2022年6月29日水曜日

米国を含む西側の情報機関や特殊部隊がウクライナで活動している(櫻井ジャーナル/マスコミに載らない海外記事)

 バイデンは巧みに且つ熱心にプーチンをウクライナ侵攻に誘導しましたが、その一方で米軍は派遣しないと公言していました。米露間の戦争は他の戦争と同様にあってはならないことなのでそれは当然なのですが、実際には米国を含む西側の情報機関や特殊部隊がウクライナで活動していることを西側も報道するようになってきました。公然の秘密ということでしょうか(その一方で停戦への動きは見られないのは残念なことです)。
 櫻井ジャーナル」が取り上げました。 
 「マスコミに載らない海外記事」も「ウクライナにはCIA要員が、うようよいると認めた欧米当局」とする記事を出しましたので併せて紹介します。 
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米国を含む西側の情報機関や特殊部隊がウクライナで活動していると西側も報道 
                         櫻井ジャーナル 2022.06.28
 アメリカの情報機関CIAだけでなく、イギリス、フランス、カナダ、リトアニアの特殊部隊員がウクライナ国内で活動しているとニューヨーク・タイムズ紙が伝えている​。またウクライナ西部で同国の特殊部隊を訓練していたアメリカ陸軍の第10特殊部隊グループはドイツで訓練の準備を秘密裏に進めているともいう。すでに知られていたことだが、アメリカの有力メディアが伝えたところが興味深い。
 ル・フィガロ紙の特派員、ジョージ・マルブルノはウクライナで取材を終えて帰国した後、アメリカ陸軍のデルタ・フォース(第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊)やイギリス陸軍のSAS(特殊空挺部隊)が戦闘に参加していると伝えていたが、こうしたことも続いているだろう。

 2013年11月から14年2月にかけてバラク・オバマ政権はネオ・ナチを利用してクーデターを実行、ビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除することに成功した。それ以降、ウクライナはナチズムの影響下に入ったが、ウクライナ南部のクリミアや東部のドンバス(ドネツクとルガンスク)を制圧することに失敗している。このクーデター当時に副大統領だったジョー・バイデンは昨年、大統領に就任した。それ以降、アメリカ政府はドンバスとクリミアを制圧しようと動き始める
 ウクライナの東部や南部はヤヌコビッチの支持基盤であり、住民の多くはクーデターに反発、ドンバスでは戦闘が始まった。そうした住民は「反クーデター」であり、「反ナチ」である。「親ロシア」という表現は適切でない。
 こうした反クーデター派の住民にはネオ・ナチから命を狙われていたベルクト(警官隊)隊員のほか、軍の将兵やSBU(ウクライナ保安庁)の隊員も合流、新兵が多いクーデター軍はドンバスで劣勢になった。
 そこで​オバマ政権はクーデター体制をテコ入れするためにCIAやFBIの専門家数十名を顧問として送り込み​、​傭兵会社「アカデミー(旧社名はブラックウォーター)」の戦闘員約400名をウクライナ東部の制圧作戦に参加させた​という。また​CIAは2015年からウクライナの特殊部隊員をアメリカ南部で訓練している​という。
 アメリカ/NATOはクーデター体制へ兵器を供給してきた。​今年2月24日にロシア軍がウクライナを攻撃し始める前から西側は兵器をウクライナの西端、ポーランドとの国境近くにあるヤボリウ基地で一旦、保管していた​。そこでは携帯式対戦車ミサイル「ジャベリン」などを使った軍事訓練が行われているとロイターは2月4日に伝えている。つまり西側の教官がそこにはいた。​その基地をロシア軍は3月13日に巡航ミサイルで攻撃​している。

 オバマ政権が2013年11月にウクライナでクーデターを始めた背景には1992年2月に「DPG草案」(通称ウォルフォウィッル・ドクトリン)という形で作成された世界制覇プランがある。その背後にはイギリスの支配層が19世紀に始めた長期戦略があることも本ブログでは繰り返し書いてきた。
 ウォフフォウィッツ・ドクトリンは1991年12月にソ連が消滅してアメリカが「唯一の超大国」になったという認識に基づく。旧ソ連圏の復活を阻止するだけでなく、潜在的ライバルである中国やEUを潰し、覇権の基盤になるエネルギー資源を支配しようとしたのだ。自立した日本がアメリカのライバルに成長することも許されない。
 このドクトリンが前提にしていた「ソ連の消滅」は今も変化ないが、米英金融資本の属国になったロシアが21世紀に入って曲がりなりにも自立、筋書きが狂い始めた
 そこでネオコンはロシアを再び属国にしようと必死になる。2008年8月、北京で夏季オリンピックが開催される前日にジョージア軍を利用して行った南オセチアに対する奇襲攻撃の目的もそこにある。2014年のクーデター後にロシアと中国は「戦略的同盟関係」を結び、アメリカは中国も相手にせざるをえなくなった。中国との戦いでは日本が前面に出されるだろう。明治維新の直後と似た状況だ。


