2023年4月28日金曜日

28- 文化庁事務方トップが統一協会の解散命令請求は困難な情勢と(週刊文春)

 統一協会(現・世界平和統一家庭連合)の解散命令請求の前提となる質問権は既に5回行使されました。解散命令請求は3月までに行われると見られていましたが、それがないままで「地方選」も終了しました。

 「週刊文春」によれば、文化庁の事務方トップである合田哲雄次長「6回目の質問権行使などは全く見通しが立っていない」などと述べるなど、解散命令請求は困難な情勢にあるということです。
 全国弁連の弁護士たちは当初から解散請求は可能で容易と述べていたのに、何がどう変わったのでしょうか。
 岸田首相は昨年8月31日の記者会見で統一協会との“関係断絶”を宣言しました。そして年末には、内容が大いに不十分と指摘された「被害者対策法」が成立しました。
 しかしその結果、協会側が何かを改善したとはとても思えません。岸田首相統一教会問題に言及しなくなったし、“断絶”したはずの自民党と統一協会との繋がりも切れているようには見えません。ゴールデンウイークに行われる合同結婚式には、日本人の参加も予定されているということです。
 このまま解散請求もなく終るのであれば、1年近くも騒がれた統一協会問題は、一体何だったのかということになります。
 26日「週刊文春 電子版」に「統一教会の解散命令請求は困難な情勢 文化庁事務方トップは「全く見通しが立っていない」という記事が載りました。無料公開版では「見通しが立っていない」ということの概要が乗っているだけで、その他の詳細は4月27発売の「週刊文春」を参照のこととなっています。残念ですがこれはやむを得ないことです。
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統一教会の解散命令請求は困難な情勢 文化庁事務方トップは「全く見通しが立っていない」
                      「週刊文春」編集部 2023/04/26
                              文春オンライン
 文化庁が進めている、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)への解散命令請求が、困難な情勢となっていることが「 週刊文春 」の取材でわかった。岸田政権は昨年10月に史上初となる質問権行使を表明し、当初は年度内である今年3月までに解散命令請求に踏み切ると見られてきた。しかし、調査は進展しておらず、質問権の行使を繰り返すなど、現時点で解散命令請求に至っていない。所管する文化庁の事務方トップである合田哲雄次長は「週刊文春」の取材に対して、「(6回目の質問権行使などは)全く見通しが立っていない」などと語った。事実上、解散命令請求は困難な情勢にあり、政府内では解散命令請求断念に追い込まれるとの懸念の声もあがっている。

昨年の会見では統一教会との“関係断絶”を宣言
 岸田文雄首相は昨年8月31日の記者会見で、統一教会との“関係断絶”を宣言。10月17日には、永岡桂子文科相に対し、質問権の行使による調査を実施するよう指示を出した。宗教法人法では、宗教法人に法令違反など解散命令請求に該当する疑いがある場合、所管官庁(文化庁や都道府県)が法人に対し、質問をしたり報告を求めたりできると定められている。法令違反などがあれば、所管官庁が裁判所に対し、解散命令を請求し、裁判所が解散命令を下せば、宗教法人格を剥奪されることになる。

「従来の法解釈では、解散請求の要件として、刑事罰などが必要とされてきました。ところが、岸田首相はこの法解釈をあえて変更し、10月19日、国会で『民法の不法行為も入り得る』と答弁した。確かに、統一教会は22件の民事裁判で約14億円の損害賠償が認められています。この首相答弁を受け、これまで政府は遅くとも年度内に教団への解散請求に踏み切ると報じられてきた。各社の世論調査でも当時、『解散請求すべき』の声は8割前後に上っていました」(官邸関係者)

