税の恩恵の大部分は富裕層に向けられてきた。「シロアリ退治」も何も行われていない。

この総選挙で、主権者国民にとって最も重要で最も切実な問題のひとつは「消費税増税問題」である。予定されている2019年10月の消費税率10%への引き上げの是非を主権者である国民が判断するとすれば、今回しかそのタイミングはない。2019年7月参院選では遅すぎるのだ。
今回の総選挙では消費税増税の是非、さらに言えば踏み込んで消費税率の引下げの是非を主権者が判断するべきなのだ。「消費税問題」については、一歩進めて消費税率5%への「リセット」を打ち出すべきだろう
同時に「原発稼働問題」に対する主権者の関心も極めて強い。小池国政新党の本格登場により、衆院選構図が激変する可能性が浮上し始めている

日本を支配する闇の勢力=目に見えない勢力は、日本の二大政党体制を、何としても自公と第二自公による二大政党体制にしようとしている。
彼らにとって最大の脅威は、日本の二大政党体制が保守と革新の構図になることだ。革新勢力が一つにまとまれば、この勢力が日本の政治権力を奪取する可能性が非常に高くなる。
2009年には小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏が主導して「革新政権」を樹立した。
そして、米国支配、官僚支配、大資本支配の日本政治構造を根底から破壊、刷新する道を進み始めた。
日本の既得権勢力=米官業政電の利権複合体にとっての最大の危機が到来したのである。
だからこそ、この勢力は死に物狂いの抵抗、総攻撃を小沢氏と鳩山氏に振り向けた。

現状においても、自公に対峙する「革新勢力」が結集して、二大勢力の一翼を担う勢力に成長すれば、この勢力が政治権力を奪取する可能性は極めて高い。
民進党が「革新」の路線を鮮明に打ち出さないのは、日本の支配勢力がさまざまな工作活動を展開して、この政党が「革新政党」になることを必死に阻止しているからであると考えられる。
日本を支配する勢力は、「革新勢力」の結集を阻止するために、人為的に「第三極」勢力を構築しようとしてきた。
そのために起用された人物が、渡辺喜美氏 江田憲司氏 橋下徹氏 石原慎太郎氏であった。最も巨大な資金が投下されたのが橋下徹氏新党であった。

しかし、これらのキャスティングでは期待された成果が十分に上がったとは言えなかった。
この勢力が最後に起用したのが小池百合子氏である。そして、その小池百合子氏が、これまでのところは、期待通りの成果を上げているのである。
この基本図式を正確に理解しておくことが必要であるが、しかし、現実の対応においては、プラグマティックな対応が必要である。
主権者の実用的な利益になるのかどうかを基準に、臨機応変、柔軟な対応が必要である。
いま、何よりも優先されるべき課題は、安倍暴政の排除である。
政治私物化を排除しなければならない。
憲法破壊を排除しなければならない。
疑惑隠しを排除しなければならない。
そして、小池国政新党が原発ゼロと消費税増税凍結を打ち出すのなら、まずは、この部分で「政策連合」を構築して、オールジャパンで「安倍やめろ!野党共闘」を構築することは十分に検討に値すると考えられるのだ。

ものごとを成し遂げるには、一つずつプロセスを踏んでゆくことが必要である。
民進党が迷走を続けて、安倍政治を退場させる道筋がまったく見えなくなり始めていた。
民進党が消費税増税を唱えて総選挙に挑む以上、この勢力に勝利の可能性は皆無であると言ってよい。
しかし、小池国政新党が登場して、この総選挙で争うべき極めて重要な政策路線の相違が際立てば、安倍政治退場の見通しが開けてくる可能性がある。
安倍首相の側用人と言える田史郎氏が、狼狽して小池百合子氏のイメージを低下させる「印象操作」を必死で行っていることが、安倍陣営の深刻な動揺を如実に物語っている。都議選の再演が生じる可能性が生まれている。

