植草一秀氏が掲題の記事を出しました。
自公政権の政策を背後で仕切っているのが財務省ですが、同省の最大の目的は消費税増税です。逆に消費税減税には絶対に反対で、消費税減税を阻止できるなら何でもやる構えです。
逆進性のある消費税は大衆課税で 所得の少ない人ほど負担感が重く、年収100万円の人は所得税が納税額ゼロですが、消費税では収入金額の1割をむしり取られる地獄のような酷税です。それに対して年収10億円の個人が1億円消費しても収入に対する税負担率はわずかに1%で、金持ちに限りなく優しい税です。
そして庶民から消費税で資金をむしり取った金を特定の企業、業界、団体に〈利権支出〉をバラまくのが日本財政の基本構造で、それによって財務省は莫大な省益と権益を確保してきました。
ところで政府は参院選対策として、国民への一律給付金と、子どもに対してと住民税非課税世帯に追加給付金を配る方針を決めました。そして〈バラマキ〉の批判を回避するため、自民党の森山幹事長は「自然増収を財源にする」と口を滑らせました。植草氏は政府が〈自然増収は財源になる〉ことを明言したのは重大な出来事だと述べます。
植草氏は、かねてから「消費税率5%への引き下げを20~24年度の自然増収の15兆円を財源にして実施すべき」だと唱えてきましたが、もはや政府・自民党にはそれを拒否する口実がなくなった訳です。
同氏は、「参院選の争点は〈消費税減税〉。消費税率を5%に引き下げて、インボイスを廃止する。自然増収15兆円を財源にして消費税減税を実現できる。これを明確に公約として掲げる候補者・政党に投票するべきだ」と述べています。
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自然増収が「財源」になる証明
植草一秀の「知られざる真実」 2025年6月16日
参議院議員通常選挙は7月22日投開票の日程で実施される見通し。
石破内閣は衆参ダブル選を模索した。昨年10月総選挙で自公は大敗。過半数を大きく割り込んだ。野党人気が翳り、自民人気が回復すれば過半数奪回のチャンスになる。
野党が内閣不信任案を提出すれば、これを大義名分にして衆院解散に踏み切る構えを示した。
これにおじけづいたのが立憲民主党。いま総選挙が実施されれば立民はさらに議席を減少させる可能性が高い。そこで、内閣不信任案提出を見送る姿勢を示している。
立民は選挙で勝利して政権を奪取する見通しが立たないため、参院選後に自公政権に加えてもらう道を描く。堕落した野党である。立民は自公に合流して消費税増税に賛成する可能性がある。
その参院選に自公の与党は一律給付金バラマキの方針を決めた。二転三転、一貫性のない政策運営。
選挙に際して有権者に金品を配るのは文字通りの選挙買収。白昼堂々の公職選挙法違反で突き進む構えを示している。
背後で仕切る財務省は何を考えているのか。財務省の最大目的は消費税減税阻止、そして、消費税増税。消費税減税を阻止できるなら何でもやる構え。
消費税は大衆課税。景気変動の影響も受けない。所得の少ない人ほど負担感が重い。
年収100万円の人は所得税が納税額ゼロだが、消費税では収入金額の1割をむしり取られる。地獄のような酷税。
年収10億円の個人が1億円消費したとして収入に対する税負担率はわずかに1%。金持ちに限りなく優しい税である。
庶民から消費税で資金をむしり取り、そのむしり取った金で特定の企業、業界、団体に〈利権支出〉をばらまく。これが日本財政の基本構造。
〈利権支出〉は〈天下り〉というキックバックを生む財政支出であるから財務省は〈利権支出〉の増大を推進する。
消費税減税を阻止するためなら給付金は受け入れる。給付金の特徴は〈1回限り〉にある。
次年度以降に影響を残さない。だから、給付金には寛容なのだ。
〈バラマキ〉の批判を回避するため、子どもに対して追加給付金を設定し、住民税非課税世帯にも追加給付金を設定する。しかし、選挙目当ての〈買収〉である点に変わりはない。
しかし、自民党は決定的な失策を犯した。バラマキ給付金の〈財源〉について口を滑らせた。
「自然増収を財源にする」と言ってしまった。〈自然増収は財源になる〉ことを明言してしまった。
私は消費税率5%への引き下げを20~24年度の自然増収を財源にして実施すべきだと唱えてきた。20~24年度の自然増収が年額で15兆円に達している。
〈自然増収は財源になる〉なら消費税率5%への引き下げを実施できる。財源は自然増収15兆円にすればよい。
参院選の争点は〈消費税減税〉。消費税率を5%に引き下げて、インボイスを廃止する。
自然増収15兆円を財源にして消費税減税を実現できる。これを明確に公約として掲げる候補者・政党に投票するべきだ。
詳細は新著『財務省と日銀 日本を衰退させたカルトの正体』http://x.gd/nvmU9 をご高覧賜りたい。
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