損害賠償額約14億円だけでは解散請求は難しい
 担当の文化庁宗務課は8人から40人規模に増員し、昨年11月22日、統一教会に対し、1回目の質問権を行使。翌12月9日、教団から段ボール8箱分の回答が届いた。その後、2回目の質問権に対する回答(今年1月6日)は小型ダンボール12箱分。だが、3回目の回答(2月7日)は小型段ボール2箱分に減り、さらに4回目(3月15日)の回答は封筒1通だったという。結局、年度内の解散請求は実現しなかった。4月25日に届いた5回目の回答も203項目に及ぶ質問に対し、同じく封筒1通に留まっている
 宗教法人審議会の関係者が実情を明かす。
教団側の損害賠償額約14億円は他の宗教団体でもあり得る金額で、これだけで解散請求するのは難しいそこで、韓国の教団本部へのカネの流れを調査し、外為法に抵触する例がないかを探しているようです。ただ、それもなかなか上手くいっていない。審議会メンバーからは『解散請求はもう無理』との声が上がり、政府内でも解散請求は相当難しいとの見方が強まっています」

「証拠もないのに請求しても、裁判所に棄却されるだけ」
 質問権行使に伴う調査は現在、どのような状況なのか。文化庁の合田次長と、担当の宗務課長が4月17日、21日の2日間にわたって取材に応じた。

――なぜこれだけの時間がかかっているのか。
「仮に今後、解散命令請求をするとなれば、説得する相手は東京地裁の裁判官です。彼らを納得させるには、証拠を積み上げていくしかない。証拠もないのに請求しても、裁判所に棄却されるだけです。そのハードルが低いのなら、こんな苦労はしていません。統一地方選の後に解散命令請求を断念というのは、私どもの官僚としての矜持の観点からも無い、ということはご理解頂きたいと思います」

――だが、質問に対する回答の分量が減っている。
「初めはジェネラルな、“何とかの資料を過去15年分全部出せ”という質問をしていて、それでごそっと来ている。一方で4回目は、かなり具体的な質問をしている。よく報道では『封書が1枚』と言われるんですが、相当な分量のレポートが返ってきています

――今後、6回目の質問権行使もあり得る?
「我々はその都度、何か見通しを持ってやってきたわけではありません。見通しは主な段階では全く立っていないし、最初からシナリオやスケジュールがあるわけでもない」

 元妻が教団の信者で、多額献金による被害を受けてきた橋田達夫氏が訴える。
「被害対策弁護団は4月5日、献金など3億1500万円の賠償を求め、統一教会側に通知書を送付しました。このまま、解散請求せずに教団を“延命”させるなど全く許せません」
 にもかかわらず、岸田首相はなぜ、昨年秋の時点では強い意欲を示していた統一教会への解散命令請求に後ろ向きになっているのか――。

 4月26日(水)12時配信の「 週刊文春 電子版 」および4月27日(木)発売の「週刊文春」では、岸田首相が統一教会問題に言及しなくなった背景、“断絶”したはずの自民党と統一教会との繋がり、韓鶴子総裁が建設する“300億円宮殿”の内部写真、日本人の参加も予定されるGWの合同結婚式、そして合田氏との詳しい一問一答など、岸田政権と統一教会の現在について詳報している。
        (「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年5月4日・11日号)

2023年4月27日木曜日

入管法改定案 戦前から続く非人道的な制度を廃案にし 国際基準での改正を

 しんぶん赤旗に移民政策学会元共同代表児玉晃一弁護士へのインタビュー記事が載りました。の自由権規約委員会から、日本の入管制度が極めて劣悪であるとして繰り返し是正を求められているのに、一向に改善されない背景が分かりやすく解説されています。

 日本は戦前 入管行政を、外国人を「取り締まりの対象」としてしか見ない特高警察が担っていました。それが戦後も抜本的に是正されることなく引き継がれたため、外国人を「ひとりの人間」として見ない体質がそのまま今も続いているのです。
 囚人同様に扱う長期間収容を、司法の判断を経ることなく入管の職員が独断で決めてしまうのもその顕れです。
 入管法の改定案は.2年前に多くの市民と野党が力をあわせて廃案に追い込みましたが、今回国会に出されたものもほぽ同じ内容で難民申請に回数の上限を設けて保護を求めている外国人を母国に強制送還できるという非人道的な仕組みも前回通りです。
 今回新たに導入される「監理措置」制度も酷いもので、収容の代わりに主任審査官が親族や支援者、弁護士などを「監理人」として選び、入菅庁の判断によって外国人の生活状況の報告が罰則付きで課されるなど、支援者と支援される人の信頼関係を、管・監視の関係へ変えることを目指すだけでなく、「支配と従属の関係になることでハラスメントの温床にもなりかねないものです。
 入管庁には国連自由権規約委員会の勧告を理解する能力がないようです。
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入管法改定案 戦前から続く非人道的な制度
       廃案にし国際基準での改正を 弁護士 児玉晃一さん
                       しんぶん赤旗 2023年4月19日
    こだま・こういち マイルストーン総合法律事務所代表弁護士。移民政策学会
      元共同代表(現常任理事)。「全件収容主義と闘う弁護士の会 ハマー
      ミスの誓い」代表「全国難民弁護団連絡会議」世話人。共著に『管問
      題とは何か 終わらないく密室の人権侵害〉』(明石書店 2022年)

