09- 維新兵庫県知事問題対応の異常(植草一秀氏)
植草一秀氏が掲題の記事を出しました。兵庫県知事問題について7日迄の主要な経過を要約したものです。
斎藤元彦氏は絶対に自分の非を認めないという点で特異な人間であり、国に対してもそれを貫いているのは異常というしかありません。彼はひたすら「県政を前に進めるのが自分の責任だ」と繰り返しますが、この状態を放置しておくのは兵庫県に対して取り返しのつかない損害を与えます。
植草氏は「兵庫県議会は斎藤知事の犯罪性の高い行為について徹底的に追及する責務を負っていて~ 現状では兵庫県議会が斎藤支持に対する不信任決議を再度可決するしか選択肢はなくなりつつある」と結論付けています。
再度知事不信任が議決されれば知事は今度は県議会を解散するでしょうが。それを恐れるべきではなく、あと正味4日で県議会が閉るのにこのまま無為に過ごすようでは県民からの信認が失われます。
当然選挙では多大な費用を消費しますが、県政の両輪の一方である議会はそんなことで躊躇するべきではありません。
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維新兵庫県知事問題対応の異常
植草一秀の「知られざる真実」2025年6月 7日
「天網恢恢疎にして失わず」=「悪は一時期栄えるように見えても、それは一時のことで、いつか必ず報いを受ける」。
兵庫県の斎藤元彦氏のXデーが近づいている。昨年11月17日の兵庫県知事選挙で斎藤元彦氏が勝利したが選挙の公正性、正統性に問題があった。
私は選挙翌日の11月18日にブログ、メルマガで論評した。
ブログ記事「新時代情報戦争と兵庫知事選」https://x.gd/Fhvd3
メルマガ記事「兵庫県知事選と25年政治刷新」https://foomii.com/00050
「インターネットメディアを活用して、人々の納得や共感を獲得できれば、大きな成果を上げることができる。問題は流布される情報が必ず真理とは限らないこと。
事実に反する情報であっても、情報の受け手が納得し、真実だと信じ込めば投票結果などに影響を与えることができる。
兵庫県知事選では、斎藤前知事が亡くなった県民局長の内部通報に対して取った行動が適切であったのかどうかが最重要の評価対象だったが、県民局長のプライバシーに関する情報が拡散されて有権者の行動が誘導された側面が強いと見られる。
「目的のためには手段を問わない」とのスタンスで選挙戦が展開されたとすれば、県民局長が使用していたPCに保存された情報の管理が適切であったのかどうかに関する評価がなされる必要がある。この意味で、選挙が公正な状況で執行されたのかどうかについての検証が必要になる。」
斎藤知事は公益通報である〈外部通報〉に対して〈犯人捜し〉を指示し、片山安孝副知事をはじめとする県職員が西播磨県民局長の公用PCを押収。
県はこのPC内の県民局長のプライバシー情報を入手して外部に漏洩した。
元県民局長はプライバシー情報を暴露するとの脅迫を受けて自死に至った。
プライバシー情報の外部漏洩は犯罪行為だと見られている。実行したのは井ノ本知明元総務部長だが、プライバシー情報の外部漏洩は斎藤知事の指示に基づく行為だったと供述していると伝えられている。井ノ本元総務部長だけでなく、片山安孝元副知事、小橋浩一元担当理事がプライバシー情報の外部漏洩は斎藤知事による指示であったと供述していると伝えられている。
プライバシー情報の外部漏洩は犯罪である疑いが強く、井ノ本元総務部長のプライバシー情報外部漏洩についての刑事告発もなされている。
斎藤知事が指示したのであれば斎藤氏の刑事責任が問われる必要が生じる。
問題の調査を行った第三者委員会は斎藤知事による指示に基づいて外部漏洩がなされた可能性が高いと判断した。斎藤知事は「指示していない」と供述しているが、斎藤氏を含む事実を知る4人のうちの3名が斎藤知事の指示があったとしているため、斎藤知事の主張の信ぴょう性は著しく低い。
斎藤知事は兵庫県が井ノ本元総務部長を刑事告発しない方針を示し、自分自身には減給処分を行い、これにて問題を終結させる姿勢を示しているが、まったく通用しない。兵庫県議会では維新だけが斎藤知事の主張に同調する構えを示している。
ここに兵庫県知事選問題の本質がくっきりと浮かび上がっている。
一部に「斎藤知事は兵庫県の「黒い利権勢力」によって追い落とされようとしてきた」との主張があるが、失当である。逆に、「維新を中心とする勢力が「利権」を保持するために、コントロールの利く斎藤氏を何としても知事にとどまらせようとする活動が展開されてきた」との主張があり、こちらが現実にはるかに近いと考えられる。
このために、斎藤知事の犯罪行為が明瞭になりながら、維新勢力が問題に幕引きを図る行動を強めているのだと推察される。
兵庫県問題に維新が適正な対応を示さないなら、7月に見込まれる参議院選挙で維新は大敗することになる可能性が高い。
第三者委員会が違法なプライバシー情報の外部漏洩を認定し、その外部漏洩が斎藤知事の指示によるものであった可能性が高いとしている。
事実関係の直接体験者であると見られる4名の職員のうち、斎藤知事を除く3名が斎藤氏の指示であったとの供述を示している。斎藤氏が「指示していない」と発言しても、その発言は自己に有利な発言であるから真実の証明にはなり得ない。
兵庫県議会は斎藤知事の犯罪性の高い行為について徹底的に追及する責務を負っている。
斎藤知事がプライバシー情報の外部漏洩を指示した可能性が高い状況下で、その責任を問わないまま幕引きを図ることはあり得ない。
その幕引きを示唆しているのが維新である事実を広く日本国民全体に周知させる必要がある。
現状では兵庫県議会が斎藤支持に対する不信任決議を再度可決するしか選択肢はなくなりつつある。
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