ウクライナにはCIA要員が、うようよいると認めた欧米当局
                マスコミに載らない海外記事 2022年6月28日
                 ケイトリン・ジョンストン 2022年6月26日
 アメリカ諜報カルテルが、ウクライナで起きていることに関する機密情報を得るのにてこずっているという以前の報道と矛盾するように思われるが、ウクライナはアメリカと同盟諸国の特殊部隊とスパイでいっぱいだとニューヨーク・タイムズは報じている
 これは明らかに、これはアメリカ代理戦争ではないという主張に対する最後のとどめの一撃でもあるはずだ。
 「特殊部隊ネットワークがウクライナへの武器の流れを調整していると当局者」という題の記事で、匿名の欧米当局者が、ニューヨーク・タイムズ速記者経由で、我々に次のことを伝えてくれる。

 東部ウクライナを掌握するための粉砕作戦で、ロシア軍が前進する中、アメリカとヨーロッパの当局者によれば、猛攻撃に抵抗するウクライナの能力は、兵器、諜報と訓練の提供を急いでいる奇襲隊とスパイの秘密ネットワークを含め、これまで以上にアメリカと同盟諸国の支援に依存している。
 こうした作業の多くが例えば、ドイツ、フランスやイギリスの基地など、ウクライナの外で行われている。バイデン政権は、ウクライナにアメリカ兵を派遣しないと宣言したが、現在と元の当局者によれば、CIAメンバーが、密かに、主として首都キーウで活動し続け、多くを指揮し、アメリカは極めて大量の諜報情報をウクライナ軍と共有している
 同時に、イギリス、フランス、カナダとリトアニアを含め、他のNATO加盟諸国から数ダースの特殊部隊が、ウクライナ内で活動している。

 CIAとアメリカ特殊部隊が、ウクライナで軍事行動を行っている事実の暴露は、ウクライナにアメリカ地上軍は送らないというバイデン政権の戦争開始時の主張はウソになり、NATO力が核保有超大国に対する作戦に、それほど関係しているという自認は、我々誰も気楽でいられない、核攻撃の応酬を見る可能性がより近いことを意味する。

 このニュースはアメリカ諜報カルテルのいつもの行動について何か知っている人々は誰も驚かないが、興味深いことに、それは我々が3週間前に同じ「ニューヨーク・タイムズ」に聞かされた話を否定している。
 「アメリカ諜報機関が、ウクライナの作戦について欲しいものより情報は少なく、ロシア軍や、彼らが計画する作戦やその成功と失敗に関する情報を遙かに多く持っている」とNYTは今月早々我々に言った。「アメリカ当局者は、ウクライナ政府が彼らの作戦計画について、彼らに機密ブリーフィングの詳細をほとんど与えないと言い、ウクライナ当局がアメリカ人に全てを話しているわけではないことを認めた。」
 アメリカ諜報機関が、自身が物理的にいる国で、何が起きているかに関する情報を手に入れるのに苦労することありそうもないように思われる。当時この奇妙な「我々は我々の代理戦争で何が起きているか知らない」説は、戦場でのウクライナの失敗について、アメリカに一見もっともらしい反証を与えるべく推進されていたMoon of Alabamaは論じたが、その時以来、事態は益々悪化するばかりだ
 すると彼らは、なぜ今我々にこの全てを話しているのだろう? ウクライナでのアメリカと同盟諸国の直接的な役割を我々が益々受け入れるようにされている可能性がある。
 
 先日Antiwarのダニエル・ラリソンがTwitterでこう書いた。「4月のタカ派:それを代理戦争と呼ぶな! 5月のタカ派:もちろんそれは代理戦争だ! 6月のタカ派:それは彼らの戦争ではない、それは我々の戦争だ!」
 これこそ、正確に起きたことだ。4月、報道機関に、これがアメリカとロシア間の代理戦争であるという考えは「本当ではない」とバイデン大統領は言い、ロイド・オースティン国防長官は、これが代理戦争かどうか尋ねられると「そうではない、これは明らかにウクライナの戦いだ」と言った。主流メディアは、ウクライナ人から彼らの「行為主体性」を奪うという理由で、依然この主張を、ロシア政府による「非難として描き、帝国の言説歪曲者連中は、その言葉を使う誰でも頻繁に注意している