 日本で暮らす移民・難民の人権を無視し、命をさらに危険にさらす、入管法(出入国管理及び難民認定法)改定案が国会で審議されています。法案の問題点をはじめ、なぜ日本の入国管理行政は外国人の人権を無視し続けるのかなど、入管問題長く携わる弁護士の児玉晃一さんに聞きました。  (前田智也)

 -国際社会からも批判されている、日本の入管制度について教えてください。
 まず言わなけれぱならないとは無期限・長期収容についてです。日本で、退去強制令書が出された外国人を、国外に退去させるまで原則すべて入管施設に収容し続けています。これは「全件収容主義」などと呼ばれており、国際社会からも批判されています。直近でいえば2022年11月、国の自由権規約委員から是正を勧告されています。
 「原則すべて収容する」ということは、現行の入管法には書かれていません。あくまで出入国在留管理庁(入管庁)が、そうした運用をしているだけの話です。一事が万事、入管庁の裁量があまりに広く、司法など第三者機関によるチェックや救済の道も現実的に期待できないことが、さまざまな問題が発生し続ける最大の原因です。

 -なぜ入管行政は、深刻な人権侵害を続けるのでしょうか。
 戦前の入管政策は、特高警察が実務を担っていました。外国人を「取り締まりの対象」としてしか見ておらず、戦後も抜本的な入法改正は一度もされていません
 名古屋入管で命を奪われたスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんに関わる庁の「最終報告書」を見ても、「仮放免を不許可にして立場を理解させ、強く帰国を説得する必要ありと記載されています。
 少なくと外国人を「ひとりの人間」として見ていない体質は今も続いていることは違いありません。

 戦前からの名残が続いているのですね。
 長期収容を正当化する通達の類型のなかには、収容者の犯罪歴などを理由に「再犯防止のため」という項目があります。これは戦前の治安維持法に規定されていた「予防拘禁」の考えそのものです。戦後に廃止されるまでの1941年から45年の聞、予防拘禁に付されたのは60人で、そのなかで2年以上拘禁されたのは4人だったと言われています。
 ロナ禍で、就労や移動の制限がある「仮放免」が以前よりも出されようになり収容者数は減りましたが、いまも入管施設では100人近くが長期収容されています。外国人の人権について、日本は戦前と同じかそれ以上にひどいと言わざるを得ません。

 -この間、収容者は「犯罪者」だというキャンペーンが繰り返されています。
 多くの人に知ってほしいことは、帰国できる人はすでに帰国しているという事実です。長期収容されている人たちは、「帰ることができない事情がある人たち」です
 具体的には、母国で迫害を受けている人、日本ですでに家庭を持っている人、母国では治療できない重い病を抱えている人などです。だから難民申請や在留特別許可を求め続けているのです。そうした人たちの本当の姿を見ずに、「オーバースティは犯罪だ。だから収容されてもしょうがない」という主張は許せません。なにより、人権を無視して良い理由にはなりません。

 -政府が成立を狙う、入管法改定案について聞かせてください。
 2年前に、多くの市民と野党が力をあわせて廃案に追い込んだものとほぽ同じ内容です。今回も廃案の一択しかりません
 難民申請に上限を設けて、保護を求めている外国人を母国に強制送還できるようにするなど多くの問題があります。収容をめぐっては、全件収容主義を改めるとして「監理措置」という制度の導入が狙われています
 「監理措置」とは、収容の代わりに地方入国管理局長などの主任審査官が親族や支援者、弁護士などを「監理人」として選びます。入菅庁の判断によって、外国人の生活状況の報告が罰則付きで課されるなど、事実上の入管庁の手先になってしまう。
 支援者と支援される人の信頼関係を、管・監視の関係へ変えてしまいます。支配と従属の関係になることで、ハラスメントの温床にもなりかねません。非人道的な制度を認めるわけにはいきません。

