イスラエルのガザ大虐殺は連日連夜続けられています。
イスラム教徒にとって最も神聖な祝祭である犠牲祭の期間中(6~9日)もガザ地区を激しく攻撃し、この4日間に246人が殺害されました。ジャーナリストもこの期間中に2人が殺害され累計で227人になりました。
乳児・幼児も容赦することなく、食糧を求めて集まった人たちをも躊躇なく殺害するのは、パレスチナ人民絶滅を目指す行為に他なりません。
しんぶん赤旗の4つの記事を紹介します。
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激しい攻撃祝祭中も ガザ地区4日間で246人が犠牲
しんぶん赤旗 2025年6月12日
【カイロ=米沢博史】イスラム教徒にとって最も神聖な祝祭である犠牲祭の期間中(6~9日)も、イスラエルは、パレスチナ・ガザ地区を激しく攻撃し、ガザ保健当局によると、この4日間に246人が殺害されました。
親族48人全員 「ー瞬にして」
米国支援のガザ人道財団(GHF)が南部ラファに設置した食料配給所では、6日と8日、食料を求めて集まった人々にイスラエル軍が発砲し、両日合わせて少なくとも21人が殺され、214人が負傷しました。
ジャーナリストも祝祭期間中に2人殺害され、2023年10月のイスラエルの大規模攻撃の開始以降、ジャーナリストの死者は227人となりました。
救助隊に随行するフォトジャーナリストのラヒム・ハデル氏(23)ば6日、ガザ北部のジャバリアの自宅が爆撃され、犠牲祭を祝うために集まっていた親族48人全員が殺害されたと本紙に証言しました。
ハデル氏が出張から帰ると自宅はがれきと化し、衝撃を受けました。親族全員が亡くなったことを知り、計り知れない悲しみと恐ろしさに取り乱し、気を失ったと言います。
「母はおいしい祝祭の料理を作ってくれました。兄は私の悩みをよく聞いてくれました。もうそんなことは二度と訪れません。一瞬にして私は孤独になったのです」
ハデル氏はイスラエル軍の犯罪を撮影し暴露するという自身のジャーナリストの仕事ゆえに自宅が狙われたとみています。「なぜこの仕事をしている私だけが生き残り、関係のない親族や子どもたちが殺されたのか」と苦悩します。
イスラエルの残虐な攻撃はとどまることなく続いています。10日には、救助隊3人がガザ市郊外で負傷者の救助活動中にイスラエルの攻撃で殺害されたことが、地元メディアで報道されました。
ハデル氏は言います。
「それでも、私はジャーナリストとして折れません。私のカメラがイスラエル占領軍の犯罪を撮影するのを止めることは、誰にもできないでしょう」
イスラエル軍空爆
ガザ住人35人殺害
イスラエル軍は11日、パレスチナ・ガザ地区を空爆し、少なくとも35人を殺害しました。犠牲者のほとんどは、米国が支援する団体「ガザ人道財団」(GHF)が運営していた食料配給場所で殺害されました。地元の医療関係者が明らかにしました。
ガザ北部のシファ病院とアルクッズ病院の医療関係者は、少なくとも25人が配給地点に近づいたところで殺害され、数十人が負傷したと語りました。
イスラエル軍はガザ南部ハンユニスでも空爆を行い、10人が殺害されました。
(ロイター)
イスラエルの2閣僚制裁 英、豪、カナダなど5力国
しんぶん赤旗 2025年6月12日
【ベルリン=吉本博美】英国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、ノルウェーの5カ国の外相は10日、共同声明を発表し、イスラエルの極右閣僚2人に対し、イスラエル占頷下にあるヨルダン川西岸のパレスチナ人への暴力を扇動したとして制裁を科すと発表しました。5カ国政府は両氏に対し、資産凍結や入国禁止などの措置を開始しました。
制裁の対象となったのは、ベングビール国家治安相とスモトリッチ財務相。声明は、両氏が「過激派の暴力やパレスチナ人の人権の重大な侵害を扇動してきた」と非難。「パレスチナ人の追放、新たなイスラエル人入植地の創設を主張する過激な発言は、おぞましく危険だ」と指摘しています。
ベングビール氏とスモトリッチ氏は、イスラエルのネタニヤフ政権内の最強硬派。パレスチナ人への憎悪をあおり、ガザでの停戦や人道支援に反対するほか、パレスチナ人の第三国への「移住」や入植地のイスラエルヘの併合を主張してきました。
声明は、入植者の暴力がパレスチナの民間人の死亡と集落全体の追放を生んでおり、パレスチナ国家とイスラエルが共存する「2国家解決」の実現を脅かしていると批判しています。
両氏に対する制裁措置については、ヨルダン川西岸地区での人権侵害を対象としているが「ガザの惨状と無関係ではない」と指摘。イスラエルがガザヘの人道支援の拒否し、民間人に苦難をもたらしていると非難しています。
イスラエルのサール外相は「受け入れられない決定だ」と反発しました。
公海上で拉致された」送還のグレタさん抗議
しんぶん赤旗 2025年6月12日
【カイロ=時事】スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんが10日、イスラエルから空路で送還されました。同国外務省が発表しました。フランス経由でスウェーデンに向かうといいます。クレタさんらを乗せた人道支援船はパレスチナ自治区ガザを目指していましたが、9日未明にガザから約190キロの地中海でイスラエル軍に拿捕(だほ)され、グレタさんを含む12人が拘束されていました。
AFP通信によると、グレタさんは経由他のパリの空港で記者団の取材に応じ、「公海上で意思に反して拉致された」とイスラエル側の対応を非難。「イスラエルによるさらなる人権侵害だ」と強調しながらも「パレスチナ人が経験していることに比べると何でもない」と語りました。
外務省は先に、「送還の文書への署名を拒否した者はイスラエルの法律に基づき司法の裁きを受ける」と説明。フランスのバロ外相は10日、X(旧ツイッター)への投稿で、グレタさんと行動を共にしていた仏国籍の5人が署名に応じず、司法手続きに進むと明かしました。
グレタさんらはガザの深刻な人道状況に目を向けてもらおうと、支援物資を載せた船に乗って1日にイタリアを出発。9日未明にガザ西方の公海上で拿捕されました。
ハマスの武装解除 アッバス議長訴え
しんぶん赤旗 2025年6月12日
【カイロ=時事】パレスチナ自治政府のアッバス議長はフランスとサウジアラビアに送った9日付の書簡で、パレスチナ自治区ガザでイスラエルと交戦を続けるイスラム組織ハマスの武装解除を訴えました。
AFP通信が10日伝えました。
仏、サウジは17日から二ューヨークでパレスチナ問題に関する国際会議を主催する予定。仏政府は「ハマスの非武装化」をパレスチナの国家承認の条件に掲げており、アッバス氏は会議を前に方針を明確にした形です。
アッバス氏は書簡で、ハマスなどがイスラエルから連れ去ってガザで拘束する人質に関して「直ちに全員を解放すべきだ」と強調。将来のハマスによるガザ支配を拒否し、「武器をパレスチナ(自治政府)の治安部隊に引き渡さなければならない」と述べました。