 それから5月が過ぎ去り、突然「ニューヨーカー」が明確に我々に、アメリカは「ロシアと全面的代理戦争」だと言い、アメリカ下院議員セス・モールトンのようなタカ派は「我々はウクライナ人を支援するため戦争をしているだけではない。我々はロシアと基本的に、いくぶん代理を通してだが戦争をしており、我々が勝つことは重要だ。」などと言っている
 そして6月には、我々がマックス・ブートのような戦争タカ派がしゃしゃり出て、これは実際アメリカの戦争だと言っている今、アメリカがロシアに「衝撃的損失」を与えるために、戦争を劇的に拡大させることが重要だ。
  https://twitter.com/MaxBoot/status/1538849455348359170
 それで、アメリカがロシアに対し戦争をしているという、以前には考えられなかった考えは、カエルがゆでられていることに気付かないほどゆっくりと加熱され、次第に、当たり前化された。もしその考えが十分当たり前にできれば、たとえそれらエスカレーションが極端に精神的に異常であっても、より大きなエスカレーションへの大衆の同意は、おそらく間もなく得られるだろう。
 3月、ウクライナがこの紛争で持っている唯一の「行為主体性」は中央情報局の類だと私は言ったが、帝国政府支持者が私を激しく叱りつけた。彼らは私がそれほど悪い、間違ったことを言うと信じることができなかった。今彼らは、中央情報局が、ウクライナで本当に作戦を行い、現地で諜報活動を指揮していると言われたのだが、これが、何らかの形で彼らの内省を促すだろうことを私は疑っている。
        (中 略)

記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com/2022/06/26/western-officials-admit-ukraine-is-crawling-with-cia-personnel/ 

29- 世界は「ウクライナの正義」か「一刻も早い和平」かで揺れている(東郷和彦氏)

 元外務官僚で都合17年間、モスクワ大使館勤務、ロシア課長、欧亜局長などとしてロシア関係の業務に関わってきた東郷和彦氏に、日刊ゲンダイがインタビューしました。

 世は、ロシア・プーチンバッシングの嵐のさ中ですが、そういう中でロシアを良く知っている人のそうしたものに流されない見解は重要です。
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注目の人 直撃インタビュー
東郷和彦氏「世界は『ウクライナの正義』か『一刻も早い和平』かで揺れている」
                          日刊ゲンダイ 2022/06/27
東郷和彦(元外務省欧亜局長、静岡県立大客員教授)
 ロシアのウクライナ侵攻を機に、北欧の伝統的な中立国だったフィンランドとスウェーデンがNATO(北大西洋条約機構)への加盟を申請した。NATOのさらなる拡大は欧州の安全保障環境にどう影響するのか。そして、どうしたら「プーチンの戦争」を終わらせられるのか。旧ソ連時代からロシアをウオッチしてきた元外交官は、いまこそ対話が重要と説く。
                ◇  ◇  ◇
 ──フィンランドとスウェーデンのNATO加盟申請をどう見ますか。
 ウクライナのことがあって、欧州には一種の集団的な恐怖感シェアリングが起きてしまっている。戦闘の映像を毎日見せられたら、国民がおびえます。リーダーはそれにある程度対応せざるを得なくなる。加盟申請は単純な結果でしょう。しかし、戦略的に本当にNATOに入らないとロシアに攻められるのかというと、僕はロシアが攻める理由はないと思う

■カリーニングラードが着火点になる恐れ
 ──ロシア側の受け止めは?
 両国の加盟がロシアにとって直ちに脅威にあたることはないと思います。脅威の中核はむしろもっと南。ポーランドもあるし、ウクライナを含めこれからどうなるか、という話です。ただし、ひとつ着火点がある。ロシア領の飛び地・カリーニングラード州です。ここへアクセスするには、ベラルーシとリトアニア経由で入ります。リトアニアは今月18日からEUの制裁対象の貨物を積んだロシアの列車の通過を禁止しました。もしリトアニアがカリーニングラードへのアクセスを完全に閉じるようなことになれば、ロシアは力でもってリトアニアに攻め込みますよ。リトアニアはNATO加盟国ですから、第3次世界大戦になるのはほぼ確実です。今のNATOもそこは分かっていると思いますが、戦争の震源地が1つここにあるということは知っておいてよいと思います。

 ──ロシアのウクライナ侵攻の結果、NATOへの求心力が高まっています。それが世界にとっていいことなのかどうか。
 歴史をよく見る必要があります。冷戦終結後、ワルシャワ条約機構の解体と同時にNATOもなくなるとロシアは思っていた。しかし東欧諸国がロシアは信用できないとして、NATOの存続とNATOへの加盟を求めました。ただ、当時のエリツィン大統領が今後は民主主義と市場経済を国の存立理念にするとしていたので、当時のクリントン米政権はロシアと対抗するのは得策ではないと考えた。そこでNATOとロシアを結びつける1997年のファウンディング・アクト(NATO・ロシア基本文書)ができました。

 ──どんな内容ですか。
 キーワードは「Russia is not an enemy(ロシアは敵じゃない)」です。具体的には「平和のためのパートナーシップ」をつくった。NATOに加盟したい国の権利は認める一方で、個々の参加プロセスにおいて、加盟のタイミングなど、ロシアの状況を十分配慮する、というものです。僕はちょうどモスクワの大使館の次席公使から本省の欧亜局審議官に戻ったころで、そのプロセスをずっと見ていましたが、東欧諸国もロシアもみなハッピーで明るかった。そこが原点。もともとのプーチンの立場は、この1997年に戻って、もう一度ロシアを尊敬される国として欧州の中核に迎え入れてくれ、というものでした。