 -廃案に追い込むために、必要なことはなんでしょうか。
 2年前も、当初は厳しい情勢だと言われていました。それでも、さまざまな立場の市民が声をあげ、世論が急速に広がるなかで野党も奮闘して廃案にすることができました。
 今回も、みんなで力をあわせて廃案にしたい。そしてその先に、国際基準に沿った人権保護の枠組みなどが保障された、真の入管法改正を実現したい

27- 岸田大軍拡異議あり 長寿社会になれたのは平和憲法のお蔭 樋口恵子さん

 シリーズ「岸田大軍拡異議あり」に樋口恵子さんが登場しました。
 日本が長寿社会になれたのは平和憲法と「専守防衛」のお蔭で、1世代上は多くの方が戦争で亡くなっているので、生き延びた責任を果たさねばならないと決意を述べ、政府が「専守防衛」を投げ捨て防衛費を2倍にし5年で43兆円をつぎ込むあおりで介護保険の給付が削られることなどあってはならないと述べています。そもそも戦争は究極のケア放棄とも
 そして男女雇用機会均等化や職場での男女差別の撤廃は非常に重要なことで、その獲得に向けて裁判闘争に持ち込んだ方の多くは共産党の女性たちだったと高く評価しました。
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岸田大軍拡異議あり 長寿社会になれたのは
     NPO法人高齢化社会をよくする女性の会理事長 樋口恵子さん
                       しんぶん赤旗 2023年4月22日
 戦後日本が経済成長を遂げ、社会保障などの支えもできて世界一の長寿社会を実現したのは平和憲法と「専守防衛」のおかげですところが岸田政権は、ほとんど議論せず安保3文書を閣議決定し、「専守防衛」を投げ捨てました。強い危機感を持っています。
 憲法が施行された1947年、私は結核を患い休学した後、中学校に復学しました。おずおずと入っていった教室は新憲法で沸き立っていました。先生が何時間も憲法の講義をし、放課後も「何条が好き?」と話題にしました。やはり一番人気は9条、戦争放棄でした。
 私が90歳まで生き延びることができたのは平和憲法、「専守防衛」があったからです世代上は多くの方が戦争で亡くなっています。生き延びた責任を果たさねばなりません
 介護保険制度の創設に政府の審議会委員として携わりました。「介護が必要になったらサービスが給付される」のは国家と国民との契約です。それができなければ国が国民を大ペテンにかけたと言わざるを得ません。防衛費を2倍にし、5年で43兆円をつぎ込む。けしからんですね。そのあおりで介護保険の給付が削られることなどあってはなりません。そもそも戦争は究極のケア放棄です
 中学生の私が好きだった憲法の条文27条、「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ」でした。男も女もない。勉学して職業能力を身に付け働こうと希望に燃えました。ところが東大卒業時に就職差別にぶつかり挫折しした。
 85年に男女雇用機会均等法ができるまで、雇用の場にはあからさまな差別がありました。民間企業には女性は結婚や出産をしたら退職など、定年の差別もあったのです。
 その撤廃を求め、裁判闘争に持ち込んだ方の多くは共産党の女性たちだったと思います。そのあたりは共産党の人たちを心から尊敬します。81年には「男女別定年制は無効」の最高裁判決が出ました。私は、戦後働く女性の地位向上に尽くした人といったら、党派を別にして真っ先にその方々をあげますね。  聞き手 内藤真己子

2023年4月26日水曜日

6月解散7月総選挙可能性が拡大(植草一秀氏)