それでも、小池国政新党の神通力が通用する地域は限定される。
したがって、安倍政治退場=「安倍やめろ!野党共闘」を確立して安倍政治を打破するには、他の野党と共に「政策連合」を形成することがもっとも効果的である。
その「政策連合」とは、「原発ゼロ」と「消費税増税凍結・消費税率引下げ」を唱える「政策連合」である
この「政策連合」で広く主権者全体に訴えるなら、大きな風が巻き起こる可能性がある。
オールジャパンの広がりで、「原発ゼロ」、「消費税増税凍結・消費税減税」の「政策連合」を構築して、この選挙を勝ち抜くべきである。

安倍政権こそが国難 野党は悪魔とでも組む覚悟で退陣させるべき

 日刊ゲンダイが、安倍政権について、
選挙では『経済最優先』と騙り、それで多数議席を得た途端、主な争点に掲げなかった特定秘密保護法や安保法、共謀罪などを強引に成立させてきたのが安倍政権だ。今回は何を企んでいるのか。25日の会見で安倍は憲法改正に触れなかったが、選挙に勝てば一気に憲法9条の改正に動き出す。あるいは、米朝の戦争に参加を決める。とにかくロクなことにならないのは確かだ。いま、この政権を叩き潰さないと、何をしでかすか分からない
と書きました。

 今度の解散が「森友・加計学園疑惑隠し解散だということは国民も見抜いています。
 安倍政権の5年間で外交も内政もメチャクチャにされました。いまや安倍政権の存在そのものが国難であることは明らかです。安倍政権を終わらせてほしいと願う多くの国民の声に応えることが野党の責務です(評論家 本澤二郎氏)。

 ジャーナリストの鈴木哲夫氏
本気で安倍政権を倒す気概があるのなら、最大野党の民進党には、真意が読み切れない小池新党や、頑迷な共産党とも組むリアリズムが必要非自民勢力がまとまれば、全選挙区で1対1の構図に持ち込める。そこで初めて与党との勝負になります
と述べています。

 日刊ゲンダイは具体的に、
小池新党については、改憲派だから自民の補完勢力だとか、理念がよくわからないという懸念もあるが、非自民勢力がバラバラでは話にならない。ペテンの才能にかけては安倍に勝るとも劣らないのが小池なのである。ここは「毒をもって毒を制す」もアリ
とし、さらに
権力維持の手段を選ばないのが自民党なのである。勝つためなら憲法も無視し、平気でウソをつく。だまされた国民が悪いと舌を出す鉄面皮。そういう狡猾な与党と対抗するには、悪魔とでも組む覚悟が必要
と重ねています

 まずは安倍政権を退陣させることこそが何よりも急務(その後のことはそれから考えれば良い)というわけです。
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 巻頭特集 
安倍政権存続こそ国難だ 野党は悪魔とでも組む覚悟が必要
日刊ゲンダイ  2017年9月27日
 安倍首相が28日の臨時国会冒頭に解散することを正式に発表。森友・加計学園疑惑でニッチもサッチも行かなくなったものだから、野党の選挙準備が間に合わないうちに解散し、北朝鮮危機も利用して、火事場泥棒よろしく議席をかすめとる算段だ。

 安倍は25日の会見で、解散の理由を「国難」と言った。少子高齢化や緊迫する北朝鮮情勢。「この国難を乗り越えるために、どうしても今、国民の声を聴かなければならない」と。それで「国難突破解散」というのだが、ご自慢の「仕事人内閣」で突破できない国難が、なぜ解散することで突破できるようになるのか、首をひねった国民は多いはずだ。

「新自由主義にかぶれて、若者が安心して結婚や子育てができない格差固定社会をつくりだし、北朝鮮の暴発をあおっているのは誰なのか。そのうえ、この解散で北朝鮮に対する圧力強化への支持を求めるなんて、狂気の沙汰です。放火犯がエラソーに『このままでは大惨事になるから、みんな消火に協力しろ』と強要しておいて、自分はまた新たに火をつけようとしている。今が国難というならば、それは安倍首相が国家権力を私物化し、好き放題やってきた結果です。この5年間で外交も内政もメチャクチャにされてしまった。いまや安倍政権の存在そのものが国難なのです」(政治評論家・本澤二郎氏)