■プーチンの本音は尊敬される国として欧州の中核に戻ることだった
 ──しかし、NATOはロシアの意に反してどんどん東方拡大する。ジョージアとウクライナの加盟にも同意し、ロシアが激怒した。
 はい。ロシアとNATOの関係を再構築するには、地政学的に両者のちょうど真ん中にあるウクライナがカギでした。ウクライナがNATOに入らずに架け橋として中立化すること、ウクライナのクリミアやドンバスに住んでいるロシア人意識の強い人たちを大事にすることの2つが必須でした。それ以上は基本的に求めていなかったと、僕は確信しています。ところが、そのどちらもやらないのなら、武力を使ってでも実現させようとして、ロシアは大失敗した。冷戦後の秩序の中で縮こまらせられたロシアを、もう少し大きな国として認めてもらい、欧州の中核に仲良く戻ることがプーチンの本音であり目的だったのに、いまや欧州に新しい鉄壁の線ができてしまった

抑止は必ず対話とペアでないといけない
 ──この先の戦争の見通しやロシアについては?
 プーチンは戦闘をできるだけ早くやめたいんだと思う。戦争がいつまで続くかは、プーチンにかかっているのではなく、ゼレンスキーとその背後にいる米国とNATOの武器供与のやり方いかんにかかってきているんじゃないか。いまの僕の最大の関心は、戦争を終わらせるために、「ウクライナの正義」が勝つまで戦うのか、プーチン体制が存続しても「一刻も早く平和」を実現するのか、どちらになるかという問題です。

 ──善悪二元論で、ウクライナを勝たせなければならない、悪のロシアは処罰を受けなければならない、という考えが欧米や日本では主流ですが。
 その通りです。でも注意深く見ると、「それで本当に戦争をやめられるのか」という意見が増え始めているように見えます。「プーチンにある程度『お土産』を渡した形で収めない限り、戦争は終わらない。長引けばウクライナ人がどんどん死ぬ。それでいいんですか」という声が出てきています。ノーム・チョムスキー(米の哲学者)、エマニュエル・トッド(仏の歴史学者)、キッシンジャー(米の元国務長官)、ミアシャイマー(米の国際政治学者)らです。さらに、米リベラルの大本山のニューヨーク・タイムズも5月19日の社説で「決定的な勝利は現実的な目標ではない。非現実的な目標は米国とNATOがこのお金がかかり引き延ばされている戦争に更に介入せざるをえなくさせる」という痛烈な批判を始めました。

 ──ロシアにお土産を渡し、和平を目指すべきだと?
 いままさに、「ウクライナの正義」か「一刻も早い和平か」の難しい局面にある。米国はその中間で難しい選択に直面しています。5月上旬までは「プーチンを勝たせてはならない」一辺倒だったのが、5月13日にオースティン国防長官がロシアのショイグ国防相を電話協議に呼び出し、「即時停戦」を提案した。プーチンがある程度、勝利している状況での即時停戦ですよ。プーチンを勝たせてはならないというのとは全く両立しない

 ──確かに、バイデンが5月31日のニューヨーク・タイムズへの寄稿で「外交的解決」を呼びかけたのには驚きました。
 僕は、世界はそんな単純じゃないと思うんです。米国のネオコンが主張する「自由と民主主義の原理でもって世界を仕切る」という絶対的正義に違和感を感じる国はたくさんあります米国の考える絶対的正義に窒息感を感じる国は、実は世界に5分の4はある。ロシアに経済制裁しているのは40カ国ぐらい。あとの150カ国はロシアを非難はしても制裁はしていない。

 ──そんな中で日本は、6月末に開催されるNATO首脳会議に岸田首相が出席すると表明しました。対話よりも武力による抑止、という空気です。
 エマニュエル・トッドは5月31日の日経電子版で日本について、「目の前に恐怖のある欧州はまだしも、この戦争は日本の問題ではない」と喝破しています。日本の対外政策については、抑止自体は必要だと思う。しかし、抑止は必ず対話とペアでないといけない。この2つは切り離せない。それを忘れると、危険なことになる

 ──外交や対話の重要性を、もっと日本で議論する必要がありますね。
 やはり対話なしに、世界を救い出すことはできないと思います。戦争を終わらせるために日本が貢献できることはまだある。日本は自ら北方領土交渉を完全に止めた。ウクライナと米国の勝利を忠実に求めた結果です。そこまでやったのだから、岸田首相はバイデンに「正義の勝者の理論だけではダメですよ」と助言する権利がある。米国自身も揺れているいま、そうした行動に出ることは、同盟国である米国に対する日本の責務なのではないかと思います。 (聞き手=小塚かおる/日刊ゲンダイ)