 植草一秀氏が「6月解散7月総選挙可能性が拡大」とする記事を掲げました。地方選の結果を見た上でのものです。

 同氏は、地方選については維新躍進、立民凋落、自民健闘したとしました。衆参両院議員補選では自民党が4勝1敗でしたが、「圧勝したわけではな薄氷の勝利と表現できるとして選挙結果を詳しく分析しました
 そして3つの点(詳細は本文参照)を上げて今年の夏に総選挙が行われる可能性が高いと判断しました。
 事態がより深刻なのは立民党であるとして、その凋落は2110月衆院総選挙から始まったが歯止めがかかっていないとしました原因は枝野幸男代表が始めた野党共闘否定にあり、泉健太代表になってから野党共闘路線否定をさらに強化して22参院選で大惨敗を演じました23日の衆参補選の結果について聞かれた泉氏は、野党共闘が出来なかった点を挙げていましたが、今さら何を言っているのでしょうか。
 植草氏は、立民党が立ち直るには泉健太氏岡田克也氏が責任を明らかにして辞任することが必要不可欠と述べています
 それとは別に田中龍作ジャーナルは、れいわ新選組の健闘を評価する記事を出しました。同党は地方選で、ゼロから公認39名、推薦8名の当選者を出しました。
 また日刊ゲンダイは「東京21区議選の結果に自民真っ青…首都圏の議席壊滅危機で衆院解散に急ブレーキ」という記事を出し、「今、解散・総選挙に打って出れば都市部で議席を大幅に減らすのは必至。統一地方選の票の出方だと、首都圏の議席は半減してもおかしくない」という自民党関係者の言葉を紹介しています。併せて紹介します。
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6月解散7月総選挙可能性が拡大
               植草一秀の「知られざる真実」 2023年4月25日
4月9日、23日に実施された統一地方選と衆参両院議員補選。
現在の政治勢力の現状を如実に反映するものになった。
状況は、維新の躍進、立民の凋落、自民の健闘。
3月9日付メルマガ記事にサミット開催後の衆院解散・総選挙の可能性を記述した。
今回の選挙結果を受けて岸田首相が衆院解散・総選挙に突き進む可能性が高いと考える。
6月解散、7月総選挙が現実化する可能性が高い。

衆参両院議員補選では自民党が圧勝したわけではない。薄氷の勝利と表現できる。
維新は躍進し、和歌山では自民が議席を獲得できなかった。
岸田首相が解散・総選挙に踏み切れるのかを疑問視する見解もあるが、以下の三点から、
本夏総選挙挙行の可能性が高いと判断する。
第一は、岸田首相が自民党総裁続投を確実にするには、来年9月の自民党総裁任期満了前に総選挙を実施して実績を示す必要があると岸田氏が判断していると思われること。
第二は、その時間的視野で考察したとき、広島サミット閉幕直後が最も有利なタイミングであると判断される可能性が高いこと。
第三は、軍事費増大等の政府支出拡大方針が示されるなか、本年末には財源策として増税を検討する可能性が高く、その前に総選挙を実施してしまうことが国民負担増大決定に好都合であること。
第二のタイミングの観点からは、野党の総選挙体制が整っていないタイミングを狙うことも重要視されると考えられる。

これらの要因から、岸田首相は広島サミット後の解散・総選挙を実行に移す可能性が高い。
しかし、自民党の選挙情勢が盤石とは言えない。4月23日衆参補選結果は以下の通り。
参院大分選挙区
 白坂亜紀(自民)   196122
 吉田忠智(立民)   195781 
  341票差で白坂氏勝利。
  投票率 42.48%
山口2区
 岸信千代(自民)    61369
 平岡秀夫(無所属)   55601
  5768票差で岸氏勝利
  投票率 42.41%
和歌山1区
 林 佑美(維新)    61720
 門 博文(自民)    55657
  6063票差で林氏勝利
  投票率 44.11%
山口4区
 吉田真次(自民)    51961
 有田芳生(立民)    25595
  投票率 34.71%
千葉5区
 英利アルフィア(自民) 50578
 矢崎堅太郎(立民)   45635
 岡野純子(国民)    24842
 斉藤和子(共産)    12360
  投票率 38.25%
和歌山での敗北、千葉での薄氷の勝利、山口2区での接戦は自民党支持の揺らぎを示している。