 日蓮は「立正安国論」で「他の邪教を信じたら国難が襲い掛かる」と主張した。そのひとつが元寇だと訴えた。日蓮に倣ったのか、安倍も北朝鮮の脅威を持ち出し、「国難」だから、他の政党を支持したら大変なことになると脅している。

■野党が割れれば自民を利するだけ
 だが、皮肉なことに、「国難突破解散」というこじつけは、かえって安倍の浅薄な思惑を印象づけただけだった。会見直後から、ツイッターでは「#お前が国難」がトレンドの上位に入る話題になった。疑惑隠し解散だということは、国民も見抜いているのだ。

 これまでも、選挙では「経済最優先」と騙り、それで多数議席を得た途端、主な争点に掲げなかった特定秘密保護法や安保法、共謀罪などを強引に成立させてきたのが安倍政権だ。今回は何を企んでいるのか。25日の会見で安倍は憲法改正に触れなかったが、選挙に勝てば一気に憲法9条の改正に動き出す。あるいは、米朝の戦争に参加を決める。とにかくロクなことにならないのは確かだ。いま、この政権を叩き潰さないと、何をしでかすか分からない

 そこで、問題は野党である。野党第一党の民進党からは「共産党とは組めない」という離党者が続出。小池新党の人気にすがる離党の動きも止まらない。こんな体たらくで安倍の暴走を止めることができるのか。

「野党が割れれば、自民党を利するだけです。野党間で選挙区調整をして、候補者を一本化しなければ勝てないことは、誰が考えても分かる。本気で安倍政権を倒す気概があるのなら、最大野党の民進党には、真意が読み切れない小池新党や、頑迷な共産党とも組むリアリズムが必要です。小池新党にしても、標榜する“非自民”が本当なら、民進との選挙協力は当たり前のこと。非自民勢力がまとまれば、全選挙区で1対1の構図に持ち込める。そこで初めて与党との勝負になります」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)

「毒をもって毒を制す」で政権を終わらせることが命題
 安倍の解散発表会見にぶつけるように「希望の党」という党名を発表し、新党代表に就くことを宣言した小池都知事は、やはりパフォーマンス巧者だ。メディアは小池に飛びついた。
 このままでは7月の都議選と同じで、総選挙も自民党と小池新党の対決構図になる。民進、社民、共産の野党3党は埋没してしまう。
「小池新党なんて、後になって『とんでもないあだ花だった』ということになるかもしれない。しかし、小池氏が打ち出した原発ゼロと消費税凍結は、安倍政権の痛いところを突いている。蛇の道は蛇ということわざもありますが、小池氏は自民党の弱点を知り尽くしています。この選挙は“安倍か、反安倍か”の戦いなのです。安倍政権を終わらせてほしいと願う多くの国民の声に応えることが、野党の責務ですよ。民進党が『共産党とは協力できない』とか『小池新党とは組めない』などとガタガタ言って選挙協力を拒否するのであれば、自民党を勝たせ、喜ばせるだけです。これでは自民の補完勢力と見られても仕方がない。そんな政治家はいなくなってもらった方が国民のためです」(本澤二郎氏=前出)

 小池新党については、改憲派だから自民の補完勢力だとか、理念がよくわからないという懸念もあるが、非自民勢力がバラバラでは話にならない。ペテンの才能にかけては安倍に勝るとも劣らないのが小池なのである。ここは「毒をもって毒を制す」もアリだ。しかも今回は短期決戦。小池が再び「崖から飛び降り」て風を起こせば、一気に安倍政権を追いつめることも不可能ではない。

■フタを開けてビックリの展開も
 安倍は北朝鮮のミサイル発射を誰よりあしざまに非難し、危機をあおるのに、28日の臨時国会冒頭に予定されていた北朝鮮への非難決議はスッ飛ばして衆議院を解散する。開会式も、所信表明も行わないのは前代未聞だ。野党が憲法の規定に基づいて要求していた臨時国会を3カ月も開かず、ようやく召集日を決めたと思ったら、国難だとか言い出して審議から逃げた。こんなデタラメは、国民世論をナメきっている証拠だ。
 民進党の前原代表は26日の常任幹事会で「北朝鮮への非難決議を避け、国民の総意を示さない。こんなひどいことはない。どんな手段をつかっても安倍政権を終わらせる」と話した。その言葉の本気度が問われている。