東郷和彦(とうごう・かずひこ) 1945年生まれ。68年東大卒、外務省入省。3度の在モスクワ大使館勤務、ロシア課長、欧亜局長などロシア関係の業務に都合17年関わる。在オランダ大使を最後に2002年退官。オランダのライデン大で博士号(人文科学)。10年4月から20年3月まで京都産業大学・世界問題研究所長を務めた。

2022年6月27日月曜日

憲法9条 参院選後の「早期改憲」 共産党躍進で止めよう

 別掲の記事にあるように、朝日新聞22~23日に行った調査によると、自民党は現有の改選55議席から66議席まで伸ばす勢いだとし、共同通信の22~23日の調査でも、自民党は32ある1人区で優位に戦いを進め60議席台に届きそうだとなっています。
 自民党も独自調査でそうした情勢を掴んでいるのでしょう。茂木敏充幹事長は20日、「参院選後にできるだけ早いタイミングで、(憲法)改正原案の国会提案、発議をめざした。主要政党間で一連のプロセススケジュールを共有し、早期に改憲を実現したい」と明言しました。それが岸田首相の意向であるのは言うまでもありません。出来るだけ早く改憲をというのは維新の会の持論であり、国民党もそれに同調しています。
 9条改憲の大合唱かつてな強まりました。この勢いを押しとどめるには参院選で改憲阻止勢力を躍進させて、自公・維新・国民を後退させるしかありません。

 また岸田首相がロシア敵国視のNATO首脳会議に出席することも、彼が憲法9条の理念から如何に離れているかを示すものです。

 しんぶん赤旗が「  参院選後の「早期改憲」 共産党躍進で止めよう」とする記事を出しました。
     お知らせ
   都合により28日は記事の更新が出来ません。ご了承ください。
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憲法9条 かつてない対決 参院選後の「早期改憲」共産党躍進で止めよう
                       しんぶん赤旗 2022年6月26日
 参院選後の「早期改憲」を狙う自民、公明、維新、国民民主の勢力拡大を許すのか、「憲法9条改憲に反対」を貫く日本共産党の躍進か―参院選は憲法9条をめぐるかつてなく鋭い対決となっています。
 自民党の茂木敏充幹事長は20日、「参院選後にできるだけ早いタイミングで、(憲法)改正原案の国会提案、発議をめざしたい。一連のプロセスについて、主要政党間でスケジュールを共有し、早期に改憲を実現したい」と明言。岸田文雄首相も「できるだけ時間をかけずに国民に選択していただく機会をつくる」とのべています。
 これをけしかけたのが日本維新の会です。同党の松井一郎代表は党首討論で、岸田首相に「(改憲の)スケジュールを決めないと前に進まない」(18日)などと繰り返し提起しました。維新は5月に、自民党の9条改憲案と同様の「9条1、2項を残して自衛隊を明記する」改憲案を発表。改憲原案づくりへの条件整備も進めています。
 公明党も選挙公約で9条に自衛隊を明記する改憲案の「検討を進める」と明記しました。自衛隊の「9条加憲」はもともと公明党のアイデア。維新が自衛隊明記案に積極姿勢を示す中で、公明党も「検討」を言いだしています。
 国民民主も玉木雄一郎代表を先頭に、改憲論議の推進に積極姿勢を示し続けています。
 こうした状況について自民党関係者の一人は、「ウクライナ危機を受け、国民の半数以上が軍備増強に賛成だ。機は熟した。改憲を進めるなら今が絶好のチャンス。ギアを一段上げる」と語ります。
                   
 かつてない9条改憲の大合唱の強まりにストップをかけられるのはどの党か。日本共産党の志位和夫委員長は22日の東京・新宿での第一声で「危機に乗じて、憲法9条を改定し、日本を『軍事対軍事』の危険な道に引き込み、暮らしを押しつぶす―こんな道は日本共産党への1票で止めようじゃありませんか」と呼びかけました。反戦平和を貫いて100年。日本共産党の躍進こそ改憲を押しとどめる決定的な力です。


NATO首脳会議への首相出席 「世界の緊張を激化させる」 志位委員長が批判
                       しんぶん赤旗 2022年6月26日
 日本共産党の志位和夫委員長は25日、さいたま市内で記者団から、岸田文雄首相が北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席することについて見解を問われ、「大きな問題だ。日本とNATOとの軍事同盟的な連携を強めていくという方向は、いまの世界の緊張を激化させ、『軍事対軍事』の対抗という流れを強めることになる」と批判しました。

 その上で、志位氏は「軍事対軍事」の流れではなく、地域の国々をすべて包摂した平和の枠組みをつくる努力が必要なときだとして、「軍事ブロックの対決を地域や世界に持ちこむということは反対だ」と述べました。 