だが、事態がより深刻なのは立憲民主党だ
大分選挙区は立民議員の知事選出馬に伴う補選、千葉5区は自民議員の不祥事による辞職に伴う補選。本来は立民が完全勝利を得なければならなかった選挙。
ところが、大分では341票の僅差で議席を失った
千葉5区では野党候補が乱立して議席を獲得できなかった。
千葉5区で立民と国民の得票合計は70477、立民と共産の得票合計は57995。
立民が国民または共産と共闘を構築していれば勝利できていた計算になる。

立民の凋落は2021年10月衆院総選挙から始動し、歯止めがかかっていない。
21年総選挙惨敗の主因は枝野幸男代表が野党共闘を否定したこと。
ここから、野党共闘支持の主権者が立民支持から離脱した。
泉健太氏は野党共闘路線否定を強化して22年参院選でさらに大惨敗を演じた。
この路線が変更されていない。
大分で野党共闘が辛うじて構築されたが、内部に疑心暗鬼が渦巻いている。
千葉では立民が共闘の図式すら示せなかった。
立民の岡田克也幹事長は責任逃れ発言を示し、幹事長に居座る姿勢を示しているが、その延長線上にあるのは立憲民主党崩壊だ。
まずは、泉健太氏、岡田克也氏が責任を明らかにして辞任することが必要不可欠。
結果に対する責任を明らかにできないことが党勢衰退の主因になっていることを認識できない状況は末期的。立民凋落が総選挙断行を後押しする主因になる。

以下の舩井メールクラブ企画告知もご参照賜りたい。
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★経営指導の神様と言われた故・舩井幸雄さんがつくった会社(株)本物研究所 社長の
佐野浩一さんと対談しました。
対談テーマは【日銀総裁が替わり、日本の政治、経済、そして世界情勢はどう変わる?(序章)】です。
大蔵省財政金融研究所時代に共同研究もさせていただいた植田和男 日銀新総裁について語らせていただきました。
対談動画は4月26日(水)までの期間限定(無料)です。ぜひ期間内にご視聴ください。
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【統一地方選】 れいわ大躍進 有権者は見ている
                 田中龍作ジャーナル 2023年4月24日
  【写真説明】山本太郎れいわ新選組代表。国民に直接語りかけることのできる数少
     ない政治家の一人だ。=18日、勝どき交差点 撮影:田中龍作=
 きのう23日、投票が行われた統一地方選挙でれいわ公認候補は、ツイッターで確認する限り35人が当選した(あくまでも24日朝の時点)。(⇒最終的に前・後半戦をあわせて、公認39名、推薦8名が当選 事務局追記)
 翌日(24日)開票があるため、当選者はさらに増える可能性がある。大躍進である
 れいわ事務局によれば過去の地方選挙でれいわ公認候補の当選はゼロ人だった。
 大躍進の予兆はあった。18日、勝どきの交差点(東京都中央区)で、れいわの川畑よしとも候補と山本太郎代表が街宣をした。
 ここは街宣のメッカなのだが、自民党が国政選挙で動員をかけた時と同じくらいの数の聴衆が集まった。れいわの場合、動員ではない。
田中は当時の状況をこう記した―
 「民草は重税と物価高と低賃金で青息吐息だ。息をつなぐことができなくなり自ら命を絶つ人も少なくない。絶望的な政治状況にあっても、れいわは棄民しない。それだけは自信を持って評価できる」。
  【写真説明】チラシ配りのスタッフもおらず一人で細々と立つ渡辺照子候補(肩書当
     時)。=20日、中村橋駅(練馬区) 撮影:田中龍作= 
 照ちゃんこと渡辺照子練馬区議(元れいわ、現立憲)が再選を果たした。
 照ちゃんは立憲の候補とはいえ、大労働組合の十分な支援を得られなかった。組織力を誇る自公に場所を押さえられて、思うように街宣ができなかった。
 駅の脇に追いやられて細々と演説する照ちゃん。その光景を拙ジャーナルに掲載したがために落選するようなことにでもなったら、照ちゃんに申し訳が立たないと思い伏せていた。選挙が終わった今、晴れてアップロードする。
 照ちゃんは人生の大半をシングルマザーとして生き、路上生活(ホームレス)をも経験した。親切な人の家で出産した。21歳の時である。
 20代後半の頃、公務員となり安定した暮らしができると思っていたが、殴る蹴るのイジメに遭い、5年で退職。以後、食うや食わずの非正規労働が続いた。
 有権者は照ちゃんの人生に我と我が身を仮託した。3,411票。照ちゃんは練馬区議会議員として2期目を歩み出す。
 れいわと照ちゃんに共通するのは貧困問題への取り組み、そしてブレないことである。
 有権者は自らが置かれた状況を候補者に仮託しながら、しっかり見ている。
  【写真説明】オーダーメイドの車椅子を作り続ける川畑よしとも候補(手前)は限り
     なく弱者目線だ。その姿勢が評価されたこともあり当選した。撮影:田中龍作
                  ~終わり~