 それこそ権力維持の手段を選ばないのが自民党なのである。勝つためなら憲法も無視し、平気でウソをつく。だまされた国民が悪いと舌を出す鉄面皮。そういう狡猾な与党と対抗するには、悪魔とでも組む覚悟が必要だ。安倍という国難にどう立ち向かうのか。「あいつは嫌だ」と自分の勝手な都合でグダグダ言っている時間はない。野党協力への対応で、政治家の危機感と覚悟が分かる。

 前原は26日夜、小池と会談。合流をめぐって協議したもようだ。これに先立ち、昼間は最大の支持団体である連合の神津会長と会談し、希望の党と組む方針を説明したとみられる。非自民結集が成就すれば、選挙情勢はガラリと変わる。政治ジャーナリストの山田厚俊氏もこう言う。

「地方レベルでは、すでに民進党と共産党の選挙協力体制が進んでいるところもあります。民進党が都市部は希望の党、地方は共産党と協力体制を進めれば、意外とすんなりすみ分けができるのではないか。政策が水と油の公明党とも結んで、政権与党の座を維持してきた自民党のしたたかさを見習うべきです。民進党と希望の党が組み、共産党とも協力できれば、政権交代可能な2大政党制に向けた政界再編のスイッチが入る。それで政治に緊張感が生まれれば、安倍政権のような傲慢で自分勝手な政権運営はできなくなります。それは国民にとって大きなメリットです」

 総裁3選と憲法改正という個人的な野望しか頭にない安倍は、所属議員が何人落選しようと、自公で過半数を維持すれば、これまで通り好き勝手に国を動かせると考えているはずだ。「小池新党も改憲勢力だから、合わせて3分の2議席になれば改憲戦略に支障はない」くらいに甘く考えていたかもしれないが、フタを開けて真っ青という展開もあり得る。

 この解散・総選挙は民主主義と立憲主義を軽んじる安倍政権を倒す絶好の機会なのだ。今こそ野党の覚悟を見せて欲しい。

28- 消費増税分の使途変更 自民税調「衆院選後に改めて議論」

 安倍首相は消費税の使途変更の是非を問うのが解散総選挙の「大義」だとして25日夕刻に記者会見した上に、21時以降はその宣伝のためにテレビのキー局数か所を“はしご”しましたが、早くも雲行きが怪しくなってきました。
 26日に開かれた自民党税制調査会幹部会合では異論が噴出し、結局、具体的な対応については「衆院選後にあらためて議論する」ことになったということです。
 ということは政権党の公約であるとして、消費税の税収アップ分を教育無償化などに充てることの是非を問うのが選挙の「大義」だとしておきながら、肝心の税調との調整が全くなかったということです。それでは首相個人の思いつきを「公約」だと偽ったことになりま。
 たとえそうであったとしても、この期に及んで税調が「衆院選後にあらためて議論する(=今は白紙の状態)とするなどはとても許されることではなく、安倍首相は党総裁として、それこそ政治生命をかけて税調を説得しなければならない筈です。
 それもないままでもしもこのままで選挙に突入するようなことがあれば、野党は「無効の公約」だとして徹底的に批判すべきです。

 安倍首相はこれまでも年ごとに次から次へと新しいスローガンを掲げてきましたが、前年のスローガンがどこまで達成されたのか(あるいはほとんど手も付けられなかったのか)については毎回全く言及がありませんでした。そうであればスローガンは全くの目くらましに過ぎません。
 
 安倍氏にはそもそも約束を誠実に実行するという思いが完全に欠如しています。
 その好例が自民党が政権を奪還した2012年12月の総選挙でした。それに関するメモを日刊ゲンダイの記事の次に添付します。
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消費増税分の使途変更 自民税調「衆院選後に改めて議論」
日刊ゲンダイ  2017年9月27日
 安倍首相が解散総選挙の“大義”だとして掲げた消費税の使途変更だが、早速、雲行きが怪しくなってきた。