こんなのに騙されてると、とんでもないディストピアがあなたを待っている

 前川喜平氏が、東京新聞の【本音のコラム】のコーナーに「参院選後のディストピア」という近未来ストーリーを発表しました。その内容は、

今度の参院選で自民、公明、維新国民の改憲4党が参議院の総議席の7割を占め円安は1ドル150円を超え、子どもの(国民の)貧困率は急拡大して20%を超えた中で、緊急事態条項、九条無効化条項、さらには教育条項に教育理念として国体の尊重と国家への奉仕が書き込まれなどの改憲案が、改憲4党の賛成で両議院から発議され洪水のような広告宣伝が功を奏し国民投票の結果改憲が成立し、あの太平洋戦争以前の体制に戻りました・・・」
というものです。
 そこではまさしく「ディストピア」が出現します。ディストピアとはユートピアの反対語で暗黒世界などと訳されています。前川氏が敢えてそうしたものを発表したのは、そんな危機が目前に迫っていることに何故国民が気付かないのかという、切実な思いがあったからに違いありません。

 前川氏の文章を紹介したのはくろねこの短語のブログで、そこには東京新聞の記事の写真版が載っていました。
 以下に「くろねこの短語」の記事「『改憲』に頬被りしたまま『物価対策』を喚き散らす自公維国の改憲カルテット・・・こんなのに騙されてると、とんでもないディストピアがあなたを待っている!!」を紹介します。
 前川氏の文章はテキスト版に書き起こして挿入しました。
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「改憲」に頬被りしたまま「物価対策」を喚き散らす自公維国の改憲カルテット・・・こんなのに騙されてると、とんでもないディストピアがあなたを待っている!!
                      くろねこの短語 2022年6月26日
昨日の改憲カルテットの街頭演説で、
 自民・岸田「政府が全責任を負い、物価高騰に対応する」
 公明・山口「みんなが納得できる賃上げを進める」
 維新・馬場「いま求められているのは節電ではなく発電だ」
 国民・玉木「海外進出した日本企業を国内に回復させるチャンスだ」
どの党首・代表も見事に改憲には頬被り。その素振りさえ見せないんだから、その不誠実さには唾を吐きたくなる。
  参院選、支持拡大へ都市部で論戦 公示後初の週末
東京新聞「本音のコラム」で、改憲カルテット勝利の後に来るであろうこの国のディストピアを前川喜平氏がジョージ・オーウェルの「1984」になぞらえて予想していたが、十分にあり得ることだから笑ってはいられない。

【本音のコラム】 参院選後のディストピア
                    前川喜平 東京新聞 2022年6月26日
 二〇二二年参院選の結果、自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党の改憲四党が参議院の総議席の七割を占めるに至った。日銀が放置する中、米欧との金利差が一層拡大。円安はついに1ドル150円を超え物価高騰に拍車をかけた。実員賃金は下がり続け、子どもの貧困率は急拡大して20%を超えた
 一方、岸田政権の資産所得倍増プランの、米欧への投資を増やした富裕層は資産を倍にした。ウクライナ戦争が長期化する中、証券会社は軍事産業関連の投資信託の新商品を次々に開発。政府は防衛産業の育成を骨太の方針に書き込んだ。防衛予算が急拡大する中、小学校の35人学級計画は中断した。
 憲法審査は着々と審議を進め、緊急事態条項、九条無効化条項などの改憲案が、改憲四党の賛成で両議院から発議された。教育条項には教育理念として国体の尊重と国家への奉仕が書き込まれた。洪水のような広告宣伝が功を奏し国民投票の結果改憲が成立した
 安倍晋三氏が3度目の首相の座についた矢先に富士山が噴火。首相は直ちに緊急事態条項を発動して国会かう立法権を奪いすべての報道機関を国家管理下に置い
 アメリカがシリアに攻め込むと、安倍首相はすかさず存立危機事態を宣言して参戦、戦死した自衛官は次々に靖国神社に合祀された。(現代教育行政研究会代表)

キツネの眼の男・茂木君が「選挙後、できるだけ早いタイミングで憲法改正原案の発議を目指したい」と明言しているんだから、本来ならヘタレ総理はその原案とやらをこの選挙期間中にハッキリと示すべきなんだね。そして、国民の審判を仰ぐのが筋というもので、選挙中には「改憲」の「か」の字も口にしないというのは詐欺そのものだ。
メディアは、「物価高が争点」って煽ってるけど、本当にそうなのか。違うだろう。今回の参議院選挙の最大の争点は「改憲」だろう。キツネ目の男が「憲法改正原案の発議を目指したい」と選挙前に敢えて喚いたのは、そのためのアリバイ作りに違いない。何も言わないでとなると騙したことになりますからね。
 アメリカでは銃規制、人工中絶について、最高裁がトンテモ判決を出して保守派は大喜びしている。それをなんと野蛮なと日本のメディアは批判的だけど、実はこの国の地方政治ってアメリカと同じように超保守が牛耳っているんだね。
 それについて、ハニートラップ米山君が実に的確なツイートをしてくれている。「自民党の地方組織は実は驚く程保守的で、彼らが自由に権力を行使したら日本でも同様の事態は起こりえます」という指摘は、戦前回帰のディストピアを予感させる。
ツイッター ↓