東京21区議選の結果に自民真っ青…首都圏の議席壊滅危機で衆院解散に急ブレーキ
                         日刊ゲンダイ 2023/04/25
 岸田政権に対する「中間評価」の意味合いを持つ衆参5補欠選挙で、自民党は「4勝1敗」。勝敗ラインの「3勝2敗」を上回り、永田町の焦点は「岸田首相がいつ解散・総選挙に踏み切るのか」に移っている。とはいえ、山口4区以外は苦戦を強いられた末の薄氷の勝利で、党内に祝勝ムードはない。むしろ、今回の投票傾向から「総選挙の議席激減」を危ぶむ声すら上がっている。
「とにかく、ウチへの票の出方が悪すぎる」と言うのは、ある自民党関係者だ。東京21区議選の結果に青ざめたという。自民は21区議選に計295人の公認候補を立て、70人が落選。16人中7人と候補の半数近くが敗れた杉並をはじめ、各区で議席を取りこぼした
 落選者で目立つのは当選3回以上の中堅・ベテランだ。それだけ新陳代謝を求める有権者が多い証拠だが、自民新人の初当選組は江東区の井川諒太郎候補(31)など40人にとどまり、改選前から総獲得議席を10減らした。

「結果以上に内容が乏しい。世田谷は、日本維新の会の現職がトップ当選。3位も維新の新人でそれぞれ、約1万4000票と約1万2000票を獲得したのに、ウチで最も順位の高い7位の37歳新人女性は約6800票止まり。定数50で14人が当選したが、順位は中間以降に固まり、立憲にも水をあけられた。目黒も維新の新人がトップ。ウチの最高は7位で獲得票数はトップの半数以下です。中野にいたってはトップ10入りすらできず、最高は14位。千代田、墨田、豊島でトップ当選を果たしたとはいえ、圧勝した選挙区は1つもなかった」(自民党関係者)

「首都圏の議席は半減必至」の声
 都内三多摩エリアの22市町村議選の結果も同様で、自民は改選前158議席から143議席と15議席減。千葉5区補選を見ても顕著なように、無党派層の多い都市部の基調は「自民ノー」だ。2年前の総選挙で千葉5区では「政治とカネ」の問題で辞職した薗浦健太郎前衆院議員(自民離党)が約11万票を獲得。今回の補選で自民の英利アルフィヤ候補は約5万票しか取れず、半減以上だ。乱立5野党の総獲得票数は約11万票で、野党側が候補者を一本化していればダブルスコアの大敗を喫する可能性もあった。
 加えて連立パートナー、公明党の党勢衰退も激しい。「全員当選」を掲げて臨んだ統一地方選の候補1555人のうち12人が落選。1998年に現在の公明党となって以降で最多だ。集票マシンに陰りがみえ、「全勝神話」も今は昔。落選者を出したのは愛知県議選や大阪市議選、都内5つの区議選など大都市圏が中心だ。学会票の上積みが期待できなければ、都市部の自民党はますます苦しい選挙戦を強いられる。
 冒頭の自民党関係者は「今、解散・総選挙に打って出れば都市部で議席を大幅に減らすのは必至。統一地方選の票の出方だと、首都圏の議席は半減してもおかしくない」と嘆いた。党内に渦巻く悲鳴は岸田首相の解散戦略にどう響くのか。