 安倍首相は25日の記者会見で、2019年10月に10%へ引き上げ予定の消費増税で得られる5兆円超の税収の使い道を変え、教育無償化などに2兆円規模を充てると表明した。これまでは、5兆円の税収増のうち、1兆円を介護などの社会保障の充実に充て、残る4兆円を借金の返済に回す計画だった。そのため、財政再建にブレーキがかかるとして自民党内から批判が上がっていた。

 26日に開かれた自民党の税制調査会の幹部会合でも異論が噴出。結局、具体的な対応については、「衆院選後にあらためて議論する」ことになったという。

TPP絶対反対」の選挙公約を破棄した自民党のことだ。衆院選後は「やっぱり財政再建も大事」とか言って、公約を反故にしかねない。選挙のため、争点ぼかしのための、とってつけたような公約だけに、安倍首相の甘い言葉にだまされてはいけない。


事務局メモ
 安倍首相には選挙公約を守ろうなどという気は端からありません。
 民主党政権下の2012年12月の総選挙では、自民党は写真のように「TPP断固反対」を掲げて戦いましたが、安倍氏は政権の座に就くとそれを弊履のごとく投げ捨てて、TPP条約の締結に狂奔しました。

      2012年総選挙での自民公約ポスター
「自民党 tpp 断固反対 ポスター」の画像検索結果

2017年9月27日水曜日

麻生氏の「武装難民射殺」発言に 難民弁護団連が抗議声明

 失言(妄言?)の宝庫である麻生副総理が、今度は「武装難民は射殺か」と発言しました。
 日本はこれまで難民の受け入れについて極めて拒絶的でした。副総理としてその辺を改善しようと提起するのであれば順当なことですが、北朝鮮で有事が発生すれば日本に武装難民が押し寄せる可能性に言及し「警察で対応できるか。自衛隊、防衛出動か。じゃあ射殺か。真剣に考えた方がいい」と問題提起したのですから穏当ではありません

 24日のサンダーモーニングで国際フォトジャーナリストの安田菜津紀さんは、「武装難民という言葉はありません。武装難民と言う定義はありません」という趣旨のことを発言しました早速ネット右翼からはそういう用法もあるなどの攻撃が行われていますが、そういう意味合いではないと思います。
 これについては、全国難民弁護団連絡会議が声明の中で
「武装した上で日本に侵入しようとする集団は難民とはいえず、難民の流出と武装した集団による侵入とを混同している」
と述べています。

 LITERAも
麻生副総理の発言は、朝鮮半島情勢の緊迫化のなかにおいて、戦争によって北朝鮮で発生する大勢の難民を念頭に置き、そのなかに武装難民がいるかもしれないという妄想を加えたうえで、射殺ですかと言い放っているのである。主語は難民全体であって、これは難民問題をどうするのかという話だ。
 加えて言えば、麻生副総理の武装難民は射殺発言は、現実的に難民の生命を脅かす恫喝として機能するだろう
と述べています。

 麻生氏には「副総理の発言」として自分の発言が世界にどう伝わるかについての斟酌は全くないようです。

 全国難民弁護団連絡会議は24日、麻生氏の発言に対し、
「同発言を直ちに撤回するよう求めると共に、政府においても責任ある対応をするよう求める」
とする抗議声明を出しました。

 以下に毎日新聞と併せて紹介します。
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麻生氏「武装難民は射殺か」朝鮮半島有事対応で
毎日新聞2017年9月24日
 麻生太郎副総理兼財務相は23日、宇都宮市で講演し、北朝鮮で有事が発生すれば日本に武装難民が押し寄せる可能性に言及し「警察で対応できるか。自衛隊、防衛出動か。じゃあ射殺か。真剣に考えた方がいい」と問題提起した。
 北朝鮮有事について「今の時代、結構やばくなった時のことを考えておかないと」と指摘。「難民が船に乗って新潟、山形、青森の方には間違いなく漂着する。不法入国で10万人単位。どこに収容するのか」と強調した。その上で「対応を考えるのは政治の仕事だ。遠い話ではない」と述べた。(共同)