米山隆一@RyuichiYoneyama·Follow 5:30 AM · Jun 25, 2022

「伝統・宗教」的価値観を、論理的価値に優先させる「保守派」と言うのはどの国にもいて、日本も例外ではありません。皆さん「なんとなく自民党」で支持していますが、自民党の地方組織は実は驚く程保守的で、彼らが自由に権力を行使したら日本でも同様の事態は起こりえます。
 https://t.co/nAM9h6wp10 
  米最高裁、49年ぶりに中絶の権利認める判例覆す・・・

 終わってから四の五の言っても始まらないんだから、とにかく選挙に行くことで意思表示をすることなんだね。でないと、洒落にならないほどのディストピアがあなたを待っていることになりますよ。

【くろねこの競馬予想】
  (後 略)

27- この参院選 自民党の鬼門は消費税減税(日刊ゲンダイ)

 日刊ゲンダイが「なぜやらないのか、嘘ばっかりだ この参院選 自民党の鬼門は消費税減税」という記事を出しました。

 世界の91か国がインフレ物価高の対策として実施・予定している消費税の引下げを、自民党はいくつかの理由をあげて出来ないとしていますが、その理由のすべてが間違っていることをしんぶん赤旗が論破しています。
    ⇒6月25日)消費税減税「できない理由」総崩れ(しんぶん赤旗)

 日刊ゲンダイは、読売新聞の調査では、物価高による家計の負担を「感じている」が83%に達し、政府の物価高への対応を「評価しない」が71%に上っていることを紹介し、総務省が24日発表した5月の消費者物価指数は、前年同月比2.1%の上昇ですが、深刻なのは、生活必需品が高騰していることで、米、野菜、電気代など必需品のみで集計した「基礎的支出」の上昇幅は4.7%に上り、すでに限界に達している(のに、更にどこまで上がるのか見当もつかない)と指摘しました。
 そして〝物価高に対する有権者の不満が日増しに強まれば、公示直後の世論調査で自民有利となっていてもこの先有権者の怒りが高まれば簡単にひっくり返るとして、今必要なのは「消費税を下げろ」の国民運動だとしています。
 以下に紹介します。

 ところで著名なブロガーのきっこ氏は、政府が断固として消費税の引き下げを拒否する真の理由は、消費税に関しては、自民党政権はあと2回か3回の引き上げで最終的に「25%」を目指しており、その第1弾が参院選後の1年以内に強行されるはずであるからだとしています。(『きっこのメルマガ』2022年6月22日号
 なるほどあと2回か3回の税率アップで最終的に「25%」を目指しているのであれば、国民がどれほど税率の引き下げを要求しても応じないわけです。さすがに説得力があります。
 しかしそれこそは軍事費11兆円余と一体の、「国民生活破壊」の政策であって絶対に許されません。
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なぜやらないのか、嘘ばっかりだ この参院選 自民党の鬼門は消費税減税
                          日刊ゲンダイ 2022/6/25
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
今必要なのは「#消費税を下げろ」の国民運動
 予想通りだとはいえ、愕然とした有権者も多いのではないか。22日に公示された「7.10参院選」は、自民党の圧勝ムードではじまっている。
 朝日新聞の調査(22~23日)によると、自民党は現有の「改選55議席」から大きく議席を伸ばし、66議席に達する勢いだという。共同通信の情勢調査(22~23日)でも、自民党は32ある1人区で優位に戦いを進め、60議席台に届きそうだとしている。
 しかし、はたしてこのまま調査通りの結果になるのかどうか。この参院選は選挙期間が18日間と長い。過去の参院選を振り返っても、終盤に情勢が一変したケースが少なくない。しかも、「物価高」に対する有権者の不満が日増しに強まっている
 読売新聞の世論調査によると、物価高による家計の負担を「感じている」が83%に達し、政府の物価高への対応を「評価しない」が71%に上っている。物価高に直撃されている国民が、岸田政権に対して不満を強めているのは間違いない。
 自民党関係者がこう漏らす。
「この参院選は異様です。世論調査では自民党の支持率が高く、選挙の情勢調査も圧勝となっている。なのに、有権者の関心が薄いのか、街頭で演説しても手応えがない。もうひとつ、困っているのが、岸田自民党にはアピールする実績がないことです。この10カ月間、岸田政権は何もしていませんからね。一枚看板である“新しい資本主義”の中身も固まっていない。岸田首相も応援演説の第一声の時、最後まで“新しい資本主義”という単語を口にしなかった。唯一の安心材料は、野党にも風が吹いていないことです。恐らく選挙結果は、“物価高”に対する有権者の怒りが、どこまで大きくなるかで決まると思う」

必需品ほど値上がりしている
 この先、インフレはどこまで進むのか。このままでは物価は青天井だ。すでに足元でも、あらゆるモノの値段が高騰している。
 総務省が24日発表した5月の消費者物価指数は、前年同月比2.1%の上昇だった。これで9カ月連続の上昇である。深刻なのは、必需品が高騰していることだ。米、野菜、電気代など必需品のみで集計した「基礎的支出」の上昇幅は4.7%に上っている。生活実感としては、5%近くも物価高が進行していることになる。
 しかも、この物価高はまだまだ続く可能性が高い。電気代は7月から東京電力が前年同月比で1898円、関西電力は752円の値上げとなる。食パンや缶詰、ポテトチップスも7月以降の値上げが決まっている。
 食用油は昨春から今春にかけて、5~6回も値上げが実施され、価格は1.5倍にアップ。それでもメーカーはコスト増加分を価格転嫁しきれていないという。
 帝国データバンクのリポート「『食品主要105社』価格改定動向調査(6月)」は、〈年内の再値上げ・再再値上げといった動きが前例にないペースで進む可能性が高い〉と指摘している。
 経済ジャーナリストの荻原博子氏はこう言う。
国民の生活はもう限界を迎えています。いち早く物価高対策を打つべきなのに、岸田首相は何もやっていない。それどころか、『欧米の物価高が7~8%なのに対し、日本は2%台にとどまっている』と胸を張っているのだからどうかしています」
 海外では、インフレを抑えるため、91の国と地域が「消費税」に当たる付加価値税の減税を実施・予定している。物価高対策には消費税減税が最も効果的だからだ。なのに、岸田政権は動こうともしない

庶民の血税が大企業の減税に使われている
 この狂乱物価を止めるには、日本も消費税の減税や廃止に踏み切るしかないのではないか。10%の消費税率をゼロにすれば、庶民の負担は一気に軽減されるはずだ。
 野党も一斉に消費税の「減税」「廃止」を掲げている。ところが、自民党と公明党は、「消費税は社会保障の安定財源と位置づけられている」「下げるなら社会保障を支える財源はどうするんですか」などともっともらしいことを言って、かたくなに消費税減税を拒否している。しかし、「消費税は社会保障に使途が限定されている」なんて、大嘘もいいところだ。消費税は、大企業と富裕層の減税の“穴埋め”に使われているのが実態だ。
 その証拠に、1989年の消費税創設以来の34年間で、消費税収の総額は476兆円に上った一方、法人税は324兆円、所得税・住民税は289兆円も税収が減っている。
 直近の例を見ても、消費税率が8%に上げられた2014年に法人税率は28%から25.5%に引き下げられ、以降、段階的に下げられて、現在は23.2%にまで低減されている。減少した法人税や所得税・住民税の“穴埋め”に消費税収が使われているのは明らかだ。
 なのに、高市政調会長は19日のNHK「日曜討論」で、「消費税が、法人税の引き下げに流用されているかのようなデタラメを公共の電波で言うのはやめていただきたい」と平然と嘘をつき、茂木幹事長にいたっては、選挙の応援演説で「(消費税を下げたら)どうなるか。社会保障の財源を3割以上カットしなくてはなりません」と、国民を恫喝しているのだから、フザケるにもほどがある。
「自民党は『消費税減税はシステム変更が大変だ』などとも訴えていますが、安倍政権だけでも消費税増税を2回もしています。増税が可能なら、減税だってやれるはずです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)
 自民党が消費税に執着しているのは、打ち出の小づちだからだ。なにしろ、税率を1%アップするだけで2兆円以上の税収が入ってくる。税収が増えれば、支援者にバラまく原資が増え、スポンサーである大企業の減税だって可能となるということだ。

海外の有権者は物価高に「ノー」
 こうなったら、国民は絶対に自民党を圧勝させてはダメだ。物価高騰を抑止するために、91の国と地域が「消費税減税」に踏み切っているのに、嘘と恫喝で拒否する岸田政権では、「物価高」も止まらない
 7.10参院選が終わると、この先3年間、国政選挙は行われない可能性が高い。はやくも岸田周辺は「黄金の3年間だ」などと口にしている。このチャンスを逃したら、あと3年間、自民党がどんなに悪政を重ねようが、国民はノーの意思を示せないということだ。
フランスでもドイツでも、海外の選挙では、物価高騰への不満から、有権者が政権与党にノーを突きつけている。豪州では政権が倒れています。それが民主主義というものです。岸田自民党は、防衛費を現在の5兆円から2倍の10兆円にすると公言しています。5兆円の財源を捻出するために、いずれ消費税増税を実施するか社会保障費をカットすることになるでしょう。7.10参院選の意義は、そうしたことも含めて、自民党政治を容認するのかどうか、ということです。本当に自民党を勝たせていいのか、有権者はよく考えるべきです」(五十嵐仁氏=前出)
 いま必要なことは、「#消費税を下げろ」という国民運動と、一票による鉄槌なのではないか。