・・・・・・・・・・・・・
内閣総理大臣 安倍晋三殿
内閣副総理大臣 麻生太郎殿
平成29(2017)年9月25日
   
全国難民弁護団連絡会議
代表弁護士  渡邉彰悟
事務局長弁護 士難波満

 全国難民弁護団連絡会議(代表世話人弁護士渡邉彰悟)は、難民に関する2017年9月23日の麻生太郎副総理大臣の発言に対し、以下のとおり強く抗議し、麻生副総理においては同発言を直ちに撤回するよう求めると共に、政府においても責任ある対応をするよう求める。
第1 麻生副総理の発言の概要
 報道によれば、麻生副総理は、シリアやイラクにおける難民の流出について述べた上、朝鮮半島有事を前提として日本にも朝鮮半島からの難民が押し寄せる可能性があり、このような難民に対する対応として、全体を逮捕することが考えられるが、大量の難民を収容することは困難であるという旨の発言をしたとされている。
 さらに、麻生副総理は、これに続き、これらの難民は武装難民である可能性があり、警察では対応できない可能性がある一方、自衛隊の防衛出動によって対応することを検討する必要があり、射殺することを含めて検討する必要があるという旨の発言をしたとされている。

第2 全体的な問題点
 しかし、麻生副総理の発言は、難民条約締約国として難民を保護するという義務を履行しようとする姿勢が日本政府に欠如していることを示している。また、瀋陽領事館への駆け込み事件で国内外の非難を浴びた日本政府の不寛容な対応が改まっていないどころか、むしろ悪化しているというおそれを裏付ける。
 以下に具体的に述べるとおり、これらの発言は、国際法にも国内法にも反する内容を含んでおり、人道に対する罪にすら該当するような行為を政府の要職にある政治家が認めるかのような発言を行い、難民について誤ったイメージを広め、徒に恐怖をあおることは決して容認できない。

第3 個別の問題点
 まず、麻生副総理の発言は、難民が武装をして日本に押し寄せる可能性があるとしているが、そもそも、武装した上で日本に侵入しようとする集団は難民とはいえず、難民の流出と武装した集団による侵入とを混同している。入管法が準用する難民条約上の難民の定義では、難民は、国家当局等からの迫害の被害者であって、後者のような侵入目的の武装集団は難民の定義に該当しないか、除外される。発言中の「武装難民」なる用語は、およそ一般的ではなく、麻生氏の難民に対する偏見を表すものと言わざるを得ず、実際に、迫害から逃げてくる難民が、まるで武装して侵入してくるような誤ったイメージを与えている。
 そもそも朝鮮半島有事の際の難民として日本にたどり着く人々は、本国での重大な人権侵害の危険から逃れようとしているのであって、まさに庇護の手を差し伸べなければならない対象である。シリアやイラクから流出した難民についてみても、これらの難民が武装して他国に侵入したことによって他国が武力による対応を迫られたという事実は認め難い。仮に難民が武装していることを前提として、これらの難民を射殺するとすれば、防衛法制や刑事法制といった関連する国内法に違反することはもとより、人権条約をはじめとする国際人権法に違反する上、国際刑事法上の人道に対する罪にも該当し得るものである。そもそも、このような発言自体、差別敵意を扇動するものとして、「戦争宣伝及び憎悪唱道の禁止」を定めた自由権規約20条2項に違反するものともいいうる。
 また、難民条約31条1項は、締約国は、当該締約国に逃げてきた難民に対し、不法に入国しまたは不法にいることを理由として刑罰を科してはならないと規定している1。朝鮮半島から流出した難民全体を不法入国で逮捕するとすれば、難民条約にも違反するものである。

第4 結語
 以上のとおり、麻生副総理の発言は、国際社会において決して許されるものではなく、それが副総理という立場の人物から発せられたことは、日本の難民保護に対する姿勢をはじめ、条約遵守に対する姿勢を問われかねない。当会議は、麻生副総理の発言に強く抗議し、日本政府が難民条約及びこれに関連する各種人権条約締約国としての責務を果たすことを改めて求めるとともに、麻生副総理においては同発言を直ちに撤回し、また、政府においても責任ある対応をするよう、要求する。
以上

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1 日本の刑事法制上も難民の不法入国につき、一定の要件の下、刑を免除することとしている(出入国管理及び難民認定法第70条の2)